また、この「困惑類型の脱法防止規定」に限らないのですが、「正常な商慣習に照らして不当に」という言葉がよく提案の方向性として利用されているのですけれども、これが 一体どのような判断基準で行われるのかについて、事務局に御質問させていただければと思います。そう申しますのは、全く別の法案にはなりますけれども、消費者庁の景品類 に関するQ&Aなどでは、正常な商慣習に照らして適当であるかどうかについては、例えばその業界での従来の商慣習であるからといって問題ないということではなく、また、...
消費者契約に関する検討会第21回 議事録
消費者庁消費者制度課
第 21 回 消費者契約に関する検討会
1.日 時:令和3年7月16日(金)9:00~12:17
2.場 所:オンライン開催
3.議 題
・消費者の取消権
・立証責任の負担を軽減する特則における営業秘密の保護
・解除権の行使を制約する条項
4.出席者
(委員)
xxxx委員(座長)、xx委員、xx委員、xx委員、楠委員、xx委員、xx委員、髙橋委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員、xxxx委員、xxxx委員、xx委員
(事務局)
xxxxx、xx消費者制度課長、xx課長補佐、xx課長補佐、xxxxx
(オブザーバー)
国民生活センター、法務省、最高裁判所
○xxxx
それでは、定刻になりましたので、第21回「消費者契約に関する検討会」を開催いたします。本日も委員の皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
第18回から第20回の検討会で個別の論点について4巡目の検討を行いましたが、取りまとめに向けた議論に入る前にさらに議論を深めておくべきものがあったよ うに思います。そのようなものとして、本日は「消費者の取消権」「立証責任の 負担を軽減する特則における営業秘密の保護」「解約権の行使を制約する条項」 を取り上げたいと思います。
まず、事務局から接続と資料の確認をお願いいたします。
○xxxxx
※接続確認を行う。
最後に、資料の確認をさせていただきます。本日の資料ですが、議事次第に記載のとおり、資料1「消費者の取消権」、資料2「立証責任の負担を軽減する特則における営業秘密の保護」、資料3「解除権の行使を制約する条項」、資料4
「資料に関する委員意見」をおつけしております。資料4は、資料2及び資料3 について前回までと同様に委員の皆様に御意見を事前に提出いただいたものです が、一部「消費者の取消権」についても触れてくださっている委員もおられます。
また、参考資料1としまして、第20回消費者契約に関する検討会資料1から
「消費者の取消権」部分を抜粋したもの、参考資料2としまして、第20回消費者契約に関する検討会資料1に関する委員意見から「消費者の取消権」部分を抜粋したものについておつけしております。資料は以上でございます。
○xxxx
それでは、議事に入りたいと思います。まず、事務局から資料1「消費者の取消権」を説明していただき、その後、委員の皆様の間での意見交換を行いたいと思います。それでは、説明をお願いいたします。
○xxxx
それでは、御説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。タイトルが「消費者の取消権」ということで、その下に(第20回における議論の整理)と書かせていただきました。若干補足しますと、これは前回御議論いただいた内容を中心にまとめたものという位置づけでして、前回は取消権のみならず開
示や情報提供の論点も検討する必要があったため、検討すべき論点が他にもあるからということで、議論が尽きない状態で次の論点に行かせていただいたことがありました。そこで、前回議論が足りなかった部分について本日改めて御議論いただければと思っているところですが、その際に、前回の議論を少し整理した上で御議論いただいた方が、より充実した議論になるのではないかと考えておりまして、今回このような議論の整理というペーパーを用意させていただきました。そういう経緯であるため、本日取り上げる他の2つの論点につきましては、提案という形で従前の資料のように問題提起をしているところですが、取消権につきましては、提案という形を取っておりませんで、後ほど御説明しますように、規定の方向性という形で規定の大きな方向性を書いた上で、その補足の説明やさらに御議論いただければと思っているポイントのようなものを書いています。
これが資料全体の位置づけでして、中身に入りたいと思います。3つありまして、最初は「困惑類型の脱法防止規定」になります。3ページ以下で御紹介しているところでして、3ページでまず前回提案を御紹介しています。法4条3項1号、2号、6号から8号に関して、脱法防止の受皿規定として、前回提案は「取引上の社会通念に照らし、消費者が当該消費者契約を締結しない旨の判断することを妨げる行為をすること」を追加することとしてはどうかというものでした。
次のページに行っていただき、これは毎回御紹介しているもので恐縮ですけれども、4条3項は各号として現在8つ並んでいるところ、これを2つに分けています。消費者の心理状態とそれに関する事業者の認識を要件としているものと、要件としていないもので分けて、上がしていないものになるわけですけれども、上半分の要件としていないものについて脱法防止となる受皿規定を設けることができないかというのが前回の提案でした。
5ページ以下で、前回における主な意見を御紹介しております。これは事前に御提出いただいた意見と当日の御発言を項目に分けて整理したものになります。様々なご意見を頂きましたので観点で分けていまして、5ページでは規定の方向性に関するもの、規定全体の在り方に関するもの、6ページ以下では具体的な規定方法ということで、どういう書きぶり、条文があるのかといった点に関する御指摘をまとめているところです。
8ページに参りまして、先ほど申し上げました規定の方向性を御説明したいと 思います。まず大きい1の部分ですけれども、消費者の心理状態に関する事業者 の認識を要件としない類型、先ほどの表で申し上げますと上半分になるわけです が、それに関して、前回の議論を踏まえると、事業者による不当な働きかけを2 つに分ける、具体的には①としまして「消費者の行動を制約する行為」、不退去、退去妨害のようなものと、②としまして「消費者に心理的な負担を生ぜしめる行 為」、これは契約前の義務実施とか、契約前活動の補償請求になるわけですけれ
ども、このように類型化した上で類型ごとに同等の不当性を有する場合を捉える受皿となる規定を設けてはどうかと考えているところであります。
前回の御議論からすると一つの方向性としてこういうものがあるのではないかと思ってお示ししているところでして、具体的にどうするのかというところで、あくまでも例えばという形ですが、例として①、②を小さい字で書いています。
①として不退去、退去妨害につきましては「前二号に掲げるもののほか、(正常な商慣習に照らして不当に)当該消費者の行動を制約することにより当該消費者の判断の自由を制限する行為」、あるいは②として第7号、第8号につきましては「前二号に掲げるもののほか、(正常な商慣習に照らして不当に)当該消費者に、当該消費者契約を締結しなければならないという心理的な負担を生ぜしめる行為」といった形で定式化する。②については第8号の要件を緩和し整理するといったことも含めて考えられるのではないかと思っているところです。
以上が「困惑類型の脱法防止規定」でして、次が「心理状態に着目した規定」というところで、前回提案を9ページで御紹介しています。ポイントだけかいつまんで御説明しますと、①として意思表示をする期間を極めて短く限定する、②として広告とは異なる勧誘を行った場合、こういった①あるいは②の場合において、正当な理由がある場合でないのに、その場において契約をするか否かを判断するよう求めるといった行為を捉えるというものが前回の提案でした。
これに関しても様々な御意見を頂きました。それを10ページ以下で御紹介しておりまして、例えば10ページで申しますと、高揚感や期待をあおる行為も対象とすべきではないかという御指摘がありました。
11ページに参りまして、先ほど申し上げました①につきましては、これは様々な方から「極めて短く限定」の意味が分かりづらいのではないか、タイムセールを外すことは明らかにすべきではないかといった御指摘がありました。
12ページに参りまして、②につきましては、不実表示の問題との区別をするのか、あるいは不意打ちがあったとしても、必ずしも浅慮になるとは限らないのではないかといった御指摘もあったところかと思います。
このような様々な議論があった中で、13ページで規定の方向性を整理していま す。この上の5行ですけれども、規定案というよりも、規定の基礎にある根っこ にある考え方を改めて整理、確認したものと考えているところですが、①としま して、事業者が、正常な商慣習に照らして不当に消費者の判断の前提となる環境、この点につきましては「認知リソース」や「認知資源」といった言葉を用いてい る委員もいらっしゃったところですが、それに対して働きかけることにより、消 費者が適切な判断をすることができない状況を作出して、それで②としまして、 消費者の意思決定が歪められたことが問題ではないのかと整理したところです。 ここで若干補足をさせていただきますと、小さい字で書いてあるところでして、
まず今の①につきましては、「検討時間を制限する行為」をこれまで取り上げてきた中で、時間制限だけではなくて「高揚感をあおる行為、注意力を削ぐ行為等の要素」、もちろんこれらの要素単独ではなくて複合的に利用される場合も含まれると思いますが、こういったものを検討したらどうかという御意見があったところでした。
②につきましては、①の行為がなければ、一般的・平均的な消費者であれば当該契約を締結するという判断をしない場合を想定しているのだというところを少し補足として書いたところです。この下の●につきまして若干補足をさせていただきますと、資料には書いていないところですけれども、今回は取消権という提案になりますので、意思が歪められたと言えるような場面、つまりそれなりにきつい場面を念頭に置いています。そういうこともあって、規定の方向性というところで「正常な商慣習に照らして」と書いたところでして、通常に行われているようなもの、前回御議論がありましたような普通のタイムセールとか、そういったものであれば除外されることを念頭に置いています。その上で幾つかのポイントを下の●で御説明したところになります。
以上が「心理状態に着目した規定」でして、最後になりますが、「判断力不足 に着目した規定」について御説明したいと思います。前回の提案についてやや分 かりづらいところがあったように思いましたので、改めて整理も含めて書いてい ます。それが14ページでして、a、b、cと分けているところですが、まず対象 となる契約につきましては、過量契約取消権との関係で、過量契約取消権が「量」に着目しているものに対して、今回の提案は当該消費者の生活への支障、ダメー ジという意味での「質」に着目しているのだというところを補足させていただけ ればと思います。
それから、bのところですが、ここがやや分かりづらかったところでして、事 業者の認識になるわけですけれども、ここで問題にしているのは、aで議論して いた対象となる契約に関して将来消費者の生活に支障が及ぶかどうかについての 認識になります。前回提案について、今回右側で書いたところにありますように、判断力の著しい低下については事業者の認識が要件とされていないものでして、 生活への支障について、事業者が善意で過失がないときを除くというものが前回 提案でした。
cが判断力の話で、xxは前回と同じことを右側の補足で書いています。
以上を踏まえて、15ページ以下で議論を整理しています。主な意見として、先ほど少し述べましたように、取消しの対象となる契約はどういうものか、対象とすべき根拠に関する御意見、16ページでは、事業者の認識のうち取消しの対象となる契約であることについての御意見をまとめた上で、17ページでは、事業者の認識のうち消費者の判断力に関する認識のものをまとめています。
そこで、今回の規定の方向性ということで、18ページになりますが、少し大き い字で書いているところは、こういうところを御議論いただければと思って書い たところになります。取消しの対象となる契約について、対象とすべき根拠とと もに、それについて事業者がどのような認識であれば取消しを受容すべきかを整 理し明確化を図ることとしてはどうか、ということです。下の●は事務局の提案 や前回の議論を踏まえて書いています。御紹介しますと、提案が念頭に置いてい るのは、当該消費者の生活を将来にわたって成り立たなくするような契約であり、かなり限定されているものを対象として想定しているのだというところがまず1 つ目。それから、前回御議論がありましたのが、前回提案では対象となる契約に ついて、善意、無過失といった提案だったところでありますけれども、取消しの 対象となる契約であることについて、事業者の悪意または悪意と同視される程度 の重過失がない場合には、取り消すことができないものとしてはどうかというこ とが2つ目。3つ目として、以上のように対象を限定した上であれば、消費者の 判断力については客観的な基準により判断することとして、事業者の認識は要件 としないこととしてはどうか、といった形で議論のポイントをまとめています。
私からは以上になります。よろしくお願いいたします。
○xxxx
ありがとうございました。
それでは、まず、3つありましたうちの1つ目の「困惑類型の脱法防止規定」について、委員の皆様から御意見や御質問をいただきたいと思います。以下の3つの論点、つまり取消権全体につきましては、前回からの議論の続きとなりますので、御意見・御質問を希望される方に御発言をいただこうと思います。また、事務局への御質問がありましたら、併せてお願いしたいと思います。なお、御発言はおおよその目安ですけれども、2分程度でお願いいたします。
それでは、御発言を希望される委員の方は、挙手機能を用いてお申し出ください。
xx委員、お願いいたします。
○xx委員
アジアインターネット日本連盟のxxでございます。3つ全部一緒にお話しすべきでしょうか。
○xxxx
1つ目の「困惑類型の脱法防止規定」に限ってお願いいたします。
○xx委員
かしこまりました。それでは、「困惑類型の脱法防止規定」について意見を申し上げます。今回の事務局の御提案に関しましても、引き続きで恐縮でございますけれども、反対をいたします。そもそも前回の検討会でxx委員からも御指摘がありましたように、8号が7号の受皿規定になっているので現行のままでよいのではないかという御意見があったかと思い、それに関しては同意をしているところなのですけれども、さらにその受皿規定が必要であるという御説明はまだ十分になされていないと認識しております。
また、今回お示しいただいている方向性につきましても、どのような行為が対象になるのか必ずしも明確ではないように思います。例えば「正常な商慣習に照らして不当に」、「消費者の行動を制約することにより当該消費者の判断の自由を制限する行為」、あるいは「契約を締結しなければならないという心理的な負担を生ぜしめる行為」というものが一体どのようなものを指すのかが判然といたしません。また、前回もお話しさせていただきましたけれども、これらの複数の要素が重なって不当と判断されるのか、1つの要素だけでも不当と判断されるのか、一体それはどのような行為なのか、既存の1号、2号などの同等の不当性があるものに限定できているのか、もっと具体化、明確化していく必要があると考えております。
また、この「困惑類型の脱法防止規定」に限らないのですが、「正常な商慣習に照らして不当に」という言葉がよく提案の方向性として利用されているのですけれども、これが一体どのような判断基準で行われるのかについて、事務局に御質問させていただければと思います。そう申しますのは、全く別の法案にはなりますけれども、消費者庁の景品類に関するQ&Aなどでは、正常な商慣習に照らして適当であるかどうかについては、例えばその業界での従来の商慣習であるからといって問題ないということではなく、また、その業界で従来行われてきた商慣習であるか否かにかかわらず個別に判断されることになりますというようなことが消費者庁から出されております。そうしますと、非常にその判断が難しいわけなのですけれども、「正常な商慣習に照らして不当に」というものが一体どのような形で判断されるとお考えなのか質問させていただければと思います。
以上、意見と質問でございます。ありがとうございました。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、御質問の部分について事務局からお答えをお願いいたします。
○xxxx
御質問どうもありがとうございました。今回、規定の方向性で幾つかのところで「正常な商慣習に照らして」と書いています。この点ですけれども、先ほどxx委員から景xxの御紹介がありましたように「正常な商慣習」ということになりますので、単に現に行われている商慣習であればそのまま許容されるというわけではなくて、あくまでも「正常な」という部分が入っているところなのかと思います。正常な、真っ当な商売としてあり得るのかどうかというところを一つの規範として考えているところでして、例えば今回の提案で申しますと、消費者の行動を制約することにより判断の自由を制限する行為という形になっているわけですが、単に制限しているだけではなくて、それが行き過ぎているかどうかにつきましては、正常な商慣習に照らして判断されるものだと考えています。最後はxxx・xx・xxxのところが残るかと思いますけれども、健全なある種の商慣習に照らして判断したらどうかという趣旨で今回書いています。
