このへんは各消費生活センター等も、 FAQ の中で、引越等につきましては標準の約款がありますので確認をしましょう、ということを、掲載してるところも結構あるよう です。そういうふうに申し上げますと、消費者は、そこで初めてこの約款というものの存在を意識します。これが一般的な消費者の状況です。
消費者契約に関する検討会第4回 議事録
消費者庁消費者制度課
第4回 消費者契約に関する検討会
1.日 時:令和2年5月13日(水)9:30~12:00
2.場 所:オンライン開催
3.議 題
(1)契約条項の開示・不当条項等
(2)意見交換
4.出席者
(委員)
xxxx委員(座長)、xx委員、xx委員、楠委員、xx委員、xx委員、髙橋委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員、
xxxx委員、xxxx委員、xx委員
(事務局)
xxxxx、xx消費者制度課長、xx課長補佐
(オブザーバー)
国民生活センター、法務省、最高裁判所
〇xx消費者制度課長
皆様おはようございます。事務局でございます。定刻になりましたので第4回の消費者契約に関する検討会を開催させていただきます。本日は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、座長を含めて委員、オブザーバーの皆様にはオンラインでお繋ぎをしております。皆様にはご多忙のところご出席賜りましてありがとうございます。
本日はxx委員が欠席、楠委員、xxxx委員、それからxx委員が途中参加ということで承知しております。それでは以降の進行は、xxxxにお願いいたします。
〇xxxx座長
はい、聞こえていますでしょうか。
〇xx消費者制度課長
はい聞こえております。
〇xxxx
ありがとうございます。このような形で初めてとなりますけれども、本日もよろしくお願いいたします。本日の議題は、契約条項の表示、不当条項に関する検討になります。まず、事務局から接続と資料の確認をお願いいたします。
〇xx消費者制度課長
※接続確認を行う。
次に資料の確認でございますけれども、議事次第記載のとおり、事務局より資料の1としまして、契約条項の表示・不当条項についてというものをご用意させていただきます。以上でございます。
【2.事務局資料の説明(契約条項の開示・分かりやすい表示)】
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、事務局資料について、事務局から説明をお願いいたします。まずは、3 ページから 14 ページまでの「契約条項の事前開示、分かりやすい表示」について説明をお願いいたします。
〇xxxx
それでは事務局から約 10 分で3ページから 14 ページまでの部分をご説明させていただきます。
3ページ以降は契約条項の事前開示という論点になります。4ページの上段ですが、この議論は民法の一部を改正する法律によって定型約款に関する規律が創設されたことがきっかけになります。
この規律では、定型約款の内容を事前に相手方に開示するということを定型約款の組み入れの要件としていませんで、相手方が開示請求した場合に、定型約款準備者に開示義務を課すに止めているという規定になっております。
5ページに、簡単にこの定型約款の規定をまとめているのでご覧ください。
5ページの表の一番上の「定型約款とは」ですが、定型取引という取引において使われる条項の総体を定型約款と称しているということになります。
次に、表の上から二段目ですが、定型約款の個別の条項についても合意したものとみなす要件です。先ほど申し上げた組入要件になります。定型約款といういわゆる約款の内容について契約の内容とする旨を合意したとみなすための要件ですが、(1)、(2)に書いているとおり、定型約款を契約内容とする旨の合意をした時と、定型約款を契約の内容とする旨を表示していた時と、この二つの場合が書いてあります。事業者とすれば、ここに書いてあることはしなければいけませんという規律になっています。
ポイントとして、定型約款の内容を事前に示すことは、定型約款の内容を契約内容に組み入れるための要件とされていないということが挙げられます。
表の三段目にある定型約款の内容の表示ですが、(1)にあるとおり「相手方から請求があった場合には、定型約款を準備した者は、相当な方法で定型約款の内容を示さなければならない」とされております。合意の前に請求を拒んだときには定型約款の個別の条項について合意したものとみなされないという効果が発生します。
このように、定型約款の規定では定型約款の内容を事前に相手方に示すことが組み入れの要件にされておりません。4ページの中段から下段ですが、定型約款のこのような規定を踏まえて、消費者契約の中では定型約款の内容を知らない消費者のために消費者契約条項の事前開示を求める規律を設けるべきではないかという指摘があり、かつて議論されました。
また、平成 30 年の消費者契約法改正の時の附帯決議でも、消費者が事前に消費者契約の条項を容易に知ることができるようにするための契約条項の開示の在り方について検討を行うということが求められています。
6ページをご覧ください。先ほどの民法の規定を踏まえて、かつて消費者契約法改正に関する専門技術的側面の研究会という研究会で、この論点が検討さ
れました。そこでは民法の規律を補完するものとして、消費者契約法に、①、
②と書いてある努力義務を設けるという考え方が提案されました。このページの一番下段に消費者契約法の3条という条文をあげさせていただいておりま す。事業者に情報提供の努力義務を課すという規律になっております。そしてこの規律の中に、この①、②の定型約款の開示請求権に関する情報提供の努力義務と、定型約款を容易に知り得る努力義務を置くといった考え方が提案されました。この具体的な内容につきましては、これから簡単にご説明させていただければと思います。
次に7ページをご覧ください。7ページは定型約款を補完する規律を消費者契約法で設けるという時に、法律以外の視点も使えるのではないかということです。ご説明した専門技術的側面の研究会でも言及されていますが、民法の規律は「消費者が開示の請求をした時に初めて定型約款の内容を開示する」としてあらかじめ定型約款の内容を表示しないということをデフォルトのルールにしています。
行動経済学においては、消費者が複数の選択肢を有している場合にデフォルトとして設定されている選択肢が選択されやすいというバイアスが存在すると考えられています。定型約款に関する民法のデフォルトのルールについては、消費者のバイアスの存在を踏まえると、定型約款の内容を確認するという消費者のコストをさらに高めてしまうという方向に働くこともありうると考えられます。このような視点から改正民法の内容を補完するという規律は考えられないかという提案をさせていただきました。
8ページをご覧ください。定型約款の開示請求権に関する情報提供の努力義務になります。最初にご説明した定型約款に関する民法の規律で、開示請求権という権利が定型約款の準備者の相手方には認められているのですが、この権利は「消費者が定型約款の内容を知る権利を保障する」という意義を有すると考えています。ただ、このような開示請求権が存在するということについて、必ずしも消費者が知っていると期待できないと考えられますので、開示請求権が存在するということを消費者に情報提供する規律を設けることは考えられないかという提案になります。
この提案については、「では事業者に何か負担が生じるんじゃないか」という視点もあるわけですが、最初にご説明した定型約款の規定では定型約款を契約内容とする旨の合意をしたり、その旨の表示をするということが要求されております。
具体的には9ページの一番上の表にあるような行為が、定型約款を準備する者には求められております。すると、このような一定の行為が求められているところに併せて、定型約款の開示請求権もあります、ということを伝えていた
だくという努力義務を設けたとしても、事業者に加わる負担は、新たに過大なものにはならないのではないかと考えています。
また参考になる類例ですが、8・9ページの下段にありますとおり、特定商取引法や割賦販売法ですとか、既存の消費者保護に関する法律では一定の権利について消費者に告知させるという規律も存在します。定型約款の開示請求権について消費者に情報提供させるという記述については、これら既存の消費者保護に関する規律の存在とも整合すると考えられます。これらを踏まえて、今後の検討の方向性として、消費者契約法に定型約款の開示請求権の情報提供の努力義務を創設するということは考えられないかという提案をさせていただきました。
次に 10 ページをご覧ください。10 ページは「定型約款を容易に知り得る状態に置く努力義務」となります。こちらは「消費者が開示請求をしないでも、そもそも定型約款の内容を容易に知り得る状態に置いておくということが求められるべきである」という指摘がされていることを踏まえたものになります。この提案についても、専門技術的側面の研究会で議論がされまして、10 ページの中段にあるように、貨物自動車運送事業法や、電気通信事業法などの既存の業法では、約款を定めるということを義務付けた上で、営業所に置いて公衆に見やすいように掲示する、などの表示の義務を課しているものがあります。
このような類例が参考になるとは考えられるのですが、一方でこれらは特定の契約ですとか、特定の業種に限定された規律であり、消費者契約一般を対象に、このような規律を努力義務として設ける場合に、事業や契約内容に応じて事業者に求められる行為を明確化することは、必ずしも容易ではないと考えられます。
この点について、過去の議論でも「事業者に求められる行為をどのように明確化するのか」という点で問題があり、コンセンサスが得られていないという状況です。そこで、11 ページにいくつかの事業者団体が行われた自主的な取り組みを紹介させていただいていますが、このような事業者の自主的な取り組みに委ね、法律で一律に規律するということは適切ではないのではないかと考えています。
その際には、この 11 ページの下段にあるんですけども、消費者団体の意見を聴取するなどして消費者の意見も踏まえるという取り組みもありますので、このような取り組みは事業者にとってもどのような行為が必要かということを明確化できるという点でメリットがあるとふうに考えております。
以上が契約条項の事前開示ですが、13 ページと 14 ページは契約条項の分かりやすい表示という議論になります。先ほどの議論は定型約款に消費者がアクセスしやすくするという考え方ですが、これとは異なり重要な契約条項につい
ては消費者が分かりやすいように表示するということを促すことも必要であるという指摘がされていることを踏まえたものです。
14 ページの上段の表に記載したように電気通信事業法や特定商取引法など既存の業法の中には契約条項のうち一定の事項、例えば氏名や、事業者の氏名や契約の内容や消費者が払う代金、といった一定の事項を対象に書面を交付するなどを義務付ける規律が存在します。そこで、同様の規律を消費者契約法に置くことができるのかという問題です。もっとも、このような規律は特定の事業形態や業種を対象に個別に規律を設けておりますので、消費者契約一般の議論というのは難しいのではないかと考えております。
重要な契約条項について、消費者に分かりやすく表示するという規律については、個別の業種や業態を踏まえた検討が必要と考えております。
そうしますと、14 ページの下段に記載したようにデジタル・プラットフォーム事業者の利用規約が、個別の業種や業態を踏まえた検討としてありえるのではないかということで書かせていただきました。昨今、デジタル・プラットフォーム事業者の利用規約について、必ずしも消費者にとって分かりやすいものになっていないと、そういった可能性が示唆されております。
具体的にはこの 14 ページの参考に書いている「オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会報告書」という、消費者委員会の報告書に「利用規約について読むのが面倒くさい」ですとか「細かい文字の羅列で読みにくい」といった回答が一定程度見られるということが示唆されております。
こういったことを踏まえて、デジタル・プラットフォーム事業者の利用規約について、どのような表示がありうるのか。特に、デジタル・プラットフォーム事業者の利用規約のどういった点が分かりにくいのか。分かりにくさの本質は何なのかということについて、色々議論していく必要があるのかと考えております。
この論点については、契約条項の分かりやすい表示ということで消費者契約法に関係する論点であるため、本研究会で皆様からご意見いただきたいのですが、より詳細な検討についてはデジタル・プラットフォーム企業の開催する消費者取引における環境整備に関する検討会という、消費者庁の検討している別の検討会でも引き続き検討するということはどうかという視点を示させていただきました。
事務局からの説明は以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それではまず3ページから 10 ページまでの
(1)契約条項の事前開示について、委員の皆様からご意見があればお願いいたします。まずは、これまでとやり方を変えまして、私から順番に指名をさせていただきます。5名程度のご意見が出た後に、一度、切るようにいたしま す。一巡した後は、お名前と発言されたい旨をチャットで送信いただければ、指名をさせていただきます。
なお、先ほど事務局からもお願いがありましたように、発言される委員におかれましては、円滑な進行のため、ご発言の際にはおおよその目安ですけども
1分程度でご説明いただきますよう、ご協力の程よろしくお願いをいたします。
それでは、名簿の順に従ってお願いをいたします。まず、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
ありがとうございます。(1)について、ですね。
〇xxxx座長
はい、そうです。
〇xx委員
(1)について、まず開示請求権についての努力義務という点ですけれど も、開示請求権というのは、定型約款が契約内容として認められるために非常に重要ですので、この点の情報提供は、まさに必要だと考えております。ただ気になる点もございます。
ひとつは、開示請求権を努力義務として書いてはどうかという点について、現行の消費者契約法第3条1項2号との関係です。すでに現行法におきまし て、3条の1項2号においては、消費者契約の内容についての必要な情報を提供するということになっておりまして、これ自体はまさに定型約款の中身そのものが、消費者契約の内容になってくるわけですので、それを示すということがすでに求められています。
