1.基本情報 (1)案件名 農協を通した有機カシューナッツの契約栽培による小農家支援 (3 年次) (2)事業地 カンボジア王国 (3)贈与契約締結日及び事業期間 ・贈与契約締結日:2021 年 2 月 12 日・事業期間:2021 年 2 月 12 日~2022 年 2 月 11 日 (4)供与限度額及び実績(返還額) ・供与限度額:382,842 米ドル・総支出:371,077.97 米ドル(返還額:11,962.33 米ドル,利息 198.30 米ドル含む。)...
(様式4)
日本NGO連携無償資金協力 完了報告書
1.基本情報 | |
(1)案件名 | 農協を通した有機カシューナッツの契約栽培による小農家支援 (3 年次) |
(2)事業地 | カンボジア王国 |
(3)贈与契約締結日 及び事業期間 | ・贈与契約締結日:2021 年 2 月 12 日 ・事業期間:2021 年 2 月 12 日 ~2022 年 2 月 11 日 |
(4)供与限度額 及び実績(返還額) | ・供与限度額:382,842 米ドル ・総支出:371,077.97 米ドル(返還額:11,962.33 米ドル,利息 198.30 米ドル含む。) |
(5)団体名・連絡先,事業担当者名 | (ア)団体名: 認定 NPO 法人 IVY 【法人番号:0-0000-0000-0000】 (イ) 電話:000-000-0000 (ウ)FAX:023-634-9884 (オ)事業担当者名:xxxxx (事業担当者名変更) |
(6)事業変更の有無 | 事業変更承認の有無:無 事業変更報告書の有無:有 (ア) 報告日:2021年3月2日 内容:集荷用倉庫建設対象農協の変更 (イ) 報告日:2021年6月28日 内容:3 年次対象農協の変更 (ウ) 報告日:2021年9月8日内容:本部スタッフの変更 (エ) 報告日:2021年10月25日 内容:事業ふりかえりを農協リーダーのビデオインタビューに変更 (オ) 報告日:2021年12月3日 内容:①有機農産物物産展への出展を海外へのサンプル輸送に変更。②タイの農協訪問を中止 ③苗木の追加購入 (カ) 報告日:2021年12月8日 内容:州外での研修を州内に変更。1.5 日を予定していた活動を半日に変更。 (キ) 報告日:2022年2月7日 内容:現地スタッフの変更。業務委託先への支払額変更。 |
2.事業の概要と成果 | |
(1) プロジェクト目標の達成度 (今期事業達成目標) | プレアビヒア州の 43 の農協の内、12 の農協にて有機カシューナッツ栽培が促進され、国際有機認定が 5 つの地区の 12 の農協の登録農家におりた。(当初は 13 農協を予定していたが、2 農協が途中から認定申請と共同出荷を見送り、1 農協が追加された。) 農協リーダーの事業運営能力が強化され、契約農業の締結が結ばれ、平均 6%のプレミア価格を生産者が受け取った。これにより、プレアビヒア州において有機カシューナッツの契約栽培が定着し、小農家の生計が向上している。農協は 4 シーズンに渡り国際有機認定を取得し(内 2 シーズンは有機JAS 含む)、高付加価値化を確立した。 |
(今期事業達成目標) プレアビヒア州の、13 の農協のカシューナッツの有機認証取得による高付加価値化が促進され、農協が自ら生産行程と共同出荷を管理できる力をつける。 | |
(2)事業内容 | 各活動の実施時期はコロナ感染拡大対策としてのカンボジア政府による集会の禁止、州境移動などの影響を受けた。 1. カシューナッツ有機栽培の技術指導を行う。 1.1. 有機栽培の技術研修を行う(モデル農家訪問含む)。 対象者:3 年次新規認証対象3 農協で活動3.1 の事業説明会後に登 録した 122 名(見込み) 1.1.1. 混植、混作等の技術研修をモデル農家で行う。 2021 年 10 月実施済み 参加者計 112 名。 コロナ感染拡大防止のため、小グループ単位での実施に切り替えた。 1.1.2. 剪定と果樹管理、施肥の技術研修を行う。 2021 年 8 月実施。参加者計 143 名 1.1.3. 技術研修効果の調査を行う。 2022 年 1 月実施済み 1.2. 混植・混作のための苗木支援 1.2.1. 1 年次に建設した苗床で混植用の苗木を育成する。