2 専門検討会議は、即時性及び双方向性が担保される方法により Web 会議で開催することができる。但し、緊急を要する場合には書面若しくは電子メール等での開催もできる。
2023 年2月4日改定
差止請求関係業務規程
公益社団法人 全国消費生活相談員協会
第1章 総則
(目的)
第1条 この業務規程(以下、「規程」という。)は、消費者契約法(以下、「法」という。)、消費者契約法施行規則(以下、「規則」という。)及び適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドライン(以下、「ガイドライン」という。)、に基づき、公益社団法人全国消費生活相談員協会(以下「協会」という。)が差止請求関係業務の実施に関する組織、実施方法、情報管理・秘密保持等について定め、もってその業務の適正かつ効果的な運営を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 規程において「差止請求関係業務」とは、法第13条に定める次の業務をいう。
(1)不特定かつ多数の消費者の利益のために差止請求権を行使する業務
(2)前号の業務の遂行に必要な消費者の被害に関する情報を収集する業務
(3)消費者の被害の防止及び救済に資する差止請求権の行使結果に関する情報を提供する業務
2 規程において「差止関係業務の執行に係る重要な事項の決定」とは、法第23条4項各号に規定する事項(規則第17条第15号に規定する行為を除く。)をいう。
3 規程において「秘密」とは法25条に規定する「差止請求関係業務に関して知り得た秘密」(一般に知られていない事実であって、本人が他に知られないことにつき相当の利益を有するもの)をいう。
4 規程において「会長」「理事長」「専務理事」「常務理事」「理事」とは、定款第21条に定められている役員をいう。
5 規程において「役職員」とは、定款第21条に定められている役員、定款第50条に定められている職員をいう。
6 規程において「事務局長」とは、定款第50条に定められている者をいう。
第2章 差止請求関係業務に関わる組織
(専門検討委員の選任)
第3条 理事長は、専門検討委員として法第13条第3項第5号ロに定める専門委員に該当する者を選任する。
2 専門検討委員が次の各号に該当する場合には、理事長は解任することができる。
(1)心身の故障のため職務の執行に耐えられないと認められるとき
(2)専門検討委員として職務の執行にふさわしくない行為があると認められるとき
(団体訴訟検討員の選任)
第4条 理事長は、団体訴訟検討員として法第13条第3項第5号イに定める専門委員に該当する者を選任する。
2 団体訴訟検討員が次の各号のいずれかに該当するときは、理事長は解任することができる。
(1)心身の故障のため職務の執行に耐えられないと認められるとき
(2)団体訴訟検討員としてふさわしくない行為があると認められるとき
(専門検討会議の設置)
第5条 協会に、事案に応じ随時、次の者からなる専門検討会議(法第13条第3項第5号に定める差止請求について検討を行う部門に該当する。)を置く。
(1)第3条1項により選任された専門検討委員のうちから、理事長により指名された者10人以内
(2)第4条 1 項により選任された団体訴訟検討員のうちから、理事長により指名された者数人~
10人程度
2 専門検討会議は、即時性及び双方向性が担保される方法により Web 会議で開催することができる。但し、緊急を要する場合には書面若しくは電子メール等での開催もできる。
3 専門検討会議には専門検討会議を統括する者として座長(以下「座長」という。)をおくこととし、前項第1号で定める者のうちから理事長が指名した者を当てる。
(定例検討会議の設置)
第6条 協会に、第3条1項により選任された専門検討委員と第4条1項により選任された団体訴訟検討員で構成された定例検討会議を置く。
2 定例検討会議は、即時性及び双方向性が担保される方法により Web 会議で開催することができる。但し、緊急を要する場合には書面若しくは電子メール等での開催もできる。
(消費者団体訴訟室の設置)
第 7 条 協会に消費者団体訴訟室(以下、「団体訴訟室」という)を置く。
2 団体訴訟室に団体訴訟室長、団体訴訟室員2人以上、事務局員1人を置く。