○xxxx
どうもありがとうございました。以上のお答えを踏まえて、さらに御議論いただく形にさせていただければと思います。ほかに御意見があればお申し出ください。
まず、xx委員、続いて、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
xxです。ありがとうございます。今回資料の8ページで示していただいている規定の方向性について、方向性としてはこういった方向で、つまり、必ずしも
1号、4ページの表で強迫類似型とされているもの全てを包括することに拘泥せず、もう少し下のレベルでの受皿規定を設けるという試みは方向性としてはよろしいのではないかと感じております。
ただ、今日お示しいただいている①、②の例の部分ですけれども、1号、2号の受皿として、正常な商慣習に照らして不当に当該消費者の行動を制約することにより判断の自由を制限するということなのですけれども、確かに不退去であるとかといったことにつきましては、とりわけ消費者を退去させないことにつきましては行動を制約するというものが当てはまりそうなわけなのですけれども、深夜に勧誘するであるとか、電話で繰り返しするであるとか、あるいは怒って不機嫌になる、そういった強迫的な言動といったものを考えたときに、その消費者の行動を制約するという要件に当てはまると言えるのかどうかがやや文明でない感じもいたします。
むしろそうした観点からしますと、②の7号、8号の受皿として想定されてい
る契約を「締結しなければならないという心理的な負担を生ぜしめる行為」、こちらのほうはそういったものをうまく受けられるような文言になっているようにも思われまして、そう考えますと、②のうち心理的な負担という要素につきましては、1号、2号でも使える概念なのではないかという印象を持ちました。そういたしますと、1号、2号と7号、8号を分けるということも、うまくそれで文言化等ができるのであればよろしいかと思いますけれども、1、2と7、8については、6号は若干違うのではないかということで外すことはあり得ると思いますが、もう少し広い意味での受皿規定ということも考えられるのかとこの文言を拝見して改めて感じたところがあります。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。脱法防止規定の受皿行為ですが、前回の提案に賛成しております。ただし、さらに細かく分断されると守備範囲が狭くなるので、懸念は示させていただきましたが、今回方向性として示された方向につきましては、これはこれでよろしいのかという印象を持っております。
xx委員が言われたのと同じ感想を持っていまして、「心理的な負担を生ぜしめる行為」、ここはいろいろなものが想定されるのかという印象も持っております。行動の制約だけで見ますとどうしても限定されてしまうというか、捕捉する場面が狭過ぎるのかと思います。先ほど言われた深夜に来るとか、何回か私から例として挙げさせてもらいましたが、水回りの被害ですね。夜、急に来られて
「今すぐ契約しないとトイレを使えませんよ」とか、そういったものが時間制限とも言えないし、不退去とも違いますし、今すぐ契約しなければいけないという心理状態に陥らされてしまうという心理的なものなので、そういった場面が捕捉できる包括類型をつくらないと、現状の被害が救えないのではないかと思っています。
もう一点だけお願いしたいのですが、今回の検討会というのは、もともと高齢者、障害者、若年xx者の合理的な判断ができない事情、その事情につけ込まれて契約させられるということを踏まえて、取消権を創設するということがこの検討会でのミッションですので、その創設を前向きに進める方向で行っていただきたいと考えております。さらにもう一つ、施行時期が迫っているxx年齢引下げとの関係もあります。若年xx者の被害、これは困惑類型ではなくてひょっとしたら心理的なほうの規定になるのかもしれないのですけれども、この被害を救済できる規定を創設することがこの検討会のミッションなのです。それができない
とxx年齢引下げも施行時期を延ばさざるを得ないのです。ぜひそういったことをまず念頭に置いて、取消権を創設するという方向を確認した上で進めていただきたいと思っております。
今回消費者庁が示された困惑類型の脱法防止、方向性はこれはこれで私はいいかと思っています。次の心理的規定では、高揚感をあおるとかもうけ話の規定をもう一度きちんと考えましょうという整理の仕方が必要と考えています。長くなりましたが、意見として申し述べさせていただきます。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。規定の方向性、今回の作成していただいた資料の上のほうの部分に大きな文字で書かれている部分が大きな方向性だと思いますが、私の見ましたところ、この方向性についてはおおむね御理解が得られているのではないかと思います。ですから、今、xx委員がおっしゃいましたように、問題がある、それに対応する規定を何らかの形で創設してよいのではないかという方向性は共有されているのではないかと思います。
ただ、その上で、xx委員が今回も御指摘されましたように、実際には取消し の要件に当たるものを特定する必要があるわけでして、その特定が十分にされて いるのか、どのような行為をしたときに、あるいはどのような状況になったとき に取消しが行われるのか、それが明確にされていないと混乱する可能性がある。 この懸念にどう応えるかが、当面の、とりわけ今回御議論いただく最大のポイン トと思います。先ほどxx委員がおっしゃってくださいましたように、当該消費 者契約を締結しなければならないという心理的な負担を生じさせて締結させる行 為が取消しの対象であるということについては、何度も申し上げますけれども、 ある程度共通了解があるのではないかと思いますが、それをどのように明確に具 体化して規定を作成するか、その詰めが問われているのではないかと思います。 長々と申し上げて申し訳ありませんが、その上で御議論いただければと思います。
xx委員、お願いいたします。
○xx委員
よろしくお願いいたします。消費者庁資料8ページに記載された規定の方向性については、反対いたします。前回、「規定を検討するとしても、法第4条第3項第1号、2号、6号から8号、また、新たな対象となった事例2を類型ごとに分けて受皿規定を設ける方向で検討すべき」と申し上げ、具体的に資料6ページの下2つに挙げられた規定の案を私から御提案いたしました。そして、6号の脱法行為は考え難いこと、7号、8号については、そもそも8号が契約関係の準備行為に関する7号の受皿規定となっており、脱法行為は考え難いことから、現行
のままで良いと申し上げました。
一方、今回、新たな御提案がされていますが、そこで挙げられた「消費者の行動を制約する行為」「心理的な負担を生ぜしめる行為」が広過ぎ、また、どのような行為が「消費者の行動を制約する行為」に当たるのか、どのような行為が
「心理的な負担を生ぜしめる行為」に当たるのかが、先ほどxx委員からもあり ましたが、不明確であり、事業者の通常の営業活動への支障が大き過ぎると考え ます。この点は、資料8ページ下段の「消費者の判断の自由を制限」でも同様で す。具体的には、例えば、「心理的な負担を生ぜしめる行為」については、試食、試乗、体験宿泊のような通常の営業活動において行われるものも当たる可能性が 高いと考えています。
また、資料8ページ下段では、例として①、②が挙げられていますが、「正常な商慣習に照らして不当に」が要件として追加されても、これまでの「取引上の社会通念に照らして」や「xxxに反し」と内容や明確性の上でどのように異なるのかが分かりません。この点、「正常な商慣習」という用語の法令xxxの使用例である独占禁止法2条9項5号では、「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、次のいずれかに該当する行為をすること」としつつ、イからハにおいて、例えば、「継続して取引する相手方に対して、当該取引に係る商品又は役務以外の商品又は役務を購入させること」とするなど、「正常な商慣習に照らして不当に」に加えて、具体的な行為を規定しています。
また、資料7ページにもありますが、「正常な商慣習に照らし」とした場合でも、新たな商品・サービスや新たな勧誘方法などが「正常な商慣習」にそぐわないとされると、イノベーションの妨げとなることが考えられます。
また、資料8ページ下段の①については、「消費者の行動を制約」すれば直ち に「消費者の判断の自由を制限する」とされることが懸念され、結局、後者の要 件で何らかの限定が行われているとは考え難く、また、②についても、これまで の「当該消費者契約を締結しない旨の判断を妨げる行為」を「当該消費者契約を 締結しなければならないという心理的な負担を生ぜしめる行為」と裏側から規定 したにとどまり、ニーズ喚起をはじめとする勧誘行為が全て消費者への心理的な 働きかけであることからは、あらゆる営業活動が含まれ得ることに変わりはなく、具体化、明確化が進んだとは考えられません。
また、資料8ページでは、「同等の不当性を有する場合を捉える」としていますが、この点についても、その下の(例)では、事業者の行為について、①では例えば、判断の自由を「なくす」ではなく「制限」とし、また、②では、「契約準備行為を実施し、その損失の補塡を求める」などの現行8号にある具体的な行為を削除して、単に「心理的な負担を生ぜしめる」とし、それにもかかわらず、
例えば、「心理的負担を生ぜしめる「ことで当該消費者の判断の自由をなくす」」とはしておらず、そのため、少しでも「判断の自由を制限する」行為、または少 xx「心理的な負担を生ぜしめる」行為もそれらに該当するものとなり、結果、 各号よりも広い内容となり、各号と「同等の不当性を有す」るものであることが 担保されないものとなっています。そのため、御提案は、これまでの御提案より も幅広い内容を含み、通常の営業活動に多大な支障を生じるものとなっていると 考えます。
したがって、今回の御提案は現行各号と同等の不当性を有するものを大きく超えるものをxxに例示する包括規定となっており、xxに過ぎ、また、不明確であることから、今回の資料の内容については反対いたします。以上です。
○xxxx
御意見としてお示しいただき、ありがとうございました。ただ、今回の資料は、最初に事務局からも説明がありましたように、事務局からの提案という形で示さ れているのではありません。むしろ、これももちろん参考にして、しかし、どう 規定すればよいかということを御議論いただければと考えているところです。で すから、この事務局が示しているものについての御意見をいただくということは 当然していただければと思いますけれども、さらにどうすればよいか、どのよう なものであれば規定できるかということについても併せて御議論をいただければ と考えているところです。
それでは、xxxx委員、お願いいたします。
○xxxx委員
xxです。基本的に6号を除外した形で規定をするという方向性については賛成したいと思います。6号の異質性が前回も気になっておりましたので、この点は積極的に評価したいと思っております。
前回お話をしたとおり、これはxx先生にお伺いしたほうがいいのかもしれないのですけれども、例えば1号、2号と先ほどの7号、8号を区別することについて、本当にそれが妥当かどうかについては、改めて検討したほうがいいのかと思いました。結局1号、2号というのは、すごく素人的に表現をすれば身体の危険性なども感じて怖いな、困ったなということ、身体の自由に対する制約のようなことと関連しているのかと。他方で、7号、8号というのは、申し訳ないなというか、ある種人間の善意に付け込むような心理状態で、その点においては違う気はする。
しかし、そういう形で本当に整理してよいのかを心理学的な知見を踏まえて確認したいということと、1号、2号について、例えば行動を制約する行為と今回
の御提案ではなっていて、これは確かに身体の自由に対する拘束がある、ある種の身体性に関連するということではそのとおりだと思うのですけれども、例えばネットの世界に置き換えたときに、バーチャルな意味での身体が拘束される、要するに、例えばこのボタンを押さないと画面が遷移できないとか、そういう意味で「閉じ込められてしまう」ことはバーチャル上もあり得るように思います。そういうものを受皿にする場合には、「行動」と言い切ってしまっていいのかどうかもまた同じように少し気になるということです。もう一回心理状態がどういうものなのかということについて整理をしていく必要があるかと。この辺、もし仮に可能であればxx先生などに伺いたいと思っております。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。xx委員、質問というわけではありませんが、御意見をいただければということでしたので、もし何かありましたらお答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○xx委員
かしこまりました。御指摘していただいてきた幾つかの御意見を総合したところでの話になると思うのですけれども、確かに方向性ですからいいのかもしれませんが、今の文言的にどうするのかというところでは本当に分かりにくい、どういう事例に該当してどういう心理的な現象を想定しているのかが分かりにくいというのはおっしゃるとおりだと思うのです。
xxxx委員から前回の最後だったでしょうか、言っていただいたことがあったと思うのですけれども、人間の思考過程にはモード1、モード2という表現をする2つの過程が一般的な理論として言われていて、モード1が今回の浅慮に相当すると。モード2が熟慮に相当すると。申し上げてきたように浅慮が悪いわけではなくて、私たちは経験則によってかなり自動的に無意識的に判断するのが浅慮と呼ばれている。これがないと生体的、生物学的にきついというか大変なわけで、行っていると。つまり、モード1、モード2というのは誰もが備えている意思決定のシステム、それをいつも私たちは振り分けるというか、どちらを使うかという判断をするのが合理的な判断なのです。
不当な業者ですと、モード2を使わせないようにする、モード1に追い込んでいくということを結構上手にやるわけなのです。ですから、そういう意味ではさっきの類型1でも2でも7でも8でもない類型だと思うところは、モード2が働かないような状態、つまり、熟慮できないような状態を指していて、例えばある特定の取引や購買行動を考えなければいけないのに、ほかに思考を誘導してフルモードで働かないようにさせてしまう。だから、それが気を散らすという行為で
あったり、時間を制約するという行為であったりということでできてしまうだろうということになります。だから、そのときの心理状態で言うと、確かに困惑しているという感じでもないし、恐怖感でもないのですけれども、要するに、しっかり考えようと思っても考えられなかったという状態です。それが今回の問題だろうと思っています。
ですから、私の思うところでは、素人の意見ですけれども、例えば不当に自由な意思決定をゆがめるようなものが、この「正当ではない商取引」ではないでしょうかと思っています。以上です。
○xxxx
どうもありがとうございました。次の論点とも関わる点について考え方をお示しいただきまして、どうもありがとうございます。
ほかに御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。現状ではどのように具体的に規定していくかという点についてなお意見の幅があり、これはという道をまだ見いだせていないかと思います。
xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。今回の方向性につきまして、私も6号の霊感タイプを除き、1号、2号、7号、8号を捉えて一つの受皿的あるいは脱法防止的な規定を考えることが望ましいのではないかと思っております。
御議論になっております不当に自由な意思決定をゆがめるということについては、恐らくいろいろなタイプがあり、霊感型を除くというのは、これは契約をしたいと思っている、そこに持ってこられるところに問題があると思っているのですけれども、他の類型は、あるいは1号、2号、7号、8号は、その場においても契約はできればしたくないと思っているところを、しかしながら、現在の勧誘から逃れたいとか、強迫的な言動をされて被害を避けたいとか、7号、8号なども結局正当な理由なくすごまれて圧迫を受けてということだと思いますので、全ての不当に自由な意思決定がゆがめられているものをこれで捉えるということではなく、その中から今のような従来の強迫の展開型といいますか、そういうものを捉えられてきた。それは困惑類型というものがもともとそういう形で最初にスタートしているということがありますし、冒頭の類型である1号、2号もそういうものとして捉えられてきたということもありますので、そのレベルでの比較的包括的なというか、そういうものを捉えるということを考えるというのでいいのではないかと思っていまです。
その場合に、1号、2号と7号、8号は、確かに少し状況が違うとは思われる
のですけれども、果たして1号、2号を身体的な行動の自由と言っていいのか、不退去もそこにいて帰ってくれないと自分の行動の自由が妨げられると言っていいのかというのは、どうなのかが気になります。それと、これはxx先生をはじめ何人かの方がおっしゃいましたけれども、心理的負担というのは結局全て心理的に負担を感じていることにもなりかねないということがあります。