(果樹 2000 本前後) 果樹苗木 1672 本を栽培した。 1.2.2. 3250 本の苗木を新規購入し、上記の苗木と合わせて圃場拡大農家に配布する。 耕地拡大予定農家 180 名に 3,250 本と上記の苗木を合わせて配布。2021 年 7 月実施済み。また緩衝地帯1のある農家 105 名の農家にさらに 1,050 本のヤシの苗木を 1 月に配布した。(変更第 5 号) 1.3. 有機栽培モデル農家育成指導、及びモデル農園支援。 1.3.1. 州外の研修で土壌保全に関する研修に参加。(「弊団体プレアビヒア事務所に講師を招き、土壌保全に関する研修を実施」に変更。州内での講義に変更。変更 6 号) 対象者:全対象農協のモデル農家 13 名 11 名のモデル農家が 1 日の研修に参加。2021 年 12 月に実施済み。2 名は都合がつかず欠席。 1.3.2. モデル農家相互訪問 対象者:全対象農協のモデル農家 13 名 |
(日程は 1.5 日から半日に変更。変更 6 号) 上記 1.3.1 と同じ日程で 11 名のモデル農家が参加。2021 年 12 月に実施済み 1.3.3. モデル農園における試験栽培を支援し、栽培状況をモニタリングする。 年間を通して実施。 昨年の収量実績、その他結果を報告書にまとめた。 1.4. 生産者対象収穫後取り扱い研修 対象者:新規認定対象者 90 名(見込み) 2021 年 11~12 月に実施済み。参加者は計 142 名。 1.5. 小型xxxを供与し、農協リーダーと貸し出しの規則を決める。(3農協対象、計 6 機) 2021 年 6 月に 3 農協ごとにリーダーに集まってもらい、貸し出しの 規則を決め、各 2 台ずつの供与を行った。対象農協の変更の影響 で当初の予定より 4 か月ほど遅れた。 2. 生産行程管理を構築し、有機認定の取得を支援する。 2.1. 新規登録希望農家に有機基準の研修を行う。 対象者:3.1.で登録した生産者 122 名(見込み) 実施済。7 月中旬から 8 月初旬にかけて 180 名が参加。見込みより多くの生産者の登録があり、研修参加者が増えた。 2.2. 農協リーダーを招集し、登録者の中から農場査定員 12 名を選出。また 1 年次、2 年次対象地域から新たに計 9 名の農場査定員を選出する。 対象農協の変更があり登録農家が増えたため、3 年次対象農協から 21 名が 6 月に選出された。対象農協の変更の影響で 2 か月ほど遅れた。1 年次、2 年次対象農協からは新たな農場査定員の選出は今年度はなかった。 2.3. 農場査定員、及び生産行程管理担当者に対して記録管理の研修を行う。 2.3.1. 農場査定員に生産行程管理の研修を行う。 対象者:全対象農協新規査定員 21 名、各ゾーンごと 6 月末から 7 月中旬にかけて 3 年次対象農協の 20 名が参 加。参加しなかった 1 名は査定員を辞退。 10 月に JAS 認証対応として追加研修を実施。3 年次からは 18 名が参加。1、2 年次対象農協の査定員については新規査定員はいなかったが、9 月に既存の農場査定員を対象にして実施。37 名が参加。JAS についての追加研修参加人数は全農協で計 57 名。 2.3.2. 専門家監修のもと農場査定に関する生産行程管理ガイドラインを確定し、全農場査定員と共有する。 対象者:全対象農協農場査定員 55 名(見込み) 1 月に実施。51 名の査定員の内 41 名が州都での会合に参 加した。xxの必要があり、都合がつかなかった 10 名が欠席した。 2.4. 生産行程責任者、生産行程担当者、及び農場査定員が行う生産 |
1 圃場(農地)に、周囲から禁止された農薬や化学肥料が飛来、流入しないように設けられた隣接農地から一定の距離をおいて作物を植えた地帯
