Contract
労働契約法案
目次
第xx 総則(第一条―第三条)
第二章 労働契約の締結
第xx 労働契約の成立(第四条)
第二節 就業規則との関係(第五条)
第三節 募集及び採用(第六条―第八条)
第四節 採用内定(第九条―第十一条)
第五節 試用期間(第十二条・第十三条)
第三章 労働契約の内容(第十四条―第二十一条)
第四章 労働契約の変更等
第xx 労働契約の変更(第二十二条―第二十六条)
第二節 勤務地の変更、出向及び転籍(第二十七条―第二十九条)
第五章 労働者の損害賠償責任及び懲戒(第三十条―第三十二条)
第六章 労働契約の終了(第三十三条―第三十七条)
第七章 期間の定めのある労働契約等(第三十八条―第四十二条)第八章 雑則(第四十三条―第四十五条)
附則
第xx 総則
(目的)
第一条 この法律は、労働契約の締結、変更及び終了に関する必要な事項、労働契約の内容に関する基準その他労働契約に関する必要な事項を定めることにより、労働条件の決定における労働者と使用者との間の対等性及び労働関係におけるxx性を確保するとともに、労働契約に関する紛争を防止することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう。
2 この法律において「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいう。
3 この法律において「労働契約」とは、その名称のいかんを問わず、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことを内容とする契約をいう。
(労働契約の基本原則)
第三条 労働契約は、労働者と使用者が対等な立場で、十分な情報と自由な意思に基づく合意によって締結し、又は変更すべきものとする。
2 労働者及び使用者は、相手方の人格及び財産に関する利益を尊重し、労働契約に関し、xxに従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。
3 労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。
4 労働契約を締結し、及び変更する場合においては、労働者の就業形態にかかわらず、就業の実態に応じ、均等な待遇の確保が図られるべきものとする。
5 使用者は、労働者に労働させるに当たっては、労働者の安全及び健康の確保に十分に配慮しなければな
らない。
6 使用者は、労働契約の締結若しくは変更又は労働契約に基づく権利の行使に当たっては、労働者が適切な仕事と生活の調和を保つことができるよう配慮するものとする。
第二章 労働契約の締結 第xx 労働契約の成立
第四条 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。
第二節 就業規則との関係
第五条 常時十人以上の労働者を使用する使用者が労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第八十九条の規定により作成した就業規則(同条の規定により行政官庁に届け出られ、かつ、同法第九十条の規定により意見を聴いたものに限る。)において、合理的な労働条件が定められており、かつ、労働契約の締結に際し、使用者がその就業規則を労働者に明示した場合には、労働契約の内容をその就業規則で定める労働条件によるものとすることについて、使用者と労働者が合意したものと推定する。
2 前項に規定する使用者以外の使用者が、労働者代表(当該事業場において、労働者の過半数で組織する
労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者をいう。以下同じ。)の意見を聴いて作成した就業規則についても、同項と同様とする。
第三節 募集及び採用
(募集又は採用時に明示した労働条件)
第六条 労働者の募集又は採用を行う者は、募集又は採用に当たり労働者になろうとする者に明示した労働条件については、当該労働条件により労働契約を締結することが困難であると認められる特別の事情がある場合を除き、これを労働者になろうとする者の不利益に変更して労働契約を締結することができない。
2 前項の規定に違反する契約は、その違反する部分については、当該明示された労働条件によって契約したものとみなす。
(採用選考時の個人情報)
第七条 労働者の募集又は採用を行う者は、その業務の目的の範囲内で労働者になろうとする者の個人情報
(個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより
特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下同じ。)を取得することとし、次に掲げる個人情報を取得してはならない。ただし、特別な業務上の必要性が存在することその他業務の遂行上必要不可欠な場合であって、取得目的を示して本人から取得するときは、この限りでない。
一 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項二 思想及び信条
三 労働組合への加入状況
2 労働者の募集又は採用を行う者は、前項の規定に違反して取得された個人情報を理由として、労働者の採用について、差別的取扱いをしてはならない。
