経理様式3 間接経費執行実績報告書《e-Rad により報告 》
平成28年度版
委 託 研 x x 約 事 務 処 理 説 明 書
国 際 科 学 技 術 共 同 研 究 推 x x 業地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム
大学等向け
平成28年4月
目 次
Ⅰ.はじめに......................................................................................- 3 -
Ⅱ.地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムと委託研究契約の概要 ................................- 5 -
1.地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムの概要.............................................- 5 -
2.用語の解説...................................................................................- 8 -
3.委託研究の契約形態について...................................................................- 9 -
4.委託研究契約に係る書類......................................................................- 11 -
Ⅲ.委託研究費の執行について.....................................................................- 12 -
1.委託研究費の執行にあたって...................................................................- 12 -
2.委託研究の予算費目...........................................................................- 12 -
3.直接経費について.............................................................................- 13 -
4.間接経費について.............................................................................- 23 -
5.委託研究費の執行期限.........................................................................- 25 -
6.委託研究費のJSTから研究機関への支払いについて .............................................- 25 -
7.委託研究費の分割払いについて.................................................................- 26 -
8.証拠書類の管理について.......................................................................- 26 -
9.物品等の取扱いについて.......................................................................- 28 -
10.研究機関における管理監査体制、不正行為等への対応について ....................................- 29 -
11.各種報告書等の提出について..................................................................- 33 -
12.委託研究費の返還について....................................................................- 34 -
13.「委託研究費の精算」について................................................................- 34 -
14.委託研究の中止について......................................................................- 35 -
15.再委託について..............................................................................- 35 -
16.委託研究の延長について......................................................................- 36 -
17.特定の事業目的により追加された研究資金の取扱いについて ......................................- 36 -
18.その他......................................................................................- 36 -
Ⅳ.知的財産権の管理について.....................................................................- 39 -
1.研究成果に係る知的財産権の基本的な考え方.....................................................- 39 -
2.研究機関所属の研究者(研究機関発明者)の持分に係る知的財産権の取扱い .........................- 39 -
3.研究機関に帰属した(JSTとの共有でない)知的財産権について .................................- 40 -
4.第三者が発明に参加した場合の取扱い...........................................................- 41 -
5.共有に係る知的財産権の取扱い.................................................................- 41 -
6.JSTに帰属した知的財産権の研究機関への譲渡について .........................................- 41 -
7.JSTの産学連携・技術移転関連制度の活用.....................................................- 41 -
Ⅴ.研究成果の外部発表等.........................................................................- 43 -
1.論文、ポスター、口頭発表、シンポジウム等.....................................................- 43 -
2.プレス発表...................................................................................- 43 -
3.取材連絡.....................................................................................- 43 -
4.社会に向けた情報発信.........................................................................- 43 -
5.その他.......................................................................................- 44 -
【 参考資料 】
別添1 競争的資金の間接経費の執行に係る共通指針
(平成13年4月20日 競争的資金に関する関係府省連絡会申し合わせ)
別添2 証拠書類一覧
別添3 研究活動における不正行為等への対応に関する規則別添4 競争的資金の適正な執行に関する指針
(平成17年9月9日 競争的資金に関する関係府省連絡会申合せ)
別添5 研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)
(平成19年2月15日 文部科学大臣決定)
別添6 研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン
(平成26年8月26日 文部科学大臣決定)
別添7 複数の研究費制度による共用設備の購入について(合算使用)別添8 競争的資金における使用ルール等の統一について
(平成27年3月31日 競争的資金に関する関係府省連絡会申合せ)別添9 府省共通経費取扱区分表
【 各種様式 】
[ 経理等の事務処理に関する様式 ]
経理様式1 委託研究実績報告書(兼収支決算報告書)経理様式2 収支簿
経理様式3 間接経費執行実績報告書《e-Rad により報告 》
経理様式4-① 委託研究中止申請書経理様式4-② 変更届
経理様式5 返還連絡書
経理様式6 繰越報告書
経理様式7-① 裁量労働者xxxxx率申告書経理様式7-② 裁量労働者エフォート率報告書
経理様式8 「委託研究実績報告書」及び「収支簿」 事前チェックリスト
参考様式1 費目間流用申請書参考様式2 合算使用申請書
[ 知的財産管理に関する様式 ]
知財様式1 知的財産権出願通知書・知的財産権設定登録等通知書知財様式2 知的財産権実施通知書
知財様式3 知的財産権移転承認申請書
知財様式4 専用実施xx設定・移転承認申請書
[ 広報に関する様式 ]
広報様式1 プレス発表連絡票(参考様式)広報様式2 取材連絡票(参考様式)
※上記報告書等の作成にあたっては、必ず、下記URLからダウンロードの上、所定の電子ファイルをご使 用ください。ただし、経理様式2及び参考様式については、必要事項が記載されていれば、任意様式でも差し支えありません。
【委託研究契約に係る書類URL】xxxx://xxx.xxx.xx.xx/xxxxxx/xxxxx.xxxx
1.本説明書の記載内容、事務取扱等に関するお問い合せ
※お急ぎの場合を除き、電子メールでお願いします。
国立研究開発法人科学技術振興機構 国際科学技術部 SATREPSグループ 研究契約担当 E-mail : xxxxxxxxXXxxx.xx.xx ※左記の”AT”を”@”に置き換えてご利用ください。
TEL 00-0000-0000 FAX 00-0000-0000
◎お問い合せの際は、研究機関名及び当該照会事項に係る研究担当者名をお知らせください。 2.各種書類等の郵送先
x000-0000 xxxxxxxxxx0xx X’xxxxxx
国立研究開発法人科学技術振興機構 国際科学技術部 SATREPSグループ 研究契約担当
3. 返還金等の振込先口座
xxx銀行 東京中央支店 普通預金 2709379口座名義 国立研究開発法人 科学技術振興機構
※必ず事前に、振込日を担当者あてメールでご一報ください。
Ⅰ.はじめに
本書は、国立研究開発法人科学技術振興機構(以下、「JST」という。)が実施する地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(以下、「本プログラム」という。)(※1)を、「委託研究契約書」に基づいて委託先研究機関(以下、「研究機関」という。)が推進するにあたり、必要な事務処理等について補足的に説明するものです。なお、JSTから研究機関に対して委託される研究を以下、「本研究」といいます。
研究機関においては、研究成果の最大化に向け、委託研究契約書及び本説明書に基づき、適正かつ柔軟な委託研究費の執行をお願いします。
※1 本プログラムは、平成22年度まで「地球規模課題対応国際科学技術協力事業」と呼称しておりましたが、 JST内での事業の見直しにより、平成23年度より他の競争的資金国際共同研究プログラムとともに「国際科学技術共同研究推進事業」を構成するプログラム(「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム」)として位置付けしております。なお、本プログラムの英語名は、Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development で、SATREPS(サトレップス)と呼称します。
Ⅱ.地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムと委託研究契約の概要 1.地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムの概要
1)事業の主旨
本プログラムは、開発途上国等のニーズを基に、地球規模課題(*1)を対象とし、将来的な社会実装(*2)の構想を有する国際共同研究を政府開発援助(ODA)と連携して推進し、地球規模課題の解決及び科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術を相手国研究機関と共同で獲得することを目的としています。また、その国際共同研究を通じて開発途上国等の自立的研究開発能力の向上と課題解決に資する持続的活動体制の構築を図ります。
*1 地球規模課題:一国や一地域だけで解決することが困難であり、国際社会が共同で取り組むことが求められている課題
*2 社会実装:具体的な研究成果の社会還元。研究の結果得られた新たな知見や技術が、将来製品化され市場に普及する、あるいは行政サービスに反映されることにより社会や経済に便益をもたらすこと。
2)事業の概要と委託研究契約/本事務処理説明書
本プログラムは、JSTと独立行政法人国際協力機構(JICA)の連携事業であり、本プログラムに採択された各研究課題を推進する研究者は開発途上国(相手国)における研究機関と国際共同研究を実施します。日本国内等、相手国内以外で必要な研究費についてはJSTが委託研究費として支援し、JICAは、技術協力プロジェクトの実施に必要な経費(日本側研究員の派遣、相手国側研究員受入れ、供与機材等)を負担します。
JSTは、各研究課題の研究代表者及び共同研究機関を代表する研究者(主たる共同研究者。研究契約書上、研究代表者と主たる共同研究者は、「研究担当者」と総称されます。)が所属する研究機関と、「委託研究契約」を締結します。本説明書はこの「委託研究契約」に基づいて各研究機関が行う事務処理等について補足的に説明するものです。
本プログラムは、前述の仕組み上、「委託研究契約」以外に下表及び図1に示す取極め等に基づいた体制で推進されますが、本説明書は図1中の太点線で囲まれた「JST担当分(競争的資金)」における「委託研究契約」を補足的に説明したものです。当該部分は概ねこれまでのJSTの一般的な競争的資金制度と同じです。その点にご留意の上、以下ご確認ください。
討議議事録(R/D:Record of Discussions) | JICAが相手国研究機関と締結。 | |
委託研究契約 | JSTが委託研究費の配賦にあたり、“研究代表者”及び “主たる共同研究者”の所属機関と締結。 | |
取極め | JICAと“研究代表者”の所属機関が交わす。 | |
合意文書(CRA) | “研究代表者”の所属機関と相手国研究機関が交わす。 | |
誓約書 | “研究担当者”の所属機関と“研究参加者”の所属機関が交 わす。 |
※「R/D」「取極め」については、JICAにお問い合わせください。「R/D」の例は下記のウェブサイトから閲覧することが可能です(「実施協議調査」のキーワードで検索した報告書に添付されています)。
※研究機関は「R/D」の内容を遵守してください。
※「合意文書(CRA)」は以下のガイドラインに従い、当該国際共同研究により生じる知的財産権の取扱い、秘密情報の取扱い、成果の公表、損害が生じた場合の取扱い、及び相手国内の遺伝資源*へのアクセス・持ち出し等について定めてください。また、主たる共同研究者の所属機関も「合意文書(CRA)」の内容を遵守してください。合意文書は署名前の案の段階でJSTの確認を取ってください。
【合意文書(CRA)作成のガイドライン】 xxxx://xxx.xxx.xx.xx/xxxxxx/xxxxxxx/000000XXXxxxxxxxxxXX.xxx
*遺伝資源とは、現実の又は潜在的な価値を有する遺伝素材(遺伝の機能的な単位を有する植物、動物、微生物その他に由来する素材)を対象とし(生物多様性条約第2条)、地球上のほぼすべての動植物や微生物が遺伝資源に含まれる。
※JSTと委託研究契約を取り交わした研究機関に所属していない、他機関に所属する研究者を本研究に参
加させる場合には、委託先研究機関の責任において、他機関(及び他機関の研究者)から「誓約書」等の提出を受けてください(参照:委託研究契約別記第2条(4))。誓約書等の作成にあたっては、討議議事録(R/D)、合意文書(CRA)、委託研究契約等による取極め事項の遵守違反に起因する係争等を排除し、適切に国際共同研究を遂行いただく上で、他機関に所属する研究参加者が遵守すべき基本的な項目を含める必要があります。詳しくは以下の案内(雛形)を参照してください。なお所属のない研究者を本研究に参加させることはできません。研究参加機関が身分(客員研究員等)を付与し、当該研究者に対する安全配慮義務、補償の義務や管理責任を持って研究に参加させることは可能です。
