事業区分 工事区分 完成図 平面図 縦断図 横断図 構造図 構造詳細図 用地丈量図 道路新築・改築 道路改良 ○ ○ - - - - 舗装 ● ● - - - - 橋梁上部工(鋼・コンクリート) - - - - - - 橋梁下部工 - - - - - - トンネル(NATM・矢板) - - - - - - 地下横断歩道 地下駐車場 シェッド(コンクリート・鋼 製) 線 共共 同同 溝溝 ・電 共同溝 ●*1 ●*1 - - - - 電線共同溝 情報ボックス 繕 道・ 路雪 維寒 持修 道路維持 -...
第3編 土木工事共通編
第1章 総則
第1節 総則
3-1-1-1 請負代金内訳書及び工事費構成書
1.請負代金内訳書
受注者は、契約書第3条に請負代金内訳書(以下「内訳書」という。)を規定されたときは、内訳書を発注者に提出しなければならない。
2.内訳書の内容説明
監督職員は、内訳書の内容に関し受注者の同意を得て、説明を受けることができる。ただし、内容に関する協議等は行わないものとする。
3.工事費構成書
受注者は、請負代金額内訳書の提出後に総括監督員に対し、当該工事の工事費構成書の提示を求めることができる。また、総括監督員が提出する工事費構成書は、請負契約を締結した工事の数量総括表に掲げる各工種、種別及び細別の数量に基づく各費用の工事費総額に占める割合を、当該工事の設計書に基づき有効数字2桁(3桁目または小数3桁目以下切捨)の百分率で表示した一覧表とする。
4.工事費構成書の提出
総括監督員は、受注者から工事費構成書の提示を求められたときは、その日から14日以内にxx監督員を経由して受注者に提出しなければならない。
5.工事費構成書の内容説明
受注者は、工事費構成書の内容に関し、発注者から説明を受けることができる。ただし、内容に関する協議等は行わないものとする。
なお、工事費構成書は、発注者及び受注者を拘束するものではない。
6.電子データの入力
受注者は、請負代金内訳書を作成するに際して、発注者が貸与する電子データに必要事項を入力するものとする。必要事項の入力にあたっては、発注者が支給する「請負代金内訳書書式データの入力説明書(受注者用)」に基づき行うものとする。
7.請負代金内訳書の提出
受注者は、請負代金内訳書を電子データで作成し、発注者に提出しなければならない。
3-1-1-2 工程表
受注者は、契約書第3条に規定する工程表を作成し、監督職員を経由して発注者に
提出しなければならない。 3-1-1-3 現場技術員
受注者は、設計図書で建設コンサルタント等に委託した現場技術員の配置が明示された場合には、以下の各号によらなければならない。
なお、委託先及び工事を担当する現場技術員については、監督職員から通知するものとする。
(1)受注者は、現場技術員が監督職員に代わり現場に臨場し、立会等を行う場合には、その業務に協力しなければならない。また、書類(計画書、報告書、データ、図面 等)の提出に際し、説明を求められた場合はこれに応じなければならない。
(2)現場技術員は、契約書第9条に規定する監督職員ではなく、指示、承諾、協議及び確認の適否等を行う権限は有しないものである。ただし、監督職員から受注者に対する指示または、通知等を現場技術員を通じて行うことがある。
また、受注者が監督職員に対して行う報告または通知は、現場技術員を通じて行
うことができる。
3-1-1-4 監督職員による確認及び立会等
1.立会依頼書の提出
受注者は設計図書に従って監督職員の立会が必要な場合は、あらかじめ立会依頼書を所定の様式により監督職員に提出しなければならない。
2.監督職員の立会
監督職員は、必要に応じ、工事現場または製作工場において立会し、または資料の
提出を請求できるものとし、受注者はこれに協力しなければならない。 3.確認、立会の準備等
受注者は、監督職員による確認及び立会に必要な準備、人員及び資機材等の提供並びに写真その他資料の整備をしなければならない。
なお、監督職員が製作工場において確認を行なう場合、受注者は監督業務に必要な設備等の備わった執務室を提供しなければならない。
4.確認及び立会の時間
監督職員による確認及び立会の時間は、監督職員の勤務時間内とする。ただし、やむを得ない理由があると監督職員が認めた場合はこの限りではない。
5.遵守義務
受注者は、契約書第9条第2項第3号、第13条第2項または第14条第1項もしくは同条 第2項の規定に基づき、監督職員の立会を受け、材料の確認を受けた場合にあっても、契約書第17条及び第32条に規定する義務を免れないものとする。
6.段階確認
段階確認は、以下に掲げる各号に基づいて行うものとする。
(1)受注者は、表3-1-1段階確認一覧表に示す確認時期において、段階確認を受けなければならない。
(2)受注者は、事前に段階確認に係わる報告(種別、細別、施工予定時期等)を監督職員に提出しなければならない。また、監督職員から段階確認の実施について通知があった場合には、受注者は、段階確認を受けなければならない。
(3)受注者は、段階確認に臨場するものとし、監督職員の確認を受けた書面を、工事完成時までに監督職員へ提出しなければならない。
(4)受注者は、監督職員に完成時不可視になる施工箇所の調査ができるよう十分な機会を提供するものとする。
7.段階確認の臨場
監督職員は、設計図書に定められた段階確認において臨場を机上とすることができる。この場合において、受注者は、監督職員に施工管理記録、写真等の資料を提示し確認を受けなければならない。
表3-1-1 段階確認一覧表
種 | 別 | 細 | 別 | 確 | 認 | 時 | 期 |
指定仮設工 | 設置完了時 | ||||||
河川・海岸・砂防土工(掘削工)道路土工(掘削工) | 土(岩)質の変化した時 | ||||||
道路土工(路床盛土工)舗装工(下層路盤) | プルーフローリング実施時 | ||||||
表層安定処理工 | 表層混合処理・路床安定処理 | 処理完了時 | |||||
置換 | 掘削完了時 | ||||||
サンドマット | 処理完了時 | ||||||
バーチカルドレーン工 | サンドドレーン 袋詰式サンドドレーンペーパードレーン等 | 施工時 施工完了時 | |||||
締固め改良工 | サンドコンパクションパイル | 施工時 施工完了時 | |||||
固結工 | 粉体噴射攪拌高圧噴射攪拌 セメントミルク攪拌 生石灰パイル | 施工時 施工完了時 | |||||
薬液注入 | 施工時 | ||||||
xxx (任意仮設を除く) | 鋼xx 鋼管矢板 | 打込時 打込完了時 | |||||
既製杭工 | 既製コンクリート杭鋼管杭 H鋼杭 | 打込時 打込完了時(打込杭)掘削完了時(xx杭)施工完了時(xx杭) 杭頭処理完了時 | |||||
場所打杭工 | リバース杭 オールケーシング杭アースドリル杭 大口径杭 | 掘削完了時 鉄筋組立て完了時施工完了時 杭頭処理完了x | |||||
x礎工 | 土(岩)質の変化した時掘削完了時 鉄筋組立て完了時施工完了時 グラウト注入時 | ||||||
オープンケーソン基礎工 ニューマチックケーソン基礎工 | 鉄沓据え付け完了時 本体設置前 (オープンケーソン) 掘削完了時(ニューマチックケーソン) 土(岩)質の変化した時 鉄筋組立て完了時 | ||||||
鋼管矢板基礎工 | 打込時 打込完了時 杭頭処理完了時 |
置換工(重要構造物) | 掘削完了時 | |
築堤・護岸工 | 法線設置完了時 | |
砂防堰堤 | 法線設置完了時 | |
護岸工 | 法覆工(覆土施工がある場合) | 覆土前 |
基礎工・根固工 | 設置完了時 | |
重要構造物 函渠工(樋門・樋管含む)躯体工(橋台) RC躯体工(橋脚) 橋脚フーチング工 RC擁壁 砂防堰堤堰本体工 排水機場本体工xxx 共同溝本体工 | 土(岩)質の変化した時床掘掘削完了時 鉄筋組立て完了時埋戻し前 | |
躯体工 RC躯体工 | 杳座の位置決定時 | |
床版工 | 鉄筋組立て完了時 | |
鋼橋 | 仮組立て完了時(仮組立てが省略となる場合を除く) | |
ポストテンションT(I)桁製作工プレビーム桁製作工 プレキャストブロック桁組立工 PCホロースラブ製作工 PC版桁製作工 PC箱桁製作工 PC片持箱桁製作工 PC押出し箱桁製作工 床版・横組工 | プレストレスト導入完了時 横締め作業完了時プレストレスト導入完了時 縦締め作業完了時 PC鋼線・鉄筋組立完了時 (工場製作除く) | |
トンネル掘削工 | 土(岩)質の変化した時 | |
トンネル支保工 | 支保工完了時 (保工変化毎) | |
トンネル覆工 | コンクリート打設前 | |
コンクリート打設後 | ||
トンネルインバート工 | 鉄筋組立て完了時 | |
鋼板巻立て工 | フーチング定着アンカー穿孔工 | フーチング定着アンカー穿孔完了時 |
鋼板取付け工、固定アンカー工 | 鋼板建込み固定アンカー完了時 | |
現場溶接工 | 溶接前 | |
溶接完了時 | ||
現場塗装工 | 塗装前 | |
塗装完了時 | ||
ダム工 | 各工事ごと別途定める |
3-1-1-5 数量の算出
1.一般事項
受注者は、出来形数量を算出するために出来形測量を実施しなければならない。
2.出来形数量の提出
受注者は、出来形測量の結果を基に、土木工事数量算出要領(案)及び設計図書に従って、出来形数量を算出し、その結果を監督職員からの請求があった場合は速やかに提示するとともに、工事完成時までに監督職員に提出しなければならない。出来形測量の結果が、設計図書の寸法に対し、土木工事施工管理基準及び規格値を満たしていれば、出来形数量は設計数量とする。
なお、設計数量とは、設計図書に示された数量及びそれを基に算出された数量をいう。
3-1-1-6 品質証明
受注者は、設計図書で品質証明の対象工事と明示された場合には、以下の各号によるものとする。
(1)品質証明に従事する者(以下「品質証明員」という。)が工事施工途中において必要と認める時期及び検査(完成、既済部分、中間技術検査をいう。以下同じ。)の事前に品質確認を行い、受注者はその結果を所定の様式により、検査時までに監督職員へ提出しなければならない。
(2)品質証明員は、当該工事に従事していない社内の者とする。また、原則として品質証明員は検査に立会わなければならない。
(3)品質証明は、契約図書及び関係図書に基づき、出来形、品質及び写真管理はもとより、工事全般にわたり行うものとする。
(4)品質証明員の資格は10年以上の現場経験を有し、技術士もしくは1級土木施工管理技士の資格を有するものとする。ただし、監督職員の承諾を得た場合はこの限りでない。
(5)品質証明員を定めた場合、受注者は書面により氏名、資格(資格証書の写しを添付)、経験及び経歴書を監督職員に提出しなければならない。
なお、品質証明員を変更した場合も同様とする。
3-1-1-7 工事完成図書の納品
1.一般事項
受注者は、工事目的物の供用開始後の維持管理、後工事や復旧工事施工に必要な情報など、施設を供用する限り施設管理者が保有すべき資料をとりまとめた以下の書類を工事完成図書として納品しなければならない。
① 工事完成図
② 工事管理台帳
2.工事完成図
受注者は、設計図書に従って工事目的物の完成状態を図面として記録した工事完成図について、電子成果品として作成しなければならない。工事完成図は、主工種、主要構造物だけでなく付帯工種、付属施設など施設管理に必要なすべての図面、設計条件、測量情報等を含むものとし、工事完成図は設計寸法(監督職員の承諾により設
計寸法を変更した場合は、変更後の寸法)で表し、材料規格等はすべて実際に使用したもので表すものとする。
3.工事管理台帳
受注者は、設計図書に従って工事目的物の完成状態を台帳として記録した工事管理台帳について、原則として、電子成果品として作成しなければならない。工事管理台帳は、工事目的物の諸元をとりまとめた施設管理台帳と工事目的物の品質記録をとりまとめた品質記録台帳をいう。
4.成果品
受注者は、「電子納品等運用ガイドライン【土木工事編】」に基づいて、原則として、電子成果品を作成及び納品しなければならない。
なお、工事管理ファイル、その他管理ファイル、施工計画書管理ファイル、打合わせ簿管理ファイル及びそれらのDTDファイルは、「国土交通省CALS/EC電子納品に関する要領・基準サイト」(xxxx://xxx.xxxx-xx.xx.xx/xxxxx.xxxx)において公開している「工事完成図書等に係わるDTD、XML出力例」H22.9(H23.12.27更新)を利用することとし、関係する記載は読み替えるものとする。
5.道路工事完成図等の電子成果品
受注者は、表3-1-2に掲げる道路工事完成図等作成の対象工事である場合、「道路工事完成図等作成要領(国土技術政策総合研究所)」に基づいて電子成果品を作成しなければならない。
表3-1-2 道路工事完成図等作成の対象工事
事業区分 | 工事区分 | 完成図 | |||||
平面図 | 縦断図 | 横断図 | 構造図 | 構造詳細図 | 用地丈量図 | ||
道路新築 ・改築 | 道路改良 | ○ | ○ | - | - | - | - |
舗装 | ● | ● | - | - | - | - | |
橋梁xxx (鋼・コンクリート) | - | - | - | - | - | - | |
橋梁下部工 | - | - | - | - | - | - | |
トンネル (NATM・矢板) | - | - | - | - | - | - | |
地下横断歩道 | |||||||
地下駐車場 | |||||||
シェッド (コンクリート・鋼 製) | |||||||
線 共 共 同 同 溝 溝 ・ 電 | 共同溝 | ●*1 | ●*1 | - | - | - | - |
電線共同溝 | |||||||
情報ボックス | |||||||
繕 道 ・ 路 雪 維 寒 持 修 | 道路維持 | - | - | - | - | - | - |
道路修繕 | ●*3 | ●*3 | - | - | - | - | |
雪寒 | - | - | - | - | - | - |
工事施設帳票 |
● |
● |
● |
● |
● |
● |
●*2 |
● |
● |
(凡例) ●:道路工事完成図等作成要領に基づく完成図等の作成、電子納品が必須
○:新土木工事積算体系におけるレベル0事業区分及びレベル1工事区分、レベル2工種で「舗装工」を含む工事のうち1区間で100m2を超える表層の舗装工を含む工事(仮舗装、歩道舗装を除く)
(注意)*1:新土木工事積算体系のレベル2工種で「舗装工」を含まない共同溝、電線共同溝、情報ボックス工事については、平面図および縦断図を作成する必要はない。また、「舗装工」を含む工事であっても、仮復旧及び道路の一部舗装のみを行う工事については平面図および縦断図を作成する必要はない。
*2:除草、除雪および清掃等、道路施設に変更を加えない道路維持工事については工事施設帳票を作成する必要はない。
*3:新土木工事積算体系のレベル2工種で「舗装工」を含まない道路修繕工事については平面図及び縦断図を作成する必要はない。また、「舗装工」を含む工事であっても、管内全域で行う簡易な道路修繕工事(小規模な欠損部補修作業、100m2以下の舗装工事等)については平
面図及び縦断図を作成する必要はない。
6.地質調査の電子成果品等
受注者は、設計図書において地質調査の実施が明示された場合、「地質・土質調査 成果電子納品要領(国土交通省)」に基づいて電子成果品を作成しなければならない。
なお、受注者は、地質データ、試験結果等については、地質・土質調査業務共通仕様書(案)(建設省技xx第92号平成3年3月30日)の第118条成果物の提出に基づいて地盤情報データベースに登録しなければならない。
3-1-1-8 技術検査
1.一般事項
受注者は、地方整備局工事技術検査要領(平成18年3月31日国官技第282号)に基づく、技術検査を受けなければならない。
2.完成技術検査、既済部分技術検査の適用
完成検査、既済部分検査は、会計法第29条の11第2項の検査を実施する時に行うものとする。
3.中間技術検査の適用
中間技術検査は、設計図書において対象工事と定められた工事について実施するものとする。
4.中間技術検査の段階
中間技術検査は、設計図書において定められた段階において行うものとする。
5.中間技術検査の時期選定
中間技術検査の時期選定は、監督職員が行うものとし、発注者は中間技術検査に先立って受注者に対して中間技術検査を実施する旨及び検査日を通知するものとする。
6.検査内容
検査職員は、監督職員及び受注者の臨場の上、工事目的物を対象として設計図書と対比し、以下の各号に掲げる検査を行うものとする。
(1)工事の出来形について、形状、寸法、精度、数量、品質及び出来ばえの検査を行う。
(2)工事管理状況について、書類、記録及び写真等を参考にして検査を行う。
7.適用規定
受注者は、当該技術検査については、第3編3-1-1-6監督職員による確認及び立会等第3項の規定を準用する。
3-1-1-9 提出書類
1.一般事項
受注者は、提出書類を通達、マニュアル及び様式集等により作成し、監督職員に提出しなければならない。これに定めのないものは、監督職員の指示する様式によらなければならない。
2.設計図書に定めるもの
契約書第9条第5項に規定する「設計図書に定めるもの」とは請負代金額に係わる請求書、代金代理受領諾申請書、遅延利息請求書、監督職員に関する措置請求に係わる
書類及びその他現場説明の際指定した書類をいう。
3-1-1-10 創意工夫
受注者は、自ら立案実施した創意工夫や地域社会への貢献として、特に評価できる 項目について、工事完成時までに所定の様式により、監督職員に提出する事ができる。
第2章 一般施工
第1節 適用
1.適用工種
本章は、各工事において共通的に使用する工種、基礎工、石・ブロック積(張)工、一般舗装工、地盤改良工、工場製品輸送工、構造物撤去工、仮設工、工場製作工(共 通)、橋梁架設工、法面工(共通)、擁壁工(共通)、浚渫工(共通)、植栽維持工、床版工その他これらに類する工種について適用する。
2.適用規定
本章に特に定めのない事項については、第2編材料編及び第1編第3章無筋・鉄筋コンクリートの規定による。
第2節 適用すべき諸基準
受注者は、設計図書において特に定めのない事項については、以下の基準類による。これにより難い場合は、監督職員の承諾を得なければならない。
なお、基準類と設計図書に相違がある場合は、原則として設計図書の規定に従うものとし、疑義がある場合は監督職員と協議しなければならない。
日本道路協会 | 道路橋示方書・同解説(Ⅰ共通編) | (平成29年11月) |
日本道路協会 | 道路橋示方書・同解説(Ⅱ鋼橋・鋼部材編) | (平成29年11月) |
日本道路協会 | 道路橋示方書・同解説(Ⅳ下部構造編) | (平成29年11月) |
日本道路協会 | 鋼道路橋施工便覧 | (令和2年9月) |
日本道路協会 | 鋼道路橋防食便覧 | (平成26年3月) |
日本道路協会 | 舗装調査・試験法便覧 | (平成31年3月) |
日本道路協会 | アスファルト舗装工事共通仕様書解説 | (平成4年12月) |
日本道路協会 | 転圧コンクリート舗装技術指針(案) | (平成2年11月) |
建設省 薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針 (昭和49年7月)建設省 薬液注入工事に係る施工管理等について (平成2年9月)
日本薬液注入協会 薬液注入工法の設計・施工指針 (xxx年6月)国土交通省 仮締切堤設置基準(案) (平成26年12月一部改正)環境省 水質汚濁に係る環境基準について (平成31年3月)
日本道路協会 防護柵の設置基準・同解説 (平成28年12月)日本道路協会 杭基礎施工便覧 (令和2年9月)全国特定法面保護協会 のり枠工の設計施工指針 (平成25年10月)地盤工学会 グラウンドアンカー設計・施工基準・同解説 (平成24年5月)日本道路協会 道路土工-軟弱地盤対策工指針 (平成24年8月)
日本道路協会 道路土工要綱 (平成21年6月)
日本道路協会 道路土工-盛土工指針 (平成22年4月)日本道路協会 道路土工-切土工・斜面安定工指針 (平成21年6月)日本道路協会 道路土工-擁壁工指針 (平成24年7月)
日本道路協会 道路土工-カルバート工指針 (平成22年3月)
日本道路協会 道路土工-仮設構造物工指針 (平成11年3月)
日本道路協会 | 斜面上の深礎基礎設計施工便覧 | (平成24年4月) |
日本道路協会 | 舗装再生便覧 | (平成22年11月) |
日本道路協会 | 舗装施工便覧 | (平成18年2月) |
日本道路協会 | 鋼管矢板基礎設計施工便覧 | (平成9年12月) |
建設省 トンネル工事における可燃性ガス対策について (昭和53年7月)建設業労働災害防止協会 ずい道等建設工事における換気技術指針(換気技術の設計及び粉じん等の測定)
(平成24年3月)
建設省 道路付属物の基礎について (昭和50年7月)
日本道路協会 道路標識設置基準・同解説 (令和2年6月)日本道路協会 視線誘導標設置基準・同解説 (昭和59年10月)建設省 土木構造物設計マニュアル(案)[土工構造物・橋梁編] (平成11年11月)建設省 土木構造物設計マニュアル(案)に係わる設計・施工の手引き(案) [ボックスカルバート・擁壁編] (平成11年11月)
国土交通省 建設副産物適正処理推進要綱 (平成14年5月)厚生労働省 ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン
(令和2年7月)国土交通省 土木構造物設計マニュアル(案)[樋門編] (平成13年12月)国土交通省 土木構造物設計マニュアル(案)に係わる設計・施工の手引き(案)(樋門編)
(平成13年12月)
国土交通省 道路土工構造物技術基準 (平成27年3月)
労働省 騒音障害防止のためのガイドライン (平成4年10月)厚生労働省 手すり先行工法等に関するガイドライン (平成21年4月)土木学会 コンクリート標準示方書(規準編) (平成30年10月)
第3節 共通的工種
3-2-3-1 一般事項
本節は、各工事に共通的に使用する工種として作業土工(床掘り・埋戻し)、xx x、縁石工、小型標識工、防止柵工、路側防護柵工、区画線工、道路付属物工、コン クリート面塗装工、プレテンション桁製作工(購入工)、ポストテンション桁製作工、プレキャストセグメント主桁組立工、PCホロースラブ製作工、PC箱桁製作工、根固め ブロック工、沈床工、捨石工、笠コンクリート工、ハンドホール工、階段工、現場継 手工、伸縮装置工、銘板工、xxx型護岸工、xxx、プレキャストカルバート工、 側溝工、集水桝工、現場塗装工、かごマット工、袋詰玉石工その他これらに類する工 種について定める。
3-2-3-2 材料
1.アスカーブの材料
縁石工で使用するアスカーブの材料は、第3編3-2-6-3アスファルト舗装の材料の規定による。
2.コンクリート二次製品
縁石工において、縁石材料にコンクリート二次製品を使用する場合は、使用する材料は、第2編2-2-7-2セメントコンクリート製品の規定によるものとする。また、長尺物の緑石についてはJIS A 5308(レディーミクストコンクリート)に準ずる。
3.反射シート
小型標識工に使用する反射シートは、JIS Z 9117(再帰性反射材)または、カプセルレンズ型反射シートを用いるものとする。
4.路側防護柵工の材料
塗装仕上げをする場合の路側防護柵工で使用する材料は、以下によるものとする。
(1)溶融亜鉛めっき仕上げの場合は、溶融亜鉛めっき法により、亜鉛めっきを施し、その上に工場にて仕上げ塗装を行わなければならない。この場合受注者は、めっき面に燐酸塩処理などの下地処理を行わなければならない。
(2)溶融亜鉛めっき仕上げの場合は、めっき付着量を両面で275g/㎡以上とし、防錆 を施さなければならない。ただし、亜鉛めっきが外面のみのパイプを使用する場合、内面を塗装その他の方法で防蝕を施したものでなければならない。その場合、受注 者は、耐触性が前述以上であることを確認しなければならない。
(3)熱硬化性アクリル樹脂塗装仕上げの場合は、熱硬化性アクリル樹脂塗料を用いて、 20μm以上の塗装厚としなければならない。
(4)受注者は、ガードケーブルのロープの素線に対しては、亜鉛付着量がJIS G 3525
(ワイヤロープ)で定めた300g/㎡以上の亜鉛めっきを施さなければならない。
(5)受注者は、支柱については、埋込み部分に亜鉛めっき後、黒ワニスを用いて内外面とも塗装を行わなければならない。
(6)ボルト・ナット(オートガードに使用するボルト・ナットを除く)については、
(1)、(2)により亜鉛めっきを施したものを用いるものとするが、ステンレス製品を用いる場合は、無処理とするものとする。
(7)鋼製材料の支柱をコンクリートに埋め込む場合(支柱を土中に埋め込む場合であって地表面をコンクリートで覆う場合を含む)において、支柱地際部の比較的早期の劣化が想定される以下のような場所には、一般的な防錆・防食処理方法に加え、必要に応じて支柱地際部の防錆・防食強化を図らなければならない。
① 海岸に近接し、潮風が強く当たる場所
② 雨水や凍結防止剤を含んだ水分による影響を受ける可能性がある場所
③ 路面上の水を路側に排水する際、その途上に支柱がある場合
5.亜鉛めっき地肌のままの材料
亜鉛めっき地肌のままの場合の路側防護柵工で使用する材料は、以下によるものとする。
(1)受注者は、ケーブル以外の材料については、成形加工後、溶融亜鉛めっきを施さなければならない。
(2)受注者は、めっき付着量をビーム、パイプ、ブラケット、パドル、支柱の場合JIS H 8641(溶融亜鉛めっき)2種(HDZ55)の550g/㎡(片面の付着量)以上とし、その他の部材(ケーブルは除く)の場合は同じく2種(HDZ35)の350g/㎡片面の付着
量)以上としなければならない。
(3)ガードレール用ビームのxxが3.2mm未満となる場合については、上記の規定にかかわらず本条4項の規定によるものとする。また、受注者は、歩行者、自転車用防護柵が、成形加工後溶融亜鉛めっきが可能な形状と判断できる場合は、(2)のその他の部材の場合によらなければならない。
(4)受注者は、ガードケーブルのロープの素線に対して付着量が300g/㎡以上の亜鉛めっきを施さなければならない。
6.視線誘導標の形状及び性能
受注者は、視線誘導標を使用する場合、設計図書に明示した場合を除き、以下の形状及び性能を有するものを使用しなければならない。
(1)反射体
① 受注者は、形状が丸型で直径70mm以上100mm以下の反射体を用いなければならない。また、受注者は、反射体裏面を蓋などで密閉し、水、ごみなどの入らない構造としなければならない。
② 受注者は、色が白色または橙色で以下に示す色度範囲にある反射体を用いなければならない。
白色 0.31+0.25x≧y≧0.28+0.25x
0.50≧x≧0.41
橙色 0.44≧y≧0.39
y≧0.99-x
ただし、x、yはJIS Z 8781-3(測色-第3部:CIE三刺激値)の色度座標である。
③ 受注者は、反射性能がJIS D 5500(自動車用ランプ類)に規定する反射性試験 装置による試験で、表3-2-1に示す値以上である反射体を用いなければならない。
表3-2-1 反射体
(単位:cd/10. 76 lx)
反射体の色 | 白 色 | 橙 色 | ||||
入射角 観測角 | 0° | 10° | 20° | 0 ° | 10° | 20° |
0.2° | 35 | 28 | 21 | 22 | 18 | 13 |
0.5° | 17 | 1 4 | 10 | 11 | 9 | 6 |
1.5° | 0 .55 | 0 .44 | 0 .33 | 0 .34 | 0 .28 | 0 .20 |
[注]上表は、反射有効径70mmの場合の値である。
(2)支柱
① 受注者は、反射体を所定の位置に確実に固定できる構造の支柱を用いなければならない。
② 受注者は、白色またはこれに類する色の支柱を用いなければならない。
③ 使用する支柱の諸元の標準は表3-2-2に示すものとする。