3 労働者の募集又は採用を行う者が、労働者になろうとする者の秘密に該当する個人情報を知り得た場合には、当該個人情報が正当な理由なく他人に知られることのないよう厳重な管理を行わなければならない。
4 労働者の募集又は採用を行う者は、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第二条第三項に規定する個人情報取扱事業者(以下「個人情報取扱事業者」という。)に該当しない場合におい
ても、労働者になろうとする者の個人情報について、個人情報取扱事業者に準じて、これを適切に取り扱
わなければならない。
(採用選考時の健康診断)
第八条 労働者の募集又は採用を行う者は、労働者の選考のための健康診断を実施する場合には、労働者になろうとする者の適性と能力を判断する上で必要のない事項について健康診断を実施してはならない。
2 労働者の募集又は採用を行う者は、前項の健康診断を実施するに当たっては、労働者になろうとする者に対して、書面により、当該健康診断の項目ごとに当該健康診断を実施する理由を明示しなければならない。
第四節 採用内定
(採用内定の通知と労働契約との関係)
第九条 使用者が、労働者になろうとする者に対して、就労に先立ち、採用する旨の通知を発したときは、その時において労働契約が成立したものと推定する。
(内定取消し)
第十条 使用者は、労働者の就労開始前における労働契約の解除(以下「内定取消し」という。)をする場
合があるときは、あらかじめ、当該労働契約の相手方(以下「内定者」という。)に対し、内定取消しの事由を書面により明示しなければならない。
2 内定取消しは、客観的に合理的な理由に基づき、社会通念上相当であると認められる場合でなければ、無効とする。
3 内定取消しが行われた場合において、内定者が当該内定取消しの理由について証明書を請求したときは、使用者は、七日以内にこれを交付しなければならない。
(内定期間中の研修等)
第十一条 使用者が、内定者に対して、就労に先立って研修、教育訓練等(以下「研修等」という。)を実施しようとするときは、あらかじめ、次の各号に掲げる事項を書面により明示しなければならない。
一 研修等の実施時期二 研修等の内容
三 その他厚生労働省令で定める事項
2 前項の研修等の実施は、内定者が学校等に在学していること、在職中であることその他の事情に照らし
て、内定者に過重な負担を課するものであってはならない。
第五節 試用期間
(試用期間の設定)
第十二条 使用者は、試みの使用期間(以下「試用期間」という。)を設定するときは、試用期間の開始に先立ち、労働者に対し、次に掲げる事項を書面により明示しなければならない。
一 試用期間の期間及びこれを延長する可能性があるときは、その旨二 業務遂行に係る適格性を判断するための基準
2 前項の書面の明示がないときは、試用期間は設定されなかったものとみなす。
3 試用期間の期間は、xxを超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は、xxとする。
4 使用者は、xxを超えた期間の勤務でなければその業務遂行に係る適格性について十分に判断することができない特別の事情があるときは、前項の規定にかかわらず、六月を超えない範囲内において、試用期
間の期間を定めることができる。これより長い期間を定めたときは、その期間は、六月とする。
(試用期間中の解雇)
第十三条 試用期間の期間中の解雇は、試用期間の趣旨に照らして、客観的に合理的な理由に基づき、社会通念上相当であると認められる場合でなければ、無効とする。
第三章 労働契約の内容
(使用者の安全配慮義務等)
第十四条 使用者は、労働者が、労務提供のため設置する場所、設備若しくは器具等を使用し又は使用者の指示のもとに労務を提供する過程において、労働者の生命及び身体の安全並びに健康の確保に配慮しなければならない。
2 使用者は、労働者から、労務提供に関し自己の生命及び身体に危害が及び、又は健康を損なうおそれがある旨の申出があった場合には、必要があると認められるときは適切な措置を講ずる等誠実にこれに対応しなければならない。
(労働者の就業環境への配慮)
第十五条 使用者は、労働者が、当該労働者の就業環境が害される言動を職場において受けることのないよ
う配慮しなければならない。
(労働者の個人情報)
第十六条 使用者は、労働者の個人情報として第七条第一項第一号及び第二号に掲げるものを取得してはならない。ただし、特別な業務上の必要性が存在することその他業務の遂行上必要不可欠な場合であって、取得目的を示して本人から取得するときは、この限りでない。
2 使用者が、労働者の秘密に該当する個人情報を知り得た場合には、当該個人情報が正当な理由なく他人に知られることのないよう厳重な管理を行わなければならない。
3 使用者は、個人情報取扱事業者に該当しない場合においても、労働者(労働者であった者を含む。)の個人情報について、個人情報取扱事業者に準じて、これを適切に取り扱わなければならない。
(兼業禁止義務)
第十七条 使用者は、やむを得ない事由がある場合に限り、労働契約、労働協約又は就業規則で定めるところにより、労働者が他の職務に従事し、又は事業を営むことを禁止し、又は制限することができる。
(退職手当の減額及び不支給の制限)
