8 あらかじめ、治験依頼者、治験審査委員会等及び院長の合意が得られている場合においては、医薬品 GCP 省令第20条第2項及び第3項又は医療機器 GCP 省令 第28条第2項及び第3項に関する通知に限り、治験依頼者は、治験責任医師及び院長に加えて治験審査委員会等にも同時に通知することができる。また、治験審査委員会等は 、院長に加えて治験責任医師及び治験依頼者にも同時に文書により意見を述べることができる。この場合、医薬品 GCP 省令第32条第6項又は医療機器 GCP...
独立行政法人国立病院機構xx医療センターにおける
企業主導治験に係る院内に設置された治験審査委員会標準業務手順書第1章 治験審査委員会
(目的と適用範囲)
第1条 本手順書は当院における「受託研究取扱規程」及び「企業主導治験に係る標準業務手順書」に基づいて、企業主導治験に係る標準業務手順書第12条第1項の規定により院内に設置された治験審査委員会の運営に関する手続き及び記録の保存方法等を定めるものである。
2 製造販売後臨床試験に対しては、医薬品GCP省令第56条及び医療機器GCP省令第76条に準じ、「治験」等とあるのを「製造販売後臨床試験」等と読み替えることにより、本手順書を適用する。
3 医療機器の治験に対しては、「医薬品」、「治験薬」、「副作用」及び「同一成分」とあるのを「医療機器」、「治験機器」、「不具合又は不具合による影響」及び「同一構造および原理」と読み替えることにより、本手順書を適用する。
(治験審査委員会の責務)
第2条 治験審査委員会は、すべての被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上を図らなければならない。
2 治験審査委員会は、社会的に弱い立場にある者を被験者とする可能性のある治験には特に注意を払わなければならない。
3 治験審査委員会は、倫理的、科学的及び医学的・薬学的観点から治験の実施及び継続等について調査審議を行わなければならない。
(治験審査委員会の設置及び構成)
第3条 治験審査委員会は、院長が指名する以下の各号の者をもって構成する。なお、院長は治験審査委員会の委員にはなれないものとする。
(1) 委員長:臨床研究センター長
(2) 副委員長:副院長
(3) 委員:統括診療部長、手術部長、外来部長、看護部長、薬剤科長、診療科医長(5 名以内)
(4) 医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者以外の委員
(下記(5)の委員を除く):事務部長、企画課長、経営企画室長、業務班長
(5) 独立行政法人国立病院機構xx医療センターと利害関係を有しない委員:2名以内
2 委員の任期は1年とするが、再任は妨げない。
3 治験審査委員会は、男女両性で構成されることが望ましい。
4 本条第 1 項の委員に欠員が生じた場合には、院長は後任の委員を指名する。この場合、後任
の委員の任期は、前任者の残余期間とする。
5 委員長に何らかの事由があり職務を行えない場合には、副委員長が原則としてその職務を代行する。また、委員長及び副委員長が共に職務を行えない場合には、第1項に規定する委員のうちあらかじめ委員長が指名した順番の出席者がこれを行う。なお、委員長以外の者が代行する場合には、議事録等に代行する旨とその理由を記録する。
(治験審査委員会の業務)
第4条 治験審査委員会は、その責務の遂行のために、次の最新の資料を院長から入手しなければならない。
(1) 治験実施計画書(治験責任医師と治験依頼者が合意したもの)
但し、実施医療機関の名称及び所在地、治験責任医師となるべき者の氏名及び職名並びに各実施医療機関を担当するモニター(モニターが複数である場合にはその代表者)の氏名、職名及び電話番号等の医療機関に特有の情報について治験実施計画書の別冊とされている場合は、当院に係るもののみでも良いこととする。
(2) 症例報告書の見本
但し、治験実施計画書において、症例報告書に記載すべき事項が十分に読み取れる場合は、当該治験実施計画書をもって症例報告書の見本に関する事項を含むものと解することがで きる。
(3) 説明文書・同意文書(治験責任医師が治験依頼者の協力を得て作成したもの)
(4) 被験者の募集手順(広告等)に関する資料(募集する場合)
(5) 治験責任医師及び治験分担医師の氏名を記載した文書(参考書式5)
(6) 治験薬概要書
(7) 被験者の安全等に係る報告
(8) 治験の費用の負担について説明した文書(被験者への支払(支払がある場合)に関する資料)
治験審査委員会が必要と認める場合、治験依頼者から支払われることが予定されている治験費用に関する資料の提出を求めることができる。