表3-2-2 支柱の諸元
設置 場所 | 設置条件 | 長さ(mm) | 材 質 | |||
鋼 | アルミニウム合金 | 合成樹脂 | ||||
反射体の設置高さ(c m) | 基礎の種類 | 外径×厚さ (mm)×(m m) | 外径×厚さ (mm)×(m m) | 外径×厚さ (mm)×(m m) | ||
一般道 | 90 | コンクリート基礎 | 1,150 | 34 ×2 .3 以上 | 45 ×3 以上 | 60 ×4 .5 (89) 以上 |
土中埋込基礎 | 1,450 | |||||
自動車専用道 | 90 | コンクリート基礎 | 1,175 | 34 ×1 .6 以上 | 34 ×2 以上 | 60 ×3 .5 以上 |
120 | コンクリート基礎 | 1,525 |
[注]() 書きは、材料にポリエチレン樹脂を使用する場合。
④ 塗装仕上げする鋼管の場合
1)受注者は、溶融亜鉛めっき法により、亜鉛めっきを施し、その上に工場にて仕上げ塗装を行わなければならない。この場合、受注者は、めっき面に燐酸塩処理などの下地処理を行わなければならない。
2)受注者は、亜鉛の付着量をJIS G 3302(溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯)構造用<Z27>の275g/㎡(両面付着量)以上としなければならない。
ただし、亜鉛めっきが外面のみのパイプの場合、受注者は、内面を塗装その他の方法で防蝕を施さなければならない。その場合、耐蝕性は、前述以上とするものとする。
3)受注者は、熱硬化性アクリル樹脂塗装以上の塗料を用いて、20μm以上の塗装厚で仕上げ塗装しなければならない。
⑤ 亜鉛めっき地肌のままの場合
受注者は、支柱に使用する鋼管及び取付金具に亜鉛の付着量がJIS H 8641(溶融亜鉛めっき)2種(HDZ35)の350g/㎡(片面の付着量)以上の溶融亜鉛めっきを施さなければならない。受注者は、ボルト、ナットなども溶融亜鉛めっきで表面処理をしなければならない。
3-2-3-3 作業土工(床掘り・埋戻し)
1.埋設物
受注者は、埋設物を発見した場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなけれ
ばならない。
2.床掘りの施工
受注者は、作業土工における床掘りの施工にあたり、地質の硬軟、地形及び現地の状況を考慮して設計図書に示した工事目的物の深さまで掘り下げなければならない。
3.異常時の処置
受注者は、床掘りにより崩壊または破損のおそれがある構造物等を発見した場合には、応急措置を講ずるとともに直ちに設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
4.床掘りの仕上げ
受注者は、床掘りの仕上がり面においては、地山を乱さないように、かつ不陸が生じないように施工しなければならない。
5.岩盤床掘りの仕上げ
受注者は、岩盤床掘りを発破によって行う場合には設計図書に定める仕上げ面を超えて発破を行わないように施工しなければならない。万一誤って仕上げ面を超えて発破を行った場合は、計画仕上がり面まで修復しなければならない。この場合、修復箇所が目的構造物の機能を損なわず、かつ現況地盤に悪影響を及ぼさない方法で施工しなければならない。
6.排水処理
受注者は、床掘り箇所の湧水及び滞水などは、ポンプあるいは排水溝を設けるなどして排除しなければならない。
7.過掘りの処理
受注者は、施工上やむを得ず、既設構造物等を設計図書に定める断面を超えて床掘りの必要が生じた場合には、事前に設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
8.埋戻し材料
受注者は、監督職員が指示する構造物の埋戻し材料については、この仕様書における関係各項に定めた土質のものを用いなければならない。
9.埋戻し箇所の締固め
受注者は、埋戻しにあたり、埋戻し箇所の残材、廃物、木くず等を撤去し、一層の仕上り厚を30㎝以下を基本として十分締固めながら埋戻さなければならない。
10.埋戻し箇所の排水
受注者は、埋戻し箇所に湧水及び滞水などがある場合には、施工前に排水しなければならない。
11.狭隘箇所等の埋戻し
受注者は、構造物の隣接箇所や狭い箇所において埋戻しを行う場合は、小型締固め機械を使用し均一になるように仕上げなければならない。
なお、これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
12.埋設物周辺の埋戻し
受注者は、埋戻しを行うにあたり埋設構造物がある場合は、偏土圧が作用しないよ
うに、埋戻さなければならない。
13.水密性の確保
受注者は、河川構造物付近のように水密性を確保しなければならない箇所の埋戻しにあたり、埋戻し材に含まれる石等が1ヶ所に集中しないように施工しなければならない。
14.適切な含水比の確保
受注者は、埋戻しの施工にあたり、適切な含水比の状態で行わなければならない。
3-2-3-4 xxx
1.一般事項
xxとは、鋼xx、軽量鋼xx、コンクリート矢板、広幅鋼xx及び可とう鋼xxの事をいう。
2.鋼xxの継手部
鋼xxの継手部は、かみ合わせて施工しなければならない。
なお、これにより難い場合は設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
3.打込み工法の選定
受注者は、打込み方法、使用機械等については、設計図書によるものとするが、設計図書に示されていない場合には、打込み地点の土質条件、立地条件、矢板の種類等に応じたものを選ばなければならない。
4.矢板の打込み
受注者は、矢板の打込みにあたり、導材を設置するなどして、ぶれ、よじれ、倒れを防止し、また隣接矢板が共下りしないように施工しなければならない。
5.異常時の処置
受注者は、設計図書に示された深度に達する前に矢板が打込み不能となった場合は、原因を調査するとともに、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
6.控索材の取付け
受注者は、控索材の取付けにあたり、各控索材が一様に働くように締付けを行わなければならない。
7.ウォータージェット工法の打止め
受注者は、ウォータージェットを用いて矢板を施工する場合は、最後の打ち止めを併用機械で貫入させ、落ち着かせなければならない。
8.矢板引抜き跡の埋戻し
受注者は、矢板の引抜き跡の空洞を砂等で充填するなどして地盤沈下等を生じない ようにしなければならない。空隙による地盤沈下の影響が大きいと判断される場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
9.鋼xxの運搬保管の注意
受注者は、鋼xxの運搬、保管にあたり、変形を生じないようにしなければならない。
10.腹起し施工の一般事項
受注者は、腹起xx施工にあたり、矢板と十分に密着するようにし、隙間が生じた
場合にはパッキング材を用いて土圧を均等に受けるようにしなければならない。
11.腹起材の落下防止処置
受注者は、腹起xx施工にあたり、受け金物、吊りワイヤ等によって支持するものとし、振動その他により落下することのないようにしなければならない。
12.コンクリート矢板の運搬
受注者は、コンクリート矢板の運搬にあたり、矢板を2点以上で支えなければならない。
13.コンクリート矢板の保管
受注者は、コンクリート矢板の保管にあたり、矢板を水平に置くものとし、3段以上積み重ねてはならない。
14.落錘による打込み
受注者は、落錘によりコンクリート矢板を打込む場合、落錘の質量は矢板の質量以上、錘の落下高は2m程度として施工しなければならない。
15.鋼xx防食処置
受注者は、鋼xx防食を行うにあたり、現地状況に適合した防食を行わなければならない。
16.部材損傷防止
受注者は、鋼xx防食を行うにあたり、部材の運搬、保管、打込み時などに、部材を傷付けないようにしなければならない。
17.控え版の施工
受注者は、控え版の施工にあたり、外力による転倒、滑動及び沈下によって控索材に曲げが生じぬように施工しなければならない。
18.控え版の据え付け調整
受注者は、控え版の据付けにあたり、矢板側の控索材取付け孔と控え版側の取付け孔の位置が、上下及び左右とも正しくなるように調整しなければならない。
3-2-3-5 縁石工
1.一般事項
縁石工の施工にあたり、縁石ブロック等は、あらかじめ施工した基盤の上に据付けるものとする。敷モルタルの配合は、1:3(セメント:砂)とし、この敷モルタルを基礎上に敷均した後、縁石ブロック等を契約図面に定められた線形及び高さに合うよう十分注意して据付けなければならない。
2.アスカーブの適用規定
アスカーブの施工については、第3編3-2-6-7アスファルト舗装工の規定による。
3.アスカーブの施工
アスカーブの施工にあたり、アスファルト混合物の舗設は、既設舗層面等が清浄で乾燥している場合のみ施工するものとする。気温が5℃以下のとき、または雨天時には施工してはならない。
3-2-3-6 小型標識工
1.一般事項
受注者は、視認上適切な反射性能を持ち、耐久性があり、維持管理が確実かつ容易
な反射材料を用いなければならない。
2.反射標識の取扱い
受注者は、全面反射の標識を用いるものとする。ただし、警戒標識及び補助標識の黒色部分は無反射としなければならない。
3.標示板基板の表面状態
受注者は、標示板基板表面をサンドペーパーや機械的により研磨(サンディング処理)しラッカーシンナーまたは、表面処理液(弱アルカリ性界面活性剤)で脱脂洗浄を施した後乾燥を行い、反射シートを貼付けるのに最適な表面状態を保たなければならない。
4.反射シート一般事項
受注者は、反射シートの貼付けは、真空式加熱圧着機で行なわなければならない。やむを得ず他の機械で行う場合は、あらかじめ施工計画書にその理由・機械名等を記載し、使用にあたっては、その性能を十分に確認しなければならない。手作業による貼付けを行う場合は、反射シートが基板に密着するよう脱脂乾燥を行い、ゴムローラーなどを用い転圧しなければならない。
なお、気温が10℃以下における屋外での貼付け及び0.5㎡以上の貼付けは行ってはならない。
5.反射シートの貼付け方式
受注者は、重ね貼り方式または、スクリーン印刷方式により、反射シートの貼付けを行わなければならない。印刷乾燥後は色むら・にじみ・ピンホールなどが無いことを確認しなければならない。また、必要がある場合はインク保護などを目的とした、クリアーやラミネート加工を行うものとする。
6.反射シートの仕上げ
受注者は、反射シートの貼付けについて、反射シートの表面のゆがみ、しわ、ふくれのないよう均一に仕上げなければならない。
7.2枚以上の反射シート貼付け
受注者は、2枚以上の反射シートを接合して貼付けるか、あるいは、組として使用する場合は、あらかじめ反射シート相互間の色合わせ(カラーマッチング)を行い、標示板面が日中及び夜間に均一、かつそれぞれ必要な輝きを有するようにしなければならない。
8.2枚以上の反射シートの重ね合わせ
受注者は、2枚以上の反射シートを接合して使用する場合には、10mm以上重ね合わせなければならない。
9.標示板の製作
受注者は、スクリーン印刷方式で標示板を製作する場合には、印刷した反射シート表面に、クリアー処理を施さなければならない。ただし、黒色の場合は、クリアー処理の必要はないものとする。
10.素材加工
受注者は、素材加工に際し、縁曲げ加工をする標示板については、基板の端部を円弧に切断し、グラインダなどで表面を滑らかにしなければならない。
11.工場取付け
受注者は、取付け金具及び板表面の補強金具(補強リブ)すべてを工場において溶接により取付けるものとし、現場で取付けてはならない。
12.錆止めの実施
受注者は、標示板の素材に鋼板を用いる場合には、塗装に先立ち脱錆(酸洗い)な どの下地処理を行った後、リン酸塩被膜法などによる錆止めを施さなければならない。
13.支柱素材の錆止め塗装
受注者は、支柱素材についても本条12項と同様の方法で錆止めを施すか、錆止めペイントによる錆止め塗装を施さなければならない。
14.支柱の上塗り塗装
受注者は、支柱の上塗り塗装につや、付着性及び塗膜硬度が良好で長期にわたって変色、退色しないものを用いなければならない。
15.溶融亜鉛めっきの基準
受注者は、支柱用鋼管及び取付鋼板などに溶融亜鉛めっきする場合、その付着量を JIS H 8641(溶融亜鉛めっき)2種の(HDZ55)550g/㎡(片面の付着量)以上としな ければならない。ただし、厚さ3.2mm以上、6mm未満の鋼材については2種(HDZ45) 450g/㎡以上、厚さ3.2mm未満の鋼材については2種(HDZ35)350g/㎡(片面の付着量)以上としなければならない。
16.防錆処理
受注者は、防錆処理にあたり、その素材前処理、めっき及び後処理作業をJIS H 8641(溶融亜鉛めっき)の規定により行わなければならない。
なお、ネジ部はめっき後ネジさらい、または遠心分離をしなければならない。
17.現場仕上げ
受注者は、めっき後加工した場合、鋼材の表面の水分、油分などの付着物を除去し、入念な清掃後にジンクリッチ塗装で現場仕上げを行わなければならない。
18.ジンクリッチ塗装用塗料
ジンクリッチ塗装用塗料は、亜鉛粉末の無機質塗料として塗装は2回塗りで400~ 500g/㎡、または塗装厚は2回塗りで、40~50μmとしなければならない。
19.ジンクリッチ塗装の塗り重ね
ジンクリッチ塗装の塗り重ねは、塗装1時間以上経過後に先に塗布した塗料が乾燥状態になっていることを確認して行わなければならない。
3-2-3-7 防止柵工
1.一般事項
受注者は、防止柵を設置する場合、現地の状況により、位置に支障があるときまたは、位置が明示されていない場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
2.支柱の施工
受注者は、支柱の施工にあたって、地下埋設物に破損や障害を発生させないようにするとともに既設舗装に悪影響をおよぼさないよう施工しなければならない。
3.亜鉛めっき地肌の基準
塗装を行わずに、亜鉛めっき地肌のままの部材等を使用する場合に受注者は、ケー ブル以外は成形加工後、溶融亜鉛めっきをJIS H 8641(溶融亜鉛めっき)2種(HDZ35)の350g/㎡(片面付着量)以上となるよう施工しなければならない。
3-2-3-8 路側防護柵工
1.一般事項
受注者は、土中埋込み式の支柱を打込み機、オーガーボーリングなどを用いて堅固 に建て込まなければならない。この場合受注者は、地下埋設物に破損や障害が発生さ せないようにすると共に既設舗装に悪影響を及ぼさないよう施工しなければならない。
2.掘削・埋戻し方法
受注者は、支柱の施工にあたって設置穴を掘削して埋戻す方法で土中埋込み式の支 柱を建て込む場合、支柱が沈下しないよう穴の底部を締固めておかなければならない。
3.支柱位置支障等の処置
受注者は、支柱の施工にあたって橋梁、擁壁、函渠などのコンクリートの中に防護柵を設置する場合、設計図書に定められた位置に支障があるときまたは、位置が明示されていない場合、設計図書に関して監督職員と協議して定めなければならない。
4.ガードレールのビーム取付け
受注者は、ガードレールのビームを取付ける場合は、自動車進行方向に対してビーム端のxxが見えないように重ね合わせ、ボルト・ナットで十分締付けなければならない。
5.ガードケーブル端末支柱の土中設置
受注者は、ガードケーブルの端末支柱を土中に設置する場合、打設したコンクリートが設計図書で定めた強度以上あることを確認した後、コンクリート基礎にかかる所定の力を支持できるよう土砂を締固めながら埋戻しをしなければならない。
6.ガードケーブルの支柱取付
受注者は、ガードケーブルを支柱に取付ける場合、ケーブルにねじれなどを起こさないようにするとともに所定の張力(A種は20kN/本、B種及びC種は9.8kN/本)を与えなければならない。
3-2-3-9 区画線工
1.一般事項
受注者は、溶融式、ペイント式、高視認性、仮区画線の施工について設置路面の水分、泥、砂じん、ほこりを取り除き、均一に接着するようにしなければならない。
2.区画線施工前の打合せ
受注者は、溶融式、ペイント式、高視認性、仮区画線の施工に先立ち施工箇所、施工時間帯、施工種類について監督職員の指示を受けるとともに、所轄警察署とも打ち合わせを行い、交通渋滞をきたすことのないよう施工しなければならない。
3.路面への作図
受注者は、溶融式、ペイント式、高視認性、仮区画線の施工に先立ち路面に作図を行い、施工箇所、施工延長、施工xxの適合を確認しなければならない。
4.区画線施工の接着
受注者は、溶融式、高視認性区画線の施工にあたって、塗料の路面への接着をより強固にするよう、プライマーを路面に均等に塗布しなければならない。
5.区画線施工と気温
受注者は、溶融式、高視認性区画線の施工にあたって、やむを得ず気温5℃以下で施工しなければならない場合は、路面を予熱し路面温度を上昇させた後施工しなければならない。
6.塗料溶解漕の温度
受注者は、溶融式、高視認性区画線の施工にあたって、常に180~220℃の温度で塗料を塗布できるよう溶解漕を常に適温に管理しなければならない。
7.ガラスビーズの散布
受注者は、塗布面へガラスビーズを散布する場合、風の影響によってガラスビーズに片寄りが生じないよう注意して、反射に明暗がないよう均等に固着させなければならない。
8.区画線の消去
受注者は、区画線の消去については、表示材(塗料)のみの除去を心掛け、路面への影響を最小限にとどめなければならない。また受注者は消去により発生する塗料粉じんの飛散を防止する適正な処理を行わなければならない。
3-2-3-10 道路付属物工
1.視線誘導標
受注者は、視線誘導標の施工にあたって、設置場所、建込角度が安全かつ、十分な誘導効果が得られるように設置しなければならない。
2.支柱打込み
受注者は、視線誘導標の施工にあたって、支柱を打込む方法によって施工する場合、支柱の傾きに注意するとともに支柱の頭部に損傷を与えないよう支柱を打込まなけれ ばならない。また、受注者は、地下埋設物に破損や障害が発生させないように施工し なければならない。
3.支柱穴掘り埋戻し方法
受注者は、視線誘導標の施工にあたって、支柱の設置穴を掘り埋戻す方法によって施工する場合、支柱が沈下しないよう穴の底部を締固めておかなければならない。
4.支柱のコンクリート構造物中の設置方法
受注者は、視線誘導標の施工にあたって、支柱を橋梁、擁壁、函渠などのコンクリート中に設置する場合、設計図書に定めた位置に設置しなければならないが、その位置に支障があるとき、また位置が明示されていない場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
5.距離標の設置
受注者は、距離標を設置する際は、設計図書に定められた位置に設置しなければならないが、設置位置が明示されていない場合には、左側に設置しなければならない。ただし、障害物などにより所定の位置に設置できない場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
6.道路鋲の設置
受注者は、道路鋲を設置する際は、設計図書に定められた位置に設置しなければならないが、設置位置が明示されていない場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
3-2-3-11 コンクリート面塗装工
1.素地調整
受注者は、塗装に先立ちコンクリート面の素地調整において、以下の項目に従わなければならない。
(1)受注者は、コンクリート表面に付着したレイタンス、塵あい(埃)、油脂類、塩分等の有害物や脆弱部等、前処理のプライマーの密着性に悪影響を及ぼすものは確実に除去しなければならない。
(2)受注者は、コンクリート表面にxx、き裂等のある場合、遊離石灰を除去し、穴埋めを行い、表面を平滑にしなければならない。
2.均一な塗装厚
受注者は、塗装にあたり、塗り残し、ながれ、しわ等のないよう全面を均一の厚さに塗り上げなければならない。
3.塗装の禁止
受注者は、以下の場合、塗装を行ってはならない。
(1)気温が、コンクリート塗装用エポキシ樹脂プライマー、コンクリート塗装用エポキシ樹脂塗料中塗り及び柔軟形エポキシ樹脂塗料中塗りを用いる場合で5℃以下のとき、コンクリート塗装用ふっ素樹脂塗料上塗り及び柔軟形ふっ素樹脂塗料上塗りを用いる場合で0℃以下のとき
(2)湿度が85%以上のとき
(3)風が強いとき及びじんあいが多いとき
(4)塗料の乾燥前に降雪雨のおそれがあるとき
(5)コンクリートの乾燥期間が3週間以内のとき
(6)コンクリート表面の含水率は高周波水分計で8%以上のとき
(7)コンクリート面の漏水部
(8)その他監督職員が不適当と認めたとき
4.塗り重ね
受注者は、塗り重ねにおいては、前回塗装面、塗膜の乾燥及び清掃状態を確認して行わなければならない。
3-2-3-12 プレテンション桁製作工(購入工)
1.一般事項
受注者は、プレテンション桁を購入する場合は、JISマーク表示認証製品を製造している工場において製作したものを用いなければならない。
2.適用規定
受注者は、以下の規定を満足した桁を用いなければならない。
(1)PC鋼材に付いた油、土、ごみなどのコンクリートの付着を害するおそれのあるものを除去し製作されたもの。
(2)プレストレッシング時のコンクリート圧縮強度が30N/㎟以上であることを確認し、製作されたもの。
なお、圧縮強度の確認は、構造物と同様な養生条件におかれた供試体を用いるものとする。
(3)コンクリートの施工について、以下の規定により製作されたもの。
① 振動数の多い振動機を用いて、十分に締固めて製作されたもの。
② 蒸気養生を行う場合は、コンクリートの打込み後2時間以上経過してから加熱を始めて製作されたもの。また、養生室の温度上昇は1時間あたり15度以下とし、養生中の温度は65度以下として製作されたものとする。また、養生終了後は急激に温度を降下させてはならない。
(4)プレストレスの導入については、固定装置を徐々にゆるめ、各PC鋼材が一様にゆるめられるようにして製作されたもの。また、部材の移動を拘束しないようにして製作されたものとする。
3.表示する事項
型枠を取り外したプレテンション方式の桁に速やかに以下の事項を表示しなければならない。
①工事名または記号
②コンクリート打設年月日
③通し番号
3-2-3-13 ポストテンション桁製作工
1.コンクリートの施工
受注者は、コンクリートの施工については、以下の事項に従わなければならない。
(1)受注者は、主桁型枠製作図面を作成し、設計図書との適合を確認しなければならない。
(2)受注者は、桁の荷重を直接受けている部分の型枠の取りはずしにあたっては、プレストレス導入後に行わなければならない。その他の部分は、乾燥収縮に対する拘束を除去するため、部材に有害な影響を与えないよう早期に取り外さなければならない。
(3)受注者は、内部及び外部振動によってシースの破損、移動がないように締固めなければならない。
(4)受注者は、桁端付近のコンクリートの施工については、鋼材が密集していることを考慮し、コンクリートが鉄筋、シースの周囲及び型枠のすみずみまで行き渡るように行わなければならない。
(5)受注者は、コンクリートの打込み後にコンクリート表面が早期の乾燥を受けて収縮ひび割れが発生しないように、適切に仕上げなければならない。
2.PCケーブルの施工
PCケーブルの施工については、以下の規定によるものとする。
(1)横組シース及び縦組シースは、コンクリート打設時の振動、締固めによって、その位置及び方向が移動しないように組立てなければならない。
(2)受注者は、PC鋼材をシースに挿入する前に清掃し、油、土、ごみなどが付着しな
いよう、挿入しなければならない。
(3)シースの継手部をセメントペーストの漏れない構造で、コンクリート打設時も必要な強度を有し、また、継手箇所が少なくなるようにしなければならない。
(4)PC鋼材またはシースが設計図書で示す位置に確実に配置できるよう支持間隔を定めなければならない。
(5)PC鋼材またはシースがコンクリート打設時の振動、締固めによって、その位置及び方向が移動しないように組立てなければならない。
(6)定着具の支圧面をPC鋼材と垂直になるように配慮しなければならない。また、ねじ部分は緊張完了までの期間、さびや損傷から保護しなければならない。
3.PC緊張の施工
PC緊張の施工については、以下の規定によるものとする。
(1)プレストレッシング時のコンクリートの圧縮強度が、プレストレッシング直後にコンクリートに生じる最大圧縮応力度の1.7倍以上であることを確認しなければならない。
なお、圧縮強度の確認は、構造物と同様な養生条件におかれた供試体を用いて行
うものとする。
(2)プレストレッシング時の定着部付近のコンクリートが、定着により生じる支圧応力度に耐える強度以上であることを確認しなければならない。
(3)プレストレッシングに先立ち、以下の調整及び試験を行わなければならない。
① 引張装置のxxxxxxション
② PC鋼材のプレストレッシングの管理に用いる摩擦係数及びPC鋼材の見かけのヤング係数を求める試験
(4)プレストレスの導入に先立ち、(3)の試験に基づき、監督職員に緊張管理計画書を提出しなければならない。
(5)緊張管理計画書に従ってプレストレスを導入するように管理しなければならない。
(6)緊張管理計画書で示された荷重計の示度と、PC鋼材の抜出し量の測定値との関係が許容範囲を超える場合は、直ちに監督職員に連絡するとともに原因を調査し、適切な措置を講じなければならない。
(7)プレストレッシングの施工については、各桁ともできるだけ同一強度の時期に行わなければならない。
(8)プレストレッシングの施工は、「道路橋示方書・同解説(Ⅲコンクリート橋・コンクリート部材編)17.11PC鋼材工及び緊張工」(日本道路協会、平成29年11月)に基づき管理するものとし、順序、緊張力、PC鋼材の抜出し量、緊張の日時、コンクリートの強度等の記録を整備及び保管し、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
(9)プレストレッシング終了後のPC鋼材の切断は、機械的手法によるもとする。これによりがたい場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
(10)緊張装置の使用については、PC鋼材の定着部及びコンクリートに有害な影響を与えるものを使用してはならない。
(11)PC鋼材をxx引張る場合には、コンクリートの弾性変形を考えて、引張の順序及
び各々のPC鋼材の引張力を定めなければならない。
4.グラウトの施工
受注者は、グラウトの施工については、以下の規定による。
(1) 受注者は、本条で使用するグラウト材料は、以下の規定によるものを使用しなければならない。
① グラウトに用いるセメントは、JIS R 5210(ポルトランドセメント)に適合するポルトランドセメントを標準とするが、これにより難い場合は監督職員と協議しなければならない。
② グラウトは、ノンブリーディングタイプを使用するものとする。
③ グラウトの水セメント比は、45%以下とするものとする。
④ グラウトの材齢28日における圧縮強度は、30.0N/㎟以上とするものとする。
⑤ グラウトの体積変化率は±0.5%の範囲内とする。
⑥ グラウトのブリーディング率は、24時間後0.0%とするものとする。
⑦ グラウトに含まれる塩化物イオン量は、普通ポルトランドセメント質量の 0.08%以下とするものとする。
⑧ グラウトの品質は、混和剤により大きく影響されるので、気温や流動性に対する混和剤の適用性を検討するものとする。
(2) 受注者は、使用グラウトについて事前に以下の試験及び測定を行い、設計図書に示す品質が得られることを確認しなければならない。ただし、この場合の試験及び測定は、現場と同一条件で行うものとする。
① 流動性試験
② ブリーディング率及び体積変化率の試験
③ 圧縮強度試験
④ 塩化物含有量の測定