第十八条 使用者は、労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるもので定めるところにより労働者に退職手当を支払うことを明らかにした場合において、当該退職手当を減額し又は支給しないこととするときは、その対象となる事由並びに減額の範囲及び手続を労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるものであらかじめ定めなければならない。
2 前項の規定により定められる事由及び減額の手続は、合理的なものとしなければならない。
3 退職手当の減額は、退職手当が労働者にとって一般に賃金の後払いの要素を有すること及び退職後の労働者の生活に重要な役割を果たすことにかんがみ、退職手当を減額しなければ事業の継続が困難となる等必要やむを得ない場合でなければ、これをすることができない。
4 前項の規定は、退職手当の不支給について準用する。
(労働者の退職後の秘密保持義務)
第十九条 使用者は、労働者との合意又は労働協約若しくは就業規則で定めるところにより、労働者が職務上知ることのできた秘密について、当該秘密が漏らされた場合には使用者の正当な利益が侵害されるおそ
れがある場合に限り、労働者に対し、その退職後においてこれを保持することを求めることができる。
2 使用者は、前項の規定により秘密を保持することを求めようとする場合には、労働者に対し、保持すべき秘密及び当該秘密を保持すべき期間を当該労働者の退職の際に、書面により明示しなければならない。
3 前項の書面による明示がない場合には、第一項の規定による求めは無効とする。
(労働者の退職後の競業避止義務)
第二十条 使用者は、退職後の労働者の競業により使用者の正当な利益が侵害されるおそれがある場合には、労働者との合意又は労働協約若しくは就業規則で定めるところにより、当該競業を制限することができる。この場合において、当該制限の内容は、当該制限により侵害される労働者の利益と当該制限の必要性との間の均衡が図られるものでなければならない。
2 使用者は、前項の規定により競業を制限しようとする場合には、労働者に対し、次の各号に掲げる事項を当該労働者の退職の際に、書面により明示しなければならない。
一 制限の対象となる業種又は職種の範囲
三 制限の地域
(研修の費用の返還の制限)
第二十一条 使用者は、労働者が退職した場合において当該労働者に対し行った留学等の研修(労働契約の履行として行われるものを除く。以下「研修」という。)に要した費用の返還を当該労働者に対して請求しようとするときは、返還すべき費用の額、返還の手続並びにその方法及び期限を定め、当該研修開始前に、当該労働者に対し書面により明示しなければならない。
2 前項の規定により定められる返還すべき費用の額、返還の手続並びにその方法及び期限は、合理的なものとしなければならない。
3 使用者は、労働者が研修の期間の末日の翌日から起算して三年(病気その他厚生労働省令で定める事由により労働者が労働に従事しなかった期間がある場合には、三年に当該期間を加算して得た期間)を経過した日以後に退職した場合においては、第一項の費用の返還を請求することができない。
第四章 労働契約の変更等第xx 労働契約の変更
(労働契約変更の原則)
第二十二条 労働契約の変更は、この章で定める場合を除き、当事者の合意によらなければならない。
(約定変更権の行使の制限)
第二十三条 使用者が、労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるもので定めるところにより、労働契約を変更する権利を留保した場合においては、当該権利の行使は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当しているときにのみ、効力を生ずる。
一 当該権利の行使の必要性があること。
二 変更された労働契約の内容が合理的なものであること。
三 使用者が労働者と誠実に協議を行ったこと。
(労働契約変更請求権)
第二十四条 当事者の一方が、労働契約の内容を維持することが困難な事情が生じたため相手方に労働契約の変更を申し込んだ場合において、当事者間の協議が調わないときは、当該変更を申し込んだ者は、別に法律で定めるところにより、当該労働契約の変更を裁判所に請求することができる。
(就業規則の作成又は変更と労働契約との関係)
第二十五条 第五条第一項に規定する使用者が、労働基準法第八十九条の規定により就業規則を新たに作成し、又は変更した場合(同条の規定により行政官庁に届け出られ、かつ、同法第九十条の規定により意見を聴いた場合に限る。)において、次のいずれにも該当するときは、当該作成され、又は変更された就業規則に基づいて労働契約の内容を変更することについて、使用者と労働者が合意したものと推定する。 一 使用者が当該就業規則の作成又は変更について、あらかじめ労働者代表と誠実に協議を行ったこと。二 当該作成又は変更の必要性があり、かつ、当該作成され、又は変更された労働条件の内容が合理的な
ものであること。
2 第五条第二項に規定する使用者が、労働者代表の意見を聴いて就業規則を新たに作成し、又は変更した場合も、前項と同様とする。
(再生手続開始の申立て時等の契約変更手続)
第二十六条 使用者が、再生手続開始又は更生手続開始の申立てその他厚生労働省令で定める事由に該当する事態に伴い、労働者に対し、労働者代表との合意に基づく労働条件により労働契約の変更を申し込む旨