先立つ検討会におきましても、この関係が定型約款の規律についての新たな努力義務との関係で問題になりましたけれども、むしろ、既に現行法が要求している中で、定型約款に即した、より具体的な在り方をさらに設けるものであり、いわば、この具体化としての話ではないかというふうに理解しておりました。
そうしたときに、開示請求権というのは、すでにもう開示しなければいけないという、努力義務かもしれませんけれども、そうなっているところに、請求権がありますよと言うというふうに定めることが、どういう意味を持つのかという点は少し解明する必要があると思います。
むしろ、これが置かれることによって、「開示が必要な努力義務として、そもそも契約内容、定型約款の内容を示す必要はないんだ」というようなインプリケーションになると、それは非常に問題で、むしろ、開示請求に対して、応じなければいけないのはもちろんですが、そもそもが、消費者契約の内容は出さなければいけないということが定められているという前提で、しかしそれを知る機会を具体化、実質化していくために開示請求もあるということであっ て、開示請求権についてはそれがあるというだけではなくて、どういうふうにすれば具体的にそれが行使できるのかというのをより明確にしていくというような観点から位置付けるべきではないかと思っております。
それから二点目の、「容易に分かりやすい状態に置く」というのも、同様にすでに現行法から要求されるところではないかというふうに考えておりますけれども、なかなかその具体化が難しいということで、事業者の自主的な取り組みに期待するという部分は多いですけれども、しかしそれを促すような規定というのは必要ではないかと思っております。
例示として、すでに試みとして示してくださってるのは非常に心強いことですけれども、団体があっても、それほど積極的に取組がされないとか、そういう団体自体がなかなか存在しないという場合もある中で、そういう穴を埋めると言うか、そのために後押しをするというような規律をやはり考えていいのではないかと思っております。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは続きまして、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい、経済学の観点からちょっと申し上げさせていただきます。先般から申し上げているように、経済学にとっては取引にとって一番重要なのは、事業者側も消費者側も得をするということであります。そのためには、消費者が、まあ事業者は自分で売っている商品が何かというのはよく分かっていると。ただ消費者に関しては、それが必ずしも自明ではないので、消費者に何を買っているのかというのを明らかにする必要があるわけでありまして。
それから考えるとですね、開示請求権に関しても、これは商品の内容の構成を構成するものでして、これを知らしめるということは当然のことだと考えます。それから、容易に、その契約がですね、分かりやすい状況に置くということも、当然のことだろうと考えております。以上です。
〇xxxx
それでは続きまして、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい、ありがとうございます。xxでございます。今、最初にxx委員のお話、大変分かりやすく、消費者としても契約をする時には、どういう契約をするのかということを分かって契約をするっていうのは、やはり消費者にとっても当たり前のことで。それはもうすでに消費者契約法第3条のところで、事業者の努力義務ということが入っておりますので。
そうですね、特に、開示をする権利があるんだというふうに、最初、消費者庁さんからの説明を聞いた時には、それも有りかなあと思ったんですけれど も、その前に、やはりこの消費者契約法第3条に基づいて、事業者が分かりやすく説明をするということは、本当に、法令に則って、やっていただきたいことですので、これをどういうふうに進めていくのかというのを具体的に促していくというところがいいのではないかなというふうに思っています。
それから、分かりやすい表示についても、やはり同様でして。これはもう当然のようにやっていただかないと、消費者もなかなか契約する時には困ってしまう。契約する、しようという気持ちにさせないのではないかなというふうに思っております。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。「(1)だけ」と先ほど申し上げましたけれど も、分けにくいですね。(2)の分かりやすい表示についてもご意見いただいていますので、全てまとめてご意見をいただければと思います。
xx委員及びxx委員、もし(2)について補足すべき点があれば、今お願いしてよろしいでしょうか。では、xx委員お願いします。
〇xx委員
はい。分かりやすい表示についてなんですが、これになってくると事業者の側が、そういうのを作るのが大変だというのが当然出てくると思います。
経済学的にどうやって考えることができるかと申しますと、契約内容を消費者が正確に把握するためにはコストがかかります。それは、消費者の側がその契約内容を知るためにも時間を使わなければいけない、よく読まなければいけない、というようなコストがかかる。
事業者の側には、どういうようなですね、冊子を作る、分かりやすい提示の仕方をするというようなコストがかかります。そうすると、どちらがそのコストを負担したらいいかという論点になってきます。
それに関しては、基本的には事業者が負担するべきだというように考えま す。なぜかと言うとですね、消費者は個々かそれぞれの個々の内容を理解するために、個人個人その費用を負担しなければなりません。それは時間も含めてです。時間とか努力というコストを含めて個々が負担しなければならない。
事業者に関しては商品を売る、その商品に対してコストを払えばいいので。コストをですね、足し上げるとですね、消費者が、一人一人が、その時間を使った時のコストのほうが、事業者が、たとえば冊子を作る、分かりやすい紙っぺら一枚を作るというようなコストのほうが、総和としては低くなります。ですので、社会的にはですね、事業者のほうが負担すべきだという考え方になります。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。xx委員、補足していただけるでしょうか。
〇xx委員
ありがとうございます。分かりやすさの点につきましても、現在の消費者契約法第3条の1項2号には、消費者の知識及び経験を考慮した上で消費者契約の内容について、まさに理解できるような形で示さなければいけないということですから、何か小さい字で条項が羅列されているというだけでは、そもそもこれに当たらないということになりますので、分かりやすい形でというのはすでに要求されており、それをさらに、どう具体化していくかということだと考えております。
その際に、特に重要な条項については認識しやすい形で表示するとか、そういった話は十分、努力義務として対象となっているのではないかと考えております。関連して性二点だけ申し上げますと、ひとつは、そうは言っても、業態ごとに違ってくるという面があります。それに、「何ポイントの活字で」とかいうことは、なかなか一律にも決められないということがありますので、そういった具体化は、それそれで検討していただくべきことだと思います。
しかし、ここでもですが、そういった検討を促すために、特に重要な条項については特別にアラートがされるように注意をするとか、その間をつなぐような技術というのは考えられないだろうかということです。
たとえば保険などですと、保険業法による様々な規律があって、その中で自主的な取組みとしてもまさに分かりやすい保険約款ということで、様々な専門家の検証や、消費者の方の検証を経て、保険約款を改訂してきたというような動きもありますので。法律と、そういう自主的な取組みとが、まさに手を携えてというか、そのためにどういう規律が望ましいかということを考えるべきじゃないかと思っております。
もうひとつ、分かりやすさの点で必ずしもこれは分けられていないように思ったのですけれども、ひとつは、いろいろな契約条項がある中で、とりわけ、影響が大きく、しかし契約時にはなかなか念頭に置かない、例えば債務不履行があったらどうなるのかとか、解約する時にどのくらいの負担があるのかと か、予測しにくいけどその点は分かっていたほうがいいというものや、あるいは、契約時でなくても、必要になった時にさっと見られるというような形で提供されることの重要性といったことがあると思います。
ですので、条項の中に、一種の選別と言いますか、そういう形で、こういうものはきちんと書いていただいた方がいいとか、手法について工夫していただいた方がいいという話がありうるわけで、活字のポイントを何ポイントにするかとかですね、いわば全般的な分かりやすさという話とまた別に考えることができて、二つ話があるのではないかと思っております。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それではもうお一方、xx委員、お願いしてよろしいでしょうか。
〇xx委員
はい、xxです。定型約款の開示についてはですね、使用する業種が限定されていること、中小企業はその種の業務を大手の代理店として実施することが多いこと、消費者でも典型的なものについては、ほとんど改善されていることを鑑み、努力義務であるため規定に追加することに関して、今回の方針について、我々としては、事務局の挙げた案に反対いたしません。
定型約款の開示請求権の方法についてですが、これを法律で一律に規律されてしまうということになると、これを説明、事業者側の説明、どういうような場合に開示請求権というのを行使するのか、常に開示請求権がどういうもので
あるのかということを、いちいち事業者側が説明をするということになると、かなりの負担が生じるのではないか。
ですから、我々は定型約款を容易に知り得る状態に置くで、いいのではないかというふうに考えております。
それと、分かりやすい条項の話ですけれども、消費者団体の方々からは、細かく細分化したところまで明示してほしいという意見もありますし、一方で細かく書きすぎて消費者からは分かりにくいという話もあります。
ですから、どこで分かりやすさを決めればいいのかということです。業界によっては消費者が知りたい内容というものも多分、決まっているかと思いますので。業界のガイドラインに任せていくというのが、現実的な対応ではないのかと。そういうふうに考えます。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、ここで一旦、切らせていただいて、事務局から、ここまでのところでお答えされることありますでしょうか。
〇xx消費者制度課長
ご意見ありがとうございました。恐縮ですけれども、先程の最後のxx委員のご発言が、若干ハウリング気味で聞こえにくかったところがありまして、恐縮なんですけど、xx委員にちょっと確認させていただければと思うのです が。
まず一点。分かりやすい表示については、業界団体の取り組みに委ねたほうがいいんじゃないかとお聞きしましたけれども、一点目の開示請求権については、今回、事務局からは努力義務とするような形での提案をさせていただきましたが、それについては特に反対はないんだとお聞きしてよろしいんでしょうか。
〇xx委員
一応、事務局案に対して我々、特に反対をするということはありません。どちらかと言えば賛成ですという。ただ先程申し上げたとおり、事業者側の説明が煩雑化するので、努力義務程度にしておいていただければということになります。
聞こえてますでしょうか。
〇xx消費者制度課長
ちょっとお待ちくださいね。聞こえてますかね。
〇xx委員
事務局のほう、聞こえてますでしょうか。
〇xx消費者制度課長
ちょっとお待ちくださいね。
〇xx委員
すみません。聞こえますか。
〇xx消費者制度課長
はい、今聞こえてます。途中ノイズのようなものが入ってですね。
開示請求権については努力義務ということについては、反対ではないんですけど、というあたりなんですかね。
〇xx委員
そうですね。努力義務であれば、反対ではありません。
〇xx消費者制度課長
はい、分かりました。ありがとうございました。
〇xx委員
それと、分かりやすい表示という意味では、業界団体に委ねてもらいたいと。
〇xx消費者制度課長
はい。
〇xx委員
業界によってだいぶ消費者の関心の度合いも異なっていると思いますので、一律に「こういうことにしなさい」と言われてもですね、なかなかその対応が難しかったりする場合もあると思います。むしろ業界の自主的な対応に委ねていただいたほうがですね、双方に、消費者にとっても事業者にとっても現実対応ではないかと申し上げた。
〇xx消費者制度課長
ありがとうございました。分かりました。xx委員のご意見は、今、xx委員からお聞きしたとおりだということを前提といたします。まずxx委員からご指摘のありました消費者契約法第3条1項2号との関係ですが、現行法の3条1項2号には、消費者契約の内容についても必要な情報を提供することという条文が一応あります。
この「内容について」というところで、開示請求権についても読み込む余地はあろうかと事務局としては思っておりますが、この消費者契約の内容として元々想定していたのは、その契約の商品の性能や取引条件というものであります。この開示請求権がどこまで読めるかも明確でないところがあるのではないかと。そういう意味では、消費者契約法第3条1項2号を明確化するという意味合いもあり、今回ご提案したところです。
他方で、このような規定を中途半端に設けることによる問題もあるのではないかというご指摘かと思いました。この点は本意とするところではありませんから検討してみたいと思います。
それからもう一点の分かりやすい表示について、xx委員やxx委員からいろいろとご指摘があったところです。また他方で、xx委員がおっしゃったように、業界団体に委ねたほうが合理的ではないかというご意見もあります。
確かに、xx委員のおっしゃるように、業界団体がない分野ではどうするのかという課題は残るところですので、なんらか手立てを講じる必要性は否定できないと思います。最終的に事業者としてどのようにするのが分かりやすい表示として求められるのかという点との兼ね合いもあろうかと思いますので、引き続き検討したいと思います。
取り急ぎ事務局からは以上でございます。
〇xxxx
では、早速で恐縮ですけども、次のクールと言いますのは、髙橋委員、xx委員、xx委員、xx委員、それからxx委員までとさせていただきますが、順にお願いしたいと思います。まず、xx委員、お願いいたします。
〇髙橋委員
はい。この点に関しましては、私はxx委員のおっしゃったことと重複するのですけれども、2の分かりやすい表示の点、分かりやすさの内容につきましては、やはり業界や個別の業種によって、何を求められているのか少しは明らかにされたほうがいいのかなと思っております。