3 団体訴訟室長は、理事長の命を受けて団体訴訟室の業務を統括する。
4 団体訴訟室員は、団体訴訟検討員のうちから理事長が指名する。
5 団体訴訟室は次の業務を行う。
(1)「週末電話相談」、「電話相談110番」及び協会のホームページ等を通して消費者から入手した消費者被害情報のうち、差止請求の対象と考えられる事案について、その概要や問題点を整理し、必要に応じて関連する情報の収集や調査を行う。
(2)第2条第1項第3号に定める差止請求権の行使の結果等の情報提供を行う。
(差止請求関係業務の適正遂行確保のための調査実施者の選任)
第 8 条 協会は、規則第22条に基づき、差止請求関係業務その他の業務が法の規程に従い適正に遂行されているかどうかについて調査を行う者(以下、「調査実施者」という。)を置く。
2 調査実施者は、その者の職業及び経歴、その者の有する資格、協会との利害関係の有無その他一切の事情を考慮して、公正な判断をすることができると認められる者(協会の役員、職員、会員若
しくは専門検討委員又は過去2年間にこれらの者であった者を除く)のうちから会長が選任する。
3 協会は、前項の規程により調査実施者を選任したときは、遅滞なく、当該調査実施者との間で法第31条第2項の調査を受けること並びに当該調査の方法及び結果が記載された調査報告書の提出を受けることを内容とする契約を締結する。
4 調査実施者が次の各号に該当する場合には、会長はこの者を解任することができる。
(1)心身の故障のため職務の執行に耐えられないと認められるとき。
(2)法令違反行為を行ったり、法又は規則等に則った調査活動を実施しない等、調査実施者として著しく不適格な行為があると認められるとき。
5 調査実施者は、毎事業年度、協会の業務が法の規程に従い適正に遂行されているか否か、その業務の遂行の状況について調査を行い、調査報告書(調査の方法及び結果を記載し、作成者の署名又は記名押印したもの)を作成して会長へ提出する。
第3章 差止請求関係業務の実施方法
(差止請求関係業務の実施場所)
第9条 差止請求関係業務は、主たる事務所(本部)の他、従たる事務所(関西事務所、北海道事務所)において実施する。
(差止請求関係業務の執行に係る事項の議決)
第10条 差止請求関係業務の執行に係る重要事項の決定については、定款第35条に基づき理事会が議決する。
(消費者被害に関する情報の収集)
第11条 差止請求を行う事案を特定するため、団体訴訟室は次の各号の業務から消費者被害に関する情報を収集する。
(1)消費者から苦情等を受付け助言・情報提供を行い、必要に応じあっせん等を行う「週末電話相談」。
(2)消費者から苦情等を受付け、消費者に情報提供・助言を行う「電話相談110番」
(3)事業者等の不当な勧誘、契約条項、表示等に関する情報を協会のホームページにより収集
(4)電話、書面等で事業者等の不当な勧誘、契約条項、表示等に関する情報を消費者から受領
(情報の分析・検討)
第12条 前条各号の業務から収集した事案について、次の各号に定める手順により分析・検討を行う。
(1)団体訴訟室は、前条第1項各号に掲げる業務で収集した情報の中から、法に定める差止請求の対象に該当すると考えられる事案を抽出・選定する。
(2)第6条に定める定例検討会議は、前項で抽出・選定された事案について問題の所在を検討する。
(3)検討の結果、専門検討会議での検討が必要と判断された場合には団体訴訟室長は、理事長に議事概要を報告する。
(4)協会は、差止請求権の適切な行使の用に供するため、必要に応じて、法第40条並びに規則第30条に基づき、国民生活センター、地方公共団体に対して全国消費生活情報ネットワーク・システムに蓄積されている消費生活相談情報の提供を求める。
(差止請求の要否及び内容の検討・理事長への報告)
第13条 理事長は、第12条に定める報告に基づき、第5条第2項の定めにより事案に応じて設けた専門検討会議の座長に対して、差止請求の要否及びその内容について検討するよう要請する。
2 理事長の要請に応じて、座長は専門検討会議を開催し、同会議において前項に定める内容について検討を行う。
3 専門検討会議は、他の専門家(当該専門検討会議の構成員以外の専門検討委員を含む)を招致して意見を聴くことができる。
4 座長は次の事項について検討結果を取りまとめる。
