三菱UFJリース株式会社(以下、当社又は三菱UFJリース)は、2021年4月1日を効力発生日、三菱 UFJリースを吸収合併存続会社、日立キャピタル株式会社(以 下、日立キャピタル)を吸収合併消滅会社とする吸収合併(以下、本合併)に係る吸収合併契約を締結することを決定致しました。
三菱UFJリース株式会社(以下、当社又は三菱UFJリース)は、2021年4月1日を効力発生日、三菱 UFJリースを吸収合併存続会社、日立キャピタル株式会社(以下、日立キャピタル)を吸収合併消滅会社とする吸収合併(以下、本合併)に係る吸収合併契約を締結することを決定致しました。
会社法第794条第1項及び会社法施行規則第191条の規定に基づき、本合併に際して開示すべき事項は以下のとおりです。
1.吸収合併契約の内容
別添資料1「合併契約書(写)」のとおりです。
2. 会社法施行規則第191条各号に定める事項の内容の概要
(1)会社法第749条第1項第2号および第3号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項(会社法施行規則第191条第1号)
会社名 | 三菱UFJリース (吸収合併存続会社) | 日立キャピタル (吸収合併消滅会社) |
合併比率(以下、本合併比率) | 1 | 5.10 |
合併を通じた経営統合(以下、本経営統合)により交付する株式数 | 普通株式:571,079,267株(予定) |
①本合併に際して交付する株式の数およびその株式の割当ての相当性に関する事項 1)本合併に係る割当ての内容
(注)1. 本合併比率
日立キャピタルの普通株式1株に対して三菱UFJリースの普通株式5.10株を割当て交付します。但し、本合併比率を含む本合併の条件は、三菱UFJリースと日立キャピタル(三菱UFJリースと日立キャピタルを総称して以下、両社)両社の事業、財務状態または経営成績、その他の状況に重大な悪影響を及ぼす事象が生じた場合などにおいては、両社協議の上、変更することがあります。なお、日立キャピタルが保有する自己株式(2020年6月30日現在7,940,885株。執行役に対する業績連動型株式報酬制度として信託が保有する株式106,000株は含めておりません。以下同様。)及び三菱UFJリースが保有する日立キャピタルの普通株式(2020年3月31日現在4,909,340株)に対しては、本合併による株式の交付は行いません。
(注)2. 本合併により交付する株式数
三菱UFJリースの普通株式571,079,267株(予定)
上記は、日立キャピタルの2020年6月30日時点での普通株式発行済株式総数(124,826,552株)及び自己株式数(7,940,885株)ならびに2020年3月31日時点における三菱UFJリースが保有する日立キャピタルの普通株式(4,909,340株)を前提として算出しております。実際には、本合併がその効力を生ずる日(以下、本効力発生日)の前日の最終の日立キャピタルの株主(但し、三菱UFJリース及び日立キャピタルを除きます。)に対して、上記の本合併比率に基づいて算出した数の三菱UFJリースの普通株式を交付する予定です。したがって、日立キャピタルの株主から株式買取請求権の行使がなされるなどして、日立キャピタルが保有する自己株式数が本効力発生日までに変動した場合や三菱UFJリースが保有する日立キャピタルの普通株式数が本効力発生日までに変動した場合においては、三菱UFJリースが交付する株式数が変動することになります。
(注)3. 単元未満株式の取扱い
本合併に伴い、三菱UFJリースの単元未満株式(100株未満)を保有することとなる日立キャピタ ルの株主の皆様は、当該単元未満株式を株式会社東京証券取引所(以下、東京証券取引所)また は株式会社名古屋証券取引所(以下、名古屋証券取引所)において売却することができませんが、三菱UFJリースの単元未満株式に関する以下の制度をご利用いただくことができます。
1.単元未満株式の買取制度(100株未満株式の売却)
会社法第192条第1項の規定に基づき、三菱UFJリースに対して、保有することとなる三菱UFJリースの単元未満株式の買取りを請求することができます。
2.単元未満株式の買増制度(100株への買増し)
会社法第194条第1項及び三菱UFJリースの定款の定めに基づき、三菱UFJリースが買増しの請求に係る数の自己株式を有していない場合を除き、保有することとなる三菱UFJリースの単元未満株式と合わせて1単元(100株)となる株の株式を三菱UFJリースから買い増すことができます。
(注)4. 1株に満たない端数の処理
本合併により、三菱UFJリースの普通株式1株に満たない端数の割当てを受けることとなる日立キャピタルの株主の皆様に対しては、会社法第234条その他の関連法令の定めに従い、三菱UFJリースが1株に満たない端数部分に応じた金額を現金でお支払いいたします。
2)本合併に係る割当ての内容の根拠等ア.割当ての内容の根拠および理由
三菱UFJリースは、本合併比率のxx性・妥当性を確保するため、三菱UFJモルガン・スタ ンレー証券株式会社(以下、三菱UFJモルガン・スタンレー証券)を両社から独立した財務ア ドバイザーとして起用のうえ、本合併に用いられる合併比率の財務分析を含む算定を依頼し、 2020年9月23日付の本合併比率に関する算定書を取得いたしました。他方、日立キャピタルは、本合併比率のxx性・妥当性を確保するため、ゴールドマン・サックス証券株式会社(以下、ゴールドマン・サックス証券)を両社から独立した財務アドバイザーとして起用のうえ、本 合併に用いられる合併比率に関する財務分析を依頼し、2020年9月24日付の本合併比率に関す る算定書を取得しました。
両社は、それぞれの財務アドバイザーによる本合併に用いられる合併比率に関する財務分析を参考にしつつ、両社が相手側に対して実施したデュー・ディリジェンス等の結果を踏まえて、両社の財務の状況、資産の状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案し、本合併に用いられる合併比率について慎重に交渉・協議を重ねた結果、2020年9月24日に開催された両社の取締役会において、それぞれの財務アドバイザーから受領した算定書の内容、日立キャピタルにおいては独立委員会からの答申も踏まえ、最終的に本合併比率が妥当であるとの判断に至り、本合併比率を決定し、合意いたしました。
イ.算定に関する事項
・財務アドバイザーの名称ならびに当事会社との関係
三菱UFJリースの財務アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券及び日立キャピタルの財務アドバイザーであるゴールドマン・サックス証券は、いずれも両社から独立しており、両社の関連当事者には該当せず、本経営統合に関して記載すべき重要な利害関係はございません。
・算定書の概要
(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJリース及び日立キャピタルの両社について、両社の株式が東京証券取引所市場第一部に上場しており、市場株価が存在することから市場 株価分析を、また両社共に比較可能な上場類似企業が存在し、類似企業比較による株式価値 の類推が可能であることから類似企業比較分析を、加えて将来の事業活動の状況を算定に反 映するため、格付機関の評価等を踏まえた上で、両社が事業を安定的に運営する上で必要と なる資本水準(以下、必要資本水準)を設定した上で、当該水準を上回る部分の資本を、株 主に帰属すべき利益として資本コストで現在価値に割り引くことによって株式価値を分析す る手法である配当割引モデル(Dividend Discount Model)分析(以下、DDM分析)を行い、こ れらに基づく分析結果を総合的に勘案して合併比率の分析を行っております。
なお、算定の際に前提とした三菱UFJリースの財務予測については、大幅な増減益を見込む事業年度は含まれておりません。また、日立キャピタルの財務予測については大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2022年3月期においては新型コロナウイルス感染拡大の影響による収益悪化からの業績回復により対前年度比で大幅な増益となることを見込んでおります。
市場株価分析については、2020年9月23日を算定基準日(以下、基準日)として、 東京証券取引所市場第一部における両社普通株式の基準日の終値、基準日から直近1ヶ月間の終値、直近3ヶ月間の終値及び直近6ヶ月間の終値に対する市場株価比率の最小値及び最大値に基づき、合併比率の算定レンジを分析いたしました。
類似企業比較分析では、三菱UFJリース及び日立キャピタルの両社について、比較的類似する事業を手掛ける上場企業を選定し、時価総額に対する当期純利益の倍率、時価総額に対する簿価純資産の倍率を用いて三菱UFJリース及び日立キャピタルの両社の株式価値を分析しております。