【誓約書 雛形のご案内】 xxxx://xxx.xxx.xx.xx/xxxxxx/xxxxxxx/xxxxxxx.xxx
※本説明書は、「委託研究契約」を補足するものですが、「委託研究契約」と「R/D」の内容に矛盾・齟齬が生ずる場合には「R/D」を優先するものとします。「委託研究契約」と「取極め」の内容に矛盾・齟齬が生ずる場合には、当事者間の協議により対応を決定するものとします。なお、「合意文書(CRA)」の締結にあたっては、その内容が「委託研究契約」及び「R/D」の内容と矛盾・齟齬が生じないよう両者の整合性の確保を図ってください。
※本説明書は、知的財産の扱いにも触れていますが、国際共同研究であることに鑑み相手国内法はもちろん、
「R/D」やJICAとの取極めも遵守し、相手国にも十分配慮してください。
国際共同研究
相手国政府
相手国政府技術協力担当省庁相手国政府科学技術担当省庁
JICA 技術協力プロジェクト担当分
(非競争的資金)
※遺伝資源等の相手国の情報や資料、サンプルへのアクセス及びそれらの持ち出し・持ち込みについては、国際ルールとともに相手国内法も遵守してください。前述の知的財産の扱いも含めて、相手国研究機関と合意文書(CRA)を交わしてください。
JICA 技術協力プロジェクト担当分
(非競争的資金)
相手国大学・研究機関等
合意文書
国内大学等
研究機関
CMROAU(C(MolelamboratnivdeumReosfeUanrcdheArsgtarenedminge)nt)))
研究代表者
研究者
国際共同研究
研究代表者
研究者
相手国政府
相手国政府技術協力担当省庁相手国政府科学技術担当省庁
討議議事録
R/D (Record of Discussions)
取極め
委託研究契約
本事務処理説明書にて補足
JICA
連携
JST
外務省
文部
科学省
JST 担当分
(競争的資金)
連携
JST 担当分
(競争的資金)
討議議事録
R/D (Record of Discussions)
図 1 本プログラムにおける契約形態
3)JSTからの委託研究費とJICAからの経費
本説明書においては、下記の内、JSTからの委託研究費について記載しています。
JICAからの経費については、JICAにお問い合わせください。
JSTからの委託研究費で執行可能なものと、JICAからの経費で執行可能なものは原則として以下のように分類されます。
a. 日本国内等、相手国内以外にて執行する研究費はJSTからの委託研究費。
b. 相手国内にて執行する経費(現地調達機材費等)及び相手国からの招へいに要する経費(往復渡航費、日当・宿泊料、国内移動旅費、受入経費(一部))は原則としてJICA経費(ただし、JICAとして支出可能な内容に限る)。
c. 日本側研究者が相手国に出張する場合の往復旅費・滞在費はJICA経費。現地での日本側研究者の当該国際共同研究に係わる活動は、同研究を推進するにあたってJICAと相手国研究機関等が締結する R/D 等にて規定される免税等及び活動許可条項が適用されます。
経費 | JST | JICA |
a. 日本国内での研究費 | ● | |
a. 相手国以外での研究費 (第三国出張費、現地諸経費等) | ●*1 | |
b. 相手国内での活動費 | ▲*2 | ●*3 |
b. 相手国からの招へい旅費 | ▲*4 | ● |
c. 日本と相手国間の旅費 | ▲*5 | ● |
*1 第三国の研究機関との共同研究は対象外です。
*2 日本国内の研究の延長と認められる旅費・滞在費等(※)、相手国においてJICAが負担できない経費のうちJST委託研究費で負担可能なものに限ります。
*3 JICAが負担する経費は、R/D に基づく技術協力活動に関する経費に限定されます。(SATRE PSは相手国の自立発展性を重視するODA事業であるため、相手国側の自助努力が求められます。 したがって、相手国側の人件費、相手国における事務所借上費、相手国側が使用する消耗品、供与機材の運用や維持管理の経費、相手国側研究者の相手国内旅費、会議日当等は、原則として相手国側負担となります)。
*4 相手国側研究チームに含まれない外部専門家等の招へい、及び相手国側研究者の招へいに要する経費のうちJICAで経費負担できない場合に限ります。
*5 学生、外部専門家等、JICA専門家として相手国へ派遣することのできない場合に限ります。
(※)相手国への出張に係る経費に関しては、場合により例外としてJSTの委託研究費からの執行も可能です(例えば、相手国からJICA専門家としてのステータスが認められない共同研究者や学生の派遣が必要な場合等)。ただし、JST委託研究費で出張する場合は、当該国際共同研究におけるR/D にて規定される活動とはみなされず、相手国よりJICA専門家に認められる課税免除等の待遇が付与されないことに加え、現地での活動に何らかの制約を受ける場合がありますので、現地での活動における支障の有無等について事前に相手国関係機関への確認が必要です。また、JST委託研究費による出張者は、JICAの安全配慮義務の対象外となります。
なお、原則JICA側で措置される「b.相手国内での活動費」、「b.相手国からの招へいに要する経費」、「c.日本と相手国間の旅費」についても、暫定契約期間等JICAが負担できない場合には、JSTからの委託研究費による執行対象となる事があります。
本プログラムに係る特有の用語を中心に下記のとおり説明します。
研究分野 | 地球規模課題の解決のために特に重要なものとして国(文部科学省)が設定する推進すべき研究分野 |
研究領域 | 研究分野のもとにJSTが定める、推進すべき研究領域 |
研究主幹 | Research Supervisor(RS) 各研究課題の研究計画(研究費、研究チーム編成を含む)の調整、研究代表者との意 見交換、研究への助言、課題評価、その他必要な手段を通じて研究分野の研究マネジメントを担当 |
研究課題 | 本プログラムの公募に対して提案・採択された研究テーマ名 (「研究題目」との違いにご注意ください) |
研究題目 | 研究課題のもとに委託研究契約単位に設定される委託研究の名称 |
研究チーム | 研究課題のために編成される機関横断的・時限的な研究組織 (研究課題と一対一に対応) |
研究代表者 | 研究チームを代表し、当該研究課題全体の研究推進に責任を負う研究者 |
主たる共同研究者 | 共同研究機関を代表する研究者 |
委託研究 | 研究機関に対して委託される研究 |
研究担当者 | 委託研究を中心的に行う者として委託研究契約書に記載される者(研究代表者若しくは主たる共同研究者) |
契約担当者 | 委託研究契約の契約権限をもつ研究機関側の代表者 |
研究者等 (研究参加者) | 当該研究題目に参加する研究計画書記載のメンバー |
研究計画書 | 研究チーム単位で作成され、研究主幹の承認を得たもの (R/D・CRA 締結前の暫定計画書、R/D・CRA 締結後の全体計画書と、年度ごとの年次計画書があります。) |
契約期間 | 委託研究契約書で定める契約期間。契約開始時に、原則「2年」を上限とする複数年の契約期間を設定し、毎年度、期初に変更契約により、研究計画書記載の研究機関及 びJST中期目標期間の範囲内で契約期間を1年ずつ延長 |
研究期間(*) | 各研究課題の全研究期間(原則、3~5年+暫定契約期間) |
条件付採択(*) | 選考による採択研究課題の決定行為(この後、JICAと当該研究課題の相手国研究 機関との間で事前調査が行われR/D 及びCRA の署名がなされ、正式に採択決定となる)また選考による採択決定からR/D・CRA 署名成立までの間の当該研究課題の状態 |
暫定委託研究契約 (*) | 条件付採択決定後、R/D 及び CRA の署名に伴い国際共同研究を開始するまでの間、J STが委託研究費の配賦にあたり、原則として“研究代表者”の所属機関と締結する契約 |
事業年度 | 各年4月1日から翌年の3月31日までの1年間 |
競争的資金 | 国の行政機関及び独立行政法人(JSTを含む。)が所管し、競争的資金と整理され内閣府に登録されている研究資金 ※参照:内閣府HP 競争的資金制度 |
競争的資金等 | 以下に掲げる研究資金の総称ア 競争的資金 イ 競争的資金以外で国の行政機関及び独立行政法人(JSTを含む。)が直接配分する研究資金 ウ その他国の行政機関から予算が配分され又は措置され、独立行政法人自ら又は他 に配分され研究活動を行う研究資金 |
大学等 | 以下に掲げる研究機関の総称 ア 国立大学法人、公立大学、私立大学等の学校法人 イ 国公立研究機関、公設試験研究機関、独立行政法人等の公的研究機関ウ 公益法人等の公的性格を有する機関であって、JSTが認めるもの |
企業等 | 民間企業等の「大学等」以外の研究機関の総称 |
(*)本プログラムはJICAとの連携事業であるため、R/D により定められた期間が「国際共同研究期間」(協力期間)となります。R/D 及び CRA の署名前であっても、その準備のための日本側の研究費に限って、JSTとの委託研究契約を締結することにより委託研究費を執行していただくことができます(執行可能な使途は限定されます。詳細は「Ⅲ.2.委託研究の予算費目」を参照してください)。R/D・CRA の署名に時間を要することがありますが、平成28年度条件付採択課題については、平成29年3月31日までにR/D・CRA の署名がなされず、また近日中に署名される見通しもない場合、R/D・CRA 不成立とみなされます。その場合は研究課題そのものの実施ができなくなり、条件付採択を取り消さざるを得なくなります。JSTからの委託研究費もその時点で執行できなくなります。
1)単年度契約と複数年度契約
・本プログラムにおいては、原則として、大学等に区分される研究機関は複数年度契約により、委託研究契約を締結します。ただし、暫定委託研究契約期間中は単年度契約のみ、R/D・CRA 署名後の委託研究契約期間中は単年度契約又は複数年度契約となります。単年度契約と複数年度契約では、取扱いに異なる点がありますので、ご留意ください。
2)事務管理体制及び財務状況等に関する調査・確認
・委託研究契約を締結する各研究機関に対し、契約締結前及び契約期間中に事務管理体制及び財務状況等についての調査・確認を行うことがあります。その結果、必要と認められた機関についてはJSTが指定する委託方法となるほか、委託契約を見合わせる場合や、契約期間中であっても、委託研究費の縮減や研究停止、契約期間の短縮、契約解除等の措置を行うことがあります。
3)契約の解除等
・JSTの中長期目標期間終了時における事業評価によりJSTの解散や事業縮小が求められる場合や、国における予算措置の状況に変化が生じる場合には、委託研究契約の特約事項に従って、契約期間中の契約解除や委託研究費縮減の措置を行うことがあります。
・研究課題の中間評価等の結果を踏まえて、委託研究費の増減や契約期間の変更を行う場合があるほか、研究の継続が適切でないとJSTが判断する場合には、契約期間中であっても、契約解除等の措置を行うことがあります。
4)参画研究機関間の連携・権利義務の明確化
・現行、参画機関相互での共同研究契約の締結は、契約条項等で定めておりませんが、研究成果の活用等にあたり支障が生じないよう知的財産権の取扱いや守秘義務等に関して参画機関間で適切にご対応ください。
5)雇用関係のない学生等が本研究に従事する場合の対応
・雇用関係のない学生等を本研究に従事させる場合は、委託研究契約等で規定される事項(知的財産権の帰属、各種報告・申請義務、守秘義務等)が遵守されるよう同意書を得る等して適切に対応してください。
・学生の出張にあたってはⅢ.3. 2) ② 「ⅳ)旅費支出に際しての留意事項」を必ずご確認ください。
6)国公立研究機関における委託研究契約の取扱い
・国公立研究機関が委託研究契約を締結するに当たっては、会計法等の法令に則り事前に予算措置等の手続きが必要である場合、研究機関の責任において、委託研究契約開始までに当該手続きを確実に実施してください。万が一、契約締結後に必要な手続きの不履行が判明した場合は、委託研究契約の取消し・解除、委託研究費の全部又は一部の返還等の措置を講じる場合があります。
7)複数年度契約と繰越制度について
・本プログラムでは、委託研究費の効果的・効率的な使用及び予算の無駄遣いや不正の防止の観点から、複数年度契約及び繰越制度を導入しています。研究機関においては、研究成果の最大化に向け、複数年度契約及び繰越制度を有効に活用してください。
① 複数年度契約について
複数年度契約により主に以下の事項の実現を図っています。
・ 研究計画に基づくものであることを前提とした翌事業年度の委託研究費を財源とする年度跨りの調達等の契約(国際入札等で発注から納品まで期間を要する高額な研究機器の調達等)
・ 研究計画に基づくものであることを前提とした翌事業年度の委託研究費を財源とする研究者等の翌事業年度に係る雇用手続き(新規・継続)の早期対応
・ 委託研究契約に係る年度更新手続きの遅延により研究期間(契約期間)に空白期間が生じることの防止
・ 一定の要件を満たすことを条件とした翌事業年度への委託研究費の繰越
※ JSTの中長期目標期間を跨ぐ委託研究費の繰越につきましては、財務省協議を経て、文部科学省の承認が必要であることから、中長期目標期間内の取扱いと比べ要件や事務手続きが大きく異なりますので、ご留意いただきますようお願いします。(平成28年度から平成29年度にかけての繰越は中長期目標期間を
跨ぐ繰越となります。)
② 複数年度契約における年度更新手続き
・委託研究費は事業年度ごとにJSTの承認により決定される研究計画書記載の金額によることから、複数年度契約では、2年度目以降の当該事業年度の委託研究費を毎事業年度開始時に変更契約において定めます。また同時に研究計画書記載の研究期間の範囲内で契約期間を1 年ずつ延長します。(当事業の複数年度契約における契約開始時の契約期間は、原則として「2年度」が上限となります。)
・複数年度契約期間中に、法令の改正等により委託研究契約書条文を改定する必要がある場合は、年度更新時の変更契約において当該改定事項を約定することとします。
≪ 例:契約開始日 平成 28 年 10 月 1 日 ≫
〇 初年度(契約開始):契約開始日から翌事業年度末日までの契約期間で締結
H28.10 H29.4 H30.3
〇 2年度目(年度更新):期初(H29.4.1)に変更契約にて期間延長、委託研究費更新、条文改定
H28.10 H29.4 (更新) H30.4 H31.3
③ JSTの中長期目標期間を跨ぐ繰越について
※ 繰越の取扱い及び様式等の詳細につきましては、決定次第、別途案内します。
1)委託研究契約書
・研究開始にあたって、研究題目に関する研究機関とJSTとの約定を定めるものであり、xxを2部作成し JST及び研究機関で1通ずつ保管します。なお、契約書等における契約者は、研究機関の代表者又は代表者より権限を委譲された者とします。
2)変更契約書
① 委託研究費を変更する場合
・研究進捗状況等により、事業年度途中(以下、「期中」という。)で委託研究費を変更する場合等、原契約を変更する必要がある際は、変更契約書を取り交わすこととしています。
② 複数年度契約において事業年度2年度目以降の委託研究費等を定める場合(年度更新)
・複数年度契約においては、毎事業年度開始時に当該事業年度の委託研究費や契約期間等を変更契約にて規定します。
3)変更届
・原契約の変更の内、下記に定める軽微な変更については、変更契約書を取り交わすことなく、変更届【経理様式4-②】及び年次計画書様式Cの提出をもって、変更契約が締結されたものとみなします。
変更届の対象 :研究担当者の所属部署名・役職名・研究参加期間・エフォート・メールアドレスの変更研究者等(研究参加者)の追加・削除
研究者等(研究参加者)の所属部署名・役職名・研究参加期間・エフォート・メールアドレスの変更
※研究担当者の変更(交代)については、JSTに事前相談の上、変更契約書の締結が必要です。
4)委託研究契約事務処理説明書
・本説明書です。毎事業年度、又は、年度の途中で更新される場合があります。常に最新の事務処理説明書をご参照ください。
5)その他
・上記の書類を含め、各種報告物の様式やFAQ等、委託研究に関する各種書類を、JSTの下記ウェブサイトに掲載します。重要な更新がある度に、その旨を電子メール等にて連絡しますので、ダウンロードの上、ご利用ください。
【委託研究契約に係る書類URL】xxxx://xxx.xxx.xx.xx/xxxxxx/xxxxx.xxxx
Ⅲ.委託研究費の執行について 1.委託研究費の執行にあたって
・研究機関は、「研究機関における公的研究費の管理・監査ガイドライン(実施基準)平成19年2月15日文部科学大臣決定【別添5】」(以下、公的研究費の管理・監査のガイドラインといい、平成26年2月18日付改正後のものをさす)に基づき、研究機関の責任において公的研究費の管理・監査の体制を整備した上で、委託研究費の適正な執行に努める必要があります。また、研究機関は公的研究費の管理・監査に係る体制整備等の実施状況を定期的に文部科学省へ報告するとともに、体制整備等に関する各種調査に対応する義務があります。
・上記の報告・調査等において、公的研究費の管理・監査に係る体制整備に不備があると判断された、又は、不正の認定を受けた研究機関については、公的研究費の管理・監査のガイドラインに則り、改善事項及びその履行期限(1年)を示した管理条件が付与されます。その上で管理条件の履行が認められない場合は、当該研究機関に対する競争的資金のうち、文部科学省及び文部科学省が所管する独立行政法人が所管する制度における間接経費の削減(段階に応じ最大15%)、競争的資金配分の停止等の措置が講じられることとなります。
・委託研究費の執行にあたっては、国費を財源とすることから、経済性・効率性・有効性・合規性・正確性に十分留意しつつ、その説明責任を果たせるよう適正な処理を行ってください。また、計画的な執行に努めることとし、研究期間終了時又は年度末における予算消化を目的とした調達等がないよう注意してください。