(9) 被験者等の健康被害に対する補償に関する資料
(10) 治験責任医師が、医薬品GCP省令第42条又は医療機器GCP省令第62条に規定する要件を満たすことを証明した履歴書(書式1)及び調査審議に必要な場合には治験分担医師の履歴書(書式1)
(11) 治験の現況の概要に関する資料(継続審査等の場合)(書式 11)
(12) その他治験審査委員会が必要と認める資料(企業との連携がある場合、利益相反に関する資料等)
2 治験審査委員会は、次の事項について調査審査し、記録を作成する。
(1) 治験を実施することの倫理的、科学的及び医学的・薬学的観点からの妥当性に関する調査
審議事項
ア 当院が十分な臨床観察及び試験検査を行うことができ、かつ、緊急時に必要な措置を採ることができる等、当該治験を適切に実施できること
イ 治験責任医師及び治験分担医師が当該治験を実施する上で適格であるか否かを最新の履歴書等により検討すること
ウ 治験の目的、計画及び実施が妥当なものであること
エ 被験者の同意を得るに際しての説明文書及び同意文書の内容が適切であることオ 被験者の同意を得る方法が適切であること
カ 被験者等への健康被害に対する補償の内容が適切であること
キ 被験者に対する支払いがある場合には、その内容、方法が適切であることク 被験者の募集手順(広告等)がある場合には、募集の方法が適切であること
(2) 治験実施中又は終了時に行う調査審議事項ア被験者の同意が適切に得られていること
イ以下にあげる治験実施計画書の変更の妥当性を調査審議すること
(ア)被験者に対する緊急の危険を回避するなど医療上やむを得ない事情のために行った治験実施計画書からの逸脱又は変更
(イ)被験者に対する危険を増大させるか又は治験の実施に重大な影響を及ぼす治験に関するあらゆる変更
ウ治験実施中に当院で発生した重篤な有害事象報告に基づく、当該治験の継続の可否を調査審議すること
エ被験者の安全又は当該治験の実施に悪影響を及ぼす可能性のある重大な情報に基づく、当該治験の継続の可否を調査審議すること
注)重大な情報
(ア)他施設で発生した重篤で予測できない副作用
(イ)重篤な副作用又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が治験薬概要書から予測できないもの
(ウ)死亡又は死亡につながるおそれのある症例のうち、副作用によるもの又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症によるもの
(エ)副作用又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が著しく変化したことを示す研究報告
(オ)治験の対象となる疾患に対し効能若しくは効果を有しないことを示す研究報告
(カ)副作用又は感染症によりがんその他の重大な疾病、障害又は死亡が発生するおそれがあることを示す研究報告
(キ)当該被験薬と同一成分を含む市販医薬品、に係る製造又は販売の中止、回収、廃棄その他の保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置の実施
オ治験の実施状況について少なくとも1年に1回以上調査審議すること
カ治験の終了、治験の中止又は中断及び開発の中止を確認すること
(3)その他治験審査委員会が求める事項
ア国立病院機構本部が設置した治験審査委員会等で審議された治験等を受託する場合は、その内容を報告すること
3 治験審査委員会は、治験責任医師に対して治験審査委員会が治験の実施を承認し、これに基づく院長の指示及び決定が文書で通知され、契約締結されるまで被験者を治験に参加させないように求めるものとする。
4 治験審査委員会は、被験者に対する緊急の危険を回避するためなど医療上やむを得ない場合、又は変更が事務的事項に関するものである場合(例:治験依頼者の組織・体制変更、実施医療機関の名称・診療科名の変更、実施医療機関及び治験依頼者の所在地又は電話番号の変更、治験責任医師の氏名表記、所属及び職名の変更、モニターの変更)を除き、治験審査委員会から承認の文書を得る前に治験実施計画書からの逸脱又は変更を開始しないよう求めることとする。
5 治験審査委員会は、治験責任医師又は治験依頼者が以下の事項を院長を経由して治験審査委員会に速やかに文書で報告するよう求めるものとする。
(1) 被験者に対する緊急の危険を回避するなど医療上やむを得ない事情のために行った治験実施計画書からの逸脱又は変更に関する報告
(2) 被験者に対する危険を増大させるか又は治験の実施に重大な影響を及ぼす治験に関するあらゆる変更
(3) 全ての重篤で予測できない副作用等
(4) 被験者の安全又は当該治験の実施に悪影響を及ぼす可能性のある新たな情報
