○ ご指摘のとおり。消費者に対して消費者契約法等の個別法に抵触するなどの説明は基本的に行わないが、消費者にも取り消し得る根拠について説明することがある。事業者 に対して契約の取消しなどの交渉をしていく際に、裁判例やADRの解決事例を紹介しつつ、相談者の事情等様々なことを駆使し、説得、交渉等を試みていくこととなる。また 、当然ながら特定商取引法・消費者契約法の規定への抵触可能性を指摘し、説得をしている。
第2回 消費者契約法改正に向けた専門技術的側面の研究会議事要旨
1.日 時:平成31年3月28日(木)15:00~17:15
2.場 所:中央合同庁舎第4号館共用第2特別会議室
3.議題
1)各団体へのヒアリング
2)意見交換
4.出席者
(委員)
xx委員(座長)、xx委員(座長代理)、xx委員、xx委員、xx委員、髙橋委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員
(事務局)
xx政策立案総括審議官、xx消費者制度課長
(オブザーバー)
国民生活センター、法務省、最高裁判所
(ヒアリング対象団体)
日本弁護士連合会 xxxx弁護士 公益社団法人全国消費生活相談員協会 xxxx専務理事
xxx消費生活総合センター相談課 xxxxx消費生活専門課長
xxxxx消費生活相談員
5.議事概要
冒頭、xxxxより座長代理としてxx委員が指名された。その後、各団体からの説明及び質疑応答を行い、続いて委員間で意見交換を実施した。概要は以下のとおり。
【各団体の説明・質疑応答】
①日本弁護士連合会
○ xxxx弁護士より、資料1に基づき説明。
○ 「消費者契約法日弁連改正試案」(参考資料①。以下「改正試案」という)
の解説の23ページでは、つけ込み型不当勧誘に係る試案について「事業者が過大な利益を得たことや、消費者側が過大ないし不当な不利益を与えられたことは本条の要件ではない」とされている。他方、資料1には、事業者が過大な利益を得ていると思われる事例が挙がっている。つけ込み型不当勧誘において、過大な利益や不当な不利益という要件の存在によって、捕捉可能性が左右されることとなるような事例はあるのか。
○ 実際の被害事案としては、過大な損害が発生しているか、若しくは、そういう勧誘行為がなかったら締結していないような不必要な契約であるか、どちらかではないかと思う。
○ 5ページの「過量契約事案」の問題点は、次々販売により契約金額の総額が資力に見合わないものとなっているという点か、それとも商品自体が不要だという点か。
平均的な損害に関して挙げられた事例は、サービスに関するものが多いが、物品の定期購入契約でも同じような問題が発生しているのか。
○ 1点目に関して、基本的に不要なものを多数購入させられているという状況がある。問題は、不要なものをたくさん購入させられているものの、商品が違うので形式的に「同種」に当たらず、法4条4項後段では捕捉が難しいのではないかという点である。また、事案によっては資力に見合わない金額になっている場合もある。
2点目については、物品の定期購入に係る事例もある。例えば新聞などである。
○ 「つけ込み型」に係る改正試案は暴利行為の具体化に近いイメージであるが、従来の法制度で対処できず、このような規定が必要となる事例はどのぐらいあるのか。
判断が曖昧なために泣き寝入りをしてしまうケースがあるという話があったが、改正試案ではそうしたケースを救済する効果が期待できるのか。
○ 資料1のAの事案で紹介したものは、消費者が不法行為や暴利行為を根拠に訴訟を提起して判決にまで至ったという、それ自体が稀少な事例である。しかし、現実にはこれらと似たような事案であっても、勝てる見通しが不明確であるとか、被害金額が低くて割に合わないといった理由で裁判手続に至らないまま泣き寝入りとなったり、交渉で現場が苦労したりしているという事案が少なくない。現在の法制度では十分に対処できていない実態がある。
明確に要件化した規定ができれば、泣き寝入りの防止や、救済が行き届いていない事案に対して光が当たるという効果を期待できる。
○ 消費者契約法で対処すべき事案かどうかの線引きについて、例えば事例A 11は、年利240%の利息で金銭を貸しており、貸金業法等に違反することは明白ではないか。消費者契約法として何か追加で手当すべきか。