(3)グラウトの施工については、ダクト内に圧縮空気を通し、導通があること及びダクトの気密性を確認した後、グラウト注入時の圧力が高くなりすぎないように管理し、ゆっくり行う。また、排出口より一様な流動性のグラウトが流出したことを確認して作業を完了しなければならない。
(4)グラウトの施工については、ダクト内の残留水等がグラウトの品質に影響を及ぼ さないことを確認した後、グラウト注入時の圧力が強くなりすぎないように管理し、ゆっくり行う。
(5)連続ケーブルの曲げ上げ頂部付近など、ダクト内に空隙が生じないように空気孔を設けなければならない。
(6)寒中におけるグラウトの施工については、グラウト温度は注入後少なくとも3日間、
+5℃以上に保ち、凍結することのないように行わなければならない。
(7)暑中におけるグラウトの施工については、グラウトの温度上昇、過早な硬化などがないように、材料及び施工については、事前に設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
なお、注入時のグラウトの温度は35℃を越えてはならない。
5.主桁の仮置き
受注者は、主桁の仮置きを行う場合は、仮置きした主桁に、過大な応力が生じないように支持するとともに、横倒れ防止処置を行わなければならない。
6.主桁製作設備の施工
主桁製作設備の施工については、以下の規定によるものとする。
(1)主桁製作台の製作については、プレストレッシングにより、有害な変形、沈下などが生じないようにするものとする。
7.プレグラウトされたPC鋼材
プレグラウトされたPC鋼材を使用する場合は、以下の規定によるものとする。
(1)PC鋼材は、JIS G 3536(PC鋼線及びPC鋼より線)に適合するものまたはこれと同等以上の特性や品質を有するものとする。
(2)使用する樹脂またはグラウトは、所定の緊張可能期間を有し、PC鋼材を防食するとともに、コンクリート部材とPC鋼材とを付着により一体化しなければならない。
(3)被覆材は、所定の強度、耐久性能を有しコンクリート部材と一体化が図られるものとする。
(4)プレグラウトされたPC鋼材として(1)から(3)を使用して加工された製品は、所要の耐久性能を有するものとする。
3-2-3-14 プレキャストセグメント主桁組立工
1.ブロック取卸し
受注者は、ブロック取卸しについては、特にブロック接合面の損傷に対して十分に保護しなければならない。
2.ブロック組立て施工
ブロック組立ての施工については、以下の規定によるものとする。
(1)プレキャストブロックの接合に用いる接着剤の使用にあたり材質がエポキシ樹脂系接着剤で強度、耐久性及び水密性がブロック同等以上のものを使用するものとする。エポキシ樹脂系接着剤を使用する場合は、室内で密封して保管し、原則として製造後6ヶ月以上経過したものは使用してはならない。また、水分を含むと品質が劣化するので、雨天の時の作業は中止しなければならない。これ以外の場合は、設計図書によるものとする。
未硬化の接着剤の外観、粘度、可使時間、だれ最小厚さ、硬化した接着剤の比重、引張強さ、圧縮強さ、引張せん断接着強さ、接着強さ、硬さ、特殊な条件下で使用 する場合は、高温時の引張強さ、水中硬化時の引張強さ、衝撃強さ、圧縮ヤング係 数、熱膨張係数、硬化収縮率、吸水率等について、必要に応じて試験を行い性能を 確認しなければならない。
なお、接着剤の試験方法は「コンクリート標準示方書(規準編)」(土木学会、平成30年10月)における、JSCE-H101-2013プレキャストコンクリート用樹脂系接 着剤(橋げた用)品質規格による。これにより難い場合は、監督職員の承諾を得な ければならない。
(2)プレキャストブロックの接合面は、緩んだ骨材粒、品質の悪いコンクリート、レイタンス、ごみ、油等を取り除かなければならない。
(3)プレキャストブロックの連結にあたって、設計図書に示す品質が得られるように施工しなければならない。
(4)プレキャストブロックを連結する場合に、ブロックの位置、形状及びダクトが一致するようにブロックを設置し、プレストレッシング中に、くい違いやねじれが生じないようにしなければならない。
3.PCxxxx及びPC緊張の施工
PCxxxx及びPC緊張の施工については、第3編3-2-3-13ポストテンション桁製作工の規定による。
4.グラウトの施工
グラウトの施工については、以下の規定によるものとする。
(1)接着剤の硬化を確認した後にグラウトを行わなければならない。
(2)グラウトについては、第3編3-2-3-13ポストテンション桁製作工の規定による。
3-2-3-15 PCホロースラブ製作工
1.円筒型枠の施工
受注者は、円筒型枠の施工については、コンクリート打設時の浮力に対して必要な浮き上がり防止装置を設置しなければならない。
2.移動型枠の施工
受注者は、移動型枠の施工については、型枠の移動が円滑に行われるための装置を設置しなければならない。
3.コンクリートの施工
コンクリートの施工については、第3編3-2-3-13ポストテンション桁製作工の規定による。
4.PCケーブル・PC緊張の施工
PCケーブル・PC緊張の施工については、第3編3-2-3-13ポストテンション桁製作工の規定による。
5.PC固定及びPC継手の施工
受注者は、主ケーブルに片引きによるPC固定及びPC継手がある場合は、「プレストレストコンクリート工法設計施工指針 第6章 施工」(土木学会、平成3年3月)の規定により施工しなければならない。
6.グラウトの施工
グラウトの施工については、第3編3-2-3-13ポストテンション桁製作工の規定によるものとする。
3-2-3-16 PC箱桁製作工
1.移動型枠の施工
移動型枠の施工については、第3編3-2-3-15PCホロースラブ製作工の規定による。
2.コンクリート・PCケーブル・PC緊張の施工
コンクリート·PCケーブル·PC緊張の施工については、第3編3-2-3-13ポストテンション桁製作工の規定による。
3.PC固定・PC継手の施工
PC固定・PC継手の施工については、第3編3-2-3-15PCホロースラブ製作工の規定に
よる。
4.その他の施工
横締め鋼材・横締め緊張・鉛直締め鋼材・鉛直締め緊張・グラウトの施工については、第3編3-2-3-13ポストテンション桁製作工の規定による。
3-2-3-17 根固めブロック工
1.型枠の材料
受注者は、製作にあたっては、型枠が損傷・変形しているものを使用してはならない。
2.はく離材
受注者は、製作にあたっては、はく離材はムラなく塗布し、型枠組立て時には余分なはく離材が型枠内部に残存しないようにしなければならない。
3.型枠の組立
受注者は、型枠の組立てにあたっては、締付け金具をもって堅固に組立てなければならない。
4.コンクリートの打込み
受注者は、コンクリートの打込みにあたっては、打継目を設けてはならない。
5.脱型
受注者は、製作中のコンクリートブロックの脱型は、型枠自重及び製作中に加える荷重に耐えられる強度に達するまで行ってはならない。
6.養生
コンクリート打設後の施工については、第1編1-3-6-9養生の規定による。なお、養生用水に海水を使用してはならない。
7.脱型後の横置き、仮置き
受注者は、コンクリートブロック脱型後の横置き、仮置きは強度がでてから行うものとし、吊り上げの際、急激な衝撃や力がかからないよう取扱わなければならない。
8.製作数量等の確認
受注者は、根固めブロック製作後、製作数量等が確認できるように記号を付けなければならない。
9.損傷防止
受注者は、根固めブロックの運搬及び据付けについては、根固めブロックに損傷を与えないように施工しなければならない。
10.連結ナット
受注者は、根固めブロックの据付けについては、各々の根固めブロックを連結する場合は、連結ナットが抜けないようにネジ山をつぶさなければならない。
11.乱積施工
受注者は、根固めブロックを乱積施工する場合には噛み合わせを良くし、不安定な状態が生じないようにしなければならない。
12.打継目
受注者は、根固めブロック、場所打ブロックのコンクリートの打込みについては、打継目を設けてはならない。
13.水中打込みの禁止
受注者は、場所打ブロックの施工については、コンクリートの水中打込みを行ってはならない。
3-2-3-18 沈床工
1.一般事項
受注者は、粗朶沈床の施工については、連柴は梢を一方に向け径15cmを標準とし、緊結は長さおよそ60cmごとに連柴締金を用いて締付け、亜鉛引鉄線または、しゅろxxにて結束し、この間2ヶ所を二子xxをもって結束するものとし、連柴の長さは格子を結んだときに端にそれぞれ約15cmを残すようにしなければならない。
2.組立て方向
受注者は、連柴及び敷粗朶を縦横ともそれぞれ梢を下流とxxに向けて組立てなければならない。
3.組立て順序
受注者は、粗朶沈床の上下部の連柴を上格子組立て後、完全に結束しなければならない。
4.粗朶沈床の設置
受注者は、粗朶沈床の設置については、流速による沈設中のズレを考慮して、沈設開始位置を定めなければならない。
5.沈石の施工
受注者は、沈石の施工については、沈床が均等に沈下するように投下し、当日中に完了しなければならない。
6.粗朶沈床の施工
受注者は、粗朶沈床の施工については、多層の場合、下層の作業完了の確認をしなければ上層沈設を行ってはならない。
7.木工沈床材の施工
受注者は、木工沈床の施工については、使用する方格材及び敷xxは、設計図書によるものとする。受注者は、使用する方格材を組立て可能なように加工しなければならない。
8.木工沈床の配列と緊結
受注者は、木工沈床の施工については、敷xxを最下層の方格材に一格間の所定の本数を間割正しく配列し、鉄線等で方格材に緊結しなければならない。
9.木工沈床の連結用鉄筋
受注者は、木工沈床の施工については、連結用鉄筋の下部の折り曲げしろを12cm以上とし、下流方向に曲げなければならない。
10.木工沈床の詰石
受注者は、木工沈床の施工については、表面に大きい石を用い、詰石の空隙を少なくするよう充填しなければならない。
11.木工沈床の水制根固め
受注者は、木工沈床を水制の根固めに使用する場合、幹部水制の方格材組立てにあたっては、流向に直角方向の部材を最上層としなければならない。
12.改良沈床の施工
受注者は、改良沈床の施工におけるその他の事項については、本条7項~11項の規定により施工しなければならない。
13.吸出し防止材の施工
受注者は、吸出し防止材の施工については、平滑に設置しなければならない。
3-2-3-19 捨石工
1.一般事項
受注者は、捨石基礎の施工にあたっては、表面に大きな石を選び施工しなければならない。
2.施工方法の変更
受注者は、設計図書において指定した捨石基礎の施工方法に関して、施工箇所の波浪及び流水の影響により施工方法の変更が必要な場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
3.河川汚濁防止
受注者は、施工箇所における水質汚濁防止に努めなければならない。
4.捨石基礎の施工(1)
受注者は、捨石基礎の施工にあたっては、極度の凹凸や粗密が発生しないように潜 水士または測深器具をもって捨石の施工状況を確認しながら施工しなければならない。
5.捨石基礎の施工(2)
受注者は、捨石基礎の施工にあたっては、大小の石で噛み合わせ良く、均し面にゆるみがないよう施工しなければならない。
6.均し面仕上げ
受注者は、遺方を配置し、貫材、鋼製定規を用いて均し面を平坦に仕上げなければならない。
3-2-3-20 笠コンクリート工
1.適用規定
xコンクリートの施工については、第1編第3章無筋・鉄筋コンクリートの規定による。
2.プレキャスト笠コンクリートの施工
プレキャスト笠コンクリートの施工については、第3編3-2-5-3コンクリートブロック工の規定による。
3.プレキャスト笠コンクリートの運搬
受注者は、プレキャスト笠コンクリートの運搬にあたっては、部材に損傷や衝撃を与えないようにしなければならない。また、ワイヤー等で損傷するおそれのある部分は保護しなければならない。
4.プレキャスト笠コンクリートの施工上の注意
プレキャスト笠コンクリートの施工については、接合面が食い違わないよう施工しなければならない。
3-2-3-21 ハンドホール工
1.一般事項
受注者は、ハンドホールの施工にあたっては、基礎について支持力が均等になるように、かつ不陸を生じないようにしなければならない。
2.モルタル配合
受注者は、保護xxとの接合部において、設計図書に示された場合を除き、セメントと砂の比が1:3の配合のモルタルを用いて施工しなければならない。
3-2-3-22 階段工
1.一般事項
受注者は、階段工を設計図書に基づいて施工できない場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
2.プレキャスト階段の据付け
受注者は、プレキャスト階段の据付けにあたっては、部材に損傷や衝撃を与えないようにしなければならない。また、ワイヤー等で損傷するおそれのある部分は保護しなければならない。
3-2-3-23 現場継手工
1.一般事項
受注者は、高力ボルト継手の接合を摩擦接合としなければならない。また、接合される材片の接触面を表3-2-3に示すすべり係数が得られるように、以下に示す処置を施すものとする。
(1)接触面を塗装しない場合、接触面は黒皮を除去して粗面とするものとする。受注者は、材片の締付けにあたっては、接触面の浮きさび、油、泥等を清掃して取り除かなければならない。
(2)接触面を塗装する場合は、表3-2-4に示す条件に基づき、無機ジンクリッチペイントを使用するものとする。
表3-2-3 すべり係数
項 目 | すべり係数 |
a) 接触面を塗装しない場合 | 0.40以上 |
b)接触面に無機ジンクリッチペイントを塗装する場合 | 0.45以上 |
表3-2-4 無機ジンクリッチペイントを塗装する場合の条件
項 目 | 条 件 |
接触面片面あたりの最小乾燥塗膜厚 | 50μm以上 |
接触面の合計乾燥塗膜厚 | 100~200 μm |
乾燥塗膜中の亜鉛含有量 | 80% 以上 |
亜鉛末の粒径(50%平均粒径) | 10μm 程度以上 |
(3)接触面に(1)、(2)以外の処理を施す場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
2.密着
受注者は、部材と連結板を、締付けにより密着させるようにしなければならない。
3.ボルトの締付け
ボルトの締付けについては、以下の規定によるものとする。
(1)ボルト軸力の導入をナットをまわして行わなければならない。やむを得ず頭まわしを行う場合は、トルク係数値の変化を確認しなければならない。
(2)ボルトの締付けをトルク法によって行う場合、締付けボルト軸力が各ボルトに均一に導入されるよう締付けボルトを調整しなければならない。
(3)トルシア形高力ボルトを使用する場合、本締付けには専用締付け機を使用しなければならない。
(4)ボルトの締付けを回転法によって行う場合、接触面の肌すきがなくなる程度にトルクレンチで締めた状態、または組立て用スパナで力いっぱい締めた状態から、以下に示す回転角を与えなければならない。ただし、回転法はF8T、B8Tのみに用いるものとする。
① ボルト長が径の5倍以下の場合:1/3回転(120度)±30度
② ボルト長が径の5倍を超える場合:施工条件に一致した予備試験によって目標回転数を決定する。
(5)ボルトの締付けを耐力点法によって行う場合は、JIS B 1186(摩擦接合用高力xxボルト・xxナット・平座金のセット)に規定された第2種の呼びM20、M22、 M24を標準とし、耐遅れ破壊特性の良好な高力ボルトを用い、専用の締付け機を使用して本締付けを行わなければならない。
(6)ボルトの締付け機、測定器具などの検定は、下記に示す時期に行いその精度を確認しなければならない。
・軸力計は現場搬入直前に1回、その後は3ヶ月に1回検定を行う。
・トルクレンチは現場搬入時に1回、搬入後は1ヶ月に1回検定を行う。
・ボルト締付け機は現場搬入前に1回点検し、搬入後は3ヶ月に1回検定を行う。ただし、トルシア形高力ボルト専用締付け機は検定の必要はなく、整備点検を行えばよい。
4.締付けボルト軸力
締付けボルト軸力については、以下の規定によるものとする。
(1)セットのトルク係数値は、0.11~0.16に適合するものとする。
(2)摩擦接合ボルトを、表3-2-5に示す設計ボルト軸力が得られるように締付けなければならない。
表3-2-5 設計ボルト軸力(kN)
セット | ねじの呼び | 設計ボルト軸力 |
F8T B8T | M20 | 133 |
M22 | 165 | |
M24 | 192 | |
F10T S10T B10T | M20 | 165 |
M22 | 205 | |
M24 | 238 | |
S14T | M22 | 299 |
M24 | 349 |
(3)トルク法によって締付ける場合の締付けボルト軸力は、設計ボルト軸力の10%増を標準とするものとする。
(4)トルシア形高力ボルトの締付けボルト軸力試験は、締付け以前に一つの製造ロットから5組の供試セットを無作為に抽出し、行うものとする。試験の結果、平均値は表3-2-6及び表3-2-7に示すボルト軸力の範囲に入るものとする。
表3-2-6 常温時(10~30℃)の締付けボルト軸力の平均値
セット | ねじの呼び | 1製造ロットのセットの締付けボルト軸力の平均値(kN) |
S10T | M20 | 172~202 |
M22 | 212~249 | |
M24 | 247~290 | |
S14T | M22 | 311~373 |
M24 | 363~435 |
表3-2-7 常温時以外(0~10℃、30~60℃)の締付けボルト軸力の平均値
セット | ねじの呼び | 1製造ロットのセットの締付けボルト軸力の平均値(kN) |
S10T | M20 | 167~211 |
M22 | 207~261 | |
M24 | 241~304 | |
S14T | M22 | 299~391 |
M24 | 349~457 |
(5)耐力点法によって締付ける場合の締付けボルト軸力は、使用する締付け機に対して一つの製造ロットから5組の供試セットを無作為に抽出して試験を行った場合の平均値が、表3-2-8に示すボルトの軸力の範囲に入るものとする。
表3-2-8 耐力点法による締付けボルトの軸力の平均値
セット | ねじの呼び | 1製造ロットのセットの締付けボルト軸力の平均値(kN) |
F10T | M20 | 0.196σy ~ 0.221σy |
M22 | 0.242σy ~ 0.273σy | |
M24 | 0.282σy ~ 0.318σy |
[注]σy:ボルト試験片の耐力(N/mm2)(JIS Z 2241の4号試験片による)
5.ボルトの締付け順序
受注者は、ボルトの締付けを、連結板の中央のボルトからxx端部ボルトに向かって行い、2度締めを行わなければならない。順序は、図3-2-1のとおりとする。
なお、予備締め後には締め忘れや共まわりを容易に確認できるようにボルトナット及び座金にマーキングを行わなければならない。
図3-2-1 ボルト締付け順序
6.ボルトの包装と現場保管
受注者は、ボルトのセットを、工事出荷時の品質が現場施工時まで保たれるように、その包装と現場保管に注意しなければならない。また、包装は、施工直前に解くもの とする。
7.締付け確認
締付け確認については、以下の規定によるものとする。
(1)締付け確認をボルト締付け後速やかに行い、その記録を整備及び保管し、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
(2)ボルトの締付け確認については、以下の規定によるものとする。
①トルク法による場合は、各ボルト群の10%のボルト本数を標準として、トルクレンチによって締付け確認を行わなければならない。
②トルシア形高力ボルトの場合は、全数につきピンテールの切断の確認とマーキングによる外観確認を行わなければならない。
(3)回転法及び耐力点法による場合は、全数についてマーキングによる外観確認を行わなければならない。
8.併用する場合の施工順序
受注者は、溶接と高力ボルト摩擦接合とを併用する場合は、溶接の完了後に高力ボルトを締付けなければならない。
9.現場溶接
(1)受注者は、溶接・溶接材料の清掃・乾燥状態に注意し、それらを良好な状態に保つのに必要な諸設備を現場に備えなければならない。
(2)受注者は、現場溶接に先立ち、開先の状態、材片の拘束状態等について注意をはらわなければならない。
(3)受注者は、溶接材料、溶接検査等に関する溶接施工上の注意点については、工場溶接に準じて考慮しなければならない。
(4)受注者は、溶接のアークが風による影響を受けないように防風設備を設置しなければならない。
(5)受注者は、溶接現場の気象条件が以下に該当する時は、溶接欠陥の発生を防止するため、防風設備及び予熱等により溶接作業条件を整えられる場合を除き溶接作業を行ってはならない。
① 雨天または作業中に雨天となるおそれのある場合
② 雨上がり直後
③ 風が強いとき
④ 気温が5℃以下の場合
⑤ その他監督職員が不適当と認めた場合
(6)受注者は、現場継手工の施工については、圧接作業において常に安定した姿勢で施工ができるように、作業場には安全な足場を設けなければならない。
3-2-3-24 伸縮装置工
1.一般事項
受注者は、伸縮装置の据付けについては、施工時の気温を考慮し、設計時の標準温度で、橋と支承の相対位置が標準位置となるよう温度補正を行って据付け位置を決定しなければならない。また、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
2.漏水防止
受注者は、伸縮装置工の漏水防止の方法について、設計図書によらなければならない。
3-2-3-25 銘板工
1.一般事項
受注者は、橋歴板の作成については、材質はJIS H 2202(鋳物用銅合金地金)を使用し、寸法及び記載事項は、図3-2-2によらなければならない。ただし、記載する技術者等の氏名について、これにより難い場合は監督職員と協議しなければならない。
図3-2-2 銘板の寸法及び記載事項
2.橋歴板
受注者は、橋歴板は起点左側、橋梁端部に取付けるものとし、取付け位置については、監督職員の指示によらなければならない。
3.橋歴板記載事項
受注者は、橋歴板に記載する年月は、橋梁の製作年月を記入しなければならない。
3-2-3-26 xxx型護岸工
1.一般事項
受注者は、xxが本来有している生物の良好な生育環境、自然景観に考慮して計画、設計されたxxx型河川工法による施工については、工法の趣旨をふまえ施工しなけ ればならない。
2.木杭の施工
受注者は、木杭の施工にあたり、木杭の材質が設計図書に示めされていない場合には、樹皮をはいだ生松丸太で、有害な腐れ、割れ、曲がり等のない材料を使用しなければならない。
3.木杭の先端
受注者は、木杭の先端は、角すい形に削るものとし、角すい形の高さは、径の1.5倍程度としなければならない。
4.巨石張り(積み)等の施工
巨石張り(積み)、巨石据付及び雑xx張りの施工については、第3編3-2-5-5石積(張)工の規定によるものとする。
5.xxの施工
受注者は、柳枝の施工については、のりごしらえ後、ます形に、杭を垂直に打込むとともに、杭頭を打ちそろえなければならない。
6.柳粗朶の施工
受注者は、柳粗朶の施工については、柳粗朶の元口を上流側に向け、ます内に均一に敷きならべた後、帯梢を用いて柵を仕上げなければならない。
7.ぐり石粗朶工の施工
受注者は、ぐり石粗朶工の施工については、柳枝に準じて帯梢を用いて柵工を造り、中詰めぐり石の表面をごぼう張りに仕上げなければならない。
3-2-3-27 xxx
1.一般事項
受注者は、じゃかごの中詰用ぐり石については、15~25cmのもので、じゃかごの網目より大きな天然石または割ぐり石を使用しなければならない。
2.じゃかごの詰石
受注者は、じゃかごの詰石については、じゃかごの先端から石を詰込み、外回りに大きな石を配置するとともに、じゃかご内の空隙を少なくしなければならない。
なお、じゃかごの法肩及び法尻の屈折部が、扁平にならないようにしなければならない。
3.じゃかごの布設
受注者は、じゃかごの布設については、床ごしらえのうえ、間割りをしてかご頭の
位置を定めなければならない。
4.じゃかごの連結
受注者は、じゃかごの連結については、丸輪の箇所(骨線胴輪)でじゃかご用鉄線と同一規格の鉄線で緊結しなければならない。
5.じゃかごの開口部の緊結
受注者は、じゃかごの詰石後、じゃかごの材質と同一規格の鉄線を使用し、じゃかごの開口部を緊結しなければならない。
6.ふとんかご中詰用ぐり石
受注者は、ふとんかごの中詰用ぐり石については、ふとんかごの厚さが30cmの場合は5~15cm、ふとんかごの厚さが50cmの場合は15~20cmの大きxxx、ふとんかごの網目より大きな天然石または割ぐり石を使用しなければならない。
7.連節ブロック張りの施工
受注者は、連節ブロック張りの施工については、平滑に設置しなければならない。
8.ふとんかごかご枠の施工
受注者は、ふとんかご、かご枠の施工については、1.~7.の各項により施工しなければならない。
3-2-3-28 プレキャストカルバート工
1.一般事項
受注者は、現地の状況により設計図書に示された据付け勾配により難い場合は、
設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。 2.施工順序
受注者は、プレキャストカルバート工の施工については、基礎との密着をはかり、接合面が食い違わぬように注意して、カルバートの下流側または低い側から設置しなければならない。
3.縦締め施工
受注者は、プレキャストボックスカルバートの縦締め施工については、「道路土工-カルバート工指針 7-2(2)2)敷設工」(日本道路協会、平成22年3月)の規定による。これ以外の施工方法による場合は、施工前に設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
4.プレキャストパイプの施工
受注者は、プレキャストパイプの施工については、ソケットのあるパイプの場合はソケットをカルバートの上流側または高い側に向けて設置しなければならない。ソケットのないパイプの接合は、カラー接合または印ろう接合とし、接合部はモルタルでコーキングし、漏水が起こらないように施工しなければならない。
5.プレキャストパイプの切断
受注者は、プレキャストパイプの施工については、管の一部を切断する必要のある場合は、切断によって使用部分に損傷が生じないように施工しなければならない。損傷させた場合は、取換えなければならない。
3-2-3-29 側溝工
1.一般事項
受注者は、プレキャストU型側溝、L型側溝、自由勾配側溝の継目部の施工は、付着、水密性を保ち段差が生じないように施工しなければならない。
2.側溝蓋の施工
受注者は、側溝蓋の設置については、側溝本体及び路面と段差が生じないよう平坦に施工しなければならない。
3.管渠の施工
受注者は、管渠の施工については、管渠の種類と埋設形式(突出型、溝型)の関係を損なうことのないようにするとともに基礎は、支持力が均等になるように、かつ不陸を生じないようにしなければならない。
4.管渠施工上の注意
受注者は、コンクリート管、コルゲートパイプxxの施工については、前後の水路とのすり付けを考慮して、その施工高、方向を定めなければならない。
5.埋戻し及び盛土の施工
受注者は、管渠周辺の埋戻し及び盛土の施工については、管渠を損傷しないように、かつ偏心偏圧がかからないように、左右均等に層状に締固めなければならない。
6.フィルター材料
受注者は、フィルター材料を使用する場合は、排水性のよい砂または、クラッシャラン等を使用しなければならない。
7.ソケット付管の布設
受注者は、ソケット付の管を布設する時は、上流側または高い側にソケットを向けなければならない。
8.管の据付
受注者は、基礎工の上に通りよく管を据付けるとともに、管の下面及びカラーの周囲にはコンクリートまたは固練りモルタルを充填し、空隙や漏水が生じないように施工しなければならない。
9.管の切断
