Contract
労働協約例
1)
○○株式会社・○○労働組合労働協約
○○株式会社(以下「会社」という)と○○労働組合(以下「組合」という)は,労働協約を締結し,互いに誠意をもってこれを遵守する。
第 1 章 総則
第 1 条【交渉団体】
会社は,組合が会社における従業員を代表する唯一の交渉団体であることを認める。
第 2 条【ユニオン・ショップ】
1 会社の従業員は,第 3 条に定める者を除き,すべて組合員とする。
2 会社は,組合を除名された従業員,組合に加入しない従業員および組合を脱退した従業員を直ちに解雇する。
第 3 条【非組合員の範囲】
非組合員の範囲は次の通りとする。
⑴ 役員など労働組合法第 2 条第 1 号により組合員になれない者
⑵ 会社と組合で協議決定した者
第 4 条【協約の適用範囲】
1 この協約は会社,組合および組合員に適用する。
2 非組合員は,この協約に準じて取り扱うものとする。
第 5 条【協約の優先】
1 この協約は,就業規則その他の諸規程および会社と従業員間のすべての労働契約に優先する。
2 就業規則の改廃については,その都度,組合と協議し組合の同意を得て行う。
3 会社は,この協約に反する就業規則その他の諸規程を直ちに改定もしくは廃止する。
第 6 条【組合通知事項】
組合は,次の各号に該当する事項が発生したときは,その都度会社に文書をもって通知する。
1 ) この労働協約例は,会社と企業内労働組合との間で締結された実際の労働協約例,小xxx
= xxxx= xxxxx編著『目で見る労働法教材〔第 2 版〕』13 頁以下(有斐閣,2003)の労働協約例などを参考に作成したものである。実際の労働協約においては,人事,賃金,労働時間などについて詳細な規定が定められていることが多いが,ここでは,労働協約の基本的内容を掲げるにとどめた。
労働協約例
1
⑴ 上部団体等他の団体への加入または脱退
⑵ 組合の名称,規約,組織,役員の変更
第 2 章 組合活動
第 7 条【組合活動の自由】
会社は,組合および組合員の組合活動の自由を保障し,組合員が組合活動をしたことを理由として,解雇その他不利益な取扱いをしない。
第 8 条【就業時間中の組合活動】
1 組合活動は,原則として就業時間外に行う。ただし,次の各号に該当する場合はこの限りでない。
⑴ 団体交渉,労使協議会,賞罰委員会,その他会社,組合の双方が出席する会合
⑵ 組合が組合規約に基づき招集する執行委員会,評議員会,臨時総会,定期総会
⑶ その他,組合運営上必要と認められる会合で,会社の許可を得たもの
2 前項第 1 号の場合は,賃金を差し引かず,時間外に及んだ時間については賃金は支給しない。前項第 2 号,第 3 号の場合は,欠勤扱いをせず,賃金は支払わない。
第 9 条【組合専従者】
1 会社は,特定の組合員が組合業務に専従することを認める。
2 組合は,専従者を決定したときは,その氏名を会社に通知する。ただし,業務に重大な支障があるときは,組合は会社と協議する。
第 10 条【組合専従者の取扱い】
組合専従者の専従期間中の取扱いは,次の通りとする。
⑴ 専従期間中は休職とし,休職期間は勤続年数に通算する。
⑵ 専従期間中の賃金は,組合負担とする。ただし,専従期間中の退職金,福利厚生制度の適用および福利厚生施設の利用は,一般組合員と同様とする。
⑶ 組合専従者の社会保険については,組合が事業主負担分を負担し,会社が保険関係事務を行う。
⑷ 組合専従者が専従を解かれたときは,会社は直ちに復職させる。復帰部署は,原則として原職とする。
⑸ 専従者が復職したときの賃金は,専従前の賃金を基準に,専従期間中引き続き会社に勤務したものとして取り扱う。
⑹ 専従期間後の年次有給休暇の算定は,専従期間中引き続き会社に勤務したものとして取り扱う。
第 11 条【組合専従者の差別取扱いの禁止】
1 会社は,組合専従者であること,またはあったことを理由として,一般組合員との差別的な取扱いをしない。
2 会社は,組合専従者を,専従期間中において,異動・解雇の対象としない。
第 12 条【会社施設の利用】
1 組合は,会社の文書による承認を得て,会社施設の一部を組合事務所として利用することができる。
2 組合は,会社の許可を得て,組合活動に必要な土地,建物,什器,備品,掲示場その他の会社施設を利用することができる。
3 前 2 項の定めにより,組合が会社施設の利用について申し出たときは,会社は正当な理由なく拒否しない。
第 13 条【掲示板の設置と印刷物の配布】
1 会社は,会社と組合が協議決定した場所において,組合が文書等を掲示することを認める。ただし,その内容は組合員の経済的地位の向上のために必要な事項に限る。
2 会社は,組合が組合員に対して,組合活動に必要な印刷物の配布を会社施設内で行うことを認める。
第 14 条【組合費の控除】
会社は,組合費その他会社と組合が合意したものを,組合員の賃金より控除し,7 日以内に組合に一括して納入する。
第 3 章 労使協議会
第 15 条【目的】
会社および組合は,民主的な労使関係を維持し,企業の発展と従業員の労働条件の向上に資するため,労使協議会を設置する。
第 16 条【構成と開催】
1 労使協議会は,会社および組合が選出した各 8 名の委員をもって構成する。労使協議会の議長は,会社選出委員,組合選出委員が交互に行う。
