<No.1 労働基準法の全体像 (P2)> (労働基本権[勤労権・労働三権]:憲法27条、28条)
・何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。
・契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。
(民法521条・契約の締結及び内容の自由)
・すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
・賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
・児童は、これを酷使してはならない。
・勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
<No.1 労働基準法の全体像 (P2)> (労働基本権[勤労権・労働三権]:憲法27条、28条)
使用者
労働者
労働
<No.3 国等の職員への適用 (P7)>
・保護規定
賃金
労働条件の最低基準
・強行規定
国 | 一般職の国家公務員 | 適用除外 | |
独立行政法人 の職員 | 行政執行法人※ | 適用 | |
行政執行法人以外 | |||
地方 | 一般職の地方公務員 | 一部適用 | |
地方公営企業の職員 |
・刑罰規定
労働基準法
契約の基本原則たる「契約自由の原則」を修正
<No.2 日本国憲法と労働基準法 (P2)>
[法の体系]
※行政執行法人〔(独)造幣局、(独)国立印刷局等〕の職員の身
分は国家公務員とされるが、労働基準法は適用される。
<No.4 労働者・使用者の定義 (P10、13)>
過1
労働基準法第10条にいう「使用者」は、企業内で比 較的地位の高い者として一律に決まるものであるか
憲法
法律
命令(政令・省令等)
日本国憲法
民法、労働基準法 …etc.割増賃金令(政令)、
労働基準法施行規則(省令)
…etc.
ら、同法第9条にいう「労働者」に該当する者が、同時に同法第10条にいう「使用者」に該当することはな い。[R5-4E]
過2
事業における業務を行うための体制としていくつかの課が設置され、課が所掌する日常業務の大半が課 長権限で行われていれば、課長がたまたま事業主等の上位者から権限外の事項について命令を受けて単にその命令を部下に伝達しただけであっても、その伝達は課長が使用者として行ったこととされる。[R2-1C]
日本国憲法の三大基本原則
基本的人権の尊重
自由x
xx主義
国民主権
労働基本権
参政権、請求権…etc.
教育を受ける権利
社会権
生存x
xの下の平等
社会権…国家による自由(⇔国家からの自由)
・すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
・国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
(生存権:憲法25条)
係の継続についての期待の下に、他企業への就職の機会と可能性を放棄したものであることに思いを致すときは、留保解約権の行使(注:本採用拒否)は、解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許されるものと解するのが相当である。換言すれば、企業者が、採用決定後における調査の結果により、または試用中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、そのような事実に照らしその者を引き続き当該企業に雇用しておくのが適当でないと判断することが、上記解約権留保の趣旨、目的に徴して、客観的に相当であると認められる場合には、さきに留保した解約権を行使することができるが、その程度に至らない場合には、これを行使することはできないと解すべきである。
<No.5 労働協約・就業規則・労働契約 (P18)>
使用者
労働協約
【イメージ】
労
労
労
労
労働組合
労
労
労
労
事業場
就業規則
使用者
労働者
使用者
<No.6 三菱樹脂事件 (P21)>
Xは、A大学卒業後、Y会社に将来の管理職要員として3か月の試用期間を設けて雇用されたが、採用試験にあたり提出した身上書の記載内容及び面接試験における回答が事実に相違していた(具体的には、学生運動への関与を隠匿していたことなど)ことがわかり、試用期間終了直前に本採用を拒否された。
【事件の概要】
<No.7 男女同一賃金の原則 (P22)>
過
支給条件が就業規則であらかじめ明確にされた退職手当について、当該就業規則において労働者が結婚 のため退職する場合に女性には男性に比べ2倍の退職手当を支給することが定められているときは、その定めは労働基準法第4条に反し無効であり、行政官庁は使用者にその変更を命ずることができる。[H12-1C]
【判旨抜粋】
<No.8 強制貯金 (P32)>
過
