また、国家もDXの推進を提唱しており、DX認定及びDX銘柄の普及等の政府施策とも相まって、DXを推進することは、国家の政策とも合致しているため、DXと親和性の 高いデジタルコンテンツ事業の成長可能性は非常に高いものである、と考えております。
2022 年2月2日
各 位
会 社 名 株式会社ネクスグループ代 表 者 名 代表取締役社長 xx xx
(JASDAQ・コード 6634)
問 合 せ 先
役職・氏名 取締役管理本部長 xx xx電 話 00-0000-0000
株式交換契約締結及び主要株主の異動に関するお知らせ
当社及び株式会社実業之日本デジタル(以下、「実日デジタル」という)は、2022 年2月2日開催の両社取締役会において、当社を株式交換完全親会社、実日デジタルを株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本株式交換」という)を実施することを決議し、株式交換契約(以下、「本株式交換契約」という)を締結いたしました。なお、本株式交換は、当社及び実日デジタルそれぞれの株主総会において承認を得た上で、2022 年3月1日を効力発生日として行う予定です。また、これに伴い当社の主要株主の異動が生じる見込みですので、併せてお知らせいたします。
記
Ⅰ本株式交換を行う理由、本株式交換契約の内容等は次のとおりであります
1.本株式交換を行う理由
当社グループでは、2021 年 11 月 30 日付「当社事業における構造改革の実施のお知らせ」にて、慢性的な営業赤字の解消と財務基盤の強化を目的とした、事業構造改革の実施を公表いたしました。
当社グループにおける、経営資源の選択と集中のため、現在赤字の状態で早期の業績の回復を見込めない、インターネット旅行事業、ブランドリテールプラットフォーム事業の両事業から撤退することにより、営業赤字の早期解消を計ります。具体的には、2022 年 11 月期第2四半期を目処に、当社が保有するイー・旅ネット・ドット・コム株式会社、株式会社ネクスプレミアムグループ及び株式会社チチカカの株式全ての譲渡を行い、それぞれ当社連結子会社から除外予定です。
前述した、インターネット旅行事業、ブランドリテールプラットフォーム事業から撤退することにより、当社グループの事業は祖業であるIoT関連事業と、暗号資産・ブロックチェーン事業の2事業となり、連結での売上高も大幅に減少いたします。そこで、今後のグループの収益の柱となる新事業への展開を進めております。
しかし、新たな事業を行うにあたり、今回の事業構造改革の内容に鑑み、極力リスクをおさえた形で新事業を開始させ、早期に収益貢献をさせる必要があります。そのため、「既存事業とのシナジ
ー」、「株主とのシナジー」、「業務提携先とのシナジー」を考慮し、新事業の展開を進める必要があります。
この度、本株式交換により連結子会社化する実日デジタルは、当社にとってその他の関係会社である株式会社シークエッジ・ジャパン・ホールディングス(以下、「シークエッジ・ジャパン・ホールディングス」という)の子会社で、当社の主要株主である株式会社實業之日本社の電子書籍事業をサポートする会社となります。
電子書籍の市場は、当社が取り組む、IoT市場の中でも今後の成長率が高い、「デジタルコンテンツ分野」となり、電子書籍の市場はコロナ禍でも成長が著しく、「デジタル系分野のBtoCのEC市場規模調
査」(経済産業省)においても、2019年から2020年にかけての市場規模の成長率は、デジタル系分野全体の市場規模の増加率である14.9%に対し、電子出版は36.18%の増加と成長が顕著です。
また、国家もDXの推進を提唱しており、DX認定及びDX銘柄の普及等の政府施策とも相まって、DXを推進することは、国家の政策とも合致しているため、DXと親和性の高いデジタルコンテンツ事業の成長可能性は非常に高いものである、と考えております。
また、実日デジタルは、xx出版業界で事業を行ってきた實業之日本社の電子書籍部門の受託業務を行うことで事業参入する予定であり、實業之日本社は既に作家との委託契約等により複数作品の取り扱いがあるため、実日デジタルには、設立時から既に一定程度の売上高が確約されております。加えて、實業之日本社は、xxの事業経験から、作家との関係性や、業界特有の商慣習なども熟知した会社であり、實業之日本社での業務で、デジタルコンテンツを含んだ出版業界のノウハウを蓄積した人材が、実日デジタルに移籍してくるため、電子書籍事業のノウハウがない当社としても、参入最初期のノウハウ不足等の人的資源によるリスクがございません。