2 労使協議会は,原則として年 4 回開催する。ただし,会社または組合のいずれか一方が申し入れた場合は,その都度すみやかに開催する。
3 会社および組合がそれぞれ指名した者に議事録を作成させる。議事録は書面にし,双方の代表委員が署名または記名押印し,双方 1 通ずつ保管する。
第 17 条【付議事項】
労使協議会の付議事項は,次の各号に定める通りとする。
⑴ 説明または報告事項
①会社経営に関する事項
②会社機構,職制の制定・改廃に関する事項
③組合運営方針の大綱
④組合規約の変更,組合役員・専従者の選任・解任,他の団体への加入・脱退に関する事項
⑤その他会社および組合が必要と認めた事項
⑵ 協議事項
①就業規則その他の諸規程の制定・改廃
②安全衛生に関する事項
③福利厚生に関する事項
④作業能率,技術改善,生産性向上,設備改善に関する事項
⑤要員確保に関する事項
⑥その他会社および組合が必要と認めた事項
⑶ 協議決定事項
①労働協約の締結・改廃
②労働条件に関する基本的事項
③人事に関する基本的事項
④賃金に関する基本的事項
⑤その他会社および組合が必要と認めた事項
第 18 条【合意事項の取扱い】
1 労使協議会で合意決定した事項は書面にし,双方の代表委員が署名または記名押印し,協定書として双方 1 通ずつ保管する。
2 前項の協定書は,労働協約と同一の効力をもつものとする。
第 19 条【公表および秘密遵守】
労使協議会の協議事項は,社内一般に公表する。ただし,労使協議会において特に機密とすることとされた事項については,公表せず,労使協議会の委員および関係者はこれを他に漏らしてはならない。
第 4 章 団体交渉・争議行為
第 20 条【開催】
労使協議会において協議の調わなかった場合,または,会社もしくは組合の一方が申し入れた場合には,すみやかに団体交渉を行う。
第 21 条【交渉事項】
団体交渉の対象となる事項は,組合員の労働条件その他組合員の待遇に関する一切の事項,労使関係の運営に関する事項,その他会社および組合の双方が協議のうえ必要と認めた事項とする。
第 22 条【手続】
1 会社および組合は,団体交渉の対象事項として申し入れる事項を書面にし,代表者が署名または記名押印のうえ,相手方に提出する。
2 交渉委員は,会社および組合を代表する各 8 名以内の者とする。会社は取締役および非組合員の中から交渉委員を選出し,組合は組合員の中から交渉委員を選
出する。
3 団体交渉の日時,場所,傍聴者の取扱い等については,団体交渉の申入れ後すみやかに会社と組合で協議決定する。
4 会社および組合がそれぞれ指名した者に議事録を作成させる。議事録は書面にし,双方の代表委員が署名または記名押印し,双方 1 通ずつ保管する。
第 23 条【協定書の作成】
団体交渉で合意決定した事項については,労働協約(協定書に付随する覚書があると きはこれを含む)を作成して,会社および組合の双方の代表者が署名または記名押印し,双方 1 通ずつ保管する。
第 24 条【斡旋・調停】
団体交渉において誠意をもって交渉したにもかかわらず,解決に至らなかった事項に ついては,原則として,会社および組合の合意のうえ,労働委員会に斡旋または調停の 申請をすることができる。ただし,会社または組合の一方が申請をすることを妨げない。第 25 条【平和義務】
会社および組合は,この協約を含むあらゆる労働協約の有効期間中(有効期間満了前の 30 日間を除く)に,これを改廃するための争議行為を行わない。ただし,やむをえない事情変更がある場合は,この限りでない。
第 26 条【争議予告】
会社または組合がやむをえず争議行為に入るときは,遅くとも 48 時間前までに相手方に文書をもって,争議行為の日時,態様について通告しなければならない。
第 27 条【争議行為中の遵守事項】
1 会社は,組合の争議行為に危害を加える目的をもって,新たに労働者を雇い入れ,または,新たに派遣労働者の派遣契約を結ぶことをしない。
2 組合は,会社の機械設備その他の施設を故意に損壊しない。
3 会社および組合は,協議のうえ,組合員の立入禁止区域を設定する。
第 28 条【争議解決への努力】
1 会社および組合は,争議行為が開始されても,争議解決のためにあらゆる努力を払わなければならない。
2 会社および組合は,争議行為中であっても,いずれか一方より団体交渉の申入れがあった場合には,直ちにこれに応じなければならない。
第 5 章 人事
第 29 条【人事の原則】
人事は,労働協約,就業規則その他の諸規程の定めるところにより,xxに行う。
第 30 条【採用】
会社は,従業員を採用するときは,原則としてその理由・人員を組合に通知する。
第 31 条【配転および出向】
1 会社は,業務上の都合により組合員を配転または出向させるときは,原則として命令日の 10 日前までに組合に通知し,7 日前までに本人に内示する。
2 出向先での労働条件は,出向規程または出向先の就業規則による。
3 配転および出向につき,本人または組合に異議がある場合は,会社は組合と協議する。
4 組合役員を配転または出向させる場合は,会社は組合と協議する。
第 32 条【休職,復職,退職および解雇】
休職,復職,退職および解雇については,別に定めるところによる。
第 33 条【賞罰委員会】