及び当該変更を承諾しない場合は解雇する旨を通知したときは、労働者は、当該労働契約の変更の内容が
合理的でないことを理由として当該通知が無効であることの確認を求める訴えを提起する権利を留保した上で当該申込みに対し承諾することができる。
2 前項の訴えは、承諾をした日の翌日から起算して三十日以内に提起しなければならない。
第二節 勤務地の変更、出向及び転籍
(転居を伴う勤務地の変更)
第二十七条 労働者の転居を伴う勤務地の変更(当該労働者が転居をしなければ通勤することが困難となると認められる勤務地の変更をいう。以下同じ。)については、使用者は、次項に規定する場合を除き、当該労働者と協議の上、その同意を得るとともに、労働者代表と協議しなければならない。
2 労働者の転居を伴う勤務地の変更についての第二十三条の使用者の権利の行使は、同条各号のいずれにも該当するほか、労働者代表と協議をした場合にのみ、効力を生ずる。
3 使用者は、労働者の転居を伴う勤務地の変更をするに当たっては、労働者及びその家族の生活状況にできる限り配慮しなければならない。
(出向)
第二十xx xのいずれかに該当すること(以下「出向」という。)については、使用者は、次項に規定する場合を除き、当該労働者と協議の上、その同意を得るとともに、労働者代表と協議しなければならない。この場合において、使用者は、当該労働者に対し、労務の提供を受ける者、出向の期間、職務の内容、地位、勤務地、出向の期間中及び出向の期間終了後の賃金、退職手当の算定方法その他の労働条件(以下この条において「出向に関する労働条件」という。)を書面により明示しなければならない。
一 使用者が第三者との間で、使用者と労働者との労働契約を継続したまま、当該労働者を当該第三者のために労働に従事させることを合意し、労働者が、当該合意に基づき、当該第三者との間の労働契約に基づく関係の下に、当該第三者に使用されて労働に従事すること。
二 使用者と第三者との合意により、使用者が労働者との労働契約を解除し、当該第三者が労働者との間で新たな労働契約を締結し、かつ、使用者が、労働者との労働契約を解除するに当たり、労働者との間で、当該第三者と労働者との労働契約の終了に際し新たに労働契約を締結することを予約すること。
2 出向についての第二十三条の使用者の権利の行使は、同条各号のいずれにも該当するほか、労働者に対
し出向に関する労働条件を書面により明示し、労働者代表と協議をした場合にのみ、効力を生ずる。
3 出向のうち当該労働者の転居を伴う勤務地の変更をするものについては、前条第三項の規定を準用する。
(転籍)
第二十九条 使用者と第三者との合意により、使用者が労働者との労働契約を解除し、当該第三者が当該労働者との間で新たな労働契約を締結すること(出向に該当するものを除く。以下「転籍」という。)については、使用者は、現に転籍を行おうとする際に、当該労働者と協議の上、その同意を得るとともに、労働者代表と協議しなければならない。この場合において、使用者は、当該労働者に対し、当該労働者の新たな労働契約の相手方となる者(以下この条において「転籍先」という。)、転籍先の業務内容及び経営状況並びに職務の内容、地位、勤務地、賃金、退職手当の算定方法その他の労働条件を書面により明示しなければならない。
2 使用者は、労働者が転籍を拒んだことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取扱いをしてはならない。
第五章 労働者の損害賠償責任及び懲戒
(労働者の損害賠償責任の制限等)
第三十条 労働者は、労働に従事するに際して使用者に与えた損害については、故意又は重大な過失がある場合でなければ、賠償の責めに任じない。
2 労働者は、労働に従事するに際して第三者に与えた損害については、故意又は重大な過失がある場合でなければ、使用者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。
3 使用者が第一項に規定する損害の賠償又は前項に規定する求償を請求する場合には、損害のxxな分担の見地から相当と認められる限度において、労働者はその責めに任ずる。
(懲戒の原則)
第三十一条 使用者は、あらかじめ、労働契約、労働協約又は就業規則において、その種類、事由及び手続を定めておかなければ、労働者に対する懲戒(以下単に「懲戒」という。)を行うことができない。
2 懲戒は、客観的に合理的な理由に基づき、社会通念上相当であると認められる場合でなければ、無効とする。
(懲戒の手続等)
第三十二条 使用者は、懲戒を行おうとするときは、あらかじめ、次に掲げる手続をしなければならない。
ただし、天災事変その他やむを得ない事由又は当該労働者の責めに帰すべき事由によりこれらをすることができない場合は、この限りでない。
一 当該労働者に対し、当該懲戒の対象となる事実について書面により通知し、弁明の機会を与えること。この場合において、口頭による弁明の機会を与えるときは、当該労働者からの求めにより、当該事業場の労働者のうちから当該労働者が指名する者一名を当該弁明に立ち会わせること。
二 当該懲戒に関し当該労働者が加入する労働組合から協議を求められたときは、これに応ずること。