・委託研究を円滑かつ効果的・効率的に推進し、より成果をあげるため、執行の柔軟性にも配意をお願いします。
1)直接経費 :本研究の実施に直接的に必要な経費であり、以下の4つの費目で構成
①物品費 :研究用設備・備品・試作品、ソフトウェア(既製品)、書籍購入費、衛星画像等のデータ、研究用試薬・材料・消耗品等の購入費用
②旅費 :研究担当者及び研究計画書記載の研究参加者等に係る旅費、招へい者に係る旅費
③人件費・謝金:本研究のために雇用する研究者等の人件費、人材派遣、講演依頼xx等の経費
④その他 :上記の他、本研究を実施するための経費
例)研究成果発表費用(論文投稿料、論文別刷費用、HP作成費用等)、会議費、運搬費、機器リース費用、機器修理費用、印刷費、ソフトウェア外注製作費、検査業務費、不課税取引等に係る消費税相当額等
2)間接経費 :直接経費に対して一定比率で手当され、本研究の実施に伴う研究機関の管理等に必要な経費
※各費目の具体的な使途等については、後述の「Ⅲ.3.2)各予算費目の執行に係る指針」を必ずご確認ください。
※本プログラムでは競争的資金において共通して使用することになっている府省共通経費取扱区分表に基づき、費目構成を設定しています。【参照:別添9 府省共通経費取扱区分表】
※暫定の委託研究契約において執行可能な予算費目等について
一.暫定の委託研究契約における執行は、原則として以下のとおり制限されます。
・暫定委託研究契約は代表機関とのみ締結します。
・代表機関との契約が暫定委託研究契約である間、共同研究機関とは委託研究契約を締結しないため、その間 の共同研究機関の活動は、代表機関からの依頼出張等に限られます。
・代表機関における執行は、有形及び無形の固定資産を除く物品費、旅費、人件費・謝金、会議費等のその他 経費に限られます。
二.以下の場合には、一.の限りではありません。
・事前にJSTへ相談があり、緊急性、必要性、金額、及びR/D 署名成立に向けたJICAによる交渉の進捗 状況等を勘案して、当該物品の購入をJSTが承認した場合。
・詳細計画策定調査の結果やその後のR/D 署名に向けた交渉状況等により、R/D 成立の確度が高いとJSTが 判断し、変更した研究計画書が研究主幹に承認された場合。
(暫定委託研究契約に係るその他注意)
・ポスドク等を雇用するにあたっては、R/D 不成立となった場合に、研究中止となる点にご留意ください。
・R/D が不成立となった場合にも、それまでに暫定委託研究契約に基づき執行した委託研究費の返還は求めま せん。ただし、JSTが本委託研究に要すると合理的に判断して精算した金額を、既に支払った概算払い金が超えている場合には、その超えた金額を返還していただきます。
1)直接経費の執行
・本研究の実施のために直接的に必要な経費が支出対象となります。
・適正な研究費執行を証明する証拠書類を整備し、発生した経費の妥当性を研究機関の責任において客観的に説明する必要があります。
・特に物品等の調達にあたっては、経済性・効率性の観点から、競争原理(相見積・入札制度)の積極的な導入が求められます。
・国際共同研究相手国への出張旅費及び相手国内で必要な経費(日本側の研究者が国際共同研究を現地で実施する上で必要な機材・備品・消耗品費を含みます。)は、原則としてJICAからの経費となりますのでご注意ください。
※例外として、相手国への旅費については、JSTからの委託研究費を執行することが可能な場合もあります。ただしその場合は、当該国際共同研究におけるR/D にて規定される活動とはみなされず、免税条項が適用されないこと、現地での活動許可が下りないこと等がありますので、必ず事前にJICAと相談してください。なお、JST委託研究費から執行する場合には、相手国内での執行であっても、委託研究契約、本説明書、別添5の「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」の基準に従い、検収の実施、証拠書類の整備等に対応していただく必要があります。
※JSTからの委託研究費で執行可能なものと、JICAからの経費で執行可能なものの区分についての詳細は、「Ⅱ.1.3)JSTからの委託研究費とJICAからの経費」をご参照ください。
2)各予算費目の執行に係る指針
・委託研究費は、合目的性(本研究の目的・趣旨への適合性)に十分留意の上、原則として、各研究機関の規程に従って適切に支出・管理してください。ただし、本プログラム特有のルールを設けている事項については、本説明書に従って適正に執行してください。
・研究機関の規程に基づく執行であっても、当該委託研究費の財源が国費であることに照らして、JSTが不適切と判断する場合は、全額若しくは一部を認めないことがあります。
・科学研究費補助金を受給している研究機関は、委託研究費の「使途」に関して本説明書に記載のない事項について、各研究機関における科学研究費補助金の取扱いに準拠することで差し支えありません。
①物品費
・研究設備・機器等については、既存の状況を勘案し、必要性・妥当性を十分に検討した上で、必要不可欠なもののみを調達してください。
・特に高額な機器等の調達を行う場合は、参考見積を入手する等して市場価格の把握を行った上で、計画と実際の執行に大幅な金額の変動が生じないよう十分留意してください。
・国立大学法人、独立行政法人等の政府関係機関は国際競争入札の対象となりますので高額な物品等の調達は納期等に十分留意の上行ってください。
ⅰ) 研究設備・機器の共用使用及び合算購入について
・委託研究費の効率的運用及び研究設備・機器の有効利用の観点から、一定の要件のもと、直接経費で購入する研究設備・機器の共用使用及び合算購入が認められます。
・当該研究設備・機器が本研究に必要不可欠なものであること、及び、本研究の目的を達成するために必要十分な使用時間が確保できることが、共用使用及び合算購入の前提となりますのでご留意ください。
① 共用使用の要件(合算購入する研究設備・機器にも適用)
・ 本研究の実施に支障のない範囲内で研究機関が実施する他の研究等に使用すること
・ 他の研究等の使用予定者との間で破損した場合の修繕費や光熱水費等使用に関して、経費負担を明らかにしておく等適切に対応すること(使用予定者に対して実費相当の経費負担を求めても差し支えありません。)
※ 研究設備・機器以外の試薬、材料等は対象外となります。
② 合算購入の要件
・ 本プログラムとの合算に支障のない資金との合算であること(合算する各資金の要件を確認すること)
・ 合理的に説明し得る負担割合に基づき購入費用を区分できること
・ 同一機関に所属する研究者に配分された資金の合算であり、研究者が所属機関の変更(移籍)を行う場合でも、本研究の推進に支障の生じないこと
※ 合算購入にあたっては、各要件を満たすことを書面により明らかにした上で、事前にJSTの確認を受けてください。【 参照:合算使用申請書(参考様式2)】
※ 複数の研究者の資金を合算する場合は、移籍時の取扱いについて、研究機関事務局を交えて費用分担割合等を考慮の上、事前に当事者間で取り決めてください。ただし、既に移籍が判明している場合、複数の研究者の資金を合算して研究設備・機器を購入することは原則として認められません。
※ 複数の研究費制度の合算については、【別添7「複数の研究費制度による共用設備の購入について
(合算使用)】をご参照ください。
≪ 研究設備・機器の共用促進について ≫
・「研究組織のマネジメントと一体となった新たな研究設備・機器共用システムの導入について」(平成27年11 月科学技術・学術審議会先端研究基盤部会)にて、大学及び国立研究開発法人等において「研究組織単位の研究設備・機器の共用システム」を運用することが求められています。また、「研究成果の持続的創出に向けた競争的研究費改革について(中間取りまとめ)」(平成27 年6 月24 日 競争的研究費改革に関する検討会)においては、「競争的研究費による大型設備・機器は原則共用とすることが適当」とされています。
・これらを踏まえ、大学及び国立研究開発法人等の研究機関においては、競争的研究費により購入する研究設備・機器のうち特に大型で汎用性のあるものについて、複数の研究費の合算による購入・共用、本研究の実施に支障ない範囲での他の研究等による共用、他の研究費等により購入された研究設備・機器の活用等を積極的に検討することが求められます。
○「研究組織のマネジメントと一体となった新たな研究設備・機器共用システムの導入について」
(平成27 年11 月25 日 科学技術・学術審議会先端研究基盤部会) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu17/houkoku/1366220.htm
○「研究成果の持続的創出に向けた競争的研究費改革について(中間取りまとめ)」
(平成27 年6 月24 日 競争的研究費改革に関する検討会) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shinkou/039/gaiyou/1359306.htm
ⅱ) 研究設備・機器の改造費及び修理費について
・法人税法上の「資本的支出」に該当する研究設備・機器の改造費については「物品費」に、「資本的支出」に該当しない改良・修理費等については「その他」に計上してください。ただし、JST所有の提供物品について改造を加える場合は、事前にJSTにご相談ください。なお、研究機関が所有する既存の研究設備・機器等の改造等であっても、本研究に直接必要かつ不可欠である場合には、直接経費での計上が認められます。
・修理費は、通常の利用の範囲内において必要となった場合に限ることとし、使用者の過失が原因である場合には直接経費での計上は認められません。
②旅費
ⅰ)旅費の算定基準
・各研究機関の旅費規程に準拠します。
ⅱ)旅費支出の対象となる事由
1)研究成果の発表
2)研究チーム内のミーティング
3)直接経費により雇用される者の赴任旅費
4)外部専門家等の招へい
(招待講演等、専門的知識の提供を受けるための招へいを想定。相手国側研究参加者の招へいに係る費用は原則としてJICAの経費)
5)フィールドワーク(観測、試料採取、現地調査等)
(相手国への出張旅費及び相手国内で必要な経費は原則としてJICAの経費)
6)その他委託研究実施上、必要な事由が発生した場合
ⅲ)旅費支出の対象となる者
1)研究担当者
2)研究計画書に記載の研究参加者
3)外部専門家等の招へい対象者
ⅳ)旅費支出に際しての留意事項
※1 出張者の安全管理について
・暫定研究期間における共同研究者の相手国への出張、学生による相手国への出張、第三国への出張 等「JSTからの委託研究費」での出張により、出張者の生命、身体又は財産に損害が生じた場合は、委託研究契約書・誓約書等に基づき、所属機関が責任を負うこととなります(参照:委託研究契約書の「研究機関の責任及び事故報告等」条項、誓約書の「損害が生じた場合の取扱い」条項)。所属機関は安全管理に細心の注意を払い、出張の可否をご検討ください。
万一、(所属機関が安全配慮義務を怠ったことにより)事故が生じた場合には、当該機関の研究者・学生を当該プロジェクトに参加させない等の措置をとらせていただくことがあるとともに、当該プ ロジェクト、さらに本プログラム自体の存続の是非に係わる可能性があることを十分にご承知おきください。
*研究代表機関はJICA取極めに基づき、JICA経費以外の経費によって参加する日本側参 加メンバー全員の安全配慮義務を有します(参照:取極めの「安全配慮義務」条項)。万一の時の対応でトラブルが生じないように、日本側参加メンバーの安全配慮について、日本側参加機関の間であらかじめ確認をしておくことが重要です。
・出張にあたっては、必ず事前に外務省海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp/)において出張先地域(経由地を含む)の危険情報を確認の上、レベル2「不要不急の渡航はやめてく ださい」以上の危険情報カテゴリーの場合は、出張の中止、延期を検討願います。万一、研究上必要と判断し、出張を検討される場合は、必ず事前にJST担当者に相談をお願いします。
・渡航の際は、渡航1ヶ月前を目処に、渡航計画、渡航者リスト等の安全対策関連情報を所属機関からJST及びJICAに提出してください。また、昨今の国際情勢に鑑み、在留届の提出・外務省の「たびレジ」(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)への登録の徹底など、外務省やJIC Aからの情報や指導を踏まえて、研究員を始めとする事業関係者の安全対策に最大限努めてください。必要に応じて緊急連絡先等をJST担当者までお知らせください。
・研究代表機関・研究代表者においては、共同研究機関も含めて研究課題全体の安全対策措置を徹底してください。主たる共同研究者においては共同研究機関における研究参加者の安全対策措置を徹底してください。負傷時に備え、緊急移送サービスを含む海外旅行傷害保険への加入も徹底願います。なお、相手国等への出張にあたり海外旅行傷害保険に加入する場合には、JICA専門家と同等の緊急移送費の補償を含むことが必要です。
・予防接種の支援や緊急連絡体制の構築等の安全管理にご配慮ください。(JSTからの委託研究費執行機関の規定上問題がなければ、海外旅行保険、予防接種に要する費用をJSTからの委託研究費
(直接経費)にて支出することも可能です。)
・現地滞在中は、以下のようなテロリスクの高い場所への立ち寄りを回避するようにお願いします。やむなく立ち入らざるを得ない場合は滞在時間を最小限にするようにご配慮ください。
・レストラン、クラブ、ショッピングセンター、観光スポット等多数の人が集まる場所
・外国人が多数利用する高級店やホテルロビーなどの場所
・空港、駅、バスターミナル、港湾など公共交通関係施設
・教会、モスクなど宗教関連施設
・欧米権益関連施設(米国、英国、イスラエル等の公館、企業)、治安関連施設(軍・警察等)
※2 学生の相手国への出張について
学生は、JICA専門家(下記<語注>参照)として派遣することはできません(JICAからの経費で出張することはできません)。しかし、所属機関が出張に関する責任(安全配慮義務を含む)を全面的に負うとともに必要な手配・手続きを行うことを前提に、研究代表者が渡航1ヶ月前を目処に、渡航計画、渡航者リスト等の安全対策関連情報を所属機関からJST及びJICAに提出した場合であって、下記の条件を全て満たす場合は、「JSTからの委託研究費」により相手国に出張することができます。*1
ま た 、 昨 今 の 国 際 情 勢 に 鑑 み 、 在 留 届 の 提 出 ・ 外 務 省 の 「 た び レ ジ 」 (https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)への登録の徹底など、外務省やJICAからの情報や指導を踏まえて、渡航する学生の安全対策に最大限努めてください。必要に応じて緊急連絡先等をJ ST担当者までお知らせください。
1) 優れた学生であると研究代表者が認める学生であること。
2) 研究を進めるに当たり一定の役割を担っていること、かつ研究計画に記載されていること。
3) 学業に支障のない範囲での参加であること。
4) 原則としてJICA専門家(暫定委託研究契約期間中は所属機関の教官)が同行し、所属機関はJICA専門家(暫定委託研究契約期間中は所属機関の教官)を通じて渡航する学生の管理を行うこと*2*3
5) 所属機関と雇用契約を締結している、又は出張に関して雇用者と同等の安全管理・責任体制
(機関として責任を持った出張の可否判断・緊急時対応がなされる体制)が適用され、所属機関により労災の適用対象とされている、若しくは所属機関が学生の出張をカバーする賠償責任保険に加入している等万が一の場合の保障が所属機関の責任と負担で担保されていること。(リサーチアシスタント(RA)としての雇用経費はJSTの直接経費で負担可能です。)*
2*3*4
6) 渡航する学生に対して、同行するJICA専門家と同等の補償を受けられること、すなわち、万が一の場合の緊急移送費が補償される海外旅行保険等に必ず加入することを義務づけていること。
7) 渡航する学生の役割、活動内容、旅程等についても、JICA専門家と同様に、相手国カウンターパートも含めて現地の関係者間で事前に共有し、リサーチ・パーミット(研究活動許可)等、別途相手国政府の許可が必要とされないか確認していること。かつ、必要とされる場合には同許可を取得していること。*5
*1ただし、運用上、多数のJICA専門家以外の学生が渡航することにより、現地で著しい混乱を招かない配慮をお願いします。また、相手国のカウンターパートの信用を落とすようなこ とがないよう配慮をお願いします。なお、現地の関係者との調整の結果、このような事態が想定される場合は、旅費を支援できない可能性もごさいます。
*2JST及びJICAはプロジェクト実施における調整業務上の観点から、原則としてJIC A専門家(あるいは所属機関の教官)の同行を求めております。原則外の例としては、調整業務上の観点からは対応可能と判断され得る以下のようなケースを想定しています。
・基本的にはJICA専門家と同行するが、やむを得ない事由により旅程の一部分において JICA専門家と別行動となり、カウンターパートと学生により業務を実施するケース
JICA専門家(あるいは所属機関の教官)の同行の有無にかかわらず、所属機関が責任を持って学生の安全管理をお願いします。(なお、研究代表機関も、JICA「取極め」 上、JICA経費以外の経費によって参加する日本側研究グループ全員の安全配慮義務を有します。)
*3所属機関が当該学生の出張をカバーする賠償責任保険等に加入している場合でも、出張の可
否判断にあたっては当該保険の免責事項をよくご確認ください。(特に、他機関のJICA専門家が同行し、所属機関の教官が同行しない場合)