DDM分析についても三菱UFJリース及び日立キャピタルの両社の2020年4月1日から2026年3月 31日までの期間に係る財務予測における収益、合理的と考えられる前提を考慮した上で、一 般に公開された情報等の諸要素を前提としております。価値評価の際に使用した財務予測は、三菱UFJリース及び日立キャピタルの経営陣により提示された両社のスタンド・アローンベー スの(本経営統合による影響を加味していない)財務予測及び三菱UFJリースによる合理的な 調整を加えた財務予測を算定の基礎といたしました。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券による本経営統合における合併比率の算定結果の概要は、以下の通りです(以下の合併比率の評価レンジは、日立キャピタルの株式1株に対して交付す る三菱UFJリースの株式の割当比率の評価レンジを記載したものです。)。
採用手法 | 合併比率の算定レンジ |
市場株価分析 | 3.73~5.68 |
類似企業比較分析 | 2.44~5.48 |
DDM分析 | 3.52~5.95 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は三菱UFJリースの取締役会に対し、2020年9月23日付にて、分析の概要を提供しております。また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は三菱UFJリース取締役会からの依頼に基づき、本合併比率が合併時点における日立キャピタルを除く三菱UFJリースの普通株式の株主にとって財務的見地から妥当である旨の意見書(以下、フェアネス・オピニオン)を、三菱UFJリース取締役会に対して提供しております。
フェアネス・オピニオンにおける三菱UFJモルガン・スタンレー証券の意見は、当該フェア ネス・オピニオンに記載された様々な重要な条件や制約および以下に記載のその他の諸条件 に基づき、また、それらを前提としております。また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、特定の合併比率を唯一適切なものとして三菱UFJリースまたはその取締役会に対して推奨する ことはしておりません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、フェアネス・オピニオンにおける意見表明にあたって、既に公開されている情報または三菱UFJリース若しくは日立キャピタルから提供を受けた情報が正確かつ完全であることを前提としてこれに依拠しており、当該情報の正確性及び完全性につき独自の検証は行っておりません。
また三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、フェアネス・オピニオンの作成にあたり、本合併により期待される戦略上、財務上、資本運営上及び事業運営上のメリットを考慮していますが、このような戦略上、財務上、資本運営上及び事業運営上のメリットに関する情報を含む財務予測については、三菱UFJリース及び日立キャピタルの将来の財務状況に関する2020年 9月24日時点で入手可能な最善の予測及び判断を反映するものとして、三菱UFJリース及び日立キャピタルの経営陣によって合理的に用意・作成されたものであることを前提としております。
さらに三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本合併が経営統合契約および合併契約に記された条件について、何ら放棄、変更または遅滞なく実行されることを前提に意見を表明します。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本合併のために必要な政府機関、監督官庁等による許認可、同意等はすべて取得可能であり、かつ、かかる許認可、同意等には、本合併により期待されるメリットに重大な悪影響を及ぼすような遅延、制限または条件が付されないことを前提としております。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、ビジネス、法務、会計、税務、業規制、企業年金に関するアドバイザーではありません。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は財務アドバイザーであり、ビジネス、法務、会計、税務、業規制、企業年金に関する問題については、独自の検証を行うことなく、三菱UFJリース及びそのビジネスアドバイザー、法律アドバイザー、会計アドバイザー、税務アドバイザー、業規制アドバイザー、企業年金アドバイザーによる判断に依拠しています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本合併において日立キャピタル株式の保有者が受け取る対価に関連して、日立キャピタルの取締役、役員または従業員(その役職、階級は問いません)に対して支払われる対価の金額または性質が妥当であるか否かについて意見を述べるものではありません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJリース及び日立キャピタルの資産及び負債について、独自の評価・査定は行っておらず、また第三者からの評価・査定の提供を一切受けていません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の意見は、フェアネス・オピニオンの日付現在における経済、金融、市場その他の状況及びフェアネス・オピニオンの日付現在において三菱UFJモルガン・スタンレー証券が入手している情報に基づくものです。フェアネス・オピニオンの日付以降に生じる事象が、フェアネス・オピニオンにおける意見またはフェアネス・オピニオンの作成に用いられた前提に影響を及ぼす可能性はありますが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、フェアネス・オピニオンにおける意見を更新し、改訂し、または再確認する義務を負うものではありません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本合併に関し三菱UFJリースの財務アドバイザーとして役務を提供し、当該役務の対価として手数料を受領する予定です。なお、手数料の大部分の受領は、本合併のクロージングを条件としています。
フェアネス・オピニオンの日付より遡って2年以内に、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
または三菱UFJモルガン・スタンレー証券の関係会社は、三菱UFJリース、日立キャピタルならびに両社の主要株主である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFGまたは三菱UFJフィナンシャル・グループ)、三菱UFJリースの主要株主である三菱商事株式会社
(以下、三菱商事)及び日立キャピタルの主要株主である株式会社日立製作所(以下、日立製作所といい、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱商事及び日立製作所を総称して、本主要株主)に対して、財務アドバイザーとしての及びファイナンスについての役務を提供しており、三菱UFJモルガン・スタンレー証券または三菱UFJモルガン・スタンレー証券の関係会社はこれらの役務の対価として手数料を受領しております。また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券の関係会社は、将来において三菱UFJリース、日立キャピタル、及び本主要株主に対してこれらの役務を提供し、将来これらの役務の対価として手数料を受領する可能性があります。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(その関係会社と総称して以下、三菱UFJモルガン・ス タンレー・グループ)は、銀行業務(三菱UFJリース及び日立キャピタルに対する貸付業務を 含む)、証券業務、信託業務、インベストメント・マネジメント業務、その他の金融業務等 を含むグローバルな金融サービス(かかるサービスを総称して以下、金融サービス)の提供 を行っています。証券業務には、投資銀行業務、ファイナンス及びファイナンシャル・アド バイザリー・サービスの提供のみならず、証券の引受け、売買、ブローカレッジ業務、外国 為替、商品及びデリバティブ取引等が含まれます。通常の証券の引受け、売買、ブローカレ ッジ業務及びファイナンス業務の過程において、三菱UFJモルガン・スタンレー・グループは 三菱UFJリース、日立キャピタル若しくは本合併に関連する企業の社債、株式若しくはローン、本合併に関連する通貨若しくは商品、または関連するデリバティブ商品につき買いまたは売 りのポジションの保持、その他、三菱UFJリース、日立キャピタル若しくは本合併に関連する 企業に対して三菱UFJモルガン・スタンレー・グループの金融サービスを提供することがあり、また、自身の勘定またはその顧客の勘定において売買その他の取引を行うことがあります。 三菱UFJモルガン・スタンレー・グループならびにその取締役及び役員は、三菱UFJリース、 日立キャピタル若しくは本合併に関連する企業の社債、株式若しくはローン、本合併に関連 する通貨若しくは商品、または関連するデリバティブ商品に対して自己資金による投資を行 う場合またはこれらに対する自己資金による投資を行うファンドを運営する場合があります。また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJリース、日立キャピタル若しくは本合 併に関連する企業に対して通常のブローカレッジ業務を行う場合があります。
