敷金等の返還義務について のサンプル条項

敷金等の返還義務について. 甲1の契約条項7条には,保証金(敷金)30万円は全額償却する旨の記載が認められるが,敷金は一般に賃貸借契約から生ずる賃借人の債務(未払家賃や賃借人が負担する必要のある修繕費等)を担保するために賃借人から賃貸人に差し入れられたものであるから,賃借人に未払家 賃,修繕費等の債務がない場合には,他に合理的な理由がない限り,賃貸人は賃借人に返還する義務を負い,これと異なる定めは消費者契約法 10条により無効になると考えるべきである。被告は,敷金の全額償却の定めは賃料及び敷金を相場と比べて低額にしているためである旨主張しているが,当該事実を裏付ける証拠はないし,被告自身,賃料を低額にした理由として,契約期間を5年間として,更新できない定期借家としたことや,リフォームを一部行わないことにしたからである旨述べているところであり,また,敷金を低額(相場の半額)に抑えたとしても,それは早期に契約を締結し,空室状態をできるだけ防ぐという経営上の措置であるとも考えられるところであり,敷金の全額償却を正当化する合理的な理由は認められないから,被告は,原告に対し,敷金30万円の返還義務を負う。 次に,同年11月分の家賃の返還義務の有無について検討するに,解約申し入れにより,本件契約は同年10月25日に終了したものと解されるところ,甲1によれば,契約条項14条に,1か月分の月額家賃を賃貸人に支払うことにより即時中途解約することができる旨定められており,本件ではこの条項に該当すると考えられるから,原告は,初日不参入により,同月26日から1か月後の同年11月25日までの賃料については返還請求することはできず,同月26日から同月30日までの 5日間分のみ返還請求することができるものと考えられる。12万60 00円の30日分の5日分は2万1000円となるから,被告が返還義務を負うのは2万1000円である。 次に,鍵交換代の返還義務について検討するに,新たに賃貸借契約が締結される場合の鍵の付け替えは,賃貸人が当該物件管理上の責任を負っており,その義務の履行としてとらえるのが相当であるから,賃借人が負担した場合には,賃貸人は自らの支出を免れたことによる利得を得たことになるから,原則として,当該費用の返還義務を負うと解するべきである。鍵の交換を原告が要求して,その費用の負担を了解していたものであるか否か,原告と被告とで主張は異なっており,事実関係は明らかではないが,少なくとも,鍵は交換され,その費用を原告が負担した事実は明らかであり,原告が負担する必要がないのに鍵交換代を支出 したことを裏付ける証拠はないから,原則に従い,被告が鍵交換代2万 1000円の返還義務を負うと解するべきである。 なお,訴状送達の日の翌日が同21年1月24日であることは顕著な事実である。甲1によれば,契約条項8条に敷金の返還時期は原告又は物件管理者が退去確認後,原則として1か月以内とする旨定めているが,訴状送達の日の翌日はその後であるから,遅延損害金の起算日は後者となる。敷金以外の既払金(11月分家賃の一部及び鍵交換代)についても,同日以降遅滞となる。

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  • 事故発生時の義務および義務違反の場合の取扱い (1)保険契約者または被保険者は、事故が発生したことを知った場合は、次の事項を行わなければなりません。

  • 譲渡禁止 利用者は、本規約等に基づく権利義務の全部または一部を第三者に譲渡し、または自己もしくは第三者のために担保に供してはならないものとします。

  • 特約の締結 この特約は、主たる保険契約(以下「主契約」といいます。)の締結の際、保険契約者から申出があり、かつ、会社がこれを承諾した場合に主契約に付加して締結します。

  • 保険金支払後の保険契約 (1)当会社が第5条(保険金の支払額)(1)①の保険金を支払った場合は、この保険契約は、その保険金支払の原因となった損害が生じた時に終了します。

  • 承諾の限界 当社は、契約者から工事その他の請求があった場合に、その請求を承諾することが技術的に困難なとき又は保守することが著しく困難である等当社の業務の遂行上支障があるときその他当社が不適当と判断したときは、その請求を承諾しないことがあります。ただし、約款において別段の定めがある場合には、その定めるところによります。

  • 準拠法・管轄 本契約および本サービスの準拠法は日本法とします。 本契約に基づく諸取引に関して訴訟の必要が生じた場合には、当金庫(本店)の所在地を管轄する裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意します。

  • 利用申込み 1. 本サービスの利用の申し込みに際しては、当組合制定の書面(以下、「利用申込書」といいます。)により「住所」、「氏名」、「暗証番号」、その他必要事項を届け出てください。

  • 設置場所の変更 加入者は、次の場合に限り引込線及び機器等の設置場所を変更できるものとします。

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  • 著作権等の譲渡禁止 第9条 受注者は、成果物又は本件建築物に係る著作権法第2章及び第3章に規定する受注者の権利を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾又は同意を得た場合は、この限りでない。