*4 いずれの場合においても当該学生がリスクと万一の場合の補償と所属機関の緊急時対応に
ついて理解しかつ了解していることを前提とします。
*5情報共有の際には、相手国カウンターパートにおいて、渡航する学生がJICA専門家であると誤解される等の混乱が生じないようにご留意ください。JICA専門家にはR/D 等による活動許可条項が適用されることにより特段の手続きが必要ない場合でも、学生には同条項が適 用されないため別途リサーチ・パーミットが必要とされることがあります(何らかの理由によりプロジェクトの参加者として登録されていない方が参加者と行動を共にする場合も同様です)。
※3 学生の相手国以外の第三国への出張について
所属機関が出張に関する責任を全面的に負うとともに必要な手配・手続きを行うことを前提に、研究代表者がJSTより別途案内される所定の期日までに、学生を相手国以外の第三国へ出張させる計画があることをJSTに連絡した場合であって、※2の条件のうち、1)~7)の全て満たす場合(ただし、4)、6)における“JICA専門家”は“所属機関の教官”と読み代える)、「JSTからの 委託研究経費」により出張することが可能です。
※4 学生の日本国内の出張について
所属機関が出張に関する責任を全面的に負うとともに必要な手配・手続きを行うことを前提に、※2の条件のうち、1)~3)、5)の全てを満たす場合、「JSTからの委託研究経費」により出張することが可能です。なお、国内出張であっても旅行保険への加入を推奨します。
※5 その他
・旅費支出にあたっては、研究実施上必要と認められる合理的な人数、期間となるよう適切に判断し てください。
・学生への支出について、特に学部生等の取扱いについては、その必要性をより慎重に検討し、研究 機関で適切にご判断ください。
<語注>JICA専門家
JICAが専門家として認め、JICAからの予算により相手国に出張する(派遣される)研究者。JICA専門家には、R/D 等で規程される免税条項、活動許可条項が適用される。一般的に、教授をはじめ、ポスドク以上の研究者等がJICA専門家と認められ、学生は認められない。
安全管理に関するQ&A
No | 質問 | 回答 |
1 | 労働条件通知書に基づき研究に従事する学生は、万一の際に労災の対象となり得るか また、無給の雇用契約を交 | 契約書の名称にかかわらず実態が雇用とみなされた場合、他の要件を満たせば労災の対象となり得ます。 無給の場合は労災の対象となりません。 詳細は、労働基準監督署や、 |
わしている場合はどうか | 問い合わせください。 | |
2 | 所属機関が加入する賠償責任保険等とは具体的にどのようなものがあるのか | 既にご所属機関本部の総務部等により、機関として加入されているケースが多いため、まずはご所属機関本部にご確認ください。 ご参考までに一例として以下のようなものがあります。 社団法人 国立大学協会/有限会社 国大協サービス 国立大学法人総合損害保険(http://www.janu-s.co.jp/) 特定非営利活動法人海外留学生安全対策協議会J-TAS(JCSOS Total Assistance Service)(http://www.jcsos.org/support_d.html) |
3 | 所属機関が加入する賠償責任保険等や、学生が加入する教育研究災害障害保険や学生共済の保険料も直接経費から支出可能か | ご所属機関が加入する賠償責任保険等は、当該研究課題以外の研究や活動もカバーされることが一般的であるため、当事業の直接経費からの支出は適切ではないと考えられます。 学生が加入する教育研究災害障害保険や学生共済は学生生活全般をカバーすることが一般的であるため、当事業の直接経費からの支出は適切ではないと考えられます。 なお、海外旅行保険は出張の都度加入するのが一般的であるため、当事業に必要な出張のために加入する海外旅行保険料は、直接経費からの支出を認めています。相手国へ出張する場合、JICA専門家と同等の、万が一の場合の緊急移送費の補償が受けられる海外旅行保険に加入されることが 必要です。 |
4 | 具体的にどのような安全管理体制を構築すればよいか | 安全配慮義務を負うご所属機関の責任で構築していただくものですが、ご参考までに以下に、各機関のマニュアル等をご紹介します。 ・一橋大学の「海外危機管理マニュアル」 http://www.hit-u.ac.jp/intl-strat/news/2007/pdf/20070522.pdf ・大阪大学の「国際交流等に伴う危機管理マニュアル」 http://www.osaka-u.ac.jp/ja/international/outbound/crisis.pdf ・近畿大学の海外渡航安否・危機管理ウェブサイト http://www.kindai.ac.jp/international-exchange/manual/index.html これらを参考にされた場合でも、ご所属機関の安全管理体制として必要十分か否かは、ご所属機関の責任でご判断ください(前述の一橋大学、大阪大学等が責任を負うものではありません)。 なお、ご検討にあたっては、以下ウェブサイトも参考になるかと思います。社団法人 国立大学協会/有限会社 国大協サービスの 「国立大学リスクマネジメント情報」 |
③人件費・謝金
ⅰ)雇用の基準
・雇用は研究機関が自ら行い、当該人件費・謝金を委託研究費に計上してください。
・雇用契約に関わる諸条件は各研究機関の規程に準拠します。
ⅱ)直接経費での雇用対象
・本研究を実施するために直接必要な研究員・技術員・研究補助員等で、研究計画書に研究参加者としての登録がある者。
・ただし、国立大学法人、独立行政法人、学校法人等で運営費交付金や私学助成金等により国から人件
費を措置されている者に対する給与等は、直接経費より支出することができません。
ⅲ)兼業者の取扱いについて
・従事日誌等により従事日又は従事時間を区分し、本研究に該当する部分の人件費を計上してください。
(各種手当て、社会保険料等も適切に按分し計上すること。)
・なお、裁量労働制を適用している場合には、エフォート率による按分計上が可能です。
【裁量労働制適用者の兼業に関する事務手続きについて】 a)業務開始時
・業務管理者は、裁量労働制を適用した当該研究者等の業務内容及びエフォート率の設定を行い「裁量労働者エフォート率申告書」(経理様式7-①)を作成し、当該業務開始時に人事責任者等へ提出してください。人事責任者は当該申告書を適切に保管してください。
・なお、申告したエフォート率の変更が必要となった場合には、「裁量労働者エフォート率申告書」
(経理様式7-①)を再度作成してください。
・業務管理者は原則として研究担当者とし、業務実施状況を把握の上、適切に管理してください。 b)業務完了時
・業務管理者は当該研究者等の業務実施状況を踏まえ、「裁量労働者エフォート率報告書」(経理様式7-②)の作成を行い、毎事業年度終了時に人事責任者等へ提出してください。人事責任者は当該報告書に基づき、人件費計上額が適正であることを確認してください。
・また、収支簿の提出が必要となる研究機関は、当該報告書の写しを収支簿に添付してJSTへ提出してください。
c)留意事項
・研究機関は、業務成果の目標及び業務の方法に配慮しつつ、研究機関の規程に基づき、エフォート率の設定を適切に行ってください。
・研究機関の人事責任者等は当該研究者等に対し従事内容及びエフォート率を確実に通知してください。
・研究機関は、エフォート率の実態が報告等と乖離の生じないよう適切に管理を行ってください。不正使用が判明した場合には、当該研究者等に支払われた人件費の全部又は一部を返還していただきます。
・本項(③人件費・謝金)において用いられる“エフォート率”とは、雇用契約で定める全従事業 務に占める当該事業の従事割合を意味します。
・裁量労働者エフォート率申告書(経理様式7-①)及び裁量労働者エフォート率報告書(経理様式7-②)と同等の様式の備えがある場合には、研究機関の様式で代替することが可能です。
ⅳ)雇用に関しての留意事項
・雇用契約書・従事日誌等の雇用関係書類を整備し、本研究に係る従事状況を適切に把握・管理してください。適切な人件費の執行を証明する証拠書類の整備状況やエフォート管理の実態について確認を求める場合があります。(収支簿の提出が省略される研究機関も含む)
・3ヶ月未満の一時的な雇用の場合にも研究参加者登録が必要です。一時的な雇用であっても、当該研 究参加者に対する安全配慮義務、補償の義務や管理責任は、雇用者である研究機関が負うことをご了解ください。
・研究機関において定められている基準勤務時間内での研究実施を原則とし、超過勤務が必要となる場合であっても必要最小限となるよう留意してください。
・人件費には各種手当て、法定福利費を含むことができます。
・委託研究契約期間外の人件費は計上できません。
・学生を雇用する際は、学業に支障をきたさないよう配慮してください。
ⅴ)招待講演・専門的知識の提供に係る謝金について
・本研究の実施に伴い直接必要である場合に限り支出可能です。また、単価基準は研究機関の規程に準じて執行してください。
・招待講演等により外部専門家に謝金を支払う場合を想定しています。
・他の研究機関所属の者であっても、同一研究チームの研究参加者として参画している場合、及び相手 国側の研究参加者である場合は、招待講演等の謝金対象とすることはできません。
ⅵ)博士課程(後期)学生の処遇の改善について
・JSTでは、第5期科学技術基本計画における推進方策(※)を踏まえ、博士課程(後期)在学者を RA(リサーチアシスタント)として雇用し、その際の給与水準について、経済的負担を懸念することのないよう、生活費相当程度とすることを推奨します。
(※)「優秀な学生、社会人を国内外から引き付けるため、大学院生、特に博士課程(後期)学生に対する経済的支援を充実する。大学及び公的研究機関等においては、ティーチングアシスタント(TA)、リサーチアシスタント(RA)等としての博士課程(後期)学生の雇用の拡大と処遇の改善を進めることが求められる。国は、各機関の取組を促進するとともに、フェローシップの充実等を図る。これにより、「博士課程(後期)在籍者の2割程度が生活費相当額程度を受給できることを目指す」との第3期及び第4期基本計画が掲げた目標についての早期達成に努める。」
【博士課程(後期)学生をRAとして雇用する際の留意点】
・給与水準を年間ベースで200万円程度、月額では17万円程度とすることを推奨します。
・具体的な支給額、支給期間等については研究機関にて判断してください。なお、上記水準以下での支給を制限するものではありません。
・他制度より奨学金やRAとしての給与の支給を受けている場合であっても、他制度及び研究機関において支障がなく、JSTにおける業務目的との重複がない場合には、従事時間に基づく経費の按分が可能であることを前提に複数資金を受給することも可能です。
ⅶ)若手の博士研究員の多様なキャリアパスの推奨
・JSTでは「文部科学省の公的研究費により雇用される若手の博士研究員の多様なキャリアパスの支援に関する基本方針」(平成23年12月20日 科学技術・学術審議会人材委員会)の趣旨をふまえ、研究担当者が、本研究の直接経費で雇用される若手の博士研究員を対象として、国内外の多様なキャリアパスの確保に向けた支援に積極的に取り組むことを推奨します。
・例えば、直接経費で雇用された研究員は、研究推進に支障のない範囲で、キャリアアップを目的とした企業と協働の講義やセミナー、短期インターンシップ、交流会等(以下、セミナー等という。)に参加することができます。この場合、本研究の専従者であれば、セミナー等に参加した時間の人件費を控除する必要はありませんが、当該セミナー等に係る参加費や旅費は直接経費での計上が認められませんので留意してください。
④その他
[1]会議費について
ⅰ)会議費に含まれるもの
・会場借料
・飲食費用(アルコール類を除く)※対象となる会議については、下記ⅱ)を参照ください。
・その他、会議に必要な費用
ⅱ)飲食費支出の対象となる会議
・本研究で得られた研究成果の発表等、本研究に直接的に関係する会議(ワークショップ、シンポジウムを含む)を主催する場合であり、かつ外部の研究者が参加する会合であることを要件とします。
・研究チーム内の研究参加者のみによる定例的な研究ミーティングは対象となりません。(他の研究機関所属の者であっても、同一研究チーム内の研究参加者は「外部の研究者」に含まれません。)
ⅲ)その他留意事項
※会議費の支出にあたっては、国費を財源とすることに鑑み、必要最小限、極力簡素なものとするようご留意ください。特に、飲食費の支出にあたっては国民の疑義を招くことのないよう、金額・参加者の妥当性を適切にご判断の上、執行してください。
※他の研究機関や学会等と共同で開催するような会合における会議費については、適切に分担して費用計上することとしてください。
※学会等参加時に研究参加者が支払った懇親会費は直接経費の対象となりません。
[2]研究機関所有の研究設備・機器の使用料について
・本研究に直接使用する研究機関所有の研究設備・機器について、研究機関の規程等により合理的と認められる使用料が課されている場合は、当該経費を直接経費から支出することができます。
[3]研究設備・機器等の保守料について
・本研究に直接必要である研究設備・機器等の保守料であれば、研究機関所有の既存の研究設備・機器等であっても、直接経費から支出することができます。なお、本研究と他の研究等で共同利用する研究設備・機器等の保守料については、利用状況等を勘案した合理的根拠に基づき区分して負担する場合には、支出することが可能です。
[4]研究実施場所借上経費について
・本研究に直接必要であり、専ら使用される研究実施場所については、借上経費の支出が可能です。研究機関は、研究実施場所の必要性や借上経費の妥当性について適切にご判断の上、支出してください。なお、対象となる施設が研究機関所有の場合、その使用料の算出にあたっては、利用規則等の規程に従う等、算出根拠を合理的に説明し得る方法により行ってください。
・研究実施場所借上経費の計上を行う場合には、経費の算出根拠を明らかにした証拠書類を整備し、収支簿の提出が必要な研究機関においては、収支簿に添付して提出してください(様式任意)。
[5]リース・レンタルについて
・設備等については、購入のほか、リースやレンタルも可能です。
・ただし、リース・レンタルを行う場合であっても、その契約にあたっては競争原理の導入が求められます。また、購入する場合に比して経済的であることが必要です。リース・レンタルを行うことにより、本研究で過度な負担を負うことは認められません。なお、研究担当者が移籍する際に本研究に支障の生じないことが前提となります。
・リース・レンタルの予算費目は、「物品費」ではなく「その他」としてください。
[6]リース料・レンタル料、ソフトウェアライセンス・雑誌年間購読料等の計上範囲について
・上記費用を前納した場合でも、直接経費として計上できるのは、原則として既経過期間のみとなります。
[7]光熱水料について
・本研究に直接使用する実験棟、プラント、設備、装置等の運転等に要した光熱水料は、直接経費から支出することができますが、その額は専用のメーターに基づく支出を原則とします。なお、専用のメーターが装備されていない場合であっても、占有面積、使用時間等を勘案した合理的な積算根拠があり、その使用料を他の研究や業務と区別できる場合には、直接経費から支出することが可能です。
・事務スペース、共用スペースに係る光熱水料は本研究に直接使用しているとは言えないため、間接経費から支出してください。
・専用メーター以外の合理的積算根拠により計上している場合は、経費の算出根拠を明らかにした証拠書類を整備し、収支簿の提出が必要な研究機関においては、収支簿に添付して提出してください(様式任意)。
3)直接経費の費目間流用
・本研究の目的に合致することを前提に下記の条件・手続きのもと、直接経費の費目間流用が可能です。
①JSTの確認を必要としないで流用が可能な場合
・各費目における流用額が、当該事業年度における直接経費総額の50%(この額が500万円に満たない
場合は500万円)を超えないとき
※上記の範囲内であっても、研究計画の大幅な変更[重要な研究項目の追加・削除、研究推進方法の大規模な軌道修正等]を伴う場合は、流用額の多寡、流用の有無にかかわらず、事前にJSTの確認が必要です。
※委託研究契約書上の計上額が0円の費目についても、流用範囲内であれば使用可能です。
※JST担当者が研究担当者、研究機関に流用の内容を後日確認させていただく場合があります。
例)計画されている物品費の執行がほとんどなく、その大半が、外国旅費に流用されている場合等、研究計画書との整合性を確認すべきであると判断される場合
②JSTが本研究の実施上必要であると確認した上で流用が可能な場合
・各費目における流用額が、当該事業年度における直接経費総額の50%及び500万円を超えるとき
・費目間流用(各費目の執行見込額変更)の手順は以下のとおりです。
ⅰ)研究担当者がJST担当者に対して、電子メール等で費目間流用の内容及び理由を付して連絡
【参照:費目間流用申請書(参考様式1)】
ⅱ)JSTが研究実施上必要であるかどうかを判断
ⅲ)JSTから研究担当者へ費目間流用の可否を通知
※ 直接経費と間接経費との間の流用は認められませんので、ご注意ください。 4-1)旅費等の合算使用の取扱い
・本プログラムの直接経費と他の競争的資金等の合算使用として認められる事例は、以下のとおりです。なお、この場合、合算使用申請書等によるJSTの事前確認は不要です。
① 本プログラムと他の事業の用務を合わせて1回の出張を行う場合で、本プログラムと他の事業との間で経費を適切に区分出来る場合。
② 消耗品(材料、試薬等)を購入する場合で、本プログラムと他の事業との間でその使用区分を明確にした上で、その区分に応じた経費を合算し、一括して消耗品を購入する場合。