さらに、既存事業とのシナジーの追求についても、ブロックチェーン技術を用いた作家の権利関係の保護など、当社グループに加わることで、実日デジタルはより企業価値を持つ会社になりうると判断しております。
以上のことから、実日デジタルを連結子会社化することで、当社が極力リスクを減らした形で新規事業への参入が可能となります。
本株式交換が、当グループの今後を担う新事業への第一歩となり、当グループの永続的な発展に寄与するとの判断から、株式交換を実施することといたしました。
2.会社法第 768 条第1項第2号及び第3号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項
(1)本株式交換の日程
本株式交換契約締結に係る取締役会決議日(両社) | 2022 年2月2日 |
本株式交換契約締結日(両社) | 2022 年2月2日 |
定時株主総会基準日(当社) | 2021 年 11 月 30 日 |
本株式交換承認臨時株主総会開催日(実日デジタル) | 2022 年2月 25 日 |
本株式交換承認定時株主総会開催日(当社) | 2022 年2月 25 日 |
本株式交換の効力発生日 | 2022 年3月1日 |
(注)上記日程は、本株式交換に係る手続進行上の必要性その他の事由によって必要となる場合には、両社の合意により変更されることがあります。
(2)本株式交換の方式
当社を株式交換完全親会社、実日デジタルを株式交換完全子会社とする株式交換を行います。な
お、本株式交換は、2022 年2月 25 日に開催予定の当社の定時株主総会及び 2022 年2月 25 日に開催予定の実日デジタルの臨時株主総会において承認を得た上で、2022 年3月1日を効力発生日として行われる予定です。
(3)本株式交換に係る割当ての内容
当社 (株式交換完全親会社) | 実日デジタル (株式交換完全子会社) | |
本株式交換に係る割当比率 | 1 | 36,549.70 |
本株式交換により割当交付する 株式数 | 当社の普通株式:5,847,953 株(予定) |
(注1)株式の割当比率
実日デジタルの普通株式1株に対して、当社の普通株式 5,847,953 株を割当交付いたします。な お、上記の本株式交換に係る割当比率(以下、「本株式交換比率」といいます。)は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社協議の上、変更することがあります。
(注2)本株式交換により割当交付する当社の株式数
当社は、本株式交換に際して、本株式交換により当社が実日デジタルの発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下、「基準時」といいます。)における実日デジタルの株主に対して、その保有する実日デジタルの普通株式に代えて、本株式交換比率に基づいて算出した数の当社の普通株式を割当交付する予定であり、割当交付するに際し、新たに普通株式を発行する予定です。
(注3)単元未満株式の取扱い
本株式交換に伴い、当社の単元未満株式(100 株未満の株式)を保有することとなる実日デジタルの株主においては、かかる単元未満株式を金融商品取引所市場において売却することはできませんが、本株式交換の効力発生日以降、当社の単元未満株式に関する以下の制度を利用することができます。
・単元未満株式の買取制度
会社法第 192 条第1項の規定に基づき、単元未満株主が当社に対し、自己の保有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる制度です。
(注4)1株に満たない端数の処理
本株式交換に伴い、実日デジタルの株主に割当交付される当社の普通株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第 234 条その他の関係法令の定めに従い、1株に満たない端数に応じて当該端数の割当交付を受けることとなる実日デジタルの株主にお支払いします。
(4)本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い 実日デジタルは新株予約権及び新株予約権付社債を発行しておりません。
