契約取引の概要. (1)相手先の変遷 ・ 平成6~8年に、まずある量販店と契約を行った。これは 2 年で停止したが、契約自体が、価格を決めて、数量は契約していなかったため、市場価格が安くなると注文が減り、市場価格が高いときには契約での注文が増える、と買い手有利の契約で、経営が難しかった。数量、価格の両方の契約にしようとしたが、折り合わずに契約が終了。 ・ その量販店との取引が口コミで広まり、他の量販店とも取引開始。仲卸業者が間に入り、 数量と価格を両方決める年間契約。しかし、実需者との間に中間業者がいくつか入っているようで、代金決済が遅れたときに、実需者にクレームをつけたら、既に支払い済みだと言われた。中間の段階で支払が滞っていたのである。そのようなトラブルが起きてから、その業者を仲介にしていた実需者との取引を止めた。 ・ ついで別の量販店と契約取引を行った。これは間には1業者のみで、透明性の高い取引。同取引は、年間出荷数量、出荷時期、価格等を取り決めたもの。取引に問題は無かったが、先方の方針で、調達先を一元化することになって、契約は終了。しかし、契約終了 2~3か月前にはその旨連絡があり、こちらの資材等の在庫が終わるまでは取引を継続してもらう等、円満な終了となったため、その後も連絡をとるような関係は続いている。 ・ その後は、まず地元の有名な量販店に出荷することでブランド力を高めようと、地域の大手スーパー、生協等と契約取引をしている。ホテル等からも契約取引の話がきている。
契約取引の概要. (1) 契約取引拡大の経緯 ・ 法人代表者が独自に、カットごぼうの生協への契約出荷、量販店向けの無農薬ホウレンソウの契約出荷等、実需者ニーズに着目して市場経由以外の流通ルートで販売を拡大してきた経緯があった。
契約取引の概要. (1)経緯 a 生協との取引 ・ 18 年前に販売連を構成する農協の1つの部会で、減農薬・減化肥で栽培したたまねぎを生協に販売したのが契約取引の始まり。当時、生協からの依頼を受けて始めた。その後、その生協がダメになり、生協の子会社で農産物を全国に卸している会社に出荷。 ・ 価格は年1本で4月中旬に決める。産地倉渡し価格で、運賃は生協子会社が負担。 ・ 荷姿は先方からの指示でコンテナ、ネット、ダンボール形式などさまざま。規格は 2L ~M までの混み。個選個販。 b 加工業者との取引(実需者は外食業者) ・ 5年前から、加工業者を通じて外食業者に減農薬・減化肥で栽培したたまねぎを出荷している。取引量は年間 400 トン。 ・ 先方から部会長に問合せがあった。2年間の試作を行って本格実施となった。 c 生協・加工業者との取引の共通事項 ・ 商流は経済連経由になっている。経済連経由なので契約書は締結していない。経済連を経由しているのは代金回収リスクを回避するため。経済連が取引先から保証金を得ているので、代金回収は問題ない。 ・ 販売連も経由しているが、販売連の手数料は農協に支払う仕組みになっている。 ・ 減農薬・減化肥栽培は全体の3割までと決めてある。減農薬・減化肥栽培の過剰生産物は慣行栽培物と同じように出荷し、欠品が出そうな場合には、出荷前の 7~8 月の段階で取引先に伝える。 ・ 減農薬・減化肥栽培の生産者は、かつては 33 戸いたが、できない人がやめて現在は 19 戸。農協全体のたまねぎ農家は 28 戸。収穫すれば収入が計算できるので出荷者は多い。 d 経済連を介さない直接取引 ・ 経済連を経由しているのは卸売市場、生協子会社、加工業者で販売・取扱高の 7 割で、残りの 3 割は経済連を介さずに直接取引している。
契約取引の概要. 平成 14 年度の青果の契約取引販売高は、卸売市場が帳合する契約取引が 18 億円、市場 外の直接販売が 18 億円で合計 36 億円であり、青果全体の 4%程度を占める。 ・ 当会では、直接販売の一部の、数量、価格、出荷期間等を厳格に契約した取引のみを契約取引と呼んでおり、平成 14 年度の販売高は 6 億円。