(1)差止請求の要否
(2)相談の概要
(3)主な意見
(4)差止請求が必要と判断した場合には、差止請求書案(事業者等に対する申入れ等の趣旨及び申入れ等の理由を記載した書面)
5 座長は、前項の検討結果について、専門検討会議議事概要(別紙2)を添えて理事長に報告する。
(差止請求の要否の議決)
第14条 前条第5項の報告に基づき、会長または理事長は理事会を招集し、差止請求の要否について理事会において議決する。
(差止請求)
第15条 理事会において差止請求を行う必要があると議決された事案について、理事長は、差止請求書により差止請求を行う。
(差止請求に係る提訴の要否等の検討・理事長への報告)
第16条 差止請求の結果、当該事業者等の対応を踏まえ、必要に応じて理事長は座長に提訴の要否等
(提訴の要否、仮処分命令の申し立て、和解等)について検討することを要請する。
2 理事長からの要請を受けた場合は、座長は専門検討会議を開催し、提訴の要否等について検討し理事長に報告する。
(提訴の要否の議決)
第17条 理事長は座長からの報告を会長に報告・協議し、必要があると判断する場合は、会長は理事会を招集し、理事会において提訴の要否について議決する。
(提訴)
第18条 会長は、理事会において提訴が必要と議決した場合には、法第41条第1項、規則第32条第1項及び第2項に基づき、被告となるべき者に、次の事項を記載した書面によりあらかじめ差止請求を行う。
(1)協会の名称及び住所並びに代表者の氏名
(2)協会の電話番号及びファクシミリの番号
(3)事業者等の氏名、又は名称及び住所
(4)請求の年月日
(5)法第41条第1項の請求である旨
(6)請求の要旨及び紛争の要点
(7)訴えを提起し、又は仮処分命令を申し立てる場合における、予定する裁判所
2 会長は、当該事業者等が差止請求を拒否した場合、又は事業者の対応が消費者の利益に反すると判断した場合には、法41条の規程に基づきその訴えを提起する。
(業務の公正な実施の確保)
第19条 業務の公正な実施の確保のため、役員、専門検討委員及び団体訴訟検討員は以下の各号の定めに従わなければならない。
(1)役員が、事業者の役員または職員である場合、過去2年の間に事業者の役員または職員であった場合、もしくは新たに事業者の役員または職員となる場合、その事業者の名称ならびに役職名を理事長に届け出なければならない。
(2)役員、専門検討委員及び団体訴訟検討員は、現在及び過去2年の間において次の各号に該当する場合には、選定された事案について差止請求の要否及びその内容の検討並びに差止請求の要否の議決、提訴の要否等の検討並びに提訴の議決に参加することができない。
① 役員、専門検討会議に参加する専門検討委員である弁護士が、業務を受任している事業者及び事業者団体の差止請求に関して協会が検討を開始した場合
② 役員、専門検討委員、団体訴訟検討員が差止請求の相手方事業者と次のような関係を有する場合
ⅰ 個人事業主として当該事業者と取引関係を有する場合
ⅱ 当該事業者と取引関係を有する組織の役職員であって、当該事業者との取引の担当者若しくは責任者である場合
ⅲ 相手方事業者の役職員である場合
③ 役員、専門検討委員、団体訴訟検討員が差止請求の相手方事業者及び事業者団体と特別な利害関係を有する場合
④ 理事が事業の内容や市場の地域性等を勘案して差止請求に係る相手方である事業者と実質的に競合関係にあると認められる事業を営み又はこれに従事するものである場合その他の兼職の状況が適格消費者団体による差止請求の適正な行使に影響を及ぼし得る場合
(3)差止請求の要否及びその内容の検討並びに差止請求の要否の議決、提訴の要否等の検討並びに 提訴の議決に参加した理事との間において、協会が差止請求権の行使に関し当該理事との間で当該 行使にかかる相当な実費を超える支出を伴う取引をする場合には、当該取引の相手方となる理事は、当該取引に係る議決に参加することができない。
(他の適格消費者団体への通知及び内閣府総理大臣への報告)
第20条 協会は、法第23条第4項、規則第14条、規則第16条及び第17条の定めに基づき、次に掲げる場合には、遅滞なく、規則第15条に定められた方法により、その旨及びその内容を他の適格消費者団体に通知するとともに、内閣総理大臣に報告をする。