デジタル・プラットフォームの例を出していただいたのですけれども、それに限らず、色々な業種において、ここが分からないと契約のxxが分からない
とかいう事項は、たとえば金融商品の場合でしたら、かなり詳細な規定もあるところではあるんですけれども。通常のインターネット販売のようなケースでありますと、商品の内容に関する分かりやすさなのか、それとも商品の販売方法に関する分かりやすさなのかといったようなことも含めて特定するのが難しいのではないかと思っております。
また、あの消費者契約法第3条との関係に関しても、皆さんのおっしゃるとおり私も開示をしなければならないという努力義務があるということを前提とした上での開示請求権であるということが確認できればよろしいのではないかというふうに思っております。以上です。
〇xxxx
はい、ありがとうございました。では、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい、xxです。約款が相談の現場におきまして登場する頻度が高いのは、引越であるとか、宅配サービスのような分野だと感じております。こういった相談が入りました時は、もちろん個別の状況から相談者の立場に立った解決、既存の消費者契約法上の中で不当条項ではないかも踏まえまして解決にあたります。その中で、国の標準的な引越約款が適用されていることがほとんどで
す、ということをお話しすることがあるわけです。
このへんは各消費生活センター等も、 FAQ の中で、引越等につきましては標準の約款がありますので確認をしましょう、ということを、掲載してるところも結構あるようです。そういうふうに申し上げますと、消費者は、そこで初めてこの約款というものの存在を意識します。これが一般的な消費者の状況です。
約款の中身はさることながら、そもそも約款に対する意識がない。よって、開示請求ができると言われましても、そのこと自体が消費者の行動に結びつかない。そのために、結果として、そのことは知らなかったということで、トラブルに発展しているわけですので、やはり開示されるということを前提としていただかないと、これは消費者、事業者、双方にとって不利益になるのではないかと感じています。
消費者契約法第3条との関係というのも、xx先生のご質問とご説明で理解しましたが、やはり法律に書かれている努力義務というのは、それがマストではないので、どのような形でお話しをしていくかというところが難しいところです。
となりますと、やはりこの消費者契約法第3条で規定している努力義務と、さらに、分かりやすいものを前提としたうえで、そして、開示を前提としたうえで、新たにどういうふうな形で規定を盛り込むか。分かりやすく書いていただくことによって、努力をしなくてはいけないことが、どこの範囲なのかということを明確にしていただくことは、非常に助かると思いました。
それから、この事業者団体それぞれの業態、ということもよく分かります。ただし、実際のところ、これまで説明書きにあるように、様々な約款につきまして、私共消費者団体としましても、会議に参加して意見を申し上げておりますが、やはりそこまで行くには時間がかかります。そうすると新しい分野がどんどん出てくると思います。そういったところに対して、今もうすでにできてるところもありますけれども、そうではないところに対しても包括的に、この約款というものがどういうものであるか、というところをお示しいただくような形で盛り込んでいただければ、ありがたいと思っております。以上でございます。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
まず(1)契約条項の事前開示ですが、消費者契約法に定型約款の開示請求権の情報提供の努力義務を創設することについては、
・具体的に何が定型約款に当たるかが必ずしも明らかでないこと
・一方、『一問一答民法(債権関係)改正』などで定型約款に当たるとされているもののうち、運送約款、電気供給約款、保険約款など、各種業法により監督・規制されているものについては、専門技術的側面の研究会の報告書の参考資料にもあるとおり、当該契約の特性に応じて、約款の作成及び認可または届出、あるいは標準約款の作成など、また、約款の交付、公表、掲示、備置または要旨の掲示、それから、説明や書面交付などについて、その必要性に応じて法定されたり、自主的な取り組みによる対応が行われており、また、各種業法により規制されていないものでも、IT やシステムに関するものについては、ホームページ上で利用規約等が通常、開示されていること
から、努力義務を創設することによる実務上の課題として、
・明らかに定型約款であるとは認識されていないものや、定型約款であることに争いがあるものについて実効性が期待できないのではないかという点
・それから、現在、業法等や実務上行われていることに支障を生じないかという点
の二つが挙げられると考えています。
前者については、例えば、今年の1月の学校法人等の運営等に関する協議会の私学行政課説明資料において、「学則等諸規程」が定型約款の要件を満たす可能性があるとして、民法改正が学校法人に与える影響を記述していますが、必ずしも確定的に定型約款に該当するとするものではありません。ホームページに掲載したり、入学式で交付したりするケースもあるようですが、開示請求権の対象か否かは受験生や合格者には明らかではありません。
また、例えば「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」に基づく標準約款制度においては、理容業、美容業、クリーニング業などの営業者で、標準営業約款に従って営業を行いたい営業者は、各都道府県の生活衛生営業指導センターへ登録の申込を行い、その場合には標準営業約款登録店である旨を表示する標識、Sマークと呼ばれますが、この標識と、同約款の要旨を掲示することが定められており、これは任意選択制とされています。
また、後者については、例えば、各種業法では約款の開示の具体的方法として、当該契約の特性に応じて、交付、公表、掲示、備置、要旨の掲示を分けて規定しており、例えば鉄道営業法では、民法第 548 条の2第1項2号の特則の形となっていますが、公表も可としています。この場合に例えば、切符の裏などに「開示請求権がある」と書くよりも、問合せ窓口の電話番号や約款を掲載しているホームページの URL を記載する方が実効的であるとも考えられます。そのため、このような規定を創設するにあたっては、各種の契約条項の定型 約款への該当有無をできるだけ明らかにしていただくとともに、開示請求権の情報提供について、開示方法、開示場所や問合せ先の情報提供など、努力目標としても、事業者が契約の特性に応じて創意工夫することを阻害しないものと
していただきたいと考えています。
また、定型約款を容易に知り得る状態に置く努力義務については、同様の理由から、今後の検討の方向性②に記載の内容に賛同いたします。
(2)契約条項の分かりやすい表示については、既に申し上げたとおり、業法では様々なことが規定されていますし、また、書面交付の場合には文字の大きxx色、電磁的交付の場合にはその方式など、必要性に応じて法定された り、自主的な取り組みが行われていますから、一律に消費者契約法に規律を創設する必要はないと考えます。
一方で、デジタル・プラットフォーム事業者の利用規約については、当該事業の特性上、必要なものではないか、また、どのようなケースが問題となるのかなど、さらに検討する必要があると考えます。
例えば、画面をスクロールしなければ見ることができない、などというのは、多くが IT に特有の問題であると考えられることから、広く消費者契約に適用される消費者契約法で規律することには馴染まないものと考えます。
すみません。長くなりました。以上です。
〇xxxx
それでは続きまして、xx委員、よろしくお願いいたします。
〇xx委員
まず、その開示請求権というのはですね、多分、一般の方々はやっぱり知らない人、多いと思うので。努力義務であるということでも、もちろん、やったほうがいいと思うんですが、社会心理学なんぞをやっていますと、ただ知ったとしても、多分この請求権は行使しない人も、まだまだいるだろうと思うんですね。
それは、行動経済学でもそうですけれども、ヒューリスティックの概念に関わるところだと思うんですけれども。人間の思考ってのは、どうしてもヒューリスティックになりがちです。ということは逆に、システマティックに熟考してくださいというふうな、促すような内容でないとはいけないんじゃないかと思うんですね。
特にそのシステマティックにどうやって促すのかっていうのは、このポイントは多分三つぐらいだろうと。一番、多分、大きく欠けてるのは、動機づけの問題です。つまり欺罔とか誤解のリスクとかっていうのがないと、そういうのが高いなという認知があると、多分、動機づけが高まる。しかしそういったものがなくて、多分、信じて、まさか自分が騙されたりしないだろうって思いがあると、動機づけが下がってしまう。そこのポイントに考慮すること。
もう一点は、知識の問題ですね。非常に難解な文章が多すぎると思うんですね。そしてまた、法律的な用語の文書のスタイルというのも、難点になっていると思います。そういった意味で、知識に欠けてしまっているので、どうせ読んでも分かんないや、という心理を作ってしまう、っていうのが二つ目。
もう一点目がコストの問題ですね。これは先程xxxx。やはり時間や労力といったものを考えると、信じた方が楽だという心理が働くという意味で。動機、知識、コスト、この三つが必要だろうと。それを考えた上での努力義務という言葉と文言を考えていただければいいかなと思います。
そして次の、分かりやすい表示の問題ですが、それはもう色々皆さん、言ってるとおりだと思うんですけども。私、違った視点で言うと、先程のご意見にもあったと思うんですけれども、事業者と消費者が win‐win であるべきだと
いうのならば、一方的に事業者が作るのではダメだと思います。つまり受け手である消費者の参加が大事だと。どういうことかというと、たとえば、努力義務を課すのに対して一般消費者がその作成に加わることだとか、あるいは実験的な検証を参加させて、とにかく、読めば理解可能であるというような、と言うんでしょうか。効力感を与えるようなものでないといけないと思うんです。以上です。
〇xxxx
はい、どうもありがとうございました。それでは続きまして、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい、xxです。聞こえますでしょうか。
簡潔に申しますと、契約約款を容易に知り得る状態に置く、ということは、当たり前のことですので、これは何らか義務化すべきであると考えておりま す。自主的な取組みに委ねるというのでは弱いと考えております。
理論的な話は民法学者の方とか先生が言われていますので、特に付記することはありませんけれども。xxの在り方としましては、民法第 548 条の2の1項の1号2号の問題になりますが、2号につきましては、たとえば、単に契約約款による旨の表示だけではなくて、契約約款の内容を示したうえでの表示、内容を示すということがやはりxxとして取り入れるべきと考えております。問題となるのは、この内容、定型約款の内容の示し方ということのご議論をされておりますけれども、これがそれほど難しいというのが私にはもうひとつ理解ができないことでございまして。
たとえばオンライン取引。またネット取引において、約款はここを見たら分かりますよ、というリンクを貼っておくというのは簡単にできることでございます。
それから対面取引や、コインロッカーとか、そのような取引においても、約款によりますよという表示をして、さらに、約款はここを見てくれたら分かりますよ、たとえば URL はここですよ、あるいは、QR コードを使うとか。今の時代、いくらでも表示する方法はあるんじゃないかと考えております。
具体的に表示の仕方は私もプロではないので、今言ったことはあくまで例でございますけれども。今、たとえば、飲食店なんかもですね、テイクアウトを始めました、メニューの詳細はここを見てください、QR コードを貼っています、その中で、詳しいメニューの情報などを開示しています。これで、定型約
款と言われるものを表示することが、なぜ難しいのかというのがちょっと理解に苦しむところでございます。
それから定型約款に当たるかどうかというのは、ここの議論とはまた別の問題じゃないかなと思ってます。何を表示したらいいのかどうか、分からないから、それはちょっと議論が違うんじゃないかなと思っております。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、ここで一旦切らせていただいて、事務局からお答えすべき点があれば、お答えいただければと思います。
〇xx消費者制度課長
はい、ありがとうございました。xx委員のご意見はxx委員のご意見などと近いものと承りましたが、xx委員のご意見と先程のxx委員のご意見で、ちょっと開きがあるような印象を受けたのですけれども。
まずxx委員がおっしゃった「何が定型約款に当たるか分からない」ということは、確かに個別事案において、そういうこともあろうかと思いますが、ただ、 B to C 取引においては定型約款にあたることが多いのではないかという前提で民法の定型約款の規律を設けられているものと思います。
そうした場合には、定型約款につきましては、当然、一定の表示でありますとか、開示請求権というルールというのは民法の定型約款のルールの中に、すでに盛り込まれておりますので、これは当然、遵守をしなくてはいけない。そういうものにつきましては、こういった開示請求権に関する情報提供の努力義務は民法の規律との整合性という意味では、それなりにあるのかなというふうに感じておりまして、事務局としては、お示しをしたところであります。このへんはもうちょっと具体的に、実務上の支障という点がどういう点なのかということをもう少し明らかにしていただけますと、事務局としては検討がしやすいというところです。
それから、xx先生がおっしゃったような、分かりやすい表示に向けて、消費者が作成に関わるというご指摘は、従来からも検討会等でもいただいているところではありますので、そこはさらに深掘りをしていきたいと思います。取り急ぎ以上でございます。
〇xxxx
どうもありがとうございました。それでは続きまして、xx委員、xxxx委員。まず、xx委員からお願いしてよろしいでしょうか。
〇xx委員
はい、xxです。聞こえますでしょうか。
基本的には私は事務局のご提案に賛成でございます。一点目の開示請求権に関しましては、約款の組み入れというのはやはり消費者がいつでも契約内容を見ようと思えば見られるという状態にあるということが前提だと考えますの で、開示の権利について、そもそも知らないというような消費者に、開示の権利を知らせる努力というものは最低限必要ではないかというふうに考えております。