工程管理ソフトウェアによる記録管理と有機認定登録者リスト、管理記録の作成を側面支援する。 2.4.1. 登録者の圃場情報を収集し、認定登録者リストと管理記録を作成する。 10 月に実施。 2.4.2. 生産者グループの生産行程管理にデータ収集アプリを導入し、登録者のデータ管理を支援する。 7~11 月にかけて実施。生産行程管理関係者が 2021 年 2月に IT 専門家によりアプリについての指導、及び 1 月には生産行程管理指導員によりアプリについての総合評価、指導を受けた。 2.4.3. 農場査定員に対してスマートフォンによる生産行程記録入力の研修を行う。 対象者:1,2 年次対象 10 農協の農場査定員 43 名 9 月に実施。認証申請を見送った 1 農協を除いた 9 農協の 農場査定員 42 名の内 37 名が参加した。 2.5. 生産行程管理ガイドラインの最終版を作成、配布する。 年間を通して実施。1 月に全農協用に 96 冊を印刷、配布した。 2.6. 生産行程管理者が行う有機認定の必要書類の作成、実地検査、及び認定機関からの改善要請対応をサポートする。 2.6.1. 生産行程管理責任者(ICS マネジャー)の生産行程管理の文書管理、及び認証申請を側面支援し、農協の認証申請の費用を支援する。 年間を通して実施。11 月に認証申請費用を半額支援した。 (残り半額は農協側が負担。) 2.6.2. 国際認定機関の訪問のロジ関係を支援し、実地検査に同行する。 11 月に実施。 2.6.3. 実地検査後の検査結果を農場査定員と共有する。対象者:農場査定員 55 名(全農協) 11 月に実施。全農協から農場査定員 51 名の内 43 名が参加した。 2.6.4. 検査結果に基づいた是正処置について農協リーダーと話し合い、生産行程ガイドラインを見直す。 対象者:農協リーダー13 名(全農協) 11 月に実施。それぞれの郡で開催し、全農協から 23 名が参加した。 2.7. 有機認定専門家から管理体制の改善指導を受ける。 計 4 回現地訪問する予定だったが、コロナ感染拡大に伴う入国時規制により実現できず、オンラインによる有機認定の実地検査準備、是正処置、生産行程管理ガイドラインの更新に関しての指導を年間を通して受けた。 2.8. 生産工程管理担当者、農協リーダーを対象に収穫後の工程管理、及び記録管理の指導を行う。 2.8.1. 収穫後の工程管理ガイドライン変更点確認、及び記録管理の復習を行う。 研修対象:1 年次対象 4 農協から各 4 名、2 年次対象 6 農協から各 4 名、計 40 名 2022 年 2 月に実施。9 農協から 16 名が参加。事業終了間 |
際までバイヤーの買取基準の決定を待ったため合同での開催とし、研修場所を各ゾーンから州都に変更。1 農協からの参加者を各 2 名とした。 2.8.2. 3 年次対象農協のリーダーに先行農協の共同出荷を視察してもらう。 研修対象:3 年次対象 3 農協から各 4 名、計 12 名 4 月に実施。11 名が Rung Roeung 農協と Rohas 農協の出荷を視察。 2.8.3. 収穫後の工程管理記録作成、データ入力・管理の指導を行う。 研修対象:3 年次対象 3 農協から各 8 名、計 24 名 12 月に 1 回目を実施。3 農協から 21 名が参加。2022 年 2 月に 2 回目を実施。事業終了間際までバイヤーの買取基準の決定を待ったため合同での開催とし、3 農協から 12 名が参加。 2.9. プレアビヒア州農協連合(PMUAC)と今後の生産行程管理の形態について話し合い、その計画に沿って必要な引継ぎを行う。 PMUAC とは四半期ごとに当団体との業務委託内容を見直し、年間を通して引継ぎを行った。 2.10. 集荷用倉庫1棟を 1 農協に、乾燥場 1 か所を別の 1 農協に建設する。工事に問題・瑕疵がないか確認し、必要に応じ具体的な技術的指導を行う 2.10.1. 同じゾーン内の農協間で、倉庫、乾燥場建設をする農協の選択への同意を取る。 実施しない。対象農協を当初計画とは別のゾーンから選定することとし、当該ゾーン内の他の農協は既に倉庫を保有していたことから、事前に同意を取る必要がなくなったため。 2.10.2. 倉庫供与の同意書を農協と交わす署名式を開催する。 12 月に Rung Roeng 農協の倉庫で実施。区長、村長含めた住民 64 名が参加した。 3. 契約栽培の契約締結、及び共同出荷を支援する。 3.1. 事業、及び契約栽培について説明会を行い、関心がある農家に登録を呼びかける。 対象:3 農協メンバー計 240 名(見込み) 実施済。5 月に農協ごとに農協リーダー計 25 名が参加。コロナ感染防止措置として集会に関する制限があったため、農協メンバー対象の説明会を開催する代わりに農協リーダーに説明会を行い、個別に農家に登録を呼びかけてもらった。 3.2. ゾーン*ごとの組織体制を構築し、各農協に共同出荷の体制を構築する。 *各農協を郡ごとにまとめたグループをゾーンと呼ぶ。 3.2.1 3 年次対象の農協リーダーを召集し、ゾーン運営委員を選出する。 3.7 の会合を通してこれまでのゾーンを解消し、5 つの郡から 12 農協を取りまとめる運営委員 7 名を選出。11 月に運営委員が集結し、有機カシューナッツ協会を形成することを決め、代表その他の役職を選出した。 3.2.2. 各農協の会計 1 名が、地域のパソコン教室でパソコンの基 |