(1)法第41条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規程による差止請求をしたとき。
(2)前号に掲げる場合のほか、裁判外において差止請求をしたとき。
(3)差止請求に係る訴えの提起(和解の申立て、調停の申立て又は仲裁合意を含む。)又は仮処分命令の申立てがあったとき。
(4)差止請求に係る判決の言渡し(調停の成立、調停に代わる決定の告知又は仲裁判断を含む。)又は差止請求に係る仮処分命令の申立てについての決定の告知があったとき。
(5)前号の判決に対する上訴の提起(調停に代わる決定に対する異議の申立て又は仲裁判断の取消しの申立てを含む。)又は同号の決定に対する不服の申立てがあったとき。
(6)第4号の判決(調停に代わる決定又は仲裁判断を含む。)又は同号の決定が確定したとき。
(7)差止請求に係る裁判上の和解が成立したとき。
(8)前二号に掲げる場合のほか、差止請求に係る訴訟(和解の申立てに係る手続、調停手続又は仲裁手続を含む。)又は差止請求に係る仮処分命令に関する手続が終了したとき。
(9)差止請求に係る裁判外の和解が成立したときその他差止請求に関する相手方との間の協議が調ったとき、又はこれが調わなかったとき。
(10) 法第12条第1項から第4項までに規定する当該事業者等の行為の停止若しくは予防に必要な措置をとった旨の連絡を受けた場合におけるその内容及び実施時期に係る情報を受けたとき。
(11)差止請求に関し、請求の放棄、和解、上訴の取下げ、その他、規則16条で定める手続に係る行為であって、それにより確定判決及びこれと同一の効力を有するものが存することとなるものをしようとするとき。
(12)訴状(控訴状及び上告状を含む。)の補正命令若しくはこれに基づく補正又は却下命令がされたとき。
(13)前号の却下命令に対する即時抗告、特別抗告若しくは許可抗告若しくはその即時抗告に対する抗告裁判所の決定に対する特別抗告若しくは許可抗告又はこれらの抗告についての決定の告知がされたとき。
(14)再審の訴えの提起若しくは第12号の却下命令で確定したものに対する再審の申立て又はその再審の訴え若しくは再審の申立てについての決定の告知がされたとき。
(15)前号の決定に対する即時抗告、特別抗告若しくは許可抗告若しくはその即時抗告に対する抗告裁判所の決定に対する特別抗告若しくは許可抗告又はこれらの抗告についての決定の告知がされたとき。
(16)再審開始の決定が確定した場合における本案の裁判がされたとき。
(17)仲裁判断の取消しの申立てについての決定の告知がされたとき。
(18)前号の決定に対する即時抗告、特別抗告若しくは許可抗告若しくはその即時抗告に対する抗告裁判所の決定に対する特別抗告若しくは許可抗告又はこれらの抗告についての決定の告知がされたとき。
(19)保全異議又は保全取消しの申立てについての決定の告知がされたとき。
(20)前号の決定に対する保全抗告又はこれについての決定の告知がされたとき。
(21)訴えの変更、反訴の提起又は中間確認の訴えの提起がされたとき。
(22)附帯控訴又は附帯上告の提起がされたとき。
(23)移送に関する決定の告知がされたとき。
(24)前号の決定に対する即時抗告、特別抗告若しくは許可抗告若しくはその即時抗告に対する抗告裁判所の決定に対する特別抗告若しくは許可抗告又はこれらの抗告についての決定の告知
がされたとき。
(25)請求の放棄若しくは認諾、裁判上の和解、調停における合意又は仲裁法第38条第1項の和解の効力を争う手続の開始又は当該手続の終了がされたとき。
(26)規則第17条第15号に定める「攻撃又は防御の方法の提出その他の差止請求に関する手続きに係る行為」のうち、協会が準備書面等の主張書面、証拠説明書、証拠申出書を提出したとき。また、「攻撃又は防御の方法の提出その他の差止請求に関する手続きに係る行為」のうち、上記を除く情報について、適格消費者団体相互の連携協力を図る見地から団体訴訟室長が通知及び報告をすることを適当と認めたとき。
2 前項の業務は団体訴訟室が行う。
(差止請求情報提供業務の実施方法)
第21条 法第39条の定めにより内閣総理大臣が公表することとなっている差止請求に係る判決(確定判決と同一の効力を有するもの及び仮処分命令の申立てについての決定を含む。)又は裁判外の和解の概要、当該差止請求に係る相手方の氏名又は名称、その他規則第28条で定める当該判決又は裁判外の和解に関する改善措置情報の概要について、協会は速やかに公表する。