受注者は、管の一部を切断する必要のある場合は、切断によって使用部分に損傷が生じないように施工しなければならない。損傷させた場合は、取換えなければならない。
10.異常時の処置
受注者は、コルゲートパイプの布設については、砂質土または軟弱地盤が出現した場合には、施工する前に設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
11.コルゲートパイプの組立て
受注者は、コルゲートパイプの組立てについては、上流側または高い側のセクショ ンを下流側または低い側のセクションの内側に重ね合うようにし、重ね合わせ部分の 接合は、パイプ断面の両側で行うものとし、底部及び頂部で行ってはならない。また、埋戻し後も可能な限りボルトの緊結状態を点検し、ゆるんでいるものがあれば締直し を行わなければならない。
12.コルゲートパイプの布設条件
受注者は、コルゲートパイプの布設条件(地盤条件・出来形等)については設計図書によるものとし、予期しない沈下のおそれがあって、上げ越しが必要な場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
3-2-3-30 集水桝工
1.一般事項
受注者は、集水桝の据付けについては、部材に損傷や衝撃を与えないようにしなければならない。またワイヤー等で損傷するおそれのある部分には、保護しなければならない。
2.蓋の設置
受注者は、蓋の設置については、本体及び路面と段差が生じないよう平坦に施工しなければならない。
3-2-3-31 現場塗装工
1.一般事項
受注者は、鋼橋の現場塗装は、床版工終了後に、鋼製堰堤の現場塗装は、鋼製堰堤の据付け終了後に行うものとし、これにより難い場合は、設計図書によらなければならない。
2.塗膜損傷時の処置
受注者は、鋼橋の架設後及び鋼製堰堤の据付け後に前回までの塗膜を損傷した場合、補修塗装を行ってから現場塗装を行わなければならない。
3.有害な付着物の処置
受注者は、現場塗装に先立ち、下塗り塗膜の状態を調査し、塗料を塗り重ねると悪い影響を与えるおそれがある、たれ、はじき、あわ、ふくれ、われ、はがれ、浮きさび及び塗膜に有害な付着物がある場合は、必要な処置を講じなければならない。
4.塗装塗布方法
受注者は、塗装作業にエアレススプレー、ハケまたはローラーブラシを用いなければならない。また、塗布作業に際しては各塗布方法の特徴を理解して行わなければならない。
5.付着油脂類等の除去
受注者は、現場塗装の前にジンクリッチペイントの白さび及び付着した油脂類は除去しなければならない。
6.必要塗膜厚の確保
受注者は、溶接部、ボルトの接合部分、形鋼の隅角部その他の構造の複雑な部分について、必要塗膜厚を確保するように施工しなければならない。
7.有害薬品の使用禁止
受注者は、施工に際し有害な薬品を用いてはならない。
8.付着塩分の水洗い
受注者は、海岸地域に架設または保管されていた場合、海上輸送を行った場合、その他臨海地域を長距離輸送した場合など部材に塩分の付着が懸念された場合には、塩分付着量の測定を行いNaClが50mg/㎡以上の時は水洗いしなければならない。
9.塗装の禁止条件
受注者は、以下の場合塗装を行ってはならない。これ以外の場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。塗装禁止条件は、表3-2-9に示すとおりである。
表3-2-9 塗装禁止条件
塗装の種類 | 気温(℃) | 湿度 (RH%) |
長ばく形エッチングプライマー | 5以下 | 85以上 |
無機ジンクリッチプライマー無機ジンクリッチペイント | 0以下 | 50以下 |
有機ジンクリッチペイント | 5以下 | 85以上 |
エポキシ樹脂塗料下塗 変性エポキシ樹脂塗料下塗 変性エポキシ樹脂塗料内面用 | 10以下 | 85以上 |
亜鉛めっき用エポキシ樹脂塗料下塗弱溶剤形変性エポキシ樹脂塗料下塗 | 5以下 | 85以上 |
超厚膜形エポキシ樹脂塗料 | 5以下 | 85以上 |
エポキシ樹脂塗料下塗(低温用) 変性エポキシ樹脂塗料下塗(低温用) 変性エポキシ樹脂塗料内面用(低温用) | 5以下、20以上 | 85以上 |
無溶剤形変性エポキシ樹脂塗料 | 10以下、30以上 | 85以上 |
無溶剤形変性エポキシ樹脂塗料(低温用) | 5以下、20以上 | 85以上 |
コンクリート塗装用エポキシ樹脂プライマー | 5以下 | 85以上 |
ふっ素樹脂塗料用中塗 弱溶剤形ふっ素樹脂塗料用中塗 コンクリート塗装用エポキシ樹脂塗料中塗 コンクリート塗装用柔軟形エポキシ樹脂塗料中塗 | 5以下 | 85以上 |
ふっ素樹脂塗料上塗 弱溶剤形ふっ素樹脂塗料上塗 コンクリート塗装用ふっ素樹脂塗料上塗 コンクリート塗装用柔軟形ふっ素樹脂塗料上塗 | 0以下 | 85以上 |
鉛・クロムフリーさび止めペイント長油性フタル酸樹脂塗料中塗 長油性フタル酸樹脂塗料上塗 | 5以下 | 85以上 |
(1)降雨等で表面が濡れているとき。
(2)風が強いとき及び塵埃が多いとき。
(3)塗料の乾燥前に降雨、雪、霜のおそれがあるとき。
(4)炎天で鋼材表面の温度が高く塗膜にアワを生ずるおそれのあるとき。
(5)その他監督職員が不適当と認めたとき。
10.乾燥状態での施工
受注者は、鋼材表面及び被塗装面の汚れ、油類等を除去し、乾燥状態のときに塗装しなければならない。
11.欠陥防止
受注者は、塗り残し、ながれ、しわ等の欠陥が生じないように塗装しなければならない。
12.均一塗料の使用
受注者は、塗料を使用前に撹拌し、容器の塗料を均一な状態にしてから使用しなければならない。
13.下塗
(1)受注者は、被塗装面の素地調整状態を確認したうえで下塗りを施工しなければならない。天災その他の理由によりやむを得ず下塗りが遅れ、そのためさびが生じたときは再び素地調整を行い、塗装しなければならない。
(2)受注者は、塗料の塗り重ねにあたって、塗料ごとに定められた塗装間隔を守って塗装しなければならない。
(3)受注者は、ボルト締め後または溶接施工のため塗装が困難となる部分で設計図書に示されている場合または、監督職員の指示がある場合にはあらかじめ塗装を完了させなければならない。
(4)受注者は、支承等の機械仕上げ面に、防錆油等を塗布しなければならない。
(5)受注者は、溶接や余熱による熱影響で塗膜劣化する可能性がある現場溶接部近傍に塗装を行ってはならない。未塗装範囲は熱影響部のほか、自動溶接機の取り付けや超音波探傷の施工などを考慮して決定する。
ただし、さびの生ずるおそれがある場合には防錆剤を塗布することができるが、溶接及び塗膜に影響を及ぼすおそれのあるものについては溶接及び塗装前に除去するものとする。
なお、受注者は、防錆剤の使用については、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
14.中塗、上塗
(1)受注者は、中塗り及び上塗りにあたって、被塗装面、塗膜の乾燥及び清掃状態を確認したうえで行わなければならない。
(2)受注者は、海岸地域、大気汚染の著しい地域などの特殊環境における鋼橋の塗装については、素地調整終了から上塗り完了までを速やかに行わなければならない。受注者は、コンクリートとの接触面の塗装を行ってはならない。ただしプライマ ーは除くものとする。また、主桁や縦桁上フランジなどのコンクリート接触部は、
さび汁による汚れを考慮し無機ジンクリッチペイントを30μm塗布するものとする。
15.塗装禁止箇所
受注者は、コンクリートとの接触面の塗装を行ってはならない。ただしプライマ ーは除くものとする。また、主桁や縦桁上フランジなどのコンクリート接触部は、 さび汁による汚れを考慮し無機ジンクリッチペイントを30μm塗布するものとする。
16.検査
(1)受注者は、現場塗装終了後、塗膜厚検査を行い、塗膜厚測定記録を作成及び保管し、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示するとともに、工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
(2)受注者は、塗膜の乾燥状態が硬化乾燥状態以上に経過した後塗膜厚測定をしなければならない。
(3)受注者は、同一工事、同一塗装系、同一塗装方法により塗装された500㎡単位毎に 25点(1点あたり5回測定)以上塗膜厚の測定をしなければならない。ただし、1ロットの面積が200㎡に満たない場合は10㎡ごとに1点とする。
(4)受注者は、塗膜厚の測定を、塗装系別、塗装方法別、部材の種類別または作業姿勢別に測定位置を定め平均して測定するよう配慮しなければならない。
(5)受注者は、膜厚測定器として電磁膜厚計を使用しなければならない。
(6)受注者は、以下に示す要領により塗膜厚の判定をしなければならない。
① 塗膜厚測定値(5回平均)の平均値は、目標塗膜厚合計値の90%以上とするものとする。
② 塗膜厚測定値(5回平均)の最小値は、目標塗膜厚合計値の70%以上とするものとする。
③ 塗膜厚測定値(5回平均)の分布の標準偏差は、目標塗膜厚合計値の20%を越えないものとする。ただし、標準偏差が20%を超えた場合、測定値の平均値が目標塗膜厚合計値より大きい場合は合格とする。
④ 平均値、最小値、標準偏差のうち1つでも不合格の場合はさらに同数の測定を行い、当初の測定値と合わせて計算した結果が管理基準値を満足すれば合格とし、不合格の場合は、最上層の塗料を増し塗りして、再検査しなければならない。
(7)受注者は、塗料の缶貼付ラベルを完全に保ち、開封しないままで現場に搬入し、塗料の品質、製造年月日、ロット番号、色彩及び数量を監督職員に提示しなければならない。
また、受注者は、塗布作業の開始前に出荷証明書及び塗料成績表(製造年月日、ロット番号、色採、数量を明記)を確認し、記録、保管し、監督職員または検査職員の請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
17.記録
(1)受注者が、記録として作成・保管する施工管理写真は、カラー写真とするものとする。
(2)受注者は、最終塗装の完了後、橋体起点側(左)または終点側(右)の外桁腹板に、ペイントまたは耐候性に優れたフィルム状の粘着シートにより図3-2-3のとおり記録しなければならない。
図3-2-3 塗装記録表の仕様
3-2-3-32 かごマット工
1.一般事項
かごマットの構造及び要求性能については、「鉄線籠型護岸の設計・施工技術基準(案)」(国土交通省、平成21年4月)(以下「鉄線籠型基準」という。)によるほか、契約図面及び以下による。
2.要求性能
線材は、以下の要求性能を満足することを確認するとともに、周辺環境や設置条件等、現場の状況を勘案し、施工性、経済性などを総合的に判断のうえ、施工現場に適した線材を使用するものとする。また、受注者は要求性能を満足することを確認するために設定した基準値に適合することを示した公的試験機関の証明書または公的試験機関の試験結果を事前に監督職員に提出し、確認を受けなければならない。
なお、本工事において蓋材に要求される性能(摩擦抵抗)は設計図書によるものとするが、短期性能を要求された箇所については、短期・長期性能型双方を使用可とする。
3.表示標の提出
受注者は、納入された製品について監督職員が指定する表示標(底網、蓋網、側網及び仕切網毎に網線に使用した線材の製造工場名及び表示番号、製造年月日を記載したもの)を監督職員に提出しなければならない。
また、監督職員が指定する各網の表示標に記載された番号に近い線材の公的機関に
おける試験結果を提出しなければならない。
表3-2-10 要求性能の確認方法
項目 | 要求性能 | 確認方法 | |||
試験方法 | 試験条件 | 基準値 | |||
線材に要求される性能 | 母材の健全性 | 母材が健全であること | JIS H 0401の間接 法で使用する試験液によるメッキ溶脱後の母材鉄線の写真撮影 | メッキを剥いだ状態での母材鉄線の表面撮影 | 母材に傷が付いていないこと |
強度 | 洗掘時の破断抵抗及び洗掘に追随する屈とう性を有する鉄線籠本体の一部として機能するために必要な強度を 有すること | 引張試験 (JIS G 3547 に準拠) | - | 引張強さ 290N/mm2以上 | |
耐久性 | 淡水中での耐用年数30年程度を確保すること | 腐食促進試験 (JIS G 0594に準拠 ) | 塩化物イオン濃度 0ppm 試験時間 1,000時間 | メッキ残存量 30g/m2以上 | |
線材摩耗試験 | 回転数 20,000回転 | ||||
均質性 | 性能を担保する品質の均質性を確保しているこ と | 鉄線籠型基準「8.線材の品質管理」に基づくこと | |||
環境適合性 | 周辺環境に影響を与える有害成分を溶出しない こと | 鉄線籠型基準「1.適用河川」に基づくこと | |||
上記性能に加えて蓋材に要求される性能 | 摩擦抵抗 (短期 性能型) | 作業中の安全のために必要な滑りにくさ有する こと | 面的摩擦試験または 線的摩擦試験 | - | 摩擦係数 0.90以上 |
摩擦抵抗 (長期性能型) | 供用後における水辺の安全な利用のために必要な滑りにくさを有すること | 線材摩耗試験の線的摩擦試験 または 面材摩耗試験の面的摩擦試験 | [線材摩耗試験の場合 ] 回転数2,500回転 [面材摩耗試験の場合 ] 回転数100回転 | 摩擦係数 0.90以上 (初期摩耗後) |
[注1]表3-2-11の確認方法に基づく公的機関による性能確認については、1回の実施でよいものとし、その後は、均質性の確保の観点から、鉄線籠型基準「8.線材の品質管理」に基づき、定期的に線材の品質管理試験(表3-2-13)を行うものとする。
[注2]メッキ鉄線以外の線材についても、鉄線籠型基準「7.線材に要求される性能」に基づく要求性能を満足することを確認した公的試験機関による審査証明を事前に監督職員に提出し、確認を受けなければならない。
4.網の結束
側網、仕切網はあらかじめ工場で底網に結束するものとする。ただし、特殊部でこれにより難い場合は監督職員の承諾を得なければならない。
5.結束方法
網線材の端末は1.5回以上巻き式によって結束し線端末は内面に向けるものとする。ただし、蓋金網の端部ついては1.5回以上巻きとするが、リング方式でも良いものと する。また、いかなる部位においても溶接は行ってはならない。
6.連結方法
連結の方法はコイル式とし表3-2-11のとおりとする。また、側網と仕切網、流水方向の底網と底網、外周部については、接続長の全長を連結するものとし、その他の部分は接続長1/2以上(1本/m)を連結するものとする。連結終了時のコイルは両端の線端末を内側に向けるものとする。
表3-2-11 連結コイル線
線径 | コイル径 | 連結支点の間隔 | コイル長 | |
5mm | 50mm以下 | 80mm以下 | (高さ方向30cm) (その他50cm以上) 50cm以上 |
[注]コイル長の上段:( )書きは、かごの厚さ30cm規格の場合
表3-2-12 線材の品質管理試験の内容
項目 項目試験箇所 | 試 験 項 目 | 基 準 値 | 試 験 方 法 | 試 験 の 頻 度 |
工 場 | 線径 | 3.2±0.09mm 4.0±0.10mm 5.0±0.12mm 6.0±0.12mm | JISG3547準拠 | 5巻線※1に1回 |
引張強さ | 290N/mm2以上 | JISG3547準拠 | 5巻線に1回 | |
ねじり特性 | JISG3547の4.3 | JISG3547準拠 | 5巻線に1回 | |
巻付性 | 線径の 1.5倍の円筒に6回以上巻き付け著しい亀裂及びはく離を生じな い | JISG3547準拠 | 5巻線に1回 | |
メッキ成分 | ※2 | 原子吸光分析法、または ICP発光分析法 | 5巻線に1回 | |
メッキ付着量 | ※2 | JISH0401準拠 | 5線に1回 | |
公的試験機関 | 線径 | 3.2±0.09mm 4.0±0.10mm 5.0±0.12mm 6.0±0.12mm | JISG3547準拠 | 200巻線に1回 |
引張強さ | 290N/mm2以上 | JISG3547準拠 | 200巻線に1回 | |
母材の健全性 | 母材に傷が付いていないこと | JISH0401の間接法で使用する試験液によるメッキ溶脱後の母材鉄線 の写真撮影 | 200巻線に1回 | |
メッキ成分 | ※2 | 原子吸光分析法、または ICP発光分析法 | 200巻線に1回 | |
メッキ付着量 | ※2 | JISH0401準拠 | 200巻線に1回 | |
摩擦抵抗 (蓋材のみ) | 短期性能型 摩擦係数0.90以上 | 面的摩擦試験、または 線的摩擦試験 | 200巻線に1回 | |
長期性能型 摩擦係数0.90以上 (初期摩耗後) | 線材摩耗試験後の線的摩擦試験 または 面材摩耗試験後の 面的摩擦試験 | 200巻線に1回 |
[注1]※1 巻線とは、工場における製造単位を言い、約1tとする
※2 メッキ成分及び付着量の基準値は、耐久性に関する性能確認試験及び摩擦抵抗に関する性能確認試験に使用した製品のメッキ成分及び付着量を基に決定する。
なお、メッキ鉄線以外の線材については、メッキ成分及びメッキ付着量の試験項目を省略できるものとする。
[注2]線径の基準値の( )書きは、30cm規格、[ ]書きは、50cm規格
[注3]メッキ鉄線以外の鉄線についても、鉄線籠型基準に基づく要求性能を満足することを確認した公的試験機関による審査証明にて設定された試験項目、基準値、試験方法、試験の頻度により、品質確認試験を行うものとする。
7.かごマットの詰石の施工
受注者は、かごマットの詰石の施工については、できるだけ空隙を少なくしなければならない。また、かご材を傷つけないように注意するとともに詰石の施工の際、側壁、仕切りが扁平にならないように注意しなければならない。
8.かごマットの中詰用ぐり石
受注者は、かごマットの中詰用ぐり石については、かごマットの厚さが30cmの場合は5~15cm、かごマットの厚さが50cmの場合は15~20cmの大きxxx、かごマットの網目より大きな天然石または割ぐり石を使用しなければならない。
3-2-3-33 袋詰玉石工
1.根固め用袋材
本条項は、高分子系の合成繊維(再生材を含む)を主要構成材料とする袋型根固め用袋材に適用する。
2.根固め用袋材の性能
袋型根固め用袋材は、表3-2-13に示す性能を満足することを確認しなければならない。
3.根固め用袋材の要求性能の確認
要求性能の確認は、表3-2-13に記載する確認方法で行うことを原則とし、受注者は基準値に適合することを示した公的試験機関の証明書または公的試験機関の試験結果を事前に監督職員に提出し、確認を受けなければならない。
表3-2-13(1) 袋型根固め用袋材の要求性能及び確認方法
場所 | 項目 | 要求性能 | 確認方法 | ||
試験方法 | 基準値 | ||||
公的試験機関 | 強 度 (※1) | 必要重量の中詰め材料を充填し直接クレーンで吊り上げても破断しない強度を有すること。 | 引張試験 (JIS A 8960に準拠) | (2トン型) | (2重)400N以 上 (1重)700N以 上 |
(4トン型) | (2重)500N以 上 (1重)900N以 上 | ||||
耐候性 | 紫外線により劣化した場合も、必要な強度を保持すること。 短期性能型: 験耐候性は求めない。 長期性能型: 耐用年数30年程度 | 耐候性試験 (長期性能型のみ) (JIS L 0842 オープンフ レームカ ーボンアーク灯式耐候性試験機により紫外線を7500時間照射後、JIS A 8960準拠の引張試験を実施) | (2トン型) | (2重)200N以 上 (1重)200N以 上 | |
(4トン型) | (2重)250N以 上 (1重)250N以 上 | ||||
耐燃焼性 | 中詰め材料を充填した状態で網地の燃焼が広がらないこと。 | たき火試験 (参考資料参照) | 燃焼部以上に延焼しないこと。 | ||
環境適合性 | 生態系を阻害するような有害物質の溶出がないこと。 | 煮沸試験飼育試験 (参考資料参照) | 有害物質が溶出しないこと。 | ||
均質性 | 性能を担保する品質の均質性を確保し いること。 | 材料20000袋当たり 1回の引張試験を実施 (JIS A 8960に準拠) | 「強度」の基準値を満足すること。 | ||
発注期間 | 網目・網地の信頼性 | 中詰め材料の抜け出しや、網地の破断が促進することがないこと。 | 監督職員による事前確認 | 中詰め材料が抜け出さない網目の寸法で、かつ、網目を構成する網糸が破断しても解れが連続的に広がらない加工がなされていること。 |
[注]※1 表3-2-13(1)の確認方法のうち、公的機関による性能確認については、均質性の項目を除き、1回の実施でよいものとする。
[たき火試験]
袋型根固め用袋材に中詰め材を充填した後、静置させ上部にたき火用材料を積み上げてライターにて点火する。
[煮沸試験]
網地を沸水中に浸漬し、下記時間の経過後取り出し網地の質量変化を測定する。
[飼育試験]
金魚を入れた水槽に網地を浸漬し、下記期間飼育しその生存状態を確認する。
表3-2-13(2) 参考資料
中詰め材割 | 栗石150mm |
点火方法 | ライター |
たき火用材料 | xxの草木(枯れ草、枯れ木) |
浸漬温度 | 98±2℃ |
浸漬時間 | 120±10min |
浸漬水 | 蒸留水 |
試験体の数 | 5個 |
乾燥温度 | 105℃ |
抽出条件(質量比) | 網地:水=1:500 |
金魚の飼育時間 | 3ヶ月 |
飼育条件(質量比) | 網地:水=1:100 |
金魚の匹数 | 3匹 |
第4節 基礎工
3-2-4-1 一般事項
1.適用工種
本節は、基礎工として土台基礎工、基礎工(護岸)、既製杭工、場所打杭工、深礎工、オープンケーソン基礎工、ニューマチックケーソン基礎工、鋼管xx基礎工その他これらに類する工種について定める。
2.基礎工の施工
受注者は、切込砂利、砕石基礎工、割ぐり石基礎工の施工においては、床掘り完了後(割ぐり石基礎には割ぐり石に切込砂利、砕石などの間隙充填材を加え)締固めながら仕上げなければならない。
3-2-4-2 土台基礎工
1.一般事項
土台基礎工とは、一本土台、片梯子土台、梯子土台及び止杭一本土台をいうものとする。
2.木製の土台基礎工
受注者は、土台基礎工に木材を使用する場合には、樹皮をはいだ生木を用いなければならない。
3.土台基礎工の施工
受注者は、土台基礎工の施工にあたり、床を整正し締固めた後、据付けるものとし、空隙には、割ぐり石、砕石等を充填しなければならない。
4.片梯子土台及び梯子土台の施工
受注者は、片梯子土台及び梯子土台の施工にあたっては、部材接合部に隙間が生じないように土台を組み立てなければならない。
5.止杭一本土台の施工
受注者は、止杭一本土台の施工にあたっては、上部からの荷重の偏心が生じないように設置しなければならない。
6.土台基礎工に用いる木材
受注者は、土台基礎工に用いる木材について設計図書に示されていない場合には、樹皮をはいだ生松丸太で、有害な腐れ、割れ、曲がり等のない材料を使用しなければならない。
7.止杭の先端
止杭の先端は、角すい形に削るものとし、角すい形の高さは径の1.5倍程度にしなければならない。
3-2-4-3 基礎工(護岸)
1.一般事項
受注者は、基礎工設置のための掘削に際しては、掘り過ぎのないように施工しなければならない。
2.水中打込みの禁止
受注者は、基礎工(護岸)のコンクリート施工において、水中打込みを行ってはならない。
3.目地の施工位置
受注者は、基礎工(護岸)の目地の施工位置は設計図書に従って施工しなければならない。
4.裏込め材の施工
受注者は、基礎工(護岸)の施工において、裏込め材は、締固め機械等を用いて施工しなければならない。
5.プレキャスト法留基礎の施工
受注者は、プレキャスト法留基礎の施工に際しては、本条1項及び3項による他、沈下等による法覆工の安定に影響が生じないようにしなければならない。
3-2-4-4 既製杭工
1.既製杭工の種類
既製杭工とは、既製コンクリート杭、鋼管杭、及びH鋼杭をいうものとする。
2.既製杭工の工法
既製杭工の工法は、打込み杭工法、中掘り杭工法、プレボーリング杭工法、鋼管ソ
イルセメント杭工法または回転杭工法とし、取扱いは本条及び設計図書によらなければならない。
3.試験杭の施工
受注者は、試験杭の施工に際して、設計図書に従って試験杭を施工しなければならない。また、設計図書に示されていない場合には、各基礎ごとに、試験杭を施工しなければならない。
なお、設計図書に示されていない場合には、各基礎ごとに、設計図書に示す工事目的物の基礎杭の一部として使用できるように最初の一本を試験杭として施工してもよい。
また、一本だけで施工管理のための十分な情報が得られない場合は、次に施工する杭も試験杭として実施することで不足する情報を補足し、以降の杭施工に反映するものとする。
4.施工計画書、施工記録
受注者は、あらかじめ杭の打止め管理方法(ペン書き法による貫入量、リバウンドの測定あるいは杭頭計測法による動的貫入抵抗の測定など)等を定め施工計画書に記載し、施工にあたり施工記録を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
5.杭施工跡の埋戻し
受注者は、既製杭工の施工後に、地表面に凹凸や空洞が生じた場合には、第3編3- 2-3-3作業土工(床掘り・埋戻し)の規定により、これを埋戻さなければならない。
6.既製杭工の杭頭処理
受注者は、既製杭工の杭頭処理に際して、杭本体を損傷させないように行わなければならない。
7.既製杭工の打込み工法の選定
受注者は、既製杭工の打込み方法、使用機械等については打込み地点の土質条件、立地条件、杭の種類に応じたものを選ばなければならない。
8.打込みキャップ等
受注者は、コンクリート既製杭工の打込みに際し、キャップは杭径に適したものを用いるものとし、クッションは変形のないものを用いなければならない。
9.杭頭損傷の修補
受注者は、既製杭工の施工にあたり、杭頭打込みの打撃等により損傷した場合は、杭の機能を損なわないように、修補または取り替えなければならない。
10.打込み不能の場合の処置
受注者は、既製杭工の施工を行うにあたり、設計図書に示された杭先端の深度に達する前に打込み不能となった場合は、原因を調査するとともに、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。また、支持力の測定値が、設計図書に示された支持力に達しない場合は、受注者は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
11.中掘り杭工法による既製杭工施工
受注者は、中掘り杭工法で既製杭工を施工する場合には、掘削及び沈設中は土質性
状の変化や杭の沈設状況などを観察し、杭周辺及び先端地盤の乱れを最小限に留める ように沈設するとともに、必要に応じて所定の位置に保持しなければならない。また、先端処理については、試験杭等の条件に基づいて、管理を適正に行わなければならな い。杭の掘削・沈設速度は杭径や土質条件によって異なるが、試験杭により確認した 現場に適した速度で行う。
なお、施工管理装置は、中掘り掘削・沈設及びセメントミルク噴出撹拌方式の根固部の築造時、コンクリート打設方式の孔底処理に必要な施工管理項目について常時表示・記録できるものを選定する。
12.残杭の再使用時の注意
受注者は、既製杭工の打込みを終わり、切断した残杭を再び使用する場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
13.既製コンクリート杭の施工
既製コンクリート杭の施工については、以下の各号の規定によるものとする。
(1)受注者は、杭の適用範囲、杭の取扱い、杭の施工法分類はJIS A 7201(遠心力コンクリートくいの施工標準)の規格によらなければならない。
(2)受注者は、杭の打込み、埋込みはJIS A 7201(遠心力コンクリートくいの施工標準)の規定による。
(3)受注者は、杭の継手はJIS A 7201(遠心力コンクリートくいの施工標準)の規定による。
