山本座長. ありがとうございました。それでは、平尾委員、お願いいたします。
山本座長. ありがとうございました。それでは、坪田委員、お願いいたします。
山本座長. ありがとうございました。
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山本座長. ありがとうございました。それでは、山本和彦委員、お願いします。 ○山本和彦委員 この問題は、私が関与するようになってからでもかなり長い議論がされてきたところでありまして、最初は立証責任の転換という話から始まったと記憶しておりますけれども、今回事務局が御提案になられたものというのはそれが収れんしていった結果として、私の目から見ればかなり穏当なものになっており、基本的には賛成 できるのではないかと考えております。 また、他方で事業者の方々が御心配になる営業秘密の保護ということはやはり非常に重要な問題だと私も思っておりまして、そこに対する配慮というのは引き続き必要なのではないかと思います。その観点から言うと、まず第1にその検討事項として具体的に挙がっている特則の利用主体を適格消費者団体に限定すべきかという点については、これは前にも申し上げたかと思いますが、私はやはり限定するという方向で考えるべきではないかと思っております。消費者とはいえ、それはまさに様々な消費者がいるわけでありまして、非常に極端なことを言えばライバル企業の従業員だって、それは契約を締結すれば消費者になるわけですので、積極否認については確かに制裁等はないとはいえ、この22ページの例に挙がっているように、具体的な価格、費用、金額が入ったような事柄を相手方に主張することを求めるというところからすると、やはりなかなか一般消費者に対して全てそれを認めるというのは難しいのではなかろうかと思っています。特許の議論でも、私が記憶している限りでは、職務発明の訴訟についてやはりそういう開示、秘密保持義務を課して開示するという制度が検討されたことがあると記憶されていますが、やはりそのときでも一般労働者に対してまでそのような開示を求めるというのは、幾ら秘密保持義務があっても難しいのではないかというような議論になっていたのではないかと記憶していまして、なかなか一般消費者では難しいのだろうと思っています。 他方、適格消費者団体ということであれば、これは今までの立法事実といいますか、適格消費者団体の活動の経緯を見ても、当初はやはり適格消費者団体であっても濫用的な提訴、あるいはそういう警告等が懸念されていたと思うのですが、現状の運用を見ると、私はやはりそういうことが事実として起こっていないというのは非常に重要なことかと思っておりまして、そういう意味では適格消費者団体に限定をして導入するという方向が妥当なのではないかと思っています。 それからもう一点は、秘密保持義務の関係であります。仮に適格消費者団体に限定した場合に、資料の25ページの最後の※印だと「既に秘密保持義務等が法定されているため、新たな規律を設ける必要はないと思われる」と記載されていますけれども、遠山委員だったかと思いますが、御指摘されたとおり、これはかなりいわゆる訴訟法上の秘密保持義務とは異なるものなのではないかと思っております。その手続等も異なりますし、遠山委員が御指摘だったと思いますが、法定刑等も相当異なるものになっております。そういう意味では、消費者契約法25条があるからといって秘密保持義務の制度が要らないかということについては、なお慎重な検討が必要になるだろうと思います。
山本座長. ありがとうございます。ほかに御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。渡辺委員、お願いいたします。
山本座長. どうもありがとうございました。 以上で、委員の皆様から御意見を伺うことができたかと思います。ここからは、ほかの委員の御発言に対して御意見や御質問を希望される方は、挙手機能を使ってお知らせください。いかがでしょうか。 よろしいでしょうか。もしよろしければ、私から山本龍彦委員に確認をさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。 立法で年齢をあげて、年齢によって異なる取扱いをするということになる。それはおっしゃるとおりかと思うのですが、この提案で行おうとされているのは、「総合的に考慮」というのはもちろんあるわけですけれども、より丁寧な情報を提供する努力義務を課すということです。より丁寧な情報の提供というのがどのようなものかという問題ではあるのかもしれませんが、消費者にとってはより分かりやすい説明が行われる可能性があるわけであって、直ちに不利益というわけではないのだろうと思います。差別的取扱いで特に問題のあるのは、Aという人とBという人がいて、Aという人には利益が与えられているけれども、全く同じなのにBという人に与えられていない、ないしはAという人に負担を課していて、しかしBという人には負担を課さない。このような取扱いが行われる場合が典型的な差別的取扱いの問題なのだろうと思いますが、ここでは少し状況が違うようにも思います。利益を押しつけているという意味での差別的取扱いの変形例の一つなのかもしれませんけれども、こういった立法をしたとしても、なお憲法上の問題があるのかというのが私の質問です。 特に「総合的に考慮」となっておりますので、年齢が若年ないしは高齢者であるということは分かって、丁寧な説明を試みようとしたところ、反応を見ていれば、これは十分によく理解して、つまり知識、経験が一定水準以上あるとなると、それ以上、丁寧な説明をする必要はないとして打ち切ることにおそらくなるだろうと思います。それで努力義務は果たしたことになる。このような仕組みであっても、なお問題があるでしょうかというのが質問です。よろしくお願いします。 ○山本龍彦委員 ありがとうございます。直接、憲法上の問題がどれぐらい生じるかというのは、確かに先生がおっしゃるように分からないところもあるのですけれども、例えばある人には、より丁寧な説明がされるわけですが、そうでない人には、逆に、そういった説明がなされないということもあるので、そういう意味で、利益を与えるだけのものではないというところがあるのではないか。つまり、ベースラインを引いた ときに、そのベースラインを超える人もいれば、低くなる人もいるということになるので、やはり年齢を考慮した形で異なる取扱いがなされているという点では、そういうことになるのだろうなと思いました。 もう一点は、もちろん何らかのジャスティフィケーション、そういった異なる取扱いをした場合でもジャスティファイされれば良いわけですけれども、今回そこで重要になるのは、年齢はある意味で、知識とか経験よりも分かりやすいので、結局その年齢ということを非常に形式的に受け取ってしまって、形式的な説明になってしまうことによって目的にかえって反すると申しますか、丁寧な説明にならないというような、目的にかえって反するような帰結をもたらさないか。こういうような視点も必要になってくるのではないか。 もちろん、効果があれば、説明がより丁寧で、より分かりやすくなり、消費者にとって利益になるというようなことで目的が達成されるのであれば、そういった異なる取扱いも十分に正当化されると思うのですけれども、そこについてもう少し調査、検討が必要なのかなと思っております。そこについてしっかり裏が取れれば、というのでしょうか、年齢を入れることで、カテゴリカルな対応にならずに、より丁寧な説明なり、消費者の利益になるということが一定程度示されれば、私は導入可能であるというふうに思っております。以上です。
山本座長. ありがとうございました。ほかに御意見はありますでしょうか。
山本座長. それでは、ほかに御質問等はありますでしょうか。平尾委員、お願いいたします。
山本座長. ありがとうございました。本日の議論につきましては、運営要領に基づきまして、事務局と私で議事録を作成して、委員の皆様、そして丸山先生にご確認いただいた上で、公表したいと考えています。
山本座長. よろしいでしょうか。