(5)本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠等
(ア)割当ての内容の根拠及び理由
当社は、下記(エ)「xx性を担保するための措置」に記載のとおり、本株式交換の対価のxx性その他の本株式交換のxx性を担保するため、当社の第三者算定機関としてONK 総合会計コンサルティング株式会社(以下、「ONK 総合会計コンサルティング」といいます。)を選定のうえ、本株式交換に関する検討を開始しました。第三者算定機関であるONK 総合会計コンサルティングから受領した株式交換比率算定書を参考に、両社それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて、両社の財務の状況、資産の状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案し、両社間で株式交換比率について慎重に交渉・協議を重ねた結果、両社は、最終的に上記2.(3)「本株式交換に係る割当ての内容」記載の株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断し、本日開催された両社の取締役会において本株式交換における株式交換比率を決定し、両社間で本株式交換契約を締結しました。
(イ)算定に関する事項
①算定機関の名称及び両社との関係
当社のフィナンシャル・アドバイザー(第三者算定機関)である ONK 総合会計コンサルティング は、当社及び実日デジタルから独立した第三者算定機関であり、両社の関連当事者には該当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
②算定の概要
ONK 総合会計コンサルティングは、当社については、当社が東京証券取引所 JASDAQ スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価分析(2022 年1月 26 日を算定基準日として、算定基準日の終値、並びに算定基準日までの直近1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の各取引日における終値平均値を算定の基礎としております。)による算定を行いました。実日デジタルについては、非上場会社であり、市場株価が存在せず、将来清算する予定はない継続企業であることから、将来の事業活動の状況を評価に反映するため、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下、
「DCF 分析」といいます。)を採用して算定を行いました。
なお、ONK 総合会計コンサルティングが各評価手法に基づき算出した株式交換比率(実日デジタルの普通株式1株に対して割り当てる当社の普通株式の算定レンジ)は以下のとおりです。
当社 | 実日デジタル | 当社 | 実日デジタル |
市場株価分析 | DCF 分析 | ||
165 円~177 円 | 6,327,000 円~6,993,000 円 | 1 | 39,643 |
また、実日デジタルの 2022 年1月期~2025 年1月期の財務予測は以下のとおりです。
(単位:百万円)
2022 年 1 月期 | 2023 年 1 月期 | 2024 年 1 月期 | 2025 年 1 月期 | |
売上高 | 20 | 216 | 237 | 261 |
営業利益 | 20 | 149 | 173 | 197 |
キャッシュ・フロー | 13 | 102 | 118 | 135 |
ONK 総合会計コンサルティングは、株式交換比率の算定に際して、両社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、株式交換比率の算定につき重大な影響を与えることが有り得る情報で ONK 総合会計コンサルティングに対して未開示である情報が存在しないことを前提としております。さらに、両社及びそれらの関係会社の資産又は負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)について、個別の各資産及び各負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定、査定、調査(不動産に係る環境調査等を含みます。)を行っておらず、第三者機関への鑑定、査定、調査又はその実在性の検証の依頼も行っておりません。ONK 総合会計コンサルティングの算定は、2022 年1月 26 日までの情報及び経済条件を反映したものであり、実日デジタルの財務予測その他将来に関する情報については、実日デジタルの経営陣により、現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に作成されていることや一定の前