14.杭支持層の確認・記録
受注者は、杭の施工を行うにあたり、JIS A 7201(遠心力コンクリートくいの施工標準)7施工7.4くい施工で、7.4.2埋込み工法を用いる施工の先端処理方法が、セメントミルク噴出撹拌方式または、コンクリート打設方式の場合は、杭先端が設計図書に示された支持層付近に達した時点で支持層の確認をするとともに、確認のための資料を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに、工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。セメントミルク噴出撹拌方式の場合は、受注者は、過度の掘削や長時間の撹拌などによって杭先端周辺の地盤を乱さないようにしなければならない。
また、コンクリート打設方式の場合においては、受注者は、根固めを造成する生コンクリートを打込むにあたり、孔底沈殿物(スライム)を除去した後、トレミー管などを用いて杭先端部を根固めしなければならない。
15.既製コンクリート杭または鋼管杭の先端処理
受注者は、既製コンクリート杭または鋼管杭の先端処理をセメントミルク噴出攪拌方式による場合は、杭基礎施工便覧に示されている工法技術またはこれと同等の工法技術によるものとし、受注者は施工に先立ち、当該工法技術について、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
ただし、最終打撃方式及びコンクリート打設方式はこれらの規定には該当しない。
16.セメントミルクの水セメント比
受注者は、既製コンクリート杭の施工を行うにあたり、根固め球根を造成するセメントミルクの水セメント比は設計図書に示されていない場合は、60%以上かつ70%
以下としなければならない。掘削時及びオーガ引上げ時に負圧を発生させてボイリングを起こす可能性がある場合は、杭中空部の孔内水位を常に地下水位より低下させないよう十分注意して掘削しなければならない。
また、撹拌完了後のオーガの引上げに際して、吸引現象を防止する必要がある場合には、セメントミルクを噴出しながら、ゆっくりと引き上げなければならない。
17.既製コンクリート杭のカットオフ
受注者は、既製コンクリート杭のカットオフの施工にあたっては、杭内に設置されている鉄筋等の鋼材を傷つけないように、切断面が水平となるように行わなければならない。
18.殻運搬処理
受注者は、殻運搬処理を行うにあたっては、運搬物が飛散しないように、適正な処置を行わなければならない。
19.鋼管杭及びH鋼杭の運搬・保管
受注者は、鋼管杭及びH鋼杭の運搬、保管にあたっては、杭の表面、H鋼杭のフランジ縁端部、鋼管杭の継手、開先部分などに損傷を与えないようにしなければならない。また、杭の断面特性を考えて大きなたわみ、変形を生じないようにしなければならない。
20.鋼管杭及びH鋼杭の頭部の切りそろえ
受注者は、鋼管杭及びH鋼杭の頭部を切りそろえる場合には、杭の切断面を水平かつ平滑に切断し、鉄筋、ずれ止めなどを取付ける時は、確実に施工しなければならない。
21.鋼管杭・H鋼杭の現場継手
既製杭工における鋼管杭及びH鋼杭の現場継手については、以下の各号の規定によるものとする。
(1)受注者は、鋼管杭及びH鋼杭の現場継手を溶接継手による場合については、アーク溶接継手とし、現場溶接に際しては溶接工の選定及び溶接の管理、指導、検査及び記録を行う溶接施工技術者を常駐させるとともに、以下の規定による。
(2)受注者は、鋼管杭及びH鋼杭の溶接は、JIS Z 3801(手溶接技術検定における試験方法及び判定基準)に定められた試験のうち、その作業に該当する試験(または同等以上の検定試験)に合格した者でかつ現場溶接の施工経験が6ヶ月以上の者に行わさせなければならない。ただし半自動溶接を行う場合は、JIS Z 3841(半自動溶接技術検定における試験方法及び判定基準)に定められた試験の種類のうち、その作業に該当する試験(またはこれと同等以上の検定試験)に合格した者でかつ現場溶接の施工経験が6ヶ月以上の者に行わさせなければならない。
(3)鋼管杭及びH鋼杭の溶接に従事する溶接工は資格証明書をxxし、監督職員が資格証明書の提示を求めた場合は、これに応じなければならない。
なお、受注者は、溶接工の作業従事者の名簿を施工計画書に記載しなければならない。
(4)受注者は、鋼管杭及びH鋼杭の溶接には直流または交流アーク溶接機を用いるものとし、二次側に電流計、電圧計を備えておき、溶接作業場にて電流調節が可能で
なければならない。
(5)受注者は、降雪雨時、強風時に露天で鋼管杭及びH鋼杭の溶接作業を行ってはならない。風は、セルフシールドアーク溶接の場合には10m/sec以内、ガスシールドアーク溶接の場合には2m/sec以内とする。ただし、作業が可能なように、遮へいした場合等には、設計図書に関して監督職員の承諾を得て作業を行うことができる。また、気温が5℃以下の時は溶接を行ってはならない。ただし、気温が-10~+5℃の場合で、溶接部から100mm以内の部分がすべて+36℃以上に予熱した場合は施工できる。
(6)受注者は、鋼管杭及びH鋼杭の溶接部の表面のさび、ごみ、泥土等の有害な付着物をワイヤブラシ等でみがいて清掃し、乾燥させなければならない。
(7)受注者は、鋼管杭の上杭の建込みにあたっては、上下軸が一致するように行い、表3-2-14の許容値を満足するように施工しなければならない。
なお、測定は、上杭の軸方向を直角に近い異なる二方向から行わなければならない。
表3-2-14 現場円周溶接部の目違いの許容値
外 径 | 許容量 | 摘 要 |
700mm未満 | 2mm以下 | 上ぐいと下ぐいの外周長の差で表し、その差を2mm×π以下とする。 |
700mm以上1 ,016mm以下 | 3mm以下 | 上ぐいと下ぐいの外周長の差で表し、その差を3mm×π以下とする。 |
1,016mmを超え1,524mm以下 | 4mm以下 | 上ぐいと下ぐいの外周長の差で表し、その差を4mm×π以下とする。 |
(8)受注者は、鋼管杭及びH鋼杭の溶接完了後、溶接箇所について、欠陥の有無の確認を行わなければならない。
なお、確認の結果、発見された欠陥のうち手直しを要するものについては、グラインダまたはガウジングなどで完全にはつりとり、再溶接して補修しなければならない。
(9)受注者は、斜杭の場合の鋼杭及びH鋼杭の溶接にあたり、自重により継手が引張りをうける側から開始しなければならない。
(10)受注者は、本項(7)及び(8)のほか、杭の現場溶接継手に関する溶接条件、溶接作業、検査結果等の記録を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに、工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
(11)受注者は、H鋼杭の溶接にあたり、まず下杭のフランジの外側に継目板をあて周囲をすみ肉溶接した後、上杭を建込み上下杭軸の一致を確認のうえ、継目板を上杭にすみ肉溶接しなければならない。突合わせ溶接は両側フランジ内側に対しては片面V形溶接、ウェブに対しては両面K形溶接を行わなければならない。ウェブに継目板を使用する場合、継目板の溶接はフランジと同一の順序とし、杭断面の突合わ
せ溶接はフランジ、ウェブとも片面V形溶接を行わなければならない。
22.鋼管杭中掘り杭工法の先端処理
鋼管杭における中掘り杭工法の先端処理については、本条14項15項及び16項の規定によるものとする。
23.鋼管杭防食処置
受注者は、鋼管杭防食を行うにあたり、現地状況に適合した防食を行わなければならない。
24.部材の損傷防止
受注者は、鋼管杭防食の施工を行うにあたり、部材の運搬、保管、打込み時などに部材を傷付けないようにしなければならない。
3-2-4-5 場所打杭工
1.試験杭
受注者は、試験杭の施工に際して、設計図書に従って試験杭を施工しなければならない。また、設計図書に示されていない場合には、各基礎ごとに、試験杭を施工しなければならない。
なお、設計図書に示されていない場合には、各基礎ごとに、設計図書に示す工事目的物の基礎杭の一部として使用できるように最初の一本を試験杭として施工してもよい。
また、一本だけで施工管理のための十分な情報が得られない場合は、次に施工する杭も試験杭として実施することで不足する情報を補足し、以降の杭施工に反映するものとする。
2.施工計画書、施工記録
受注者は、杭長決定の管理方法等を定め施工計画書に記載し、施工にあたり施工記録を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
3.場所打杭工の施工後の埋戻し
受注者は、場所打杭工の施工後に、地表面に凹凸や空洞が生じた場合には、第3編 3-2-3-3作業土工(床掘り・埋戻し)の規定により、これを掘削土等の良質な土を用いて埋戻さなければならない。
4.機械据付け地盤の整備
受注者は、場所打杭工の施工に使用する掘削機械の作業中の水平度や安定などを確保するために、据付け地盤を整備しなければならない。掘削機は、杭位置に据付けなければならない。
5.周辺への影響防止
受注者は、場所打杭工の施工を行うにあたり、周辺地盤及び支持層を乱さないように掘削し、設計図書に示された深度に達する前に掘削不能となった場合は、原因を調査するとともに、設計図書に関して、監督職員と協議しなければならない。
6.鉛直の保持
受注者は、場所打杭工の施工を行うにあたり、常に鉛直を保持し、所定の深度まで確実に掘削しなければならない。
7.掘削速度
受注者は、場所打杭工の施工にあたり、地質に適した速度で掘削しなければならない。
8.支持地盤の確認
受注者は、場所打杭工の施工にあたり、設計図書に示した支持地盤に達したことを、掘削深さ、掘削土砂、地質柱状図及びサンプルなどにより確認し、その資料を整備及 び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに、工事完成時 に監督職員へ提出しなければならない。また、受注者は、コンクリート打込みに先立 ち孔底沈殿物(スライム)を除去しなければならない。
9.鉄筋かごの建込み
受注者は、場所打杭工における鉄筋かごの建込み中及び建込み後に、湾曲、脱落座屈などを防止するとともに、鉄筋かごには、設計図書に示されたかぶりが確保できるように、スペーサを同一深さ位置に4ヶ所以上、深さ方向3m間隔程度で取り付けなければならない。特に杭頭部は、位置がずれやすいことから鉄筋かご円xxに対して 500~700mmの間隔で設置するものとする。
10.鉄筋かごの継手
受注者は、場所打杭工における鉄筋かごの継手は重ね継手としなければならない。これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
11.鉄筋かごの組立て
受注者は、場所打杭工における鉄筋かごの組立てにあたっては、形状保持などのための溶接を構造設計上考慮する鉄筋に対して行ってはならない。ただし、これにより難い場合には監督職員と協議するものとする。また、コンクリート打込みの際に鉄筋が動かないように堅固なものとしなければならない。
なお、鉄筋かごを運搬する場合には、変形を生じないようにしなければならない。
12.コンクリート打設
受注者は、場所打杭工のコンクリート打込みにあたっては、トレミー管を用いたプランジャー方式によるものとし、打込み量及び打込み高を常に計測しなければならない。これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。また、受注者は、トレミー管下端とコンクリート立上り高の関係をトレミー管の位置、コンクリート打込み数量より検討し、トレミー管をコンクリートの上面から打込み開始時を除き、2m以上入れておかなければならない。
13.杭頭の処理
受注者は、場所打杭工の杭頭処理に際して、杭の本体を損傷させないように行わな ければならない。また、受注者は、場所打杭工の施工にあたり、連続してコンクリー トを打込み、レイタンス部分を除いて品質不良のコンクリート部分を見込んで設計図 書に示す打上り面より孔内水を使用しない場合で50㎝以上、孔内水を使用する場合で 80cm以上高く打込み、硬化後、設計図書に示す高さまで取り壊さなければならない。オールケーシング工法による場所打杭の施工にあたっては、鉄筋天xxさまでコンク リートを打ち込み、硬化後、設計書図書に示す高さまで取り壊すものとする。
14.オールケーシング工法の施工
受注者は、オールケーシング工法の施工におけるケーシングチューブの引抜きにあたり、鉄筋かごの共上りを起こさないようにするとともに、引抜き最終時を除き、ケーシングチューブ下端をコンクリートの上面から2m以上コンクリート内に挿入しておかなければならない。
15.杭径確認
受注者は、全ての杭について、床掘完了後(杭頭余盛部の撤去前)に杭頭部の杭径を確認するとともに、その状況について写真撮影を行い監督職員に提出しなければならない。その際、杭径が出来形管理基準を満たさない状況が発生した場合は、補修方法等について監督職員と協議しなければならない。
16.水頭差の確保
受注者は、リバース工法、アースドリル工法、ダウンザホールハンマー工法及び大 口径ボーリングマシン工法の施工にあたり、掘削中には孔壁の崩壊を生じないように、孔内水位を外水位より低下させてはならない。また、掘削深度、排出土砂、孔内水位 の変動及び安定液を用いる場合の孔内の安定液濃度、比重等の状況について管理しな ければならない。
17.鉄筋かご建込み時の孔壁崩壊防止
受注者は、リバース工法、アースドリル工法、ダウンザホールハンマー工法及び大口径ボーリングマシン工法において鉄筋かごを降下させるにあたり、孔壁に接触させて孔壁崩壊を生じさせてはならない。
18.殻運搬処理
受注者は、殻運搬処理を行うにあたっては、運搬物が飛散しないように、適正な処置を行わなければならない。
19.泥水処理
受注者は、泥水処理を行うにあたり、水質汚濁に係る環境基準について(環境省告示)、都道府県公害防止条例等に従い、適切に処理を行わなければならない。
20.杭土処理
受注者は杭土処理を行うにあたり、適切な方法及び機械を用いて処理しなければならない。
21.地下水への影響防止
受注者は、周辺地域の地下水利用状況等から作業に伴い水質水量等に影響を及ぼすおそれのある場合には、あらかじめその調査・対策について設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
22.泥水・油脂等の飛散防止
受注者は、基礎杭施工時における泥水・油脂等が飛散しないようにしなければならない。
3-2-4-6 深礎工
1.仮巻コンクリート
受注者は、仮巻コンクリートの施工を行う場合は、予備掘削を行いコンクリートはライナープレートと隙間無く打設しなければならない。
2.深礎掘削
受注者は、深礎掘削を行うにあたり、常に鉛直を保持し支持地盤まで連続して掘削するとともに、余掘りは最小限にしなければならない。また、常に孔内の排水を行わなければならない。
3.土留工
受注者は、掘削孔の全長にわたって土留工を行い、かつ撤去してはならない。これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。また、土留材は脱落、変形及び緩みのないように組立てなければならない。
なお、掘削完了後、支持地盤の地質が水を含んで軟化するおそれがある場合には、速やかに孔底をコンクリートで覆わなければならない。
4.支持地盤の確認
受注者は、孔底が設計図書に示す支持地盤に達したことを、掘削深度、掘削土砂、地質柱状図などにより確認し、その資料を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに、工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
5.コンクリート打設
受注者は、コンクリート打設にあたっては、打込み量及び打込み高を常に計測しなければならない。
6.鉄筋組立て
受注者は、深礎工において鉄筋を組み立てる場合は、適切な仮設計画のもと所定の位置に堅固に組み立てるとともに、曲がりやよじれが生じないように、土留材に固定しなければならない。ただし、鉄筋の組立てにおいては、組立て上の形状保持等のための溶接を構造設計上考慮する鉄筋に対して行ってはならない。
7.鉄筋の継手
軸方向鉄筋の継手は機械式継手とし、せん断補強鉄筋は重ね継手または機械式継手とする。これにより難い場合は、監督職員の承諾を得なければならない。
8.裏込注入
受注者は、土留め材と地山との間に生じた空隙部には、全長にわたって裏込注入をおこなわなければならない。
なお、裏込注入材料が設計図書に示されていない場合には、監督職員の承諾を得なければならない。
9.裏込材注入圧力
裏込材注入圧力は、低圧(0.1N/㎟程度)とするが、これにより難い場合は、施工に先立って監督職員の承諾を得なければならない。
10.湧水処理
受注者は、掘削中に湧水が著しく多くなった場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
11.ライナープレートの組立て
受注者は、ライナープレートの組立にあたっては、偏心と歪みを出来るだけ小さくするようにしなければならない。
12.施工計画書、施工記録
受注者は、グラウトの注入方法については、施工計画書に記載し、施工にあたって は施工記録を整備保管し、監督職員の請求があった場合は速やかに提示するとともに、工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
13.殻運搬処理
受注者は、殻運搬処理を行うにあたっては、運搬物が飛散しないように、適正な処置を行わなければならない。
3-2-4-7 オープンケーソン基礎工
1.施工計画書
受注者は、オープンケーソンのコンクリート打込み、1ロットの長さ、ケーソン内の掘削方法、載荷方法等については、施工計画書に記載しなければならない。
2.刃口金物据付け
受注者は、不等沈下を起こさないよう刃口金物据付けを行わなければならない。
3.ロットのコンクリートの連続打設
受注者は、オープンケーソンの1ロットのコンクリートが、水密かつ必要によっては気密な構造となるように、連続して打込まなければならない。
4.施工記録の整備、保管
受注者は、オープンケーソンの施工にあたり、施工記録を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
5.火薬類の使用
受注者は、オープンケーソン基礎工の掘削沈下を行うにあたり、火薬類を使用する 必要が生じた場合は、事前に設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
なお、火薬類の使用によってみだりに周辺地盤を乱さないようにしなければならない。
6.オープンケーソンの沈下促進
受注者は、オープンケーソンの沈下促進を行うにあたり、全面を均等に、中央部からできるだけ対称に掘り下げ、トランシット等で観測し移動や傾斜及び回転が生じないように、矯正しながら施工しなければならない。オープンケーソン施工長及び沈下量は、オープンケーソン外壁に刃口からの長さを記入し、これを観測し、急激な沈下を生じないように施工しなければならない。
7.過堀の禁止
受注者は、オープンケーソンの沈下促進にあたり、刃先下部に過度の掘り起こしをしてはならない。著しく沈下が困難な場合には、原因を調査するとともに、その処理方法について、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
8.最終沈下直前の掘削
受注者は、オープンケーソンの最終沈下直前の掘削にあたっては、刃口周辺部から中央部に向って行い、中央部の深掘りは避けなければならない。
9.支持地盤の確認
受注者は、オープンケーソンが設計図書に示された深度に達したときは、ケーソン
底面の乱された地盤の底ざらいを行い、支持地盤となる地山及び土質柱状図に基づき底面の支持地盤条件が設計図書を満足することを確認し、その資料を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに、工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
10.底版コンクリート打設準備
受注者は、底版コンクリートを打込む前に刃口より上にある土砂を掘削しなければ ならない。さらに刃先下部の掘越した部分はコンクリートで埋戻さなければならない。また陸掘りの場合を除き、水中コンクリートは、オープンケーソン内の水位の変動が ないことを確認したうえ、トレミー管またはコンクリートポンプ等を用いて打込むも のとする。この場合、管の先端は常に打込まれたコンクリート中に貫入された状態に しておかなければならない。
11.掘削時の注意
受注者は、機械により掘削する場合には、作業中、オープンケーソンに衝撃を与えないようにしなければならない。
12.オープンケーソン内の湛水処理
受注者は、底版コンクリート打込みの後、オープンケーソン内の湛水を排除してはならない。
13.中詰充てんの施工
受注者は、中詰充填を施工するにあたり、オープンケーソン内の水位を保った状態で密実に行わなければならない。
14.止水壁取壊し
受注者は、止水壁取壊しを行うにあたり、構造物本体及びオープンケーソンを損傷させないよう、壁内外の外力が釣り合うよう注水、埋戻しを行わなければならない。
15.殻運搬処理
受注者は、殻運搬処理を行うにあたっては、運搬物が飛散しないように、適正な処置を行わなければならない。
3-2-4-8 ニューマチックケーソン基礎工
1.施工計画書
受注者は、ニューマチックケーソンのコンクリート打込み、1ロットの長さ、ケーソン内の掘削方法、載荷方法等については、施工計画書に記載しなければならない。
2.1ロットコンクリートの連続打設
受注者は、ニューマチックケーソンの1ロットのコンクリートが、水密かつ必要によっては気密な構造となるように、連続して打込まなければならない。
3.施工記録の整備、保管
受注者は、ニューマチックケーソンの施工にあたり、施工記録を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに、工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
4.マンロック及びマテリアルロック
通常安全施工上の面から、ニューマチックケーソン1基につき、作業員の出入りのためのマンロックと、材料の搬入搬出、掘削土砂の搬出のためのマテリアルロックの
2本以上のシャフトが計画されるが、受注者は、1本のシャフトしか計画されていない場合で、施工計画の検討により、2本のシャフトを設置することが可能と判断されるときには、その設置方法について、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
5.ニューマチックケーソン沈下促進
受注者は、ニューマチックケーソン沈下促進を行うにあたり、ケーソン自重、載荷荷重、摩擦抵抗の低減などにより行わなければならない。やむを得ず沈下促進に減圧沈下を併用する場合は、工事着手前に設計図書に関して監督職員の承諾を得るとともに、施工にあたってはケーソン本体及び近接構造物に障害を与えないようにしなければならない。
6.掘削沈設管理
受注者は、掘削沈設を行うにあたり、施工状況、地質の状態などにより沈下関係図を適宜修正しながら行い、ニューマチックケーソンの移動傾斜及び回転を生じないように施工するとともに、急激な沈下を避けなければならない。
7.底面地盤の支持力と地盤反力係数
受注者は、ニューマチックケーソンが設計図書に示された深度に達したときは底面地盤の支持力と地盤反力係数を確認するために平板載荷試験を行い、当該ケーソンの支持に関して設計図書との適合を確認するとともに、確認のための資料を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに、工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
8.中埋めコンクリート施工前の作業
受注者は、中埋めコンクリートを施工する前にあらかじめニューマチックケーソン底面地盤の不xx正を行い、作業室内部の刃口や天井スラブ、シャフト及びエアロックに付着している土砂を除去するなど、作業室内を清掃しなければならない。
9.中埋めコンクリートの打設
受注者は、中埋めコンクリートを施工するにあたり、作業室内の気圧を管理しながら、作業に適するワーカビリティーの中埋めコンクリートを用いて、刃口周辺から中央へ向って打込み、打込み後24時間以上、気圧を一定に保ち養生し、断気しなければならない。
10.砂セントルの構造
受注者は、刃口及び作業室天井スラブを構築するにあたり、砂セントルは全荷重に対して十分に堅固な構造としなければならない。
11.砂セントルの解体
受注者は、砂セントルを解体するにあたり、打設したコンクリートの圧縮強度が 14N/㎟以上かつコンクリート打設後3日以上経過した後に行わなければならない。
12.止水壁取壊し
受注者は、止水壁取壊しを行うにあたり、構造物本体及びニューマチックケーソンを損傷させないよう、壁内外の外力が釣り合うよう注水、埋戻しを行わなければならない。
13.殻運搬処理
受注者は、殻運搬処理を行うにあたっては、運搬物が飛散しないように、適正な処置を行わなければならない。
3-2-4-9 鋼管矢板基礎工
1.試験杭の施工
受注者は、鋼管矢板基礎工の施工においては、設計図書に従って試験杭として鋼管矢板を施工しなければならない。また、設計図書に示されていない場合には、各基礎ごとに、試験杭として鋼管矢板を施工しなければならない。
なお、設計図書に示されていない場合には、各基礎ごとに、設計図書に示す工事目的物の基礎杭の一部として使用できるように最初の一本を試験杭として施工してもよい。
2.施工計画書、施工記録
受注者は、施工前に杭長決定の管理方法等を定め施工計画書に記載し施工にあたり施工記録を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
3.プレボーリングの取扱い
プレボーリングの取扱いは、設計図書によらなければならない。
4.杭頭損傷の修補
受注者は、鋼管矢板基礎工の施工にあたり、杭頭打込みの打撃等により損傷した場合は、杭の機能を損なわないように、修補または取り替えなければならない。
5.杭施工跡の埋戻し
受注者は、鋼管矢板の施工後に、地表面に凹凸や空洞が生じた場合には、第3編3- 2-3-3作業土工(床掘り・埋戻し)の規定により、これを埋戻さなければならない。
6.鋼管矢板施工法の選定
受注者は、鋼管矢板の施工にあたり、打込み方法、使用機械等については打込み地点の土質条件、立地条件、杭の種類に応じたものを選ばなければならない。
7.打込み不能時の処置
受注者は、鋼管矢板の施工にあたり、設計図書に示された深度に達する前に打込み不能となった場合は、原因を調査するとともに、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。また、設計図書に示された深度における支持力の測定値が、設計図書に示された支持力に達しない場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
8.鋼管矢板の運搬保管
受注者は、鋼管矢板の運搬、保管にあたっては、杭の表面、継手、開先部分などに損傷を与えないようにしなければならない。また矢板の断面特性を考えて大きなたわみ、変形を生じないようにしなければならない。
9.杭頭部の切りそろえ
受注者は、杭の頭部を切りそろえる場合には、杭の切断面を水平かつ平滑に切断し、鉄筋、ずれ止めなどを取り付ける時は、確実に施工しなければならない。
10.残杭の再使用の場合の処置
受注者は、鋼管矢板の打込みを終わり、切断した残杭を再び使用する場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
11.鋼管矢板の溶接