本動作を学ぶ。(「出荷ゾーンの会計 2 名」から変更) 対象:会計担当の農協リーダー各 3 農協各 1 名、計 3 名 実施済。7 月に 3 農協から計 6 名がコースを終了した。 財務管理指導に合わせて実施時期を 4 か月早めた。 3.2.3. 上記会計担当者及び農協リーダー1 名にパソコンを使った事業の財務管理を指導する。 対象者:1 年次及び 2 年次対象 10 農協代表各 2 名(新規追加)、3 年次 3 農協各 2 名計 26 名 期間:1、2 年次対象の農協は 1 日 7 時間×2 回、3 年次対象の農協の 2 グループは 1 日 7 時間×2 回 1 年次及び 2 年次対象農協で 4 月に郡別に一回目を実施し、13 名が参加。5 月に農協別に 2 回目を実施し、20 名が参加。3 年次対象は 12 月に 2 回実施された。二回とも 6 名が参加した。 3.2.4. 農協リーダーにカシューナッツ共同出荷の収支計画作成を支援する。 対象者:1、2 年次対象10 農協各8 名(新規追加)、3 年次対象 3 農協各 8 名、計 104 名。 場所:5 つのゾーンの各ゾーンにて実施 期間:1、2 年次対象 10 農協は半日×2 回、3 年次対象 3 農協 1 日×1 回 1 年次及び 2 年次対象農協は 5 月に 1 回目を実施し、計 40名が参加。2 回目は9~10 月に実施し、31 名が参加。3 年次対象農協は 9 月に実施し、22 名が参加。計71 名が一回もしくは二回参加した。参加人数はコロナ感染防止のため最小限とした。 3.3. 契約内容の原案を作成し、交渉を支援する。 3.3.1. ゾーン運営委員とバイヤー候補の間の契約条件に関する話し合いを取り持つ。 対象:1 年次 2 年次対象 4 ゾーン運営委員各 1 名計 4 名 実施済。3 月、1 年次 2 年次対象の内 8 農協から農協リーダー8 名が加工業者 Xxxx Xxxxx(xxx・xxxx)との話合いに出席。 3.3.2. 農協代表を招き契約署名式を行う。 対象:先行農協 10 農協のリーダー各 2 名、計 20 名 2021 年シーズンについては 3 月に CACC 社と 2 年次に有機認証を取得した 9 農協、4 月に Chey Sambo 社が 9 農協と署名。コロナ感染防止措置のため、署名のみで対応。 2022 年シーズンについては 2 月に Kamya 社が 12 農協との合同契約に署名。 3.3.3. ゾーンの運営委員を招集し、次のシーズンのバイヤーの選択、提案する条件について話し合う。 対象:全ゾーン運営委員各 2 名計 10 名 1 月に実施。有機カシューナッツ協会の運営委員 7 名が参加。 3.4. 共同出荷が契約に沿って実施されているかモニタリングする。 3.4.1. カシューナッツのサンプルテストを行う。 実施済(2021 年 2~5 月、2022 年 2 月) |
3.4.2. 農協リーダーが加工施設での等級検査に立ち会う。対象:全農協からリーダー各 1 名、計 12(13)名 11 月に 3 年次対象 3 農協のリーダー6 名が参加し、Chey Sambo 社の加工施設におけるカシューナッツの加工と等級検査を視察した。先方の要求で参加人数を制限した。 3.4.3. 次の収穫シーズンに向け農協リーダーに選別、乾燥、品質管理を指導する。 対象:3 農協の農協リーダー各 8 名、計 24 名 11~12 月に実施。19 名が参加。 3.5. 出荷後農協リーダー間でふりかえりを行う。 対象:2 年次対象の農協リーダー各 4 名、計 24 名 実施済。7 月に全 13 農協から 13 名の農協リーダーが参加。 出荷について他の農協から学んでもらうため、3 年次対象農協、及び 1 年次対象農協も招待。