提・仮定を前提としております。また、ONK 総合会計コンサルティングによる株式交換比率の算定結果
は、本株式交換における株式交換比率のxx性及び妥当性について意見を表明するものではありません。なお、ONK 総合会計コンサルティングが DCF 分析による算定の前提とした実日デジタルの事業計画において、大幅な増減益が見込まれている事業年度はありません。
(ウ)上場廃止となる見込み及びその理由
当社は本株式交換において株式交換完全親会社であり、また株式交換完全子会社である実日デジタルは非上場会社のため、該当事項はありません。
(6)支配株主との重要な取引等に関する事項
本株式交換で当社株式を取得するシークエッジ・ジャパン・ホールディングスは、2022 年2月2日現在、当社のその他の関係会社であることから、本株式交換の決定は、「支配株主との重要な取引 等」を行う場合に準じて以下のとおりxx性を担保するための措置を講じております。
(ア)シークエッジ・ジャパン・ホールディングスの概要
(1)商号 | 株式会社シークエッジ・ジャパン・ホールディングス |
(2)所在地 | xxxxxxxxxxxxx 00 x 00 x |
(3)代表者の役職・氏名 | 代表取締役 xx xx |
(4)事業の内容 | 投資業 |
(5)資本金 | 12 百万円 |
(6)設立年月日 | 1986 年4月 17 日 |
(注1)当該会社は非公開会社であり、財務情報及び主要株主等の持株比率については非開示とすることが求められているため、記載をしておりません。
(イ)支配株主等との取引等を行う際における少数株主の保護の方策の履行状況
当社は支配株主等との取引等を行う際には、必要に応じて弁護士や第三者機関の助言を取得するなど、その取引内容及び条件のxx性を担保するための措置を講ずるとともに、取締役会において慎重に審議の上決定することとし、少数株主の利益を害することのないよう適切に対応することといたし
ております。本株式交換は、下記の(ウ)xx性を担保するための措置、(エ)利益相反を回避するための措置、及び(オ)本株式交換が少数株主にとって不利益なものでないことに関する、支配株主と利害関係のない者から入手した意見の概要に記載の措置を講じており、適切なものであって、当該指針と適合しているものと考えます。
(ウ)xx性を担保するための措置
当社は、本株式交換の検討に際して、xx性を担保することを目的として、以下の措置を講じております。当社は、当社及び実日デジタルから独立した第三者算定機関である ONK 総合会計コンサルティングを選定し、2022 年1月 27 日付で、株式交換比率に関する算定書を取得いたしました。算定書の概要は、上記3.(2)「算定に関する事項」をご参照ください。なお、当社は、ONK 総合会計コンサルティングより、株式交換比率のxx性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、当社は、当社及び実日デジタルから独立した法務アドバイザーとして、xx総合法律事務所を選任し、本株式交換の諸手続を含む取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を受けております。
(エ)利益相反を回避するための措置
本株式交換に関し、当社及び実日デジタルは親会社と子会社の関係にはなく、両社の間には役員の兼任もなく、特段の利益相反関係は存しないことから、特段の措置は講じておりません。
また、本株式交換に関し、当社にとって、シークエッジ・ジャパン・ホールディングスはその他の関係会社に当たるものの、両社の間には役員の兼任もなく、(オ)記載のとおりの交渉過程を経ることで、利益相反を回避するための措置を講じております。
(オ)本株式交換が少数株主にとって不利益なものでないことに関する、支配株主と利害関係のない者から入手した意見の概要
当社は本株式交換が当社の少数株主にとって不利益なものとはいえない旨の意見書を、2022 年2月