鋼管矢板基礎工において鋼管矢板の溶接を行う場合については、以下の各号の規定によるものとする。
(1)受注者は、鋼管矢板の現場継手を溶接継手による場合については、アーク溶接継手とし、現場溶接に際しては溶接工の選定及び溶接の管理、指導、検査及び記録を行う溶接施工技術者を常駐させなければならない。
(2)受注者は、鋼管矢板の溶接については、JIS Z 3801(手溶接技術検定における試験方法及び判定基準)に定められた試験のうち、その作業に該当する試験(または同等以上の検定試験)に合格した者で、かつ現場溶接の施工経験が6ヶ月以上の者に行わさせなければならない。ただし半自動溶接を行う場合は、JIS Z 3841(半自動溶接技術検定における試験方法及び判定基準)に定められた試験の種類のうち、その作業に該当する試験(またはこれと同等以上の検定試験)に合格した者で、かつ現場溶接の施工経験が6ヶ月以上の者に行わせなければならない。
(3)鋼管矢板の溶接に従事する溶接工は資格証明書をxxし、監督職員が資格証明書の提示を求めた場合は、これに応じなければならない。
なお、受注者は、溶接工の作業従事者の名簿を施工計画書に記載しなければならない。
(4)受注者は、鋼管矢板の溶接には直流または交流アーク溶接機を用いるものとし、二次側に電流計、電圧計を備えておき、溶接作業場にて電流調節が可能でなければならない。
(5)受注者は、降雪雨時、強風時に露天で鋼管杭及びH鋼杭の溶接作業を行ってはならない。ただし、作業が可能なように、遮へいした場合等には、設計図書に関して監督職員の承諾を得て作業を行うことができる。また、気温が5℃以下の時は溶接を行ってはならない。ただし、気温が-10~+5℃の場合で、溶接部から100mm以内の部分がすべて+36℃以上に予熱した場合は施工できる。
(6)受注者は、鋼管矢板の溶接部の表面のさび、ごみ、泥土等の有害な付着物をワイヤブラシ等でみがいて清掃し、乾燥させなければならない。
(7)受注者は、鋼管矢板の上杭の建込みにあたっては、上下軸が一致するように行い、表3-2-15の許容値を満足するように施工しなければならない。
なお、測定は、上杭の軸方向を直角に近い異なる二方向から行わなければならない。
表3-2-15 現場円周溶接部の目違いの許容値
外 径 | 許容量 | 摘 要 |
700mm未満 | 2mm以下 | 上ぐいと下ぐいの外周長の差で表し、その差を2mm×π以下とする。 |
700mm以上1,016mm以下 | 3mm以下 | 上ぐいと下ぐいの外周長の差で表し、その差を3mm×π以下とする。 |
1,016mmを超え2,000mm以下 | 4mm以下 | 上ぐいと下ぐいの外周長の差で表し、その差を4mm×π以下とする。 |
(8)受注者は、鋼管矢板の溶接完了後、設計図書に示された方法、個数につき、指定された箇所について欠陥の有無を確認しなければならない。
なお、確認の結果、発見された欠陥のうち手直しを要するものについては、その箇所をグラインダまたはガウジングなどで完全にはつりとり再溶接して補修しなければならない。
(9)受注者は、本項(7)及び(8)のほか、杭の現場溶接継手に関する溶接条件、溶接作業、検査結果等の記録を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示するとともに、工事完成時に監督職員へ提出しなければならない。
12.導材の設置
受注者は、鋼管矢板の打込みにあたり、導枠と導杭から成る導材を設置しなければならない。導材は、打込み方法に適した形状で、かつ堅固なものとする。
13.建込み精度管理
受注者は、鋼管矢板の建込みに際しては、導枠のマーキング位置に鋼管矢板を設置して二方向から鉛直性を確認しながら施工しなければならない。受注者は、打込みを行う際には、鋼管矢板を閉合させる各鋼管矢板の位置決めを行い、建込みや精度を確認後に行わなければならない。建込み位置にずれや傾斜が生じた場合には、鋼管矢板を引抜き、再度建込みを行わなければならない。
14.頂部の処置
受注者は、鋼管矢板打込み後、頂部の処置については設計図書によらなければならない。
15.継手部の処置
受注者は、鋼管矢板の継手管内は、ウォータージェットなどにより排土し、設計図書の定めによる中詰材を直ちに充填しなければならない。
16.鋼管矢板掘削時の注意
受注者は、鋼管矢板の掘削を行うにあたっては、鋼管矢板及び支保等に衝撃を与えないようにしなければならない。
17.中詰コンクリート打設前準備
受注者は、鋼管矢板本体部の中詰コンクリートの打込みに先立ち、鋼管矢板本体内の土砂等を取り除かなければならない。
18.中詰コンクリートの打設
受注者は、鋼管矢板基礎工の中詰コンクリートの打込みにおいては、材料分離を生じさせないように施工しなければならない。
19.底盤コンクリートの打設前準備
受注者は、底盤コンクリートの打込みに先立ち、鋼管矢板表面に付着している土砂等の掃除を行い、これを取り除かなければならない。
20.頂版接合部材の溶接
受注者は、鋼管矢板本体に頂版接合部材を溶接する方式の場合は、鋼管矢板表面の泥土、水分、油、さび等の溶接に有害なものを除去するとともに、排水及び換気に配慮して行わなければならない。
21.頂版コンクリートの打設前準備
受注者は、鋼管矢板基礎工の頂版コンクリートの打込みに先立ち、鋼管矢板表面及び頂版接合部材に付着している土砂等の掃除を行い、これを取り除かなければならない。
22.仮締切部鋼管矢板切断時の注意
受注者は、鋼管矢板基礎工の仮締切り兼用方式の場合、頂版・躯体完成後の仮締切部鋼管矢板の切断にあたっては、設計図書及び施工計画書に示す施工方法・施工順序に従い、躯体に悪影響を及ぼさないように行わなければならない。
23.殻運搬処理
受注者は、殻運搬処理を行うにあたっては、運搬物が飛散しないように、適正な処置を行わなければならない。
24.間詰コンクリートの施工
受注者は、鋼管矢板基礎工の間詰コンクリートの施工にあたり、腹起しと鋼管矢板の隙間に密実に充填しなければならない。
25.間詰コンクリートの撤去
受注者は、鋼管矢板基礎工の間詰コンクリートの撤去にあたっては、鋼管矢板への影響を避け、この上でコンクリート片等が残留しないように行わなければならない。
第5節 石・ブロック積(張)工
3-2-5-1 一般事項
1.適用工種
本節は、石・ブロック積(張)工として作業土工(床掘り、埋戻し)、コンクリートブロック工、緑化ブロック工、石積(張)工その他これらに類する工種について定める。
2.付着物の除去
受注者は、石・ブロック積(張)工の施工に先立ち、石・ブロックに付着したごみ、泥等の汚物を取り除かなければならない。
3.積み上げ時の注意
受注者は、石・ブロック積(張)工の施工にあたっては、等高を保ちながら積み上げなければならない。
4.水抜き孔
受注者は、コンクリートブロック工及び石積(張)工の水抜き孔を設計図書に基づいて施工するとともに、勾配について定めがない場合には、2%程度の勾配で設置しなければならない。
なお、これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
5.xx
受注者は、コンクリートブロック工及び石積(張)工の施工にあたり、設計図書に示されていない場合はxxとしなければならない。
図3-2-4 x x
6.裏込め
受注者は、裏込めに割ぐり石を使用する場合は、クラッシャラン等で間隙を充填しなければならない。
7.端末部及び曲線部等の処置
受注者は、端末部及び曲線部等で間隙が生じる場合は、半ブロックを用いるものとし、半ブロックの設置が難しい場合は、コンクリート等を用いて施工しなければならない。
8.端部保護ブロック及び天端コンクリート施工時の注意
受注者は、端部保護ブロック及び天端コンクリートの施工にあたっては、裏込め材の流出、地山の漏水や浸食等が生じないようにしなければならない。
9.石・ブロック積(張)工の基礎
受注者は、石・ブロック積(張)工の基礎の施工にあたっては、沈下、壁面の変形などの石・ブロック積(張)工の安定に影響が生じないようにしなければならない。
3-2-5-2 作業土工(床掘り・埋戻し)
作業土工の施工については、第3編3-2-3-3作業土工(床掘り・埋戻し)の規定による。
3-2-5-3 コンクリートブロック工
1.一般事項
コンクリートブロック工とは、コンクリートブロック積、コンクリートブロック張り、連節ブロック張り及び天端保護ブロックをいうものとする。
2.コンクリートブロック積
コンクリートブロック積とは、プレキャストコンクリートブロックによって練積されたもので、法勾配が1:1より急なものをいうものとする。
コンクリートブロック張りとは、プレキャストブロックを法面に張りつけた、法勾配が1:1若しくは1:1よりゆるやかなものをいうものとする。
3.コンクリートブロック張りの基礎
受注者は、コンクリートブロック張りの施工に先立って、砕石、割ぐり石またはクラッシャランを敷均し、締固めを行わなければならない。また、ブロックは凹凸なく張込まなければならない。
4.コンクリートブロック工の空張の積上げ
受注者は、コンクリートブロック工の空張の積上げにあたり、胴がい及び尻がいを用いて固定し、胴込め材及び裏込め材を充填した後、天端付近に著しい空げきが生じないように入念に施工し、締固めなければならない。
5.コンクリートブロック工の練積または練張の施工
受注者は、コンクリートブロック工の練積または練張の施工にあたり、合端を合わせ尻かいを用いて固定し、胴込めコンクリートを充填した後に締固め、合端付近に空隙が生じないようにしなければならない。
6.裏込めコンクリート
受注者は、コンクリートブロック工の練積における裏込めコンクリートは、設計図書に示す厚さを背面に確保するために、裏型枠を設けて打設しなければならない。ただし、コンクリート打設した後に、裏型枠を抜き取り、隙間を埋めておかなければならない。
なお、これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
7.伸縮目地、水抜き孔の施工
受注者は、コンクリートブロック工の練積または練張における伸縮目地、水抜き孔 などの施工にあたり、施工位置については設計図書に従って施工しなければならない。
なお、これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
8.合端の施工
受注者は、コンクリートブロック工の練積または練張における合端の施工にあたり、モルタル目地を塗る場合は、あらかじめ、設計図書に関して監督職員の承諾を得な ければならない。
合x
x(張)ブロック
胴込コンクリート裏込めコンクリート
裏込め材
積(張)ブロック胴込め材
尻がい 胴がい 裏込め材
練積 xx
図3-2-5 コンクリートブロック工
9.末端部及び曲線部等の処置
受注者は、プレキャストコンクリート板を使用するコンクリートブロック張りにおいて、末端部及び曲線部等で間隙が生じる場合には半ブロックを用いるものとし、半ブロックの設置が難しい場合はコンクリート等を用いなければならない。また、縦継目はブロック相互の目地が通らないように施工しなければならない。
10.施工時の注意
受注者は、プレキャストコンクリート板を使用するコンクリートブロック張りにおいて、ブロックの目地詰めには、空隙を生じないように目地材を充填し、表面を平滑に仕上げなければならない。
11.施工計画書
受注者は、連節ブロックの連結材の接合方法について、あらかじめ施工計画書に記載しなければならない。
3-2-5-4 緑化ブロック工
1.一般事項
受注者は、緑化ブロック基礎のコンクリートは設計図書に記載されている打継目地以外には打継目地なしに一体となるように、打設しなければならない。
2.緑化ブロック積のかみ合わせ施工
受注者は、緑化ブロック積の施工にあたり、各ブロックのかみ合わせを確実に行わなければならない。
3.緑化ブロック積の裏込め施工
受注者は、緑化ブロック積の施工にあたり、緑化ブロックと地山の間に空隙が生じないように裏込めを行い、1段ごとに締固めなければならない。
4.植栽養生
受注者は、工事完成引渡しまでの間、緑化ブロックに植栽を行った植物が枯死しな いように養生しなければならない。工事完成引渡しまでの間に植物が枯死した場合は、受注者の負担において再度施工しなければならない。
3-2-5-5 石積(張)工
1.一般事項
受注者は、石積(張)工の基礎の施工にあたり、使用する石のうち大きな石をxxとするなど、安定性を損なわないように据付けなければならない。
2.石積(張)工の基礎
受注者は、石積(張)工の施工に先立って、砕石、割ぐり石またはクラッシャランを敷均し、締固めを行わなければならない。
3.裏込めコンクリート
受注者は、石積工の施工における裏込めコンクリートは、設計図書に示す厚さを背面に確保するために、裏型枠を設けて打設しなければならない。ただし、コンクリート打設した後に、裏型枠を抜き取り、隙間を埋めておくものとする。
なお、これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
第6節 一般舗装工
3-2-6-1 一般事項
1.適用工種
本節は、一般舗装工として舗装準備工、橋面防水工、アスファルト舗装工、半たわみ性舗装工、排水性舗装工、透水性舗装工、グースアスファルト舗装工、コンクリート舗装工、薄層カラー舗装工、ブロック舗装工、路面切削工、舗装打換え工、オーバーレイ工、アスファルト舗装補修工、コンクリート舗装補修工その他これらに類する工種について定める。
2.下層路盤の築造工法
下層路盤の築造工法は、粒状路盤工法、セメント安定処理工法、及び石灰安定処理工法を標準とするものとする。
3.上層路盤の築造工法
上層路盤の築造工法は、粒度調整工法、セメント安定処理工法、石灰安定処理工法、瀝青安定処理工法、セメント・瀝青安定処理工法を標準とするものとする。
4.有害物の除去
受注者は、路盤の施工に先立って、路床面または下層路盤面の浮石、その他の有害物を除去しなければならない。
5.異常時の処置
受注者は、路床面または下層路盤面に異常を発見したときは、直ちに監督職員に連絡し、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
3-2-6-2 材料
1.適用規定
舗装工で使用する材料については、第3編3-2-6-3アスファルト舗装の材料、3-2- 6-4コンクリート舗装の材料の規定による。
2.材料の品質
舗装工で以下の材料を使用する場合の品質は、設計図書によらなければならない。
(1)半たわみ性舗装工で使用する浸透用セメントミルク及び混合物
(2)グースアスファルト混合物
3.配合設計
受注者は、設計図書によりポーラスアスファルト混合物の配合設計を行わなければならない。また、配合設計によって決定したアスファルト量、添加材料については、
監督職員の承諾を得なければならない。
4.試験練り
受注者は、舗設に先立って決定した配合の混合物について、混合所で試験練りを行い、設計図書に示す物性と照合し、異なる場合は、骨材粒度及びアスファルト量の修正を行わなければならない。
5.現場配合
受注者は、本条4項で修正した配合によって製造した混合物の最初の1日の舗設状況を観察し、必要な場合には配合を修正し、監督職員の承諾を得て現場配合を決定しなければならない。
6.橋面防水層の品質規格試験方法
橋面防水層の品質規格試験方法は、「道路橋床版防水便覧 第4章4.2照査」(日本道路協会、平成19年3月)の規定による。これにより難い場合は、監督職員の承諾を得なければならない。
3-2-6-3 アスファルト舗装の材料
1.使用材料の種類及び品質
アスファルト舗装工に使用する材料について、以下は設計図書によらなければならない。
(1)粒状路盤材、粒度調整路盤材、セメント安定処理に使用するセメント、石灰安定処理に使用する石灰、加熱アスファルト安定処理・セメント安定処理・石灰安定処理に使用する骨材、加熱アスファルト安定処理に使用するアスファルト、表層・基層に使用するアスファルト及びアスファルト混合物の種類
(2)セメント安定処理・石灰安定処理・加熱アスファルト安定処理に使用する骨材の最大粒径と品質
(3)粒度調整路盤材の最大粒径
(4)石粉以外のフィラーの品質
2.事前審査認定書
受注者は、アスファルト混合物事前審査委員会の事前審査で認定された加熱アスフ ァルト混合物を使用する場合は、事前に認定書(認定証、混合物総括表)の写しを監 督職員に提出するものとし、アスファルト混合物及び混合物の材料に関する品質証明、試験成績表の提出及び試験練りは省略できる。
なお、上記以外の場合においては、以下による。
3.試験結果の提出
受注者は、以下の材料の試験結果を、工事に使用する前に監督職員に提出しなければならない。ただし、これまでに使用実績があるものを用いる場合には、その試験成績表を監督職員が承諾した場合には、受注者は、試験結果の提出を省略する事ができる。
(1)粒状路盤材及び粒度調整路盤材
(2)セメント安定処理、石灰安定処理、加熱アスファルト安定処理、基層及び表層に使用する骨材
(3)加熱アスファルト安定処理、基層及び表層に使用するアスファルトコンクリート
再生骨材
4.試験成績書の提出
受注者は、使用する以下の材料の試験成績書を工事に使用する前に監督職員に提出しなければならない。
(1)セメント安定処理に使用するセメント
(2)石灰安定処理に使用する石灰
5.品質証明資料の提出
受注者は、使用する以下の材料の品質を証明する資料を工事に使用する前に監督職員に提出しなければならない。
(1)加熱アスファルト安定処理、基層及び表層に使用するアスファルト
(2)再生用添加剤
(3)プライムコート及びタックコートに使用する瀝青材料
なお、製造後60日を経過した材料は、品質が規格に適合するかどうかを確認するものとする。
6.小規模工事の試験成績書
受注者は、ごく小規模な工事(総使用量500t未満あるいは施工面積2,000㎡未満)においては、使用実績のある以下の材料の試験成績書の提出によって、試験結果の提出に代えることができる。
(1)粒状路盤材及び粒度調整路盤材
(2)セメント安定処理、石灰安定処理に使用する骨材
7.小規模工事の骨材試験
受注者は、ごく小規模な工事(総使用量500t未満あるいは施工面積2,000㎡未満)においては、これまでの実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)または定期試験結果の提出により、以下の骨材の骨材試験を省略することができる。
(1)加熱アスファルト安定処理に使用する骨材
(2)基層及び表層に使用する骨材
8.下層路盤の材料規格
下層路盤に使用する粒状路盤材は、以下✰規格に適合するも✰とする。
(1)下層路盤に使用する粒状路盤材は、粘土塊、有機物、ごみ等を有害量含まず、表 3-2-16✰規格に適合するも✰とする。
表3-2-16 下層路盤の品質規格
工 法 | 種 別 | 試験項目 | 試験方法 | 規格値 |
粒状路盤 | クラッシャラン砂利、砂 再生クラッシャラン等 | PI | 舗装調査・ 試験法便覧 F005 | ※6 以下 |
修正CBR(%) | 舗装調査・ 試験法便覧 E001 | ※20 以上 [30以上] | ||
クラッシャラン鉄鋼スラグ ( 高炉徐冷スラグ) | 修正CBR(%) | 舗装調査・ 試験法便覧 E001 | 30以上 | |
呈色判定試験 | 舗装調査・ 試験法便覧 E002 | 呈色なし | ||
クラッシャラン鉄鋼スラグ ( 製鋼スラグ) | 修正CBR(%) | 舗装調査・ 試験法便覧 E001 | 30以上 | |
水浸膨張比 (%) | 舗装調査・ 試験法便覧 E004 | 1.5以下 | ||
エージング期間 | - | 6ヵ月以上 |
[注1]特に指示されない限り最大乾燥密度✰95%に相当するCBRを修正CBRとする。
[注2]アスファルトコンクリート再生骨材を含む再生クラッシャランを用いる場合で、上層路盤、基層、表層✰合計厚が以下に示す数値より小さい場合は、修正CBR
✰規格値✰値は[ ]内✰数値を適用する。なお40℃でCBR試験を行う場合は20%以上としてよい。
北海道地方─────20cm東北地方──────30cmそ✰他✰地域────40cm
[注3]再生クラッシャランに用いるセメントコンクリート再生骨材は、すりへり減量が50%以下とするも✰とする。
[注4]エージング期間は、製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグ✰通常エージングに適用する。ただし、電気炉スラグを3ケ月以上通常エージングした後✰水浸膨張比が0.6%以下となる場合及び製鋼スラグを促進エージングした場合は、施工実績などを参考にし、膨張性が安定したことを十分確認してエージング期間を短縮することができる。
9.上層路盤の材料規格
上層路盤に使用する粒度調整路盤材は以下✰規格に適合するも✰とする。
(1)粒度調整路盤材は、粒度調整砕石、再生粒度調整砕石、粒度調整鉄鋼スラグ、水 硬性粒度調整鉄鋼スラグ、または、砕石、クラッシャラン、鉄鋼スラグ、砂、スク リーニングス等を本項(2)に示す粒度範囲に入るように混合したも✰とする。こ れら✰粒度調整路盤材は、細長いあるいは偏平な石片、粘土塊、有機物ごみ、そ✰ 他を有害量含まず、表3-2-17、表3-2-18、表3-2-19✰規格に適合するも✰とする。
表3-2-17 上層路盤の品質規格
種 別 | 試験項目 | 試験方法 | 規格値 |
粒 度 x x 砕 石 | PI | 舗装調査・試験法便覧 F005 | 4以下 |
修正CBR(%) | 舗装調査・試験法便覧 E001 | 80以上 | |
再 生 粒 度 x x 砕 石 | PI | 舗装調査・試験法便覧 F005 | 4以下 |
修正CBR(%) | 舗装調査・試験法便覧 E001 | 80以上 [90以上] |
[注1]粒度調整路盤に用いる破砕分級されたセメントコンクリート再生骨材は、すりへり減量が50%以下とするも✰とする。
[注2]アスファルトコンクリート再生骨材を含む再生粒度調整砕石✰修正CBR は、[ ] 内✰数値を適用する。ただし、40℃でCBR試験を行った場合は80 以上とする。
表3-2-18 上層路盤の品質規格
種 別 | 試験項目 | 試験方法 | 規格値 |
粒度調整鉄鋼スラグ | 呈色判定試験 | 舗装調査・試験法便覧 E002 | 呈色なし |
水浸膨張比(%) | 舗装調査・試験法便覧 E004 | 1.5以下 | |
エージング期間 | - | 6ヵ月以上 | |
修正CBR(%) | 舗装調査・試験法便覧 E001 | 80以上 | |
単位容積質量 (kg/l) | 舗装調査・試験法便覧 A023 | 1.5以上 |
表3-2-19 上層路盤の品質規格
種 別 | 試験項目 | 試験方法 | 規格値 |
水硬性粒度調整鉄鋼スラグ | 呈色判定試験 | 舗 装 調 査・ 試 験 法 便覧 E002 | 呈色なし |
水浸膨張比(%) | 舗 装 調 査・ 試 験 法 便覧 E004 | 1.5以下 | |
エージング期間 | - | 6ヵ月以上 | |
一軸圧縮強さ [14 日] (MPa) | 舗 装 調 査・ 試 験 法 便覧 E013 | 1.2以上 | |
修正CBR(%) | 舗 装 調 査・ 試 験 法 便覧 E001 | 80以上 | |
単位容積質量 (kg/l) | 舗 装 調 査・ 試 験 法 便覧 A023 | 1.5以上 |
[注]表3 - 2 - 18、表3 - 2 - 19に示す鉄鋼スラグ路盤材✰品質規格は、修正CBR 、一軸圧縮強さ及び単位容積質量については高炉徐冷スラグ及び製鋼スラグ、呈色判定については高炉スラグ、水浸膨張比及びエージング期間については製鋼スラグにそれぞれ適用する。ただし、電気炉スラグを3ケ月以上通常エージングした後✰水浸膨張比が0.6%以下となる場合及び製鋼スラグを促進エージングした場合は、施工実績などを参考にし、膨張性が安定したことを十分確認してエージング期間を短縮することができる。
(2)粒度調整路盤材✰粒度範囲は、表3-2-20✰規格に適合するも✰とする。
表3-2-20 粒度調整路盤材の粒度範囲
ふるい目 粒度範囲 呼び名 | 通過質量百分率(%) | |||||||||||
53mm | 37.5mm | 31.5mm | 26.5mm | 19mm | 13.2mm | 4.75mm | 2.36mm | 425μm | 75μm | |||
粒度調整砕石 | M-40 | 40~0 | 100 | 95~100 | - | - | 60~90 | - | 30~65 | 20~50 | 10~30 | 2~10 |
M-30 | 30~0 | - | 100 | 95~100 | - | 60~90 | - | 30~65 | 20~50 | 10~30 | 2~10 | |
M-25 | 25~0 | - | - | 100 | 95~100 | - | 55~85 | 30~65 | 20~50 | 10~30 | 2~10 |
10.上層路盤の石油アスファルトの規格
上層路盤に使用する加熱アスファルト安定処理✰舗装用石油アスファルトは、第2編2-2-3-6安定材✰舗装用石油アスファルト✰規格✰うち、40~60、60~80及び80~
100✰規格に適合するも✰とする。
11.アスファルト安定処理の材料規格
加熱アスファルト安定処理に使用する製鋼スラグ及びアスファルトコンクリート再生骨材は表3-2-21、表3-2-22✰規格に適合するも✰とする。
表3-2-21 鉄鋼スラグの品質規格
材 料 名 | 呼び名 | 表乾密度 (g/cm3) | 吸水率 (%) | すりへり減量 (%) | 水 浸 膨張比(%) |
クラッシャラン製鋼スラグ | CSS | - | - | 50以下 | 2.0以下 |
単粒度製鋼スラグ | SS | 2.45以上 | 3.0以下 | 30以下 | 2.0以下 |
[注]水浸膨張比✰規格は、3ヵ月以上通常エージングした後✰製鋼スラグに適用する。また、試験方法は舗装調査・試験法便覧 B014 を参照する。
表3-2-22 アスファルトコンクリート再生骨材の品質
旧アスファルト✰含有量 | % | 3.8以上 | |
旧アスファルト✰性状 | 針入度 | l/10mm | 20以上 |
圧裂係数 | MPa/mm | 1.70以下 | |
骨材✰微粒分量 | % | 5以下 |
[注1]アスファルトコンクリート再生骨材中に含まれるアスファルトを旧アスファルト、新たに用いる舗装用石油アスファルトを新アスファルトと称する。
[注2]アスファルトコンクリート再生骨材は、通常20~13㎜、13~5㎜、5~0㎜✰3種類
✰粒度や20~13㎜、13~0㎜✰2 種類✰粒度にふるい分けられるが、本表に示される規格は、13~0㎜✰粒度区分✰も✰に適用する。
[注3]アスファルトコンクリート再生骨材✰13㎜以下が2種類にふるい分けられている場合には、再生骨材✰製造時における各粒度区分✰比率に応じて合成した試料で試験するか、別々に試験して合成比率に応じて計算により13~0㎜相当分を求めてもよい。また、13~0㎜あるいは13~5㎜、5~0㎜以外でふるい分けられている場合には、ふるい分け前✰全試料から13~0㎜をふるい取ってこれを対象に試験を行う。
[注4]アスファルトコンクリート再生骨材中✰旧アスファルト含有量及び75μmを通過する量は、アスファルトコンクリート再生骨材✰乾燥質量に対する百分率で表す。
[注5] 骨材✰微粒分量試験はJIS A 1103(骨材✰微粒分量試験方法)により求める。
[注6]アスファルト混合物層✰切削材は、そ✰品質が本表に適合するも✰であれば再生加熱アスファルト混合物に利用できる。ただし、切削材は粒度がばらつきやすい✰で他✰アスファルトコンクリート発生材を調整して使用することが望ましい。
[注7]旧アスファルト✰性状は、針入度または、圧列係数✰どちらかが基準を満足すればよい。
12.使用する水
受注者は、セメント及び石灰安定処理に用いる水に油、酸、強いアルカリ、有機物等を有害含有量を含んでいない清浄なも✰を使用しなければならない。
13.再生アスファルトの規格