そして、前回は「取引上の社会通念に照らし、消費者が当該消費者契約を締結 しない旨の判断をすることを妨げる」という形で、「取引上の社会通念」という ものが少しまだ弱いのではないか、また、「妨げる」だけでは十分ではないので はないかという御指摘があり、それに対して特にxx委員の御意見の中に、強引 な勧誘あるいは執拗な電話勧誘、そのようなことをむしろ捉えたほうがいいので はないかという御指摘がありました。一つの方向として、不当な勧誘行為をどの ように切り出すかという中に、xx委員からも威力を用いてという御提案もあり、ただ、「直ちに」というだけでは長時間にわたって勧誘するような場合が捉えら れないということもありますし、繰り返しも捉えられないので、「直ちに」はど うかという感じがするのですが、そういう強迫的な言動や、あるいは勧誘の時間 及び回数などに照らして執拗な勧誘行為というものを例示とするか、あるいはそ こに集約させるか、「その他取引慣習に照らして不当な」ということを入れるか、こうした勧誘行為を捉えた上でそこに「心理的圧迫」を加えるとか、そういう形 にしてもいいのかもしれません。
恐らく7号、8号なども実際のところは先にこういう調査をした、それなのにどうしてくれるというような、そういう威迫的なものがセットになっていることが多いのではないかと思いますので、それらを例示にした上で不当な勧誘行為を捉えるという方向があり得るのではないかと思っております。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。例示に関しては、xxされている方向性によりますと、1号・2号の受皿であれば1号・2号で今書かれているものが既に例示になるわけですし、7号・8号に関しても同様に7号・8号に書かれているものが例示という形になります。もちろん、さらにどのようなものを念頭に置いた規定なのかを考えたときに、追加することはあり得るかもしれません。
今、xx委員の御意見にもありましたところですが、もちろん、突き詰めれば、全体として「心理的負担」と言うかどうかはともかくとして共通した側面がある けれども、それを全部捉えるというよりは、現在あるものを手がかりにしながら 類型分けをして、それぞれに即した形でカバーできるものを捉えていくという方 向性が示されているわけで、規定をするのであればそのような方向性が考えられ るのではないかと思いますが、その上で、何度も申し上げていますように、それ
をどのように具体的に規定するかが問題である。特に1号・2号に関しては、行動の自由を制約するというだけでは様々なものが含まれ得るので、そこをどう限定するか。例えば、今のxx委員の御意見からうかがわれるのは、その場で勧誘から逃れようとする行動を消費者が取ることを困難にする、あるいは著しく困難にする行為を捉えるのである、1号・2号はまさしくそういうものである、そのような形で何とか明確化していけないかということではないかと思います。
それでは、xxxx委員、続いて、xx委員、xx委員、お願いいたします。
○xxxx委員
xxです。度々申し訳ありません。先ほどのxx委員の御発言で少し腑に落ち た、すっきりしたところもありまして、確かに1号、2号、7号、8号というの はある程度共通項があるのかと。そこは先ほど先生のおっしゃったようなある意 味で契約に対して消極的な意思あるいは否定的な意思を既に持っているけれども、そこに圧迫、圧力が加えられてその実現がくじかれるというような、そういうケ ースなのかと思いました。
ところが、他方でxx委員がおっしゃっていた例えば浅慮、モード1、モード
2のモードで行くと、モード1というのはまさに意思形成の段階に対する介入になるので、この4条の1号、2号、7号、8号とも浅慮系は違うのかと私は素人ながら思いました。
ですから、繰り返しになりますけれども、1号、2号、7号、8号というのは既に契約に対する消極的な意思が一定程度存在していて、これは熟慮の上で嫌だという意思が形成されている可能性もあり、しかし、それがいろいろな圧迫、圧力が加えられることによってくじかれるというケースとして整理することができるのかと。
もう一つ、非常に大きな総論的なところですけれども、ある種の情報の非対称性が事業者と消費者との間でさらに拡大していることも我々は意識しなければいけないのかと思っております。それは一方で、高齢者の問題や認知機能が低下してきている方々が増える可能性がリスクとしてはあり、他方で、事業者の側はデータをいろいろ集められる上、心理学、行動経済学まで駆使することができるので、この両者の非対称性の広がりも押さえた上で議論していく必要があると感じました。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
xxです。今の御意見と同じような部分があります。私も1号、2号と7号、
8号で分けるという考え方、方向性に賛成でございます。6号は少し毛色が違う と感じております。この分け方は、心理状態と事業者の主観面ということで強迫 類似型とつけ込み困惑型で分けてありますけれども、6号の霊感商法につきまし ては、確かに主観要件はないのですが、全く不安を感じていない人に対して、例 えば「占いをしてあげましょう」とか言う。軽い気持ちでしてしまったところが、成仏していないから今はあなたは幸せであっても、今後御家族がこんなことに遭 う可能性があるとか、その後だんだん不安な話をされていって、最終的にはもし かしたらと思って不安になってしまったと。今度はそこに付け込んで、だから、 つぼを買いなさいとかと言ってくるわけですから、強迫でも若干その後のプロセ スの中では付け込み型にも関連してくることがあると考えておりますので、1、
2、それから、7、8の方向には賛成でございます。
この1、2と7、8、行動と心理面で分けるという部分もありますが、相談者は相談にいらっしゃったときには、「実は契約したくなかったのです」とおっしゃるわけです。そうしますと、責めて申し上げてはこれはいけませんから、責め立てることではなく、「では、どうしてしたくない契約をしてしまったのでしょうか」と伺います。そこに一番の問題点が隠されていると考えております。そうすると、契約はしたくなかったのだけれども、こういう状況があったので断れなかったのですとおっしゃいます。その断れなかったというのが行動の面での制約なのか、それとも心理的な面なのか、または行動が制限される可能性があると感じた心理的な面、かなりそこは切り離せない部分もあると感じております。結局ここの部分は、したくなかったことをしてしまわざるを得なかった、そこに問題がある。ただし、これまでの規定のような要件では落ちてしまうような状況であり、実際にその被害が大変多くなっているわけですから、それを救うため、どうしたらいいかということで考えていきたいと思っております。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。私も1号、2号と7号、8号をまとめるという意見には賛成なのですが、xx委員もおっしゃっていたものと重なると思うのですけれども、基本的にはこれらは契約締結を拒絶する行為のほうを制約するということなのかと理解しておりました。ただ、7号、8号との関係で、特にxx委員がおっしゃってくださったと思いますが、試食や試乗のような行為でも後ろめたさを感じる人がいるというのは、それはもっともだとも思いました。
一つの考え方としてなのですが、xx委員の御提案ということだったと思いますが、「威力を用いることにより、消費者に対し直ちに契約を締結するか否かを判断するよう求めること」という御提案、これは基準が具体化されているという意味では非常に建設的な意見ではないかと思います。ただ、「威力」というだけだと狭いのではないかという気がしております。ですから、例えば威力と対概念としてはすぐ「偽計」を思いつくわけですが、「威力又は偽計を用いることにより」とした上で、さらに前に「不当に」と入れるのかは分かりませんが,「契約の締結を拒絶するような行為」あるいは「契約の締結を制限するような行為」というような形で、少し不当性というものを具体化できないかと考えた次第です。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。契約を拒絶する行為を制限するというか、それを困難にする、あるいは著しく困難にするという形で規定をしていくことも考えられるのではないかとも思います。
おおむね意見をいただきましたが、私からxx委員に少し質問ないし確認をさ せていただきたいのですが、よろしいでしょうか。今、xx委員からも御示唆が ありましたけれども、前回のxx委員御自身からの御提案で、「威力を用いるこ とにより、消費者に対し直ちに契約を締結するか否かを判断するよう求めること」というものであれば、1号・2号の受皿となり得るのではないかということだっ たかと思います。今、xx委員から「威力」だけでは狭過ぎる、また、xx委員 からも「直ちに」だけでは狭過ぎるのではないかという御意見がありました。こ の点について「威力又は偽計を用いることにより」と言うかどうかは別として、 契約を拒絶する行為をとることを著しく困難にするという形で規定をしていく方 向については、精査はしないといけないけれども、反対はされないと理解してよ ろしいのでしょうか。
○xx委員
前回私が申し上げたとおりの文言でなければならないと申し上げているつもりはありませんので、不当な行為であることが限定的に示される内容となっていれば、結局は規定ぶりの問題となるため最終的にどのような御提案となるかという話になりますが、例えば「偽計」であれば、不当な行為であることがそれ自体で明らかだと思いますので、「威力又は偽計」ということはあり得るのかと思います。以上です。
ありがとうございます。もう一点確認をしたいのですが、7号・8号に関しては、正確にどうおっしゃったかは別としまして、8号が既に7号の受皿になっているので、7号・8号に加えて受皿規定を設けることが適当なのかどうかという点について疑問を示されたと思いますが、8号が仮に7号の受皿になっているとしましても、非常に限定された形で現在規定がされていますので、この8号を7号も含めた受皿規定となるような形で規定を修正して、事務局が提案しているような7号・8号の受皿規定を設ける方向にしていく。実際に8ページの下の②の
※にありますように、8号の要件を整理することによってこの提案の方向を実現していくことも考えられるところですが、これも反対であるという御趣旨だったのでしょうか。それとも、これはもちろんどのように整理をするかによるけれども、考えられる方向であるという御意見でしょうか。
○xx委員
今回、事務局は、8ページの下段にある(例)をあくまでも案ですとおっしゃ っていましたが、私としては、これも一つの御提案だと理解しています。その意 味では、現行の7号、8号の8号をさらに広げても、行為の不当性が明確であり、かつ7号、8号と同等の不当性を担保できるものをうまく具体的に規律できるの であれば、そこまで反対するものではありませんが、今回の(例)②については そうなっていないと理解しており、この(例)②がそのままxxになるのであれ ば反対ですという意味で、先ほどは申し上げました。以上です。
○xxxx
どうもありがとうございました。なかなか議論が収れんしていないのでまとまりがつかないのですけれども、本日さらに議論しないといけない点がありますので、この論点についてはここまでとさせていただきたいと思います。お出しいただきました御意見等で少しまとめる余地もあるように思います。ただ、お手をさらに挙げておられた方もおられると思いますので、本日言い尽くせなかった御意見等がありましたら、次回以降の取りまとめに向けた議論の際に御発言を改めてしていただければと思います。事務局は本日の議論を踏まえて取りまとめに向けた作業を進めていただければと思います。
事務局から何かございますか。
○xxxx
特にございません。どうもありがとうございました。
どうもありがとうございました。続きまして、2.「心理状態に着目した規定」について御議論をいただきたいと思います。御発言を希望される方は挙手機能を 用いてお申し出ください。
xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。今回「心理状態に着目した規定」ということで、10ページに記載していただいておりますが、「高揚感や期待をあおる行為についても取り消すことができるようにすべき」と書いていただきまして、これについてはぜひ議論を深めていただきまして、何らかの形でこういった状況で契約したことに対しても取消しができるようにしていただきたいと考えております。これは先ほどからも御意見が出ていましたけれども、xx年齢引下げになったときに、非常にこの手の相談が増えることを心配しております。契約をしたくなかったのにせざるを得なかったというのが先ほどですけれども、比較的年齢の低い方というのは、あおられて契約をする気になってしまうというところがあります。そうすると、これは御本人の意思で契約をしたのであるからということで、解決が難しくなっております。
国民生活センターの国センADRと言われているものとかxxxの消費者被害救済委員会で扱っている案件で、若年者の案件ではこの手のものが増えております。特にxxxの場合ですと、かなり細かく審議の結果を公開しております。それを見ますと、これは情報商材で、もうけ話、20歳代の方の事例ですが、「早く一緒に勉強しよう」とか、いろいろとそこで言われてしまってその気になり契約をしてしまったと。これは断りたかったわけではなくその気になってしまっているということがあります。また、転売などでも、あなたは魅力的だということを言われてしまって自分が抜擢されたと思って契約をしてしまったであるとか、よくあるタレント・モデル商法と言われるものですけれども、海外で俳優になりたいという夢があったと。そこに、今チャンスである、見逃すほうが問題ではないかということを言われてしまって、その場で契約をしてしまう雰囲気になってしまったと。こういった事例がたくさん扱われています。
この行政型のADRで扱われるというのは、結局消費生活センターのレベルでは解決できなかった、しかしながら、若年者であり、若年者にとってはかなり高額なのですけれども、裁判の費用対効果を考えるとそこまでにはなじまない、そうであれば行政型ADRで解決しましょうと言ってきている案件がほとんどでございます。こういったところに対応できるような取消権をぜひ考えていきたいし、考えていただきたいと思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
アジアインターネット日本連盟のxxでございます。今回の資料は事務局からの御提案ではないということなので、反対という言葉を使うのは控えますけれども、事業者側から見た懸念点はお伝えしたいと思います。
今回、①ということで「正常な商慣習に照らして不当に消費者の判断の前提となる環境に対して働きかけることにより、消費者が適切な判断をすることができない状況」ということで、下に説明として「検討時間を制限する行為」に加えまして「高揚感をあおる行為、注意力を削ぐ行為等の要素」とあり、また「これらの要素が複合的に利用される場合も含む」となっているわけなのですけれども、一番最初に議論されていた「検討時間を制限する行為」に加えて高揚感や注意力をそぐということがさらに要素として加わり、また、かつ複合的に利用する場合も含むということになりまして、取消権という非常に強い効果を持つ条項につきまして、事業者から見るとxxな範囲が適用になるおそれを非常に懸念しております。
特に「高揚感をあおる行為」につきましては、恐らく在庫の品薄を装ってあた かも購入を即決しないとチャンスを逃すかのような誤認をさせるような悪徳事業 者を念頭に置いているのだと思いますけれども、通常の営業活動の中にも高揚感 や期待をあおるという側面は十分に含まれ得る可能性があるわけですので、通常 の商行為との関係でどのように判断していいのか非常に戸惑うところが大きいと 思っております。具体的に一つ例を申し上げますけれども、例えばポイント還元 キャンペーンなどというものがよくありますが、そういった「ポイント還元キャ ンペーン」という言葉だけを見てそのキャンペーンに参加をし、商品を購入され る消費者の方がいらっしゃったとしますと、実はポイント還元キャンペーンには 還元されるポイントの数に上限があって、景品表示法上はきちんと事業者側は正 しくその旨の注意事項についても表示していたものの、消費者の方がよくそこま で読まれないままに参加をし、後になって取り消したいという考えに至ることは 十分考えられるケースとしてあるわけです。実際に事業者側の運用としましては、そういった消費者側の見落としや誤解などで購入の取消しまで認めるというのは 通常行っているものは少ないと思います。こういったパターンまで高揚していた からということで取消権を認めることになりますと、相当程度取引の安定性が損 なわれることになるかと思いますので、このような幅広い規定ぶりの方向性につ いては非常に慎重になるべきだろうと思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。xx委員が言われたような熟慮をすることをさせずに浅慮に持ち込むというパターンが、当初提案されていた期待をあおる、重要なものから注意をそらさせて契約に持ち込むパターンで、そういうものが事例としては情報商材やマルチ商法などの被害類型として挙がってくると思います。こういったものをこの類型に整理をして、取消し対象という方向でまとめていけばいいのかと思っております。そういった高揚感をあおるものは時間制限だけでは捕捉できなかったので、もう一度そこを考えましょうというという方向性について賛成をいたします。