2日に当社、実日デジタル及びシークエッジ・ジャパン・ホールディングスから独立した第三者である弁護士xxxxxより頂いております。
内容としては、下記の通りです。
(ⅰ)本株式交換の目的
貴社が本株式交換を実施する目的は、貴社事業の基盤再構築を目的とした事業構造改革の内容に鑑み、(ア)今後の貴社グループにとって、将来性が高く見込め、また新たな収益源となる新規事業への参入と、(イ)新規事業の開始に当たっては、極力リスクを抑えたいという2点を目指す点にある。このうち、(ア)については、事業構造改革を推進した結果、想定される連結売上高の減少を補填するため、貴社として早期に安定的収益源の確保を図っていくことが喫緊の課題であると考え、新たな収益源となる事業として、近時成長が著しいデジタルコンテンツ事業への参入に踏み切ったものであ る。近年のコロナウイルス感染症拡大の影響によって、営業赤字を計上している子会社の譲渡を決定し、既存事業との親和性が高くかつ成長性が高い分野において、新規事業を開始するという貴社の決定は、メリット及びデメリットを比較し決定した結果であり、かつ、当該判断における考慮事項も合理的なものと考えられるから、相応の合理性が認められる。
そして、(イ)については、極力リスクをおさえた形で新事業を開始させることが肝要であると判断したところ、電子書籍事業の分野について、實業之日本社の事業を支援する会社を、貴社の子会社とすることで、参入リスクを最小化して、事業参入が見込めるかという点で検討を開始した。
以上によれば、本株式交換は貴社にとって相応の合理的な目的があるものと認められ、殊更に貴社の少数株主の損害のもと、その他の関係会社たるシークエッジ・ジャパン・ホールディングスの利益を図ったものとは認められない。
(ⅱ)交渉過程の手続きの合理性検討
貴社は、シークエッジ・ジャパン・ホールディングスの代表取締役であるxxxxx(以下「城丸氏」という)実日デジタルと實業之日本社の両社の代表取締役であるxxxxx(以下「xx氏」という)から直接、現在の実日デジタルの財務状況並びに今後の事業計画及び経営方針に関する説明を
受けた。上記の本株式交換実施に係る貴社の情報取得方法は、実日デジタル、實業之日本社及びシークエッジ・ジャパン・ホールディングスの各代表取締役から、本株式交換の実施に関する具体的な決定を行う貴社役員が直接情報を取得するというものであり、特段不合理な点はなく、その経緯には相応の合理性が認められる。
(ⅲ)実日デジタルの事業計画の合理性検討
貴社は、xx氏から頂いた事業計画について、社内検討を行い、デジタルコンテンツ事業の今後のビジネスの成長可能性が高いこと、今後のデジタルコンテンツ事業全体の成長曲線が極端に低下するということは考えにくいことを総合的に考慮した結果、実日デジタルの中核事業の拡大を図ることによって、同社を事業拡大させ、中長期的な成長軌道を確立していくとの経営方針は一定の合理性があると判断した。
さらに、貴社社内にて、デジタルコンテンツ事業にて発生する権利関係については、ブロックチェーンとの親和性が極めて高く、ブロックチェーン技術を用いることにより、改竄の防止やトレーサビリティの確保による権利関係の保護を図ることができ、貴社グループ全体との多元的・複層的なシナジーの現実的可能性が存在すると考えられている。これらの貴社グループが有する既存事業とのシナジーの追求や、バリューチェーンにおける付加価値創出に向けた研究開発等、貴社グループに加わることで、実日デジタルはより価値を持つ会社となると判断した。
以上の検討を踏まえて、貴社は社外取締役及び常勤監査役を招聘して、同事業計画に関して意見を募り、意見を得ている。
上記判断の過程について特段不合理な点はなく、本株式交換を用いた実日デジタルの取得について貴社の経営判断には相応の合理性があるものと認められる。
(ⅳ)本株式交換以外の方法をとる場合との比較検討
(ⅲ)の事業計画の合理性検討に加え、本株式交換が貴社にもたらす利益について他に考えうる手段がもたらす利益と比較検討する。
(ア)本株式交換の実施がなされず、実日デジタルを子会社化しないこととの比較についていえば、今後の大きな収益源となることが見込まれており、事業全体の市場規模の成長性も併せ鑑みると、実日デジタルの子会社化には高い価値を見出していると判断できる。また、株式交換の方法を用いることで、取得資金が不要であり、将来的に非常に価値の高い会社を取得することになるため、実日デジタルを取得することに対して、明確に存在する不利益は無いと思料される。