コロナ感染防止措置のため、参加人数を制限。 3.6. 農協の代表内で事業全体のふりかえりを行う。(「農協の代表内で(ビデオインタビューを通して)事業全体のふりかえりを行う」に変更。変更報告第 4 号) 11 月に実施済。ビデオはYouTube で公開された。 3.7. 共同出荷を継続していくための今後の組織形態を運営委員同士で検討するための会合を設け、検討された計画の実施を支援する。 対象:5 つのゾーン運営委員各 2 名、計 10 名 9 月に一回目の会合を 12 の農協を 3 つに分けて行った。その結 果 12 農協は有機カシューナッツ協会として 7 名の運営委員を選び、協同して共同出荷の運営にあたることが決められた。以降運営にかかる会合にはこの協会の運営委員を召集することとした。二回目の会合は2 月に実施され、7 名の運営委員と共にPMUAC,地方農業局長、今後共同出荷を支援していく団体2が参加し、現状や今後の計画について話し合った。またトレーナーや専門家もオンラインで参加し、今後の事業形態について提言を行った。 4. 農協の共同事業のマネージメント、及び共同販売のマーケティングを強化する。 4.1 契約栽培の基本原則を学ぶ研修を行う。 対象者:3 農協の農協リーダー各 5 名計 15 名 10 月に実施。3 農協のリーダー15 名が 1.5 日の研修に参加した。 4.2 農協の海外の有機農産物フェアへの参加、及び商品の出展を支援する。(「海外のバイヤー候補向けに商品のサンプルを郵送する」に変更。変更 5 号) 加工カシューサンプルをヨーロッパ滞在中のバイヤー(輸出業者)に郵送、その後、ヨーロッパの輸入業者に郵送した。 4.3. 農協リーダーがタイの有機カシューナッツ販売をしている農協及びその生産者を訪問し、農協が運営しているカシューナッツ加工工場を視察する。(タイ国境が閉鎖されたため中止。変更 5 号) 4.4. プレアビヒア産有機カシューナッツのブランドづくりを行う。 |
2 詳細は(4)持続発展性の(4)参照
2022 年2 月にカシューナッツ収穫の様子を撮影。ポスターを制作した。 | |
(3)達成された成果 | 【成果(プロジェクト)】 12 の農協が有機カシューナッツ販売事業に参加し、国際有機認証が 5 つ の地区の 12 の農協の登録農家におりた。農協リーダーの事業運営能力が強化され、契約農業の締結が結ばれ、プレミア価格を生産者が受け取った。 【指標】 • 認証の更新を申請した 10 農協全てにおいて国際有機認証が更新される。 認証の更新に申請したのは9 農協に留まったが、9 農協全てにおいて国際有機認証が更新された。(2 年次対象の農協の一つにおいて害虫被害により農薬を使わざるを得ない生産者が続出し、有機栽培を継続する生産者が少ないことから、2021 年の有機認証と 2022 年の出荷は見送ると決断した。) • 認証に追加された 3 つの農協が国際有機認証を取得する。 認証に新規追加された 3 つの農協が初めて国際有機認証を取得した。 • 10 の農協が共同出荷を行う。 2021 年シーズンに関しては有機認証を取得した 10 農協のうち 7 農協が共同出荷を行った。1 農協は売買条件に同意せず出荷を見送り、2農協は出荷開始時には収穫が既に終了していた。 2022 年シーズンは 12 の農協の共同出荷が 2 月末より開始される予定。 • プレアビヒア州農協連合(PMUAC)と農協との間で、生産行程管理に関する同意書が締結される。(同意書の発行) PMUAC(ピーマック)と 12 の農協の代表が、生産行程管理とマーケティング業務に関する委託の同意書を締結した。 • 一般市場の慣行農業の作物の価格(仲買人の買取価格)と比較して 15%以上高いプレミアム価格で買い取ることが契約に盛り込まれる。 2021 年シーズンに関しては 2 社のバイヤーが農協と契約し、1 社は 15%、もう一社は 20%の有機プレミアム価格が契約に盛り込まれた。 2022 年シーズンは現在までに 1 社と 1 キロ当たり約 2US ドルの固定価格で契約。(去年の出荷時の市場価格をベースにした場合 34%のプレミアム相当。) 【成果(3 年次)】 生産行程管理が機能し、12 の農協全ての国際有機認証が取得され、高付加価値化が実現した。持続性の高い生産行程管理システムが構築され、農協がオーナーシップを持って共同出荷と生産行程管理に取り組んだ。 |