私も例として挙げさせていただいていますので繰り返しませんけれども、情報商材のような類型やマルチ商法のような類型が、若年者にそういった被害があって、それを何とかしようということ自体は共有されていると思いますので、そういったところの共通認識を持ちつつ、そういった被害を食い止めるような取消権を導入していく、そういった建設的な議論をしていきたいと思っております。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。まず、xx委員、続いて、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
よろしくお願いいたします。消費者庁資料13ページ上段に記載された①、②の方向性自体については、理解できなくはありません。ただ、これまでも「浅慮」がこのようなものであるということを前提として、それを具体化するために検討してきたものと考えており、今回の資料の趣旨がよく分かりません。
また、資料13ページ下段の●の2つですが、1つ目の●では、これは恐らく新たな御提案だと思いますが、「①について、検討時間を制限する行為や、高揚感をあおる行為、注意力を削ぐ行為等の要素を検討。」と記載されています。「検討時間を制限する行為」については、それがある程度明確であることから、そこからさらに不当に行われるものを抽出する作業がこれまで行われてきたものと考えていますが、一方で、「高揚感や期待をあおる行為」については、これまで
「幻惑」に関して多くの時間をかけて検討してきており、広告を含めたあらゆる通常の営業活動が「期待を高める行為」に含まれ得るものであり、対象を不当なものに限定、明確化すべきということについて、かなりの時間をかけて議論して
きたと理解しており、改めて同じ議論をする必要はないと考えています。
また、「注意力を削ぐ行為等」については、「等」の内容が何を指すのかを含めて、例えば、景品をつけると「注意力を削ぐ」ことになるのか、また、お客様の特に気にされている点を重点的に説明するとその他の点について「注意力を削ぐ行為」とならないのかなど、具体的にどのような行為が対象となるのかが明らかではなく、これについても限定、明確化する必要があると思いますが、現状ではそこが明らかではないため、ここについても反対です。
また、2つ目の●では、「②について、①の行為がなければ、一般的・平均的 な消費者であれば当該契約を締結するという判断をしない場合を想定。」とされ ていますが、これも具体的にどのようなことがそれに当たるのかが不明確であり、医療行為など個々の状況により判断が異なり得るものや緊急時における正当なア ドバイスも否定されかねないと考えます。
したがって、これまでの検討を踏まえた上で、前回の御提案をベースにより具体化、明確化していく方向で規律を検討すべきであり、改めて、資料13ページ下段の●の記載については、反対いたします。
なお、「正常な商慣習に照らして不当」については先ほども申し上げたとおり、これだけで具体的な行為が正当であるか不当であるかを画することは難しいと考 えますし、「消費者が適切な判断をすることができない」についても、どのよう な判断が適切な判断でないのかが不明確であり、これをこのまま条文とすること はできないと考えます。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。xx委員の後に言いにくいのですが、私は消費者庁のこの13ページの方向性については賛成をしたいと思っております。10ページにありましたように、高揚感や期待をあおる行為についても取消しができるようにするべきという意見もありましたので、心理状態というのは時間だけではなくて、もろもろ13ページにありますように高揚感をあおるですとか注意力をそぐ等の要素も加味されての検討をする時間だと考えますと、このような方向で規定を設けていくように進めていただきたいと思っております。
先ほど、xx委員のモード1、モード2のお話で、私もなお整理ができたのですけれども、xx委員もおっしゃっていましたが、来年、xx年齢の引下げを考えますと、18歳からxxになる人たちの消費者被害が増えていくことは本当に懸念されているところでして、つけ込み型のところに包括規定を入れなくてもほか
の規定で救われるのではないかという座長の御意見もありましたように、ここで こういうものが入ったとして少しでもそれが防止できたり救済できるのであれば、ぜひこの方向でやっていただきたいと思っております。
今、xxxからの注意喚起の情報で、男性エステ、脱毛に関する被害がすごく増えているという注意喚起がありましたけれども、チラシを見て安いから行ってみたら、もっとお得なコースを勧められて、一旦クレジットの契約をしたけれども取り消したいとか、施行してもらった後に痕が赤くなって自分に合わないからやめたいとか、チラシを見ていって、あなたにはこれがいいですよとか、今だったらお得ですよという文言ですね。それについつられて契約をしてしまうことが本当に今でもありますので、ぜひ「心理状態に着目した規定」としてはこの方向で進めていっていただきたいというのが私の意見です。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。いただいている御意見から見ますと、現在のこの13ページの規定の方向性として示されている上の段の部分の基本的な考え方については、どのようなものを取消しの対象とすべきかというイメージに関してはある程度共有されているのではないかと思いますが、先ほどと同様で、それを特定するための規定の仕方について現在なお模索中であり、下の段で例示されているようなものをそのままというわけにはいかないという御意見がある一方で、特に①に関しては「検討時間を制限する行為」に限るような提案では不十分であるという御意見が前回かなり強く出ていましたので、それらの要素もカバーできるようにするにはどうすればよいか、検討していただきたいというお願いがここでされているわけです。
先に②に関して言いますと、先ほどxx委員から、これでもどのような場合がこれに当たるのかが明確でないという御指摘がありましたが、私の理解によりますと、①の行為ないし要件が具体化・明確化されれば、②はそれを受けた判断になりますので、特定が可能ではないかと思います。先ほど例示しておられた医療の場面や緊急時の正当なアドバイスも否定されかねないという点については、これらも①でカバーされる事柄だとしますと、それと切り離して②が判断されるわけではありませんので、そこはクリアできるのではないかと思います。したがって、問題は①をどう規定していけばよいか、そこについて共通了解が得られませんと規定化が難しくなってしまう面が強くなってきます。その点をこの場で建設的に御議論いただけないかというのが、お願いの趣旨でした。
大変恐縮なのですけれども、私からxx委員に質問をさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。今、私がここが問題と申し上げた点で、①について消費者契約法に具体的な規定を置くとすればどのような要件が適当か、そしてま
た事業者側からあるいは経済活動をされる方々から懸念が示されていることに対して、これならば大丈夫という説明が可能な要件立てをどうすればよいかという点について、お考えがもしあればお示しいただければと思います。もちろんそのとおりというわけではありませんが、手がかりをお示しいただけますと、取りまとめに向けて検討がしやすくなると思いますので、お願いしたいと思います。
○xx委員
①ですか。結論から言うと、にわかに具体的な提案があるわけではございませんので、もしそういうことであれば、私なりに後日になりますけれども、考えてみようかとは思います。申し訳ないです。今の時点ではそういう答えになると思います。
○xxxx
分かりました。もちろん、取りまとめに向けて意見をお出しいただければというようにお受け止めいただければと思います。
さらに私からまた質問をさせていただければと思うのですが、毎回恐縮なのですけれども、xx委員は、この問題について従来からずっと御研究もされてきているところですので、今、私がxx委員にお尋ねしたような規定の明確化に向けて、このような可能性、あるいはそれも問題かもしれないけれども、さらにこのような可能性、問題点の留保つきで結構ですので、具体的な御示唆をいただけますと、事務局も取りまとめに向けた検討がしやすくなると思いますので、お願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
○xx委員
ありがとうございます。なかなか妙案がなくという状態なのですけれども、今回の方向にあるような内容は、考え方としては恐らく一般的には同意されるところで、しかし、それがいずれも明確化できるのかというレベルで御議論がなかなか煮詰まらないということではないかと思っております。
「正常な商慣習に照らして」というのは、確かに何人かの委員の方から、例えば全く新しいビジネスなどの場合はどうかという御指摘もありましたけれども、しかし、ここは既存のものに照らしてということよりも、ビジネスプラクティスとしてそれを正常と判断できるかという判断になりますので、新規のものには全く当てはまらないということにはならないのではないかと思っております。そうしますと、不当性を判断するに当たって、ビジネスプラクティスとして許容されるものかどうかということを判断する要素として、表現にもう少し工夫の余地があるのかもしれませんけれども、このような形で一般的に置くことは十分にでき
るのではないかと思っております。
不当性については、例えば時間の制限ですとか、注意力をそぐ点についてもそ うですけれども、それが果たして一般的に許容されるレベルを超えているのとか、非常に例外的な異常な事態であるのかという観点は、契約の性質や類型によって 違ってくると思いますので、そういう考慮要素を出すことが考えられます。契約 の性質、類型、それから、どういうものがさらに挙げられるかということがあり ますけれども、そういったものに照らして検討時間を非常に短くするとか、ある いは広告等と異なる契約の勧誘をするような場合、それ以外もそうだと思います けれども、先ほどxx委員から重要な部分から注意をそらすということを言われ ましたが、そういった要素を盛り込むことが考えられるのではないかと思います。
高揚感をあおるというのは、確かに期待を持って契約に臨むというのは誰もがそうだという面もありますので、ここも結局はそのようなあおり方は異常であろうと考えられるものを捉えることになりますので、不当なのか異常なのかということはあるかと思いました。現時点ではそのぐらいしか思いつかず、申し訳ありません。
○xxxx
ありがとうございます。大変恐縮なのですけれども、もうお一方にお尋ねさせていただきたいのですが、xx委員、よろしいでしょうか。同様の質問ですが、xx委員もこの種の問題についてずっと御研究をされている方ですので、御示唆をいただければありがたく思いますが、いかがでしょうか。
○xx委員
ありがとうございます。私も規定の方向性自体はこういうものが必要なのだろ うということは理解するのですが、要件がかなり難しいという点では皆様と同様 の感触ですので「時間を制限する行為」「高揚感をあおる行為」「注意力を削ぐ 行為」というものなどを、「不当に消費者の判断の前提となる環境に対して働き かける」という形でまとめるのが適当なのかというのはよく分からなくて、そも そも環境というのはどこまでなのかとか、そういうことがよく分からないと思い ながら伺っておりました。xx委員が挙手をされているようですので、必要があ れば後で補足していただければと思いますが、xx委員の御説明を伺っていると、人間が冷静に契約をするかどうかを判断することができなくなる場合があって、 その状態から冷静に判断できるモードに切り替わるチャンスを奪うような、そう いう形の働きかけ方なのかと思っていました。要するに、検討時間を制限するの も、高揚感をあおるのも、注意力をそぐのも、結局一回冷静になって考えようと 思う機会を意図的に奪うというのですか、そういう行為、そういう意味での環境
づくりのようなことをしたケースを捉えて意思決定をゆがめていると言っているのではないかという気がいたします。
冷静になる機会が幾らでもあるのにただ高揚感のままに契約をした消費者につ いて、それを保護するというのは行き過ぎな部分もあるかという気がしますので、事業者の行為規制という意味でいうと、冷静になるチャンスのようなものを奪う 行為を捉えるべきなのだろうとは思うのですが、それをどのように条文に書けば いいのかが、まだ私も十分に自分でもまとまっていない段階でございます。以上 です。
○xxxx
ありがとうございます。いずれにしましても、先ほどxx委員に申し上げまし たとおり、この点の明確化が恐らく一番大きな課題になっていると思いますので、具体的な御提案があるようでしたら、この場だけではなく、今後もお出しいただ ければと思います。
今、xx委員からお手が挙がっているという御発言がありましたが、xx委員、お手を挙げておられましたでしょうか。お願いいたします。
○xx委員
「条文に」ということではとても意見を出すことはできないのですけれども、方向性という意味で、xx委員やxx委員が先ほど言われたような指摘というのは本当に商行為として普通にやられていることで、おっしゃるとおりですね。こういうものを、私たち社会心理学の分野では社会的影響力という表現をします。こういったものを一つ一つに分解して、具体的な行為を指摘しても違法性を問うのはなかなかむずかしいわけなのです。しかしながら問題は、それを総合的に体系的に用いることによって大きな影響力を人に与えていることがずっと前から指摘されています。そして、承諾を何となく誘導していくという心理操作、あるいは「マインドコントロール」という表現をすることもあります。つまり、もう一度申し上げますけれども、では「どの行為がそれに当たるのだ」と分解して、あるいは分析的に捉えることはなかなか難しく、総合的な影響力なのだという理解をしていく必要がある。
だから、それを考えると、不当に濫用すること。病気で言えば、合併症の怖さであるという理解をしてください。一つ一つの病気が死に至るほどではないにしても、実は幾つか組み合わせることによって大きな影響力を持っているというのは、人間の体に起こっていることはどなたも御存じだと思いますので、そういった現象だという理解をすることが方向性に大事な考え方と思っております。以上です。
○xxxx
どうもありがとうございました。何が共有されていて何が問題かという点は、先ほどから申し上げているとおりでして、カバーすべき問題がある、そして、xx的には何が問題かという点につきましては、xx委員からも御補足いただきましたように、そういった事柄が問題なのだろうということは共有されているのではないかと思います。
その上で、何度も申し上げていますように、それをどう規定にしていくか、特に規定の方向性のうちの①、②とあるうちの②は、これが必要であるということは了解可能ではないかと思います。これは、クーリングオフではなくて、意思表示の広い意味での瑕疵を理由とする取消しに当たりますので、②の意思決定がゆがめられた、とりわけ「①の行為がなければ、一般的・平均的な消費者であれば当該契約を締結するという判断をしない」という意味での意思表示の瑕疵があるのであって、それを理由とする取消しである。ここまでは大丈夫だろうと思います。①の部分の規定をどう定めていくか。ここが鍵であり、幾つか御示唆をいただきましたけれども、さらにそのアイデアをどのように具体的な言葉にしていくかという点については、なお詰めていく必要があるということではないかと思います。
この点については、先ほどから何度か私もお願いをしていますけれども、私自身も含めてなのかもしれませんが、このような形で皆さんの考えていることを具体的な規定にすることができるのではないかという御示唆がありましたら大変ありがたいことですので、それも踏まえまして、事務局で取りまとめの作業をさせていただければと思います。事務局も今日の議論を踏まえた上で、取りまとめに向けた作業を進めていただければと思います。事務局から何かございますか。
○xxxx
事務局からは特にコメントはございません。どうもありがとうございました。
○xxxx
それでは、よろしくお願いいたしたいと思います。大変恐縮なのですが、時間が大幅にオーバーしておりまして、休憩なしに続けるしかない状況になっています。申し訳ありません。
続いて、3の「判断力不足に着目した規定」について議論を行いたいと思います。先ほどと同様、挙手機能を用いてお申し出ください。
xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。今回の資料が規定の方向性ということで、基本的には前回の提案をもう一度考えてくださいという趣旨なのかと思っておりまして、前回の提案に対する補足意見という形で御容赦ください。