(ゴールドマン・サックス証券)
ゴールドマン・サックス証券(以下、関連会社と併せてゴールドマン・サックスと総称)は、2020年9月24日付の本合併比率に関する算定書(以下、GS算定書)において、(a)市場株価法及び(b)配当割引モデル法(以下、DDM法)を用いた貢献度分析による(ⅰ)株価比率分析ならびに(ⅱ)DDM法を用いた価値変動分析を行っております。
(ⅰ)株価比率分析
(a)市場株価法
市場株価法において、ゴールドマン・サックスは、基準日とした2020年9月23日までの過去 52週間における、日立キャピタルの普通株式(以下、日立キャピタル株式)及び三菱UFJリースの普通株式(以下、三菱UFJリース株式)の過去の取引価格ならびに両社の終値から計算される株価比率及び平均株価比率を参照しております。
市場株価法による分析結果として、下記のレンジが示されております。下記のレンジは、日立キャピタル株式1株に割り当てる三菱UFJリース株式数を記載したものです。
市場株価法: 3.30 - 5.68
参照日または期間 | 株価比率 |
2020年9月23日 | 4.94 |
52週最大値 | 5.68 |
52週最小値 | 3.30 |
1ヶ月平均 | 5.06 |
3ヶ月平均 | 5.07 |
6ヶ月平均 | 4.59 |
(b)DDM法に基づく貢献度分析
日立キャピタルの単独価値(DDM法):ゴールドマン・サックスは、日立キャピタル経営陣が作成し、ゴールドマン・サックスによる使用を了承した日立キャピタルの一定の内部財務分析及び財務予測(以下、日立キャピタル財務予測)ならびに公開情報に基づいて、日立キャピタルの単独価値をDDM法で分析しております。ゴールドマン・サックスは、日立キャピタルの推定株主資本コストを踏まえた7.50%から8.50%までのレンジの割引率及び最終年度の予想配当に対する2.50%から3.50%までのレンジの永久成長率を用いて、日立キャピタル財務予測で定められた今後6年間(2021年3月31日に終了する会計年度から2026年3月31日に終了する会計年度)において一定の前提に基づく将来の予想配当金額及びターミナル・バリューを現在価値に割り引いております。xxxxxx・xxxxがDDM法による分析の前提とした日立キャピタル財務予測において、大幅な増減益を見込んでいる事業年度はありません。
三菱UFJリースの単独価値(DDM法):ゴールドマン・サックスは、三菱UFJリース経営陣が 作成し、日立キャピタルの経営陣が調整を行い、ゴールドマン・サックスによる使用を了承 した三菱UFJリースの一定の内部財務分析及び財務予測(以下、三菱UFJリース財務予測)な らびに公開情報に基づいて、三菱UFJリースの単独価値をDDM法で分析しております。ゴール ドマン・サックスは、三菱UFJリースの推定株主資本コストを踏まえた7.50%から8.50%までの レンジの割引率及び最終年度の予想配当に対する2.50%から3.50%までのレンジの永久成長率 を用いて、三菱UFJリース財務予測で定められた今後6年間(2021年3月31日に終了する会計年 度から2026年3月31日に終了する会計年度)において一定の前提に基づく将来の予想配当金額 及びターミナル・バリューを現在価値に割り引いております。ゴールドマン・サックスがDDM 法による分析の前提とした三菱UFJリース財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる 事業年度が含まれております。具体的には、2021年3月期においては新型コロナウイルス感染 拡大の影響による航空事業の収益悪化により対前年度比で大幅な減益となること、2024年3月 期においては航空事業の回復により対前年度比で大幅な増益となることを見込んでおります。
日立キャピタル財務予測及び三菱UFJリース財務予測ならびにDDM法による上記の日立キャピタルの単独価値及び三菱UFJリースの単独価値の分析に基づきつつ、7.50%から8.50%までのレンジの割引率及び3.00%の永久成長率を用いて日立キャピタルの単独価値及び三菱UFJリースの単独価値を算出した結果として、下記のレンジが示されております。なお、下記のレンジは、日立キャピタル株式1株に割り当てる三菱UFJリース株式数を記載したものです。
DDM法に基づく貢献度分析: 4.59 - 6.91
(ⅱ)価値変動分析
価値変動分析において、ゴールドマン・サックスは、日立キャピタル財務予測及び三菱UFJリース財務予測ならびに日立キャピタル経営陣が作成し、ゴールドマン・サックスによる使用を了承した本合併契約書において企図されている取引(以下、本取引)における本経営統合後の新会社(以下、統合新会社)の配当に関する一定の財務分析及びプロ・フォーマ予測
(以下、本プロ・フォーマ予測。以下、日立キャピタル財務予測及び三菱UFJリース財務予測と併せて本財務予測と総称)、日立キャピタルの経営陣が本取引の結果生じると予測し、ゴールドマン・サックスによる使用を了承した一定の営業上のシナジー予測(以下、本シナジー予測)を用いております。
日立キャピタル単独価値の日立キャピタル株式の1株当たりの株式価値(DDM法):ゴールドマン・サックスは、日立キャピタルの単独価値をDDM法で前述のとおり分析のうえ、日立キャピタル株式の1株当たりの株式価値を算出しております。分析結果として、下記のレンジが示されております。
日立キャピタル単独価値の日立キャピタル株式の1株当たりの株式価値(DDM法): 2,501円
- 3,640円
プロ・フォーマの日立キャピタル株式の1株当たりの株式価値(DDM法):ゴールドマン・サックスは、公開情報ならびに本シナジー予測を含む本財務予測に基づいて、日立キャピタル株主に帰属するプロ・フォーマの価値をDDM法で分析しております。ゴールドマン・サックスは、日立キャピタルの推定株主資本コストを踏まえた7.50%から8.50%までのレンジの割引率及び最終年度の予想配当に対する2.50%から3.50%までのレンジの永久成長率を用いて、日立キャピタル財務予測で定められた今後6年間(2021年3月31日に終了する会計年度から2026
年3月31日に終了する会計年度)において日立キャピタル株主に帰属する日立キャピタル単独 での将来の予想配当金額及びターミナル・バリューを現在価値に割り引いて、日立キャピタ ル株式の1株当たりの株式価値を算出しております。また、三菱UFJリースの推定株主資本コ ストを踏まえた7.50%から8.50%までのレンジの割引率及び最終年度の予想配当に対する2.50% から3.50%までのレンジの永久成長率を用いて、三菱UFJリース財務予測で定められた今後5年 間(2022年3月31日に終了する会計年度から2026年3月31日に終了する会計年度)において日 立キャピタル株主に帰属する三菱UFJリース単独での将来の予想配当金額及びターミナル・バ リューを現在価値に割り引いて、日立キャピタル株式の1株当たりの株式価値を算出しており ます。さらに、統合新会社の推定株主資本コストを踏まえた7.50%から8.50%までのレンジの 割引率及び最終年度の予想配当に対する2.50%から3.50%までのレンジの永久成長率を用いて、本シナジー予測で定められた今後5年間(2022年3月31日に終了する会計年度から2026年3月31 日に終了する会計年度)において日立キャピタル株主に帰属する本シナジー予測の金額及び ターミナル・バリューを現在価値に割り引いて、日立キャピタル株式の1株当たりの株式価値 を算出しております。プロ・フォーマの日立キャピタル株式の1株当たりの株式価値は、日立 キャピタル株主に帰属する、日立キャピタル単独での予想配当金、三菱UFJリース単独での予 想配当金及び本シナジー予測のそれぞれの日立キャピタル株式の1株当たりの現在価値を総計 して算出しております。その分析結果として、プロ・フォーマの日立キャピタル株式の1株当 たり株式価値として、下記のレンジが示されております。
プロ・フォーマの日立キャピタル株式の1株当たりの株式価値(DDM法): 2,731円 - 3,991円
(補足事項)