(イ)実日デジタルを子会社化する際の取得対価を、手元資金を用いて譲り受けるという手段との比較についていえば、取得対価の全額を手元資金で支払うことは難しいと推測され、貴社株式の交付であれば、財源基盤の強化を図ることが出来るうえに、手元資金を別業務に流用可能であるため、貴社にとって有益であると判断した。
(ウ)転換社債型新株予約権付社債(以下、「CB」という。)の発行をシークエッジ・ジャパン・ホールディングスに依頼することとの比較で言えば、CB の発行はシークエッジ・ジャパン・ホールディングスにとって相応のメリットがあるものとも考えられたが、貴社にとっては、財政基盤の維持強化につながるため、貴社の現在の財務状況に鑑みれば、CB よりも株式交換の方が、貴社にとって有益であると判断した。
以上のとおり、貴社は本件の代わりとなりうる手法について複数の選択肢を多角的に検討し、これらの手法との比較において本株式交換の実施が最適であると判断したものである。そして、かかる比較の手法及び内容について特段不合理な点は認められないため、本株式交換の実施は貴社にとって相応の合理性があるものと評価できる。
(ⅴ)対価のxx性検討
貴社の本件基準株価は、本株式交換実施時における直近の貴社普通株式の市場価格であり、本市場価格には、貴社が 2022 年1月 18 日に開示した同社の経営状況が適切に反映されているものと考えられる。なお、貴社株式について異常な投機等により当該市場価格が貴社株式の客観的価値を反映していないと解すべき特段の事情は見当たらない。したがって、本件基準株価は本株式交換実施時における貴社株式の価値を客観的に表示しているものと認められる。
実日デジタルの価値算定に関しては、これまでの株式価値算定の実務経験の豊富さから、企業の現在価値ではなく、将来価値を客観的に把握するため、ONK 総合会計コンサルティングに価値算定を依頼した。
城丸氏及びxx氏からの当初の提示金額として、約 12 億円が提示されたが、貴社は電子書籍事業の今後の成長性を社内にて検討して、保守的に判断したうえで、その数字を基準に実日デジタルの価値算定の依頼を行った。ONK 総合会計コンサルティングが試算した価値算定では、実日デジタルの将来価値は約 10 億6千万円であった。
貴社は、社内における慎重論と、迅速に取得するべきという意見の両方を検討し、先方提示価格から金額を下げるように交渉を行い、最終的に約 10 億円にて城丸氏及びxx氏から合意を得ることができ、本株式交換契約に至った。
本株式契約における背景、貴社の抱えている喫緊の課題、株主総会等のタイミング、株式価値算定書に基づいた価値判断、そこからの価格交渉の経緯、これらを総合考慮すると、本株式契約における対価には一定程度のxx性が認められる。
(ⅵ)貴社の企業価値向上への関与
貴社は事業構造改革の一環として、減少する売上高を補うため、近年のデジタルコンテンツの事業展開の伸びに着目し、既存事業とのシナジー及び将来の市場規模の成長性を鑑みて、電子書籍の取り扱いを行う事業に参入することが、今後の貴社にとっての企業価値向上に資するものと考えて、計画を進めてきた。
また、新規事業参入に当たっては、極力リスクをおさえた形で開始させることが、事業構造改革を実行するうえで、肝要であり、その点においても、実日デジタルは、設立時から既に一定程度の売上高が確約されており、出版業界における経験豊富な人材が揃っていることから、リスクを最小化した事業参入を可能とする案件であると、貴社は判断した。
以上を鑑みるに、本株式交換の目的は貴社にとって相応の合理性が認められるものであり、貴社は今回の判断を貴社の全株主に利益を還元する経営判断であると考えており、本株式交換は貴社自身に利益をもたらす可能性が一定程度あるものと認められる。
(ⅶ)まとめ
以上のとおり、本株式交換は、目的及び貴社の企業価値向上という観点から、いずれも貴社にとって必要性及び相当性が認められる。殊に、貴社の財務状況やこれを踏まえた事業構造改革の一環であることに鑑みれば、その必要性は高いと考えられる。他方、本株式交換の株式交換比率については、外部専門家の株式価値算定書に依拠しつつも、社外取締役及び監査役の意見も踏まえつつ、取引の相手方と交渉協議を重ねて、譲歩を引き出した結果、単純に株式価値算定書に基づく株式交換比率よりも貴社にとって有利な株式交換比率に至ったものであることに鑑みれば、交渉過程の手続き及び対価のxx性についても相応の合理性が認められる。更には、本株式交換は、貴社の株主総会において特別決議による承認を要するものであり、反対株主には株式買取請求権の行使による投下資本回収の機会が付与されることを併せ考慮すれば、本株式交換が貴社の少数株主に不利益を与えるものとは解されない。
