事前契約の目的と機能. ○ 収穫後に価格が決まるのではなく、予め決まった価格や数量に基づいて生産する事前契約は、生産者にとって必要。毎年安定的に取引し、互いに信頼できる取引先と契約できることが望ましい。 〇 需要があって初めて生産ができるのであり、事前契約が米取引の本来の姿ではないか。 〇 事前契約の目的は、当事者により様々であるが、とりわけ量の安定が重要。また、実需者と生産者が互いに取引の量や価格を安定させる手法の一つ。 〇 事前契約は、需給の安定にも一定程度寄与するが、需給緩和時の需給安定装置としての役割は難しく、事前契約の推進と需給環境の改善が相補関係にある。また、事前契約は産地から実需者までが繋がる取引が望ましい。 〇 生産者・集荷業者・卸・実需が結びついて、価格・数量等の条件が固定された事前契約が望ましいが、全量は不可能であり、大部分を事前契約としつつ、流通をスムーズにできることが重要。 〇 事前契約は、需給と価格の安定を生み出す引き金になる。 〇 長期的な取組として、品質の良い米を作る産地を評価し取引数量を増やすことにより、将来的な取引拡大を期待。卸に実需者のニーズに合った産地を開拓する手助けをしてもらい、生産者・卸・実需が結びついた取組を進めることが重要。 〇 米の生産が持続的に発展していくためには、雇用の確保やスマート農業への投資が必要。そのためにも、将来を見通すことができる事前契約が重要。 〇 今後アピールされていく環境に優しい米などはスポットでは調達することが難しく、事前契約が必要。マーチャンダイジングの観点も競争戦略上の重要な要素ではないか。