Contract
附属書四(第六章関係) 金融サービス
(l)
1 この附属書は、金融サービスの提供に影響を及ぼす措置について適用する。この附属書において「金融サービスの提供」というときは、第五十八条 に規定するサービスの提供をいう。
(a)
2 この附属書の適用上、
(i)
「金融サービス」とは、金融の性質を有する全てのサービスであって締約国の金融サービス提供者
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が提供するものをいう。金融サービスは、全ての保険及び保険関連のサービス並びに全ての銀行サー
(A)
ビスその他の金融サービス(保険及び保険関連のサービスを除く。)から成り、次の活動を含む。保険及び保険関連のサービス
(AA)
元受保険(共同して行う保険を含む。)
(aa)
(bb)
生命保険以外の保険
(BB)
(CC)
保険仲介業(例えば、保険仲立業、代理店業)
(DD)
保険の補助的なサービス(例えば、相談サービス、保険数理サービス、危険評価サービス、請
求の処理サービス)
(B)
銀行サービスその他の金融サービス(保険及び保険関連のサービスを除く。)
(AA)
公衆からの預金その他払戻しを要する資金の受入れ
(BB)
全ての種類の貸付け(消費者信用、不動産担保貸付け、債権買取り及び商業取引に係る融資を
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含む。)
(CC)
xxxxxx・xxx
(DD)
全ての支払及び送金のサービス(クレジット・カード、旅行小切手及び銀行小切手を含む。)
(EE)
保証
(FF)
自らのため又は顧客のために行う次のものの取引(取引所取引、店頭取引その他の方法のいず
れで行われるかを問わない。)
(aa)
短期金融市場商品(小切手、手形及び預金証書を含む。)
(bb)
外国為替
(cc)
派生商品(先物及びオプションを含む。)
(dd)
為替及び金利の商品(スワップ、金利先渡取引等の商品を含む。)
(ee)
譲渡可能な有価証券
(ff)
その他の譲渡可能な証書及び金融資産(金銀を含む。)
(GG)
全ての種類の有価証券の発行への参加(公募で行うか私募で行うかを問わず委託を受けた者と
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して行う引受け及び売付け並びに当該発行に関連するサービスの提供を含む。)
(HH)
資金媒介業
(II)
資産運用(例えば、現金又はポートフォリオの運用、全ての形態の集合投資運用、年金基金運
用、保管、預託及び信託のサービス)
(JJ)
金融資産(有価証券、派生商品その他の譲渡可能な証書を含む。)のための決済及び清算の
サービス
(KK)
他の金融サービスを提供する者による金融情報の提供及び移転、金融データの処理並びに関連
ソフトウェアのサービス
(LL)
(AA)
(KK)
から までに規定する全ての活動についての助言、仲介その他の補助的な金融サービス(信
用照会及び分析、投資及びポートフォリオの調査並びにこれらについての助言並びに企業の取
得、再編及び戦略についての助言を含む。)
(ii)
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「金融サービス提供者」とは、金融サービスを提供することを希望し、又は提供している締約国の
自然人又は法人をいう。ただし、金融サービス提供者には、公的機関を含まない。
(
i)
「公的機関」とは、次のものをいう。
(A)
締約国の政府、中央銀行若しくは金融当局又は締約国が所有し、若しくは支配する機関であって
主として政府の機能の遂行若しくは政府のための活動の実施に従事するもの(主として商業的な条
件に基づき金融サービスの提供に従事する機関を除く。)
(B)
中央銀行又は金融当局が通常遂行する機能を遂行している私的機関。ただし、当該機能を遂行し
ているときに限る。
(b)
(s)
第三条 に規定する「政府の権限の行使として提供されるサービス」とは、次の活動をいう。
(i)
中央銀行又は金融当局が行う活動及びその他の公的機関が金融政策又は為替政策を遂行するために
行う活動
(ii)
社会保障又は公的年金計画に係る法律上の制度の一部を形成する活動
(ii)
公的機関が政府の勘定のために若しくは政府の保証の下に又は政府の財源を使用して行うその他の
活動
(c)
(b)
(ii)
( i)
締約国が自国の金融サービス提供者に対し 又は に規定するいずれかの活動について公的機関又
(s)
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は金融サービス提供者との競争を行うことを認める場合には、第三条 に規定する「サービス」には、