2 懲戒は、当該懲戒の内容並びに当該懲戒の対象となる事実及び当該懲戒の根拠となる労働契約、労働協約又は就業規則の条項を記載した書面により当該労働者に通知してするものとし、当該書面が当該労働者に到達した時に、その効力を生ずる。
第六章 労働契約の終了
(解雇の原則)
第三十三条 解雇は、客観的に合理的な理由に基づき、社会通念上相当であると認められる場合でなければ、
無効とする。
(解雇の一般基準)
第三十四条 労働者の勤務成績、労働能力又は行為を理由とする解雇については、使用者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、当該労働者を解雇することができる。
一 解雇をしなければならない客観的な理由があること。
二 当該労働者が加入する労働組合から解雇を回避するための措置について提案があった場合には誠実に検討し、当該措置をとることができないときはその理由を回答する等、解雇を回避するための措置により労働契約を維持できる可能性があるときは、解雇を回避するための努力を尽くしたこと。
三 解雇の理由について、当該労働者に対し書面により十分な説明を行うとともに、当該労働者に弁明の機会を与えたこと。ただし、天災事変その他やむを得ない事由又は当該労働者の責めに帰すべき事由によりこれらをすることができない場合は、この限りでない。
四 当該労働者が加入する労働組合から解雇に関し協議を求められたときは、これに応じたこと。
(経営上の理由による解雇の基準)
第三十五条 経営上の理由による解雇については、使用者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に
限り、労働者を解雇することができる。
一 解雇をしなければならない客観的な経営上の必要性があること。
二 当該労働者が加入する労働組合から解雇を回避するための措置について提案があった場合には誠実に検討し、当該措置をとることができないときはその理由を回答する等、解雇を回避するための努力を尽くしたこと。
三 解雇の対象者の選定が客観的かつ合理的な基準に基づくものであること。
四 当該労働者及び労働者代表と解雇に関し誠実に協議を行うとともに、労働組合から解雇に関し協議を求められたときは、これに応じたこと。
(解雇の予告)
第三十六条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、次の各号に掲げる労働者の区分に応じ、少なくとも当該各号に定める日数前に、解雇の予告をしなければならない。当該各号に定める日数前に予告をしない使用者は、当該各号に定める日数分以上の平均賃金(労働基準法第十二条の平均賃金をいう。
以下同じ。)を支払わなければならない。ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続
が不可能となった場合又は労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。
一 雇入れの日から解雇の日までの継続勤務する期間(以下「在職期間」という。)が三年以下の労働者三十日
二 在職期間が三年を超える労働者 六十日
2 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
3 前二項の規定は、次の各号のいずれかに該当する労働者については適用しない。ただし、第一号に該当する者が一月を超えて引き続き使用されるに至った場合、第二号若しくは第三号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合又は第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでない。
一 日々雇い入れられる労働者
二 二月以内の期間を定めて使用される労働者
三 季節的業務に四月以内の期間を定めて使用される労働者
四 試用期間中の労働者
(労働契約を終了させる旨の意思表示等の取消し)
第三十七条 労働者は、次のいずれかの事由により労働契約を終了させ、又は労働契約の終了を申し込む旨の意思表示をした場合は、当該意思表示をした日から起算して八日以内に限り、これを取り消すことができる。
一 使用者から退職すべき旨の勧奨又は示唆を受けたこと。
二 職場において当該労働者の就業環境を害する言動を受けたこと。
第七章 期間の定めのある労働契約等
(有期労働契約の締結事由等)
第三十八条 使用者は、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に掲げる期間を上限として、期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)を締結することができる。
一 臨時的又は一時的な業務に使用するため労働者を雇い入れる場合 当該業務の存続期間であって三年
を超えない期間
二 休業又は欠勤する労働者に代替する労働者を雇い入れる場合 当該休業又は欠勤の期間
三 一定の期間内に完了することが予定されている事業に使用するため労働者を雇い入れる場合 当該事業の完了に必要な期間
四 専門的な知識、技術又は経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)を雇い入れる場合 五年
五 満六十歳以上の労働者を雇い入れる場合 五年