1 組合員の表彰および懲戒は,賞罰委員会の議を経て行う。
2 賞罰委員会の規程は,会社および組合の協議により別に定める。
第 6 章 労働時間,賃金,安全衛生,福利厚生,災害補償等
第 34 条【労働時間,休日,休暇等】
労働時間,休憩,休日,時間外・休日労働,年次有給休暇,慶弔休暇,公民権の行使等については,労使協定または就業規則の定めるところによる。
第 35 条【賃金】
賃金については,賃金規程の定めるところによる。
第 36 条【退職金】
退職金については,退職金規程の定めるところによる。
第 37 条【旅費】
会社は,組合員が業務により出張するときは,出張旅費規程の定めるところにより,旅費を支払う。
第 38 条【祝い金等】
会社は,組合員の慶弔および罹災等に際して,就業規則その他の規程の定めるところにより,祝い金,見舞金または香典を支払う。
第 39 条【安全衛生,災害補償,福利厚生等】
組合員の安全衛生,災害補償,福利厚生等については,就業規則その他の規程の定めるところによる。ただし,その実施および運用に関する基本的事項については,組合と協議する。
第 7 章 附則
第 40 条【有効期間】
この協約の有効期間は,特に定めるもののほかは,2016 年 4 月 1 日から 2018 年 3 月 31 日までとする。
第 41 条【改定,更新および延長】
1 会社または組合が,この協約の有効期間満了により,この協約を改定しようとするときは,期間満了日の 2 か月前までに改定案を書面にし,相手方に申し入れなければならない。
2 前項の申入れがない場合は,この協約は自動的に更新されるものとする。
3 第 1 項の申入れがあった場合,協約の期間満了までに新たな協約が締結されないときは,期間満了後 3 か月に限り,この協約が効力を有するものとする。
第 42 条【文書の保管】
この協約の締結を証するために,xx 2 通を作成し,それぞれ代表者が署名または記名押印のうえ,双方 1 通ずつ保管する。
2016 年 3 月 31 日
○○株式会社 代表取締役社長 出 世 x x ㊞
○○労働組合 執行委員長 xxx x 代 ㊞
就業規則例
2)
○○社就業規則
第 1 章 総則
第 1 条【目的】
1 本規則は,労働基準法第 89 条の規定により,当社従業員の就業に関する事項を規定したものである。
2 従業員の就業に関する事項は,本規則および関係諸規程に規定するほか,労働基準法等の法令,労働協約および労働契約の定めるところによる。
第 2 条【就業規則の遵守義務】
会社および従業員は,本規則の定めを遵守し,誠実に履行するよう努めなければならない。
第 3 条【適用対象となる従業員】
1 本規則の適用対象となる従業員とは,第 4 条の定める手続により採用された者をいう。
2 嘱託社員,短時間勤務社員および有期契約社員の就業規則は別に定める。
第 2 章 人事
第 4 条【採用】
1 会社は,必要に応じて従業員を募集し,応募者について書類審査,面接その他必要と認められる方法で試験を行い,合格した者を従業員として採用する。
2 採用を希望する者は,会社の求めに応じて,以下の書類を提出しなければならない。
⑴ 履歴書
⑵ 資格に関する証明書
⑶ その他,会社が前項の決定をするにあたり必要不可欠な書類
2 ) この就業規則例は,実際の企業の就業規則の例,xxxx『雇用関係法〔第 4 版〕』312 頁以下(新世社,2008)の就業規則例,xxxxほか『望ましい就業規則〔改訂版〕』336 頁以下
(社会経済生産性本部生産性労働情報センター,2008)のモデル就業規則などを参考に作成したものである。実際の就業規則においては,賃金や労働時間などについてより詳細な特別の規定が設けられていることが多いが,ここでは,本書における法律問題の理解を促すことに主眼を置いて簡単な例を掲げるにとどめた。
就業規則例
8
第 5 条【採用内定】
1 会社は,第 4 条に基づき採用を決定した者に対し,原則として,書面により採用内定の通知を行う。
2 前項に基づき採用内定の通知を受けた者は,その通知を受けたときから,本規則の適用を受ける。ただし,会社から業務を命じられた場合を除き,就労と関係しない規定についてはこの限りでない。
第 6 条【採用内定の取消】
会社は,前条第 1 項に基づき内定の通知を受けた者が,入社日までの間に,次の各号の一に該当し,雇用関係を維持することができない場合には,採用内定を取り消すことができる。
⑴ 心身の故障により業務に堪えられないと認められるとき
⑵ 新規学卒者において卒業ができなかったとき
⑶ 本規則に違反する重大な非違行為を行ったとき
⑷ 会社の経営上やむをえない必要性に基づくとき
⑸ その他前各号に準ずるやむをえない事由があるとき
第 7 条【労働条件の明示】
会社は,第 5 条に基づく採用内定の通知を行う際に,本規則を提示するとともに,次の事項を記載した文書を交付する。
⑴ 労働契約の期間に関する事項(期間の定めのないこと)
⑵ 就業の場所および従事する業務に関する事項
第 8 条【採用後に提出すべき書類】
1 会社は,第 4 条第 1 項に基づき採用を決定した者に対し,会社が必要とする書類の提出を,その使途目的を明確に説明したうえで,求めることができる。
2 従業員は,前項に基づき会社に提出した書類の内容に変更があった場合は,すみやかに会社に届け出なければならない。