なお、差止請求に係る判決等の情報の提供を行うに当たっては、協会は消費者のプライバシーの侵害のおそれ等がある場合を除き、当該判決等の概要のほか、当該判決等の内容についても、個人情報等の取扱いに留意した上で、消費者が理解しやすい方法で提供する。このほか、消費者の被害の防止及び救済に資するために必要な情報の提供を行う場合において、当該情報に他の者の業務に関する情報が含まれているときは、当該他の者の業務が適格消費者団体の業務と誤認されることのないように留意する。
2 前項以外の事項については、公表の是非、公表する事項、公表の方法について、団体訴訟室長が起案し理事長が決裁する。
3 前項の起案並びに決裁に当たっては、消費者被害の拡大防止及び消費者被害の救済に資する観点から、次の事項を総合的に判断する。
(1)当該事案又は類似事案に係るこれまでの被害者・契約者数と被害・契約金額
(2)当該事案又は類似事案に係る今後の被害拡大のおそれ
(3)当該事案を公表することの緊急性
(4)当該事案に関して協会が有する証拠となる資料及び関連資料
(5)当該事案における当該事業者等の対応
(6)その他、公表により社会に与える影響
4 公表は団体訴訟室が行う。
(適格消費者団体であることの疎明方法)
第22条 協会は、差止請求関係業務を行うに際し、相手方からの請求があった場合、内閣総理大臣が適格消費者団体の認定をした旨を通知する書面の写しを提示する。
第4章 適格消費者団体相互の協力等
(適格消費者団体相互の連携協力)
第23条 協会は、他の適格消費者団体と会議(Web 会議も含む)、書面、電子メール等により情報交
換を行い、適格消費者団体相互の連携に努める。
(消費者被害情報の共有に関する基準と方法)
第24条 他の適格消費者団体との消費者被害情報の共有は次の方法による。
(1)差止請求に係る事案の検討に当たって、必要に応じて他の適格消費者団体に対して事案の要旨及び使用目的を明示して、当該事業者等に関して保有する件数及び事例の要旨並びに必要に応じて、その他参考となる資料の提供を求める。この場合、本規程を提示して情報の管理及び秘密の保持の方法について説明する。
(2)他の適格消費者団体から、事業者等に関する情報提供を求められた場合、協会は、当該事業者等に関して保有する件数及び事例の要旨、並びに情報提供することを適当と認めるときは、その他参考となる資料を理事長の決裁を経て提供する。ただし、この場合、当該団体に対して事案の要旨及び使用目的を明示することを求めるとともに、当該団体の業務規程に照らして情報の管理及び秘密の保持が適切に行われることを確認した上で、該当する情報を保有している場合には提供する。この場合、協会が既に差止請求を行うことを決定しているものについては、その旨連絡する。
(3)情報提供を受けた適格消費者団体には、当該事案に関する理事会における議決結果を速やかに報告する。
(差止請求権の行使の状況に関する情報ならびに意見交換の実施の基準と方法)
第25条 差止請求権の行使の状況に関する情報提供については、第21条に定める内容について、同条に定める方法による。
2 差止請求権の行使の状況に関する意見の交換については、適格消費者団体間で、必要に応じて電話、電子メール、Web 会議、面談で行う。
第5章 情報の管理及び秘密保持の方法
(文書等の管理・保管)
第26条 個人情報を含んでいる消費者被害に関する情報の管理・保管は、次により行う。
(1)「週末電話相談」「電話相談110番」として本部事務所及び関西事務所、北海道事務所で受付けた相談情報については、相談内容(相談者の氏名、連絡先、事業者名含む。)、助言又はあっせんを記載した相談カード又は電子媒体で入力したもの及び関連して収集した資料をそれぞれの事務所で所定の場所に受付け順に管理・保管する。電子媒体に入力したものは、本部事務所に集約し管理・保管する。
(2)第11条第1項第3号及び第4号に定める情報については、団体訴訟室において管理・保管する。
2 前項1号の消費者被害に関する情報の中から事業者等の不当な勧誘、契約条項、表示等に当たると考えられる事案については、相談カード及び関係資料の写しをそれぞれ管理している事務所から団体訴訟室に送付し、団体訴訟室において所定の場所に管理・保管する。