ゴールドマン・サックスは、本取引に関して、日立キャピタルの取締役会による本取引の検討に関する情報及びかかる検討の補佐を目的としてアドバイザリー業務を行い、かつGS算定書を提出しております。GS算定書は、本株式の保有者に対し、本取引またはその他の事項に関して、議決権行使に関する何らの推奨を行うものでもありません。ゴールドマン・サックスは、日立キャピタルやその取締役会に対して、特定の合併比率を推奨したことはなく、また、特定の合併比率を唯一適切なものとして推奨したこともありません。
GS算定書は、必然的に、2020年9月23日における経済環境、金融環境、市場環境及びその他 の状況ならびに当該日時点においてゴールドマン・サックスが有する情報に基づいて作成さ れたものであり、ゴールドマン・サックスは、当該日以降に発生するいかなる事情、変化ま たは事由に基づいても、GS算定書を更新し、改訂し、再確認する責任を負うものではありま せん。また、かかる更新、改訂または再確認は行われておらず、従って、GS算定書は、2020 年9月23日時点までの事情や市場環境のみを踏まえて考慮されるべきものとなります。ゴール ドマン・サックスは、日立キャピタルの同意に基づき、本シナジー予測を含む本財務予測が、日立キャピタルの経営陣による2020年9月24日時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合 理的に作成されたものであることを前提としております。なお、特に明記されている場合を 除き、GS算定書において使用されている定量的情報のうち市場データに基づくものは、2020 年9月23日以前の市場データに基づいており、必ずしも2020年9月24日時点の市場の状況を示 しているものではありません。
(注)ゴールドマン・サックスが、GS算定書、GS意見書(以下で定義)を作成し、GS意見書の依拠する財務分析(以下、かかる財務分析及びGS意見書を併せて、GSフェアネス資料)を行うにあたっての前提条件、手続き、考慮事項及び制約事項の詳細に関する追加情報は以下のとおりとなります。
ゴールドマン・サックスは、様々な個人及び法人顧客のために、アドバイザリー、証券引受及びファイナ ンス、自己勘定投資、セールス・トレーディング、リサーチ、投資顧問その他の金融及び非金融の業務及 びサービスに従事しております。ゴールドマン・サックス及びその従業員、ならびにこれらが管理するま たは(共同若しくは単独で)投資を行う若しくはその他の経済的利益を有するファンドその他の事業体が、日立キャピタル、三菱UFJリース及びそれぞれの関係会社(これらには、日立キャピタルの大株主である日 立製作所及びMUFG、三菱UFJリースの大株主である三菱商事ならびにそれぞれの関係会社を含みます。)、 ならびに第三者の証券、デリバティブ、ローン、コモディティ、通貨、クレジット・デフォルト・スワッ プその他の金融商品、あるいは本取引に係るいずれかの通貨及びコモディティにつき、常時、売買し、買 い持ち若しくは売り持ちのポジションを取り、これらのポジションに対する議決権を行使し、または投資 する場合があります。ゴールドマン・サックスは、本取引に関し日立キャピタルの財務アドバイザーを務 め、本取引の交渉に一定の関与をしました。ゴールドマン・サックスは、本取引に関するゴールドマン・ サックスのサービスに対して報酬を受領する予定であるほか(なお、報酬の大部分は本取引の実行を条件 としております。)、日立キャピタルは、ゴールドマン・サックスの財務アドバイザリー業務に関してゴ
ールドマン・サックスが要した一定の実費を負担すること、及びゴールドマン・サックスの財務アドバイザリー業務に起因する一定の債務を補償することに同意しております。ゴールドマン・サックスは、日立キャピタル及び/またはその関係会社に対して、2010年11月以降日立キャピタルのコマーシャル・ペーパー・プログラムのディーラーとしての活動を含む、一定の財務アドバイザリー及び/または証券引受業務を複数回にわたり提供しており、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門はそれらのサービスに関して報酬を受領しておりまたは今後受領する可能性があります。また、ゴールドマン・サックスは、三菱UFJリース及び/またはその関係会社に対して、2019年2月の三菱UFJリースによる2022年満期3.406%利付優先社債及び2024年満期3.559%利付優先社債の発行(元本総額8億ドル)における共同主幹事兼共同ブックランナーならびに2019年7月の三菱UFJリースによるユーロ建てMTNプログラムのディーラーとしての活動を含む、一定の財務アドバイザリー及び/または証券引受業務を複数回にわたって提供しており、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門はそれらのサービスに関して報酬を受領しておりまたは今後受領する可能性があります。また、ゴールドマン・サックスは、日立製作所及び/またはその関係会社に対して、2019年1月の日立製作所によるAnsaldo STS S.p.A.の株式追加取得における日立製作所の財務アドバイザー、2019年12月に開示された日立製作所による画像診断機器事業売却における日立製作所の財務アドバイザー、2020年3月の日立製作所による2023年満期0.060%利付優先社債、2027年満期0.160%利付優先社債及び2030年満期 0.290%利付優先社債の公募(元本総額2,000億円)における共同主幹事、2020年4月の日立製作所によるその子会社日立化成株式会社の売却における日立化成株式会社の財務アドバイザー、ならびに2020年7月の日立製作所によるABB Ltdの送配電事業の買収における日立製作所の財務アドバイザーとしての活動を含む、一定の財務アドバイザリー及び/または証券引受業務を複数回にわたって提供しており、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門はそれらのサービスに関して報酬を受領しておりまたは今後受領する可能性があります。また、ゴールドマン・サックスは、三菱商事及び/またはその関係会社に対して、2019年7月の三菱商事による2024年満期2.50%利付債の発行(元本総額5億ドル)における副幹事ならびに2019年11月の三菱商事及びその子会社であるMitsubishi Corporation Finance PLCによるユーロ建てMTNプログラムのディーラーとしての活動を含む、一定の財務アドバイザリー及び/または証券引受業務を複数回にわたって提供しており、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門はそれらのサービスに関して報酬を受領しておりまたは今後受領する可能性があります。さらに、ゴールドマン・サックスは、将来、日立キャピタル、三菱 UFJリース、日立製作所、MUFG及び三菱商事ならびにそれぞれの関係会社に対して、財務アドバイザリー及び/または証券引受業務を提供する可能性があり、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門はそれらのサービスに関して報酬を受領する可能性があります。
GSフェアネス資料及びGS算定書を作成するにあたり、ゴールドマン・サックスは、日立キャピタル及び 三菱UFJリースとの間で締結された2020年9月24日付の合併契約(以下、本契約)、2020年3月31日に終了し た会計年度までの5会計年度の日立キャピタル及び三菱UFJリースの有価証券報告書、2020年6月30日に終了 した第一四半期の日立キャピタル及び三菱UFJリースの第一四半期報告書、その他の日立キャピタル及び三 菱UFJリースによるそれぞれの株主に対する一定のコミュニケーション、公表され入手可能な日立キャピタ ル及び三菱UFJリースに関する一定のリサーチアナリストレポート、本財務予測(本シナジー予測を含みま す。)等について検討しました。また、ゴールドマン・サックスは、日立キャピタルの過去及び現在の事 業・財務状況ならびに将来の見通しならびに本取引の戦略的合理性及び潜在的利益に関する評価について、日立キャピタルの経営陣と協議を行ったほか、三菱UFJリースの過去及び現在の事業・財務状況ならびに将 来の見通しについて、日立キャピタル及び三菱UFJリースの経営陣と協議を行いました。さらに、ゴールド マン・サックスは、日立キャピタル株式及び三菱UFJリース株式の市場価格及び取引状況について検討し、 日立キャピタル及び三菱UFJリースの一定の財務及び株式市場における情報を他の一定の公開会社に係る類 似の情報と比較したほか、ゴールドマン・サックスが適切と思料するその他の調査と分析を実施し、また、ゴールドマン・サックスが適切と思料するその他の要因を考慮しました。
