1. 基本情報 (1)案件名 住民グループの未舗装道路整備能力強化による農道改築事業 (2)贈与契約締結日及び事業期間 ・贈与契約締結日:2013年10月11日・事業期間:2013年10月15日~2014年10月14日 (3)供与限度額及び実績(返還額) ・供与限度額: 39,031,576円・総支出(供与限度額上限): 39,031,576 円、利息:2,598円 (4)団体名・連絡先、事業担当者名 (ア) 団体名:NPO 法人 道普請人(CORE: Community Road...
1. 基本情報 | |
(1)案件名 | 住民グループの未舗装道路整備能力強化による農道改築事業 |
(2)贈与契約締結日 及び事業期間 | ・贈与契約締結日:2013年10月11日 ・事業期間:2013年10月15日~2014年10月14日 |
(3)供与限度額 及び実績(返還額) | ・供与限度額: 39,031,576円 ・総支出(供与限度額上限): 39,031,576 円、利息:2,598円 |
(4)団体名・連絡先、事業担当者名 | (ア) 団体名:NPO 法人 道普請人 (CORE: Community Road Empowerment) (イ) 電話:000-000-0000/000-0000-0000 (ウ) FAX:075-343-7244 (エ) E-mail:xxxxx_xxxxxxxxxxxxxxx@xxxxxxx.xx.xx (オ) 事業担当者名:xx xx |
(5)事業変更の有無 | 事業変更承認の有無:有 (ア) 事業変更報告書提出日:2014年3月11日内容:事業地変更について (イ) 申請日:2014年10月9日 承認日:2014年10月14日内容:予算項目移動について |
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(様式4)
2.事業の概要と成果 | ||||
(1)上位目標の達成度 | 達成。 本事業での道路補修研修にて約 5,300m のコミュニティ道路が補修された。雨期時通行不可だった道路が通行可能となるなど、事業地 3 ヵ村において農道のアクセス状況が改善された。 | |||
(2)事業内容 | (ア)グループリーダーへの施工に関する研修 (イ)実施工とグループメンバーへの施工に関する実地研修 (ウ)住民グループ農道整備能力強化と農道整備の成果に関するワークショップ (エ)現地 NGO への研修 | |||
(3)達成された成果 | (ア) グループリーダーへの施工に関する研修 ① 施工計画立案、必要資機材の積算 ② 道路沿線住民間の合意形成 ③ 施工監督、施工記録、維持管理計画 村名 カンター ユワカレイ ラカナリーダー(人) 9 5 5 リーダー補佐(人) 5 5 5 日数 5 5 4 土のう工法の技術的な面においては、研修内容をよく理解しており、その後のコミュニティメンバーとの実施工の際には施工監督者として参加者へ技術指導を行うなど、率先して現場を取りまとめていた。 しかし、積算や施工記録作成に関しては習熟度が低く追加研修等が必要である。また、リーダー自身が上記項目研修内容(積算、施工記録)の必要性をあまり感じていないように見受けられる。原因として、これまでコミュニティが道路補修を行う際には、僧侶からの寄付、もしくはコミュニティ内で資金を出し合い補修費用を集めていた。集金できた金額の中で施工できる距離のみを補修していた為、事前に道路補修にかかる予算を計算するという習慣がない。コミュニティ内のみで道路補修を続けるのであれば特に問題はないが、今後行政等に土のう工法を使用しての道路補修依頼を行う場合、的確な予算を提示する必要がある。2 年目の課題点として、この点の研修内容を見直し、改善に努める。 (イ)実施工とグループメンバーへの施工に関する実地研修 ① 資機材調達と管理 ② リーダー・補佐の施工監督と実施工 ③ 維持管理の実施 | |||
村名 | カンター | ユワカレイ | ラカナ | |