六 労働者がその都合により当該有期労働契約の期間の満了後に退職することが明らかな場合等相当な理由に基づいて、労働者が期間の定めをすることを求めた場合 三年
七 法令上特に認められた場合 当該法令により認められた期間
八 前各号に掲げるもののほか、有期労働契約を締結することに正当な理由があるものとして厚生労働省
令で定める事由に該当する場合 三年
2 使用者は、有期労働契約の締結の際には、労働者に対し、次に掲げる事項を書面により明示しなければならない。
x xx労働契約の期間
二 有期労働契約の期間の定めをする理由
三 有期労働契約の期間の満了後における当該有期労働契約に係る更新の可能性の有無
四 前号において有期労働契約を更新する可能性があるときは、当該有期労働契約を更新する場合又はしない場合の判断をするための基準
五 その他厚生労働省令で定める事項
3 第一項各号に該当しない労働契約又は前項の書面の明示のない労働契約は、期間の定めのない労働契約とみなす。
4 第一項各号に定める期間を超える期間を定めた有期労働契約の期間は、同項各号に定める期間の定めをしたものとみなす。
(差別的取扱いの禁止)
第三十九条 使用者は、有期労働契約を締結している労働者又は短時間労働者(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(xxx年法律第七十六号)第二条に規定する短時間労働者をいう。)の賃金その他の労働条件について、合理的な理由がある場合でなければ、通常の労働者と差別的取扱いをしてはならない。
(有期労働契約における解雇)
第四十条 使用者は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。
(契約期間途中の退職)
第四十xx x年を超える有期労働契約を締結した労働者は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百二十八条の規定にかかわらず、当該有期労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、二週間前までに使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
(雇止めの制限等)
第四十二条 第三十八条第二項の規定により更新の可能性を明示された有期労働契約を締結している労働者
が、当該有期労働契約の更新を希望した場合においては、使用者は、当該労働者に係る従前の有期労働契約の更新の回数、継続的に勤務をしている期間その他の事情に照らして、当該有期労働契約を更新しないこととすることが客観的に合理的な理由に基づき、社会通念上相当であると認められる場合でなければ、更新を拒んではならない。
2 使用者は、更新の可能性を明示された有期労働契約(雇入れの日から起算して一年を超えて継続勤務をしている者に係るもの及び日々雇い入れられる者が一月を超えて引き続き使用されるに至った場合に係るものに限る。)を締結している労働者に対して当該有期労働契約を更新しないこととしようとするときは、当該労働者に対し、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責めに帰すべき事由に基づいて更新しないこととする場合においては、この限りでない。
3 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
4 第一項に規定する有期労働契約が更新されなかった場合において、労働者が更新されなかった理由につ
いて証明書を請求したときは、使用者は、七日以内にこれを交付しなければならない。第八章 雑則
(役務提供契約への準用)
第四十三条 第十四条、第三十三条及び前条第一項の規定は、次の各号のいずれにも該当する者について準用する。この場合において、第十xxx「使用者」とあるのは「第四十三条に規定する者から同条第二号に規定する役務提供契約に基づき役務の提供を受ける者」と、「労働者」とあるのは「同条に規定する者」と、「労務」とあるのは「役務」と、第三十xxx「解雇は」とあるのは「第四十三条第二号に規定する役務提供契約の解除は、当該役務提供契約の内容及び性質、継続的に役務を提供している期間その他の事情に照らして」と、前条第一項中「第三十八条第二項の規定により更新の可能性を明示された有期労働契約」とあるのは「期間の定めのある次条第二号に規定する役務提供契約」と、「労働者が」とあるのは「同条に規定する者が」と、「当該有期労働契約」とあるのは「当該役務提供契約」と、「使用者」とあるのは「同条に規定する者から同条第二号に規定する役務提供契約に基づき役務の提供を受ける者」と、「当
該労働者に係る従前の有期労働契約の更新の回数、継続的に勤務をしている期間」とあるのは「当該役務
提供契約の内容及び性質、当該役務提供契約の更新の回数、継続的に役務を提供している期間」と読み替えるものとする。
一 個人であること。
二 請負、委任その他これらに類する契約(以下「役務提供契約」という。)に基づき役務を提供する者であること。
三 当該役務提供契約の報酬として金銭を受ける者であること。
四 継続的に当該役務を提供する者であること。
五 当該役務の提供の全部を自ら行う者であること。
六 主として当該役務提供契約の報酬により生計を維持する者であること。
(船員に関する特例)