財務分析の実施ならびにGSフェアネス資料及びGS算定書の作成にあたり、ゴールドマン・サックスは、日立キャピタルの同意に基づき、ゴールドマン・サックスに対して提供され、ゴールドマン・サックスが聴取し、またはゴールドマン・サックスが検討した財務、法務、規制、税務、会計その他の情報全ての正確性及び完全性について、これに依拠し、またこれを前提としており、これらについて何ら独自の検証を行う責任を負うものではありません。この点、ゴールドマン・サックスは、日立キャピタルの同意に基づき、本シナジー予測を含む本財務予測が、日立キャピタルの経営陣による2020年9月24日時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に作成されたものであることを前提としております。ゴールドマン・サックスは、日立キャピタル、三菱UFJリースまたはそのいずれかの子会社の資産及び負債(偶発的なもの、派生的なものまたは貸借対照表に計上されていない資産及び負債を含みます。)について独自の評価または鑑定を行っておらず、かかる評価書または鑑定書も入手していません。ゴールドマン・サックスは、本取引を完了するために必要な全ての政府、監督機関その他の許認可が、日立キャピタル若しくは三菱UFJリースまたは本取引から予期される利益に対して、ゴールドマン・サックスの分析に何らかの有意な影響を及ぼすような悪影響を生じさせることなく取得されることを前提としております。ゴールドマン・サック
スは、本取引が、本契約に規定された取引条件に基づいて完了し、ゴールドマン・サックスの分析に何らかの有意な影響を及ぼすような取引条件の放棄または修正がないことを前提としております。
GSフェアネス資料またはGS算定書はいずれも、本取引を行うに際しての日立キャピタルの経営上の意思決定や日立キャピタルがとりうる他の戦略的手段と比較した場合における本取引の利点について見解を述べるものではありません。また、法務、規制、税務または会計に関する事項についていかなる見解を述べるものでもありません。ゴールドマン・サックスは、日立キャピタルの買収またはその他日立キャピタルとの経営統合に関連して、第三者に対し打診することを要請されたことはなく、または打診したことはありません。GS意見書は、GS意見書の日付現在、本契約に基づく本合併比率が本株式の保有者(三菱UFJリース、日立製作所及びMUFGならびにそれぞれの関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正であることのみを述べております。ゴールドマン・サックス及びGSフェアネス資料は、本契約または本取引に関するその他のいかなる条件または側面、あるいは本契約において企図されまたは本取引に関連して合意または修正されるその他の合意または法律文書に関するいかなる条件または側面(日立キャピタルのその他の種類の証券の保有者、債権者またはその他の関係者にとっての本取引の公正性、及びこれらの者が本取引に関連して受領する対価の公正性を含みます。)についても、意見または考察を述べるものではなく、また、ゴールドマン・サックスは、本契約に基づく本合併比率に関連するか否かを問わず、日立キャピタルの役員、取締役、従業員等に対して本取引に関連して支払われる報酬の金額や性質の公正性またはこれらの者の階級についての見解を示すものではありません。ゴールドマン・サックスは、三菱UFJリース株式または日立キャピタル株式のいずれかの時点での取引価格、あるいは信用、財務及び株式市場の不安定さが日立キャピタル、三菱UFJリースまたは本取引に与えうる影響、あるいは本取引が日立キャピタル若しくは三菱UFJリースの支払能力や存続能力、期限の到来した債務の弁済能力に対して与える影響についても、一切意見を述べるものではありません。
ゴールドマン・サックスは、日立キャピタルの取締役会による本取引の検討に関する情報及びかかる検討の補佐を目的としてGSフェアネス資料を提供しております。GSフェアネス資料は、本株式の保有者に対し、本取引またはその他の事項に関して、議決権行使に関する何らの推奨を行うものでもありません。GSフェアネス資料は、必然的に、当該日時点における経済環境、金融環境、市場環境及びその他の状況ならびに当該日時点においてゴールドマン・サックスが有する情報に基づいて作成されたものであり、ゴールドマン・サックスは、当該日以降に発生するいかなる事情、変化または事由に基づいても、GS意見書を更新し、改訂し、再確認する責任を負うものではありません。なお、GS意見書はゴールドマン・サックスのフェアネス・コミッティーの承認を受けております。GSフェアネス資料及びGS算定書の一部を抽出しまたは要約して言及することは必ずしも適切ではありません。GSフェアネス資料及びGS算定書を全体として考慮することなく一部またはその要約を選択することは、GSフェアネス資料及びGS算定書が依拠するプロセスについての不完全な理解をもたらすおそれがあります。ゴールドマン・サックスは、いずれの要素または実施したいずれの分析に対しても特に重点的に依拠をするものではありません。
ウ.公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本経営統合においては、両社の間には特段の利益相反関係は存在しないものの、三菱UFJフィナンシャル・グループが、三菱UFJリースの株式について、自らまたはその子会社を通じて議決権の22.85%(2020年3月31日時点)を保有し、かつ日立キャピタルの議決権の23.01%
(2020年3月31日時点)を保有しており、両社の共通の大株主であることを踏まえると、両社のそれぞれの株主と、本経営統合に関して利害関係が異なるおそれがあること、また、日立キャピタルにおいては、本経営統合が日立キャピタルの議決権の33.40%(2020年3月31日時点)を保有する日立製作所のグループ運営方針にも影響を与え得ることを勘案すると、日立製作所と他の株主との本経営統合に関する利害が必ずしも一致しない可能性があること等を踏まえ、本経営統合の公正性の担保に万全を期す観点から、以下のとおり公正性を担保するための措置を講じております。
・財務アドバイザーからの算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
三菱UFJリースは、両社から独立した財務アドバイザーとして起用した三菱UFJモルガン・ スタンレー証券から本合併比率に関する算定書を取得いたしました。また、三菱UFJリースは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券より、同社のフェアネス・オピニオンに記載された事項及 び前提条件その他一定の条件のもとに、本合併比率が三菱UFJリースの普通株式の株主(日立 キャピタルを除きます。)にとって財務的見地から妥当である旨のフェアネス・オピニオン を取得しております。詳細は、上記イ.「算定に関する事項」をご参照ください。
他方、日立キャピタルは、両社から独立した財務アドバイザーとして起用したゴールドマン・サックス証券から本合併比率に関する算定書を取得いたしました。また、日立キャピタルは、ゴールドマン・サックス証券より、同社のフェアネス・オピニオンに記載された事項
及び前提条件のもとに、2020年9月24日現在において、本合併比率が日立キャピタルの発行済普通株式の保有者(三菱UFJリース、日立製作所及び三菱UFJフィナンシャル・グループならびにそれぞれの関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(「GS意見書」)を取得しております。詳細は、上記イ.「算定に関する事項」をご参照ください。
・外部の法律事務所からの助言
三菱UFJリースは、本経営統合に関する法務アドバイザーとして、西村あさひ法律事務所を選定し、本経営統合に関する諸手続きならびに三菱UFJリースの意思決定の方法及び過程等について法的な観点から助言を受けております。
日立キャピタルは、本経営統合に関する法務アドバイザーとして、森・濱田松本法律事務所を選定し、本経営統合に関する諸手続きならびに日立キャピタルの意思決定の方法及び過程等について法的な観点から助言を受けております。
・日立キャピタルにおける独立委員会の設置及び答申書の取得
日立キャピタルは、本経営統合の公正性の担保に万全を期す観点から、2020年2月28日開催 の取締役会における決議により、日立キャピタルの独立社外取締役である平岩孝一郎氏(株 式会社ドリームエステート東京代表取締役)、末吉亙氏(KTS法律事務所パートナー弁護士)、中村隆氏(元株式会社ニチレイバイオサイエンス取締役会長)及び佐々木百合氏(明治学院 大学経済学部長・教授)の4名から構成される独立委員会を設置し、独立委員会に対して、
(ⅰ)日立キャピタルの企業価値の向上に資するか否かの観点から、本経営統合の是非について、(ⅱ)日立キャピタルの一般株主の利益を図る観点から、本経営統合の取引条件の妥当性及び手続の公正性について、それぞれ検討・判断の上、日立キャピタルの取締役会に答申を行うことを諮問しました。
また、日立キャピタルの取締役会は、日立キャピタルの取締役会における本経営統合に関する意思決定においては、独立委員会の答申内容を最大限に尊重して行うこととすることを決議するとともに、独立委員会に対して、上記諮問事項について検討するにあたり、必要に応じて、自らのアドバイザー(法務、コンサルタント等)を選任または指名する(この場合の費用は日立キャピタルが負担するものとされております。)権限を付与することを決議しております。独立委員会は、上記の権限に基づき、独自の法務アドバイザーとして後藤高志氏(潮見坂綜合法律事務所弁護士)を、独自の財務アドバイザーとして長谷川臣介氏(長谷川公認会計士事務所代表公認会計士・税理士)をそれぞれ選任しております。