一つは、判断力低下を客観的に見ることは賛成いたします。なかなかこれを事 業者が認識する主観的要件という組立ては現実的には難しかろうと思いますので、客観的な指標を用いてということは賛成いたします。ただ、それの前提で、xx 先生のヒアリングもありまして、令和2年6月の京都地裁の裁判例を出されてお りましたので、若干補足します。実はこの裁判は私が代理人ですので、その観点 から補足させていただきますと、実際にこの方はMMSEで言うと、契約より前の段 階で15点という判定までいただいておりました。MMSEで20点以下が中等程度と言 われていますが、その中でもかなり低い状況でした。契約前からそうなのです。 契約が6月で、4月の診断で15点という判定でした。15点というのはどれぐらい かといいますと、看護記録で出ていますが、排せつなどもきちんとできないので す。幻覚、幻影も出ていますし、自宅があったのですけれども、自宅はごみ屋敷 状態、病院に入っても、汚い話ですけれども、トイレもびちゃびちゃになってし まう。意思能力の点では、そういう状態の方でした。では、問題となった契約の 類型はどういう契約かといいますと、身元保証契約という契約で、亡くなった後 の死後事務を身元保証会社がやりますというような契約です。また、判断力が落 ちたときにいろいろサービスしますといった内容。それの入会金が70万ですが、 入会金の不返還の規定があったり、月々の会費を払いつつ、さらにサービスごと の追加費用が出るというような契約であり、契約類型で言うと、料金体系やサー ビス内容がにわかに理解できない、複雑な内容の契約でした。
注意していただきたいのは、この契約は財産を毀損する契約ではないのです。著しい生活に支障を及ぼすような契約ではございません。ただ、内容がなかなか複雑というか、簡単に理解できるものではないのではないですかと。そういった要素が合わさって現行法においても意思無能力での取消を認めるという判断をされています。本検討会で創設を求められている規定は、単に現行法の意思無能力規定を確認するようなものでは足りないはずです。繰り返しになりますが、さらに進んで高齢者の判断力不足に至った人を救うような規定を創設してくださいというのが国会からの要請です。それに応える必要があると思っておりますので、前の提案で例で挙げられていた、15点が出たら半年前までは契約が今回の新しい法律で取消しができるというような、あくまで例として挙げられたのでしょうけれども、それでは狭過ぎるという印象を持ちました。現行法でも意思無能力取消し、しかも財産毀損ではないような契約で取消しができるような場面ですから、もうちょっと前段階から、例えば中等程度に至って財産毀損がなくてもある程度
理解ができないような複雑というか、高齢者にとっては理解がすぐできないような契約が取消しできるような形まで持っていく必要があろうかと思います。
xx先生のヒアリングでも、MMSEで20点以下は買物はできますが、不動産取引は無理ですし、また、高額でなくても複雑な契約は無理というような整理をされていたと思いますので、そういったことも着目しながら対象となる契約類型についてももう少し検討が必要かと思っております。
○xxxx
ありがとうございます。議論がこの段階に来ておりますので、私からxx委員に確認なのですけれども、取消しの対象となる契約をどのように考えるかということが論点の一つになっています。今の御提案をそのまま受け止めますと、18ページの1つ目の●のような「当該消費者の生活を将来にわたり成り立たなくするような契約」を対象にするだけではなく、さらに広げるべきであるという御提案だと思うのですが、その広げるものを特定する要件立てとして、「当該消費者の理解する能力から見て複雑な契約」を明文化するべきであるという御提案なのでしょうか。
○xx委員
それがないと反対するということではないのですけれども、現状の被害やこの検討会に国会から求められている要請からすると、そういうものが本来入るべきではないかという意見です。前回も言いましたけれども、「生活に著しい」に匹敵のもので今回は整理するというのは、それはそれでありかと思っていますが、ただ、そこで考えるに当たっても、高齢者は今財産が全て毀損されなくても、将来にわたって、今は大丈夫でも将来難しくなるといった場面がありますので、ちゃんとそういったことも捕捉できるようには最低限していただきたいというところでございます。
○xxxx
「していただきたい」ではなく、「御提案いただきたい」ということなのですけれども、今のお考えを含めて御議論いただければと思います。
xx委員、お願いいたします。
○xx委員
アジアインターネット日本連盟のxxでございます。今回の御提案は前回の御提案からさほど大きく変わっていないという印象を受けておりますので、規定の方向性については引き続き懸念がございます。
最初に18ページ目の3つ目の●から申し上げますけれども、「消費者の判断力 については、客観的な基準により判断することとし、事業者の認識は要件としな いこととしてはどうか」とございますが、前回からも何度も申し上げていますが、そもそもつけ込み型の不当勧誘取消権として検討してきたことを踏まえれば、判 断力の著しい低下に関する事業者の主観を全く問わないことはあり得ないと考え ております。加えまして、主観面を問題にしないとなりますと、事業者は契約の 安定性を確保するために消費者の判断力を把握する必要が生じるわけですけれど も、実際に事業者が消費者の判断力を把握するのは極めて困難ですし、消費者が 何らかの検査結果を有していたとしても、取引時における状況が正しく把握でき ているとも限りませんので、消費者の判断力に関する事業者の主観は必須の要件 であると考えます。
また、2つ目の●で「取消しの対象となる契約であることについて、事業者の悪意又は悪意と同視される程度の重過失がない場合」ということなのですけれども、この点につきましては、事業者側から見たときにどの程度の注意を払ったり調査をすべきなのかということについて戸惑うところがありますので、これは学識者の先生に伺ったほうがいいのかもしれませんけれども、どのように解するべきなのかについて、いろいろ御示唆をいただければと思います。
従前から申し上げておりますように「当該消費者の生活を将来にわたり成り立たなくするような契約」につきまして、なかなかこれは事業者がどのように判断すればいいのか分からないところがございます。そもそもインターネット取引では得られる消費者の情報が限られておりますので、個々に状況を把握することは大変困難なところがございます。また、よく不動産取引が例に取り上げられるわけなのですけれども、消費者によっては不動産ほどの大きな金額の取引でなくとも消費者の生活が将来にわたり成り立たなくなる可能性も否定できないと思います。
したがいまして、取消しの対象となる契約であることについて「事業者の悪意又は悪意と同視される程度の重過失がない場合」について、事業者側がどの程度のことをすればいいのかということについてさらに明確化することが必要かと考えます。以上です。
○xxxx
ありがとうございます。重過失についてのお尋ねがありましたが、私が答える能力を持っているわけではないのですけれども、重過失については、様々な法律で規定があるところで、それぞれの法律ないしはその規定の目的や趣旨に応じて意味合いが少し変わってくるところがあると思います。現在の規定の方向性で示されているのは、「悪意又は悪意と同視される程度の重過失」です。これは、も
しこのように規定するのであれば、次のような趣旨であることを示唆しているように思います。
それは、まず、悪意が要件である。この場合は、「当該消費者の生活を将来にわたり成り立たなくするような契約」であることを知っているということが、悪意の意味です。
ただ、これは事業者側の主観に関わるものですので、実際にはなかなか立証が 難しい。恐らくは知っているはず、知っているとしか思えないのだけれども、そ の立証が非常に困難であるという場合は、悪意と同視することができる程度の重 過失があるということができる。したがって、仮に悪意と認定できないとしても、それと同程度の重過失があるので、要件を満たすという形での解釈・適用を想定 しているということではないかと思います。あるいは、法律や規定によっては、 注意義務の定義をさらに高くすることとし、その高い程度の注意義務に反してい る場合に重過失があると解釈すべきであるという場合もありますが、そういった ものをここで規定の趣旨として考えようとしているわけではないという提案にな っているのではないかと思います。
しかし、これは規定の解釈、あるいは立法の趣旨に関わることで、私が今申し上げたように必ず解釈されていくわけではないのかもしれませんが、この場でそのような議論をしているということは、一つの手がかりになり得るだろうと思います。言い過ぎたかもしれませんが、補足は以上のとおりです。
それでは、この3につきまして、ほかに御意見があればお出しいただければと思いますが、いかがでしょうか。特に規定の対象、認識の対象について意見がまだ分かれている面がありますので、とりわけ規定の対象につきまして、具体的にどのように規定するかという点を中心に御意見をいただければ大変ありがたく思います。いかがでしょうか。
xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。まず「対象とすべき」のところなのですけれども、
「生活を将来にわたり成り立たなくする」と。なかなか難しいところではあると思うのですが、現実にどんなことが起こっているかを申し上げますと、高齢者の方は財産を結構持っていらっしゃる方がいます。事業者は当然まだ高齢者の域に入っていない方が多いわけですから、まだ働き盛りで貯蓄もそんなにない。そうすると、この契約で支払ったところで、あの高齢者の方はお金を持っていらっしゃるのでそんなに大変なはずではないみたいな考えを言われることがあります。ただ、これはその事業者がどうのというわけではないのですけれども、働いている世代であれば今後もまた所得がありますが、高齢者の場合は幾ら資産があって
も食い潰していく形になります。昨今、非常に高齢社会になっておりますので、自分の余命はどれぐらいかということを考えると、将来にわたり生活が成り立たなくなるようなという部分は、かなり慎重にしっかりと幅広に考えていくべきであると考えております。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見はありますでしょうか。
○xxxxx
xxxx、xx委員からお手が挙がっております。
○xxxx
xがつきませんでした。申し訳ありません。では、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
お願いいたします。消費者庁資料18ページ上段に記載された方向性自体については、理解できなくはありません。しかし、これまでも、「判断力の著しく低下した」消費者の締結した契約に取り消し得るべきものがあり、その整理、明確化の対象がこのようなものであることを前提に検討してきたものと考えています。
また、資料18ページ下段の3つの●について、1つ目の●と3つ目の●については前回の御提案から変更はなく、2つ目の●についても、前回の御提案の内容からの変更点は、「当該消費者の生活を将来にわたり成り立たなくするような契約」であることについて、「事業者が善意でかつ過失がないときを除く」としていたものを「事業者の悪意又は悪意と同視される程度の重過失がない場合には、取り消すことができない。」と変更した点だけであり、それだけでは事業者に対応が求められる事項が前回の御提案と変わることはないため、前回提出した私の意見や発言内容をそのまま今回も引用した上で、御提案には反対いたします。
1点付け加えますと、令和3年6月18日に閣議決定された「成長戦略実行計画」の第2章「5.デジタル技術を踏まえた規制の再検討」の「(2)金融分野」で は、「金融商品販売における高齢顧客対応に関して、AI等の活用を含む投資家の 能力や状況に応じて柔軟な顧客対応を図る制度改正について、本年度中に結論を 得る。」とされています。これは、現状、金融商品販売時における高齢顧客対応 において、一定の年齢を目安として画一的な対応となっている可能性があるのに 対して、認知判断能力の確認とそれに応じたきめ細やかな対応を目指すものとさ れています。まずは適合性の原則が適用される金融商品から行われることになる
と思われますが、これを契機にAI等の活用により消費者の認知判断能力を正しく判定する努力が金融機関を中心に行われていくことが想定されます。このような点からは、前回の意見にも書きましたが、「判断力の著しい低下」に関しては、事業者の主観面を要件とするか、または、事業者が消費者の判断力の確認を求めた場合にはそれに応じる義務、応じなければ取り消すことができないという内容の規定を置く必要があると考えます。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。今の点を含めまして御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。現状ではまだ収れんしているようには思えません。
xx委員、お願いいたします。
○xx委員
判断力が衰えている方に対して、あなたの判断力が衰えているかどうか契約を するに当たって確認をしたいのでそういったものを出してくださいと言うのは、 現状としてなかなか厳しい状況があると思うのですけれども、そういう場合はど のように考えたらよいのか、今のxx委員の御意見に対しての分からないことで、御質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
○xxxx
xのは、xx委員に対する御質問と見てよろしいですか。
○xx委員
そうです。
○xxxx
分かりました。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
現状でも、生命保険の受取人変更のケースなどでは、意思能力の有無が問題になり、お申出をいただいて書類を書いていただく際に、一定年齢以上の方々に対し、意思能力があるかどうかを判断する手続を行うことがあります。これまでも出てきたxxx式スケールを簡略化して質問をし、点数をつけて確認するケースもありますし、「成長戦略実行計画」ではAIを使って質問をするのだと思いますが、その答えにより認知判断能力を判定することになります。
また、判断能力にはある程度日によって波があると言われていますので、調子
のいいときに「病院に行かれているのですか、病院に行かれているのであれば診断書をもらってきてください。」とお願いすることは今もあり、その意味では協力を求めることは可能と考えます。以上です。
○xxxx
ありがとうございます。xx委員、よろしいですか。
○xx委員
ありがとうございました。ただ、金融業界はかなりこの点が金融商品を扱うこともあって進んでいるのは承知しておりますが、今回の消費者契約法ですと様々な取引類型、様々な業種が入ってきます。ですから、高齢者の場合の被害につきましては、今、金融商品なり監督官庁がそれなりにかなりしっかりと見ているところ以外の取引もカバーしなくてはならないということで、考えていきたいと思っております。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。少し別の論点に関わるのですけれども、私からxxxx委員に確認をさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
ごくxxxのことなのかもしれませんが、一定の取引について、一定年齢以上かどうかも問わなくなると思うのですが、当該契約を行うだけの能力があるかどうかを明示または黙示に、つまりAI等を用いて判断をして、その上で契約をするというプラクティスが広がっていくことが許容可能なのかどうかという前提問題があるかと思うのですが、これはいかがでしょうか。
○xxxx委員
xxです。その辺りは具体的に私自身で検討して何か経験を持っているわけで はありません。ただ、相当センシティブな側面を結局プロファイリングしていく ことになろうかと思うので、これを本人の同意あるいはその周辺の関係者の同意 なく一般的にやっているのかどうかという問題はあろうかと思います。ですから、これが一般的に広がるかどうか。もちろん、そういったプロファイリングの結果 については逆に悪用もできるところだと思いますので、そういう意味では慎重さ が必要になるのかという気はいたします。だから、どういう場面でそういうこと をやるのかどうかも含めてかなり慎重な検討が必要になってくるように思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございます。現状でも意思無能力無効が民法でも明文化されている ところでして、現にある問題ではないかと思います。もちろん判断力の不足、そ れも意思無能力にまでは至らない判断力の不足を理由の一つとした取消しの規定 を創設するならば、より一層その問題が大きくなる。事業者側からすると懸念が 大きくなるということではないかと思います。ただ、プラクティスとしてそのよ うな方向に進むのが望ましい社会なのかというと、私も懸念が残るところでして、御確認させていただきました。
この3の論点につきましては御意見をいただいていますが、対象として「当該消費者の生活を将来にわたり成り立たなくするような契約」を挙げることについては、これでもまだ明確ではないという御指摘もあったと思いますけれども、方向としてはこれ自体としては大きな異論があるわけではないように思いました。もちろん、これだけに限定する、ないしはこれが狭く解釈されると本来救済されるべきものが落ちていくという御懸念が幾つか指摘されていたところと思いますが、議論の状況は以上のとおりではないかと思います。