3 前項の情報から差止請求の検討若しくは差止請求を行った事案については、団体訴訟室において次の書面を事業者ごとにファイルし、所定の場所に保管する。
(1) 当該事案について整理した相談・情報内容の概要
(2) 当該事業者名及び必要に応じて登記事項証明書
(3) 国民生活センター又は地方公共団体から提供を受けた情報
(4) 他の適格消費者団体から提供を受けた情報
(5) 理事会、専門検討会議の議事録(第34条第6号、7号に定める書面)
(6) 差止請求権の行使に関し事業者等との交渉経過(第34条第1号に定める書面)
(7) 裁判外における差止請求の内容及びその結果
(8) 訴訟、調停、仲裁、和解、強制執行、仮処分命令等の概要及びそれらの結果(第34条第
2号に定める書面)
(9) 差止請求情報提供業務の概要(第34条第4号に定める書面)
4 紙媒体に記録されている情報を破棄する場合には、判読できないように処理する。
5 差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理及び秘密の保持については、この章の規定の趣旨に従い、適切に実施する。
(文書等の管理責任者の配置)
第27条 前条に定める情報及び関連資料(これらすべての資料を、以下「管理資料」という。)を適切に管理するため、情報管理責任者として前条第1項に該当する情報については事務局長、第2項に該当する情報など差止請求関係情報については団体訴訟室長を当てる。ただし、関西事務所及び北海道事務所に保管されている情報の管理は、それぞれの事務所長が代行する。
(文書等の盗難防止策)
第28条 管理資料は、指定のキャビネットに施錠して保管し、その鍵は事務局長、団体訴訟室長、関西事務所長、北海道事務所長が管理する。
(文書等へのアクセス制御)
第29条 管理資料を閲覧・コピーできる者は役員、専門検討委員及び団体訴訟検討員とする。ただし、第26条第1項各号に定める相談情報については、相談担当者も閲覧できるものとする。
2 管理資料のうち、電子化している情報については、本部において特定のドライブに保管する。
3 前項の電子情報を閲覧・コピーする場合、ドライブにアクセスできる端末の立ち上げには、パスワード入力を課し、閲覧・コピーすることができるのは役員、専門検討委員及び団体訴訟検討員とする。
4 上記の管理資料を閲覧・謄写するため所定の場所から持ち出す場合、情報が入力されている電子媒体を閲覧しコピーするため持ち出す場合には、それぞれ事務局長、団体訴訟室長、関西事務所長及び北海道事務所長の了解を得なければならない。
(情報の管理及び秘密保持に関する研修)
第30条 団体訴訟室長は規程の運用開始時、改正時に役員、専門検討委員及び団体訴訟検討員に対して規程の内容について説明を行う。
2 団体訴訟室長は役員、専門検討委員及団体訴訟検討員に異動があった場合、新任の役員、専門検討委員及び団体訴訟検討員に対して規程の内容について説明を行う。
(情報の管理及び秘密保持に関する服務規程)
第31条 情報の管理及び秘密の保持に関し役職員、専門検討委員及び団体訴訟検討員は、次の事項を守らなければならない。
(1)消費者被害の発生防止又は拡大防止及び被害救済を実施する目的のためにのみ、消費者被害情報を利用すること。
(2)消費者被害情報のうち、第26条第1項に定める情報は、差止請求関係業務のみに利用すること。
(3)第三者に明らかにしない条件の下で取得した情報の第三者への開示など、差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理及び秘密の保持に関して、適格消費者団体に対する信頼を損なう行為をしないこと。
(4)消費者の被害の防止及び救済に資することを目的とせずに、事業者その他の者を誹謗・中傷し又は特定の事業者による営利事業の広告若しくは宣伝をすることを目的として、消費者に対する情報の提供を行わないこと。
(5)消費者から消費者被害情報の提供を受ける場合には、消費者被害の発生防止又は拡大防止及び被害救済を行うために実施すること、並びに個人情報の保護等その取り扱いについて明示すること。また、担当する者はそれに従うこと。