独立委員会は、2020年2月28日から2020年9月24日までの間に、会合を合計24回開催したほか、日立キャピタルの役職員ならびに日立キャピタル及び独立委員会の各アドバイザーから必要な情報を受領する等により、上記諮問事項に関して、慎重に検討を行いました。
具体的には、独立委員会は、日立キャピタルに対して、日立キャピタルを取り巻く経営課題、本経営統合までの経緯、本経営統合によるシナジー効果等について質問を行い、回答を得たほか、日立キャピタルの川部執行役社長兼CEO、木住野執行役副社長及び竹田執行役常務等に対して複数回の独立委員会への出席を求め、本経営統合に関する日立キャピタル経営陣としての見解、三菱UFJリースに対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、その他本経営統合に関する検討・協議状況について直接説明を受けるとともに、これらの事項について質疑応答を行っております。
また、独立委員会は、日立キャピタル経営陣から、本合併比率を判断する際の基礎の一つとなる日立キャピタル及び三菱UFJリースの事業計画の内容等について説明を受けたほか、日立キャピタルの財務アドバイザーであるゴールドマン・サックス証券が日立キャピタル取締役会による検討のために行った財務分析について、長谷川氏による財務的見地からの助言も踏まえながら精査を行っております。さらに、独立委員会は、本合併比率に関する交渉状況について、日立キャピタル経営陣から随時報告を受け、長谷川氏からの助言及び後藤氏からの法的助言等も踏まえて、本合併比率の妥当性に関する検討を行っております。
加えて、独立委員会は、後藤氏から受けた法的な観点からの助言を踏まえて、本経営統合の手続の公正性を担保するための措置について検討を行っております。
以上の経緯のもと、独立委員会は、上記諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2020年9月24日付で、日立キャピタルの取締役会に対して、委員全員の一致で、本経営統合は日立キャピタルの企業価値の向上に資するものと思料する旨、本経営統合の条件には妥当性が認められるものと思料する旨、及び本経営統合においては、公正な手続を通じて日立キャピタルの一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる旨の答申書を提出しております。
・日立キャピタルにおける三菱UFJフィナンシャル・グループ及び日立製作所の役職員を兼任
する取締役以外の取締役全員の承認
日立キャピタルの取締役会における経営統合契約及び合併契約の締結に関する議案は、日立キャピタルの取締役(三菱UFJフィナンシャル・グループの常務執行役員を兼任する大嶋幸一郎氏及び日立製作所の執行役常務を兼任する長谷川雅彦氏を除きます。)の全員一致により承認可決されております。
なお、大嶋氏は、両社の共通の大株主である三菱UFJフィナンシャル・グループの役職員を 兼任する取締役であり、三菱UFJフィナンシャル・グループと日立キャピタルの他の株主との、本経営統合に関する利害関係が異なるおそれがあること等を踏まえ、本経営統合の公正性の 担保に万全を期す観点から、日立キャピタルの取締役会における本経営統合に関する議案の 審議及び決議には参加しておりません。また、長谷川氏は、日立キャピタルの大株主である 日立製作所の役職員を兼任する取締役であり、本経営統合が日立製作所のグループ運営方針 にも影響を与え得ることを勘案すると、日立製作所と他の株主との本経営統合に関する利害 が必ずしも一致しない可能性があること等を踏まえ、本経営統合の公正性の担保に万全を期 す観点から、日立キャピタルの取締役会における本経営統合に関する議案の審議及び決議に は参加しておりません。
・三菱UFJリースにおける三菱UFJフィナンシャル・グループの役職員を兼任する取締役以外の取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
三菱UFJリースの取締役会における経営統合契約及び合併契約の締結に関する議案は、三菱 UFJリースの取締役(三菱UFJフィナンシャル・グループの執行役常務を兼任する林尚見氏を除きます。)の全員一致により承認可決されており、かつ、三菱UFJリースの全監査役は、本経営統合を行うことにつき異議がない旨の意見を述べております。
なお、林氏は、両社の共通の大株主である三菱UFJフィナンシャル・グループの役職員を兼任する取締役であり、三菱UFJフィナンシャル・グループと三菱UFJリースの他の株主との、本経営統合に関する利害関係が異なるおそれがあること等を踏まえ、本経営統合の公正性の担保に万全を期す観点から、三菱UFJリースの取締役会における本経営統合に関する議案の審議及び決議には参加しておりません。
②存続会社の資本金および準備金の額の相当性に関する事項
本合併により、当社の資本金及び準備金の額は増加しません。この取扱いは、当社の財務状況、資本政策その他の諸事情を総合的に考慮・検討し、法令の範囲内で決定したものであり、相当であると考えております。
(2)会社法第749条第1項第4号および第5号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項(会社法施行規則第191条第2号)
該当事項はありません。
(3)消滅会社についての次に掲げる事項(会社法施行規則第191条第3号)
①最終事業年度に係る計算書類等の内容
別添資料2「日立キャピタル株式会社の最終事業年度(2020年3月期)に係る計算書類等」のとおりです。
②最終事業年度の末日後に生じた重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象の内容
該当事項はありません。
(4)当社の最終事業年度の末日後に生じた重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象の内容(会社法施行規則第191条第5号)
該当事項はありません。
(5)吸収合併が効力を生ずる日以後における吸収合併存続会社の債務の履行の見込みに関する事項
(会社法施行規則第191条第6号)
三菱UFJリースの2020年3月31日現在の貸借対照表における資産及び負債の額は、それぞれ 4,476,092百万円及び3,967,502百万円です。
また、日立キャピタルの2020年3月31日現在の貸借対照表における資産及び負債の額は、それぞれ1,661,749百万円及び1,420,987百万円です。
それぞれの会社について、上記時点から現在に至るまで、その資産の額及び負債の額に大きな変動をもたらす事象は生じておらず、本合併の効力発生日までにそのような事象が発生することも想定されていません。したがって、本合併の効力発生日以後の三菱UFJリースの資産の額は負債の額を十分上回ることが見込まれます。さらに、本合併の効力発生日以後の三菱UFJリースの収益及びキャッシュフローの状況について、三菱UFJリースの債務の履行に支障を及ぼすような事態は、現在のところ予測されておりません。
以上により、本合併の効力発生日以後においても、三菱UFJリースの債務の履行の見込みがあるものと判断しました。
以 上
資料1
合併契約書(写)
1
合 併 契 約 書
三菱 UFJ リース株式会社(以下「MUL」という。)及び日立キャピタル株式会社(以下「HC」という。)は、MUL と HC との合併につき、2020 年 9 月 24 日(以下「本契約締結日」とい う。)、次のとおり契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第1条 (合併の方法)
1. MUL 及びHC は、本契約の定めに従い、MUL を吸収合併存続会社とし、HC を吸収合併消滅会社として、吸収合併(以下「本合併」という。)を行う。
2. 本合併に係る吸収合併存続会社及び吸収合併消滅会社の商号及び住所は、それぞれ次の各号のとおりである。
(1) 吸収合併存続会社
商 号:三菱UFJ リース株式会社
住 所:東京都千代田区丸の内一丁目5 番1 号
(2) 吸収合併消滅会社
商 号:日立キャピタル株式会社
住 所:東京都港区西新橋一丁目3 番1 号
第2条 (合併に際して交付する対価に関する事項)
1. MUL は、本合併に際して、HC の株主に対して、その有するHC の株式に代わる金銭等として、本効力発生日(第 4 条第 1 項で定義する。)の前日の最終の HC の株主(但し、MUL及びHC を除く。以下「本割当対象株主」という。)が有するHC の株式数の合計数(会社法第 785 条第 1 項に基づく株式買取請求に係る株式数を除く。)に 5.10 を乗じた数のMULの株式を交付する。