施行距離(m) | 1,200 | 120 | 3,900 | |
研修日数(日) | 64 | 40 | 92 | |
研修参加人数 平均/日 | 50 | 49 | 40 | |
研修、実施工を通じてリーダー監督の元、コミュニティのみで土のう工法 使用による道路補修工事が実施可能となった。カンター、ユワカレイ村に |
(様式4)
関しては維持管理研修後、試験的にコミュニティ主体による維持管理工事を行ったが、問題なく工事を終えている。ラカナ村に関しては工事開始時期が遅れ、雨期前に工事を終了しなければならないという焦りから、土の締固め作業が不十分であった箇所が数ヶ所見られた。補修後の雨期中に大型トラックが多数回に渡って通行し、損傷が大きかった箇所の原因を調査していたところ上述の原因が判明した。その為、雨期後に維持管理研修も含めた補修工事を再度コミュニティと共に開始し、現在は良好な状態にある。しかし、こういった問題を二度と起こさぬよう、研修内容の見直し、現地エンジニアの施工監督体制を改善する。
(ウ) 住民グループの農道整備能力強化研修を通した農道整備の成果に関するワークショップ
8 月にネピドーにて全国の地域開発局(DRD)オフィサー、エンジニアを招いた本事業成果報告含むワークショップを開催した。
53 名の参加者の中には農畜水産省の副大臣も含まれ、副大臣よりネピドー地域北部でのワークショップ、デモンストレーション実施の打診があるなど、土のう工法とその有効性について本ワークショップを通じて理解を得られた。
(エ)現地 NGO への研修
ミャンマーで活動する日本の NGO 団体へむけて、以下の内容で計 2 回ワークショップを行い、11 団体、計 35 名の参加者が集まった。
①土のう工法紹介
②事業報告
③現地視察
④その他意見交換
上記意見交換の中で、いくつかの参加団体事業地においても悪路に悩まされている地域(村)がある事が分かった。今後、こういった地域でも可能な限りデモンストレーションを行い、アクセス状況が改善された事によって他団体の事業も円滑に進むような相乗効果を期待できる活動を行いたい。また、パートナー団体である DEAR MYANMAR スタッフ(主に本事業に携わっていないスタッフ対象)へ向けても土のう工法についてのワークショップを開催し、同団体が独自で事業を行うシャン州の村落地域や行政へ向けてもこの工法を紹介、普及できるようワークショップ形式での研修を行った。
◆道路補修後の成果について
【雨期時通行所要時間 比較表】
カンター | ユカワレイ | ラカナ | ||
徒歩 | 施工前 | 45 分 | 通行不可 | 60 分 |
施工後 | 17 分 | 1 分 10 秒 | 45 分 | |
自転車 | 施工前 | 通行不可 | 通行不可 | 30 分 |
施工後 | 8 分 | 15 秒 | 20 分 | |
バイク | 施工前 | 通行不可 | 通行不可 | 35 分 |
施工後 | 4 分 | 8 秒 | 15 分 | |
車 | 施工前 | 通行無 | 通行不可 | 通行不可 |
施工後 | 通行無 | 7 秒 | 20 分 |
(様式4)
1.全事業地に共通する成果 ① 雨期時の通行が容易になった。 ② 病人を病院へ安全に、早急に搬送できるようになった。 ③ 村民が道路補修技術を習得し持続的に道路補修を行えるようになった。 ④ 関係省庁との関係構築(事業地視察、次年度事業地選び) ⑤ コミュニティの結束が強化され、道路維持管理への関心が以前より高くなった。 2.その他の成果/カンター村 ① 道路補修後にそれまで通行不可だった自転車、バイクの通行が可能となった。 ② バイクが通行可能になった事によって、xxの村民がバイクタクシービジネスを開始し収入向上に繋がった。 ③ 村民が②のバイクタクシーを利用し作物の出荷を行えるようになった事から作物の流通も改善された。 ④ 子供達の通学時間が大幅に短縮され、付添の親達数名は市場での作物販売時間を増やす事ができ、収入向上に繋がった。 ⑤ エーヤワディー地域について、ピャポンタウンシップの下院議員が前年度の事業地(カンター村)を訪問し、カンター村の村民xxをエンジニアとして次年度の事業地で雇用するとの約束があった。 3.その他の成果/ユワカレイ村 ① 雨期時の通行が可能になった。 4.その他の成果/ラカナ村 ①雨期時の車両での通行が可能となった。 | |