(5) 治験期間中の審査の対象となる文書の追加、更新又は改訂が行われた場合
6 治験審査委員会は被験者に対して直接の臨床的利益が期待できない非治療的な内容の治験であって、被験者の同意を得ることが困難な者を対象とすることが予測される治験について承認する場合には、かかる被験者の参加を承認する旨を承認文書に記載する。
7 緊急状況下における救命的な内容の治験において、被験者による事前の同意を得ることが不可能で、かつ、被験者の代諾者と連絡が取れない場合にも治験が行われることが予測される場合には、承認文書中に、被験者及び代諾者の同意なしに治験に参加する際の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上を図るための方法、及び治験責任医師等ができるだけ速やかに被験者又は代諾者となるべきものに対して説明し同意を得た経緯と結果を治験審査委員会に報告するよう記載する。
8 あらかじめ、治験依頼者、治験審査委員会等及び院長の合意が得られている場合においては、医薬品 GCP 省令第20条第2項及び第3項又は医療機器 GCP 省令第28条第2項及び第3項に関する通知に限り、治験依頼者は、治験責任医師及び院長に加えて治験審査委員会等にも同時に通知することができる。また、治験審査委員会等は、院長に加えて治験責任医師及び治験依頼者にも同時に文書により意見を述べることができる。この場合、医薬品 GCP 省令第32条第6項又は医療機器 GCP 省令第51条第6項の規定に基づき、治験審査委員会等の意見を院長が治
験依頼者及び治験責任医師に文書により通知したものとみなす。
(治験審査委員会の運営)
第5条 治験審査委員会は、原則として月1回(第1週の金曜日)開催する。但し、院長から緊急に意見を求められた場合には、随時委員会を開催することができる。
2 治験審査委員会は、実施中の各治験について、被験者に対する危険の程度に応じて、少なく とも1年に1回の頻度で治験が適切に実施されているか否かを継続的に調査審議するものとする。なお、必要に応じて治験の実施状況について調査し、必要な場合には、院長に意見を文書で通知するものとする。
3 治験審査委員会の開催に当たっては、あらかじめ治験審査委員会事務局から原則として1週間前に文書で委員長及び各委員に通知するものとする。
4 治験審査委員会は、以下の要件を満たす会議においてのみ、その意思を決定できるものとする。
(1) 審議の採決に参加できる委員が委員総数の過半数参加していること、かつ最低でも 5 名以上の委員が参加していること。
(2) 第3条第1項(4)の委員が少なくとも1名参加していること。
(3) 第3条第1項(5)の委員が少なくとも1名参加していること。
5 採決に当たっては、審議に参加した委員のみが採決への参加を許されるものとする。
6 当該治験の治験依頼者と関係のある委員(治験依頼者の役員又は職員、その他の治験依頼者と密接な関係を有する者)、治験責任医師及び治験責任医師と関係のある委員(治験分担医師、治験協力者又は治験責任医師の属する診療科の職員)は、その関与する治験について情報を提供することは許されるが、当該治験に関する事項の審議及び採決への参加はできないものとする。
7 委員長が特に必要と認める場合には、委員以外の特別の分野の専門家を委員会に出席させて意見を聞くことができる。
8 採決は出席した委員全員の合意を原則とする。
9 意見は次の各号のいずれかによる。
(1) 承認する
(2) 修正の上で承認する
(3) 却下する
(4) 既に承認した事項を取り消す(治験の中止又は中断を含む)
(5) 保留する
10 院長は治験審査委員会の審査結果について異議ある場合には、治験審査依頼書(書式4)に理由書(書式任意)を添えて治験審査委員会に再審査を請求することができる。また、院長は治験依頼者又は治験責任医師から治験審査委員会の審査結果について異議の申し出が文書
(書式任意)で提出された場合には、治験審査依頼書(書式4)に当該文書を添えて治験審査委員
会に再審査を請求することができる。
11 治験審査委員会は、審査及び採決に参加した委員名簿(各委員の資格及び職名を含む)に関する記録、会議の記録及びその概要を作成し保存するものとする。なお、会議の記録の概要については次の各号により作成する。
(1) 開催日時
(2) 開催場所
(3) 出席委員名
(4) 議題(治験薬の成分記号又は一般名及び治験依頼者名含む。なお、第Ⅲ相試験の場合は開発の相及び対象疾患名を含める。)
(5) 審議結果を含む主な議論の概要
12 治験審査委員会は、審査終了後速やかに院長に、治験審査結果通知書(書式5)により報告する。治験審査結果通知書(書式5)には、以下の事項を記載するものとする。