(6)差止請求関係業務を実施する以外の目的のために第2号の情報を利用しないこと。
(7)理事、専門検討会議の構成員に配布された資料(理事会の資料・議事録等、専門検討会議の資料・議事録等)について、各々の者が保管する場合には、各自が定める所定の場所で保管すること。
(8)前号の資料を廃棄する場合、当該資料のうち個人が特定できる消費者被害情報については、判読ができないようにしなければならないこと。また、個人が特定できる消費者被害情報が電子データとして提供された場合、データを保管している電子媒体から削除すること。
(秘密保持の義務)
第32条 役職員、専門検討委員及び団体訴訟検討員は、差止請求関係業務により知り得た秘密を在任中ならびに退任、退職後も正当な理由なく外部に漏らしてはならない。
(収集情報の活用に当たり、情報提供者が特定される恐れのある場合の当人への同意の取得)
第33条 消費者から収集した消費者被害に関する情報に関して、当該事業者等への差止請求、差止請求に係る提訴、公表等を行う場合、第三者に情報提供者が特定される恐れがある場合には、事前に当該情報提供者に対して下記事項について書面により通知し、当人から書面による同意を得なければならない。
(1)使用する情報の内容
(2)当該情報を使用する目的(差止請求、差止請求に係る提訴、公表など)
第6章 帳簿書類の作成及び保存
第34条 法第30条並びに規則第21条第1項に定められた帳簿書類として、次の資料をガイドラインに従って作成する。この帳簿書類は、毎事業年度末をもって閉鎖し、閉鎖後5年間保存する。
(1)差止請求権の行使に関する相手方との交渉の経過の記録(団体訴訟室員が下記項目の記録を作成し、団体訴訟室長がその内容を確認したもの)。
① 交渉の相手方の氏名又は名称
② 事案の概要及び主な争点
③ 交渉日時(法41条 1 項に規定する書面を発送した日を含む)、場所及び方法
④ 交渉担当者
⑤ 交渉内容及び相手方の対応等
(2)差止請求権行使に関し、協会が訴訟、調停、仲裁、和解、強制執行、仮処分命令の申立てその他の手続きの当事者となった場合、その概要及び結果の記録(当該事案の代理人となった弁護士が作成したもの)。
① 訴え提起等の被告となるべき者の氏名又は名称
② 事案の概要及び主な争点
③ 法的手続きの種類
④ 訴え提起等の日
⑤ 係属裁判所(部)
⑥ 訴え提起等後の経緯及び結果等
(3)消費者被害情報収集業務の概要の記録 (「週末電話相談」については担当責任者が当該年度における相談業務の概要を作成し、「電話相談110番」では、当該業務の担当責任者が下記事項について記載した資料を作成し、事務局長が確認したもの)。
① 当該業務をした日時、場所及び方法
② 当該業務をした結果概要
(4)差止請求情報提供業務の概要の記録(団体訴訟室員が下記事項について記載した資料を作成し、団体訴訟室長が確認したもの)。
① 当該業務をした(情報を公表した)日時、場所及び方法
② 当該業務をした結果等
(5)前各号に規定する帳簿書類の作成に用いた関係資料
① 相手方との交渉の手控え
② 訴状及び準備書面
③ 消費者被害情報収集業務の手控え
④ 差止請求情報提供業務を実施した際の手控え
(6)理事会の議事録
定款36条に基づき作成したもの。
(7)専門検討会議の議事概要
参加した団体訴訟検討員が作成した専門検討会議の議事概要(様式は別紙2)。
(8)定例検討会議の議事概要
参加した団体訴訟検討員が作成した定例検討会議の議事概要(様式は別紙1)。
(9)財務諸表 (定款第42条に定めるもの)
① 財産目録
② 貸借対照表
③ 収支計算書
④ 証憑書類
(10)会費、寄附金その他これらに類するもの(以下、「会費等」という)を納入等した者の氏名、
住所、会費等の金額、納入年月日を記録したもの
(11)法第28条第1項各号に規定する財産上の利益の受領について記録したもの
(帳簿書類の管理)
第35条 協会の帳簿につき、事務局長が管理する。
2 帳簿書類は、会計年度ごとに所管部署において編綴し、文書名、保存の開始日および終了日、その他文書保存の必要な事項を明記して保存する。
3 文書保存期間を経過した文書は、関係部署と協議のうえ、原則として判読できないように処理し処分する。
第7章 書類の備え置き及び閲覧
(書類の備え置き及び閲覧)