二点目の、契約内容の分かりやすい表示のほうですが、こちらは先程のxx委員のご発言にもありましたように、業界と消費者の協力というもので、より具体的な内容を考えていくということ、とくに消費者団体等の協力を得なが ら、事業者が、開示の望ましい在り方を考えていく必要があるかと思いますので、そちらのための努力義務のような形で、記載をする必要があると思いま す。
他方で、あまりにも内容が不明確な契約をしているという場合については、民法はxxx上の説明義務等の形で、事後的救済は図っているわけでもございますので、事前の開示をどこまでするかということについては、事業者と消費者の協力をこれから促進していくという意味での努力義務規定といったものを置くのが適当ではないかというふうに考えております。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは続きまして、xxxx委員、お願いいたします。
〇xxxx委員
私自身はこの問題について、特に提言はありませんけれども、結論的には事務局の提案と言いますか、(1)(2)共に今後の検討の方向性について、特に異論はありません。以上です。
〇xxxx
それでは続きまして、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい、アジアインターネット日本連盟のxxでございます。
まず(1)について申し上げます。そもそも約款の内容を、契約締結前あるいは締結時に事業者から知らされていないことで問題になっているケースがどこまであるのかなということについてもう少し知りたいと思っております。
と申しますのは、デジタル関係のサービスについて申し上げれば、大半の事業者は利用規約等の約款を事前に開示しておりまして、約款の内容を表示しているにもかかわらず、加えて開示請求権がある旨を規定することに、さほど意味があるとは考えておりません。
むしろ、もしかすると問題になっているケースというのは、開示請求権があることを知らされていないことが問題なのではなく、そもそも約款をわざと見せないようにするような、悪意のある事業者のケースではないでしょうか。もしそうであれば、方向性の②のほうにあります約款を容易に知り得る状態に置くよう求めるということだけで十分ではないかと考えております。
約款を容易に知り得る状態に置くことにつきましては、約款の開示方法につきましてはサービスの方法、あるいは媒体によって様々でございますので、一概に方法を定めるということは非常に難しいのかなというふうに思っておりますので、これについては各事業者の自主的な取り組みに委ねるという、事務局のご提案に賛成でございます。
次に(2)の、契約条項の分かりやすい表示について申し上げます。今回、事務局の資料を拝見しますと、なぜかデジタル・プラットフォーマーのみを対象にするかのような資料の構成になっているんですけれども、なぜそういうようなことになってるのかについて、もう少し知りたいと思っております。
デジタル・プラットフォームにおいて、契約条項の分かりにくさというものが原因でトラブルが起こっているケースが果たして存在するのかということについては説明を求めたいと思っております。
そもそも、この契約条項の分かりやすい表示に関しましては、現行の消費者契約法3条1項1号の規定で足りるのではないかというふうに考えておりますし、あるいはサービスの内容によりましては、通信販売のようなものに関しては、特商法で手当がされているというふうに思っております。
また、何人かの委員の方からもご指摘がありましたけれども、業種によっていろんな違いがあるというお話もあったんですけれども、デジタル・プラットフォームと一括りにされるその言葉について申し上げても、デジタル・プラットフォームの中には、たとえばオンラインショッピングの中にも B to C もあれば C to C もありますし、あるいは全く違うソーシャルネットワーキングサービスのようなものまでもあります。
デジタル・プラットフォームというひとつのものを取っても内容は様々であり、今回、事務局の説明では、何かその業法の重要事項説明書のようなものを
想定されているようなふうに拝見しているんですけれども、果たしてその業法の重要事項説明書のような形で、一定の重要項目を抜粋して統一的に表示させるということが現実的なのかと言うとちょっと疑問に思っております。
そもそも現在、デジタル・プラットフォームと呼ばれる事業者が用意している利用規約につきましては、その内容をめぐって恣意的な解釈がされないように準備されているものであり、消費者にとってもメリットがあると思っております。
やや蛇足的なコメントではありますけれども、事務局の説明の中に、読むのが面倒くさいというような消費者のご意見も紹介されているんですけれども、そのような消費者の意見をもって、事業者にのみ何か対応を求めて、分かりやすくない規約は無効だというようなことにでもなれば、規約などは読まないほうがいいという風潮にもつながるのではないかと考えております。以上でございます。
〇xxxx
ありがとうございました。xxxx委員がいらっしゃったようですが、まずは楠委員にお願いして、それからxxxx委員にお願いしたいと思います。まず、楠委員、お願いいたします。
〇楠委員
よろしくお願いします。
まず契約条項の事前開示についてなんですけれども、やはりなかなか、この研究会にいらっしゃる方の多くって、おそらく法律も読まれていて、契約もきちっと理解できる方が多いと思っているんですけれども、一般的な消費者って必ずしもそうでない方も、いっぱいいらっしゃる中で、ある程度リテラシーのある方の目に触れやすい形で、きちっと見えるようになっている。で、それが批評されたり、きちっと議論され、危なっかしいものに関しては注意喚起されるというような環境が非常に重要になってくるというふうに思いますので、ひとつは事務局がご提案されているように、きちっと容易に知り得る状態に置くということが重要だと思うんですけども、これを本当に事業者主体の自主的な取り組みに委ねられるかというところに関しては、それが本当に実効性を持つのかというところは議論があるところなのかなというふうには思います。
また、開示請求権に関してはやはり、これはないと、なかなか規律が働きにくいというようなことはあろうかと思います。特にデジタルの世界だと、これまで一人一人に対して異なる約款を表示する、みたいなことっていうのはなかなか手間が大きすぎて不可能だったわけですけれども、デジタルであれば、た
とえばユーザーによって異なる、より有利な条件の契約を表示する、みたいなことも技術的には簡単にできるようにはなってきますので、きちっと同様の約款が広く見える状態になっているということは重要になるような気がします。また契約条項の分かりやすい表示に関して何ですけれども、これもやはり、 なかなか業界によってもシステムが大きく異なっていますし、本当に悪質なところというのは、そもそも業界団体のガバナンスに服さないケースも非常に多いと思いますので、なかなか単なる業界任せというふうには行かないように思
います。
また、デジタルサービスにおいては、そもそも複雑なサービスで、約款に書き切ることが簡単かと言うと容易ではない。単に分かりやすさを追求することによって消費者利益が守られるかと言うと、そんなに単純なものではなくて、どうしても分かりやすさを追求すると、抽象度を上げて包括的な同意を取らなくてはいけなくなるので、分かりやすさを求めることによって、かえって利用者の権利というものが縮小していく可能性というのが十分に考えられるのではないかというふうに思います。
特にこの領域では、米国のプラットフォーマーや日本も含めて、約款のほうはできるだけシンプルにしていって、解説を充実させるという方法に行っていて、これは利用者に寄り添う姿勢として評価できる面もあると思うんですけれども、一方で、同意そのものは漠と包括的にとって契約変更に当たらない形で解説だけ差し替えるということも容易になっているということでもありますので、この分かりやすさと、消費者の権利をどういうふうに担保していくかというのは、かなり慎重にバランスを見ていく必要があるように思います。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、xxxx委員、現在ご意見を伺っていますのは、資料の1の契約条項の開示、分かりやすい表示全般についてです。それでは、お願いいたします。
〇xxxx委員
すみません、xxです。たった今、入ったところで。ちょうど大学の1限のリアルタイムオンライン授業がありまして。
今までの先生方のご議論を伺っていないということもありますので、考えをもう一回ちょっとまとめさせていただいて、可能であれば後ほど、発言をさせていただくか、あるいはこれからの議論を伺って、後で文書等で意見を述べさせていただければと思います。
すみません。よろしくお願いします。
〇xxxx
はい、了解しました。それでは、事務局のほうから、これまでのご意見についてお答えいただきたいと思います。
〇xx消費者制度課長
はい。xx委員から分かりやすい表示について、デジタル・プラットフォーム事業者が特に取り上げられているのはなぜかというご質問があったかと思いますが、今回のペーパーでは消費者契約法として従前から契約条項の開示や、分かりやすい表示の問題があり、それは消費者契約法の検討会としての課題として受け止めているところでございますが、この分かりやすい表示について、消費者契約一般の規律というのではなく、個別の業種・業態における対応に委ねるとした場合に、現在進行形で検討が進んでいる分野としてはこのデジタ ル・プラットフォーム事業者の問題があるのではないかという問題意識を持っております。
このデジタル・プラットフォーム企業において、分かりやすい表示としてどういうものが望まれるのかとか、xx委員がおっしゃったようにデジタル・プラットフォーム事業者といっても色々なものがあるんだとか、さらには先ほど楠委員がおっしゃったように、じゃあどういうものを書けば消費者にとって本当に利益になるのかとかいったあたりは、別途、検討の場を設けておりますので、そちらで検討することが適当ではないかと。
消費者契約一般においてはどうかという問題と、デジタル・プラットフォーム事業者特有の問題というのは別途、切り分けて議論するのがよいのではないかというように思っております。以上であります。
〇xxxx
どうもありがとうございました。恐らく、まだまだ議論ができるのではないかと思いますが、他に検討すべき事項もございますので、この契約条項の開 示、分かりやすい表示につきましては、差し当たりここまでとさせていただきます。いただきましたご意見については事務局で整理し、次回にお示しするということにさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは続きまして、16 ページから 30 ページまでの「不当条項について」に進みたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
〇xxxx
はい。では、16 ページ以降について説明させていただきます。このパート は、不当条項ということで、個別の条項が消費者にとって不当なのではない か、不利益に当たるのでないか、という観点から検討するパートになります。大きく3つに分かれているのですが、一つ目が、16 ページ以降の「消費者の作為をもって意思表示を擬制する条項」というものになります。この資料の立て付けとして、我々の方で、消費者に不利益を与える可能性がある、とふうに考えている条項をあげさせて頂いております。まずこの 16 ページの資料例ですが、事例の1-1のように、消費者が情報などを事業者に提供したことで、この情報に関する権利を放棄したものとみなす条項ですとか、1-2のように、明示的にその権利を放棄させるという文言ではないんですけれども、消費者や第三者の同意を擬制することによって、結果として消費者が取消権を行使することができなくなると規定し得るような例も見られると考えております。あと 17 ページの事例1-3は賃貸借契約の約款ですが、消費者の作為、賃料の支払い遅延をするという作為を持って、消費者が賃借物件を借りる、という権利を放棄したとみなすといふうに解釈できる条項も見られます。このような条項 は、すべて一定の消費者の作為の行為をもって意思表示を擬制するという条項ですが、積極的な意思表示を消費者がしていないにも関わらず、一定の法律効果を生じさせようとするというものです。このような条項が使われると、消費者の作為と乖離する意思表示が擬制されてしまうという問題があると考えております。特に、擬制される意思表示と作為との乖離の程度が大きい場合には、消費者にとって不当であると考えられ、先程述べたような事例にあります消費者が自らの権利を放棄する場合については、同意が擬制されることによって、消費者の権利に大きな影響が及ぶと考えておりまして、このような権利放棄の意思表示を擬制するようなものについては、消費者にとって不当なものも存在するのではないかという問題点を指摘させていただきました。18 ページは、このような条項について現行法がどういった対応を取っているのかという点ですが、現在の消費者契約法第 10 条ですと「消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条 項」というものを消費者契約法第 10 条の第一条件の例示として明文化しております。これは、この 18 ページ中段にあるとおり、法令中の公の秩序に関し
ない規定という、10 条の文言については、xx規定だけではなく一般的な法理も含まれると解するのが相当と最高裁が判示していますが、必ずしもそれがxx上明らかでなかったために、消費者契約法第 10 条に、特に消費者に対して不当性があって、無効となる可能性が比較的高いものとして、消費者の不作為
をもって、新たな契約の申込や承諾の意思表示とみなすという条項を例示したという経緯の改正になります。
19 ページは今後の検討の方向性なんですが、先ほど挙げた三つの事例のように、消費者の作為をもって消費者の権利を放棄意思表示を擬制するような条項については、消費者の作為と擬制される意思表示の内容の乖離の程度が大きくて、消費者にとって不当な場合も存在すると考えられます。消費者契約法第 10条の第一条件の例示として、消費者の作為をもって消費者の権利を放棄する意思表示を擬制する条項を新たに設けると、そのような改正をすることについてどのように考えますか、という提案をさせていただいております。