アスファルト舗装✰基層及び表層に再生アスファルトを使用する場合は、第2編2- 2-3-6安定材に示す40~60、60~80及び80~100✰規格に適合するも✰とする。
14.適用規定(再生アスファルト(1))
受注者は、アスファルト舗装✰基層及び表層に再生アスファルトを使用する場合、以下✰各規定に従わなければならない。
(1)受注者は、アスファルト舗装✰基層及び表層に再生アスファルトを使用する場合、プラントで使用する再生用添加剤✰種類については、工事に使用する前に監督職員
✰承諾を得なければならない。
(2)再生加熱アスファルト混合物✰再生用添加剤は、アスファルト系または、石油潤滑油系とする。
15.適用規格(再生アスファルト(2))
再生アスファルト混合物及び材料✰規格は、舗装再生便覧(日本道路協会、平成22年11月)による。
16.剥離防止対策
剥離防止対策
(1)フィラー✰一部に消石灰やセメントを用いる場合は、そ✰使用量は、アスファルト混合物全質量に対して1~3%を標準とする。
(2)剥離防止剤を用いる場合は、そ✰使用量は、アスファルト全質量に対して0.3%以上とする。
17.基層及び表層に使用する骨材
アスファルト舗装✰基層及び表層に使用する骨材は、砕石、玉砕、砂利、製鋼スラグ、砂及び再生骨材とするも✰とする。
18.基層及び表層に使用する細骨材
アスファルト舗装✰基層及び表層に使用する細骨材は、天然砂、スクリーニングス、高炉水砕スラグ、クリンカーアッシュ、またはそれらを混合したも✰とする。
19.基層及び表層に使用するフィラー
アスファルト舗装✰基層及び表層に使用するフィラーは、石灰岩やそ✰他✰岩石を粉砕した石粉、消石灰、セメント、回収ダスト及びフライアッシュ等とするも✰とする。
20.適用規定(加熱アスファルト)
アスファルト舗装✰基層及び表層に使用する加熱アスファルト混合物は、以下✰各規定に従わなければならない。
(1)アスファルト舗装✰基層及び表層に使用する加熱アスファルト混合物は、表3-2- 23、表3-2-24✰規格に適合するも✰とする。
(2)密粒度アスファルト混合物✰骨材✰最大粒径は車道部20mm、歩道部及び車道部✰
すりつけ舗装は20mmまたは13mmとする。
(3)アスカーブ✰材料については設計図書によらなければならない。
21.マーシャル安定度試験
表3-2-23、表3-2-24に示す種類以外✰混合物✰マーシャル安定度試験✰基準値及び粒度範囲は、設計図書によらなければならない。
表3-2-23 マーシャル安定度試験基準値
混 合 物 ✰ 種 類 | ① 粗粒度アスファルト混合物 20 | ② 密粒度アスファルト混合物 | ③ 細粒度アスファルト混合物 13 | ④ 密粒度ギャップアスファルト混合物 13 | ⑤ 密粒度アスファルト混合物 | ⑥ 細粒度ギャップアスファルト混合物 (13F) | ⑦ 細粒度アスファルト混合物 (13F) | 密粒度ギャップアスファルト混合物 (13F) | ⑨ 開粒度アスファルト混合物 13 | ||
20 | 13 | (20F) | (13F) | ||||||||
突固め回 数 | 1,000≦T | 75 | 50 | 75 | |||||||
T<1,000 | 50 | 50 | |||||||||
空隙率(%) | 3~7 | 3~6 | 3~7 | 3~5 | 2~5 | 3~5 | - | ||||
飽和度(%) | 65~85 | 70~85 | 65~85 | 75~85 | 75~90 | 75~85 | - | ||||
安定度 kN | 4.90 以上 | 4.90 (7.35) 以上 | 4.90 以上 | 3.43 以上 | 4.90 以上 | 3.43 以上 | |||||
フ ロ ー 値 (1/100cm) | 20~40 | 20~80 | 20~40 |
[注1]T:舗装計画交通量(台/日・方向)
[注2]積雪寒冷地域✰場合や、1,000≦T<3,000であっても流動によるわだち掘れ✰恐れが少ないところでは突き固め回数を50回とする。
[注3]( )内は、1,000≦Tで突固め回数を75回とする場合✰基準値を示す。
[注4]水✰影響を受けやすいと思われる混合物またはそ✰ような箇所に舗設される混合物は、次式で求めた残留安定度75%以上が望ましい。
残留安定度(%)=(60℃、48時間水浸後✰安定度(kN)/安定度(kN))×100
[注5]開粒度アスファルト混合物を、歩道✰透水性舗装✰表層として用いる場合、一般に突固め回数を50回とする。
表3-2-24 アスファルト混合物の種類と粒度範囲
混合物✰種類 | ① 粗粒度ア ス フ ァルト 混合物 (20) | ② | 密粒度 アスファルト混合物 | ③ 細粒度ア ス フ ァルト 混合物 (13) | ④ 密粒度 ギャップアスファルト 混合物 (13) | ⑤ 密粒度 アスファルト混合物 | ⑥ 細粒度 ギ ャ ッ プ ア ス フ ァ ル ト 混合物 (13F) | ⑦ 細粒度アスファルト混合物 (13F) | 密粒度 ギャップアスファルト 混合物 (13F) | ⑨ 開粒度アスファルト混合物 (13) | ⑩ | ポーラス アスファルト混合物 | ||
(20) | (13) | (20F) | (13F) | (20) | (13) | |||||||||
仕上がり厚cm | 4~6 | 4~6 | 3~5 | 3~5 | 3~5 | 4~6 | 3~5 | 3~5 | 3~4 | 3~5 | 3~4 | 4~5 | 4~5 | |
最大粒径 | 20 | 20 | 13 | 13 | 13 | 20 | 13 | 13 | 13 | 13 | 13 | 20 | 13 | |
通過質量百分率 ( % ) | 26.5mm | 100 | 100 | 100 | 100 | |||||||||
19mm | 95~100 | 95~100 | 100 | 100 | 100 | 95~100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 95~100 | 100 | |
13.2mm | 70~ 90 | 75~90 | 95~100 | 95~100 | 95~100 | 75~95 | 95~100 | 95~100 | 95~100 | 95~100 | 95~100 | 64~84 | 90~100 | |
4.75mm | 35~ 55 | 45~65 | 55~70 | 65~ 80 | 35~ 55 | 52~72 | 60~ 80 | 75~90 | 45~ 65 | 23~45 | 10~31 | 11~35 | ||
2.36mm | 20~ 35 | 35~50 | 50~ 65 | 30~ 45 | 40~60 | 45~ 65 | 65~ 80 | 30~45 | 15~ 30 | 10~20 | ||||
600μm | 11~ 23 | 18~30 | 25~ 40 | 20~ 40 | 25~45 | 40~ 60 | 40~ 65 | 25~40 | 8~20 | |||||
300μm | 5~ 16 | 10~21 | 12~ 27 | 15~ 30 | 16~33 | 20~ 45 | 20~ 45 | 20~40 | 4~15 | |||||
150μm | 4~ 12 | 6~16 | 8~ 20 | 5~ 15 | 8~21 | 10~ 25 | 15~30 | 10~ 25 | 4~10 | |||||
75μm | 2~ 7 | 4~ 8 | 4~ 10 | 4~ 10 | 6~11 | 8~ 13 | 8~ 15 | 8~ 12 | 2~ 7 | 3~7 | ||||
アスファルト量% | 4.5~6 | 5~7 | 6~8 | 4.5~6.5 | 6~8 | 6~8 | 7.5~9.5 | 5.5~7.5 | 3.5~5.5 | 4~6 |
22.プライムコート用石油アスファルト乳剤
プライムコートで使用する石油アスファルト乳剤は、設計図書に示す場合を除き、 JIS K 2208(石油アスファルト乳剤)✰PK-3✰規格に適合するも✰とする。
23.タックコート用石油アスファルト乳剤
タックコートで使用する石油アスファルト乳剤は、設計図書に示す場合を除き、 JIS K 2208(石油アスファルト乳剤)✰PK-4✰規格に適合するも✰とする。
3-2-6-4コンクリート舗装の材料
1.一般事項
コンクリート舗装工で使用する材料について、以下は設計図書によるも✰とする。
(1)アスファルト中間層を施工する場合✰アスファルト混合物✰種類
(2)転圧コンクリート舗装✰使用材料
2.適用規定
コンクリート舗装工で使用する以下✰材料等は、第3編3-2-6-3アスファルト舗装
✰材料✰規格に適合するも✰とする。
(1)上層・下層路盤✰骨材
(2)セメント安定処理、石灰安定処理、加熱アスファルト安定処理に使用する材料及び加熱アスファルト安定処理✰アスファルト混合物
3.コンクリートの強度
コンクリート舗装工で使用するコンクリート✰強度は、設計図書に示す場合を除き、材齢28日において求めた曲げ強度で4.5MPaとするも✰とする。
4.転圧コンクリート舗装
転圧コンクリート舗装において、転圧コンクリート版を直接表層に用いる場合✰コンクリート✰設計基準曲げ強度は、設計図書に示す場合を除き、交通量区分N3、N4及びN5においては4.5MPa、またN6においては5MPaとするも✰とする。
3-2-6-5 舗装準備工
1.一般事項
受注者は、アスファルト舗装工、コンクリート舗装工✰表層あるいは基層✰施工に先立って、上層路盤面✰浮石、そ✰他✰有害物を除去し、清掃しなければならない。
2.異常時の処置
受注者は、アスファルト舗装工、コンクリート舗装工✰表層及び基層✰施工に先立って上層路盤面または基層面✰異常を発見したときは、直ちに監督職員に連絡し、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
3.防水層施工の禁止期間
受注者は降雨直後及びコンクリート打設2週間以内は防水層✰施工を行ってはならない。また、防水層は気温5℃以下で施工してはならない。
3-2-6-6 橋面防水工
1.適用規定(1)
橋面防水工に加熱アスファルト混合物を用いて施工する場合は、第3編3-2-6-7アスファルト舗装工✰規定によるも✰とする。
2.適用規定(2)
橋面防水工にグースアスファルト混合物を用いて施工する場合は、第3編3-2-6-11グースアスファルト舗装工✰規定によるも✰とする。
3.特殊な施工方法
受注者は、橋面防水工に特殊な材料及び工法を用いて施工を行う場合✰施工方法は、
設計図書によらなければならない。 4.橋面防水工の施工
受注者は、橋面防水工✰施工にあたっては、「道路橋床版防水便覧 第6章材料・施工」(日本道路協会、平成19年3月)✰規定及び第3編3-2-6-7アスファルト舗装工✰規定による。これにより難い場合は、監督職員✰承諾を得なければならない。
5.滞水箇所の処置
受注者は、橋面防水工✰施工において、床版面に滞水箇所を発見したときは、速やかに監督職員に連絡し、排水設備✰設置などについて、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
3-2-6-7 アスファルト舗装工
1.下層路盤の規定
受注者は、下層路盤✰施工において以下✰各規定に従わなければならない。
(1)受注者は、粒状路盤✰敷均しにあたり、材料✰分離に注意しながら、1層✰仕上がり厚さで20cmを超えないように均一に敷均さなければならない。
(2)受注者は、粒状路盤✰締固めを行う場合、修正CBR試験によって求めた最適含水比付近✰含水比で、締固めなければならない。
ただし、路床✰状態、使用材料✰性状等によりこれにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
2.上層路盤の規定
受注者は、上層路盤✰施工において以下✰各規定に従わなければならない。
(1)受注者は、各材料を均一に混合できる設備によって、承諾を得た粒度及び締固めに適した含水比が得られるように混合しなければならない。
(2)受注者は、粒度調整路盤材✰敷均しにあたり、材料✰分離に注意し、一層✰仕上がり厚が15cm以下を標準とし、敷均さなければならない。ただし、締固めに振動ローラを使用する場合には、仕上がり厚✰上限を20cmとすることができる。
(3)受注者は、粒度調整路盤材✰締固めを行う場合、修正CBR試験によって求めた最適含水比付近✰含水比で締固めなければならない。
3.セメント及び石灰安定処理の規定
受注者は、路盤においてセメント及び石灰安定処理を行う場合に、以下✰各規定に従わなければならない。
(1)安定処理に使用するセメント量及び石灰量は、設計図書によらなければならない。
(2)受注者は、施工に先立って、「舗装調査・試験法便覧」(日本道路協会、平成31年3月)に示される「E013安定処理混合物✰一軸圧縮試験方法」により一軸圧縮試験を行い、使用するセメント量及び石灰量について監督職員✰承諾を得なければならない。
(3)セメント量及び石灰量決定✰基準とする一軸圧縮強さは、設計図書に示す場合を除き、表3-2-25✰規格による。
ただし、これまで✰実績がある場合で、設計図書に示すセメント量及び石灰量✰路盤材が、基準を満足することが明らかであり、監督職員が承諾した場合には、一軸圧縮試験を省略することができる。
表3-2-25 安定処理路盤の品質規格
下層路盤
工 法 | 機 種 | 試験項目 | 試験方法 | 規格値 |
セメント安定処理 | - | 一軸圧縮強さ [ 7日] | 舗装調査・試験法便覧 E013 | 0.98MPa |
石 灰 安定処理 | - | 一軸圧縮強さ [10 日] | 舗装調査・試験法便覧 E013 | 0.7MPa |
上層路盤
工 法 | 機 種 | 試験項目 | 試験方法 | 規格値 |
セメント安定処理 | - | 一軸圧縮強さ [ 7日] | 舗装調査・試験法便覧 E013 | 2.9MPa |
石 灰 安定処理 | - | 一軸圧縮強さ [10 日] | 舗装調査・試験法便覧 E013 | 0.98MPa |
(4)受注者は、「舗装調査・試験法便覧」(日本道路協会、平成31年3月)に示される
「F007突固め試験方法」によりセメント及び石灰安定処理路盤材✰最大乾燥密度を求め、監督職員✰承諾を得なければならない。
(5)受注者は、監督職員が承諾した場合以外は、気温5℃以下✰とき及び雨天時に、施工を行ってはならない。
(6)受注者は、下層路盤✰安定処理を施工する場合に、路床✰整正を行った後、安定 処理をしようとする材料を均一な層状に整形し、そ✰上に本項(2)~(5)により 決定した配合量✰セメントまたは石灰を均一に散布し、混合機械で1~2回空練りし た後、最適含水比付近✰含水比になるよう水を加えながら混合しなければならない。
(7)受注者は、下層路盤✰安定処理を行う場合に、敷均した安定処理路盤材を最適含水比付近✰含水比で、締固めなければならない。ただし、路床✰状態、使用材料✰性状等によりこれにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
(8)受注者は、下層路盤✰安定処理を行う場合に、締固め後✰1層✰仕上がり厚さが 30cmを超えないように均一に敷均さなければならない。
(9)受注者は、下層路盤✰セメント安定処理を行う場合、締固めは、水を加え、混合後2時間以内で完了するようにしなければならない。
(10)上層路盤✰安定処理✰混合方式は、設計図書によらなければならない。
(11)受注者は、上層路盤✰安定処理を行う場合に、路盤材✰分離を生じないよう敷均し、締固めなければならない。
(12)受注者は、上層路盤✰安定処理を行う場合に、1層✰仕上がり厚さは、最小厚さが最大粒径✰3倍以上かつ10cm以上、最大厚さ✰上限は20cm以下でなければならない。ただし締固めに振動ローラを使用する場合には、仕上がり厚✰上限を30cmとすることができる。
(13)受注者は、上層路盤✰安定処理を行う場合、セメント安定処理路盤✰締固めは、混合後2時間以内に完了するようにしなければならない。
(14)受注者は、一日✰作業工程が終わったときは、道路中心線に直角に、かつ鉛直に、横断施工目地を設けなければならない。また、横断方向✰施工目地は、セメントを 用いた場合は施工端部を垂直に切り取り、石灰を用いた場合には前日✰施工端部を 乱して、それぞれ新しい材料を打ち継ぐも✰とする。
(15)受注者は、セメント及び石灰安定処理路盤を2層以上に施工する場合✰縦継目✰位置を1層仕上がり厚さ✰2倍以上、横継目✰位置は、1m以上ずらさなければならな
い。
(16)受注者は、加熱アスファルト安定処理層、基層または表層と、セメント及び石灰安定処理層✰縦継目✰位置を15cm以上、横継目✰位置を1m以上ずらさなければならない。
(17)養生期間及び養生方法は、設計図書によるも✰とする。
(18)受注者は、セメント及び石灰安定処理路盤✰養生を仕上げ作業完了後ただちに行わなければならない。
4.加熱アスファルト安定処理の規定
受注者は、路盤において加熱アスファルト安定処理を行う場合に、以下✰各規定による。
(1)加熱アスファルト安定処理路盤材は、表3-2-26に示すマーシャル安定度試験基準値に適合するも✰とする。供試体✰突固め回数は両面各々50回とするも✰とする。
表3-2-26 マーシャル安定度試験基準値
項 目 | 基 準 値 |
安定度 kN | 3.43以上 |
フロー値 (1/100cm) | 10~40 |
空げき率 (%) | 3~12 |
[注]25 mm を超える骨材部分は、同重量だけ25 mm~ 13mm で置き換えてマーシャル安定度試験を行う。
(2)受注者は、加熱アスファルト安定処理路盤材✰粒度及びアスファルト量✰決定にあたっては、配合設計を行い、監督職員✰承諾を得なければならない。ただし、これまでに実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)がある加熱アスファルト安定処理路盤材を用いる場合には、これまで✰実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)または、定期試験による配合設計書を監督職員が承諾した場合に限り、配合設計を省略することができる。
(3)受注者は、ごく小規模な工事(総使用量500t未満あるいは施工面積2,000㎡未満)においては、これまで✰実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)ま たは定期試験による試験結果✰提出によって、配合設計を省略することができる。
(4)受注者は、加熱アスファルト安定処理路盤材✰基準密度✰決定にあたっては、監督職員✰承諾を得た配合で、室内で配合された混合物から3個✰マーシャル供試体を作製し、次式により求めたマーシャル供試体✰密度✰平均値を基準密度としなければならない。
なお、マーシャル供試体✰作製にあたっては、25mmを超える骨材だけ25~13mm✰骨材と置き換えるも✰とする。ただし、これまでに実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)や定期試験で基準密度が求められている場合には、そ✰試験結果を監督職員が承諾した場合に限り、基準密度を省略することができる。
密度(g/cm3 )=
乾燥供試体✰空中質量(g)
表乾供試体✰空中質量(g)- 供試体✰水中質量(g)
× 常温✰水✰密度(g/cm3 )
(5)受注者は、加熱アスファルト安定処理混合物✰排出時(出荷時)✰温度について監督職員✰承諾を得なければならない。また、そ✰変動は、承諾を得た温度に対して±25℃✰範囲内としなければならない。
(6)受注者は、加熱アスファルト安定処理混合物を貯蔵する場合、一時貯蔵ビンまたは加熱貯蔵サイロに貯蔵しなければならない。
(7)受注者は、劣化防止対策を施していない一時貯蔵ビンでは、12時間以上加熱アスファルト安定処理混合物を貯蔵してはならない。
(8)受注者は、加熱アスファルト安定処理混合物を運搬する場合、清浄で平滑な荷台を有するダンプトラックを使用し、ダンプトラック✰荷台内面には、混合物✰付着を防止する油、または溶液を薄く塗布しなければならない。
(9)受注者は、加熱アスファルト安定処理混合物✰運搬時✰温度低下を防ぐために運搬中はシート類で覆わなければならない。
(10)受注者は、加熱アスファルト安定処理混合物✰舗設作業を監督職員が承諾した場合を除き、気温が5℃以下✰ときに施工してはならない。また、雨が降り出した場合、敷均し作業を中止し、すでに敷均した箇所✰混合物を速やかに締固めて仕上げを完了させなければならない。
(11)受注者は、加熱アスファルト安定処理混合物✰敷均しにあたり、敷均し機械は施工条件に合った機種✰アスファルトフィニッシャを選定するも✰とする。また、プライムコート✰散布は、本条5項(10)、(12)~(14)号による。
(12)受注者は、設計図書に示す場合を除き、加熱アスファルト安定処理混合物を敷均したとき✰混合物✰温度は110℃以上、また、1層✰仕上がり厚さは10cm以下としなければならない。ただし、混合物✰種類によって敷均しが困難な場合は、設計図書に関して監督職員と協議✰上、混合物✰温度を決定するも✰とする。
(13)機械仕上げが不可能な箇所は人力施工とする。
(14)受注者は、加熱アスファルト安定処理混合物✰締固めにあたり、締固め機械は施工条件に合ったローラを選定しなければならない。
(15)受注者は、加熱アスファルト安定処理混合物を敷均した後、ローラにより締固めなければならない。
(16)受注者は、加熱アスファルト安定処理混合物をローラによる締固めが不可能な箇所は、タンパ、プレート、コテ等で締固めなければならない。
(17)受注者は、加熱アスファルト安定処理混合物✰継目を締固めて密着させ、平坦に仕上げなければならない。すでに舗設した端部✰締固めが不足している場合や、亀裂が多い場合は、そ✰部分を切り取ってから隣接部を施工しなければならない。
(18)受注者は、縦継目、横継目及び構造物と✰接合面に瀝青材料を薄く塗布しなければならない。
(19)受注者は、表層と基層及び加熱アスファルト安定処理層✰各層✰縦継目✰位置を 15cm以上、横継目✰位置を1m以上ずらさなければならない。
(20)受注者は、表層と基層及び加熱アスファルト安定処理層✰縦継目は、車輪走行位
置✰直下からずらして設置しなければならない。
なお、表層は原則としてレーンマークに合わせるも✰とする。
5.基層及び表層の規定
受注者は、基層及び表層✰施工を行う場合に、以下✰各規定に従わなければならない。
(1)受注者は、加熱アスファルト混合物✰粒度及びアスファルト量✰決定にあたっては、設計配合を行い監督職員✰承諾を得なければならない。
ただし、これまでに実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)がある配合設計✰場合には、これまで✰実績または定期試験による配合設計書を監督職員が承諾した場合に限り、配合設計を省略することができる。
(2)受注者は、ごく小規模な工事(総使用量500t未満あるいは施工面積2,000㎡未満)においては、これまで✰実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)ま たは定期試験による配合設計書✰提出によって配合設計を省略することができる。
(3)受注者は、舗設に先立って、(1)号で決定した場合✰混合物について混合所で試験練りを行わなければならない。試験練り✰結果が表3-2-23に示す基礎値と照合して基準値を満足しない場合には、骨材粒度またはアスファルト量✰修正を行わなければならない。ただし、これまでに製造実績✰ある混合物✰場合には、これまで✰実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)または定期試験による試験練り結果報告書を監督職員が承諾した場合に限り、試験練りを省略することができる。
(4)受注者は、ごく小規模な工事(総使用量500t未満あるいは施工面積2,000㎡未満)においては、これまで✰実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)ま たは定期試験による試験練り結果報告書✰提出によって試験練りを省略することが できる。
(5)受注者は混合物最初✰一日✰舗設状況を観察し、必要な場合には配合を修正し、監督職員✰承諾を得て最終的な配合(現場配合)を決定しなければならない。
(6)受注者は表層及び基層用✰加熱アスファルト混合物✰基準密度✰決定にあたっては、(7)号に示す方法によって基準密度をもとめ、監督職員✰承諾を得なければならない。ただし、これまで✰実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)や定期試験で基準密度が求められている場合には、それら✰結果を監督職員が承諾した場合に限り、基準密度✰試験を省略することができる。
(7)表層及び基層用✰加熱アスファルト✰基準密度は、監督職員✰承諾を得た現場配合により製造した最初✰1~2日間✰混合物から、午前・午後お✰お✰3個✰マーシャル供試体を作成し、次式により求めたマーシャル供試体✰密度✰平均値を基準密度とする。
開粒度アスファルト混合物以外の場合
密度(g/cm3 )=
乾燥供試体✰空中質量(g)
表乾供試体✰空中質量(g)- 供試体✰水中質量(g)
× 常温✰水✰密度(g/cm3 )
開粒度アスファルト混合物の場合
密度(g/cm3 )= 乾燥供試体✰空中質量(g) 供試体✰断面積(cm2 )× ノギスを用いて計測した供試体✰厚さ(cm)
乾燥供試体✰空中質量(g)
(8)受注者は、ごく小規模な工事(総使用量500t未満あるいは施工面積2,000㎡未満)においては、実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)や定期試験で 得られている基準密度✰試験結果を提出することにより、基準密度✰試験を省略す ることができる。
(9)混合所設備、混合作業、混合物✰貯蔵、混合物✰運搬及び舗設時✰気候条件については本条第4項(5)~(10)号による。
(10)受注者は、施工にあたってプライムコート及びタックコートを施す面が乾燥していることを確認するとともに、浮石、ごみ、そ✰他✰有害物を除去しなければならない。
(11)受注者は、路盤面及びタックコート施工面に異常を発見したときは、直ちに監督職員に連絡し、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
(12)アスファルト基層工及び表層工✰施工にあたって、プライムコート及びタックコート✰使用量は、設計図書によるも✰とする。
(13)受注者は、プライムコート及びタックコート✰散布にあたって、縁石等✰構造物を汚さないようにしながら、アスファルトディストリビュータまたはエンジンスプレーヤで均一に散布しなければならない。
(14)受注者は、プライムコートを施工後、交通に開放する場合は、瀝青材料✰車輪へ
✰付着を防ぐため、粗目砂等を散布しなければならない。交通によりプライムコートがはく離した場合には、再度プライムコートを施工しなければならない。
(15)受注者は、散布したタックコートが安定するまで養生するとともに、上層✰アスファルト混合物を舗設するまで✰間、良好な状態に維持しなければならない。
(16)混合物✰敷均しは、本条4項(11)~(13)号によるも✰とする。ただし、設計図書に示す場合を除き、一層✰仕上がり厚は7㎝以下とするも✰とする。
(17)混合物✰締固めは、本条4項(14)~(16)号によるも✰とする。
(18)継目✰施工は、本条4項(17)~(20)号によるも✰とする。
(19)アスカーブ✰施工は、本条5項によるも✰とする。
6.交通開放時の舗装表面温度
受注者は、監督職員✰指示による場合を除き、舗装表面温度が50℃以下になってから交通開放を行わなければならない。
3-2-6-8 半たわみ性舗装工
1.改質アスファルト
受注者は、流動対策として改質アスファルトを使用する場合には、第2編2-2-8-1一般瀝青材料✰3項に規定するセミブローンアスファルト(AC-100)と同等品以上を使用しなければならない。