第四十四条 第三十六条及び前章の規定は、船員法(昭和二十二年法律第百号)の適用を受ける船員(以下この条において「船員」という。)に関しては、適用しない。
2 船員に関しては、第五条第一項中「使用者が労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第八十九条」
とあるのは「使用者(船員法(昭和二十二年法律第百号)第九十七条第三項に規定する団体を含む。)が同条」と、「第九十条」とあるのは「第九十八条」と、第二十五条第一項中「使用者が、労働基準法第八十九条」とあるのは「使用者(船員法第九十七条第三項に規定する団体を含む。)が、同法第九十七条」と、「第九十条」とあるのは「第九十八条」と、同項第一号中「使用者」とあるのは「使用者(同法第九十七条第三項に規定する団体を含む。)」とする。
(適用除外)
第四十五条 この法律は、国家公務員及び地方公務員については、適用しない。ただし、特定独立行政法人等の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)第二条第四号に規定する者及び地方公務員についての第三十六条の規定の適用については、この限りでない。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(就業規則との関係に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前に締結された労働契約については、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して三年を経過する日までの間において厚生労働省令で定めるところにより使用者が定める日において、当該労働契約(施行日以後に変更された労働条件に係る部分を除く。)の締結がなされたものとみなして、第五条の規定を適用する。この場合において、同条第一項中「労働契約の締結に際し」とあるのは、「厚生労働省令で定める期間内に」とする。
(募集又は採用時に明示した労働条件に関する経過措置)
第三条 第六条の規定は、この法律の施行後に労働者になろうとする者に対して明示された労働条件について適用する。
(内定取消しに関する経過措置)
第四条 第十条第一項の規定は、この法律の施行後に締結される労働契約について適用する。
2 第十条第三項の規定は、この法律の施行後に行われる内定取消しについて適用する。
(内定期間中の研修等に関する経過措置)
第五条 第十一条第一項の規定は、この法律の施行後に労働契約が締結された内定者に対して実施される研
修等について適用する。
(試用期間の設定に関する経過措置)
第六条 第十二条の規定は、この法律の施行後に締結される労働契約について適用する。
(退職手当の減額及び不支給の制限等に関する経過措置)
第七条 第十八条から第二十条までの規定は、この法律の施行後に労働者が退職する場合について適用する。
(研修の費用の返還の制限に関する経過措置)
第八条 第二十一条の規定は、この法律の施行後に開始する研修について適用する。
(約定変更権の行使の制限に関する経過措置)
第九条 第二十三条の規定は、この法律の施行後に使用者が労働契約を変更する権利を行使する場合について適用する。
(就業規則の作成又は変更と労働契約との関係に関する経過措置)
第十条 第二十五条の規定は、この法律の施行後に使用者が就業規則を新たに作成し、又は変更した場合に
ついて適用する。
(再生手続開始の申立て時等の契約変更手続に関する経過措置)
第十一条 第二十六条の規定は、この法律の施行後に再生手続開始若しくは更生手続開始の申立てがあった場合又は同条の厚生労働省令で定める事由に該当することとなった場合について適用する。
(転居を伴う勤務地の変更に関する経過措置)
第十二条 第二十七条第一項の規定は、この法律の施行後に使用者が労働者の転居を伴う勤務地の変更をする場合について適用する。
2 第二十七条第二項の規定は、この法律の施行後に使用者が労働者の転居を伴う勤務地の変更についての第二十三条の労働契約を変更する権利を行使する場合について適用する。
(出向に関する経過措置)
第十三条 第二十八条第一項の規定は、この法律の施行後に行われる出向について適用する。
2 第二十八条第二項の規定は、この法律の施行後に使用者が出向についての第二十三条の労働契約を変更する権利を行使する場合について適用する。
(転籍に関する経過措置)
第十四条 第二十九条第一項の規定は、この法律の施行後に行われる転籍について適用する。
(労働者の損害賠償責任の制限等に関する経過措置)
第十五条 第三十条第一項及び第二項の規定は、この法律の施行後に生じた損害について適用する。
(懲戒の手続等に関する経過措置)
第十六条 第三十二条の規定は、この法律の施行後に使用者が懲戒を行う場合について適用する。
(解雇の基準に関する経過措置)
第十七条 第三十四条及び第三十五条の規定は、この法律の施行後に使用者が解雇する場合について適用する。
(解雇の予告に関する経過措置)
第十八条 第三十六条の規定は、次の各号に掲げる労働者の区分に従い、当該各号に定める日以後に使用者が解雇しようとする場合について適用し、当該各号に定める日前に使用者が解雇しようとする場合については、なお従前の例による。
一 同条第一項第一号に規定する労働者 施行日から起算して三十日を経過した日