(4)持続発展性 | ユワカレイ、カンター村についてはコミュニティが自発的に本年度補修を行った道路の維持管理計画を立てており、コミュニティ内で定期的に道路状況の確認、メンテナンスを行う事となった。 ラカナ村では、既に土のう工法使用による村内別箇所での道路補修計画を立案している。 3 ヵ村共に土のう工法技術を習得したコミュニティが実際に道なおしを行い、上述のようにアクセス状況が大きく改善された事からコミュニティ内の士気が高まり、良好なアクセス状況を維持したいという意識が以前に比べ強くなった。 また、他県の DRD やエーヤワディー内の農業団体、コミュニティから施工現場視察依頼がくるなど、土のう工法の技術に高い関心が寄せられている。 今後、可能な限り視察受け入れや現地指導を行い、事業地以外の地域におい ても同工法を普及できるよう努めたい。また、DRD への技術共有も継続して行う事で行政機関と連携し道路補修工事を行う可能性もある。 各地域行政、コミュニティが同工法を用い道路補修を行う事によってミャン マー全土の道路状況改善が見込める。 |
(様式4)
3.事業管理体制、その他 特に無し。 | |
(1)特記事項 | 特に無し。 |
完了報告書記載日:2015年1月7日団体代表者名:理事長 xx x
【添付書類】
① 事業内容、事業の成果に関する写真(添付資料①)
② 日本NGO連携無償資金収支表
③ 日本NGO連携無償資金使用明細書
④ 外部監査報告書 1 月末日提出予定
1.エーヤワディー地域、カンター
【施工断面図】
60cm 60cm 60cm
水位
現地盤線盛り土
土のう
砕石または砂利コンクリート(厚さ 10cm)
中詰め:粘土有効利用
① コミュニティへの道路改築方法説明
【活動写真】
② リーダー研修
⑤ 現在では住民のみでコンクリート施工含め道路改築工事が可能となった
⑥ ピャポン区長現場視察
⑧ エーヤワディー地域長の視察
⑦ 施工前の様子(乾季時)
⑧ 施工前の様子(雨季時)
⑪ 施工後 道路補修後自転車通行が可能となった
2.カレン州、ユカワレイ
⑫ 施工後 バイクが通行できるようになり、xxの村人がバイクタクシービジネスを開始した。
【施工断面図】
3m(19feet)
水位
良質土転圧5~10cm砕石
盛土
土のうー現地土 現地耕土貼り付け
土のう
中詰め:ソイルセメント
原地盤
盛土
【活動写真】
① リーダーミーティング ② 施工現場
③ 施工現場 ④ 地域開発局(DRD) 局長の現場視察
⑤ 土のうによって嵩上げされた道路の側面 ⑥ 土のうによって嵩上げされた道路
⑦ 施工前 ⑧ 施工後
⑨ 雨季時・施工対象道路と周辺の様子。道路周辺は冠水しているが、嵩上げ工事により、雨季時の通行も可能となっている。
3.カレン州、ラカナ村
⑩ 雨季時・施工対象道路と周辺の様子。
【水没部施工標準断面図】
10~15feet
水位
砕石 礫質土覆土 10cm盛り土
原地盤
土のう
中詰め:ソイルセメント
【長期泥濘部施工標準断面図】
原地盤
10~15feet
砕石 礫質土覆土 10cm
盛り土
土のう ソイルセメント詰め(2kg/袋)
【活動写真】
① 施工風景 ② 施工風景
③ 施工前 ④ 施工道路周辺は冠水しているが嵩上げ工事により、雨季時の通行も可能となった。
⑤ 改築時に土の締固めが十分でなかった 箇所。改築後の雨季に大型トラックが多数
通行しダメージを受けた。
そのため、再度、維持管理研修も含めた改築工事を行った。
⑥ 補修後(事業終了時の様子)
4.その他
① 農畜水産省副大臣、全国のDRD職員を招いてのワークショップ。
② ミャンマーで活動する日本のNGO団体を招いてのワークショップ。
以上