第 9 条【試用期間】
1 会社は,従業員としての適格性を判断するために,採用日から 3 か月間の試用期間を設けることがある。
2 会社は,試用期間中の従業員の勤務状況を観察した結果,従業員としての適格性を欠くことが明らかになり,雇用関係を継続しがたい場合には,試用期間中またはその終了時に従業員を解雇することができる。
3 試用期間は,勤続年数に通算する。
第 10 条【出張・配転】
会社は,業務上の必要に応じて,従業員に対し,出張,配置転換または転勤を命じることができる。
第 11 条【出向】
1 会社は,業務上の必要に応じて,従業員に対し,関連会社等への出向を命じることができる。
2 出向期間は,勤続年数に通算する。出向者の身分,復帰条件その他出向に関する必要な事項は,出向規程の定めるところによる。
第 12 条【転籍】
1 会社は,業務上の必要に応じて,従業員を転籍させることがある。
2 前項の場合,会社は,転籍先会社での労働条件を明示して,従業員に対し十分な説明を行い,その同意を得たうえでこれを行うものとする。
第 13 条【休職】
1 会社は,従業員が以下の事由の一に該当した場合には,休職を命じることができる。休職の期間は,各号記載のとおりとする。
⑴ 業務外の傷病による欠勤が 6 か月以上に及んだとき 12 か月
⑵ 事故による欠勤が 2 か月以上に及んだとき 3 か月
⑶ 刑事事件により起訴され就労できないとき 就労可能時まで
⑷ 公職に就任しまたは留学するとき 必要な期間
⑸ 労働組合の専従となったとき 任期満了まで
⑹ 第 11 条に基づき出向となったとき 会社復帰まで
⑺ その他会社が必要と認めるとき 必要な期間
2 休職中の賃金は,前項第 1 号・第 2 号の場合は基本給の 6 割を支給し,第 6 号の場合は出向規程の定めるところによる。その他の場合は賃金は支給しない。
3 休職期間満了までに休職事由が消滅したときは,原則として原職に復帰させる。ただし,必要に応じて,原職と異なる職務に配置することがある。
4 第 1 項第 1 号の休職者が,休職期間満了時に,休職の原因となっていた傷病が治癒しないために職務に復帰することができないときは,退職するものとする。ただし,特別の事情があれば休職期間を延長することができる。
5 第 1 項第 2 号の休職者が,休職期間満了時に,職務に復帰することができないときは,退職するものとする。ただし,特別の事情があれば休職期間を延長することができる。
6 休職者が復職したときは,休職期間を除き,勤続年数を通算する。ただし,第 1項第 6 号の場合は,休職期間も勤続年数に含める。
第 14 条【解雇】
1 会社は,従業員が以下の事由の一に該当し,雇用関係を維持することができない場合には,解雇することができる。
⑴ 心身の故障により業務に堪えられないと認められるとき
⑵ 勤務成績・態度が不良で改善の見込みがないとき
⑶ 会社の経営上やむをえない必要性に基づき事業の縮小または廃止をするとき
⑷ その他前各号に準ずるやむをえない事由があるとき
2 前項の解雇は,30 日前に予告するか,または,平均賃金の 30 日分を支給して行う。ただし,試用期間中で勤務が 14 日を超えない者については,即時解雇することができる。
第 15 条【定年】
1 従業員は,満 60 歳となった日の翌日をもって,定年により退職するものとする。
2 会社は,前項に基づき退職した従業員が希望した場合には,労使協定において定めた基準に従い,嘱託社員として再雇用をする。再雇用された嘱託社員の就業に関する事項は,嘱託社員就業規則の定めるところによる。
第 16 条【辞職】
1 従業員が自己都合により辞職しようとする場合は,退職予定日の少なくとも 14日前までに,退職届を提出しなければならない。
2 前項の規定により退職届を提出した場合は,会社の承認があったとき,または,退職届提出後 14 日を経過したときに,退職するものとする。
第 3 章 服務規律
第 17 条【服務事項】
従業員は,次の事項を遵守しなければならない。
⑴ 上司の業務上の指示命令に従い,誠実に職務を遂行すること,および,職場の秩序を維持するよう努めること
⑵ 勤務中,職務に専念すること,および,許可なく職場を離れないこと
⑶ 会社の許可なく,会社の施設や物品を使用しないこと
⑷ 職務に関連して自己の利益を図ること,および,職務上の地位を私的利益のために用いないこと
⑸ 会社の許可なく,会社で営利を目的とする金品の貸借や物品の販売を行わないこと
⑹ 職場の秩序または風紀を乱さないこと
⑺ 会社の名誉または信用を毀損する行為をしないこと
⑻ 職務上知りえた秘密を他に漏らさないこと
⑼ 会社の許可なく,他に雇用され,または,自ら事業を営まないこと
⑽ 性的な言動により,他の労働者の労働条件に不利益を与え,または,就業環境を害さないこと
第 4 章 労働時間,休日,休暇
第 18 条【労働時間】
1 1 日の労働時間は実働 8 時間とし,始業・終業および休憩の時刻は,次のとおりとする。ただし,やむをえない事由のある場合には,法令の範囲内で変更することがある。
始業 午前 8 時終業 午後 5 時
休憩 正午から午後 1 時
2 従業員は,出社および退社の際には,各自タイムカードにその時刻を記録しなければならない。