次に、20 ページのサルベージ条項のご説明です。サルベージ条項とはなにか、という定義ですが、これは 20 ページの上段ですが、ある条項が強行法規に反して条項全体が無効となるような場合に、そのような条項の効力を強行法規によって無効とされない範囲に限定する、強行法規によって無効とされない範囲に救済するという趣旨の条項です。例えば本来であれば無効となるような条項に「法律で許容される範囲において」という文言を加えたものがこれに当たると考えていまして、消費者長庁の逐条解説でもそのように説明させていただいています。具体的な例としては、20 ページから 21 ページにあげておりまして、なぜ不当かという詳細なご説明は 22 ページから 23 ページに書いてあり
ますので後でご覧いただければと思います。例えば 20 ページの事例の 2-1 でいいますと、これは、消費者契約法第8条によって無効となるような事業者の損害賠償責任を全て免除するような条項に文言上はなっております。ただそこに「法律で許容される範囲において」という文言がつくことによって法律で許される限度でこの条項は救済されますと、そういった趣旨で、このサルベージ条項が設けられていると分析しております。
20 ページと 21 ページで挙げている事例は、いずれも同じような構造で、基本的には包括的な免責を定めた上で、それに対して「法律で許容される範囲 で」という文言をつけて救済をするといった形式になっております。このような条項の問題点ですが、22 ページ上段の一番上の部分ですが、この「法律で許容される範囲」という文言がつくことで、消費者契約法で無効とされる文言を含む条項が存続されてしまう、残ってしまう恐れがあると考えております。
24 ページをご覧頂ください。その他に消費者にどのような不利益があるのかという問題点の分析になります。まず 24 ページの上の部分ですが、サルベージ条項は、「法律上許容される範囲において」という文言がつくことで、消費者にとって、どのような範囲までが有効となのかということがわかりにくい、不明確な条項であると考えております。この点は、現在の消費者契約法の逐条解説にもサルベージ条項を使用せずに具体的に作成するよう努めるべきであ
る、という記載が追加されていますが、現状でもサルベージ条項の使用例が見られるという状況です。サルベージ条項については、24 ページ下段ですが、本来であれば消費者契約法の適用によって無効とされる条項については、任意規定が適用されて補充されるんですけれども、法律で許容される範囲というレベルでしか任意規定が適用されないということで、デフォルトルールとしての任意規定の適用から乖離するという点で、消費者契約法第 10 条と同様の不当性が存在すると考えられないかという視点も提示させていただきました。25 ページは、デジタル・プラットフォーム事業者の利用規約に関する意識調査です
が、サルベージ条項について消費者意識を調査した結果になります。まず上段の質問ですが、これは、サルベージ条項が用いられた場合には、2割程度の消費者は、サルベージ条項の内容が分からない、意味が分からないと回答しています。また、本来であれば、事業者に故意や過失がある場合には、事業者に対して損害賠償責任の追及ができますが、そういった場合も無いと、およそ事業者に訴えても責任が認められない、と考えてしまう方が 35%ほどいます。あとは、25 ページ下段の質問ですけれども、このようなサルベージ条項が設けられてしまうと、消費者は、事業者の責任追及に躊躇してしまう、約半数程度の消費者が躊躇するということが明らかになったと考えております。このような回答も今後踏まえていければと考えております。
26 ページは、参考になる海外法制です。海外法制でもこのようなサルベージ条項についていくつか規律をしているものはあります。ドイツ民法はその解釈によるものですが、許されないとされているものがあるということは参考になると考えております。27 ページ上段の方で、かつての専門調査会の議論で、ルベージ条項については、実際に使用する必要性があるとのご指摘をいただいており、これについてどう考えますかという問題提起になります。例えば、ある国では有効だけれども他の国では無効とされるですとか、法改正に利用規約の改定が追いつかないですとか、そういったご指摘を頂いているところです。
今後の検討の方向性ですが、このような明確性の問題や消費者契約法第 10条と同様の不当性があるということを踏まえて、サルベージ条項について不当条項として規律を設けることは考えられるのではないか、という提案です。どのような規律にするのかという点で、いくつか考え方があると思っておりま す。一つは消費者契約法第 10 条と同様の不当性があるということで、先ほど
の同意擬制の条項と同じようにサルベージ条項を消費者契約法第 10 条の第一条件の例示とする考えことも考えられるという提案なのですが、あとは、サルベージ条項があっても、そもそも記載もされないものと規定することも考えられるのではないかということで、これは、具体的な規律の在り方の提言になります。
最後に 28 ページ以降ですが、こちらは「第三者が消費者取引に介入する条項」ということで、昨今、消費者取引において存在感を増やしております、デジタル・プラットフォーム事業者の利用契約について、消費者に不利益となるものがあるのではないかという問題提起をさせていただいたものです。28 ページにありますとおり、デジタル・プラットフォーム事業者の利用規約で事業者と利用者との間で利用契約が締結されます。三角形の図の中の①、②という利用規約の中で、不当条項があって、なおかつこの不当条項が、消費者契約法第
8条から 10 条に該当する場合には、無効になったり差止請求の対象になると考えています。具体的な例としては、29 ページですけれども、我々が調査した中で、デジタル・プラットフォーム事業者が、当事者間の法律関係を終了させたり、所有権を無償で放棄させるような条項が見られます。特に、所有権を無償で放棄させてしまうような条項については、消費者に不利益があるのではないか、という問題点を指摘させていただきました。29 ページの事例 3-1 と事例 3-2 というのが、フリーマーケットサービスの事業者が、当事者間の売買契約を終了させた場合に、所有権を無償で譲渡させるという規律を設けていた例になります。3-1 については実際差止請求がされて、事業者からは、運用としては無償譲渡ではなくて、補償となるお金を支払った上で、所有権を譲渡するという扱いをしていたとご指摘いただいて、結局 29 ページの一番下のように修正がされています。ただ、当時は、形式的には、所有権を無償で譲渡させるという内容になっておりました。
30 ページですが、これらの条項については、実際、オンラインフリーマーケットサービスの事業者が適切な運営という趣旨で介入する必要性が認められる場合もあると考えています。一方で、無償で所有権を放棄させるような条項については、消費者に与える不利益も大きい場合もあって、消費者契約法の適用によって無効とされるものもあり得ると考えております。今後の検討の方向性は、ただちに何か法律上の規定を設けると今回提案しているものではないのですが、第三者が消費者契約の取引に介入する件について第三者はどこまで介入ができるのかという問題点や、特にこのような契約における条項のうち、当事者の所有権を無償で放棄させる条項など、当事者に一定の不利益を与える可能性がある条項には、消費者契約法の適用があって、無効とされるものもあり得るのではないかという問題点を示させていただきました。事務局からは以上になります。
【5.意見交換(消費者の作為をもって意思表示を擬制する条項)】
ありがとうございました。この不当条項に関しましては、(1)(2)
(3)それぞれ問題の性格が異なりますので、それぞれ分けて順にご意見を伺いたいと思います。
まず、16 ページから 19 ページの(1)「消費者の作為をもって意思表示を擬制する条項」について、委員の皆様からご意見を伺えればと思います。やり方は、先ほどと同じように進めたいと思いますが、かなり時間が押してきていますので、1分ということでご協力をお願いできればと思います。
それでは、5人ずつぐらいで進めていきたいと思います。まず、xx委員、次にxx委員、楠委員、xx委員、xx委員までお願いしたいと思います。では、xx委員からお願いいたします。
〇xx委員
ありがとうございます。基本的にご提案の方向での検討が適切なものというふうに考えております。ただ、くくり方といいますか、既にあるのが消費者の不作為を持って同意等を擬制するという条項に対して、作為をもって一定の同意等を擬制するという形で言わば、対になっているということかと思うんですけれども、ただこの中で問題とされていますのは、本来与えられている権利ですとか利益を放棄したものと擬制する条項ということですので、むしろその権利の放棄を擬制する条項という点にスポットをあてた方が良いのではないかというふうにも思っております。そのように思いますのは、消費者の作為をもって、というふうにされているんですけれども、ここで問題になっているのは、そのような放棄の意思擬制を当然にこのような行為であれば含んでいるであろうと思われるようなものではない、乖離しているような、一定の行動、しかも例として出されているものの中には、緩やかに解するということかとは思いますけれども、賃料を払わないとか明け渡しをしないというのが作為・不作為における作為なのかということも少し気になりまして、作為なのか不作為なのかというところでハードルがかかると言うのは、あまり望ましくないのではないかと思います。したがって、不作為を含めて行為としてとらえ、消費者の行為をもって、乖離しているにもかかわらず、権利放棄などを擬制する条項ということで考えていってはどうかと思います。乖離というのはなかなか文言としては入れにくいかもしれませんし、その乖離の程度などによっては十分理由があるというようなこともあるとすると、消費者契約法第 10 条の前半の例示の一つに加えて後半の方で具体的な中身として乖離の状況とかそういうものを考えていくという形で良いのではないかと思っております。以上です。
ありがとうございました。では、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい。経済学の立場からということになりますが、基本的に事務局に示していいただいた検討の方向性に賛成です。もちろん消費者の作為をもって意思表示を擬制するということが取引の円滑な進行につながるということは十分にあると思います。ただですね、やっぱりその消費者の作為・不作為と乖離する意思表示が議定されるのは問題ですので、ここをですね、もうちょっとつめていただくというのが宜しいかというふうに思います。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。では、楠委員、お願いいたします。
〇楠委員
概ね事務局の方向には賛成なんですけども、一つやはり心配しているのが、その文脈上、不自然ではない同意まで含めて擬制をしていることで無効になってしまうと、色々と逆にそのユーザビリティが下がったりするような例もあると思うので、ここでの問題が文脈からかけ離れていて、かつ内容が不当であるというところが問題なのであれば、乖離を問題にすべきであって、本当にその作為を契約への意思表示の擬制とすること自体を問題とすべきかというのは、議論になりうるのではないかというふうに思います。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました xx委員、お願いいたします
〇xx委員
私も事務局提案の、検討の方向に賛成をいたします。やはり消費者の故意で家賃のところが出ていましたが、ちょっと支払いが遅れたからといって鍵を変えられて、おうちに入れなかったというような相談も、ケースとして寄せられているというふうに聞いています。ここのところはぜひ、ご提案どおり検討が進むことを望んでおります。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。最後に、xx委員、お願いいたします
〇xx委員
xxです。事務局提案に概ね賛成いたします。特に、不作為・作為の場合については、もう少し具体的な事例を詰めて明示していただいた方がいいかな と。以上です。概ね事務局提案に賛成いたします。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、事務局からお答えすることありますでしょうか。
〇xx消費者制度課長
特にございません。
〇xxxx
それでは続きまして、次は髙橋委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員でお願いしたいと思います。まず、xx委員、お願いいたします。
〇髙橋委員
私も事務局の案に賛成します。ただ、先ほども出ているご意見だと思うのですけれども、消費者の作為についてはいろいろなパターンがあり得ますので、作為自体ではなく作為から意思表示が擬制される時の擬制の内容がどの程度作為の内容と違うか、乖離という言葉を使っておられたと思うんですけども、乖離の内容というところがやはりポイントになってくるのかなと私も感じております。以上でございます。
〇xxxx
ありがとうございました。では、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
私も事務局案に賛成でございます。ただ、不作為の場合は、ある程度分かりやすい部分があるのですけれども、作為という行為をしたことによってどうなのかという、そこの定義の問題があると思いますので、具体的な例示のお示しですとか、不作為に対して、作為がどういった意味かということをわかりやすく書いていただくことが必要かと感じております。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。では、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
消費者の作為をもって意思表示を擬制する条項には、契約の締結前に消費者が契約上の権利を行使してしまい、事後に事業者が当該契約上の義務の履行を求めるというケースもあり得るのではないかと考えており、そういう意味で は、「消費者の不作為をもってみなす条項」のように、「作為をもって意思表示を擬制する」というだけで、一般的な行為と比べて消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する条項とは、必ずしも言えないのではないかと考えています。また、保険契約では主契約・特約方式を採用するものがありますが、主契約が解約された場合には特約も消滅するという旨の規定が置かれるのが通常です。また、契約者に付帯サービスを提供するケースがありますが、契約が解約されるとサービスの提供も終了するとされるのが、保険に限らず、一般的です。従って、「消費者の作為をもって消費者の権利を放棄する意思表示を擬制する条項」を 10 条 1 項の第 1 要件の例示として規定することについては、放棄させる消費者の権利について、さらに、放棄させることが不当なものに限定し、具体化する必要があると考えています。以上です。