3.最終事業年度の末日後に生じた重要な財産の処分、重大な債務の負担その他会社財産の状況に影響を与える事象の内容
(1)当社
当社は、2022 年2月2日付で、実日デジタルとの間で、株式交換契約書を締結いたしました。本株式交換は、2022 年2月 25 日開催の当社第 38 回定時株主総会の決議による承認を得た上で、2022 年3月1日を効力発生日として行う予定です。
(2)実日デジタル
実日デジタルは、2022 年2月2日付で、当社との間で、株式交換契約書を締結いたしました。本株式交換は、2022 年2月 25 日開催の臨時株主総会の決議による承認を得た上で、2022 年3月1日を効力発生日として行う予定です。
4.株式交換当事会社の概要(2022 年2月2日時点)
株式交換完全親会社 | 株式交換完全子会社 | |
(1)商号 | 株式会社ネクスグループ | 株式会社実業之日本デジタル |
(2)所在地 | 岩手県花巻市椚ノ目第2地割 32 番地1 | 大阪府岸和田市xx町二丁目 18 番 15 号 |
(3)代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 xx xx | 代表取締役 xx xx | ||||
(4)事業の内容 | グループ企業の経営戦略策定及び経営管理 農業 ICT の企画、開発、販売 上記に附帯または関連する事業 | 電子書籍事業 | ||||
(5)資本金 | 10 百万円 | 8百万円 | ||||
(6)設立年月日 | 1984 年4月 21 日 | 2021 年 10 月 26 日 | ||||
(7)発行済株式数 | 普通株式 | 15,030,195 株 | 普通株式 | 160 株 | ||
(8)決算期 | 11 月 30 日 | 1月 31 日 | ||||
(9)大株主及び持株比率 | 投資事業有限責任組合デジタルアセットファンド 16.19% 株式会社フィスコ 14.83%株式会社實業之日本社 11.42% (2021 年 11 月 30 日時点) | 株式会社シークエッジ・ジャパン・ホールディングス 100% | ||||
(10)当事会社間の関係 | 資本関係 | 該当事項はありません。 | ||||
人的関係 | 該当事項はありません。 | |||||
取引関係 | 該当事項はありません。 | |||||
関連当事者への該当状況 | 当社にとって、実日デジタルはその他の関係会社の子会社とな ります。 | |||||
(11)最近3年間の経営成績及び財政状態 | (単位:百万円) | |||||
当社 | 実日デジタル | |||||
決算期 | 2019 年 11 月期 | 2020 年 11 月期 | 2021 年 11 月期 | 2019 年 1月期 | 2020 年 1月期 | 2021 年 1月期 |
純資産 | 804 | 524 | 1,756 | ― | ― | ― |
総資産 | 3,105 | 2,407 | 3,405 | ― | ― | ― |
1株当たり純資産(円) | 51.87 | 34.40 | 117.36 | ― | ― | ― |
売上高 | 95 | 120 | 814 | ― | ― | ― |
営業利益 | △320 | △237 | 522 | ― | ― | ― |
経常利益 | △846 | △236 | 206 | ― | ― | ― |
当期純利益 | △1,572 | △212 | 740 | ― | ― | ― |
1株当たり当期純利益(円) | △105.51 | △14.24 | 49.67 | ― | ― | ― |
1株当たり配当金(円) | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
(注1)実日デジタルに関しては、1月期決算会社であり、2021 年 10 月設立のため、上記数字は―となっております。
5.株式交換後の完全親会社の状況
株式交換完全親会社 | |
(1)商号 | 株式会社ネクスグループ |
(2)所在地 | 岩手県花巻市椚ノ目第2地割 32 番地1 |