A9・A10といった事例につき、例えばキャバクラにお金をつぎ込んでしまった場合に勧誘の態様が「困惑」類型に該当し得るから救済すべき等と考えるのは行き過ぎと思えるが、どのように考えているのか。
○ 1点目のA11事例は、わかりやすさという観点から「経済的な困窮につけ込んだ勧誘」という被害類型の極端な事案を記載している。実際には貸金法制などの業法で対応し得ない事案も想定している。
2点目について、私見であるが、社会通念上、本人が娯楽に使っても良いと最初から想定して当該娯楽に費やしているお金については、取戻しを求める必要性は低いであろう。困惑、因果関係、行為の違法性といった要件との関係で、おのずと社会通念上保護すべきものを保護するということになると思う。
〇 A11事例は、経済的な困窮につけ込んだという観点を抽出しようという問題意識があると考えるが、なぜこの年利240%という事例を選んだのか。包括的・一般的な要件でないと救済できないような、もっと微妙な例を挙げるべきではないか。
○ 時間とスペースの関係から、今回の書面では各類型について代表的な事例のみを記載している。各類型の被害事例が本書記載の事案だけであるという趣旨ではない。必要ということであれば、更に被害事例を整理の上、ご提供させていただきたい。
②全国消費生活相談員協会
○ xx専務理事から、資料2に基づき説明。
○ 消費者契約法の規定の在り方としては、より細かく規定されたルールと、もっと一般的なルールのどちらが望ましいとと考えるか。また、平成30年改正によって消費者契約法は分かりにくくなったように思うが、どういう感想をお持ちか。
○ 消費者契約法の立法当初はどう使うのかという思いもあったが、解釈適用の積み重ねによって使い勝手がよくなり、消費者契約に関わるトラブルを解決する有効な手段として活用している。
相談現場では、当初の段階において消費者に特定の法律の適用について具
体的に説明することはない。あっせん解決に向けて、相談事例の詳細を聴取しつつ適用法律を検討していくことになる。その意味では、相談事例に沿って改正されていくのは使い勝手が良くなる部分もある。
一方で、あまり要件が細かいと、当てはめが可能かどうかという疑問が生じる。過度に厳格に解釈しなくても良いと言われても、逐条解説に書いていないといって事業者側に否定されてしまうこともある。今回の改正は規定が細かすぎて、事例で説明した通り現場では活用しにくい。
○ 消費者に対して個別法の規定について説明しないとしても、事業者と交渉したり調整したりする際には、個別の規定の要件該当性が議論になることはあるのか。
○ ご指摘のとおり。消費者に対して消費者契約法等の個別法に抵触するなどの説明は基本的に行わないが、消費者にも取り消し得る根拠について説明することがある。事業者に対して契約の取消しなどの交渉をしていく際に、裁判例やADRの解決事例を紹介しつつ、相談者の事情等様々なことを駆使し、説得、交渉等を試みていくこととなる。また、当然ながら特定商取引法・消費者契約法の規定への抵触可能性を指摘し、説得をしている。
〇 交渉により事業者に解約に応じてもらう場合、法の要件に必ずしも該当しなくても解約に応じてもらうことはあり得ると思うが、そうした例は多いか。
○ まさにxxx・xx・xxxであり、同じような事案であっても事業者によって解約に応じてもらえる場合もあれば、全く相手にしてもらえない場合もある。
○ 事例2について、資料1の8ページに記載されている情報だけをもって「不安をあおる告知」であると判断するのはかなり難しいのではないか。
一方で、この事案は平均的な損害の問題と捉えることもできる。例えば何らレッスンが開始されていないのであれば、平均的な損害が20万円に近くなっていることはまずないと思われる。事例4・6も同様だと思うが、運用上はどうか。
○ 判断が難しいことについては、ご指摘のとおり。事業者が何を告げたか等々についてさまざまに消費者から聴取するが、確固たる手がかりがない場合もある。そうした場合には、例えば登録後にどのくらいのモデル活動が行われているかといった周辺情報も聞き取りつつ判断していくことになる。
事業者の対応も様々で、交渉により返金しますというものもあれば、契約は専ら本人の希望であり勧誘等は一切していないと主張するものもあり、解
決に当たっては、様々な「搦め手」を駆使している。クレジット契約をしている場合は、クレジットカード会社とも交渉する。