対象となる契約の明確化という点と連動した話ではないかと思いますが、善意または無過失というのではなく、悪意または重過失がない場合は取り消すことができないということについては、御理解を得られている部分もかなりあったようには思いますが、なお懸念が残る、特に重過失の意味次第によっては前回の問題と重なってくるという御指摘もありました。ただ、これは重過失の意味をどう捉えるか、そしてまた、前提となる取引がどの程度明確なものとされるかによって大きく変わってくるように思います。
最後の消費者の判断力について、客観的な基準によって判断すること自体はよ いとしても、事業者の認識を要件としないことについてはxx委員からは御懸念 が示されていたところであり、xx委員からは、もし客観的な基準のみであると するならば、事業者側から確認を求めればそれに応じるということをしていただ かないとなかなか難しくなるという御指摘がありました。しかし、それに対して は、本当にそれで世の中としてよいのかという問題も出てくる余地があることも、併せて指摘しておく必要があるように思います。
議論の状況は以上のとおりでして、なお成案が得られるところまで意見が一致しているわけではないようには思いますが、前回に加えて今回も議論していただきましたので、ポイントが少し明確になってきたように思います。以上を踏まえまして、次回に向けて事務局で取りまとめに向けた作業を続けていただければと思います。事務局から何かございますか。
○xxxx
特にございません。どうもありがとうございました。
【4.資料2「立証責任の負担を軽減する特則における営業秘密の保護」についての説明】
○xxxx
それでは、大変恐縮なのですけれども、残り2つの問題が残っていますので、休憩なしで進めさせていただければと思います。続きまして、資料2「立証責任の負担を軽減する特則における営業秘密の保護」に進みたいと思います。
まず、事務局から説明をしていただき、その後、意見交換を行いたいと思います。それでは、説明をお願いいたします。
○xxxxx
承知いたしました。連続して恐縮でございますけれども、資料2「立証責任の負担を軽減する特則における営業秘密の保護」について御説明させていただければと思います。
資料をお願いいたします。2ページに参りまして、前回の御提案の内容を記載しておりまして、特許法と同じような規律を導入してはどうかという御提案をさせていただきました。
3ページに参りまして、前回の御意見としてあったところとして、営業秘密の保護を検討するに当たりまして、秘密保持命令について御示唆のあったところでございますけれども、それを導入するに当たって検討すべき事項をまとめております。
個々の内容は各ページで説明させていただければと思いますので、4ページに進みまして、積極否認の特則と秘密保持命令の関係をどのように考えるかというところでございます。積極否認の特則を設けるときには、営業秘密の漏えい防止の観点から、特許法に準じた守秘義務等の罰則を設けるべきという御意見をいただきxxxxx、2つ目の●にありますとおり、この2つが1対1で対応するものかという御意見や加えて3つ目のところでございますけれども、罰則のような形で消費者の義務が加重されることによって消費者が萎縮をしてしまって、積極否認の特則が効果的に使われないのではないかという御意見もいただいたところでございます。
5ページに参りまして、こちらは秘密保持命令制度、現行の特許法を御参考までにつけさせていただいたところでございます。
6ページに参りまして、前回御指摘のあった秘密保持命令と積極否認の特則がセットではないかというところの御意見と、xx委員から御指摘いただいた経緯のところもございましたので、改めて整理しましたところ、平成11年で積極否認の特則が導入されて、その後、平成16年に文書提出命令の特則についてインカメ
ラにおいて原告、被告両方とも見られるような手続という内容の拡大をするとと もに、その際に秘密保持命令が導入されたというところの御紹介をしております。
7ページに参りまして、こちらも御参考までではございますけれども、秘密保持命令と積極否認の特則、こちらの関係性を紹介する文献の抜粋でございます。
8ページに参ります。こちらは検討事項の2つ目でございまして、秘密保持命 令等の形で営業秘密の保護を図るのであれば、改めてこの文書提出命令の特則を 導入するのが考えられるのではないかというところでございまして、主な御意見 としては、文書提出命令の特則があることによって努力義務などの実効性の確保 ができるのではないかという御意見を前回いただいたところでございます。また、こちらも御意見のあったところでして、利用主体を適格消費者団体に限るという 方向性も考えられるのではないかというところでございます。
9ページに内容を整理しておりまして、それぞれ積極否認の特則、文書提出命令の特則、秘密保持命令等が導入された時期等について記載したものでございますけれども、秘密保持命令が入るとセットで文書提出命令の特則の内容が拡充されたり導入されたりという経緯がございますので、秘密保持命令を検討するのであれば、改めて文書提出命令の特則も検討してみてもよいのではないかというところで御提案しているところでございます。
10ページに参ります。こちらは仮に秘密保持命令を導入した場合の実務運用が可能かどうかというところにつきましても今までの検討会では御意見があまり出ていなかったところかと思いましたので、改めて検討事項として掲げさせていただいたところでございます。
具体的な実務内容は11ページで御紹介しておりまして、秘密保持命令を出すに当たっては、刑事罰がございますので事前に営業秘密の範囲がどの範囲か、あるいは名宛人はどうするのかというところを、裁判所、当事者を含めて事前にきちんと協議をした上で出すというプラクティスが知財関係訴訟では確立している運用のようでございまして、恐らく平均的損害に導入するに当たっても同じような運用が必要になってくると思われます。同じような事前協議が平均的損害の訴訟の場においてもできるのかどうかに関して、皆様から御意見をいただければと思っております。
最後、12ページに参りまして、提案ではございますけれども、積極否認の特則を導入しても事業者は「相当の理由」により裁判において営業秘密を明らかにする必要がなく、これで営業秘密の保護が図られることを踏まえますと、秘密保持命令のようなxxな制度は、文書提出命令の特則を導入する場合に合わせて設けるという形で検討してはどうかという形の御提案をさせていただいているところでございます。
駆け足で恐縮ではございましたが、資料2についての説明は事務局からは以上
でございます。
【5.資料2「立証責任の負担を軽減する特則における営業秘密の保護」についての意見交換】
○xxxx
ありがとうございました。それでは、この「立証責任の負担を軽減する特則における営業秘密の保護」について、意見交換を行いたいと思います。
今回も前回と同様に、各論点について全委員に一通り意見を述べていただくと いうだけではなく、それぞれの意見に対する御質問、御意見を充実させるという ことで、議論を深めるために、各論点についての御意見を事前に御提出いただい た上で、ほかの委員に共有してお目通しをいただいています。したがいまして、 順番に御発言をいただいていた部分はこの資料4で代えさせていただき、これを もとに各意見に対する御意見や御質問等を交換していただくという形で議論を進 めたいと思います。1回当たりの御発言は2分程度をめどに簡潔にしていただき、他の委員の御意見を踏まえたさらなる御発言等も積極的にしていただければとい ますので、御協力よろしくお願いいたします。
それでは、御発言を希望される委員の方は挙手機能を用いてお申し出ください。xxxx委員、お願いします。
○xxxx委員
私は意見を出していないのですけれども、この論点で若干お話をさせていただきます。基本的な方向性はこの事務局の提案というか、最後のところのお話に賛成ということです。今回の規定はこれまでも繰り返し言われていますように、あくまでも民事訴訟の一般的な規律である積極否認について、この特有の場面について一定の特則というか明確化を図ったものということであろうと思っております。そういう意味では、この積極否認の規律に反した場合の効果については学説上はいろいろ議論のあるところでありますけれども、基本的には明示的な制裁はないようなものとして位置づけられておりますので、これに対応するものとして秘密保持命令を導入するというのは、ややバランスとしてどうかという印象は否めないところがあります。そこまでやるのであればこの積極否認をより強化するような、例えばそれを履行しない場合には自白を擬制してしまうとか、非常に強いものとして入れるか、あるいは事務局が言われるように文書提出命令についてより強化したものを考えていくことになっていくのだろうと思います。その方向もないとは思いませんけれども、今回の改正でそこまで行くのかというと、ややラジカルかと。特許等の知財のほうでの改正の経緯もありますように、基本的には徐々に状況を見ながら改正をしていったということだと思いますので、今回や
るとすれば前回の提案の辺りが穏当なところかとは思っております。
ただ、その点、この積極否認をやるにしても、個別消費者との関係でこれを認める場合の懸念が示されているように思いまして、私自身も前回やや観点は違いますけれども、個別消費者に対して説明する場合と適格消費者団体に対して説明する場合とでは段差があるのではないかということは申し上げまして、低いほうに合わせることになるのは問題であろうということを申し上げたと思います。その部分の懸念が強いとすれば、今回の改正は、これは前にも申し上げたところですけれども、適格消費者団体を相手方にした場合に限定をし、個別消費者については一般的な民事訴訟法の規律、現在の積極否認の規律に委ねる方向性も考えられるのではないかと思っております。いずれにしても、個別消費者に対してかなり数字が入った事柄を説明するというのは、これはxx委員の意見にもありましたとおり、いろいろな局面を考えるとなかなか難しいところはあるのだろうとは思っているところであります。
いずれにしても重要な点は、こういう解約金条項を定める際に、事業者側が周りの業者、同じ業者もそうやっているからという話ではなくて、自分たちの平均的損害の額を意識してそれとの比較で解約金条項を定める、その際、理由を説明された場合にはそれがきっちり説明できるだけの資料を整えておく、それができないならばもう解約金条項を諦めると。そういう行為規範を打ち立てるところに大きな意味があるのだろうと思っておりまして、そうだとすれば、仮に適格消費者団体との関係に限定したとしても、適格消費者団体から訴えられる可能性があるのであれば、そのような行為規範を担保することは可能なのではないか、そういう目的はそれで達成できるのではないかという気がしております。
もちろん、実際にやってみて不十分な点が多いというところが分かってくれば、特許法がやったようにさらに強い方向に対応していくことは十分考えられる、あ xxは対象を広げることも十分考えられると思いますけれども、現段階では私は その辺りが適切なのかと思っている次第です。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。意見は事前に出したとおりでございますので、繰り返すことはいたしませんが、ある程度取りあえずつくってみて実務の運用に委ねる側面があるのかと思っております。
ただ、これも今回のこの検討会では立証負担を軽減する策を、現状のままでは駄目ですから、現状の立証負担、それが課されることで不利な状況になっている
ことの軽減策を創設しないと駄目なのです。現行法よりもちゃんと今回規定をつ くることによって、実務の運用によってこれの解決が図られるようにする、なっ ていければありがたいのですけれども、そこが制限されるような形で持っていく のはまずいと思っています。具体的には、例外要件の「相当の理由」というのは、実務の運用ではある程度厳格にしていく必要があります。そうでなければ現状と 同じことになってしまいますので、現状を変える規定の創設をしたことにはなら ないことになってしまいますので、その点、「相当の理由」について、何でもか んでも、ここの例外に当たるというような考え方はよくないかと考えております。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。xx委員、続いて、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
xxです。どうもありがとうございます。私は今回の御提案には基本的には賛成でありまして、書面でも事前に申し上げているとおりですけれども、先ほどxxxx委員の御発言にありましたように、適格消費者団体を対象に絞った形で規定を導入するということであっても、一定の効果が見込めるということは確かにあろうかというようにも思います。ただ、これも従前に述べていることの繰り返しにはなりますが、効果の面で直接の制裁が予定されているものではないということでもありますし、また、例外要件としての「相当の理由」につきましても、これは相手方が適格消費者団体であるのか、それとも個別の消費者であるのかというところで当然解釈が変わってき得るものだろうと考えておりますので、指摘されている個別消費者との関係での御懸念については、そういったところで対応は可能ではないかというように現時点では考えております。
逆に申しますと、そういう意味では個別消費者との関係では営業秘密として保護に値するということであれば、かなり相対的には広く「相当の理由」が認められるということになるかと思われますけれども、秘密保持命令の場合ほどではないにせよ、法律上、守秘義務を課せられている適格消費者団体との関係では、営業秘密に該当するということで直ちに「相当の理由」が認められるかどうかというと、これは当該秘密の重要性等、様々考慮した上での総合的な判断になるのかと思われますので、営業秘密であれば当然に除外されるとか除外されないといった形で一律に論ずることはなかなか難しい問題なのかと考えているところです。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。xx委員、お願いします。
○xx委員
アジアインターネット日本連盟のxxでございます。2点申し上げます。
まず、積極否認の特則でございますけれども、意見につきましては事前に提出しておりますように反対ということで申し上げさせていただいておりますが、これはどなたに質問というか、確認させていただければいいのか戸惑うところがあるのですけれども、事務局提案に賛成されている方々の共通の御理解を確認したいのですが、仮に積極否認の特則が導入された場合に、私の意見書の中にも書かせていただいたのですけれども、事業者に積極否認が求められるとしても、それは消費者団体がしっかりと疎明を行った後であるということを明確にすべきではないかと考えております。そうでないと、何でもかんでも説明を事業者側に求められるということになりますと、この議論が始まった最初の頃に申し上げましたように、ある意味、立証責任を転換している形にもなりかねませんので、何らかの疎明が行われた後であるということが当然だという理解をしているのですけれども、皆さんそのような御理解で賛成されているのかどうかということを確認したいというのがございます。
もう一点は、文書提出命令の特則なのですけれども、今回の事務局の御提案は私の理解するところ、文書提出命令の特則の導入については提案されていないという理解をしているので、意見書の中にも書いておりませんけれども、あえて補足で申し上げますが、文書提出命令の特則につきましては、先日の消費者団体のヒアリングからも特に立法事実は明確にならなかったと認識をしております。例えば京都の消費者契約ネットワークの御説明の中でも、実際の裁判の中で文書提出命令申立てを行い、裁判所が自己利用文書及び職業の秘密が記載された文書に該当するので文書提出義務を負わないと判断されたと承知しておりまして、新たに特則を導入することで何らかの事態が変わるというのは考えにくいのかと思っております。
したがいまして、原告側が十分な疎明を行い、それによって事業者側の反論の義務が生じることとし、その反論に曖昧不明な点があれば求釈明の申立てや文書提出命令の申立てを行えばいいのではないかと考えておりますので、文書提出命令の導入についても必要ないと改めて申し上げたいと思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。1点目の御質問については、御専門のxxxx委員、xx委員から御説明ないし御補足をいただければと思いますが、いかがでしょう か。xxxx委員、お願いします。
○xxxx委員
どの程度その学会、学説において共通的な理解があるのかということは私も確信を持って申し上げられませんけれども、私自身はこの規律、民訴規則の規律も含めて、広い意味での事案解明義務といいますか、主張・証明責任を負っていない当事者にどの程度の事案解明の責任を持たせるのか、「事案解明義務」という言葉がドイツにあまりに毒された言葉であるとすれば「xxx」と言い換えてもいいのだろうと思いますが、そういうものだろうと思っています。