当該活動を含める。
(d)
(k)
第五十八条 の規定は、この附属書の対象となるサービスについては、適用しない。
1 第六章から第八章までの規定にかかわらず、締約国は、信用秩序の維持のための措置(投資家、預金者、保険契約者若しくは信託上の義務を金融サービス提供者(金融サービスを提供する企業を含む。)が
負う者を保護し、又は金融体系の健全性及び安定性を確保するための措置を含む。)をとることを妨げら
れない。当該措置については、第六章から第八章までの規定に適合しない場合には、これらの章の規定に基づく当該締約国の約束又は義務を回避するための手段として用いてはならない。
2 第六章のいかなる規定も、締約国に対し、個々の顧客に関する事項及び勘定に関連する情報、公的機関が所有する秘密の情報又は公的機関が専有する情報の開示を要求するものと解してはならない。
第三節 承認
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1 締約国は、金融サービスに関連する自国の措置の適用方法を決定するに当たり、信用秩序の維持のための措置であって国際的な規制機関又は第三国のものを承認することができる。措置の調和その他の方法により行うことができる承認は、当該国際的な規制機関若しくは第三国との協定若しくは取決めに基づいて又は一方的に行うことができる。
2 1に規定する協定又は取決めの当事者である一方の締約国は、当該協定又は取決めが現行のものであるか将来のものであるかを問わず、他方の締約国に対し、同様の規制及び監督が存在し、その規制が同様に実施され、並びに適当な場合には当該協定又は取決めの当事者間の情報の共有に関する手続と同様の手続
が存在することが可能な状況の下で、当該協定若しくは取決めへの当該他方の締約国の加入について交渉
し、又はこれと同等の協定若しくは取決めについて交渉するための機会を十分に与える。一方の締約国は、承認を一方的に与える場合には、他方の締約国に対し、そのような状況が存在するか否かについて意見を表明するための機会を十分に与える。
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信用秩序の維持の問題その他の金融の問題に関する紛争について第xx十六条の規定に基づいて設置される仲裁裁判所は、紛争の対象となっている特定の金融サービスに関して必要な専門知識を有するものとする。
1 一方の締約国は、他方の締約国の金融サービス提供者であって、自国の区域内に業務上の拠点を有し、かつ、自国の法律の下で、業務を行うことを認められ、及び公的機関によって規制され、又は監督されているものに対し、同様の状況にある自国の金融サービス提供者が提供することを許可する新たな金融サービスを提供することを許可する。各締約国は、新たな金融サービスが提供される組織上の形態及び法的形
態を決定し、及び新たな金融サービスの提供のための許可を要求することができる。
2 締約国が新たな金融サービスに係る許可を要求する場合、その決定は、妥当な期間内に行う。
3
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この節の規定の適用上、「新たな金融サービス」とは、一方の締約国の区域内ではいかなる金融サービ
ス提供者によっても提供されていないが他方の締約国の区域内では提供されている金融サービスをいい、
既存の若しくは新たな金融商品に関連するサービス又は金融商品が提供される態様を含む。第六節 情報の移転及び処理
いずれの締約国も、電磁的手段によるデータの移転を含む情報の移転若しくは金融情報の処理又は機器の移転が金融サービス提供者の通常の業務の遂行にとって必要である場合には、当該情報の移転又は金融情報の処理を妨げる措置をとってはならず、また、国際協定に適合する輸入規則に基づく場合を除くほか、当該機器の移転を妨げる措置をとってはならない。この節の規定は、個人の情報、私生活並びに個人の記録及び勘定の秘密を保護する締約国の権利を制限するものではない。ただし、当該権利が第六章の規定及びこの協定の他の関連する規定を回避するために行使されないことを条件とする。
両締約国は、金融サービスに関する事項についての意見交換のための会合を、この協定の効力発生の時点
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において存在する適当な場又は両締約国が合意する適当な場を通じて、両締約国が合意する時期及び場所において開催する。この会合は、各締約国が決定する関係団体(監督当局を含むが、これに限定されない。)で構成する。