○ 平均的な損害額を主張する事例は、現実的にはどのくらいあるのか。
○ 事例として挙げた結婚式場利用契約は、解約料に係るトラブルが非常に多い。消費者が立証責任を負うべきとした最高裁の判断について直接言及しないまでも、事業者が解約料の根拠についてxxに開示してくれるケースは少ない。妥協として可能な範囲での資料を提出してもらい、相談者本人の意向も踏まえつつ、着地点を見出していっている。
○ 結婚式場利用契約に係るキャンセル料のような特定の事例を除くと、平均的な損害額に係る規定は現実的にはほぼ使われることはないということか。
○ ご指摘のとおり。業界団体等で参考となる損害額を示しているケースは少なく、あったとしても現状の規定は必ずしも平均的な損害かどうか確認できない。立証責任の転換をしなければ、この規定を使って解決を図るというのはなかなか難しい。
○ 平成30年改正で新設された規定は要件を詳しく書き込んでおり使いにくい側面があるかもしれないという話であったが、仮に、「経験の不足」や「判断力の不足」、感情に「つけ込む」等の要件に加えて、例えば新たに「その人に適合しない」「過大な利益を得る」等のいわゆる客観的要件の規定を加えることとした場合、使い勝手はどのようになると思うか。
○ 動いてみなければ分からないが、相談現場では規定の趣旨を大きく捉えながら対応していっており、そうした積み重ねが全体の流れになっていくというのであれば非常に良いと思う。「その人に適合しない」という規定が取り入れられるのは望ましい。
➂xxx消費生活総合センター
○ xxxxx消費生活専門課長より資料3-1・資料3-3に基づいて、xxxxx消費生活相談員より資料3-2に基づいて説明。
〇 資料3-3の(2)のところで、副次的に消費者契約法を適用した案件のうち不調に終わったものが6件あると紹介されているが、不調に終わった案件について、問題になることが多い適用条文や内容的な特徴があれば教えていただきたい。
○ 不調に終わるケースでは、消費者契約法のこの条文には当たらないというような反論を事業者がするものでは必ずしもなく、一切あっせんの場に出て
こない、あるいは出てきたとしても自分の言いたいことだけ言って法の規定については何も言わない場合が多い。そのため、不調となった事案でどの条文が適用されたのかは申し上げにくい。
〇 案件の内容というよりは、業者の対応の仕方や属性などが影響することが多いという印象か。
○ そのとおりである。別に悪質ではない事業者もいるが、明言するかどうかはともかく、自分たちのやっていることは正当なことで不実告知も無効とされるべき契約条項もなく、そもそもあっせんの対象となり得る話ではないとの立場であり、そうした対応が不調につながっているのではないかと思う。
〇 事業者は必ずしも法に精通しているわけではなく、むしろ相談員から説明をしなければならないという話があった。仮に消費者契約法で一般的な要件を定立することとした場合、相談員が当該要件には内容に多少の争いや解釈の余地があり得ることも説明しなければならない場面も出てくると思うが、それによって事業者が納得するような状況になるのか。
○ 事業者が納得して取消しに応じるようなケースは皆無だと思うが、合意を見据えて交渉を続けた結果、最終的に応じるケースも、まれにだが存在する。基本的には、合意解約に向けて解約料を減額するとか、相殺として消費者がある程度の支払いを行う案件が多いのではないかと思う。
○ そうすると、消費者契約法の規定が何らかの交渉の武器にはなり得るという理解でよいか。
○ 武器として使っているし、武器として使えるものがあることは、私たちにとっては非常にメリットになっている。
○ 健康、お金や孤独についての不安を持つ消費者は高齢者に限られないように思われ、「不安の時代」とも言えそうなところ、相談現場において、不安を感じている年齢層や、テクノロジーの進化に伴う不安を感じている層、社会経験が不足している層がxxに広がっているという実感はあるか。
○ 実感的なところで申し上げると、そのとおりだと思う。例えば、スポーツジムに行く年齢層も若年者から高齢者まで広がっている。
また、スマートフォンを利用する消費者が増えているところ、かなり多くの高齢者がスマートフォンを介してネット通販を利用しており、もはや日常的な動きになってきている。