4-2)使途に制限のない資金との合算使用(自己負担)について
・使途に制限のない資金(運営費交付金等の自己資金、寄付金等)を本研究の研究費として、直接経費と合算して使用すること(いわゆる自己負担)が可能です。なお、この場合、合算使用申請書等によるJSTの事前確認は不要です。
・使途に制限のない資金との合算使用を行った場合は、委託研究実績報告書【経理様式1】及び収支簿【経理様式2】の支出金額に当該経費も含めて記入してください。
・研究担当者が他機関へ移籍する際は、使途に制限のない資金との合算使用により購入された取得物品についても、後述の「Ⅲ.9.3)物品の移動等について」に沿って移籍先機関へ引き継いでください。
5)その他の直接経費に係る留意事項
①委託研究費執行に係る発注・検収について
・発注・検収業務について、当事者以外によるチェックが有効に機能するシステムを構築・運営する等、公的研究費の管理・監査のガイドラインに則り、適切に行ってください。
②不課税取引等(不課税・非課税取引)に係る消費税相当額の取扱いについて
・委託研究契約は、消費税法上の「役務の提供」に該当するため、委託研究費の全額が消費税及び地方消費税(以下「消費税」)の課税対象となります。
・委託研究費を物品調達等の課税取引だけでなく、人件費や外国旅費等の不課税取引等に支出する場合、J STから受け取る消費税額と、各研究機関において支払う取引に含まれる消費税との差額が生じ、その差額に相当する消費税を各研究機関より納付することになります。
・このため、直接経費により執行された不課税取引等に係る消費税相当額について、直接経費に計上することが出来ます。ただし、免税事業者である場合は、消費税相当額を計上することはできません。
・不課税取引等に係る消費税相当額を計上する際は、当該取引の予算費目に関係なく「その他」に計上して
ください。
・なお、個々の取引実態を反映しない一定割合による消費税相当額の計上は認められません。(例えば、直接経費全体に対して、消費税相当分として2%を計上する、課税取引が一部含まれる旅費総額に8%を乗じる等)
※不課税取引等として以下のような例があげられますが、課税区分判定については研究機関の取扱いに従ってください。特に基本給に通勤費を含めている場合等についての取扱いは、研究機関において顧問税理士等への確認により研究機関の責任において整理してください。
a.人件費(うち通勤手当を除く)
b.外国旅費・外国人等招へい旅費(うち支度料や国内分の旅費を除く) c.その他、国外で消費する経費(国外の学会出席の際、国外に参加費を支払う場合等。)
③直接経費の収支管理
・直接経費の収支を明らかにするために収支簿を作成し、予算費目毎に収支管理を行って頂く必要があります。収支簿作成にあたっては、後述の「Ⅲ.8.証拠書類の管理について」をご参照ください。
・一定の要件が満たされる場合、収支簿の提出の省略が認められますが、この場合であっても、「Ⅲ.8.2)収支簿の記載方法について」に従って、収支簿を適切に作成頂く必要があります。
・研究機関において物品調達等を行った際に納入遅延金が発生する場合には、その旨を速やかにJSTへご連絡願います。その連絡を元に、JSTより研究機関に対し返還通知書を発行します。研究機関は当該通知に基づき、納入遅延金をJSTへ返還してください。なお、返還連絡書(経理様式5)により行われる委託研究費の返還とは手続きが異なりますので、ご注意ください。
④直接経費の支出方法について
・直接経費の支出(研究機関から納入業者等への支払)は、原則として、現金払い若しくは金融機関からの振込としてください。(手形取引、相殺決済、ファクタリングは認められません。)
⑤直接経費として計上できない経費
・本研究の研究目的及び趣旨に合致しないもの
・間接経費としての使用が適当と考えられるもの(通常の企業会計における一般管理費に該当するもの(管理部門人件費等)は間接経費に含まれます)
・「学会年会費」、「資格取得に係る費用」等で研究機関や研究参加者の権利となるもの
・「敷金・保証金」等で予め戻入となることが予定されているもの
・委託研究費の精算等において使用が適正でないとJSTが判断するもの
≪ 特許関連経費の取扱い ≫
本プログラムでは、「特許関連経費(出願料、弁理士費用、関係旅費、手続き費用、翻訳費用等)」については、間接経費での計上を原則とします。
1)間接経費の執行
・間接経費は「競争的資金の間接経費の執行に係る共通指針」(平成13年4月20日 競争的資金に関する関係府省連絡会申し合わせ/平成26年5月29日改正)【別添1】に則り、研究機関の責任において、計画的かつ適正に執行するとともに領収書等の証拠書類を整備し、また、それらを研究期間終了日の属する事業年度末の翌日から5年間適切に保管し、使途の透明性の確保に努めてください。
2)間接経費の算定・請求
・間接経費は直接経費に対する一定比率(原則30%の間接経費率)で措置されます。
・間接経費の算定(直接経費×間接経費率)にあたっての端数処理は「1円未満切り捨て」となります。 3)間接経費の主な使途
・「競争的資金の間接経費の執行に係る共通指針」【別添1】にて下表のとおり示されています。
間接経費の主な使途の例示
被配分機関において、競争的資金による研究の実施に伴う研究機関の管理等に必要な経費(「3.間接経費導入の趣旨」参照)のうち、以下のものを対象とする。
(1)管理部門に係る経費
(ア)管理施設・設備の整備、維持及び運営経費
(イ)管理事務の必要経費
備品購入費、消耗品費、機器借料、雑役務費、人件費、通信運搬費、謝金、国内外旅費、会議費、印刷費
等
(2)研究部門に係る経費
(ウ)共通的に使用される物品等に係る経費
備品購入費、消耗品費、機器借料、雑役務費、通信運搬費、謝金、国内外旅費、会議費、印刷費、新聞・雑誌代、光熱水費
(エ)当該研究の応用等による研究活動の推進に係る必要経費
研究者・研究支援者等の人件費、備品購入費、消耗品費、機器借料、雑役務費、通信運搬費、謝金、国内外旅費、会議費、印刷費、新聞・雑誌代、光熱水費
(オ)特許関連経費
(カ)研究棟の整備、維持及び運営経費
(キ)実験動物管理施設の整備、維持及び運営経費
(ク)研究者交流施設の整備、維持及び運営経費
(ケ)設備の整備、維持及び運営経費
(コ)ネットワークの整備、維持及び運営経費
(サ)大型計算機(スパコンを含む)の整備、維持及び運営経費
(シ)大型計算機棟の整備、維持及び運営経費
(ス)図書館の整備、維持及び運営経費
(セ)ほ場の整備、維持及び運営経費等
(3)その他の関連する事業部門に係る経費
(ソ)研究成果展開事業に係る経費
(タ)広報事業に係る経費等
※上記以外であっても、競争的資金を獲得した研究者の研究開発環境の改善や研究機関全体の機能の向上に活用するために必要となる経費等で、研究機関の長が必要な経費と判断した場合、執行することは可能である。なお、直接経費として充当すべきものは対象外とする。
4) 留意事項
①間接経費の返還
・本研究の実施の結果、不用となる直接経費の残額が生じ、JSTへ返還を行う場合には、返還を行う直接経費に相応する間接経費を加えてJSTへ返還してください。(変更契約等に伴い直接経費が減額された場合の間接経費の精算・返還についても同様としてください。)
・直接経費を全額執行し、間接経費のみに残額が発生した場合は、当該残額をJSTへ返還してください。
②委託研究費の返還に係る間接経費の計算について
・返還対象となる直接経費に相応する間接経費の計算は以下のとおりです。
「返還すべき間接経費」=「返還対象となる直接経費」×「間接経費率」 [※1円未満切り上げ]
③間接経費の報告等
・間接経費に係る収支簿及び証拠書類をJSTへ提出する必要はありませんが、「競争的資金の間接経費の執行に係る共通指針」に示されている「使途の透明性の確保」の観点から、適正な執行を証明する証拠書類を整備してください。
・間接経費の使用実績等については翌事業年度の6月30日までに府省共通研究開発管理システム(e-Rad)により報告してください。
各事業年度における委託研究費執行に係る契約、検収、支出の期限は下表のとおりです。
手続き | 当該事業年度末(3/31)に契約期間が終了 若しくは年度更新となる委託研究契約 | 期中に契約期間が終了する委託研究契約 |
物品調達・役務等の契約 | 当該事業年度の3月31日 | 契約期間終了日又は研究中止日 |
物品調達・役務等の検収 | 当該事業年度の3月31日 | 契約期間終了日又は研究中止日 |
業者等への支払い(支出) | 翌事業年度の5月31日 | 委託研究実績報告書の提出期限 |
※委託研究契約が単年度契約の場合に年度を跨がる調達等の契約を行うことは原則としてできません。(ただし、研究推進上の必要性から年度を跨ぐ調達等を希望する場合は、個別にJSTにご相談ください。)
※人件費における事業主負担分や不課税取引等に係る消費税相当額等の研究機関留保分は、上記期限までに支払が完了していない場合でも、その支払金額が確定している場合に限り、当該人件費や取引が発生した事業年度での計上が可能です。
【 経費の年度区分の取扱いについての特例 】
①国内及び外国旅費等、事業年度を跨る際に厳密な年度区分が困難になる経費について、研究機関の規程において支出した日の属する年度に支出計上することとしている場合には、研究機関の規程に従って処理することが可能です。
※事業年度を跨る支出であっても、年度区分が可能なものについては、原則として、計上する年度を区分してください。
②事業年度末において支払額が確定しない社会保険料や光熱水料等について、研究機関の規程において翌事業年度に計上することとしている場合には、研究機関の規程に従って処理することが可能です。
※上記①及び②の処理は、研究期間が翌事業年度以降も継続することが研究計画書により確認できる場合に限ります。
1)支払いの方法
・原則として『一括払い』とします。ただし、金額が高額な場合等、四半期毎の4回分割払いとする場合があります。
・分割払いの取扱いについては、後述の「Ⅲ.7.委託研究費の分割払いについて」をご参照ください。
・委託研究契約締結前及び契約期間中に行われる事務管理体制及び財務状況等に係る調査・確認の結果によっては、JST指定の委託方法となる他、契約を見合わせる場合や契約期間中であっても、委託研究費の縮減や研究停止、契約期間の短縮、契約解除等の措置を講じることがあります。なお、JSTが指定する委託方法となった場合は、別途、JSTより通知する事務要領に沿って、委託研究費の請求や精算等の手続きを行ってください。
2)委託研究費の請求について
・委託研究費の早期支払いにより、委託研究費の効率的かつ速やかな執行による研究の円滑な推進、また研究機関の資金繰りの軽減が図られると考えます。各研究機関においては、委託研究契約の早期締結、並びに請求書の速やかな発行等の事務処理をお願いします。
・研究機関が発行する請求書は研究担当者毎(委託研究契約単位)にご作成ください。なお、誤りなく速やか
に処理するために、確認事項として請求書類に「研究担当者氏名」を記載してください。
・委託研究費の請求は、速やかな支払いを可能とするため、「振込依頼書」や「納入告知書」でなく「請求書」でお願いします。
・納入告知書等で支払期限まで期日の猶予がない場合等には、別途個別に支払期限を調整させていただくことがあります。
3)銀行口座の取扱いについて
・JSTの委託研究費を管理する銀行口座について、新規の口座を個別に設ける必要はありません。ただし、 JSTが必要と認めた場合は、当該委託研究費の収支を明確にするため、専用の普通預金口座(無利息型)を新たに開設していただくことがあります。
・収支の記録は収支簿を作成の上、直接経費については研究担当者別(委託研究契約単位)に明確に区分してください。
・預金利息が発生した場合、JSTへ報告及び返還する必要はありません。
4)委託研究費の変更について
・本プログラムでは、委託研究費の効率的・効果的な運用の観点から、随時、予算の見直しを行っております。従って、本研究の進捗状況に基づき、必要に応じて研究計画の見直しを行いますので、契約期間中であっても、委託研究費を増額又は減額する場合があります。
・この場合、直接経費に対する一定比率で措置されている間接経費も、同時に増額又は減額します。
・柔軟かつ効果的な研究推進のため、円滑な契約変更手続にご協力ください。
①委託研究費の増額変更に伴う追加額の支払い
・原則として一括して支払います。
・委託研究費の増額変更に係る契約変更手続き終了後、速やかに増額された委託研究費を請求してください。
②委託研究費の減額変更に伴う返還額の支払い
・委託研究費の減額変更に係る契約変更手続き終了後、速やかに減額された委託研究費を一括払いで返還してください。
・分割払いの場合において、JSTより委託研究費の支払いが全額完了する前に委託研究費の減額が判明した場合は、委託研究費の減額変更に係る契約変更手続きと併せ、研究機関からの以後の請求額を減額する等の調整をさせていただきます。
1)分割額の決定方法
・各四半期の支払い額は、当該事業年度における委託研究費を均等4分割した額を原則としますが、以下の理由がある場合は、JSTにて各期の支払い額を調整させていただきます。研究機関において調整が必要と認められる事由が発生する場合には、速やかにJSTにご相談ください。
①研究機関又は研究担当者からの求めがあり、研究題目の内容や研究実施上の観点から必要であるとJSTが判断した場合
②JSTの資金調達及び支払能力の範囲を超えている場合
③その他、JSTが必要と判断する場合
2)留意事項
・委託研究契約の締結(若しくは年度更新)時に研究機関へお知らせする案内に基づき各期の委託研究費を請求してください。
1) 作成・管理をしていただく経理等関係書類
①収支簿(経理様式2)
・直接経費の収支を明らかにするため、収支簿を作成する必要があります。
・公的研究費の管理・監査のガイドラインを遵守している研究機関が、科学研究費補助金を受給し、科学研究費補助金と同様の条件で内部監査を実施する場合には、収支簿の提出を省略することとします。ただし、この場合であっても、研究機関において適正に収支簿の作成及び保管を行う必要があります。また、JSTが必要と認める際には、収支簿の提出を求める場合があります。
②適正に執行されたことを証明する書類(証拠書類)
・経理等関係書類の様式について、特に定めはありませんが、研究機関内の意志決定から契約・検収・支払いまでの過程が確認できる一連の証票類を証拠書類として整備・保管し、国の会計検査やJSTによる経理調査等の際に支障のないように対応してください。
・国の会計検査等では、事実に基づく証拠書類により、発生した経費の適正性・妥当性を客観的に説明することが求められます。証拠書類の整備にあたっては以下の点にもご留意ください。
○人件費について、適切に出退勤管理、従事管理が行われているか。
○旅費について、出張日程と出勤簿・従事日誌に不整合が無いか。
○都度納入される消耗品等について、単品納品書(※)により納入の事実が確認できるか。
※単品納品書:納品の都度発行される納品書
・経理等関係書類の整備に関する研究機関の規程が無い場合等は、【別添2.証拠書類一覧】に準じて整備してください。
・証拠書類は収支簿とともに研究期間終了日の属する事業年度末の翌日から5年間適切に保管してください。
2)収支簿の記載方法について
・収支簿の記載は、1行1伝票としてください。(1行1品でも可です。)
・収支簿の『入出金年月日欄』は、委託研究費の入金年月日や物品等の調達等に係る支払年月日を日付順に記載してください。(契約年月日、納入検収年月日ではありません。)
・収支簿の『摘要欄』には調達等の内容が確認できるよう下記事項を記載してください。
ⅰ)物品費 :品名、数量
ⅱ)旅費 :旅行者名、旅行内容(打合せ・会議名等)、用務地、旅行期間
ⅲ)人件費・謝金 :従事者名、従事期間(○月分等)
ⅳ)その他 :上記に準じ、調達等の内容が判る件名(品名)、数量等。学会参加費等についてはその会合の名称や日程
3)収支簿の摘要欄における省略記載について
①物品費:品名・数量の省略について
・多数の消耗品等を一括で調達した場合には、主なものの品名のみを記載することで、その他を省略することができます。[例:○○試薬○mg 他]
・消耗品等の品名・数量を省略記載する場合であっても、納品時にその調達の内容及び数量を適切に把握し、確認する必要があります。
・具体的な品名等の記載を行わず「消耗品」と記載することは認められません。
・上記にかかわらず、「1品(若しくは1式)の金額が50万円以上」の物品等がある場合は、当該50万円以上の物品等について収支簿上に全て記載、若しくは、内訳が確認できる納品書等を添付してください。
②旅費:用務地、旅行期間の省略について
・近距離の出張等で宿泊を要しないものは、「用務地」、「旅行期間」を省略して記載することができます。
・上記の場合でも、「旅行者名」、「旅行内容」は、必ず記載してください。
③人件費・謝金:省略不可の取扱いについて
・人件費・謝金の支払対象者が複数いる場合は、各対象者への支払金額がわかるように記載してください。
④省略記載の特例について
・JSTへの収支簿の提出の省略が認められる研究機関にあっては、各研究機関が説明責任を果たせる範囲内で、研究機関の判断による省略記載を可とします。ただし、調査等において十分な説明が行えるよう、証拠書類等を適切に整理・保管してください。
4)留意事項
・上述の収支簿(経理様式2)は、科学研究費補助金収支簿の記載項目とほぼ同様です。研究機関で科学研究費補助金に係るシステムや帳簿の様式が備えてあれば、JSTの収支簿についても科学研究費補助金と同じシステムを使用して構いません。
・JSTへ提出された収支簿において、上述の省略記載がなされている場合には、内訳明細、不明点等をJ ST担当者が照会することがあります。
1)物品の種類と所有権の帰属
①取得物品
・研究機関が本研究のために直接経費により取得した物品等であり、研究機関の所有となります。
