コード調査. 炉心損傷・溶融進展解析コードの熱流動解析モジュールは、3 次元・多相・多成分・多速度場を取り扱うことのできる熱流体力学コードであり、質量保存式、運動量保存式、エネルギー保存式を有限差分法により離散化している。ステップ A、B、C の 3 つの部分から構成されており、各ステップでは以下の計算を行っている。ライン数は約 63,000 である。 ・ステップ A ： 流動様式、境界面積、運動量交換関数、熱伝達率を決定溶融/凝固、蒸発/凝縮を計算して、各保存式の予測値を評価 ・ステップ B ： 圧力方程式の収束計算により圧力を決定 ・ステップ C ： ステップ B で決定された圧力を用いて質量、運動量、エネルギーを更新 本作業では、熱流動解析モジュールの計算高速化のためのコード調査を行う。具体的には、熱流動解析モジュールを構成する全てのサブルーチンについて、詳細幾何形状モデルの検 証解析を対象としてサブルーチンごとの計算時間を測定し、計算時間がかかっている箇所 を抽出して整理する。 上記 3.3.1 に係る作業内容を、図表を含む技術資料 30 枚程度にまとめる。 詳細幾何形状モデルは、燃料集合体 4 体相当領域のみを評価するため解析対象領域が狭く、解析対象以外の影響を精緻に評価することができない。そこで、詳細幾何形状モデルを径方向に拡張する可能性について、解析時間及び安定性の観点から検討する。 図 2 の径方向配列（2 詳細幾何形状モデルの配置）に示す解析体系を例として、詳細幾何形状モデルを径方向に拡張する可能性について検討するための炉心損傷・溶融進展解析コードの入力データを作成する。水平断面のセル分割数、及び軸方向分割数については、計算精度と計算時間を考慮して、原子力規制庁の指示に基づき決定する。