第 19 条【事業場外労働】
従業員が出張その他により事業場外で就労する場合で,労働時間を算定しがたいときには,前条の定める労働時間につき労働したものとみなす。ただし,当該勤務を遂行するために所定労働時間を超えて労働することが通常必要である場合には,その通常必要である時間または労使協定で別途定める時間労働したものとみなす。
第 20 条【休日】
従業員の休日は,次のとおりとする。
⑴ 日曜日。ただし,日曜日が国民の祝日にあたるときはその翌日
⑵ 国民の祝日
⑶ 土曜日
⑷ 12 月 30 日,12 月 31 日,1 月 2 日,1 月 3 日
⑸ 4 月 30 日,5 月 1 日,5 月 2 日
第 21 条【休日振替】
1 会社は,業務上の必要がある場合は,前条の休日を他に振り替えることができる。
2 前項の振り替えを行う場合は,振替休日を指定して,前日までに当該従業員に通知する。
第 22 条【時間外・休日労働】
1 会社は,労使協定の定める業務上の必要がある場合には,労使協定および法令の定める限度で,第 18 条の定める労働時間を超えてまたは第 20 条の定める休日に労働をさせることができる。
2 前項の時間外労働または休日労働に対しては,第 40 条の定めるところに従い割増賃金を支払う。
第 23 条【適用除外者】
第 18 条ないし前条の規定,および,第 40 条の時間外労働手当,休日労働手当に関す
る定めは,次の各号の一に該当する者には適用しない。
⑴ 管理監督の地位にある者
⑵ 機密の事務を取り扱う者
⑶ 監視または断続的労働に従事する者で,労働基準監督署長の許可を得たとき
第 24 条【年次有給休暇】
1 年次有給休暇は,毎年 4 月 1 日を基準日として,前年度の所定労働日数の 8 割以上出勤した場合に,勤続年数に応じて,次のとおり与えるものとする(中途採用者については,当該年度の 4 月 1 日に採用されたものとみなす)。ただし,入社初年度の者の休暇日数は 10 日とする。
1 年 | 11 日 |
2 年 | 12 日 |
3 年 | 14 日 |
4 年 | 16 日 |
5 年 | 18 日 |
6 年以上 | 20 日 |
2 前項の基準日において出勤率の要件を満たさない場合でも,労働基準法第 39 条の定めるところにより出勤率の要件を満たすときには,労働基準法所定の年次有給休暇を与えるものとする。
3 年次有給休暇を取得しようとする者は,2 日前までに申し出なければならない。
4 従業員が申し出た時季に休暇を取得すると事業の正常な運営が妨げられる場合には,会社は時季を変更することができる。
5 第 3 項および前項の規定にかかわらず,労使協定を締結した場合には,会社は,各従業員の休暇日数のうち 5 日を超える部分について,労使協定の定めるところに従って休暇日を特定することができる。
6 年次有給休暇を取得した日については,通常の賃金を支払う。
第 25 条【産前・産後休業】
1 女性従業員が出産する場合,産前には申し出により 6 週間(多胎妊娠の場合は 14 週間)の休業を与え,産後には 8 週間の休業を与える。ただし,産後 6 週間を経過し,女性従業員が申し出た場合は,医師が支障がないと認める業務に就かせることがある。
2 前項の休業期間は無給とする。
第 26 条【生理日の休暇】
1 生理日の就業が著しく困難な女性従業員には,申し出により必要な期間の生理休暇を与える。
2 前項の休暇期間は無給とする。
第 27 条【育児時間】
生後 1 年間に達しない生児を育てる女性従業員が申し出た場合には,1 日 2 回各 30分の育児時間を与える。
第 28 条【育児休業】
1 従業員は,1 歳 6 か月未満の子を養育するため,あらかじめ申し出ることにより,育児休業を取得することができる。育児休業を取得することができない従業員は,労使協定により定める。
2 育児休業期間中は無給とする。
3 育児休業終了後は,原則として原職に復帰させる。ただし,業務の都合または本人の希望により,原職と異なる職務に就かせることがある。
4 3 歳未満の子を養育する従業員(第 1 項による育児休業を希望しない者を含む)は,申し出により,労働時間を短縮することができ,また,第 18 条の定める労働時間を超える労働および第 20 条の定める休日の労働を免除されうる。
第 29 条【子の看護休暇】
1 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員は,傷病にかかった子の 世話または疾病の予防を図るために必要な子の世話をするため,申し出により,1 年度において 5 労働日(対象となる子が 2 人以上の場合は 10 労働日)まで,子の 看護休暇を取得することができる。1 日の所定労働時間が 4 時間を超える従業員は,子の看護休暇を半日単位で取得することができる。子の看護休暇を取得できない 従業員は,労使協定により定める。
2 前項の休暇期間は無給とする。
第 30 条【介護休業】
1 従業員は,要介護状態にある父母,子,配偶者の父母,ならびに,同居の祖父母,兄弟姉妹,xを介護するため,あらかじめ申し出ることにより,最長 93 日まで介護休業を取得することができる。介護休業は,3 回まで分割して取得することができる。介護休業を取得することができない従業員は,労使協定により定める。