【指標】 • 認証機関からの改善要求事項が前年の 14 項目から 10 項目以下に減る。 認証機関からの改善要求事項は 3 項目に留まった。ただし改善要求事項の一つであった緩衝地帯確保策3に対しては 15 名の生産者が不十分だとの指摘があった。 • 一般市場の慣行農業の作物の価格(仲買人の買取価格)と比較して 20%のプレミアム価格で買い取られる。 2021 年シーズンは一社は 15%で 40 トン、もう一社は 20%のプレミア ム価格で 10 トンの殻付きカシューナッツが農協から買い取られた。 2022 年シーズンは固定価格(約 34%のプレミアム価格に相当)で 50 トンの注文が 2 月現時点で入っている。 • 販売実績が前シーズンの 84 トンから 100 トン以上に増加する。 2021 年シーズンはバイヤー側の商品規格の決定に時間を要し、売買 契約締結が収穫終了間近まで遅れ、販売実績は 50 トンにとどまった。 2022 年は 2 月現時点で 50 トンの注文が入っており、その他 3 社とも交渉が開始されており、最終的に 100 トン以上になると見込まれる。 | |
(4)持続発展性 | (1) 先進国における健康志向から世界のカシューナッツの需要は増え続けており、2010 年から 5 年の間に 53%伸び4、伸びる需要に供給が追いついていない。2021 年には新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界最大のカシューナッツ加工・輸出国であるベトナムとの国境が厳しく管理され、カンボジアからベトナムへのより正確な輸出量が把握される結果となり、最初の 9 ヵ月で既に前年生産世界一のコートジボワールを超す 18 億ドル(前年比 595%)の未加工カシューナッツの輸出 が報告され、世界を驚かせた。5 (2) JICA の中小企業・SDGsビジネス支援事業では株式会社トッププラニング JAPAN がカシューナッツのバリューチェーン構築と高付加価値化に向けた案件化調査を 2020 年まで実施。またJICA も農産物のバリューチェーン強化支援のための専門家をカンボジアへ長期派遣しカシューナッツの国内基準を設けようとしており、官民共にカシューナッツのサプライチェーン整備が促進されている。トッププラニングJAPAN社と提携するカシューナッツ加工工場は 2021 年にカンボジアで初と なるカシューナッツ加工に関するJAS 有機認証を取得し、去年に引き続き今後も当事業の支援対象であった農協から有機カシューナッツを買い取り、日本に輸出していく予定である。 (3) 有機農産物の市場は健康志向の高まりでもともと先進国やアジアで市場が成長していたが、新型コロナウイルス感染が拡大でさらに拍車がかかり、世界第二の有機農産物消費国のドイツでは、2020 年に消 費量が前年より 22%伸びた6。コンテナ輸送費の値上がりが伝えられ |
3 「認証ほ場の隣接地で使用禁止資材が使用される場合には、隣接地との間に幅1メートル 以上の緩衝地帯を設けるものとする。ただし、隣接地との間に緩衝地帯になると認められる道路等が存在している場合には、当該道路等の幅を緩衝地帯に算入することができる。」(JAS規格内部基準)ただし、今回は 4 メートルでも十分でない場合があるとの判断だった。
4 “Cashew Prices Are About to Go Nuts” (Bloomberg)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-10-31/snack-food-sticker-shock-for-cashew-eaters-after-vietnam-drought
5 “Cambodia might be the World’s Largest Cashew Producer as Exports continue to Baffle” (TRIDGE ANALYSIS) https://www.tridge.com/stories/cambodia-might-be-the-worlds-largest-cashew-producer-as-exports-continue-to-