・取得物品には、直接経費により調達された消耗品等を含む物品等が全て含まれます。
②提供物品
・本研究の実施上の必要のために研究機関の使用が認められるJST所有の物品等のうち取得物品以外のものとなります。
2)物品の管理
①取得物品
・研究機関の物品管理規程等のルール及び「競争的資金における使用ルール等の統一について(平成27年
3月31日競争的資金に関する関係府省連絡会申し合わせ)【別添8】」に沿って、管理する必要があります。
・原則として、耐用年数1年以上かつ取得価額50万円以上を資産、耐用年数1年以上かつ取得価額10万円以上を備品として適切に管理してください。
②提供物品
・研究機関は研究期間中、提供物品を無償で使用することができます。研究機関及び研究担当者は、提供物品(消耗品扱いとなる物品等も含む)を善良なる管理者の注意をもって適正に管理してください。
・提供物品に有形固定資産を含む委託研究契約については、毎年度、有形固定資産の一覧表をJSTが作成の上、研究機関に電子データを送付しますので、内容をご確認ください。
・JST所有物品の確認等のためJST職員が研究機関に赴くことがありますので協力願います。
3)物品の移動等について
①取得物品
・研究担当者が移籍等により所属機関を変更し、次の所属機関においても、引き続き本研究を実施する場合には、取得物品を無償譲渡により次の所属機関に引き継いでください。
・規程等により、無償譲渡が困難な場合には、JSTにご相談ください。
※国立大学法人から民間企業に研究担当者が移籍した場合等で、内部規定等により無償譲渡ができない場合には、一旦、物品を研究機関からJSTへ無償譲渡して、JSTと次の所属機関との話し合いにより、
「提供物品として無償貸与する」等の方法で物品を引き継ぐこととします。
・移籍後も本研究の実施に支障のないよう必要な措置を講ずることができる場合で、かつ、研究担当者の同意がある場合は、研究機関に存置したままとすることできます。
・当該物品が建物据付のため原状回復に多額の費用がかかる等の理由により、次の所属機関への物品の引き継ぎが困難・不経済である場合には、研究機関、研究担当者とJSTが協議の上、物品の引き渡しを行わない場合があります。
[留意事項]
・本プログラムの目的達成のため、以下の理由・趣旨により取得物品を研究担当者が移籍等した次の所属機関に引き継ぐこととしていますので、ご理解・ご協力をお願いします。
ⅰ)本研究の推進のために購入した物品等である
ⅱ)引き続き同一研究担当者が使用することで、円滑で効率的な研究実施が可能となる
ⅲ)JSTには、与えられた研究期間内で研究担当者が滞りなく研究実施できる環境を整備する責任
がある
ⅳ)研究担当者の移籍の都度、高額な研究機器等の購入を行うことは不経済である
②提供物品
・研究担当者が移籍等により所属機関を変更し、次の所属機関においても引き続きJSTの研究を推進する場合には、取得物品と同様、提供物品を次の所属機関に移設しますので、ご協力をお願いします。
10.研究機関における管理監査体制、不正行為等への対応について
1)公的研究費の管理・監査の体制整備等について
・研究機関は、本プログラムの実施にあたり、その原資が公的資金であることを十分確認するとともに、関係する法令等を遵守し、プログラムを適正かつ効率的に実施するよう努めなければなりません。特に不正行為等 [*1]を未然に防止する措置を講じることが求められます。
・具体的には、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン【別添 5】」及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン【別添 6】」に基づき、研究機関の責任において公的研究費の管理・監査の体制を整備した上で、委託研究費の適正な執行に努めるとともに、コンプライアンス教育も含めた不正行為等への対策を講じる必要があります。
[*1]「不正行為等」とは、以下に掲げる「不正行為」、「不正使用」及び「不正受給」を総称していいます。ア「不正行為」とは、研究活動において行われた故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務
を著しく怠ったことによる、投稿論文等発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造、改ざん及び盗用
イ「不正使用」とは、研究活動における虚偽の請求に基づく競争的資金等の使用、競争的資金等の他の目的又は用途への使用、その他法令、若しくは応募要件又は契約等に違反した競争的資金等の使用
ウ「不正受給」とは、偽りその他不正の手段により研究活動の対象課題として採択されること
2)「体制整備等自己評価チェックリスト」について
・ 研究機関は公的研究費の管理・監査に係る体制整備等の実施状況等を「体制整備等自己評価チェックリスト」(以下、「チェックリスト」という。)により定期的に文部科学省へ報告するとともに、体制整備等に関する各種調査に対応する義務があります。
・ 新規採択により本プログラムを開始する研究機関及び新たに研究チームに参加する研究機関は原則として、研究開始(委託研究契約締結日)までにチェックリストを研究機関の監事又は監事相当職の確認を経た上で、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)を用いて文部科学省へ提出してください。
・ 他事業の応募等により、その有効期限が当該事業年度も含まれるチェックリストを既に提出している場合は、委託研究契約締結に際して、新たに提出する必要はありませんが、チェックリストは公的研究費の管理・監査のガイドラインにおいて年1回程度の提出が求められておりますので、翌事業年度以降も継続して事業を実施する研究機関は、改めてその提出が必要となります。以下の文部科学省のホームページ及びe-Rad に登録された「事務代表者」宛てのメール連絡により、チェックリストの提出に関する周知が行われる予定ですので、最新情報を確認の上、作成してください。 http://www.mext.go.jp/a_menu/kansa/houkoku/1301688.htm
・ チェックリストの提出にあたっては、研究機関においてe-Rad の利用可能な環境が整っていることが必須となりますので、e-Rad への登録を行っていない研究機関にあっては、早急に手続きをお願いします(登録には通常2週間程度を要します)。手続きの詳細は、以下のe-Rad 所属研究機関向けページの「システム利用に当たっての事前準備」をご覧ください。
http://www.e-rad.go.jp/shozoku/system/index.html
※チェックリストの提出依頼に加えて、ガイドラインに関する説明会・研修会の開催案内等も文部科学省より電子メールで送付されますので、e-Rad に「事務代表者」のメールアドレスを確実に登録してください。
3)研究倫理教育の履修義務
・ 不正行為等を未然に防止する取組みの一環として、JSTは、事業に参画する研究者等に対して、研究倫理に関するe-ラーニング教材(CITI プログラム)の履修を義務付けることとしました(履修に必要な手続き等はJSTで行います)。研究機関は対象者が確実に履修するようご対応ください。
・ これに伴い、JSTは、当該研究者等がJSTの督促にもかかわらず履修義務を果たさない場合、委託研究費の全部又は一部の執行停止を研究機関に指示します。研究機関は、指示に従って委託研究費の執行を停止し、指示があるまで委託研究費の執行を再開することはできません。
・ JSTが指定する研究倫理教材を既に履修済み、若しくは、研究における役割等により履修が不要と認められる研究者等については、履修が免除される場合があります。
4)公的研究費の管理条件付与及び間接経費削減等の措置
・ 公的研究費の管理・監査及び研究活動の不正行為への対応等に係る体制整備等の報告・調査等において、その体制整備に不備があると判断された、又は、不正の認定を受けた研究機関については、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に則り、改善事項及びその履行期限を示した管理条件が付与されます。その上で管理条件の履行が認められない場合は、当該研究機関に対する競争的資金のうち、文部科学省及び文部科学省所管の独立行政法人が実施する制度における間接経費の削減(段階に応じ最大15%)、競争的資金配分の停止等の措置が講じられることとなります。
5)不正行為等の報告及び調査
・ 研究機関に対して不正行為等に係る告発(報道や会計検査院等の外部機関からの指摘も含む。)を受け付けた場合又は自らの調査により不正行為等が判明した場合(以下、「告発等」という。)は、予備調査を行うものとし、不正使用にあっては「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」に則り、告発等の受付から30日以内に、また、不正使用を除く不正行為等にあっては「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に則り、研究機関があらかじめ定めた期間内(告発等の受付から30日以内を目安)に、告発等の合理性を確認し本調査の要否について書面によりJSTに報告してください。
・ 本調査が必要と判断された場合は、調査委員会を設置し、調査方針、調査対象及び方法等についてJSTと協議しなければなりません。
・ 研究機関は、本調査が行われる場合、あらかじめ定められた期間内(不正使用にあっては告発等の受付から
160日を目安に最長210日以内、不正使用を除く不正行為等にあっては本調査の開始後150日以内を目安)に、調査結果(不正行為等に関与した者が関わる競争的資金等に係る不正行為等を含む。)、不正発生要因、監査・監督の状況、研究機関が行った決定及び再発防止計画等を含む最終報告書を書面によりJSTに提出してください。
・ 研究機関は調査により、競争的資金等(研究終了分を含む。)において研究者等による不正行為等の関与を認定した場合(不正行為等の事実を確認した場合も含む。)は、調査過程であっても、速やかにJSTに報告しなければなりません。また、調査に支障がある等正当な事由がある場合を除き、JSTの求めに応じて、当該事案に係る資料の提出又は閲覧、現地調査に応じなければなりません。
・ 研究機関は、最終報告書を上記の提出期限までに提出することができないときは、本調査の進捗状況及び中間報告を含む調査報告書、並びに報告遅延に係る合理的な事由及び最終報告書の提出期限等に係る書面を上記の提出期限までJSTに提出し承認を受けなければなりません。
・ 最終報告書の提出期限を遅延した場合、又は、JSTが報告遅延の合理的な事由を認めない場合は、間接経費の一定割合削減の措置を行います。
・ 不正行為等が行われた疑いがあるとJSTが判断した場合、又は、研究機関から本研究以外の競争的資金等における研究者等による不正行為等への関与が認定された旨の報告があった場合は、委託研究費の使用停止の措置を行う場合があります。
・ 報告書に盛り込むべき事項については、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」をご参照ください。
6)不正行為等に対する措置
・ 不正行為等を行った研究者等(共謀した研究者等を含む)や善管注意義務に違反した研究者等[*2]に対して、本プログラムを含むJSTの全ての事業について、「研究活動における不正行為等への対応に関する規則【別添 3】」に基づき、JST事業への「申請及び参加[*3]」の制限、申請課題の不採択の措置を行うとともに、不正の内容に応じて研究の全部又は一部の中止、委託研究費の全部又は一部の返還等の処分等
の措置を取ることがあります。
・ JSTが所管するものを除く競争的資金制度において不正行為等を理由として処分を受けた研究者等に対して、当該処分の決定日に遡って、前記の処分を行う場合があります。
・ 不正行為等が行われた場合、不正行為等の内容を他の競争的資金担当者(独立行政法人を含む)に対して情報提供を行います。その結果、他の競争的資金において申請及び参加が制限される場合があります。
・ 本研究において、不正行為等を行った研究者等や、善管注意義務に違反した研究者等に対して、「申請及び参加」の制限の措置を行う場合、当該不正事案の概要(研究者氏名、制度名、所属機関、研究年度、不正の内容、講じられた措置の内容等)について、原則公表することとします。また、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」においては、調査の結果、不正行為等を認定した場合、研究機関は速やかに調査結果を公表することとされていますので、各研究機関において適切に対応してください。
・ 「競争的資金の適正な執行に関する指針【別添 4】」に準拠したJSTにおける申請等資格制限は、下表のとおりです。
[*2]「善管注意義務に違反した研究者等」とは、不正行為等に関与したとまでは認定されなかったものの、善良な管理者の注意をもって事業を行うべき義務に違反した研究者等のことを指します。
[*3]「申請及び参加」とは、新規課題の提案、応募、申請を行うこと、また共同研究者等として新たに研究に参加すること、進行中の研究課題(継続課題)へ研究代表者又は共同研究者等として参加することを指します。
【不正行為の申請等資格制限】
不正行為への関与による区分 | 不正行為の程度 | 相当と認められる期間 | ||||
不行に与た | 正為関し者 | 1 | 研究の当初から不正行為を行うことを意図して いた場合等、特に悪質な者 | 10年 | ||
2 | 不正行為があった研究に係る論文等の著者 | 当該論文等の責任を負う著者(監修責任者、代表執筆者又はこれらのものと同等の責任を負うものと認定されたもの) | 当該分野の研究の進展への影響や社会的影響が大きく、又は行為の悪質性が 高いと判断されるもの | 5~7年 | ||
当該分野の研究の進展への影響や社会的影響が小さく、又は行為の悪質性が 低いと判断されるもの | 3~5年 | |||||
上記以外の著者 | 2~3年 | |||||
3 | 1及び2を除く不正行為に関与した者 | 2~3年 | ||||
不正行為に関与していないものの、不正行為のあった研究に係る論文等の責任を負う著者(監修責任者、代表執筆者又はこれらの者と同等の責任を負うと認定された者) | 当該分野の研究の進展への影響や社会的影響が大きく、又は行為の悪質性が 高いと判断されるもの | 2~3年 | ||||
当該分野の研究の進展への影響や社会的影響が小さく、又は行為の悪質性が 低いと判断されるもの | 1~2年 |
【不正使用及び不正受給の申請等資格制限】
研究費等の使用の内容等 | 相当と認められる期間 |
1 研究費等の不正使用の程度が、社会への影響が小さく、且つ行為の悪質性も低いと判 断されるもの | 1年 |
2 研究費等の不正使用の程度が、社会への影響が大きく、且つ行為の悪質性も高いと判 断されるもの | 5年 |
3 1及び2以外で、社会への影響及び行為の悪質性を勘案して判断されるもの | 2~4年 |
4 1から3にかかわらず、個人の経済的利益を得るために使用した場合 | 10年 |
5 偽りその他不正の手段により研究事業等の対象課題として採択された場合 | 5年 |
6 研究費等の不正使用に直接関与していないが、善管注意義務に違反して使用を行った と判断される場合 | 1~2年 |
※上記の「相当と認められる期間」は不正行為等が認定された事業年度の翌年度からの期間を表しますが、加えて、不正行為等が認定された当該事業年度についても申請及び参加が制限されます。
※不正使用及び不正受給の上記2、4、6の制限期間については、平成25年度当初予算以降の事業等(前事業年度から継続して実施する事業も含む)について適用します。なお、前事業年度から継続して実施する事業で該当があった場合、平成25年4月1日以降から適用されます。
次に掲げる報告書等を期限内にJSTへ提出してください。
報告書等の名称 | 様式 | 提出期限等 |
1)委託研究実績報告書 (兼収支決算報告書) | 経理様式1 | 毎事業年度終了後、翌事業年度の5月31日まで。ただし、最終事業年度について契約期間終了日が当事業年度の3月末日以外の場合は、契約期間終了後61日以内で機構が指定する日まで(委託研 究中止申請書による契約解除の場合は30日以内) |
2)収支簿 (その他必要と認められる書類含む) | 経理様式2 | 科学研究費補助金(以下、「科研費」という。)を受給し、科研費同様の条件で内部監査を実施する研究機関は提出を省略(各機関で保管)するものとする。なお、提出省略とならない場合は、委託研究 実績報告書に添付して提出すること |
3)間接経費執行実績報告書 | 経理様式3 | 翌事業年度の6月30日まで [e-Rad により報告] |
4)委託研究中止申請書 | 経理様式4-① | 中止事由判明次第速やかに(ただし、当該事業年度末をもって中止 となる課題は3月25日まで) |
5)変更届 | 経理様式4-② | 変更事由判明次第速やかに |
6)返還連絡書 | 経理様式5 | 当事業年度の3月10日まで |
7)繰越報告書 | 経理様式6 | ※平成28年度から平成29年度にかけての繰越の取扱い及び様 式等の詳細につきましては、決定次第、別途案内します。 |
8)裁量労働者エフォート率申告書 | 経理様式7-① | 業務管理者が雇用決定後及びエフォート率変更時に速やかに作成し、研究機関の人事責任者へ提出。人事責任者は適切に保管するこ と |
9)裁量労働者エフォート率報告書 | 経理様式7-② | 収支簿(経理様式2)に添付して写し 1 部を提出[正本不要]。な お、収支簿提出の省略が認められている研究機関は、人事責任者が適切に保管すること |