(3)代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 xx xx |
(4)事業の内容 | グループ企業の経営戦略策定及び経営管理農業 ICT の企画、開発、販売 上記に附帯または関連する事業 |
(5)資本金 | 10 百万円 |
(6)決算期 | 11 月 30 日 |
(7)純資産 | 現時点では確定しておりません。 |
(8)総資産 | 現時点では確定しておりません。 |
6.会計処理の概要
本株式交換に伴う会計処理は、「企業結合に関する会計基準」及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」における「取得」に該当いたします。なお、本株式交換により発生するのれん(又は負ののれん)の金額は、現時点では未確定です。
7.今後の見通し
本株式交換により実日デジタルは当社の完全子会社となる予定です。本株式交換による当期における当社の連結業績に与える影響は確定次第お知らせいたします。
Ⅱ.主要株主かつ筆頭株主の異動について
1.異動が生じることとなった経緯
本株式交換の実施に伴い、当社のその他の関係会社であり、実日デジタルの親会社であるシークエッジ・ジャパン・ホールディングスは当社の普通株式株を取得するため、当社の主要株主かつ筆頭株主に該当することとなりました。
2.異動する株主の概要
(1)新たに主要株主かつ筆頭株主となる株主の概要
(1)商号 | 株式会社シークエッジ・ジャパン・ホールディングス |
(2)所在地 | 大阪府岸和田市xx町二丁目 18 番 15 号 |
(3)代表者の役職・氏名 | 代表取締役 xx xx |
(4)事業の内容 | 投資業 |
(5)資本金 | 12 百万円 |
(6)設立年月日 | 1986 年4月 17 日 |
(2)筆頭株主に該当しなくなる株主の概要
(1)商号 | 投資事業有限責任組合デジタルアセットファンド |
(2)所在地 | xxx港区虎ノ門5-3-20 |
(3)組成目的 | 国内の会社等への投資を実行しキャピタルゲインを得るこ とを目的とする |
(4)組成日 | 2016 年9月 30 日 |
(5)出資の総額 | 790 百万円 |
(6)無限責任組合員の概要 | xxx港区虎ノ門5-3-20 株式会社 GD 代表取締役 xx xx |
3.異動前後における当該主要株主等の議決権の数(所有株式数)、総株主の議決権の数に対する割合及び大株主順位
(1)株式会社シークエッジ・ジャパン・ホールディングス
議決権の数 (所有株式数) | 総株主の議決権の数に 対する割合 | 大株主順位 | |
異動前(2022 年2月2 日現在) | - | - | - |
異動後 | 58,479 個 (5,847,953 株) | 28.18% | 第1位 |
(2)投資事業有限責任組合デジタルアセットファンド
議決権の数 (所有株式数) | 総株主の議決権の数に 対する割合 | 大株主順位 | |
異動前(2022 年2月2 日現在) | 24,130 個 (2,413,000 株) | 16.19% | 第1位 |
異動後 | 24,130 個 (2,413,000 株) | 11.63% | 第2位 |
(注1)異動前の総株主の議決権の数に対する割合は、2022 年2月2日現在の発行済株式総数 15,030,195 株から、同日現在の議決権を有しない株式数 129,095 株を控除した総株主の議決権の数
149,011 個を基準としております。
(注2)異動後の総株主の議決権の数に対する割合は、2022 年2月2日現在の発行済株式総数 15,030,195 株から、同日現在の議決権を有しない株式数 129,095 株を控除した総株主の議決権の数
149,011 個に、本株式交換により発行する新株式に係る議決権の数(58,479 個)を加えた数である
207,490 個を基準としております。
(注3)総株主の議決権の数に対する割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
(注4)大株主順位については、2021 年 11 月 30 日時点の株主名簿を基準として、当社において現時点において想定したものです。
4.異動予定年月日 2022 年3月1日
5.今後の見通し
上記Ⅰ.7.「今後の見通し」をご参照ください。
以上