〇xxxx
はい。ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
これに関しては、賛成です。特に皆さんが言ってきたようなことで新しいことはあまり無いんですが、人ってとにかくあまり考えて行動してなくて、行動してから考えることが多くて、そうすると、後から何か言われたときに、「自分、やっちゃったからな」という感じで諦めてしまいがちな人間の心理ってありますので、ちゃんとこういった形で、見せたからもういいんだっていうような、了解したんだったらという感じの発想になるのはやっぱりちょっと消費者には厳しいかなというふうに思います。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
xxです。事務局提案に賛成いたします。補足ですけれども、作為・不作為はなかなか分けることか難しいもので、不作為を入れるならば作為も入れる。両方入れるのはむしろ当然のことだと考えております。先ほど賃料の話で、不払いは作為なのか不作為なのか、という話になりましたが、実際、契約条項で
は、賃貸者契約で即刻解除条項というのは契約違反行為があったら即刻解除しますというたてつけになっていて、その中で色々なことが書かれています。賃料不払いがあったとき、あるいは何か違反行為をしたとき、条項の中では不作為・作為というような規定の仕方ではないんですね。ここが、作為も不作為も含めるという形で規定されるのは、良い方向だと考えております。ちなみに日弁連の試案でも、2014 年の試案です、18 条1号で、作為または不作為という形で規定をしておりますので、ご参考にしてください。それからもう一点だ け。事務局提案はあくまで消費者契約法第 10 条の第一要件で、また第二要件を判断するということなので、何人かの委員から言われた「これだけで不当性を考えていいのか」というところは、その要件にはあたらないと理解しております。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。以上につきまして、事務局からお答えすることはありますでしょうか。
〇xx消費者制度課長
特にございません。
〇xxxx
わかりました。それでは続きまして、xx委員、xxxx委員、xxxx委員、xx委員にお願いしたいと思います。まず、xx委員からお願いします。
〇xx委員
皆さんと同様で、方向性としては賛成でございます。乖離の要件の具体化ということが今後なされていけばと考えております。以上です。
〇xxxx
ありがとうございます。では、xxxx委員、お願いします。
〇xxxx委員
私もご提案に特段異論はございません。
〇xxxx
はい。では、xxxx委員、お願いしてよろしいでしょうか。
〇xxxx委員
はい。私も先生方と同様で、基本的な方向性自体には賛成いたします。一点私自身がこのあたりの解釈について、不勉強なもので教えていただきたいことがありまして。それは、乖離の程度の大きさと、消費者の権利に対するインパクトというのはおそらく違うことになるのではないか。消費者の権利に対して大きなインパクト・影響が及ぶというのは、要は不利益の大きさで、大きな買い物をするとか、大きな不利益のことなのかなと。他方、乖離というのは、小さな買い物でも基本的に言えることですので、インパクトの大きさだけで乖離の程度の大小というものをはかってよいのか、あるいは違う指標があるのか、確認できればというふうに思います。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。xx委員、お願いしてよろしいでしょうか。
〇xx委員
アジアインターネット日本連盟のxxです。まず、本件だけではなく不当条項に共通の話ですけれども、専門技術的側面の研究会で取り上げていないような、これらのトピックを議論する背景がいまいちまだ理解できておりませんので、今日でなくても結構なんですけれども、何かこういった問題を議論する特段の消費者被害が生じているのかどうか、事務局からの説明を求めたいと思っております。
消費者の作為をもって意思表示を擬制する条項につきましては、事務局案に反対いたします。規定の仕方一般を問題にするのは適当ではなく、消費者に作為と乖離する意思表示が擬制されていて、不当であるかどうかの判断については、消費者契約法第 10 条に照らして個別に判断されるべきものとあると考え
ます。そもそも消費者契約法第 10 条の文言というのは、個別の事案に応じ
て、適切な消費者保護を図る上で、支障がないように、十分な解釈の柔軟性を許容する文言になっていると理解しております。逆に、消費者保護の観点か ら、例示を追加しますと、かえって消費者契約法第 10 条の解釈を硬直化させたり、場合によっては、縮小解釈をする根拠ともなり得る可能性があるのではないかというふうに考えております。不作為のときの過去の議論を振り返ってみますと、今日事務局から最高裁の判決についての説明がありましたけれど も、当時はその最高裁の判決だけではなく、個別の消費者問題についても取り上げられました。具体的には、掃除機を買ったら、健康食品も同封されてい て、健康食品が不要であると言わない限り継続購入する事になってしまうと、こういった個別の悪質な事例があるから、消費者契約法第 10 条の例示として
追加が必要なんだ、という提案が事務局からあり、最終的に消費者サイドの意見と事業者サイドの意見が分かれたまま法改正にいたったと記憶しておりま す。国会審議の場でも、新聞や雑誌の定期購読などに悪影響があるのではないかという心配も与野党の先生からありました。消費者契約法第 10 条で例示の
追加を結局はしたわけなんですけれども、この消費者契約法第 10 条の例示の追加が具体的消費者保護に寄与したのかどうか、という効果検証は果たしてされているのかどうか、事務局から説明を求めたいと思います。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、事務局の方からお答えいただければと思います。
〇xx消費者制度課長
はい。まず、xxxx先生から、乖離の程度とインパクトの大きさのご指摘がありまして、恐らく似たような観点からxx委員もご指摘されたと思いま す。消費者の作為と擬制される意思表示との乖離が、社会通念からしてどの程度なのか、という要素が一つあろうかと思いますし、もう一つはxx委員がおっしゃったように、放棄される権利がどういうものなのかという観点も踏まえているのだろうかというご指摘であったかと思います。トラブルの実態に即して私どもとしては検討の必要があると思いますので、乖離の程度に加えてインパクトの大きさという観点も踏まえて検討していきたいというふうに思いま す。
それからもう一点、xx委員から何点かご指摘を頂戴しまして、まず専門的技術研究会で必ずしも取り上げられてなかった論点じゃないか、ということではありますが、この意思表示擬制条項につきましては、消費者契約法における従前からの課題の一つというふうに認識しております。xx委員も確かおっしゃいましたように、消費者契約法第 10 条の第一条件の例示というのは、これまでの消費者契約法の見直しの検討会の検討過程において、やはり不当なもののひとつではないかと。ただ、一律にいわゆるブラックリスト化するのではなくて、消費者契約法第 10 条の判断枠組みの中に載せるということを明示するということで、消費者委員会専門調査会における議論を経て、今、xx委員は事業者の意見が必ずしも分かれたままというご指摘もありましたが、これは専門調査会の提言を踏まえて立法したものというふうに私の方で認識をしているところであります。また、xx委員から反対というご意見でお受けしましたけれども、解釈の硬直化ですとか、縮小という風なご指摘もありましたが、その点はまさに今の消費者契約法第 10 条の第一要件の例示という点で、例示とい
うことで特に解釈を縮小するとか硬直化することはないという整理の上にされたものと。また、xx委員が触れておられましたけども、最終的には消費者契約法第 10 条の第二要件のところでその当不当性が判断されるものという枠組みで直ちに例示をしたからついて不当になるものないということは、前提の議論であったのではないかというふうに認識しております。事務局からは以上でございます。
〇xxxx
ありがとうございました。xxxxxがご指摘された、消費者に対するインパクトの大きさという側面は、事務局提案によるのであれば、おそらく主として消費者契約法第 10 条後段要件の中で特に意味を持ってくるのではないかと思われます。そうしますと、前段要件として提案されているような内容をどう規定するかが問題となりますが、この点については、乖離の程度がポイントになるというご指摘が多くの方から寄せられました。これはどなたに確認すればよいのかわからないのですが、例えば、xx委員、前段要件にもし書くとすると、この乖離の程度にあたるものについては、どのような書き方が考えられるということでしょうか。急にご指名して申し訳ありませんが、ご意見をいただければと思います。今後の検討をする上で、大きな手がかりになりますので、お願い致します。
〇xx委員
すみません。私が先ほど申し上げましたのは、行為と乖離して権利を放棄させる条項といった形です。
〇xxxx
なるほど。
〇xx委員
そのような書き方があり得るのではないかと。ただ、そのことは、実は「擬制」という言い方が本来そうは見られないにもかかわらず、「擬制」ということに含まれているというものではあるかと思いますけれども。あまりこなれてはいませんが、そんな表現も考えられるかなというふうには思っていました。
〇xxxx
分かりました。「乖離」という文言が使えるかどうかは別として、そのようなものに相当する要件設定が適切だろうというご意見と伺いました。どうもありがとうございました。
〇xxxx
それでは、先に進ませていただいてよろしいでしょうか。
次は、20 ページから 27 ページの(2)サルベージ条項について、ご意見をいただければと思います。早速ですが、またxx委員からお願いしたいと思います。xx委員、xx委員、楠委員、xx委員、xx委員まで、お願いいたします。
〇xx委員
ありがとうございます。このサルベージ条項につきましては、まさに事務局の方でおまとめいただいた問題点というのがある条項であり、日本だけではなく、各国でも問題視されているものでもございます。またこの度、消費者の意識についての 25 ページ、こういった情報を追加していただきまして、その問題点が一層クリアになっているというふうに考えます。このような条項の利用については、必要があるということが 27 ページにまとめられていたような点がございますけれども、ただ、こういった状況がないような場合にも、このサルベージ条項で、十分調査もできるというような場合にも、かえって消費者としては、意味もわからないまま、本来無効な条項であるのにその条項どおりに処理がされてしまったという問題もございますので、これは検討の方向性として示されているような方向で具体化していくのが望ましいと考えております。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
私も事務局の方の検討の方向性ということに賛成いたします。22 ページにある、この消費者契約法で無効とされることも含むかもしれないっていうのは、ちょっとテクニカルでわからないのですが、とにかく 24 ページに書いてある事というのは、不明確であるという事はつまりは契約の内容、商品の内容に関して消費者にものすごい負担を強いて、各国の法律を調べるというようなもの
ですので、これはもう契約者の理解のために、消費者に対して過大な負担を強いているということになりますので、それは、サルベージ条項のようなもの は、無効とすべきだと考えます。以上です。
〇xxxx
それでは、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい。xxです。私も今回、サルベージ条項について、消費者庁の方からと提案いただいたことで賛成いたします。消費者といたしましては、法律上許容される範囲において、という文言がありまして、もうすでに調査でもありますように何を言ってもダメなんだろうなと、思い込んでしまう。例示でもありますけれども、いくつも色々文章がありましてけれども、やはり難解であるといういうことはxxな感想です。ですので、今回これを見直していただくということは大いに賛成いたします。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい。サルベージ条項については、基本的に被害が具体的にどういう被害が起きているのかという、そのあたりをもう少しご説明いただいた上で、実際にサルベージ条項に該当するような、具体的な事例をもう少し出していただい て、それが本当に事実として、サルベージ条項を設ける必要性があるのかどうかをその上で議論してはどうかというふうに考えております。
〇xxxx
ありがとうございました。以上について、事務局から今の段階でお答えされることはありますでしょうか。
〇xx消費者制度課長
特にございません。
〇xxxx
わかりました。それでは続きまして、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員に順にお願いしたいと思います。では、xx委員、お願いいたします。
〇髙橋委員
はい。私も事務局のご提案に賛成いたします。今回消費者の意識の調査を出していただいたのは非常に説得的だったと私は思っております。サルベージ条項の問題は、消費者が何も言えなくなってしまう、萎縮効果の方ではないかというふうに感じておりましたので、なるほど説得力があるのではないかと思った次第です。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。では、xx委員、お願いします。
〇xx委員