10)「委託研究実績報告書」及び 「収支簿」事前チェックリスト | 経理様式8 | 各研究機関は「委託研究実績報告書」及び「収支簿」の提出にあたって、必ず、本チェックリストにより記載内容の確認を行うこと。 なお、本チェックリストは提出不要 |
11)費目間流用申請書 | 参考様式1 | 直接経費の費目間流用制限の額を超える場合は、事前に研究担当者 がJST担当者に提出 |
12)合算使用申請書 | 参考様式2 | 研究設備・機器の合算購入にあたり、要件を満たしていることを確 認の上、購入手続き開始前に、研究担当者がJST担当者に提出 |
※上記 1)・2) については、正本1部に加えて写し(コピー)1部をご提出ください。
※上記の各提出期限が休日の場合は前営業日を期限とします。
■報告書等の作成に当たっては、必ず、下記URLから最新の様式をダウンロードの上、所定の電子ファイルをご使用ください。(ただし、経理様式2、参考様式については、必要事項が全て記載されていることを前提に任意様式とすることが可能です。)
【委託研究契約に係る書類URL】http://www.jst.go.jp/global/itaku.html
■上記3)の「間接経費執行実績報告書」は、当該事業年度に研究機関へ交付された全ての競争的資金を合算の上、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)により報告してください。
■研究実施内容の報告について
報告様式 | JST指定様式(各研究タイプにより異なる) |
報告期限 | 翌事業年度の5月31日まで(*) |
本研究の実施内容及び成果については、JSTが指定する様式により事業年度毎に報告する必要があります。報告書の様式及び報告期限は以下のとおりです。
(*)休日の場合は前営業日を期限とします。
【報告書作成及び提出に当たっての注意事項】
・報告書はJST担当者からの指示に沿って、研究代表者単位若しくは研究担当者単位で作成の上、研究代表者若しくは研究担当者からJST担当者へ直接提出します。
・研究主幹等による進捗状況の把握のため研究実施状況や成果について、期中、あるいは、上記報告期限の前に別途報告を求める場合があります。
・研究実施報告書はJICAと共有します。
※JSTでは、「競争的資金における使用ルール等の統一について【別添8】」を踏まえ、年度末一杯まで研究の実施が可能となるよう委託研究実績報告書等の提出期限を設定しております。研究機関においては、年度末まで研究期間が確保できるよう必要な体制の整備に努めてください。
※平成25年度以前の採択課題については、研究実施報告書の様式はJSTとJICAで共通の様式です。なお、JICAには研究実施報告書のほかにプロジェクト事業進捗報告書を半期に一度提出する必要があります。また、JICAの定期モニタリング制度の導入に伴い、平成26年度以降の採択課題については JICAへの報告形態が異なりますのでご注意ください。詳しくはJICA担当者にご確認願います。
・事業年度毎の委託研究費の精算に先立ち、必ず事前に執行状況を確認することとし、不用な委託研究費の執行残額が生じる場合等には、当事業年度の3月10日までに返還連絡書【経理様式5】を提出の上、当該執行残額(相応する間接経費を含む)を3月31日までにJSTへ返還してください。また、この場合、変更契約に伴う返還ではないため、JSTから研究機関への請求書は発行しませんので、返還連絡書の提出後、期日までにJSTへ返還を行ってください。
・返還連絡書の提出期限までに 1 円単位までの返還額の確定が難しい場合は、一旦、10万円以上10万円単位で確実に不用となる直接経費に相応する間接経費を加えた額を返還連絡書で報告、返還することとし、10万円未満の返還額については、委託研究実績報告書【経理様式1】で報告の上、後日、JSTが発行する精算額通知書に基づき返還することが可能です。
・返還連絡書による委託研究費の返還に当たっては、当該直接経費に相応する間接経費を加えた額を巻頭記載の指定口座に振込んでください。その際の当該振込に係る手数料は研究機関でご負担ください。なお、間接経費の端数計算については、前述の「Ⅲ.4. 4)②委託研究費の返還に係る間接経費の計算について」をご参照ください。
・返還連絡書は「郵送による原本(役職印押捺済み)の提出」及び「電子メールによる電子媒体の送付」が必要です。
・原則として、第3四半期までに委託研究費の不用が判明する場合には、変更契約を締結し返還を行うこととなりますので、速やかにJST担当者までご連絡ください。
1)委託研究費の精算方法
・JSTは研究機関より提出された書類(委託研究実績報告書、研究実施報告書、収支簿等)を基に経費の執行に係る適正な履行を確認し、「委託研究費の精算」を行います。具体的には、合目的性(当該事業年度の研究計画書を基に、委託研究費が本研究の目的・趣旨に適合するものに執行されていること)及び適正性(研究機関の経理規程等に沿って、委託研究費が適正に支出・管理されていること)を確認します。この際、返還が必要と認められるものがある場合には、JSTが発行する「精算額通知書」に基づき、委託研究費を返還してください。
・委託研究費の精算にあたり、提出された書類の記載内容等について、JST担当者から電話や電子メール等で照会することがありますので協力願います。
2)書面調査と実地調査について
・公的研究費の管理・監査のガイドラインを遵守している研究機関で、科研費を受給し、科研費と同様の条件
で内部監査を実施する場合は、実地調査を原則として行わないこととします。同時に、JSTに対する収支簿の提出の省略を認め、委託研究実績報告書のみの提出を求めることとし、この報告書に基づく事業年度毎の精算のみを実施することとします。(収支簿の提出省略が認められる場合であっても、研究機関は収支の合目的性・適正性についての説明責任が果たせるよう、収支簿の作成と保管を行う必要があります。)
・科研費を受給していない研究機関、不正行為等が発生した研究機関、JSTが特に必要と認める研究機関等に対しては、収支簿の提出を求め、書面調査を行うとともに実地調査を実施することとしています。
・書面調査、実地調査等において、事務管理体制や委託研究費の執行に問題を認める場合、JSTは研究機関に対して改善要請を行います。なお、その後も改善策を実行していない等、問題が解消されないと判断する場合、委託研究費の使用の停止、研究の停止、契約解除等の措置を講じる場合があります。
・書面調査による精算後に実施されたJSTの実地調査、研究機関の内部監査、国の会計検査等において不適切な執行が確認された場合は、再精算を行うこととしますので、JSTの指示に従い、委託研究費を返還してください。
3)支出計上が不適切と見なされる事例
以下の事例は合目的性・適正性の観点より直接経費での計上が認められません。直接経費の支出に当たっては、以下事例を参考にその妥当性を適切にご判断ください。
⚫ 共用的な生活関連備品(電子ジャーポット、掃除機等)の計上
⚫ 自己啓発のための書籍(英会話本等)・備品等の調達
⚫ 液体窒素、ガス類で他の業務と切り分け不可能な場合
⚫ 本研究との関係性が不明瞭な出張旅費
⚫ 本研究との関連が不明瞭な複数人での海外出張
⚫ 出勤簿と出張内容が不整合である人件費・旅費の計上
⚫ 本研究との関連性が不明瞭な人件費の計上
⚫ 必要性の不明確な書籍の大量購入
⚫ 内容が不明な学会参加費やシンポジウム参加費の計上
⚫ 積算根拠が不明な光熱水費の計上
⚫ 支出日が不明、あるいは支払先が不明瞭な支出
⚫ 原因・内容の不明確な振替処理 等
1)委託研究の中止の手続き
・研究機関において本研究を中止すべき事由が発生した場合には、委託研究中止申請書【経理様式4-①】により、速やかにその旨を申請してください。
2)研究担当者の移籍に伴う研究中止
・研究担当者が他機関へ移籍、退職等する場合には、委託研究中止申請書【経理様式4-①】により、委託研究契約の中止手続きを行う必要があります。
・研究担当者が他機関へ移籍する場合の物品の移動については、前述の「Ⅲ.9.3)物品の移動等について」をご参照ください。
※研究担当者が他機関へ移籍等する場合においても、JSTが適当と判断する場合は、研究担当者(原則、研究代表者を除く)の変更による同一研究機関で本研究の継続が認められる場合があります。
3)各種報告書の提出
・委託研究の中止の手続きを行った際には、委託研究実績報告書等の各種報告書を所定の期限までに必ず提出してください。
1)再委託の可否
・研究機関は、原則として本研究を第三者に再委託することはできません。
※研究機関においてやむを得ない事情がある場合には事前にJSTへご相談ください。JSTは研究機関が作成する当該再委託に関する実施計画書の確認を行い、本研究の実施上特に必要であると判断した場合には、
本研究の一部について第三者への再委託を承認する場合があります。
・研究開発要素を含まない検査業務等の請負業務については、研究計画書に基づくものであることを前提に、特にJSTへの申請手続きを経ることなく、直接経費により執行することが可能です。
2)留意事項
・再委託を行う場合の再委託先の行為については、委託先研究機関の行為とみなされます。再委託が認められた場合には、再委託に係る予算執行、計画変更、各種報告、精算等の業務遂行について、研究機関の責任において適正に対応する必要がありますので留意してください。
・SATREPSでは原則として、協力期間の延長を認めることはできません。JSTとJICAでは、研究課題の進捗状況如何にかかわらず、当初協力期間どおり終了することを原則としています。
しかしながら、天災、内乱・戦争等不可抗力により在外研究員を派遣できなかった等の理由により研究課題の進捗が大幅に遅れ、その遅れの取り戻しに努力しているものの、当初の協力期間のままでは所期の成果の達成が困難な状況であるが、JST、JICAによる評価等又は相手国との合同調整委員会による検討の結果、協力期間を延長することによって所期の成果が生み出される十分な見込みがあると認められる場合には、研究課題の協力期間全体の予算を増加させないことを前提に最大1年間までの延長を認めることがあります。
また、当初計画以上の成果を得ており、更なる大きな成果や展開により社会実装の定着や促進に十分な見込みがあると認められる場合にも、研究課題の協力期間全体の予算を増加させないことを前提に最大1年間までの延長を認めることがあります。
※上記に該当し、成果の実現のために委託研究契約の延長が必要な場合は、委託研究期間満了の1 年以上前までに余裕を持って、研究代表者よりJST担当者にご確認ください。
17.特定の事業目的により追加された研究資金の取扱いについて
・ 課題採択後に、JSTが時宜に応じて募集を行う研究者支援制度(ライフイベント復帰支援等)により委託研究費が追加配賦される場合、事務手続上は、その金額を本研究契約に含めて契約を締結します。
・ 各制度の性格に応じて個別に運用が定められている項目及び制限に関しては、各制度で定める募集要項等に従って適切に処理を行う必要がありますのでご注意ください。
18.その他
1)法令等の遵守について
・研究構想を実施するにあたって、相手方の同意・協力を必要とする研究、個人情報の取扱いの配慮を必要とする研究、生命倫理・安全対策に対する取組を必要とする研究等法令等に基づく手続きが必要な研究が含まれている場合には、研究機関内外の倫理委員会の承認を得る等必要な手続きを行ってください。
・関係法令・指針等に違反し、研究を実施した場合には、研究停止や契約解除、採択の取り消し等を行う場合があります。
・研究計画上、相手方の同意・協力や社会的コンセンサスを必要とする研究又は調査を含む場合には、人権及び利益の保護の取扱いについて、適切な対応を行ってください。
2)ライフサイエンスに関する研究等について
・特にライフサイエンスに関する研究について、各府省が定める法令等の主なものは以下のとおりです。このほかにも研究内容によって法令等が定められている場合がありますのでご留意ください。
(※最新の改正をご確認ください)
⚫ 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号)
⚫ 手術等で摘出されたヒト組織を用いた研究開発の在り方について(平成10年厚生科学審議会答申)
⚫ ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律(平成12年法律第146号)
⚫ 特定胚の取扱いに関する指針(平成13年文部科学省告示第173号)
⚫ ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(平成13年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)
⚫ 遺伝子治療臨床研究に関する指針(平成14年文部科学省・厚生労働省告示第1号)
⚫ 疫学研究に関する倫理指針(平成14年文部科学省・厚生労働省告示第2号)
⚫ 臨床研究に関する倫理指針(平成15年厚生労働省告示第255号)
⚫ 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)
⚫ ヒトES細胞の樹立及び分配に関する指針(平成21年文部科学省告示第156号)
⚫ ヒトES細胞の使用に関する指針(平成21年文部科学省告示第157号)
⚫ 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成26年文部科学省・厚生労働省告示第3号)
※文部科学省における生命倫理及び安全の確保について、詳しくは下記ホームページをご参照ください。ライフサイエンスの広場「生命倫理・安全に対する取組」 http://www.lifescience.mext.go.jp/bioethics/index.html
※相手国における生命倫理及び安全の確保に関する法令も遵守し、必ず事前に適切な対応を行ってください。
3)遺伝資源の取扱いについて
・相手国における遺伝資源へのアクセスのほか、相手国からのサンプルや情報、資料(※)の持ち出し及び相手国への持ち込みについては、国際ルール(外国為替法、安全保障貿易管理、生物多様性条約、カルタヘナ議定書)に配慮し、相手国及び関係国の法令を遵守してください。特に、研究計画上、相手国の遺伝資源等を利用する場合には、当該国の関連条約等の批准及び国内法の整備状況等について、あらかじめ確認するとともに、有体物移転契約(MTA)締結の検討をお願いします。なお、遺伝資源へのアクセス、及び生物多様性条約の詳細については、下記ウェブサイトを参照してください。
http://www.idenshigen.jp/(国立遺伝学研究所 ABS 学術対策チーム) http://www.mabs.jp/index.html (財団法人バイオインダストリー協会) http://www.cbd.int/ (Convention on Biological Diversity)
※研究上の物品に限りません。あらゆる遺伝資源(物品)の取り扱いについて、十分に注意してください。
4)安全保障貿易管理について(海外への技術漏洩への対処)
・研究機関では多くの最先端技術が研究されており、特に大学では国際化によって留学生や外国人研究者が増加する等、先端技術や研究用資材・機材等が流出し、大量破壊兵器等の開発・製造等に悪用される危険性が高まってきています。そのため、研究機関が本研究を含む各種研究活動を行うに当たっては、軍事的に転用されるおそれのある研究成果等が、大量破壊兵器の開発者やテロリスト集団等、懸念活動を行うおそれのある者に渡らないよう、研究機関による組織的な対応が求められます。
・日本では、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)(以下「外為法」という。)に基づき輸出規制(※)が行われています。したがって、外為法で規制されている貨物や技術を輸出(提供)しようとする場合は、原則として、経済産業大臣の許可を受ける必要があります。外為法をはじめ、各府省が定める法令・省令・通達等を遵守してください。
(※)現在、我が国の安全保障輸出管理制度は、国際合意等に基づき、主に①炭素繊維や数値制御工作機械等ある一定以上のスペック・機能を持つ貨物(技術)を輸出(提供)しようとする場合に、原則として、経済産業大臣の許可が必要となる制度(リスト規制)と②リスト規制に該当しない貨物(技術)を輸出(提供)しようとする場合で、一定の要件(インフォーム要件又は客観要件)を満たした場合に、経済産業大臣の許可を必要とする制度(キャッチオール規制)があります。
・物の輸出だけではなく技術提供も外為法の規制対象となります。リスト規制技術を外国の者(非居住者)に提供する場合等はその提供に際して事前の許可が必要です。技術提供には、設計図・仕様書・マニュアル・試料・試作品等の技術情報を、紙・メール・CD・USBメモリ等の記憶媒体で提供することはもちろんのこと、技術指導や技能訓練等を通じた作業知識の提供やセミナーでの技術支援等も含まれます。外国からの留学生の受入れや、共同研究等の活動の中にも、外為法の規制対象となり得る技術のやりとりが多く含まれる場合がありますので、本邦の法律・制度、相手国の法律・制度及び国際ルールを十分に遵守してください。
・経済産業省等のHPで安全保障貿易管理の詳細が公開されています。詳しくは下記を参照してください。
○ 経済産業省:安全保障貿易管理(全般) http://www.meti.go.jp/policy/anpo/
○ 経済産業省:安全保障貿易管理ハンドブック(2014年 第8版) http://www.meti.go.jp/policy/anpo/seminer/shiryo/handbook.pdf
○ 一般財団法人安全保障貿易情報センター http://www.cistec.or.jp/index.html
○ 安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス(大学・研究機関用) http://www.meti.go.jp/policy/anpo/law_document/tutatu/t07sonota/t07sonota_jishukanri03.pdf