(1) 審査対象の治験
(2) 審査した資料
(3) 審査日
(4) 参加委員名
(5) 治験に関する委員会の決定
(6) 決定の理由
(7) 修正条件がある場合は、その条件
(8) 治験審査委員会の名称と所在地
(9) 治験審査委員会が医薬品及び医療機器 GCP 省令に従って組織され、活動している旨を治験審査委員会が自ら確認し保証する旨の陳述
13 治験審査委員会は、承認済の治験について、治験期間内の軽微な変更の場合には、迅速審査を行うことができる。迅速審査の対象か否かの判断は治験審査委員会委員長が行う。
ここでいう軽微な変更とは、治験の実施に影響を与えない範囲で、被験者に対する精神的及び身体的侵襲の可能性が少なく、被験者への危険性を増大させない変更を言う。具体的には、治験依頼者の当院に係る組織・体制の変更、治験の期間が1年を超えない場合の治験実施期間の延長又は治験分担医師の追加・削除等が該当する。
迅速審査は、治験審査委員会委員長及び委員長が指名する2名の委員により行い、本条第9項に従って判定し、第12項に従って院長に報告する。治験審査委員会委員長は、次回の治験審査委員会で迅速審査の内容と判定を報告する。
なお、委員長が当該迅速審査の対象となる治験の関係者である場合は、副委員長と他の委員を指名して代行させる。
第2章 治験審査委員会事務局
(治験審査委員会事務局の業務)
第6条 治験審査委員会事務局は、治験審査委員会委員長の指示により、次の業務を行うものとする。
(1) 治験審査委員会の開催準備
(2) 治験審査委員会の会議の記録(Q and Aを含む)及びその概要(審査及び採決に参加した委員名を含む)の作成
(3) 治験審査結果通知書(書式5)の作成及び院長への提出
(4) 記録の保存
治験審査委員会で審査の対象としたあらゆる資料、会議の記録(Q and Aを含む)及びその概要、治験審査委員会が作成するその他の資料等を保存する。
(5) その他治験審査委員会に関する業務の円滑化を図るために必要な事務及び支援
2 治験審査委員会事務局は次の各号に示すものをホームページ等に公表する。
(1) 治験審査委員会標準業務手順書
(2) 委員名簿
(3) 会議の記録の概要
(4) 治験審査委員会の開催予定日
3 本条前項に関して変更があった場合は直ちに更新し、履歴を作成するものとする。なお、本条前項第3号の会議の記録の概要については治験審査委員会の開催後2か月以内を目処に公表するものとする。
4 治験審査委員会事務局は会議の記録の概要の公表の際、治験依頼者より知的財産権を侵害する内容が含まれていないか事前に確認したい旨の求めがあった場合には、これに応じると共に、必要に応じてマスキング等の措置を講じた上で公表する。
第3章 記録の保存
(記録の保存責任者)
第7条 治験審査委員会における記録の保存責任者は治験審査委員会事務局長とする。
2 治験審査委員会において保存する文書は以下のものである。
(1) 当標準業務手順書
(2) 委員名簿(委員の職業、所属及び資格を含む)
(3) 提出された文書
(4) 会議の記録及びその概要(審議及び採決に参加した委員名を含む)
(5) 書簡等の記録
(6) その他必要と認めたもの
(記録の保存期間)
第8条 治験審査委員会における保存すべき文書は、(1)又は (2)の日のうちいずれか遅い日までの間保存するものとする。ただし、治験依頼者がこれよりも長期間の保存を必要とする場合には、保存期間及び保存方法について治験依頼者と協議するものとする。また、製造販売後臨床試験における記録の保存については、再審査又は再評価が終了する日までとする。
(1) 当該被験薬に係る製造販売承認日(開発を中止した又は臨床試験の試験成績に関する資料が申請書に添付されないことを決定した旨の通知を受けた場合にはその通知を受けた日から3年が経過した日)
(2) 治験の中止又は終了後3年が経過した日
2 治験審査委員会は、院長を経由して、治験依頼者より前項にいう承認取得あるいは開発の中止等に関する報告(書式18)を受けるものとする。
(附則)
第6条第2項から第4項に規定する治験審査委員会の公表に関する事項については、平成21年4月1日から適用する。
平成14年1月1日作成平成16年4月1日改定平成16年10月1日改定平成17年4月1日改定平成17年8月1日改定平成17年10月5日改定平成19年2月1日改定
平成20年3月28日改定 平成20年4月1日施行平成20年10月3日改定
平成21年1月9日改定 平成21年8月7日改定 平成22年2月5日改定 平成24年4月18日改定平成25年 1 月25日改定平成25年4月16日改定平成27年1月1日改定