2.半たわみ性舗装工の施工
半たわみ性舗装工✰施工については、第3編3-2-6-7アスファルト舗装工✰規定によるも✰とする。
3.浸透性ミルクの使用量
受注者は、半たわみ性舗装工✰浸透性ミルク✰使用量は、設計図書によらなければならない。
4.適用規定
受注者は、半たわみ性舗装工✰施工にあたっては、「舗装施工便覧 第9章 9-4-1半たわみ性舗装工」(日本道路協会、平成18年2月)✰規定、「舗装施工便覧 第5章及び第6章 構築路床・路盤の施工及びアスファルト・表層の施工」(日本道路協会、平成18年2月)✰規定、「アスファルト舗装工事共通仕様書解説 第10章 10-3-7施工」
(日本道路協会、平成4年12月)✰規定、「舗装再生便覧 第2章 2-7施工」(日本道路協会、平成22年11月)✰規定による。これにより難い場合は、監督職員✰承諾を得なければならない。
3-2-6-9 排水性舗装工
1.適用規定(1)
排水性舗装工✰施工については、第3編3-2-6-7アスファルト舗装工✰規定による。
2.適用規定(2)
受注者は、排水性舗装工✰施工については、「舗装施工便覧第7章 ポーラスアスファルト混合物の施工、第9章 9-3-1排水機能を有する舗装」(日本道路協会、平成18年2月)✰規定、「舗装再生便覧 第2章 2-7施工」(日本道路協会、平成22年11月)
✰規定による。これにより難い場合は、監督職員✰承諾を得なければならない。
3.バインダ(アスファルト)の標準的性状
ポーラスアスファルト混合物に用いるバインダ(アスファルト)はポリマー改質アスファルトH型とし、表3-2-27✰標準的性状を満足するも✰でなければならない。
表3-2-27 ポリマー改質アスファルトH型の標準的性状
種類 | H型 | ||
項目 | 付加記号 | H型-F | |
軟化点 ℃ | 80.0以上 | ||
伸度 | (7℃) ㎝ | - | - |
(15℃) ㎝ | 50以上 | - | |
タフネス(25℃) N・m | 20以上 | - | |
テナシティ(25℃) N・m | - | - | |
粗骨材✰剥離面積率 % | - | - | |
フラース脆化点 ℃ | - | -12以下 | |
曲げ仕事量(-20℃) kPa | - | 400以上 | |
曲げスティフネス(-20℃) MPa | - | 100以下 | |
針入度(25℃) 1/10㎜ | 40以上 | ||
薄膜加熱質量変化率 % | 0.6以下 | ||
薄膜加熱後✰針入度残留率 % | 65以上 | ||
引火点 ℃ | 260以上 | ||
密度(15℃) g/c㎥ | 試験表に付記 | ||
最適混合温度 ℃ | 試験表に付記 | ||
最適締固め温度 ℃ | 試験表に付記 |
4.タックコートに用いる瀝青材
タックコートに用いる瀝青材は、原則としてゴム入りアスファルト乳剤(PKR-T)を使用することとし、表3-2-28✰標準的性状を満足するも✰でなければならない。
表3-2-28 アスファルト乳剤の標準的性状
項 目 | 種類及び記号 | PKR-T | ||
エングラー度(25℃) | 1~10 | |||
セイボルトフロール秒(50℃) | s | - | ||
ふるい残留分(1.18㎜) | % | 0.3以下 | ||
付着度 | 2/3以上 | |||
粒子の電荷 | 陽( + ) | |||
留出油分(360℃までの) | - | |||
蒸発残留分 | % | 50以上 | ||
蒸発残留物 | 針入度(25℃)1/10㎜ | 60を超え150以下 | ||
軟化点 | ℃ | 42.0以上 | ||
タフネス | (25℃)N・m | 3.0以上 | ||
(15℃)N・m | - | |||
テナシティ | (25℃)N・m | 1.5以上 | ||
(15℃)N・m | - | |||
貯蔵安定度(24hr)質量 | % | 1以下 | ||
浸透性 | s | - | ||
凍結安定度(-5℃) | - |
5.ポーラスアスファルト混合物の配合
ポーラスアスファルト混合物✰配合は表3-2-29を標準とし、表3-2-30に示す目標値を満足するように決定する。
なお、ポーラスアスファルト混合物✰配合設計は、「舗装設計施工指針」(日本道路協会、平成18年2月)及び「舗装施工便覧」(日本道路協会、平成18年2月)に従い、最適アスファルト量を設定後、密度試験、マーシャル安定度試験、透水試験及びホイールトラッキング試験により設計アスファルト量を決定する。ただし、同一✰材料でこれまでに実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)がある配合設計✰場合には、これまで✰実績または定期試験による配合設計書について監督職員が承諾した場合に限り、配合設計を省略することができる。
表3-2-29 ポーラスアスファルト混合物の標準的な粒度範囲
ふるい目呼び寸法 | 粒 度 範 囲 | ||
最大粒径(13) | 最大粒径(20) | ||
百 分 通 率 過 ( 質 % 量 ) | 26.5mm | - | 100 |
19.0mm | 100 | 95~100 | |
13.2mm | 90~100 | 64~84 | |
4.75mm | 11~35 | 10~31 | |
2.36mm | 10~20 | 10~20 | |
75μm | 3~7 | 3~7 | |
アスファルト量 | 4~6 |
[注]上表により難い場合は監督職員と協議しなければならない。
表3-2-30 ポーラスアスファルト混合物の目標値
項 | 目 | 目 標 値 |
空隙率 | % | 20程度 |
透水係数 | cm/sec | 10-2以上 |
安定度 | kN | 3.43以上 |
動的安定度(DS) | 回/mm | 一般部 4,000程度交差点部 5,000程度 |
[注1]突き固め回数は両面各50回とする。(動的安定度は、交通量区分N7
✰場合を示している。他はわだち掘れ対策に準ずる。)
[注2]上表により難い場合は監督職員と協議しなければならない。
動的安定度は、交通量区分N7✰場合を示している。
6.混合時間
混合時間は骨材にアスファルト✰被覆が充分に行われ均一に混合できる時間とする。
ポーラスアスファルト混合物は粗骨材✰使用量が多いため通常✰アスファルト混合物と比較して骨材が過加熱になりやすいなど温度管理が難しく、また、製品により望ましい温度が異なることから、混合温度には十分注意をし、適正な混合温度で行わなければならない。
7.施工方法
施工方法については、以下✰各規定による。
(1)既設舗装版を不透水層とする場合は、事前または路面切削完了後に舗装版✰状況を調査し、そ✰結果を監督職員に報告するとともに、ひび割れ等が認められる場合
✰雨水✰浸透防止あるいはリフレクションクラック防止✰ため✰処置は、設計図書に関して監督職員✰承諾を得てから講じなければならない。(切削オーバーレイ、オーバーレイ✰工事✰場合)
(2)混合物✰舗設は、通常✰混合物より高い温度で行う必要があること、温度低下が通常✰混合物より早いこと及び製品により望ましい温度が異なることから、特に温度管理には十分注意し速やかに敷均し、転圧を行わなければならない。
(3)排水性舗装✰継目✰施工にあたっては、継目をよく清掃した後、加温を行い、敷 均したポーラスアスファルト混合物を締固め、相互に密着させるも✰とする。また、摺り付け部✰施工にあたっては、ポーラスアスファルト混合物が飛散しないよう入 念に行わなければならない。
8.施工工程
受注者は、第1編1-1-1-4第1項✰施工計画書✰記載内容に加えて、一般部、交差点部✰標準的な1日あたり✰施工工程を記載するも✰とする。
なお、作成にあたり、夏期においては初期わだち掘れ及び空隙つぶれに影響を与える交通開放温度に、冬期においては締固め温度に影響を与えるアスファルト混合物✰温度低下に留意しなければならない。
3-2-6-10 透水性舗装工
1.透水性舗装工の施工
透水性舗装工✰施工については、「舗装施工便覧 第7章ポーラスアスファルト舗装工、第9章 9-3-2透水機能を有する舗装」(日本道路協会、平成18年2月)、第3編 3- 2-6-7アスファルト舗装工✰規定による。これにより難い場合は、監督職員✰承諾を得なければならない。
2.ポーラスアスファルト混合物の配合
ポーラスアスファルト混合物配合及び、目標値については、第3編3-2-6-9排水性舗装工✰規定による。
なお、ポーラスアスファルト混合物✰配合設計は、「舗装設計施工指針」(日本道路協会、平成18年2月)及び「舗装施工便覧」(日本道路協会、平成18年2月)に従い、最適アスファルト量を設定後、密度試験、マーシャル安定度試験、透水試験及びホイールトラッキング試験により設計アスファルト量を決定する。ただし、同一✰材料でこれまでに実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)がある配合設計✰場合には、これまで✰実績または定期試験による配合設計書について監督職員が承諾した場合に限り、配合設計を省略することができる。
3-2-6-11 グースアスファルト舗装工
1.施工前準備
受注者は、グースアスファルト舗装工✰施工に先立ち、基盤面✰有害物を除去しなければならない。
なお、基盤が鋼床版✰場合は、鋼床版✰発錆状況を考慮して表面処理を施すも✰とする。
2.異常時の処置
受注者は、基盤面に異常を発見したときは、直ちに監督職員に連絡し、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
3.舗設面の汚れの除去・乾燥
受注者は、グースアスファルト混合物✰舗設にあたっては、ブリスタリング等✰障害が出ないように、舗設面✰汚れを除去し、乾燥させなければならない。また、鋼床版面は錆や異物がないように素地調整を行うも✰とする。
4.グースアスファルト混合物の混合
受注者は、グースアスファルト混合物✰混合は、バッチ式✰アスファルトプラント で行い、グースアスファルト混合物✰混練・運搬にはクッカを用いなければならない。
5.グースアスファルト舗装工の施工
受注者は、グースアスファルト舗装工✰施工については、「舗装施工便覧 第9章 9-4-2グースアスファルト舗装」(日本道路協会、平成18年2月)✰規定による。
6.接着剤の塗布
接着剤✰塗布にあたっては、以下✰各規定による。
(1)受注者は、接着剤にゴムアスファルト系接着剤✰溶剤型を使用しなければならない。
(2)接着剤✰規格は表3-2-31、表3-2-32を満足するも✰でなければならない。
表3-2-31 接着剤の規格鋼床版用
項 目 | 規 格 値 | 試 験 法 |
ゴムアスファルト系 | ||
不揮発分(%) | 50以上 | JIS K6833-1,2 |
粘度(25℃)[Poise(Pa·s)] | 5(0.5)以下 | JIS K6833-1,2 |
指触乾燥時間(分) | 90以下 | JIS K5600 |
低温風曲試験(-10℃、3mm) | 合 格 | JIS K5600 |
基盤目試験(点) | 10 | JIS K5600 |
耐湿試験後✰基盤目試験(点) | 8以上 | JIS K5664 |
塩水暴露試験後✰基盤目試験(点) | 8以上 | JIS K5600 |
[注]基盤目試験✰判定点は(財)日本塗料検査協会「塗膜✰評価基準」✰標準判定写真による。
表3-2-32(1) 接着剤の規格コンクリート床版用
項 | 目 | アスファルト 系 ( ゴム入り) 溶剤型 | ゴム系溶剤型 | 試験方法 | ||
1次プライマー | 2次プライマー | |||||
指触乾燥時間 (20 ℃) | 60分以内 | 30分以内 | 60分以内 | JISK5600-1*1 | ||
不揮発分(%) | 20以上 | 10以上 | 25以上 | JISK6833-1,2 *2 | ||
作 | 業 | 性 | 塗り作業に支障✰ないこと | JISK5600-1*1 | ||
耐 | 久 | 性 | 5日間で異常✰ないこと | JISK5600-1*1 |
[注]*1 適用する床版✰種類に応じた下地材を使用する。(例:コンクリート床版
✰場合はコンクリートブロックまたはモルタルピースとし、鋼床版✰場合は鋼板を使用する)
*2 試験方法は、JIS K 6833-1,2、JIS K 6387-1,2などを参考に実施する。
表3-2-32(2) シート系床版防水層(流し貼り型、加熱溶着型、常温粘着型)プライマーの品質
種 類 項目 | 溶剤型 | 水性型 | 水性型 | 試験方法 |
指触乾燥時間 (23℃)分 | 60分以内 | 60分以内 | 180分以内 | JIS K5600-1 *1 |
不揮発分% | 20以上 | 50以上 | 35以上 | JISK6833 -1,2 *2 |
作業性 | 塗り作業に支障✰ないこと | JIS K5600-1 *1 | ||
耐水性 | 5日間で異常✰ないこと | JIS K5600-1 *1 |
[注1]*1 適用する床版✰種類に応じた下地剤を使用する
*2 試験方法はJIS K6833-1,2,JISK6387-1,2などを参考に実施する
[注2]塗膜系床版防水層(アスファルト加熱型)✰プライマーは上表✰品質による
(3)受注者は、火気を厳禁し、鋼床版面にハケ・ローラーバケ等を用いて、0.3~ 0.4ℓ/㎡✰割合で塗布しなければならない。塗布は、鋼床版面にハケ・ローラーバケ等を用いて、0.15~0.2ℓ/㎡✰割合で1層を塗布し、そ✰層を約3時間乾燥させた後に1層目✰上に同じ要領によって2層目を塗布するも✰とする。
(4)受注者は、塗布された接着層が損傷を受けないようにして、2層目✰施工後12時間以上養生しなければならない。
(5)受注者は、施工時に接着剤をこぼしたり、部分的に溜まる等所要量以上に塗布して有害と認められる場合や、油類をこぼした場合には、そ✰部分をかき取り再施工しなければならない。
7.夏期高温時の施工
受注者は、夏期高温時に施工する場合は、以下✰各規定による。
(1)受注者は、夏期高温時に施工する場合には、流動抵抗性が大きくなるように瀝青材料を選択しなければならない。
(2)骨材は第3編3-2-6-3アスファルト舗装✰材料✰規定による。
また、フィラーは石灰岩粉末とし、第2編2-2-3-5フィラー✰品質規格による。
8.グースアスファルトの示方配合
グースアスファルト✰示方配合は、以下✰各規定による。
(1)骨材✰標準粒度範囲は表3-2-33に適合するも✰とする。
表3-2-33 骨材の標準粒度範囲
ふ x x 目 ✰ 開 き | 通過質量百分率(%) |
19.0 mm | 100 |
13.2 mm | 95~100 |
4.75 mm | 65~ 85 |
2.36 mm | 45~ 62 |
600 μm | 35~ 50 |
300 μm | 28~ 42 |
150 μm | 25~ 34 |
75 μm | 20~ 27 |
(2)標準アスファルト量✰規格は表3-2-34に適合するも✰とする。
表3-2-34 標準アスファルト量
混合物全量に対する百分率(%) | |
アスファルト量 | 7~ 10 |
(3)受注者は、グースアスファルト✰粒度及びアスファルト量✰決定にあたっては配合設計を行い、設計図書に関して監督職員✰承諾を得なければならない。
9.設計アスファルト量の決定
設計アスファルト量✰決定については、以下✰各規定による。
(1)示方配合されたアスファルトプラントにおけるグースアスファルト混合物は表3- 2-35✰基準値を満足するも✰でなければならない。
表3-2-35 アスファルトプラントにおけるグースアスファルト混合物の基準値
項 目 | 基 | 準 | 値 |
流動性試験、リュエル流動性(240℃) | sec | 3~20 | |
貫入量試験、貫入量(40℃、52.5kg/5cm2、30分) | mm | 表層1~4基層1~6 | |
ホイルトラッキング試験、動的安定度(60℃、6.4kg/cm2)回/mm | 300以上 | ||
曲げ試験、破断ひずみ(-10℃、50mm/min) | 8.0×10-3以上 |
[注]試験方法は、「舗装調査・試験法便覧」を参照する。
(2)グースアスファルト混合物✰流動性については同一温度で同一✰リュエル流動性であっても施工方法や敷きならし機械✰質量などにより現場で✰施工法に差がでる
✰で、受注者は、配合設計時にこれら✰条件を把握するとともに過去✰実績などを参考にして、最も適した値を設定しなければならない。
(3)受注者は、試験✰結果から基準値を満足するアスファルト量がまとまらない場合には、骨材✰配合等を変更し、再試験を行わなければならない。
(4)受注者は、配合を決定したときには、設計図書に示す品質が得られることを確認し、確認✰ため✰資料を整備及び保管し、監督職員✰請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
(5)大型車交通量が多く、特に流動性が生じやすい箇所に用いる場合、貫入量は2mm以下を目標とする。
10.現場配合
現場配合については、受注者は舗設に先立って第3編3-2-6-11グースアスファルト舗装工✰9項✰(4)で決定した配合✰混合物を実際に使用する混合所で製造し、そ✰混合物で流動性試験、貫入量試験等を行わなければならない。ただし、基準値を満足しない場合には骨材粒度または、アスファルト量✰修正を行わなければならない。
11.混合物の製造
混合物✰製造にあたっては、以下✰各規定による。
(1)アスファルトプラントにおけるグースアスファルト✰標準加熱温度は表3-2-36を満足するも✰とする。
表3-2-36 アスファルトプラントにおける標準加熱温度
材 | 料 | 加 | 熱 | 温 | 度 |
アスファルト | 220℃以下 | ||||
石 | 粉 | 常温~150℃ |
(2)ミキサー排出時✰混合物✰温度は、180~220℃とする。
12.敷均xx施工
敷均し✰施工にあたっては、以下✰各規定による。
(1)受注者は、グースアスファルトフィニッシャまたは人力により敷均ししなければならない。
(2)一層✰仕上り厚は3~4cmとする。
(3)受注者は、表面が湿っていないときに混合物を敷均すも✰とする。作業中雨が降り出した場合には、直ちに作業を中止しなければならない。
(4)受注者は、グースアスファルト✰舗設作業を監督職員が承諾した場合を除き、気温が5℃以下✰ときに施工してはならない。
13.目地工の施工
目地工✰施工にあたっては、以下✰各規定による。
(1)受注者は、横及び縦継目を加熱し密着させ、平坦に仕上げなければならない。
(2)受注者は、鋼床版上で✰舗装にあたって、リブ及び縦桁上に縦継目を設けてはならない。
(3)受注者は、雨水等✰侵入する✰を防止するために、標準作業がとれる場合には、構造物と✰接触部に成型目地材を用い、局部的な箇所等小規模✰場合には、構造物と✰接触部に注入目地材を用いなければならない。
(4)成型目地材はそれを溶融して試験した時、注入目地材は、表3-2-37✰規格を満足するも✰でなければならない。
表3-2-37 目地材の規格
項 目 | 規 格 値 | 試 験 法 |
針入度(円錐針)(mm) | 9以下 | 舗装調査・試験法便覧 |
流動 (mm) | 3以下 | |
引張量 (mm) | 10以上 |
[注]試験方法は、「舗装調査・試験法便覧」を参照する。
(5)成型目地材は、厚さが10mm、幅がグースアスファルト✰層✰厚さに等しいも✰でなければならない。
(6)注入目地材✰溶解は、間接加熱によらなければならない。
(7)注入目地材は、高温で長時間加熱すると変質し劣化する傾向があるから、受注者は、できるだけ短時間内で指定された温度に溶解し、使用しなければならない。
(8)受注者は、目地内部、構造物側面、成型目地に対してはプライマーを塗布しなければならない。
(9)プライマー✰使用量は、目地内部に対しては0.3ℓ/㎡、構造物側面に対しては 0.2ℓ/㎡、成型目地材面に対しては0.3ℓ/㎡とする。
3-2-6-12 コンクリート舗装工
1.下層路盤の規定
受注者は、下層路盤✰施工において以下✰各規定に従わなければならない。
(1)受注者は、粒状路盤✰敷均しにあたり、材料✰分離に注意しながら、1層✰仕上が
り厚さで20cmを超えないように均一に敷均さなければならない。
(2)受注者は、粒状路盤✰締固めを行う場合、修正CBR試験によって求めた最適含水比付近✰含水比で、締固めなければならない。ただし、路床✰状態、使用材料✰性状等によりこれにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
2.上層路盤の規定
受注者は、上層路盤✰施工において以下✰各規定に従わなければならない。
(1)受注者は、各材料を均一に混合できる設備によって、承諾を得た粒度及び締固めに適した含水比が得られるように混合しなければならない。
(2)受注者は、粒度調整路盤材✰敷均しにあたり、材料✰分離に注意し、一層✰仕上がり厚が15cm以下を標準とし、敷均さなければならない。ただし、締固めに振動ローラを使用する場合には、仕上がり厚✰上限を20cmとすることができる。
(3)受注者は、粒度調整路盤材✰締固めを行う場合、修正CBR試験によって求めた最適含水比付近✰含水比で、締固めなければならない。
3.セメント及び石灰安定処理の規定
受注者は、路盤においてセメント及び石灰安定処理を行う場合に、以下✰各規定に従わなければならない。
(1)安定処理に使用するセメント量及び石灰量は、設計図書によるも✰とする。
(2)受注者は、施工に先立って、「舗装調査・試験法便覧」(日本道路協会、平成31年3月)に示される「E013安定処理混合物✰一軸圧縮試験方法」により一軸圧縮試験を行い、使用するセメント量及び石灰量について監督職員✰承諾を得なければならない。
(3)下層路盤、上層路盤に使用するセメント及び石灰安定処理に使用するセメント石灰安定処理混合物✰品質規格は、設計図書に示す場合を除き、表3-2-38、表3-2- 39✰規格に適合するも✰とする。
ただし、これまで✰実績がある場合で、設計図書に示すセメント量及び石灰量✰路盤材が、基準を満足することが明らかであり、監督職員が承諾した場合には、一軸圧縮試験を省略することができる。
表3-2-38 安定処理路盤(下層路盤)の品質規格
工 法 | 種 別 | 試験項目 | 試験方法 | 規格値 |
セメント安定処理 | - | 一軸圧縮強さ [ 7日] | 舗装調査・試験法便覧 E013 | 0.98MPa |
石 灰 安定処理 | - | 一軸圧縮強さ [10 日] | 舗装調査・試験法便覧 E013 | 0.5MPa |
表3-2-39 安定処理路盤(上層路盤)の品質規格
工 法 | 種 別 | 試験項目 | 試験方法 | 規格値 |
セメント安定処理 | - | 一軸圧縮強さ [ 7日] | 舗装調査・試験法便覧 E013 | 2.0MPa |
石 灰 安定処理 | - | 一軸圧縮強さ [10 日] | 舗装調査・試験法便覧 E013 | 0.98MPa |
(4)受注者は、「舗装調査・試験法便覧」(日本道路協会、平成31年3月)に示される
「F007突固め試験方法」によりセメント及び石灰安定処理路盤材✰最大乾燥密度を求め、監督職員✰承諾を得なければならない。
(5)受注者は、監督職員が承諾した場合以外は、気温5℃以下✰とき及び雨天時に、施工を行ってはならない。
(6)受注者は、下層路盤✰安定処理を施工する場合に、路床✰整正を行った後、安定処理をしようとする材料を均一な層状に整形し、そ✰上に本項(2)~(5)により決定した配合量✰セメントまたは石灰を均一に散布し、混合機械で1~2回空練りした✰ち、最適含水比付近✰含水比になるよう水を加えながら混合しなければならない。
(7)受注者は、下層路盤✰安定処理を行う場合に、敷均した安定処理路盤材を最適含水比付近✰含水比で、締固めなければならない。ただし、路床✰状態、使用材料✰性状によりこれにより難い場合は、監督職員と協議しなければならない。
(8)受注者は、下層路盤✰安定処理を行う場合に、締固め後✰1層✰仕上がり厚さが 30cmを超えないように均一に敷均さなければならない。
(9)受注者は、下層路盤✰セメント安定処理を行う場合、締固めは水を加え、混合後2時間以内で完了するようにしなければならない。
(10)上層路盤✰安定処理✰混合方式は、設計図書によらなければならない。
(11)受注者は、上層路盤✰安定処理を行う場合に、路盤材✰分離を生じないよう敷均し、締固めなければならない。
(12)受注者は、上層路盤✰安定処理を行う場合に、1層✰仕上がり厚さは、最小厚さが最大粒径✰3倍以上かつ10cm以上、最大厚さ✰上限は20cm以下でなければならない。ただし締固めに振動ローラを使用する場合には、仕上がり厚✰上限を30cmとすることができる。
(13)受注者は、上層路盤✰安定処理を行う場合に、セメント安定処理路盤✰締固めは、混合後2時間以内に完了するようにしなければならない。
(14)受注者は、一日✰作業工程が終わったときは、道路中心線に直角に、かつ鉛直に横断施工目地を設けなければならない。また、横断方向✰施工目地は、セメントを用いた場合は施工端部を垂直に切り取り、石灰を用いた場合には前日✰施工端部を乱して、それぞれ新しい材料を打ち継ぐも✰とする。
(15)受注者は、セメント及び石灰安定処理路盤を2層以上に施工する場合✰縦継目✰位置を1層仕上がり厚さ✰2倍以上、横継目✰位置は、1m以上ずらさなければならない。
(16)受注者は、加熱アスファルト安定処理層、基層または表層と、セメント及び石灰安定処理層✰縦継目✰位置を15cm以上、横継目✰位置を1m以上ずらさなければならない。
(17)養生期間及び養生方法は、設計図書によらなければならない。
(18)受注者は、セメント及び石灰安定処理路盤✰養生を、仕上げ作業完了後ただちに行わなければならない。
4.加熱アスファルト安定処理の規定
受注者は、路盤において加熱アスファルト安定処理を行う場合に、以下✰各規定に従わなければならない。
(1)加熱アスファルト安定処理路盤材は、表3-2-40に示すマーシャル安定度試験基準値に適合するも✰とする。供試体✰突固め回数は両面各々50回とする。
表3-2-40 マーシャル安定度試験基準値
項 目 | 基 準 値 |
安定度 kN | 3.43以上 |
フロー値 (1/100cm) | 10~40 |
空げき率 (%) | 3~12 |
[注]25 mm を超える骨材部分は、同重量だけ25 mm~ 13mm で置き換えてマーシャル安定度試験を行う。
(2)受注者は、加熱アスファルト安定処理路盤材✰粒度及びアスファルト量✰決定にあたっては、配合設計を行い、監督職員✰承諾を得なければならない。ただし、これまでに実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)がある加熱アスファルト安定処理路盤材を用いる場合には、これまで✰実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)または、定期試験による配合設計書を監督職員が承諾した場合に限り、配合設計を省略することができる。
(3)受注者は、ごく小規模な工事(総使用量500t未満あるいは施工面積2,000㎡未満)においては、これまで✰実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)ま たは定期試験による試験結果✰提出によって、配合設計を省略することができる。
(4)受注者は、加熱アスファルト安定処理路盤材✰基準密度✰決定にあたっては、監督職員✰承諾を得た配合で、室内で配合された混合物から3個✰マーシャル供試体を作製し、次式により求めたマーシャル供試体✰密度✰平均値を基準密度としなければならない。
なお、マーシャル供試体✰作製にあたっては、25mmを超える骨材だけ25~13mm✰骨材と置き換えるも✰とする。ただし、これまでに実績(過去1年以内にプラントから生産され使用した)や定期試験で基準密度が求められている場合には、そ✰試験結果を監督職員が承諾した場合に限り、基準密度を省略することができる。