5)成果有体物の取扱いについて
・本研究により創作又は取得された成果有体物については、各研究機関内の規程に基づき適切に管理するとともに、第三者への提供を行う場合には、円滑な活用に留意しつつ、国際共同研究であることにも鑑み、有体物移転契約(MTA:Material Transfer Agreement)の締結等、必要な措置を講じてください。
・成果有体物とは、下記に該当する学術的・財産的価値その他の価値のある有体物(論文、講演その他の著作物等に関するものを除く)
(ⅰ)研究開発の際に創作又は取得されたものであって研究開発の目的を達成したことを示すもの (ⅱ)研究開発の際に創作又は取得されたものであって(ⅰ)を得るために利用されるもの (ⅲ)(ⅰ)又は(ⅱ)を創作又は取得するに際して派生して創作又は取得されたもの
◆ 例:材料、試薬、試料(微生物、土壌、岩石、植物等)、実験動物、試作品、モデル品、化学物質、菌株等
6)安全衛生管理及び事故発生時の報告について
・安全衛生管理につきましては、研究機関にて、管理体制及び内部規則を整備の上、労働安全衛生法等の安全関係法令の遵守及び事故防止に努めてください。
・本研究に起因して事故及び当該事故に伴う研究者等の負傷等が発生した場合は、速やかにJSTに対して書面にて報告してください。
7)ライフイベント(育児休業等)や長期海外出張等による研究の中断等について
・研究担当者が育児休業や産前産後の休暇を取得する場合や、長期間の海外留学(研修)・派遣等で研究業務の遂行ができなくなる場合については、事前にJSTにご相談ください。諸事情を勘案し本研究を一時中断し、その後に再開する等の措置ができる場合があります。
8)研究期間終了後の調査について
・国の大綱的指針等に基いて実施する追跡評価を行うため、研究期間終了後に追跡調査や成果展開調査等の調査を行っております。JSTの担当者から調査依頼を受けた場合、研究機関においては協力義務が生じます。
○ 国の研究開発評価に関する大綱的指針(平成24年12月6日 内閣総理大臣決定) http://www8.cao.go.jp/cstp/output/20121206sisin.pdf
○ 文部科学省における研究及び開発に関する評価指針(平成14年6月20日 文部科学大臣決定) http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/hyouka/main11_a4.htm
・研究成果に係る知的財産権は、委託研究契約書に定める事項が遵守されることを前提に研究機関に帰属することとなります。
・研究機関は、当該知的財産権の保全(適時の研究成果把握、知的財産権の掘り起こし、権利承継有無の決定及び権利承継する場合の出願等の権利化手続き)に努めてください。
ただし、国際共同研究であることを踏まえ、相手国側研究機関に不利益とならぬようご配慮ください。
・出願・申請後におきまして、同契約書第12 条に定める報告書(知財様式1~4)の提出をお願いします。出願の際は事前に相手国研究機関の了解を得てください。研究機関による権利承継の有無にかかわらず、権利保全について十分な対応をお願いします。
・権利保全が十分なされない恐れのある場合(例:公知予定日が迫っているにもかかわらず、研究機関による権利承継の有無について発明者に通知されない場合等)、JSTは発明者等の同意を得た上で、研究機関に代わって権利保全(出願の準備等)を行うことがあります。
・研究代表者の所属機関は、相手国内法、JICAが相手国研究機関等と締結する R/D、研究機関とJICAとの取極め等にご留意の上、知的財産権等の取り扱いについて、相手国研究機関と合意文書(CRA)を予め交わしてください。なお、主たる共同研究者の所属機関も、同 CRA を遵守してください。CRA は署名前の案の段階で JSTの確認を取ってください。
【合意文書(CRA)作成のガイドライン】 http://www.jst.go.jp/global/keiyaku/201601CRAguidelineEN.pdf
2.研究機関所属の研究者(研究機関発明者)の持分に係る知的財産権の取扱い
1)知的財産権の帰属
・「産業技術力強化法第19条」及び「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律第25条」により、本研究の研究成果に係る知的財産権について、JSTは、原則として、委託研究契約書に定める事項が遵守されることを前提に研究機関から譲り受けないものとします。
参考
産業技術力強化法(抜粋)
(国が委託した研究及び開発の成果等に係る特許権等の取扱い)
第十九条 国は、技術に関する研究開発活動を活性化し、及びその成果を事業活動において効率的に活用することを促進するため、国が委託した技術に関する研究及び開発又は国が請け負わせたソフトウェアの開発の成果(以下この条において「特定研究開発等成果」という。)に係る特許権その他の政令で定める権利(以下この条において「特許権等」という。)について、次の各号のいずれにも該当する場合には、その特許権等を受託者又は請負者(以下この条において「受託者等」という。)から譲り受けないことができる。
一 特定研究開発等成果が得られた場合には、遅滞なく、国にその旨を報告することを受託者等が約すること。
二 国が公共の利益のために特に必要があるとしてその理由を明らかにして求める場合には、無償で当該特許権等を利用する権利を国に許諾することを受託者等が約すること。
三 当該特許権等を相当期間活用していないと認められ、かつ、当該特許権等を相当期間活用していないことについて正当な理由が認められない場合において、国が当該特許権等の活用を促進するために特に必要があるとしてその理由を明らかにして求めるときは、当該特許権等を利用する権利を第三者に許諾することを受託者等が約すること。
四 当該特許権等の移転又は当該特許権等を利用する権利であって政令で定めるものの設定若しくは移転の承諾をしようとするときは、合併又は分割により移転する場合及び当該特許権等の活用に支障を及ぼすおそれがない場合として政令で定める場合を除き、あらかじめ国の承認を受けることを受託者等が約すること。
2 前項の規定は、国が資金を提供して他の法人に技術に関する研究及び開発を行わせ、かつ、当該法人がその研究及び開発の全部又は一部を委託する場合における当該法人と当該研究及び開発の受託者との関係及び国が資金を提供して他の法人にソフトウェアの開発を行わせ、かつ、当該法人がその開発
の全部又は一部を他の者に請け負わせる場合における当該法人と当該開発の請負者との関係に準用する。
3 前項の法人は、同項において準用する第一項第二号又は第三号の許諾を求めようとするときは、国の
要請に応じて行うものとする。
2)研究機関が知的財産権を承継しない場合の取扱い
・研究機関が発明者から承継しない知的財産権の一部又は全部をJSTが承継し、出願・申請する場合があります。
3.研究機関に帰属した(JSTとの共有でない)知的財産権について
1)JSTへの事前申請が必要な場合
・第三者に知的財産権の移転又は専用実施権等の設定若しくはその移転の承諾(以下「専用実施権等の設定等」という。)を行う場合、研究機関は所定の様式により予め申請を行い、JSTの承認を受ける必要があります。ただし、合併又は分割により移転する場合及び次のアからウに該当する場合は、下記 2)の通知のみとすることができます。
ア 研究機関が株式会社である場合で、研究機関がその子会社(会社法(平成17年法律第86号)第2条第
3号に規定する子会社をいう。)又は親会社(会社法第2条第4号に規定する親会社をいう。)に移転又は専用実施権等の設定等をする場合
イ 研究機関が承認TLO(大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律(平成10年法律第52号)第4条第1項の承認を受けた者(同法第5条第1項の変更の承認を受けた者を含む。))又は認定TLO(同法第12条第1項又は同法第13条第1項の認定を受けた者)に移転又は専用実施権等の設定等をする場合
ウ 研究機関が技術研究組合である場合で、研究機関がその組合員に移転又は専用実施権等の設定等をする場合
申請条件 | 通知書・書類の様式 | 書類提出期限 |
移転を行うとき | 知的財産権移転承認申請書 (知財様式3) | 移転前 |
専用実施権等の設定等を行うとき | 専用実施権等設定・移転承認申請書 (知財様式4) | 設定・移転承諾前 |
※第三者に移転又は専用実施権等の設定等を行う場合の注意点
・研究機関の責任において、委託研究契約書に規定する遵守事項等の適用に支障を与えないことを第三者に約させる必要があります。
・事前申請を行った場合においても、移転又は専用実施権等の設定等を行った後にJSTへの通知が必要です。
2)JSTへの通知が必要な場合
・以下の場合には、研究機関は所定の様式によりJSTに通知してください。放棄については事前の通知が必要ですので、ご留意ください。
通知条件 | 通知書・書類の様式 | 書類提出期限 |
出願又は申請を行ったとき(*1) | 知的財産権出願通知書 (知財様式1) | 出願・申請の日から 60日以内 |
知財登録・移転を行ったとき (*2) | 知的財産権設定登録等通知書 (知財様式1) | 登録・移転の日から 60日以内 |
放棄を行うとき(*3) | 知的財産権設定登録等通知書 (知財様式1) | 法的期限の30日前まで |
自己実施・第三者への実施許諾・専 用実施権等の設定等を行ったとき | 知的財産権実施通知書 (知財様式2) | 当該実施等をした日から 60日以内 |
*1 海外出願・優先権による出願を含む。相手国側研究機関の了解を得た証拠(メールでの了解文章など)
を添付してください。
*2 第三者への移転又は専用実施権等の設定等を行う場合は、原則として事前申請が必要(上記1)参照)。
*3 「登録料若しくは年金の不納」、「出願審査請求の未請求」、「取下げ」等により自らの意思で知的財産権を放棄する場合は、当該放棄に係る法的期限の30日前までにJSTへ通知してください。JSTが有用性等を審査の上、承継し、出願・申請する場合があります。なお、下記事由については、速やかにJ STへ通知されることを前提に事後の通知とすることができるものとします。
「拒絶承服」、「異議承服」、「無効承服」、「却下」、「消滅」
3)出願書類への記載事項
・国内の特許出願、実用新案登録出願、意匠登録出願を行う場合は、当該出願書類の「(【代理人】)」の欄の次に「【国等の委託研究の成果に係る記載事項】」の欄を設けて、「平成〇〇年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、〇〇事業「研究題目名」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願」と記載してください。(PCT出願時は記載不要ですが、PCTの国内移行時は記載が必要です。)
・5 ページに記載の「R/D」、「委託研究契約」、「取極め」、「合意文書(CRA)」、「誓約書」においてその取扱いが規定されていない場合は、JST及び必要に応じJICAを含めた当事者間の協議により、第三者の発明寄与分に係る知的財産権の帰属及びその維持管理に要する費用の分担について、研究機関と当該第三者による協議の上取り決めるものとします。
・JST及び研究機関が知的財産権の共有持分権者となる場合、当該知的財産権の出願に先立ち、JST所定の共同出願契約書を基礎に協議の上、締結するものとします。
・知的財産権の出願・維持等に係わる一切の費用は、原則としてその持分に応じて負担するものとします。
・JSTに帰属することとなった知的財産権について、研究機関が譲渡を希望する場合に、以下の条件を充足できればJSTは研究機関に譲渡することができます。
(1)JSTが適正と認める対価を研究機関が支払うこと。
(2)共同出願人がいる場合、本申請に係る譲渡(以下、本譲渡という。)について共同出願人の同意が得られていること。
(3)本譲渡について、発明者(本譲渡対象の持分に係る発明者。(4)において同じ。)の同意が得られていること。
(4)発明者と研究機関との間で、本譲渡がなされた場合の実施補償金の支払い条件等に対する合意が予め得られていること。
(5)本申請が承認された場合、研究機関は自らの費用で上記知的財産権の名義変更を行うこと。 (6)委託研究契約書知財条項第2条に定める事項に従うこと。
※上記を全て満たした場合でも、本申請時点で、当該知的財産権についてJSTが第三者への実施許諾又は譲渡の手続きを開始した後である場合は、譲渡できません。
※具体的な手続きに当たりましては、JSTへご連絡ください。
JSTでは、研究成果の社会還元を促進するための各種事業・プログラムを運営しており、本プログラムに よって得られた研究成果が、こうした制度を活用する等して、実用化につなげられていくことを期待しております。詳細は下記の事業・制度のウェブサイトをご覧頂くか『技術移転総合相談窓口』までお問い合わせください。
〇 産学連携・技術移転事業 http://www.jst.go.jp/shoukai_b.html
〇 知的財産の活用支援 http://www.jst.go.jp/shoukai_e.html
○ 技術移転総合相談窓口
研究の成果を企業に技術移転する際の様々な課題について相談をお受けする窓口です。技術移転に関する経験豊富なJSTスタッフが常駐して、研究者や企業の方々をはじめ広く一般の相談に応じます。また、技術移転に関する種々の情報を提供しますので、お気軽にご利用ください。
専用フリーダイヤル:0120-679-005
専用e-mail:consulATjst.go.jp (左記の”AT”を”@”に置き換えてご利用ください。)
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
国立研究開発法人科学技術振興機構 産学連携展開部(産学連携支援担当)
・論文発表等を行う際は、当該成果が本プログラムの支援によるものであることを「謝辞(Acknowledgement)」等に明記してください。
(参考例)[日本語表記]
本研究は、以下の事業の支援を受けて実施しました。
地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)、国立研究開発法人科学技術振興機構(J ST)/ 独立行政法人国際協力機構(JICA)
(参考例)[英語表記]
This research was supported by Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development (SATREPS), Japan Science and Technology Agency (JST)/Japan International Cooperation Agency (JICA).
・シンポジウム・ワークショップ等を開催する場合は、問い合わせ対応や広報のため、事前にJST担当者へご連絡ください。
1)共同発表
SATREPSにおいて重要な研究成果が得られた場合は、原則として研究機関、JST、JICA共同でのプレス発表を行います。原稿の調整の他、文部科学省、JICA、共同研究機関との調整に通常2週間程度を要しますので、論文受理等の見通しが立ち次第、速やかにJST担当者へご連絡ください。
【広報様式1:プレス発表連絡票(参考様式)】
※プレス原稿の雛形をお送りします。
※プレス発表には新規性が要求されます。
※報道解禁(embargo)にご注意ください。
※マスコミ関係者や一般の方々にご理解いただける内容となるようご配慮ください。
2)JSTからの発表先
文部科学記者会(全国・地方新聞・TV等)、科学記者会(専門紙を発行している報道機関等)、JSTホームページ(http://www.jst.go.jp/press.html)等
3)プレス発表のタイミング
下記はどのような時にプレス発表を行うかの例です。
・論文発表時(オンラインを含む)
・研究課題の進捗の目安となる「ベンチマーク」(成果指標)達成時
・個別要素技術に関する成果が生まれた時
・製品化・市場への普及、行政サービスへの反映等、社会・経済的価値のある総合的な成果が生まれた時
・社会的に大きな影響を与えるメディア(テレビ、新聞、雑誌、インターネット等)から取材を受けた場合は、問い合わせ対応や広報のため、できるだけ事前にJST担当者へご一報ください。
【広報様式2.取材連絡票(参考様式)】
※成果をメディアに出す際は、SATREPS(JST / JICA)による成果であることを明確にしてください。
1)研究課題ホームページの作成
・研究課題毎にホームページ(日本語及び英語、現地語等)を作成し、URLを課題担当へご連絡ください。
・研究課題のホームページ作成に当たっては、SATREPSホームページへのリンクをお願いします。
2)JSTの広報媒体の活用
・JSTでは広報活動として、イベント、広報誌 JST news(http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/)の発行、ホームページでの活動紹介、SNS(Facebook/Twitter)の活用等を行っています。随時、JST担当者に研究課題の進捗に関する情報や写真をお送りいただければ、広報についてご相談させていただきます。
〇 SATREPS広報関連のページ http://www.jst.go.jp/global/public.html
・研究成果の外部発表資料、研究課題のホームページ等、研究課題の活動に関する媒体には、SATREPSロゴをご利用ください。
〇 SATREPS ロゴ ダウンロードページ http://www.jst.go.jp/global/logo_download.html