契約の目的的定义

契約の目的. をめぐる議論状況と検討
契約の目的. から見た複合契約の構造分析
契約の目的. に基づいて解除を判断するというアプローチは,複合契約の解除の場面で意義があるのはもちろんのこと,債務不履行や瑕疵担保等の場面においても重要な役割を担うものとされる17)。それにもかかわらず,栗田晶の指摘にもあるように,「我が国では,目的とは何かについて必ずしも十分な議論がなされているわけではない」18)。この点に関しては,國宗知子も,「契約の目的」とは一体どのようなものであるのかについて

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契約の目的. の定義付けやその内容について分析を行ったのが以下に挙げる学説である。
契約の目的. が達成されないことによって解除が認められるかどうかは,
契約の目的. が契約内容になったといえるか否かが決め手となる場合が多いとの指摘もなされている29)。栗田も,「契約の目的」自体の意味を明らかにするのはもちろんのこと,さらに「契約の目的」をどのように位置づけるかという問題ついて検討する重要性を指摘している30)。つまり,単なる動機レベルではなく,ある一定の状態となったものがはじめて「契約の目的」として認められ,解除要件として機能するということである。このような,「契約の目的」の確定方法についても,Ⅲで詳しく検討する。
契約の目的. に関しては,買主がマンションをスポーツ施設の利用を主要な目的として購入するとともに,売主も当該物件をそのようなものとして販売していると考えられるため,「買主の契約締結目的は売主においても両契約が運命をともにするとの黙示の合意を認めうるほどに共有されていた」と主張する66)。このように,当事者間における合意の程度によって 「契約の目的」を確定するとしても,その扱いは同一当事者か三当事者以上かによって異なるものとされるが,この点についてはⅢにおいて検討する。
契約の目的. が重要な役割を果たしていることをうかがうことができた。そこで,本章ではこの点についてさらに検討したい。 以下では,一般的な「契約の目的」の分析を行った森田説,筏津説につ いて,Ⅰでは取り上げなかった,特に複合契約の分析部分について考察を 行う。その上で,これらを参考に,複合契約をめぐる議論において各論者 が想定する「契約の目的」がどのようなものであるかを検討する。そして,以上の分析から導かれる複合契約の解除の判断基準を示した上で,実際に いくつかの事案へのあてはめを行っていきたい。
契約の目的. が影響を及ぼすものと考えられる。それに加えて,ここで想定されている「契約の目的」とは,当事者が複合契約を締結することによってその実現を目指すものを意味する。つまり,筆者の仮説でいう「大きな目的」に近いものであろう。
契約の目的. として拾い上げることのできるものが存在するのではないかと思われる。たしかに,同じような状況を,一方当事者の動機の錯誤としてとらえることもできそうであるが,「現実を直截に見るならば,それは買主の一方的な動機の問題ではなく,やはり『契約レベル』での問題としてとらえる方が実態に即した構成ではないか」85)と考える。 人は契約を締結する際,何らかの「契約の目的」をもった上で行動に出ているはずである。複合契約を締結する際も同様で,あえて複合契約という契約形態をとることによって実現を目指す「大きな目的」が存在するのは必然である。そのため,複合契約を分析する際にも,各個別契約の「契約の目的」ではなく,まずは,複合契約の「大きな目的」が存在するという点に着目して,その確定を目指すべきなのである。このような「大きな目的」は,複合契約を構成する各個別契約の「契約の目標」を単に合わせたものではなく,これらを組み合わせることによって得られる,より付加価値性・財貨性の高いものと考えられる。 そこで,「契約締結目的をいかなる基準で契約の領域に組み入れうるのか,つまりどのような目的であればその消失が当該契約の消滅をもたらしうるのか」86)が問題となる。この点について,都筑は,前出Ⅱ⚒⑵⒞ⅱのように両契約の消滅に関して当事者間でなされていた合意の程度によって判断しようとするが,当事者が同一である平成⚘年判決のような場合とは異なり,三当事者以上の間の複合契約においては,一方契約の消滅が,当該契約の当事者ではない他方契約の相手方の取引安全を害する恐れが強いため,より慎重な判断が必要であるとする。 このように,論者により判断基準は異なるものの,いずれの学説においても,その判断の際に「契約の目的」の想定が重要な影響を及ぼしていることが分かる。そして,各学説において想定されているのは,筆者の仮説でいう,複合契約を締結することによって実現を目指す「大きな目的」を意味するものであると考える。枠構造を想定するにしても,付加価値で 「契約の目的」を判断するにしても,財貨価値で個数を判断するにしても,