baffle?utm_campaign=market_updates_digest_2021-10- 27&utm_medium=email&utm_source=interaction&utm_content=large_media_cta&fbclid=IwAR3PMdqhjStIihASv9ZKUiP4Q 56fuw-sR7k0BKSyeLuDieMtDf5i2_ZwW44
6 “COVID Fuels Historic Growth in Organic Sales”
https://apps.fas.usda.gov/newgainapi/api/Report/DownloadReportByFileName?fileName=COVID%20Fuels%20Historic%20Gr
ているが、オンラインによるカンボジア産有機カシューナッツの商談会にはヨーロッパのバイヤー10 社以上が参加し、2022 年シーズンの新規のバイヤーとの契約につながっている。2021 年にはアメリカに市場を持つカンボジアの加工・輸出業者が新会社を設立、また世界 60 か国に支社を持つ大手農産品サプライチェーン企業もカンボジアに進 出、カシューナッツ加工業開始の準備に入っている。よってプレアビヒアの農協はいずれはバイヤーを選べる立場になっていくと見られる。 (4) 出口戦略として、様々なステークホルダーに働きかけ、特にカシューナッツ事業を開始する欧米の団体との間の調整会合を毎月開催し、情報共有に勤めた。現在はバリューチェーンが未だ構築中であると言えるが、スイスのNGO が 2022 年から 4 年間、プレアビヒア州のカシューナッツ有機栽培農家を対象としたサプライチェーン強化事業を開始。今後農協が必要な支援を得られるよう情報共有した。農協側では複数のバイヤーとの交渉に対して値段設定を農協側から提示し、早期契約や大量の注文に関しては値引きするなど、バイヤーと対等な立場で交渉を重ね契約に至るプロセスが見られるようになった。語 学、パソコンスキルが求められるマーケティング業務に関しては PMUAC に販売に応じた歩合制で農協から支払われることになった。 (5) プレアビヒア農協連合(PMUAC)には 2 年かけて生産行程管理業務の指導と引継ぎを行い、事業終了後は語学、パソコンスキルが必要とされる生産行程管理業務の一部を農協からPMUAC に業務委託することをが決められた。また使用率は約 3 割にとどまったが、農場査定員が農場査定にスマートフォンアプリの活用を始め、デジタルアーカイブ化等を推し進めることで生産行程管理システムが強化された。 (6) 倉庫及び乾燥場は費用の 3 割を農協が自己負担し、農協がオーナーシップを持って維持管理している。倉庫、乾燥場は他の作物(コメ、豆等)の乾燥、保管にも使用できるので、農協ビジネスの発展に寄与することができる。 (7) ネット環境やパソコンの使用にはまだ問題が多いが、全農協において出荷事業の記録、及び財務運営はパソコンでなされ、結果はオンラインストレージに随時保存された。農協にとっても全ての記録が保存されることでアカウンタビリティが保持されていると好評だった。また事業終了後は、引き続き農協の支援をしていくスイスの NGO が適切な 資金管理が維持されているかをモニタリングしていく予定。 |
owth%20in%20Organic%20Sales%20_Berlin_Germany_01-17-2022.pdf
3.その他 | |
(1)固定資産譲渡先 | 建設された 1 棟の倉庫と乾燥場は、開所式にて合意書をもって農協に譲渡された。 また事業終了とプレアビヒア事務所の閉鎖に伴い、N 連資金にて購入し当 団体で使用していたパソコン等が農協やPMUAC に譲渡された。 |
(2)特記事項 | 事業実施中、カンボジア国内ではコロナ感染防止措置として移動制限や外出禁止、集会人数制限等の規制が引かれ、4 月にはプノンペンがロックダウンとなり、州境間の移動が禁止されるなど一時期地方出張が不可能な状態となった。また入国についても 2 週間の強制隔離が 2021 年 11 月 まで義務付けられていた。 |
完了報告書記載日:2022年4月28日団体代表者名: 代表理事 枝松 直樹(印)