二 同項第二号に規定する労働者 施行日から起算して六十日を経過した日
(労働契約を終了させる旨の意思表示等の取消しに関する経過措置)
第十九条 第三十七条の規定は、この法律の施行後に労働者が労働契約を終了させ、又は労働契約の終了を申し込む旨の意思表示をした場合について適用する。
(有期労働契約に関する経過措置)
第二十条 第三十八条、第四十一条及び第四十二条の規定は、この法律の施行後に締結される有期労働契約について適用し、この法律の施行前に締結された有期労働契約については、なお従前の例による。
(役務提供契約への準用に関する経過措置)
第二十一条 第四十三条の規定は、この法律の施行後に締結される役務提供契約について適用する。
(労働基準法の一部改正)
第二十二条 労働基準法の一部を次のように改正する。
第十八条の二を削る。
第二十条の前の見出しを削り、同条及び第二十一条を次のように改める。
第二十条及び第二十一条 削除
第二十二条第二項中「第二十条第一項」を「労働契約法(平成十九年法律第 号)第三十六条第一項」に改める。
第百十四条及び第百十九条第一号中「、第二十条」を削る。第xx十七条を削る。
(労働基準法の一部改正に伴う経過措置)
第二十三条 前条の規定による改正後の労働基準法第二十二条の規定は、次の各号に掲げる労働者の区分に従い、当該各号に定める日以後に使用者が解雇しようとする場合について適用し、当該各号に定める日前に使用者が解雇しようとする場合については、なお従前の例による。
一 第三十六条第一項第一号に規定する労働者 施行日から起算して三十日を経過した日二 同項第二号に規定する労働者 施行日から起算して六十日を経過した日
2 この法律の施行前に前条の規定による改正前の労働基準法(以下「旧労働基準法」という。)第二十条
の規定に違反した使用者及び附則第十八条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこ
の法律の施行後に旧労働基準法第二十条の規定に違反した使用者については、旧労働基準法第百十四条の規定は、なおその効力を有する。
(地方公務員法の一部改正)
第二十四条 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。
第五十八条第三項中「、第十八条の二」を削る。
(地方公営企業法の一部改正)
第二十五条 地方公営企業法(昭和二十七年法律第二百九十二号)の一部を次のように改正する。
第三十九条第一項中「並びに第十八条の二」を削る。
(国家公務員退職手当法の一部改正)
第二十六条 国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)の一部を次のように改正する。
第xxx「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第二十条及び第二十一条」を「労働契約法(平成十九年法律第 号)第三十六条」に、「但し」を「ただし」に、「外」を「ほか」に改める。
(地方独立行政法人法の一部改正)
第二十七条 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)の一部を次のように改正する。第五十三条第一項第一号中「並びに第十八条の二」を削る。
(公益通報者保護法の一部改正)
第二十八条 公益通報者保護法(平成十六年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。
第六条第二項中「労働基準法第十八条の二」を「労働契約法(平成十九年法律第 号)第十条、第十三条、第三十三条から第三十五条まで、第四十条及び第四十二条」に改め、同条に次の一項を加える。
3 前条第一項の規定は、労働契約法第十八条、第二十三条、第四章第二節及び第五章の規定の適用を妨げるものではない。
(関係法律の整理)
第二十九条 附則第二十二条及び附則第二十四条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に伴う関係法律の整理については、別に法律で定める。
(罰則に関する経過措置)
第三十条 この法律の施行前にした行為並びに附則第十八条及び附則第二十三条第一項の規定によりなお従
前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第三十一条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第三十二条 政府は、国家公務員及び地方公務員の給与その他の勤務条件に関し、通常の職員と非常勤職員その他臨時的に任用される職員との間において、その勤務の実態に応じた権衡を確保することが重要であることにかんがみ、その権衡を確保するための具体的方策について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
理 由
労働条件の決定における労働者と使用者との間の対等性及び労働関係におけるxx性を確保するとともに、労働契約に関する紛争を防止するため、労働契約の締結、変更及び終了に関する必要な事項、労働契約のx xに関する基準その他労働契約に関する必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理 由である。