2 介護休業期間中は無給とする。
3 介護休業終了後は,原則として原職に復帰させる。ただし,業務の都合または本人の希望により,原職と異なる職務に就かせることがある。
4 要介護状態にある第 1 項所定の家族を介護する従業員(第 1 項による介護休業を希望しない者を含む)は,申し出により,労働時間を短縮することができ,また,第 18 条の定める労働時間を超える労働および第 20 条の定める休日の労働を免除されうる。
第 31 条【介護休暇】
1 要介護状態にある前条第 1 項所定の家族を介護する従業員は,家族の世話をするため,申し出により,1 年度において 5 労働日(対象となる家族が 2 人以上の場
合は 10 労働日)まで,介護休暇を取得することができる。1 日の所定労働時間が 4 時間を超える従業員は,介護休暇を半日単位で取得することができる。介護休暇を取得できない従業員は,労使協定により定める。
2 前項の休暇期間は無給とする。
第 32 条【慶弔休暇】
1 従業員は,次の各号の一に該当するときには,申し出により,次に掲げる期間の慶弔休暇を取得することができる。
⑴ 本人が結婚するとき 5 日
⑵ 父母,配偶者または子が死亡したとき 5 日
⑶ 祖父母,配偶者の父母または兄弟が死亡したとき 3 日
2 前項の休暇については,通常の賃金を支払う。
第 33 条【遅刻,早退および欠勤】
1 従業員が遅刻,早退,欠勤する場合,または,労働時間中に私用で外出する場合には,あらかじめ所属長の許可を受けなければならない。やむをえない理由により事前の許可を得られなかった場合には,事後すみやかに許可を受けなければならない。
2 従業員は,傷病による欠勤が引き続き 7 日以上に及ぶ場合には,会社に医師の診断書を提出しなければならない。
第 5 章 賃金
第 34 条【賃金の構成】
賃金は,基本給,手当および割増賃金から構成される。手当としては,役職手当,家族手当,住宅手当,通勤手当を支払い,割増賃金としては,時間外労働手当,休日労働手当,深夜労働手当を支払う。
第 35 条【基本給】
基本給は月給制とし,職能資格における従業員本人の格付けに応じて支払う。
第 36 条【役職手当】
役付従業員に対し,次に定める役職手当を支払う。xx 月額 3,000 円
係長 月額 6,000 円
課長 月額 50,000 円から 90,000 円の範囲内で会社が決定する額部長 月額 100,000 円以上の範囲で会社が決定する額
第 37 条【家族手当】
扶養家族を有する従業員に対し,次に定める家族手当を支払う。配偶者 月額 12,000 円
満 18 歳未満の子 1 人につき 月額 6,000 円
満 65 歳以上の父母 1 人につき 月額 6,000 円
第 38 条【通勤手当】
通勤に要する定期乗車券代に相当する実費を,通勤手当として支払う。
第 39 条【住宅手当】
賃貸住宅に居住している従業員に対し,月額 20,000 円を支給する。
第 40 条【割増賃金】
時間外労働手当,休日労働手当,深夜労働手当は,次のとおり支払う。深夜労働と時間外労働または休日労働が重複した場合は,両者を併給する。
時間外労働手当(第 18 条の定める労働時間を超える労働を対象とする)
1 か月平均所定労働時間数
基本給 + 役職手当 × 時間外労働時間数 × 1.25*
*時間外労働時間数が月 45 時間を超える部分については 1.5 とする休日労働手当(第 20 条の定める休日における労働を対象とする)
1 か月平均所定労働時間数
基本給 + 役職手当 × 休日労働時間数 × 1.35
深夜労働手当(午後 10 時から午前 5 時までの労働を対象とする)
1 か月平均所定労働時間数
基本給 + 役職手当 × 深夜労働時間数 × 0.25
第 41 条【賃金の締切・支払】
1 賃金は,毎月 20 日に締め切り,25 日に支払う。支払日が休日の場合は,その前日に支払う。
2 前項の計算期間の途中で入社しまたは退社した従業員に対しては,当該期間の労働日数に従って日割計算して支払う。
第 42 条【賃金控除】
1 遅刻,早退,欠勤等により欠務した時間については,賃金計算期間ごとに,その合計時間数に当該期間における 1 時間あたりの基本給および役職手当を乗じた額を差し引く。
2 前項の欠務時間の合計時間数のうち,30 分未満は切り捨てるものとする。
3 賃金の支払総額に 1 円未満の端数が生じた場合には,1 円切り上げて支払う。
第 43 条【賃金の支払方法】
1 賃金は,その全額を,通貨により,直接労働者に支払う。ただし,労使協定に基づき,従業員の書面による申し出により,従業員の指定する金融機関の本人名義預貯金口座に振り込むことができる。
2 前項の規定にかかわらず,次のものについては,賃金から控除することができる。
⑴ 源泉所得税および住民税
⑵ 社会保険料および雇用保険料の従業員負担分
⑶ 労使協定により賃金から控除できると定めたもの
第 44 条【昇給】
1 昇給は,毎年 4 月 1 日に,基本給について行う。ただし,会社の経営状況によっては,昇給を行わないことがある。
2 昇給は,会社の経営状況を勘案しつつ,各従業員の勤務成績,勤務態度,能力等について会社が行う査定に基づく職能資格上の格付けの変更に従って行う。
