なお、本組合の事業としてではなく、無限責任組合員又はその関連会社の事業として、投資先. 事業者に対する経営又は技術の指導が行われることもある。経営又は技術指導の方法としては、コンサルティング契約を締結する方法、投資先事業者に取締役等を派遣する方法等が存する。仮に、これらを本組合の事業として本組合が行うのであれば、これらから生じる収益は本組合のものとなり、逆にこれに要する費用は本組合の費用となろう。他方、これらを無限責任組合員らの事業として行えば、無限責任組合員の別途の収益や費用になることになろう。無限責任組合員らの立場でこれらを行うとすると、無限責任組合員らは本組合との間で実質的に利益相反の関係に立つため、このような行為の是非については、諮問委員会の承認を要件とすることなども考えられるが、本契約では、これを認めたうえ、無限責任組合員が投資先事業者等から受領する手数料や報酬の全部又は一部を、本組合が無限責任組合員に対して支払う管理報酬の額から控除することで利害調整を図っている(第 33 条第 4 項。第 33 条解説 5.参照)。 なお、諮問委員会の承認権限を設ける場合については、外国組合員が税制特例の適用を受ける投資事業有限責任組合契約の場合、かかる承認が税法上の業務執行承認に該当しないかについて留意する必要がある。承認の対象が、無限責任組合員が本組合の業務執行者としての地位を離れて投資先事業者に対してコンサルティング等を行うことについての承認であれば、税法上の業務執行承認には該当しないものと整理しうる(経済産業省「Q&A」2.(2)③参照)。