2. MUL は、本合併に際して、各本割当対象株主に対し、その有する HC の普通株式数(会社法第 785 条第 1 項に基づく株式買取請求に係る株式数を除く。)に 5.10 を乗じて得た数の MUL の普通株式を割り当てる。
第3条 (合併存続会社の資本金及び準備金の額に関する事項)
本合併によりMUL の資本金、資本準備金及び利益準備金の額は、いずれも増加しない。
第4条 (本効力発生日)
1. 本合併がその効力を生ずる日(以下「本効力発生日」という。)は、2021 年 4 月 1 日とする。
2. 前項の定めにかかわらず、本合併の手続の進行等に応じ必要がある場合には、MUL 及び
HC が協議し合意の上、本効力発生日を変更することができる。
2
第5条 (合併承認株主総会)
MUL 及び HC は、本効力発生日の前日までに、それぞれ株主総会(以下「合併承認総会」という。)を開催し、本契約の承認に関する決議を求める。
第6条 (定款の変更)
1. MUL 及びHC は、本契約締結後、本合併後のMUL の商号について、協議の上、合意する。
2. MUL は、本効力発生日付けで、監査等委員会設置会社に移行する。
3. MUL 及びHC は、前2 項の合意内容を含む本合併後のMUL の定款の内容について、協議の上、合意するものとし、当該合意に従って、MUL は、MUL の合併承認総会において、本合併の効力発生を停止条件として、MUL の定款を変更する旨の議案を上程し、その承認の決議を求めるものとする。
第7条 (本効力発生日以後の役員)
1. 本効力発生日におけるMUL の取締役について、以下のとおりとする。
(1) 本効力発生日におけるMUL の取締役の員数は 17 名とし、そのうち 12 名を監査等委員でない取締役とし、5 名を監査等委員である取締役とする。
(2) 本効力発生日におけるMUL の監査等委員でない取締役のうち、6 名をMUL が、4 名を
HC が、それぞれ候補者として指名し、残りの2 名は両当事者の合意により指名する。
(3) 本効力発生日におけるMUL の監査等委員である取締役のうち、3 名をMUL が、2 名を
HC が、それぞれ候補者として指名する。
2. MUL は、MUL の合併承認総会において、本合併の効力発生を停止条件として、本効力発生日付けで前項の規定に基づき指名された者を MUL の取締役に選任する旨の議案を上程し、その承認の決議を求めるものとする。
第8条 (会社財産の管理等)
MUL 及び HC は、本契約締結日から本効力発生日までの間、それぞれ善良なる管理者の注意をもって、自らの業務執行並びに財産の管理及び運営を行い、かつ、それぞれの子会社をして、これを行わせるものとする。
第9条 (HC の株主に対する議決権の付与)
MUL は、本効力発生日の前日までに、本合併に際してMUL の普通株式の割当交付を受けた HC の普通株主に対し、会社法第 124 条第 4 項に基づき、本合併がその効力を生ずることを条件としてMUL の2021 年6 月開催予定の定時株主総会における議決権を付与する旨の取締役会決議を行う。
3
第10条 (本契約の変更及び解除)
本契約締結から本効力発生日に至るまでの間において、以下のいずれかの事由に該当する場合は、MUL 及び HC は、誠実に協議の上、本合併の条件その他本契約の内容を変更し、又は本契約を解除することができる。
(1) MUL 又は HC のいずれかの事業、財務状態又は経営成績その他の状況に重大な悪影響を及ぼす事象が発生し又は判明した場合
(2) MUL 又はHC の合併承認総会において、本契約の承認が得られなかった場合
(3) MUL の合併承認総会において、第 6 条に定める定款変更議案の承認が得られなかった場合
(4) MUL の合併承認総会において、第 7 条第 2 項に定める取締役の選任議案の承認が得られなかった場合
(5) 前条に定める取締役会決議が行われなかった場合
(6) 本合併の実行に重大な支障となる事象が発生し又は判明した場合
(7) その他本合併の目的の達成が著しく困難となった場合
第11条 (本契約の効力)
次の各号の一に該当する場合、本契約は、その効力を失う。
(1) 両当事者が本契約の終了について合意した場合
(2) 本効力発生日の前日において、法令(外国の法令を含む。)に基づき本合併の実行に必要な関係官庁からの承認等が得られていない場合
(3) 前条に従い本契約が解除された場合
第12条 (準拠法・管轄)
1. 本契約は、日本法を準拠法とし、かつこれに従い解釈されるものとする。
2. 本契約に関してMUL 及びHC 間に生じる一切の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
第13条 (協議事項)
本契約に定めるもののほか、本合併に関し必要な事項は、本契約の趣旨に従い、MUL 及び
HC で協議し合意の上、これを定める。
[以下余白]
4
本契約締結の証として本書 2 通を作成し、MUL 及び HC がそれぞれ記名押印の上、各自その 1 通を保有する。
2020 年 9 月 24 日
東京都千代田区丸の内一丁目 5 番 1 号三菱UFJ リース株式会社
代表取締役社長 柳井隆博
2020 年 9 月 24 日
東京都港区西新橋一丁目 3 番 1 号日立キャピタル株式会社
代表執行役 執行役社長 川部誠治
- 5 -
資料2
日立キャピタル株式会社の
最終事業年度(2020年3月期)に係る計算書類等
事業報告(2019年4月1日から2020年3月31日まで)
Ⅰ
当社グループの現況に関する事項
1.当社グループの事業の経過及びその成果
(1)当期における事業環境
当期における世界の経済情勢は、第3四半期までは米中貿易摩擦の影響等により緩やかな減速基調で推移いたしましたが、第4四半期より、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が急拡大し、WHOからはパンデミック (世界的大流行)が宣言され、主要国において緊急事態宣言の発令や入出国制限等の対策が実施されたことなどにより、経済活動が大きく制限され、急速に景況感が悪化いたしました。
(2)当期における施策
当期における当社グループは、「2019~2021年度中期経営計画」(2019年10月発表、以下2021中計)のとおり、重点事業(環境・エネルギー、モビリティ、ライフ、販売金融)への注力や付加価値の向上など、当社が掲げる社会価値創造の実現に向けた取り組みを着実に実行してまいりました。
また、当社子会社である日立商業保理(中国)有限公司にて2019年3月期に発生したファクタリング取引における不正常取引を受けて、2020年3月期を「基盤強化の年」と位置付け、グローバル事業の総点検を行い、その抜本的な見直しを実施いたしました。そして、再発防止を徹底するため、より強固なグローバルにおける与信関連規定の整備や運用、海外グループ会社と本社部門のより密接な連携、さらには、従業員に対する新たな与信関連規定の教育などを実行し、オペレーショナルリスク管理態勢と詐欺行為に対するリスクマネジメントの一層の強化に努めてまいりました。
(重点事業におけるおもなトピックス)
「環境・エネルギー」
・2019年7月 当社子会社(津軽風力発電株式会社)が青森県五所川原市、中泊町にて「十三湖風力発電所 (34.5MW)」を竣工
・2019年9月 当社子会社(よこはま風力発電株式会社)が運営する「横浜町雲雀平風力発電所(32.2MW)」において、再生可能エネルギーによる特定電力供給を開始
・2020年2月 当社子会社(日立グリーンエナジー株式会社)が「岡山県新見市太陽光発電所(36.4MW)」の運転を開始
これらの取り組みにより、当社グループの発電容量(累計)は593MWに拡大いたしました。(2020年3月末現在)
1
「モビリティ」
・2019年10月 オランダ王国においてMaaS事業を展開するMobility Mixx B.V.に出資
・2019年10月 当社オランダ子会社(Hitachi Capital Mobility Holding Netherlands B.V.)がベルギー王国においてモビリティサービスを展開するMobilease Belgium NVを買収
・2020年3月 当社ポーランド子会社(Hitachi Capital Polska Sp. z o.o.)がチェコ、スロバキア、ハンガリーの3カ国に支店を新設
これらの取り組みにより、欧州大陸におけるモビリティ事業は8カ国に拡大いたしました。(2020年3月末現在)
「ライフ」
・2019年9月 熊本県熊本市の商業施設「SAKURA MACHI Kumamoto」にデジタルサイネージソリューションを導入
・2019年10月 滋賀県新県立体育館整備事業の事業者に決定
・2019年11月 Green Earth Institute株式会社と食品残渣や農業残渣等を原料とした「健康」に寄与する有用化学品の共同開発を開始