はい。xxです。私も事務局案に賛成でございます。日頃感じておりますことが、このアンケートの調査の割合に出ていまして、やはりそうなんだと、この萎縮効果の事をつくづく感じております。消費生活相談の現場では、わかりにくいのは確かで、私ども相談員は事業者さんと消費者の方の間に入って、それを説明している訳なんです。これは日本語でありながら、翻訳をしているようでして、わかりにくいので、事務局案に賛成でございます。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい。資料で挙げられているケースは、いずれも IT やシステムに関係する規約や使用許諾契約書となっており、それが IT、システムやデジタル・プラットフォーム事業の特性上必要なものではないか、また、それらに特有の問題ではないか、どのようなケースが消費者にとって問題となるのかなどについて、さらに検討する必要があると考えています。例えば、ウェブ会議システムの利用規約を見ると、サルベージ条項にあたるとされる記載が見受けられます。また、消費者庁ホームページの利用規約も、基本的には政府標準利用規約に従っているものと思いますが、「当ウェブサイトの保守、火災、停電、その他の自然災害云々によって当ウェブサイトによるサービスが停止したことに起因して利用者に生じた損害について何ら責任を負うものではありません。」との記載
があります。また、大学のホームページでも、「本サイトに含まれる情報もしくは内容を利用することで直接・間接的に生じた損失に関し、一切責任を負わない旨の記載をしているものがあります。うしろの二つは「法律上許される範囲内で」という文言もない例ですが、その他のホームページの利用規約、これは企業のものに限りませんが、その多くで同様の記載がなされていると想定され、そのような条項の必要性や、具体的なトラブルの態様、これらを不当条項とするなら、どう書いたら適切な規定とになるのか、つまり、規定ぶりの在り方などについても、さらに検討する必要があると考えています。なお、例えば保険約款では、支払事由として「感染症予防法に定める感染症」、返還請求について「民法などの関連法令に則り」、重大事由解除について「前何号に定める事由と同等の重大な事由」などと定めるケースがあります。これらは、対象となる法律等の変化を反映しつつ、当該法律等に沿って保険会社が行動する旨を明らかにする趣旨の規定であり、そもそもサルベージ条項には当たらないと理解しております。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい。結論から言うと、もちろん賛成になります。私は法律の専門家じゃないから、僕がこういうのを読むと、僕が自分の能力が低くてわからないのではないかと感じてしまっていました。つまり、読むと詭弁論理学的な、姑息だと思い、遺憾さえ感じてしまう。こういうのを作られていくと、消費者からすると事業者は信用できないというふうにもなりがちですし、何と言ってもエビデンスで出ているアンケートが非常に重要で、一つは意味が分からないということ。もう一つは、解釈がバラバラになってしまうと、違う二点のデータが出ているので、こういったことから考えると、これはやはり法律として、これでいくのはどうかな、というふうに思います。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。次は、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい。xxです。事務局の提案に賛成いたします。この方向で検討していただけたらと思っております。先ほど他の委員からもありましたようにサルベージ条項は実際出回っております。このまま放置する訳にはいかないと思いま
す。喫緊の課題として、不明確性が問題ですけれども、不当条項であるものの明文化が必要と考えております。それから一点、消費者からの相談事例があるかどうかの話なんですけれども、これは不当条項一般に言えることなんです が、一般的に消費者が不当条項の指摘をすることは、困難、無理に近いと思います。既に契約書に明記している合意があるでしょうと言われれば、それに対して、いやいやこれは強行法規です、不当約款です、無効になるのではありませんか、というような視点で相談に赴く消費者がどれほどいるでしょうか。不当条項に関しては、その条項があるかどうかが重要であって、消費者からの相談があるかどうかを重要視する必要は全くないと考えております。特にサルベージ条項に関しては、不明確で萎縮効果を持つ。不当条項一般に萎縮効果があると私は考えておりますけれども、サルベージ条項は特に萎縮効果があって何も言えなくなる。そういった現状がありますので、消費者相談があるかどう か、それが立法事実ではないか、というような議論は、私はそれは全くナンセンスだと考えております。以上です。
〇xxxx
どうもありがとうございました。事務局の方からお答えをお願いいたします。
〇xx消費者制度課長
はい。ありがとうございました。xx委員からご指摘があった点に関してなんですけれども、保険契約の例等、xx委員がご紹介いただきまして、私も完全に聞き取れた訳ではありませんから、どこまで正確か、とういことはあるのですけれども、今回私共が問題提起をさせていただきましたサルベージ条項といいますのは、本来消費者契約法その他によって、無効となるものを、法律上許される限りというような文言をつけることによってサルベージしようとしていると、救済しようとしているというものについて、萎縮効果、不明確性その他色々な問題点があるのではないかというような、そういう問題意識から指摘をさせていただいたものであす。xx委員がおっしゃった事例は、保険約款の例だと思うのですけれども、元々それが無効となるべきものかどうかという観点からみていく必要があるのではないかと。そうしますと、今回いくつかお示しているものは、法律上の留保、法律上の許される限りというような留保文言がない場合には、消費者契約法その他によって、不当条項となるものが、そのまま使われてしまっているのではないかという、こういう問題意識で資料の方も提示させていただいたものでありまして、そういうものとずれているのであれば、xx委員が、ご指摘の保険約款のケースというのは、今回私共が検討を
お願いしているものとは違うということになるのではないかと思います。私の方としては、本来無効となるべきものについて、法律上許されない限りという留保文言をつけることについて、どうなのか、という問題意識を持っているところであります。以上であります。
〇xxxx
どうもありがとうございました。それでは続きまして、xx委員、xxxx委員、xxxx委員、xx委員からお願いしたいと思います。まず、xx委員からお願いいたします
〇xx委員
はい。事務局の提案に賛成でございます。今の事務局からのご説明と関連するようなお話ではございますが、サルベージ条項が、本来全部無効の内容の契約条項について、「法律上許される限りで」といったような文言を一言入れるだけで、それが一部無効に転ずるという解釈は、明らかにおかしいと思いますし、そういう解釈がなされるべきではないと思いますので、その意味ではこのサルベージ条項のこうした文言は、意味のあるものではないというふうに感じます。他方で、消費者契約法の差止めとの関係とで言いますと、こうした文言があるかどうかにかかわらず、全体として見たときの不当性というものを考慮して、その条項を差し止めるべきかどうかという判断するべきだと考えますので、そういう意味でも、文言というのは意味があるものではないと。いずれにしましても、こうした文言を入れることで、条文の不明確性が増しこそすれ、法律上の意味は無いというふうに考えるべきではないかというふうに考えております。以上です。
〇xxxx
どうもありがとうございました。それでは、xxxx委員、お願いいたします。
〇xxxx委員
基本的に事務局の提案に異論はないのですが、一点だけ気になったのは、事例の2-2とか、2-3についてです。これがサルベージ条項なのかどうか、ということは、素人なのでよくわからないところがあって。つまりこれらの条項は、消費者契約に該当する場合には免責規定は適用しませんと、事業者が相手方だとすれば、免責規定を使えますと、こういう条項なのだと思うのです。その代わり相手方が事業者か消費者かちゃんと確かめて契約しろというのはあ
るのかもしれませんが、そこがインターネット等の契約で、十分に確認できないような場合にこういう条項を設けるというのが、もっと明確に書けたというのはあるのかな、という感じはするのですが、典型的なサルベージ条項といわれるもの、今まで出ているあるいは諸外国でされている法律の範囲内でとかいうものとは、何か少し性格が違うような気がしたものですから。これは素人の誤解かもしれませんけれども。一点だけその点ちょっと気になったということを指摘させていただきたいと思います。以上です。
〇xxxx
ありがとうございました。確かに問題がありそうですね。それでは、続きまして、xxxx委員お願いいたします。
〇xxxx委員
はい。事務局の方向性について異論ございません。賛成いたします。他の先生方のおっしゃっているコメントに特に付け加えることはございませんので、この点については以上です。ありがとうございます。
〇xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
〇xx委員
はい。アジアインターネット日本連盟の渡辺です。事務局案には反対いたします。そもそも立法事実があるのかどうかが疑問であります。このサルベージ条項に関しましては、過去何度も話題になったものでありますが、結局今に至るまで具体的に問題となった事例は出てこなかったのではないかと思います。後藤委員も指摘されておりましたように、具体的にサルベージ条項が原因で、問題になったような事例があるのかどうかをまず明らかにする必要があると思います。むしろ実務上は、利用者やサービスのグローバル化、ボーダレス化が進んでいる昨今では、その必要性はより強くなっております。国内法だけでも個別の法令の条項を事前に特定するのが難しいということがある上に、適用され得る各国の法令を実際に調べてそれぞれの法制に対応した内容にするのは、事実上事業者に不可能を強いるようなことになるのではないかと考えております。仮に対応しようとしますと、規約において、日本においてはこれこれ、アメリカにおいてはこれこれ、イギリスにおいてはこれこれ、などというような形で規定することになり、むしろそれこそ分かりにくい規約になってしまうのではないかというふうに考えております。このようなサルベージ条項と言われ
る条項が一律に不当条項とされますと、一部の悪質な消費者のつけこみを許容し、事業者としても損害が回避できないような事態になるのではないかと心配しております。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。では、事務局から、お答えをお願いいたします
〇加納消費者制度課長
はい。山本和彦先生ご指摘の事例2-2と事例3でございますが、利用者というふうに規定されているところから、消費者以外の事業者の利用者も含んでいる、というところをどう見るかというようなご指摘か、というふうにお聞きいたしました。確かにそういう側面はあろうかと思いますので、もう少し検討していきたいと思いますが、例えば事例2-2でいいますと、第三項という、第八条がありまして、利用者との契約が消費者契約に該当する場合には云々という形で、消費者契約条項についてはこうだ、というような言い方をしていまして。第三条の第一項で言うところの利用者のなんとかというここに消費者が含まれることを当然前提としている。少なくともその限りにおいては、サルベージ条項として機能しているのではないかという受け止めをいたしまして、問題があるのではないかと指摘させていただいたところでございます。あとは、こういった利用者という形で消費者と事業者と両方汲む規約が消費者契約法の規律にどこまで載るのかという問題点は、実はこのサルベージ条項に限らず、消費者契約法の不当条項の規律がどう掛かっていくのかという問題として、大きな問題点としてある問題かと思います。この点については、むしろ、学者の先生方に補っていただければと思いますけれども、そういった場合であって も、不当なものとして機能する可能性がある限りにおいては、不当条項規制の対象として入ってくるのではないかと。例えば適格消費者団体の差止請求に際して、山下先生が包括的に適格消費者団体の差止めになるのだという趣旨のご示唆をいただいたと思いますが、どちらかというと、そういう解釈が通説的ではないかと考えているところでございまして、私から言うのがはばかられるというところもございますけれども、そういう問題かと思います。あと、渡辺委員から色々とご指摘がございまして、確かにグローバル企業におけるニーズをどう捉えるかというのは悩ましいところがあるのだろうなと理解するところではありますが、他方で、この問題は実は消費者契約法の不当条項の規律の適用を容易に回避することが可能とすると。極端にいいますと、不当条項がずっと並んでいても、最後にこの契約約款、契約書にある条項については、法律上の許される限りにおいて、適用されないものとするという一言をつけておけばそ
れが全てとおるという解釈を、可能にしてしまうとなりますと、消費者契約法の存在意義そのものを失いかねないというふうに、ちょっと大げさですけれども、そういう問題意識は持っておりまして、非常にこれは大きな問題であり、従前から議論をしてきたところでございます。これまでの議論では、努力義務とか、そういったところによる対応を委ねる、というような事でどうかというふうにはしておりましたけれども、やはり、ちょっとみますとあちこちに見受けられる状況にあろうかと思いますので、問題意識は持つべきかなと思っております。取り急ぎ以上でございます。
〇山本座長
どうもありがとうございました。最後の点とも関わる部分ですが、サルベージ条項は、少しわかりにくい面はあるのですが、整理しますと、この留保が付されない限りは、強行規定あるいは消費者契約法の8条・9条・10 条で無効になる。ただ、法律上許容される限度を超える部分については、この条項の対象にしませんというような留保をつけると、無効でなくなるのはおかしいのではないか。それでは、条項の内容がよくわからないことにもなる。そこで、この留保の部分のみをサルベージ条項と呼び、これを無効とするべきではないか。そうでないと、消費者契約法の意義も失われる、というのが今のご説明だったと思います。
そうしますと、この条項について仮に消費者契約法に規律を置くとすれば、
8条・9条・10 条あるいは、24 ページですと、10 条の連続線上で捉えられるのではないかというようなご指摘もありますけれども、たしかにそのような捉え方もあると考えられるものの、それらとは少し性格が異なる。つまり、本来ならば8条・9条・10 条で無効になるものをサルベージ、つまり救済しようする点で、脱法的な条項であるので、無効であるとする。そうすると、8条・9条・10 条の次に、特別なルールとして定めることも十分考えられると思いま す。
ただ、この点については、具体例と合わせて、更に検討を深める必要があるとも思いました。
〇山本座長
かなり時間が押してきましたので、次の項目に移ってよろしいでしょうか。それでは、28 ページから 30 ページ(3)第三者が消費者取引に介入する条項
