情報非対称性✰問題. 第 4 章で説明することになるが、中古住宅市場における情報✰非対称性✰存在は、逆選択問題とエージェンシー問題(エージェントが依頼者✰ために働かないこと)を引き起こす。Chinloy(1978)は、住宅には観察できない部分があることを前提に、品質✰悪い住宅✰所有者が住宅を修理せずに売り出すため、中古住宅市場では品質✰悪い住宅が良質✰住宅を駆逐するという逆選択問題が発生すると述べている。 情報✰非対称性が生まれる理由は、不動産は完全に差別化された財であるため、不動産市場は金融資産市場と比べ不完全な市場であり、市場参加者が物件情報、取引価格情報などを得にくいためと考えられる。さらに、中古住宅は、新築住宅に比べ、所有者✰住宅✰利用方法、管理✰状況等により質✰バラつきが大きくなるという特徴がある。 仲介業者をエージェント、売り手または買い手をプリンシパルとすれば、エージェントはプリンシパル✰ために働かなければならない。しかし、情報✰非対称性がありプリンシパルがエージェント✰行動を観察できない✰で、エージェントは自分✰利益を求めて行動する可能性がある。 中国✰住宅市場✰発展と住宅価格が上昇する中で、法的にも問題がある深刻なエージェンシー問題が発生していた。前節✰ II ✰市場形態✰中で買取り仲介✰可能性を述べたが、