第 45 条【賞与】
1 会社は,毎年 6 月および 12 月の賃金支払日に在籍する従業員に対し,賞与を支給する。ただし,会社の経営状況によっては,賞与を支給しないことがある。
2 賞与の支給額は,会社の経営状況を勘案しつつ,各従業員の過去 6 か月の勤務成績,勤務態度,能力等について会社が行う査定に基づき個別に決定する。
第 46 条【祝い金等】
会社は,従業員の慶弔および罹災等に際して,祝い金,見舞金または香典を支払うことがある。
第 6 章 退職金
第 47 条【支払対象者】
従業員が退職しまたは解雇された場合には,本章の定めるところにより退職金を支給する。ただし,勤続年数が 3 年未満の者,懲戒解雇された者および退職後支給日までに重大な非違行為が判明した者については,この限りでない。
第 48 条【退職金額】
退職金額は,退職時または解雇時の基本給額に,別表 1(定年退職,会社都合退職,業務上の傷病による退職または死亡の場合)または別表 2(自己都合その他の事由による退職の場合)所定の勤続年数に応じた支給率を乗じた金額とする。
第 49 条【勤続年数】
1 勤続年数は,入社日から退職日までの期間とする。ただし,本規則または関係諸規程に別段の定めがある場合は,この限りでない。
2 前項の年数につき,1 年に満たない端数があるときには月割りにより計算する。 1 か月に満たない端数は 1 か月として計算する。
第 50 条【死亡退職金】
従業員が死亡した場合は,労働基準法施行規則第 42 条ないし第 45 条の規定する順位に従い,遺族に対して前条に準じて計算した死亡退職金を支払う。
第 51 条【支給期日】
退職金の支給は,支給事由が生じてから 2 か月以内に行う。
第 7 章 表彰および懲戒
第 52 条【表彰】
1 会社は,従業員が次の各号の一に該当する場合は,表彰する。
⑴ 成績優秀で他の従業員の模範になると認められたとき
⑵ 業務上有益な発明,提案または創意工夫を行い,会社の業績に貢献したと認められたとき
⑶ 災害の防止または災害時の対処につき特に功労があったと認められたとき
⑷ 20 年以上無事故で継続して勤務したとき
⑸ 国際的,社会的功績があり,会社の名誉を高めたとき
⑹ その他前各号に準ずるxxまたは功労があったと認められたとき
2 表彰は,賞状および賞品または賞金を授与して行う。
第 53 条【懲戒事由】
従業員が,次の各号の一に該当する場合は,第 54 条および第 55 条の定めるところに従い,懲戒を行う。
⑴ 重要な経歴を偽るなど不正な手段により入社したとき
⑵ 本規則その他会社の諸規則に違反したとき
⑶ 上司の業務上の指示命令に従わなかったとき
⑷ xx不良で,職場の秩序または風紀を乱したとき
⑸ 正当な理由なく,しばしば欠勤,遅刻,早退するなど勤務を怠ったとき
⑹ 故意に会社の業務を妨害したとき
⑺ 業務上の過失または監督不行届により事故を引き起こしたとき
⑻ 会社の許可なく,会社の物品を持ち出し,または,持ち出そうとしたとき
⑼ 不正な行為により,会社の名誉または信用を毀損したとき
⑽ 会社の許可なく,他に雇用され,または,自ら事業を営んだとき
⑾ 職務上知りえた秘密を他に漏らし,または,漏らそうとしたとき
⑿ 性的な言動により,他の労働者の労働条件に不利益を与え,または,就業環境を害したとき
⒀ 前各号に準ずる程度の不都合な行為をしたとき
第 54 条【懲戒処分の種類】
懲戒は,情状に応じて,次の区分に従って行う。
⑴ けん責 始末書をとり,将来を戒める。ただし,事案が軽微な場合には,情状により始末書をとらず,戒告にとどめることができる。
⑵ 減給 始末書をとり,1 回の額が 1 日分の平均賃金の半額を超えず,総額が一賃金支払期の賃金総額の 1 割を超えない範囲で,賃金を減額する。
⑶ 出勤停止 始末書をとり,7 日間を限度に出勤を停止する。出勤停止期間は
無給とする。
⑷ 降格 始末書をとり,役職を引き下げる。
⑸ 諭旨解雇 諭旨のうえ退職を勧告する。勧告から 10 日以内に退職届を提出しない場合には,懲戒解雇とする。
⑹ 懲戒解雇 即時に解雇する。
第 55 条【懲戒手続】
1 懲戒を行うにあたっては,本人に弁明の機会を与えるものとする。
2 懲戒の決定をするにあたり,必要な期間,本人に自宅待機を命じることがある。
第 8 章 安全衛生,災害補償
第 56 条【安全衛生】
1 会社は,従業員の安全衛生および健康保持に関し,法令に従って必要な措置を講じる。
2 従業員は,職場の安全衛生を確保するため,法令,会社の諸規則および指示命令に従わなければならない。
第 57 条【健康診断】
1 会社は,従業員に対し,入社の際,および,毎年1 回定期的に,健康診断を行う。
2 健康診断の結果必要があると認めるときは,会社は,従業員に対し,一定期間の就業の禁止,配置転換その他の措置をとることができる。
第 58 条【災害補償】
会社は,従業員が業務上の事由により負傷し,疾病にかかり,または,死亡した場合には,労働基準法の定めるところにより補償を行う。ただし,従業員が同一の事由により労働者災害補償保険法に定める保険給付を受けるときは,その金額に相当する額を差し引くものとする。
第 9 章 職務発明
第 59 条【職務発明および権利の帰属】