不安につけ込むというだけではなくて、一般人として行う消費行動そのものを詳細に検証していく必要があるというのも実感である。
また、不安をあおる告知ではなく、契約をすれば仕事を紹介するというよ
うな将来有利と思わせる条件で誘引する、「困惑」ではなく、「幻惑」という方法での勧誘もある。「つけ込み型」を類型化する際に検討いただければと思う。
【意見交換】
○ 物品購入や契約の際、今現在お金がない人に対し、「クレジットカードを作れば大丈夫」と言って新たにクレジットカードを作りに行かせる事例は、その勧誘行為自体が違法ではないのか。あるいは、クレジットカード作成という全く独立の契約をほぼ強制していることから違法にならないのか。
〇 クレジットカードを作らせること自体が違法行為というわけではないが、割販法等の総量規制があるほか、特定商取引法は一定の行為を行政規制として禁止している。
〇 今現在お金がない人に対し、新たなクレジットカード作成を前提とした契約を結ばせること自体、今回の消費者契約法改正の範疇とは別になるのかもしれないが、それ自体、違法性があるケースもかなり広くあるのではないか。
○ 乱暴な議論かもしれないないが、クレジットカードを勧誘時点で持っていない方は、一般よりは貧しい方と言えるかと思う。そういう方にも提供されているカードはある意味ではリスクがあり、与信額の中で違った契約をするよう誘い込む意図を持って、クレジットカード作成の勧誘をしているという観点から検討する余地もあるのではないか。
○ ヒアリングの中で幾つか指摘されたが、平成28年改正によって過量契約取消権が新設されたけれども、違う商品を次々と販売するとか、着物と小物のようにパッケージと見得る場合にどう対処すべきかは、本研究会でも検討すればいいのではないか。
〇 過量契約取消権は「同種の」を要件としており、典型的には同じ寝具をたくさん購入させられるような被害事例を念頭に置いている。消費者庁の解釈としては、例えば寝具の場合、寝具という機能が同一である限りカテゴリーとして同種と判断されることを逐条解説などで示している。
ただし、突き詰めていくと、布団とハンモックだったらどうか等の限界事例もあり、個別の事案に応じて御判断していただくしかない。
また、パッケージされた商品の購入の事案であればまだ適用があり得るとしても、着物、バッグ、宝石をそれぞれ別の日に買わせた事案のように契約が3つ・4つと分かれるものは、元々条文が想定している事案からはかなり離れる。どこまで規律の対象となるのか非常に悩ましい。
○ 平均的な損害の問題について、契約を締結してすぐに後悔したものの高額の違約金の支払いを求められるケースが結構出てきていた。これに9条1号を使って対処するというのは、いわばクーリング・オフを補完する機能を9条1号に一部担わせているともいえるのではないか。
すぐにキャンセルする場合であれば、事業者が発注をしておらず、他の顧客を受け入れる可能性も高いので、平均的損害はゼロとされるケースが実は多いのではないか。
継続的な役務に係るトラブルも相変わらず多いというお話であったが、民法の任意規定で解除と損害賠償が可能とされている場合であっても、常に利潤が取れるわけではないことは解釈論としても進展しており、消費者契約法の解釈を民法の解釈に合わせることによって実体法的な適正化が図られる可能性がある。
約款を作成する事業者自身が、適正な損害の計算式が分からないという問題があるため、すぐにキャンセルするなら損害はゼロでいい、中途解除のサービスの場合だったら民法の解釈に合わせた金額の算定が望ましい等の考え方を示し、約款の適正化を図ることはできないか。
○ 例えば、キャンセル料について契約時に十分な説明・情報開示がなされなければ、キャンセル料を後でチャージすることの正当性が損なわれることになる、といった規制・運用も考えられる。事後の問題である平均的な損害と事前の問題である情報開示を、相互補完的に考えていく必要がある。
また、クーリング・オフの対象となる契約の場合、人間の行動特性を鑑みると、契約当日に権利の内容を説明するよりも、権利行使期限の到来前にリマインダーを送ることができれば、権利の内容や行使時期について忘れることを防ぐことができ、また契約当初の興奮が収まってきた段階で再度の判断を促すことになるため、より効果的な可能性がある。これは不法なことをしている事業者には意味がないかもしれないが、少なくとも正当な事業者に関するキャンセル料のトラブルはかなり減るのではないか。