そういう意味では、原告側が全く抽象的な主張をしているようなものにすぎないときに、この行為規範としてもそういう積極否認といいますか、間接事実の主張を被告側に求めることができるかというと、それはそうではないのだろうと。ただ、この局面というのは、原告側というか、主張・立証責任を負っている側がなかなか詳細な事実を主張できない場面でこのようなことが問題になることが多いという局面からすれば、原告側が自分でできる範囲の事柄調査等をして、それで主張を尽くしたと見られるような場合には、被告側にそのような積極否認義務といいますか、そういう説明をすべき責任というものが発生すると。事案解明義務では一定の手がかりというような、覚えていませんが、何かそういうようなことが言われますけれども、そのようなところ。それはしかし、かなり具体的な事案の中でどこまで原告側がやればいいのかは決まってくるということで、今の質問に答えるとすれば、何もやらなくていいというわけではもちろんないということですが、どこまでやるかはかなり具体的な事案によることになるのだろうというのが私の認識です。
○xxxx
ありがとうございました。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
xxxx委員が御説明されたとおりでありまして、何もしなくてもいいということではないと。ですから、「疎明」という言葉をどう理解するのかということにもよるかもしれませんけれども、原告の側で可能な限り具体的な主張をすることは必要であろうと考えております。ただ、これもxxxx委員の御指摘のとおり、それがどの程度であるのかということについては、事案によってバリエーションはあり得るということかと存じます。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。xx委員、以上のとおりですが、よろしいでしょう
か。
○xx委員
少しは安心したのですけれども、事業者側の心配をどのように払拭していただけるかを期待したいと思います。
○xxxx
ありがとうございました。続いて、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
お願いいたします。消費者庁資料12ページの御提案の方向性については、文書提出命令の特則を導入しないことを前提に、最終的には一定程度やむを得ないものと理解できなくはないと考えています。
しかし、意見にも書きましたが、商品・サービスの価格設定が必ずしも損害の発生を前提としないことなど、「平均的な損害」に偏った議論が経営や取引の実際からかけ離れたものとなっていると考えており、また、訴訟の構造も必ずしも特許法等とは同じでない中、特許法等の制度をそのままこちらに持ち込むことには無理があると考えます。
また、前回も申し上げましたが、御提案は、積極否認の特則の主体として「消費者」も加えるものとされ、一方、民事訴訟法改正において検討されている目的外利用や第三者開示の禁止においても、特段の制裁規定が置かれない方向となっており、営業秘密を含む内容を準備書面に記載した場合などの営業秘密の保護について、十分なものとは言えないと考えます。
また、特則の主体が適格消費者団体であっても、消費者契約法25条では「秘密を漏らしてはならない。」とするのみで、目的外利用の禁止をxxで定めるものではなく、また、その違反の効果も特許法などにおける秘密保持命令違反の効果とは大きく異なるものとなっています。また、第9回や第15回で検討されていた濫訴の防止についても、明確な対応がなされていません。
したがって、意見1-1の2つ目と3つ目に書いた対応をする必要があると考えています。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見はございますでしょうか。積極否認の特則を、今の留保はあるかもしれませんが、適格消費者団体に差し当たり限定して規定を設けることについては御理解が得られているところではないかと思います。
xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。この解約料の問題については、そもそも、消費者被害 を防ぐという観点で言えば、立証責任の負担軽減というよりは、契約時にキャン セルポリシー等によって、キャンセル料やその他について事前提示があれば足り るのではないかという問題意識を事業者側は持っています。キャンセルポリシー をはっきりと提示していない、あるいは消費者が十分に理解していなかった場合 に今回のような問題になるのだろうと考えます。そうしますと、積極否認の特則 の導入に関する議論以前に、契約時に解約の場合のキャンセル料の提示を行うな ど、契約時に消費者に対して理解を求めることの方が重要ではないかと思います。
仮に積極否認の特則が導入するということになると、事業者において相当な理由による場合はその限りではないとの規定があったとしても、これまでも何度か申し上げましたように、キャンセル料の設定というのは、企業ごとの経営戦略によって中身が全く異なるうえに、そのキャンセル料が平均的な損害額を超えていないことを説明するには、企業の経営戦略そのものに関わる数値を明らかにすることと同義のため、なかなか出しにくいというのが我々企業側の意見です。以上の前提であるが故に、平均的な損害の妥当性を判断しようとすると、個別の企業の経営戦略についての妥当性を議論する話になりかねない。そうしますと、本来それぞれの企業の個別の問題として取り扱われるべきものを、どのように一般的な規律や対応にするのか。ここのところは我々にとっては一番議論の中核になると考えています。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。今の御指摘の点は、実は前回少し議論になった部分です。私の理解によりますと、キャンセルポリシーといいますか、キャンセル料がどのようなものかということの提示は契約条項を事前に知らせるという問題でして、約款であれば約款の開示の問題につながるところですけれども、それはそのような問題である。ただ、ここで問題になっているのは、契約条項自体の不当性の問題であって、あるいは不当でない、あるいは不当であるという問題であって、それはキャンセルポリシーを事前に提示していれば当然に不当でないということになるわけではなく、両者は別の問題であるというのが前提ではないかと思います。その上で、平均的損害ないしはそれを超えていることの立証が困難であるということにどう対応するかが現在の提案です。
xx委員が後半におっしゃった点は、実際には平均的損害をどのようなものとするかが難しいという問題なのだろうと推察しますが、これも立証の問題という
よりは、現在の法9条1号の規定がこのような規定の仕方になっていて、このような規定の仕方、つまり平均的損害を基準として条項の当不当を問題にするという立場自体の当否のことをおっしゃっているのではないかと思いました。これ自体、実は大問題で、検討すべき事柄なのですけれども、今回の議論ではそれ自体には差し当たり触れずに、考慮事由は挙げるけれども、今日問題になっているのは、その上での立証の問題、立証困難への対処の問題であると理解しているのですが、xx委員、よろしいでしょうか。あまり安心できないとおっしゃるかもしれませんが。
○xx委員
この問題は、結局最終的には、それぞれの企業の経営方針やビジネスモデルなどの中身の開示ということなのですね。ですから、仮に積極否認の特則が導入された場合には、個別企業の経営戦略を秘密保持できるかできないか、そういう理解で私はいたものですから、今のお話をさせていただきました。
○xxxx
ありがとうございます。先ほども出ていました「相当の理由」の解釈の問題で、適切な方向が出てくるかどうかという御懸念かと理解しました。
○xx委員
内容については意見書として出しておりますので、それ以外にその大前提になるところはもう少し議論が必要なのではないかということで発言させていただきました。以上です。
○xxxx
どうもありがとうございます。この論点につきましては、おおむね以上のようなところでして、方向性としては、先ほども少し申し上げましたように、適格消費者団体に差し当たり限定して規定を設けるということであれば理解が得られやすいのではないかと思いました。
その上で、問題は、具体的な規定の仕方ないしはその解釈です。とりわけ「相当の理由」の意味をどのように踏まえて考えるかという点については、民事訴訟法の一般的な考え方からこうだという御提示がありましたが、それを踏まえてそれで問題があるかないかをさらに詰めるということではないかと思います。
方向としては、適格消費者団体に限定するという方向で取りまとめを図るということでよいのではないかと思いました。事務局は、本日の今の議論を踏まえまして、取りまとめに向けた作業を進めていただければと思います。事務局から何
かございますか。
○xxxxx
ありがとうございました。事務局からは特にございません。
○xxxx
ありがとうございました。
○xxxx
それでは、続いて、事務局から資料3「解約権の行使を制約する条項」を御説 明いただき、その後で、委員の間での意見交換を行いたいと思います。それでは、説明をお願いいたします。
○xxxx
御説明いたします。今回、資料3の2ページから御覧いただきたいのですが、
2ページが前回の検討会の提案です。「解約権の行使を制約する条項」について、
①は不当条項の規定を設けるという考え方で、②は努力義務の規定を設けるという考え方です。①が約款の規定の作成に対応する考え方で、②が事業者の運用に対応するという考え方です。前回は、①の要件立てにいろいろと御意見をいただきましたので、さらにそこを詰めるのが今回の検討事項です。
3ページにあるように、どのようなものを10条の第1要件の例示とするかという問題設定にしております。
4ページは、契約法10条第1要件の例示の意義として、前回先生方からいただきました御意見をまとめております。前回は「過重な」という評価概念が入っており、そういったものはなかなか分かりにくいという御意見や、これを第1要件に含めることは理論的に説明が難しいのではないかという御指摘がありました。
4ページの一番上の●にありますように、第1要件の例示というのは、デフォルトルールに反すれば全て入るのではなく、基本的にはアウトという推定が働くようなものだけを入れるのではないかという御指摘もいただいております。
5ページでは、事業者にとって、このような解約の場面では本人確認をする必要性があるという御指摘を書いています。
6ページ、7ページは、既存の法令で解除のタイミングそのものというよりも解除の後に伴って行われるであろう支払いや返金などにおいて本人確認を義務付けている既存の法令の紹介をしています。
今回の提案は8ページになります。10条第1要件の例示として「消費者の解除
権の行使について、解除に係る手続に必要な範囲を超えて、消費者に労力又は費用をかけさせる方法に制限する条項」という提案です。この第1条件の例示ですが、括弧書きにあるように、必要な範囲を超えてはいるけれども、消費者にかけさせる労力や費用の程度が低い場合には第2要件に該当せず、無効とはならないという仕組みとして考えております。また、※の部分ですが「本人確認その他の解除に係る手続に必要な範囲を超えて」ということで、本人確認を明示的に記載する方向性もあるかと考えております。
併せての御説明ですが、今回の提案は基本的には前回の事務局資料で御説明さ せていただきました、利用規約において解除するためには電話によることに限定 する、来店に限定するといった、利用規約が本人確認に必要な範囲を超えて使わ れているという運用を一部取り込んだ場面として考えています。ここについては、前回も先生方から、これは運用の問題も含めているのではないかという御指摘を いただいていたところです。
今回資料に加えていないのですが、例えば、純粋に不当条項の問題として条項に特化して考えた場合、どのような条項があるのかということなので、消費者庁が公表している「差止請求事例集」の平成26年度版の25ページに紹介されている例を御紹介します。予備校や学習塾などのスクール系の規約の中には、受講生が解約をするときには、受講生本人が死亡するとか、重大な心身の疾病があるなどの事情がある場合に限定して中途解約ができるとした上で、中途解約の申入れをする際には解約事由を証明する資料の提出を求めるという規約があります。このような規約について、実際に適格消費者団体によって差止請求がされた事案があります。運用の面を取り込まずに純粋に不当条項として条項の問題しか考えないとした場合には、例えば、今述べたように、解約するときに解約事由を証明するような書類の提出を必須とするといった条項もあり得ると思っており、今回の提案がどのような条項に適用されるべきか、最初に申し上げたように運用も取り込んで適用されると考えるか、それとも運用を全く取り込まずに今述べたようなスクールの規約のようなものを対象とするのかということについても御意見をいただけると幸いです。
事務局からは以上です。
【7.資料3「解約権の行使を制約する条項」についての意見交換】
○xxxx
ありがとうございました。それでは、「解約権の行使を制約する条項」について議論を行いたいと思います。御発言を希望される委員の方は挙手機能を用いてお申し出ください。では、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
よろしくお願いいたします。意見書には簡単に書きましたが、時間が押している中申し訳ありませんが、少々長くなるかもしれません。御容赦いただければと思います。 まず、資料8ページの御提案については、反対いたします。前回も申し上げたとおり、前回の消費者庁資料27ページ、28ページでは、「解約権の行使を制約する条項」の例が挙げられていましたが、これらは、商品・サービスの特性に応じた相応の理由があって定められているもので、契約条項の内容のみで不当条項となるものではなく、「電話がつながらない」「ホームページ上どこで解約できるか分からない」などの運用によって解約できないことが問題なのであって、解約の方式を定める条項自体の問題ではないと考えます。
また、今回の御提案では、「解除に係る手続に「必要な範囲を超えて」とされています。しかし、今回の御提案では、「必要な範囲」の判断基準が示されておらず、マイナンバーのように消費者が必要でないと考える場合には、法令に基づく取扱いであっても「必要な範囲を超え」るとして、申告しない材料とされる懸念があります。
また、実務では、法令に基づくもの以外にも、第14回消費者庁資料29ページに記載されていたように、解除の意思を確認したり、証跡を残すために書面で請求いただくことが通常となっており、また、精算金の送金先口座を指定いただくなど解約の手続を滞りなく進めるための確認、そして、その店舗で購入したことを確認するため、返品の際にレシートを確認したり、領収書を書いていただくことなども、商品・サービスなどによっては行われていますが、御提案の規律があらゆる契約の解除に適用されることとなる中、「必要な範囲」にどのようなものが含まれるかが明確ではありません。一方、先ほど申し上げたとおり、そもそも運用が問題なのであって、契約条項のみで明らかに不当と考えられる条項がイメージできない中、第1要件の例示として適切に限定、明確化することは困難と考えます。
なお、この点、事務局は、今の御説明では、「必要な範囲」などの評価は運用を取り込んで行うことを考えておられるようですが、運用はあくまでも契約条項とは異なるものであり、その要素をデフォルトルールから離れた「契約条項」の例示である第1要件の例示に盛り込むことには違和感があり、資料4ページの最後の●にあるとおり、少なくとも第2要件の問題であると考えます。
また、第2要件の問題であるとしても、平成24年3月16日の生命保険の無催告失効条項に関する最高裁判決では、「保険会社が、保険契約の締結当時、上記債務の不履行があった場合に契約失効前に保険契約者に対して保険料払込みの督促を行う実務上の運用を確実にしているときは、消費者契約法10条にいう「民法第
1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」に
当たらない。」としていますが、これは「契約締結時」の「一般的な」実務運用を第2要件の考慮要素とするものであり、当該消費者における個別事情まで考慮要素とするものではないと解する研究者が多数となっています。したがって、契約締結当初から電話が設置されていないようなケースはともかく、ある消費者ではたまたま電話がつながらなかったといった個別の事情を、第2要件の考慮要素とすべきではないと考えます。この場合には、解除の意思表示の到達時期を個別に争えば足り、不当条項の問題とすべきではないと考えます。
なお、この点、コールセンターの応答率は90%以上が理想の状態とされていますが、この場合でも時間帯により応答率にはばらつきがあり、必ずしも全ての電話に応答できるものではないことについては、御理解いただきたいと思います。
次に、今回の御提案では、「消費者に労力又は費用をかけさせる方法」とされています。この場合、本人確認なども含めて口頭がデフォルトルールであるとされると、例えば、免許証の写しや委任状の写しを求めるだけで、また、店頭で解約を取り扱うだけで「労力又は費用をかけさせる」に該当することになり、あらゆる取引のあらゆる解除の場面で、書面等を求めることが「必要な範囲を超え」ないかが問題となり得ることとなり、取引に与える影響が大きくなり過ぎると考えます。