第36条 法第31条3項各号に掲げられた次の書類は、本部事務所、関西事務所及び北海道事務所に最低5年間、備え置くものとする。
(1)定款
(2)業務規程
(3)役職員等名簿(役員、職員、専門検討委員及び団体訴訟検討員の氏名、役職及び職業、前事業年度における報酬の有無、差止請求に係る相手方である事業者等と特別の利害関係を有する場合、措置の内容)
(4)協会の社員数を記載した書類
(5)財務諸表等
(6)収入の明細その他の資金に関する事項、寄付金に関する事項、その他規則第25条で定める事項を記載した書類
(7)差止請求関係業務以外の業務を行う場合には、その業務の種類及び概要を記載した書類
(8)調査実施者が実施した調査の方法及び結果が記載された調査報告書
2 本部事務所及び各事務所は、別に定める運営要領による業務時間内に前項各号の書類について所定の書式(別紙3)に基づき法第31条第4項に定める次の請求があった場合、これに応ずる。ただし、拒否すべき正当な理由がある場合には、この限りでない。
(1)当該書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写。
(2)当該書面の謄本又は抄本の交付。ただし、必要経費として1回の請求につき手数料300 円、交付書面1ページあたり10 円のコピー代と送料実費並びに振り込み手数料を合算した金額を、請求者の負担とする。
(3)当該書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面に表示したものの閲覧又は謄写。
(4)前号の電磁的記録に記録された事項の提供の請求に対しては、電子メールでの送付を行なう。ただし、1回の請求に付き手数料300 円並びに振り込み手数料を請求者の負担とする。
附則
1 この業務規程は、協会が適格消費者団体の認定を受けた日から施行する。
2 この業務規程は、理事会の議決により改正することができる。改正した場合には、速やかに内閣総理大臣に届け出るものとする。
平成19年11月9日平成22年12月改定平成23年9月改定 平成24年4月改定 平成25年5月改定
平成25年8月7日改定
平成26年11月16日改定平成28年9月27日改定 平成29年11月18日改定
2023年2月4日改定
以上
別紙1
○○年度 〇月〇日 定例会 議事概要
1.日時
2.場所
3.出席者 専門検討委員
○○、○○ ・・・団体訴訟検討員
○○、○○ ・・・
4. 内容
(1)主な意見
(2)検討のまとめ、または結論
※議事概要は、会議資料を添付して保管
別紙2
○○年度 専門検討会議 議事概要
第○○事案 ○○○○に関する検討 (第○○回)
1.日時
2.場所
3.出席者 専門検討委員
○○、○○ ・・・団体訴訟検討員
○○、○○ ・・・
4. 内容
(1)主な意見
(2)検討のまとめ、または結論
※議事概要は、会議資料を添付して保管
別紙3
公益社団法人 全国消費生活相談員協会理事長 殿
請求年月日 年 月 日住所
氏名
連絡先(電話・メールアドレス等)
備え置き書類の閲覧等請求書
消費者契約法第31 条第4 項にもとづき、下記の請求を行います。
書類の種類 | 提供方法(請求に該当するところに○を記入) | |||
書面の閲覧又は謄 写 | 書面の謄本又は 抄本の交付 ☆ | 電磁的記録の閲覧 又は謄写 | 電磁的記録の電子メ ールでの送付 ☆ | |
定款 | ||||
役職員名簿 | ||||
当協会の社員数並びに正会員である団体の構成員数 | ||||
財務諸表(財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書) | ||||
収入の明細その他の資金に関する事項、寄附金に関する事項その他の経理に関する事項を記載した書類 | ||||
差止請求関係業務以外の業務を行う場合には、その業務の種類及び概要を記載した書類 | ||||
第三者調査の方法及び結果が記載された調査報告書 |
※ ☆印は有料となります。
書面の謄本又は抄本を希望の場合、請求1 回の手数料300 円+(コピー1 枚10円×コピー枚数)+送料+振込手数料が必要です。
電磁的記録の電子メールでの送付を希望の場合 、請求1 回の手数料300 円+振込手数料が必要です。
※書面の抄本請求の場合は、閲覧のうえ、コピー必要部分を指定してください。