携帯電話では2年縛りが終わる直前にリマインダー(プッシュ型通知)を送ることを総務省が2016年から制度化しているが、クーリング・オフの対象となる契約一般でも同様の手法が可能なのではないか。検討する余地はあると思う。
○ 資料2の事例7は契約当事者が相談者の母であり本人以外からの相談事例である。現状、本人以外が契約を取り消したいとなると、制限行為能力の制
度を利用せざるを得ないが、この制度は恒常的に能力が低い状態でなければ使えない。また、資料2によると、高齢者には被害が認識できても被害に遭ったことを認めたくない方が多いという問題が書かれていた。その場合、取消権の時効期間における起算点の後ろ倒しや時効期間の延長を考えても良いのではないか。
特に事例7について、母(契約者) 本人の意思を尊重し、最終的な解決を本人に図らせることが望ましいと考えるならば、高齢者の特性も踏まえた上で時効期間を考えることもあり得る。
○ 本日紹介された事例には、現行の法制度でかなり対応できるものもあった。それでも改正が必要だという主張の核心は、そのものずばり何が問題かをとらえた規定が欲しいということではないかと思っている。法律知識のない事業者が非常にごねる事案があるという話があったが、相談現場では、その場合に、事業者の行為が消費者につけ込むタイプの勧誘なのだと提示できるものがあると、それが一つの交渉材料になり、裁判外の解決に役立つという理解ではないか。
そうであるならば、必ずしも取消規定として置く必要はなく、目的規定や法第3条の努力義務を少し書き込む形もあり得る。実際のつけ込みに当たるものについては少し細かい例を挙げつつ、同時にそれらを包括してどういうものを捕捉したいのかについて一般的な立場を明示することも考えられる。
○ これまでの改正では予測可能性を考慮して適用の場面を具体化しようと試みてきたわけだが、そもそも運用において何の疑問もなくこれはアウトであると判断できる規律を置くことは不可能ではないか。明確性・予見可能性を追求しても、結果として、該当性に関して解釈の余地が生じ、問題事象でありながら落ちるものがあったりして、かえって適用が難しくなっていると感じる。
むしろ相談現場でわかりやすくするためには、ある程度の汎用性のある規律のほうが良いのではないか。ぎりぎり規定を作り込み具体的にしていけばいいというものではないということを、今回特に感じた。
○ 正に同じことを申し上げたい。今回のヒアリングにより、具体的なルールを置いた結果、要件該当性をめぐって紛争処理コストがかえって増加しているという問題が確認されたと言えるのではないか。
○ 消費生活相談の現場では、未xx者取消権やクーリング・オフのように明
確に当てはめることができる要件が欲しいというニーズがある一方で、近年の改正によって追加された規定と比較してもう少し広めの規定が欲しいというニーズもある。これらの、ともすれば矛盾するようなニーズの両方にどうすれば応えることができるかという点が大変重要で、今後検討していただきたい課題だと思う。
包括的なルールと適用対象が具体的に言えるルールの組み合わせをうまくxxを出して考えて、改正事項に盛り込めないか。一つの法律の中に両方入れることができれば最も良いが、場合によっては、法律とは別に自主基準的なものを作り、相談現場では、法的な拘束力という点でははっきりしたものではないが、自主基準を用いることも考えられるのではないか。
○ 今日、様々な事案の紹介があったが、仮に現行法を裁判で当てはめていったときにどういう結論になるのかについて、必ずしも認識が一致している訳ではない部分もあるように思われた。また、個々の事案について、どこまで救済すべき事案であって、どこまではやむを得ない事案であるのかといった点についても、いろいろな考えがあり得るように思われた。
時間の制約もある中でいろいろ難しい点もあるかと思うが、今後あるべき規定を考える際には、そのあたりの認識の整理・共有という点も留意していく必要があるという印象を持った。
最後に事務局から次回の研究会について、4月25日(木)16時から、日本経済団体連合会、ECネットワーク、xxxx弁護士(元東京高裁判事)へのヒアリングを予定している旨の説明がなされた。
以上