従業員が職務上行った発明および権利の帰属に関する取扱いについては,職務発明規程の定めるところによる。
附 則
1 本規則は,2016 年 4 月 1 日から実施する。
2 本規則の改廃は,各事業場の労働者の過半数を組織する労働組合,かかる労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聞いて行うものとする。
別 表 (略)
36 協 定 例
3)
○○社時間外労働および休日労働に関する協定
○○社(以下「会社」という)と○○社××事業場の労働者の過半数を代表する者
(以下「過半数代表者」という)は,労働基準法第 36 条第 1 項の規定に基づき,時間外労働および休日労働に関し,次のとおり協定する。
第 1 条【時間外労働および休日労働を必要とする事由】
就業規則第 18 条の定める労働時間を超える労働(以下「時間外労働」という),または,就業規則第 20 条の定める休日の労働(以下「休日労働」という)を必要とする事由は,次のとおりとする。
⑴ 納期のひっ迫または臨時的な受注の集中により,通常の労働時間内の労働では処理が困難なとき
⑵ 機械類のトラブルへの対応のため,通常の労働時間内の労働では処理が困難なとき
⑶ 予算または決算業務を実施するため,通常の労働時間内の労働では処理が困難なとき
⑷ 顧客または取引先からのクレームへの対応のため,通常の労働時間内の労働では処理が困難なとき
⑸ その他前各号に準ずる業務上の必要性があるとき
第 2 条【業務の種類および労働者数】
時間外労働および休日労働を必要とする業務の種類および労働者数は,次のとおりとする。
⑴ 製造業務 30 人
⑵ 事務業務 6 人
⑶ 営業業務 4 人
第 3 条【延長することができる労働時間数】
この協定によって延長することができる労働時間数は,1 日 8 時間または 1 週 40 時間を超えて延長する労働時間数とし,次のとおりとする。
⑴ 1 日につき 6 時間以内
⑵ 1 か月につき 45 時間以内(毎月 1 日を起算日とする)
3 ) この 36 協定例は,実際の企業の 36 協定の例,各都道府県労働局のホームページに掲載されている 36 協定届の例などを参考に,作成したものである。
36 協定例
20
⑶ 1 年につき 360 時間以内(4 月 1 日を起算日とする)
第 4 条【勤務することができる休日数】
この協定によって労働させることができる休日は,就業規則第 20 条の定める休日とし,その日数は,1 か月につき 4 日以内,1 年につき 30 日以内とする。
第 5 条【休日労働の労働時間数の限度】
前条の規定により休日に労働させることができる時間数は,1 日の休日につき 8 時間
(午前 8 時から午後 5 時,うち正午から午後 1 時までは休憩)とする。
第 6 条【特別時間外労働】
1 次に掲げる特別の事情がある場合には,第 3 条の定める延長時間の限度を超えて,特別に時間外労働を延長することができる。
⑴ 通常の生産量を大幅に超える受注が集中し,第 3 条の定める延長時間の限度内の労働では処理が困難なとき
⑵ 機械類のトラブルへの対応のため,第 3 条の定める延長時間の限度内の労働では処理が困難なとき
⑶ 大規模なクレームへの対応のため,第 3 条の定める延長時間の限度内の労働では処理が困難なとき
2 前項により特別に延長することができる時間は,第 3 条の規定にかかわらず,次のとおりとする。
⑴ 1 か月につき 60 時間以内(毎月 1 日を起算日とする)
⑵ 1 年につき 630 時間以内(4 月 1 日を起算日とする)
3 前項第 1 号により特別に時間外労働を延長する回数は,1 年につき 6 回までとする。
第 7 条【特別時間外労働の手続】
前条第 1 項各号に該当し,前条第 2 項に規定する特別時間外労働を行わせるにあたっては,会社と過半数代表者との間で事前に協議を行うものとする。
第 8 条【割増賃金】
時間外労働,休日労働および深夜労働(午後 10 時から午前 5 時までの労働)については,就業規則第 40 条の定めるところにより,割増賃金を支払う。
第 9 条【時間外労働および休日労働に関する会社の責務等】
1 会社は,時間外労働および休日労働によって労働者の健康と福祉が損なわれることがないよう,時間外労働および休日労働を必要最小限に抑え,また,その必要量を減少させるよう,恒常的に努力しなければならない。
2 会社は,時間外労働および休日労働にかかる苦情について,調査・審議する苦情処理委員会を設けるものとし,当該委員会には過半数代表者が推薦する委員を含むものとする。
3 労働者は,会社が設置する相談窓口または前項の苦情処理委員会に,時間外労働
または休日労働にかかわる苦情を申し立てることができる。
4 会社は,前項の苦情の申立てがあった場合,適当と認めるときは,苦情処理委員会を開催し,苦情内容について調査・審議して適正かつ必要な措置を講じるものとする。
第 10 条【有効期間】
この協定の有効期間は,2016 年 4 月 1 日から 1 年間とする。ただし,有効期間中であっても当事者のいずれかの発議による協議により,本協定を変更することができる。
2016 年 3 月 31 日
○○社 代表取締役社長 法 令 守 ㊞
○○社××事業場労働者過半数代表者 労 働 勤 ㊞