また、相続人の確認のために戸籍の謄抄本を提出いただく場合、その取り寄せに労力や謄抄本の費用等が必要となりますが、これは、解除の場合にかかわらず相続手続一般に必要となる労力や費用であり、これを「事業者が」消費者に「費用をかけさせる」に当たるとするのであれば、非常に疑問です。
なお、第19回において、10条第1要件の例示の意義について、xx委員が「x xの不当性の高いものを例示として挙げていく方向性になっている」ということ をおっしゃっていました。私は、この例示の意義は、不当性の高い低いではなく、その程度は問わずに、デフォルトルールから明らかに乖離しているものを例示し ていると考えていますが、もしxx委員のおっしゃるような解釈が行われ、また、今回の御提案のような規律を設けるということであれば、従前から申し上げてい るとおり、10条第1要件の例示には、法令に基づく適法な取扱いや法令や裁判例 に基づいて事業者に求められる取扱いが含まれるべきではないこととなるため、 第19回の「所有権を放棄する意思表示をしたものとみなす条項」及び今回の御提 案についても、もし採用されるのであれば、「法令に基づく場合を除き」とする など、xxで除外する必要があると考えます。
最後に、一般の事業者よりも踏み込んでいると思われる例を御紹介したいと思います。
大学の退学手続では、所定の退学願または退学届及び学生証の事務室への提出を求めるとともに、退学願・退学届には本人の署名・捺印及び退学理由の記載を
求めることが通例となっており、大学によっては、保証人の署名・捺印や、例えば、退学理由が病気の場合に医師の診断書など、退学理由を証明する書類の提出も求めているようです。また、退学「願」とする大学では、おおむね学部運営委員会などの許可や承認を得る必要があるとしています。さらに、授業料未納の場合には「受理しない」「認めない」としている大学もあります。一方、ある大学では、令和元年7月23日以降の取扱いとして、「授業料未納でも退学を認める。ただし、債務がなくなるわけではない。」と明記し、また、学費について「4月または10月の末までの退学願は、月割りにより翌月以降の学費を免除する。」としています。
これらの取扱いも、どこまでが学則の定めで、どこからが運用なのかという問題はありますが、一定の理由があり、また、約定解除であることから、解除に相手方の同意を求めることも認められると考えておられるのではないかと考えています。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
アジアインターネット日本連盟のxxです。時間がないようですので、手短に申し上げます。意見としましては反対ということを申し上げておるのですけれども、特にこの第1要件に運用ということが入るのかどうか、事務局の御提案ですと運用面も考慮に入れると私は理解をしているのですけれども、仮にそうであれば、より強く反対を申し上げます。
今回、一部の学識者の先生の意見の中に運用面についても第1要件に入れることについて、私の読み違いだったら申し訳ないのですけれども、許容されるような御意見も見受けられるのですが、仮に第1要件の該当性を判断するに当たって運用面を考慮に入れるとなると、結局はあらゆる条項が不当条項予備軍というものになるのではないかと考えておりまして、既に10条前段で例示されているものとの関係でもバランスや予見可能性を欠くものだと考えております。
仮に運用面を考慮に入れることになりますと、ある条項が電話がつながりにくいときだけ不当条項になったりするのかどうなのかとか、あるいは差止請求の内容も電話がつながるようにしろということになるのか、どのように理解していいのか非常に苦しむところがございまして、運用面を第1要件の該当性の中に判断基準として入れることについては非常に強い違和感がございます。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。
先ほど事務局からの説明で、資料には明記はされていないけれども、運用、と りわけ締結された後の履行過程における運用ないしは終了時の運用を外すとして、純粋に契約条項の無効に限るとするならば、想定される例として、予備校、学習 塾などの契約で、中途解約事由を本人の死亡あるいは疾病等に限定し、この場合 に解約事由を証明するための資料、例えば医師の診断書等の提出を必須とし、そ うでない限りは解約をすることができないという条項が考えられるのではないか という御説明がありました。
そのような例があるということだけではあるのですが、このような形で、履行過程、終了時の運用を考慮して不当条項の例示を挙げるのではなく、条項内容そのものの問題性を考慮して例示をすると考えたとして、それでなお問題があるかという点も併せて御指摘をいただければと思います。xx委員はそれでも問題だとおっしゃっていたのだろうと思いますけれども、いかがでしょうか。
あるいは、運用面を考慮して不当性を判断すべきであるとする場合には、実際の問題はこのように解決されるのである、例えば差止めの問題をxx委員が指摘されましたけれども、差止めはこのような形になるという御意見でも結構ですので、お出しいただければと思います。
12時が来ているのですけれども、大変恐縮ですが、もう少しだけ延長させていただいて意見をお出しいただければと思います。そうしませんと、取りまとめができませんので、御容赦いただければと思います。とりわけ運用面について議論がありましたので、これについて私が申し上げたような観点から御意見がいただければと思いますが、いかがでしょうか。
xx委員、お願いいたします。
○xx委員
全体を整理しないといけないかとは思うのですけれども、不当条項性の判断に、基本的には個別具体的な事情が入るべきではないのはそのとおりだと思います。 ただ、条項に記載されている解約方法が、現実にはできない状況になっている場 合、担保されていないという場合には条項自体の不当性の問題になっていくと思 います。その点で考えると個別具体的事情を含めて判断せざるを得ない場合もあ り得、結局は、場面によるのかというところではあります。
○xxxx
xx委員からは、差止めの場合には何が差し止められるのかという御質問がありましたが、今の点はどうなのでしょうか。
○xx委員
それは条項だと思います。
○xxxx
条項の差止めであるということですか。電話がつながるようにしなさいということではなく、条項自体を差し止めるということでしょうか。あるいは、電話がつながるようにして、その条項を使い続けるというのは駄目なのでしょうか。
○xx委員
例えば電話回線が全くない、設置されていない、体制が整っていないにも関わらず、解約には電話連絡が必要というような条項をつくった場合、それはその条項自体が不当ということになる。極端な事例ではございますが、例えば、実際のお店、リアル店舗がないにも関わらず、お店に来なければ解約できないという条項、当然これは条項自体が無効になるのでしょうね。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。
この問題も、成案を得るところまで共通理解が得られているところまでは行っていないように思いますので、このような形での規定であればどうかというような御提案も含めてお出しいただければと思います。特に例示として、現在の「解除に係る手続に必要な範囲を超えて」では多くのものが入ってしまうことになるのではないかという御懸念が示されているところです。これをさらに問題となるものを特定する形で示すことができるか。
さらに、これはよりxx的な問題かもしれませんが、前段要件の例示として挙げるのはどのようなものか。これは前回も御議論いただいて、任意規定と明らかに異なるものを例示するのか、そうではなく、不当性が認められるものを例示として挙げるのか、そうした指摘がxx委員からもされていました。この点につきましても、併せてどのように規定するのが適当かという観点から御補足ないしは御意見をいただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
○xx消費者制度課長
事前に御意見を伺ったときに、少し遅れて御提出いただいたので資料4には入っておりませんけれども、xxxx委員から規定の仕方について若干御意見をいただいておりますので、もしよろしければxxxx委員にも御意見を伺っていた
だければと思います。
○xxxx
分かりました。xxxx委員、お願いしてよろしいでしょうか。
○xxxx委員
事前送付が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでした。先ほどから御意見があったように「必要な範囲を超えて」というところの意味が不明確ではないかと感じたということです。スライドの※のように少し具体的にお書きになるのであればある程度その意味が理解できるようになるかもしれないと思っておりますので、事務局の提案については全面的に反対ではありません。
ただ、私自身は「必要な範囲を超えて」ということを判断する一つの指標なのかもしれないのですが、契約の方法と解約の方法との間の均衡が客観的な指標なり基準になるのかと考えております。これは以前からも議論があったところだと思うのですけれども、例えば解約時も本人確認等の手続が必要だという御議論もあるかと思いますけれども、非常に素人的に言うと、本人確認の手続によりある種の厳格さが求められるのは、一般的に見ると、金銭の支払い等が生じる契約時であろうかと思います。だとすると、消費者の利益を考えれば、契約時よりも解約時のほうが手続が厳格になるというのは本来的におかしいように思います。契約時もまた同様に厳格であれば、そこは均衡が保たれているので話は分かるわけですけれども、両者の均衡を考慮するということは方向性としてはあっていいのかとは思ったということでございます。以上です。
○xxxx
ありがとうございます。これは前回たしか楠委員がカリフォルニアの例を改めてお示しになって指摘されていたことと重なるかと思います。御意見をいただきまして、ありがとうございました。ほかにもし補足の御意見がありましたらと思いますが、よろしいでしょうか。
○xxxxx
xxxx、xx先生が挙手されておりましたので、お願いいたします。
○xxxx
xxxxん。見落としておりました。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
時間もないところでさらに重複になりますので、恐縮ですが、3点を申し上げたいと思います。
1つ目は、運用と言われる問題ですけれども、xx委員から御説明がありましたように、例えば電話のみに限るという条項にして、しかし、実態的に電話の利用は使用ができないような状態になっている、そういう体制を全く整えないままで条項では電話のみによると定められている場合、話をしっかりと聞く必要などから電話によるものとすること自体は十分あり得るとしたときにそのようなものを条項の不当性と見るのかどうかという問題があります。たまたま今回つながらないとかということではなくて、結局、条項を支える体制との関係で条項の不当性が判断されるのかということなのだろうと思います。さらには、契約時にどうであったかということと、契約の履行というか、実際の権利行使時においては、全く体制が整わない中でその条項をそのまま援用できるかという問題もあるのかと思われます。そういう観点から条項の不当性に体制が入ってくる面があり、それを例示の中にどこまで盛り込むかという問題がもう一つの問題としてあるということだと思います。
2つ目は、これは非常に難しい10条第1要件の例示が何かということでして、 これが法の一般原則であるデフォルトルールよりも消費者の権利を制限するある いは義務を加重するという条項であるならば、ここは解除権の行使方法を限定す る条項は全て当たるのだと思います。民法一般の原則としては単純な口頭で行う 解除の意思表示というのも、解除の意思表示に特段制約や限定が設けられており ませんので、それを制限するというのは、例えば書面によるとか電話によるとい うものもそれしか認めないというのであれば、第1要件に当たるのだと思います。ただ、本人の意思確認ですとか、円滑な解除処理ですとか、確実な処理のために 一定の方法に限定するというのは十分あり得ることだということで、結果的には 10条に全体としては当たらないという判断になるというのがむしろ筋だと思いま す。
もっとも、解除権の行使に関するxxの規定があるかというと、それ自体はxxの規定がないことを考えれば、一般の法原則ということからどうなるのかを明らかにする例示として意味があるということになりますので、ある意味、理論的な説明からは解除権の行使を制限する条項だけで例示としても十分成り立ち得るところだと思います。
ただ、これまでの例などから第1要件の例示と言いながら一部第2要件を画一的に切り出すという面もありまして、その点から第2要件による不当条項ではないのだという判断の余地は残されているのだけれども、その例示に当たるのであれば不当であると考えられると。そういう一部第1要件の例示の意味合いを変えてといいますか、やや変容された形で例示を使うことが考えられ、そのような観
点からどうなるかという話が今回の事務局の御提案だと思います。それは規定の構造からするとやや変容ではありますけれども、しかしながら、一般ルールである10条を少しでもブレークダウンをして予測可能性を高めていくという観点からは、正当化できる作業になるのではないかと考えます。
それが2つ目で、3つ目は、では、具体的にどうすればいいのかということで、もともと今のような例示の意味であるならば「必要な範囲」ということを入れる ことも、それは必ずしも不適切ではないのだろうと思います。少し手がかりを与 えるということが考えられるところではないかと。ただ、それは結局第2要件に 当たるものも含めた先取りをかなりあるいは全てに近くこの部分ですることにな るように思われます。例示をした意味合いについて、しかし、およそ一般的に信 xxに反して一方的に消費者の利益を害するものは一体どういうものなのかとい うことを明らかにするという点でも非常に意味があると言えるのではないかと思 います。いずれにせよこれが必要かどうかということについては、消費者側から これは「必要な範囲」を超えているということですし、事業者側からすればこれ は十分必要なものであって「必要な範囲」を超えて労力をかけさせるということ にはならないのだということは、この例示がなくてもいずれにせよ10条の下で争 われる、現行のままでも判断されることになります、むしろ今だったら第2要件 の話として全部が判断されることになるような性格のものではないかと思ってお ります。
ですから、2つ目のどういう例示を置くか、そこの態度決定次第であり、その態度決定によっては、xxxx委員がおっしゃったようなやり方もあると思いますし、さらには、あらゆるものをこの例示でつかまえなければいけないということでもないとすると、xxxx委員がおっしゃったようなタイプのものをまずは例示として置いておいて、他の不当な制限のものは一般的な10条にかける、その場合には結局第1要件は楽々とパスして第2要件の問題になる、そのようなことになるのではないかと思っております。以上です。
○xxxx
どうも御指摘ありがとうございました。おっしゃっていただいたとおりなのだろうと思います。少なくとも現状では10条が適用されます。したがって、「例示を挙げたから、これまで有効だったものが無効にされるおそれがあるので、これは実務では困る」という指摘に対しては、「そのようなものではありません。現状でも10条が適用され、そして、第1要件は比較的簡単にクリアされますので、第2要件で有効・無効が判断されることになるのです」とお答えすることになります。したがって、現状を大きく変えるものではないのだろうと思います。
その上で、では、例示を挙げることにどのような意味があるか、そして、どの
ようなものであれば例示することに意味があるか。そこが問題となっていて、
「必要な範囲を超えて」で例示として適切なのか、それともxxxx委員あるいは前回楠委員が示唆されたようなものを例示に挙げるのが適当なのか。そのほうがよりよく何が不当なのかということを第2要件において問題にしやすくなる。そのような考慮で例示を行うのか。この辺りが立場の分かれ目なのだろうと思います。
もう既に15分時間をオーバーしておりますので、さすがにこの辺りで締めくくる必要があります。「解除権の行使を制限する条項」に関しまして、御意見をいただきました。事務局で本日の議論を踏まえまして、取りまとめに向けた作業を行っていただければと思います。事務局から何かございますか。
○xxxx
事務局からは特にありません。ありがとうございました。
○xxxx
どうもありがとうございます。
○xxxx
それでは、最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。
○xx消費者制度課長
本日も長時間にわたり、ありがとうございました。次回の日程、議題等、詳細につきましては改めて御連絡をさせていただきます。
○xxxx
ありがとうございました。なお、本日の議論につきましては、運営要領に基づき、事務局と私で議事録を作成し、委員の皆様に御確認をいただいた上で公表したいと思います。
それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。また、大変な時間オーバーをしてしまいまして、私の不手際で御迷惑をおかけしました。おわび申し上げます。残りは取りまとめに向けての議論になってまいります。引き続きどうかよろしくお願いしたいと思います。
それでは、これで第21回検討会を終了します。本日はどうもありがとうございました。