について、ご意見をいただければと思います。順にまたお願いして恐縮ですが、沖野委員、河村委員、小浦委員、後藤委員にお願いいたします。
〇沖野委員
(3)第三者が消費者取引に介入する条項ということで、30 ページでは、今後検討していくということですので、そして実際に例として挙げられております、所有権の放棄ですとか、所有権の無償譲渡といった具体的な条項にはやはり問題があると思われます。差止めの前提としての申入れを受けて改定されたというところからも分かるように、大元のものには、かなり包括的に無償譲渡させるというようなことがありまして、こういった不当な条項が、あるのではないかという問題意識から、消費者契約法の第9条・10 条といったあたりから考えていくというのは、その限りではよく分かるのですけれども、そのことと第三者が消費者取引に介入する条項という取りあげ方とがマッチしているかどうかというのは分からないところがあります。具体的に出していただいてい
る、デジタル・プラットフォーム事業者の利用規約ですとか、オンラインフリーマーケットサービスということが書かれておりますけれども、第三者が消費者取引に介入するということについて、これらの場合ではむしろ介入したほうがいいといいますか、それは勝手にやっているだけで、こちらとしては、そのツールを用意しているだけなんですよということではなくて、そこで行われる消費者取引について適正化ですとか、信頼確保のために一定の利用契約の形で利用を提供する主体が役割を果たすことが望ましいことからすると、介入する条項が問題なのかというと、むしろどういう形でそこに関わっていくのか、その在り方自体を改めて検証しなおすという趣旨なのかなというふうに思いますけれども、問題の力点がどこにあるのかというのはちょっとわかりにくいという感じはしております。ただ、今後検討していくべき問題が、ここにあるということはそのとおりかと思いますので、今後検討していくということには賛成です。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。それでは、河村委員、お願いいたします。
〇河村委員
はい。私も何が問題になっているのかという、いまいちこの最後の第三者が消費者取引に介入する条項というのはつかみづらかったのですが、いずれにしても、無償で所有権を放棄させる条項というのが、消費者に理解されている か、またはそれが理解されやすい形で提示されているかというのがまず重要だ
と思いますので、そういうところを含めて今後の検討の方向性というとこに含めていただければというふうに思います。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。では、小浦委員、お願いいたします。
〇小浦委員
はい。私も方向性のところの二つ目に書いてあるところは、賛成いたしま
す。やはりオンラインフリーマーケット、C to C の契約は、本当にボリュームがかなりあるように思っています。そこでの、条項の中に所有権を無償で放棄させる条項というのがあるというのもやはり不利益になると思いますので、プラットフォームでの検討会でも話をされると思いますけれども、そこで消費者契約法の方にも適用にされていくのかというのが今後の話なのかなというふうに思いました。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。では、後藤委員、お願いいたします。
〇後藤委員
具体的な事例をですね、もう少し多く集めていただいて、問題の主題がどうなっているか。そこを明らかにしていただきたいというふうに思っています。その上での検討ということにしてはどうでしょうか。以上です。
〇山本座長
はい。ありがとうございました。事務局からはよろしいでしょうか。
〇加納消費者制度課長
特にございません。
〇山本座長
では、続きまして、髙橋委員、坪田委員、遠山委員、西田委員、平尾委員にお願いしたいと思います。髙橋委員、お願いいたします。
〇髙橋委員
はい。私はもう出た意見とそのままなんですけれども、消費者取引に第三者が介入するといってしまうと、これは消費者契約法でやるべきかということが
なかなか難しいかなというふうに思っております。ただ、お示しいただいた条項に問題があるというのはそのとおりであると思いますので、利用規約の問題として取り上げるのはそのとおりかと思っております。まだちょっと整理ができていないところかと思いますので、今後の議論に期待したいと思っております。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。では、坪田委員、お願いいたします。
〇坪田委員
はい。私もこのフリマサービスの事例につきましては、問題があるとは考えております。ただしこの第三者が介入ということですと、単にプラットフォームの事業者さんが場貸しということで、好きにやってくださいということによっても今問題が起きている状況もありますし、それなりの介入なり消費者保護を考えていただいているところもあると思います。そうしますと、安全なプラットフォームを提供するというサービス契約の中において、どのような条項を分かりやすく表示をしていくかという問題かと考えております。方向性としては事務局の考え方に賛成でございます。以上です。
〇山本座長
はい。ありがとうございました。では、遠山委員、お願いいたします。
〇遠山委員
はい。資料のケースはいずれもデジタル・プラットフォーム事業者の利用規約で、かつ当該事業者・出品者・購入者の三者が利用規約の対象当事者として明記されているものとなっています。いずれもエスクローサービスに関するもののようですが、それがデジタル・プラットフォーム事業の特性上必要なものではないか、また、デジタル・プラットフォーム事業に特有の問題ではない か、どのようなケースが消費者にとって問題となるのか、この規定では購入者は補償されているようですから、などについて、さらに検討する必要があると考えています。また、契約の効力が契約当事者ではない第三者に及ぶものとして、信託契約・保険契約などがありますが、例えば、保険契約では通常、保険事故が発生するまでは、保険契約者による解約や保険金受取人の変更は原則自由に認められる一方、保険事故が発生した場合には、保険金請求権は保険金受取人に帰属し、保険契約者は解約して解約返戻金を請求したり、保険金受取人を変更することはできなくなるなど、契約当事者や契約上の第三者であって
も、契約の特性から、それまであった権利が消滅することがあります。従っ て、無償で放棄させる条項に関する規定を設けるとしても、そのような契約が無効となることのないよう、例えば「合理的な理由が無い場合」とするなど、要件を適切・明確に設定していく必要があると考えています。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。では、西田委員、お願いします。
〇西田委員
はい。私もまだ事例が良く分からないところが多くて、議論にはなるだろうなと、これからなっていくだろうな、というのは思いますので、注目していけばいいかなというふうなくらいです。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。平尾委員、お願いします。
〇平尾委員
はい。平尾です。皆さんおっしゃる通りでまだ、これからどういう場面の問題なのか、議論の場を設定してくるところなのかなと思っております。プラットフォーム関係の取引約款を、念頭においていただいて、もちろん介入すべき場面というのは、むしろ場の統治者として介入してくださいというのは当然の話です。そのことと、それが消費者との利用契約において消費者契約法に違反するのかどうか、またちょっと別の問題で、条項ごとに判断していく、切り分けの問題なのかな、というのが今の理解です。今後の議論に注視しようかと思っています。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。事務局からはいかがですか。
〇加納消費者制度課長
特にございません。
〇山本座長
分かりました。では、最後に、山下委員、山本和彦委員、山本龍彦委員、渡辺委員にお願いしたいと思います。山下委員、お願いいたします。
〇山下委員
はい。皆さんと同様で、何が問題かという事を明確にしていただくというのが一番大事かなと思いました。特に、介入をする条項と書いてありますけれども、介入する立場がどういう立場で介入するのかといったことも、取引ごとに違うのではないかという気がいたしました。オンラインフリマのようなケースで言いますと、一方の消費者に過度に有利になるような取引を結んだりとか、そういったことが問題になるのかなっていう気がしますが、それも取引ごとに異なる可能性もございますので、どういった問題があるのかということをご整理いただければと考えております。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。山本和彦委員、お願いいたします。
〇山本和彦委員
私も、特に沖野委員とか、坪田委員が言われたことに賛成で、第三者が介入することが、それ自体で悪いということでは恐らくなくて、むしろ C to C とかの取引のような場合には、プラットフォーマーはある程度マーケットの秩序の維持に責任を持つ立場になると思いますので、一定程度介入ということは起こるのだろうと思われるわけで、問題は介入の中身の話で、不当な介入をしてはいけないということに尽きるのかなというふうに思っておりまして、ここで挙げられているこの例もですね、書き方はかなり乱暴なような気はするのですけれども、全くおかしなことを書いているかと言うと、そうでもないような気もするものですから、どの範囲でどういう事柄を規制するかということについては慎重に考えたほうがいいのではないかというふうに思っております。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。それでは、山本龍彦委員、お願いいたします。
〇山本龍彦委員
はい。私も先生方がおっしゃっていることとほぼ同じ意見でして、プラットフォームというのは、特定の場の新たなガバナー(統治者)になり、時に場の
「立法者」になるのだと。実際、このような議論は世界的に起きてきていま す。プラットフォームは、権利侵害者にもなれば、消費者の権利を擁護するということもあるので、データギャングとも呼ばれる「ならず者」みたいな、場を荒らす人たちをある意味で抑えていくこともある。「プラットフォームによ
る自由」ですね。そういったものを実現していく存在にもなるわけです。最 近、特にそうなってきているところもあるのではないかと。その意味では、法律はそういう良き統治者になるように、促していくような、そういう仕組みが必要で、「不当か否か」という形で論じてしまう、介入すべきかどうか論じてしまうと、プラットフォームの側に萎縮効果が働いてしまって、だったら何もしなくていいじゃないかということにもなってしまうと思います。ですので、そこは十分注意して、議論を進めていく必要があるのではないかと思います。議論として行っていくこと自体、私も否定はしませんけれども、そういう視点を持つということが重要なのではないかなというふうに思っております。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。それでは最後に、渡辺委員、お願いいたします。
〇渡辺委員
はい。事務局のご説明では、このような条項が消費者に不利益を与えるかのようなご説明でありましたけれども、必ずしも正確ではないと思っておりま す。多数の委員の方と同じような立場でありますけれども、事案に応じて困っている消費者を救済するためには、柔軟にプラットフォーム事業者が対応できる条項が必要になる場合がございます。特に C to C の場合におきましては、個別取引の第三者たる運営会社が介入するのは、消費者政策的にも求められているところでありまして、あくまでも介入は両当事者間のサポートであり、両当事者の不当利得を防止し、その間の仲介・仲裁において平等な取り扱いを行うものであります。仮にこのような条項を盾に、消費者に一方的に不利益を押し付けるような運用を行うような事業者が出てきた場合には、個別に消費者契約法の 10 条で対応すればよく、第三者による介入をしやすくする条項そのものを不当条項の類型にすべきではないと考えます。以上です。
〇山本座長
ありがとうございました。以上踏まえまして、事務局からお答えいただければと思います。
〇加納消費者制度課長
はい。ありがとうございました。特にございませんけれども、私共は、介入する事が直ちに不当と考えているわけではございませんでして、山本和彦先生がおっしゃったかと思いますけれども、事例として出させていただきましたよ
うに書き方がどうかなと。実際適格消費者団体が問題意識を示したというものでございますけれども、プラットフォーマーが当事者間に、介入という言葉が適切かどうかといことかもしれませんが、介入する場合に、一定の場合に、その根拠規定を設ける必要性があるということ自体は十分理解できるんですけれども、書き方によってはどうかと、目についたところでございますが、ご指摘を踏まえて更に整理していきたいと思います。どうもありがとうございまし た。
〇山本座長
ありがとうございました。それでは、事務局の方で整理して次回お示しするということでお願いしたいと思います。
それでは、ちょうど時間が迫ってまいりました。皆様のご協力のおかげで概ね時間どおり進むことができました。改めてお礼申し上げたいと思います。本日の検討会はここまでとさせていただきます。本日頂きましたご意見は、改めて事務局で整理して頂いて、次回以降の検討につなげていきたいと思います。
最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします
〇加納消費者制度課長
はい。皆様、本日は、貴重なご意見を頂戴いたしましてありがとうございました。次回でございますけれども、また日程・議題の詳細につきまして、コロナの影響のこともございまして、調整をさせていただいているところでございますので、また改めて事務局よりご案内を申し上げたいと思います
〇山本座長
ありがとうございました。それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところこの様な形でご参集いただきまして、どうもありがとうございました。初めてのオンライン開催で、ご不便に思われる部分もあったかと思いますけども、Web 会議の開催方式に関するご意見もございましたら、事務局の方へお寄せいただければと思います。今後ともどうかよろしくお願い申し上げます。
それでは、これで第4回検討会を終了いたします。ありがとうございました。