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見聴取をした上で、就業規則に、労働契約に附随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることができる旨を記載し、当該就業規則を 行政官庁に届け出ることにより、労働契約に附随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることができる。[R3-2D]
① 労働基準法3条は労働者の信条によって賃金その他の労働条件につき差別することを禁じているが、これは、雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制約する規定ではない。
② 企業者が雇用の自由を有し、思想、信条を理由として雇入
れを拒んでもこれを目して違法とすることができない以上、企業者が、労働者の採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、そのためその者からこれに関連する事項についての申告を求めることも、これを法律上禁止された違法行為とすべき理由はない。
③ 労働基準法3条は、労働者の労働条件について信条による差別取扱を禁じているが、特定の信条を有することを解雇の理由として定めることも、労働条件に関する差別取扱として、右規定に違反するものと解される。
④ 法が企業者の雇用の自由について雇入れの段階と雇入れ後の段階とで区別を設けている趣旨にかんがみ、また、雇用契約の締結に際しては企業者が一般的には個々の労働者に対して社会的に優越した地位にあることを考え、かつまた、
本採用後の雇用関係におけるよりも弱い地位であるにせ
よ、いったん特定企業との間に一定の試用期間を付した雇用関係に入った者は、本採用、すなわち当該企業との雇用関
<No.9 労働契約の成立 (P38)>
労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。
(労働契約法6条)
<No.10 労働基準法違反の労働契約 (P38)> <No.13 雇止めの予告 (P43)>
労働基準法で定める基準に達しない部分
労働契約 労働契約
無効 |
強行的効力
直律的効力
※労働契約自体は 無効にならない。
労働基準法で定める基準
例1(3回以上更新)
雇入れ 更新① 更新② 更新③ 更新せず
↓
継続勤務期間の「長さ」は問わない。
要30日前予告
<No.11 神戸xx学園事件 (P39)>
本採用
1年契約
無期契約
契約の存続期間
(有期契約期間)
留保解約権付契約に基づく試用期間
客観的合理性・社会的相当性が認められなければ、本採用の拒否(解約権の行使)は無効
例2(1年超継続勤務)
1年超
8か月
8か月
雇入れ
更新 更新せず
↓
要30日前予告
契約更新の「回数」は問わない。
<No.12 有期労働契約の暫定措置 (P42)>
契約期間の上限 | ||
① | 原則 | 3年 |
② | 専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者 に限る。)との間に締結される契約 | 5年 |
③ | 満60歳以上の労働者との間に締結される契約 | |
④ | 一定の事業の完了に必要な期間を定める 契約 | 事業の 終期まで |
※どちらもあらかじめ更新しない旨明示されている場合は30日前予告の必要なし。
<No.14 労働契約解除権 (P49)>
期間の定めのある労働契約〔一定の事業の完了に必要な期間を
..
.
定めるもの(→④)を除き、その期間が1年を超えるものに限
.
る。〕を締結した労働者〔契約期間の上限が5年とされている労
..
働者(→②・③)を除く。〕は、民法628条の規定にかかわらず、
当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職すること
ができる。(法附則137条)
過
労働者Xの雇入れに当たり、Xは、事業主が使用している労働者Y等との折り合いの関係から、Y等の賃 金引上げを要望し、事業主もその引上げを約したが、実際にはその引上げを行わなかった。この場合、Xは、この約束が守られていないことを理由としては、労働基準法第15条第2項を根拠として自分自身の労働契約の即時解除をすることはできない。[H12-2D]
法附則137条が適用されるのは①で1年超契約の場合
過
次回以降の講義についてのご連絡です。
・各自で「ミニテスト」を実施の上、ご受講(ご視聴)ください。ミニテストは講義中には実施せず、「ワンポイント一般常識」から講義に入ります。
・講義中に「過去10年本試験問題集」を参照することがありますので、お手元にご準備ください。
満60歳以上で薬剤師の資格を有する者が、ある事業 場で3年の期間を定めた労働契約を締結して薬剤師 以外の業務に就いていた場合、その者は、民法第628条の規定にかかわらず、労働基準法第137条の規定に基づき、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。[H24-2C]