・2019年12月 当社子会社(日立キャピタルコミュニティ株式会社)と大和ハウスグループのPT Daiwa Manunggal Logistik Propertiがインドネシア共和国に不動産賃貸事業を行う新会社を設立
・2020年3月 旭化成ホームズ株式会社、シャープ株式会社とくらしに関するさまざまなサービスを包括した Life as a Serviceモデルの構築をめざして、住まいのIoT化実証実験を開始
「販売金融」
・2019年4月 当社英国子会社(Hitachi Capital (UK) PLC)がオランダ王国・アムステルダムに販売金融を手掛けるHitachi Capital European Vendor Solutions B.V.を設立
・2020年3月 横河電機株式会社、アムニモ株式会社と産業向けIoT分野における包括連携協定を締結
2
事業報告
(3)当期の業績
税引前当期利益は、重点事業の強化や大口ファクタリング事業の収束など、事業戦略の着実な実行で、概ね期初計画通りに推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響による貸倒引当金(2,600百万円)の計上により、 42,526百万円(前年同期比30.0%増)となりました。
なお、2021年3月期前半(概ね6カ月程度)は日本事業、グローバル事業ともに信用リスクが悪化するという想定のもと、貸倒引当金を計上しております。
3
2.当社グループの事業セグメントの状況(2020年3月31日現在)
当社グループは、事業者ならびに消費者等に対して金融サービスの提供を行っており、事業別の概要は、次のとおりです。
日本事業
アカウント
ソリューション
顧客の多様なニーズに対し、当社グループの金融・サービス・事業化の組み合わせや、日立グループをはじめとしたパートナー連携等によりソリューションを提供するものです。
<同事業を行っている連結子会社>
日立キャピタルオートリース㈱積水リース㈱
日立キャピタル損害保険㈱
日立キャピタルコミュニティ㈱ PT HCD Properti Indonesia日立キャピタル信託㈱
日立グリーンエナジー㈱日立ウィンドパワー㈱
日立サステナブルエナジー㈱
他13社
ベンダー
ソリューション
提携ベンダーの販売促進等のニーズに対し、当社グループのリースや割賦等を提供する金融サービスです。
<同事業を行っている連結子会社>
日立キャピタルNBL㈱
グローバル事業
各地域における顧客ならびにベンダーのニーズに応じた幅広い金融サービスや、日立グループとの連携により提供する金融サービスです。
Hitachi Capital(UK)PLC
欧州
Hitachi Capital Polska Sp. z o.o. Hitachi Capital Mobility Holding
Netherlands B.V.
Hitachi Capital Mobility Netherlands B.V. Maske Fleet GmbH
Maske Langzeit-Vermietung GmbH
他4社
米州
Hitachi Capital America Corp. Hitachi Capital Canada Corp.
CLE Capital Inc.
他1社
中国
HItachi Capital Management(China)Ltd. Hitachi Capital(Hong Kong)Ltd.
日立租賃(中国)有限公司
日立商業保理(中国)有限公司
ASEAN
Hitachi Capital Asia Pacific Pte.Ltd. Hitachi Capital(Thailand)Co.,Ltd.
Hitachi Capital Malaysia Sdn.Bhd.
PT.Arthaasia Finance
PT.Hitachi Capital Finance Indonesia
他1社
4
事業報告
当期の業績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。なお、円グラフ内のパーセントは、当事業年度における事業セグメント合計に対する当該事業セグメントの構成比を示しております。
日本事業
アカウントソリューション
売上収益は、環境・エネルギー事業等が順調に推移したことにより、前年同期比4.1%増の 238,740百万円となりました。税引前当期利益は、電子デバ イス事業における戦略的な在庫調整に伴う半導体製造設備の販売減少や新型コロナウイルス感染症の影響による貸倒引当金を計上したこと等により、同11.1
% 減の20,188百万円となりました。
ベンダーソリューション
売上収益は、情報通信機器等の取扱高が堅調に推移したことにより、前年同期比0.9%増の 25,173百万円となりました。
税引前当期利益は、事業構造改革により販売費及び一般管理費が減少したものの、新型コロナウイルス感染症の影響による貸倒引当金を計上したことにより、同13.0%減の5,435百万円となりました。
5
グローバル事業
欧州
売上収益は、欧州大陸のモビリティ事業等が好調に推移したことにより、前年同期比4.3%増の132,590百万円となりました。
税引前当期利益は、為替の円高影響や新型コロナウイルス感染症の影響による貸倒引当金の計上等があったものの、英国事業が堅調に推移したこと等から、同1.5%増の18,533百万円となりました。
米州
売上収益は、2019年2月に実施したGlobal Technology Finance, LLCの事業買収、さらには、カナダ事業が好調に推移したこと等により、前年同期比9.3% 増の29,447百万円となりました。
税引前当期利益は、大口ファクタリング事業の収束や新型コロナウイルス感染症の影響による貸倒引当金を計上したこと等により、同37.0 % 減の3,212百万円となりました。
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事業報告
グローバル事業
中国
ASEAN
売上収益は、大口ファクタリング事業やシンジケートローン等の収束により前年同期比34.5
% 減の12,189百万円となりました。
税引前当期利益は、売上収益の減少や新型コロナウイルス感染症の影響による貸倒引当金の計上があったものの、2019年3月期に計上したファクタリング取引における不正常取引に対する引当金(20,665百万円)が減少したことにより、1,956百万円となりました。
売上収益は、マレーシア、インドネシアの事業が順調に推移し、 前 年 同 期 比 0.4 % 増 の 17,601百万円となりました。
税引前当期利益は、シンガポールの事業において、個別債権に対する貸倒引当金を計上したことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響による貸倒引当金を計上したこと等により、同 53.0%減の702百万円となりました。
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3.当社グループの販売の状況
(1)取扱高
事業区分 2019年度 対前期増減率 (当期) | ||
■ アカウントソリューション | 828,314 百万円 | 3.2 % |
■ ベンダーソリューション | 191,707 | 5.4 |
■日本事業計 | 1,020,021 | 3.6 |
■ 欧州 | 651,404 | △1.7 |
■ 米州 | 332,590 | △53.9 |
■ 中国 | 86,141 | △65.7 |
■ ASEAN | 87,711 | △24.5 |
■グローバル事業計 | 1,157,847 | △33.9 |
小計 | 2,177,869 | △20.4 |
その他及び消去等 | 8,621 | 0.9 |
合 計 | 2,186,490 | △20.3 |
事業区分 | 2019年度 | 対前期増減率 | |
■ アカウントソリューション | 238,740 百万円 | 4.1 % | |
■ ベンダーソリューション | 25,173 | 0.9 | |
■日本事業計 | 263,914 | 3.8 | |
■ 欧州 | 132,590 | 4.3 | |
■ 米州 | 29,447 | 9.3 | |
■ 中国 | 12,189 | △34.5 | |
■ ASEAN | 17,601 | 0.4 | |
■グローバル事業計 | 191,829 | 0.9 | |
小計 | 455,743 | 2.5 | |
その他及び消去等 | 8,277 | △5.3 | |
合 計 | 464,020 | 2.4 | |
8 |
(2)売上収益
(当期)
事業報告
4.当社グループの資金調達の状況及び設備投資の状況
当社グループの金融機関からの借入、資本市場での社債発行等による資金調達残高は当期末で3,081,051百万円となっています。借入先金融機関は都市銀行、信託銀行、地方銀行、外国銀行、生損保会社等、その数は100社超です。資本市場での調達については、普通社債、コマーシャルペーパー(CP)、ミディアム・ターム・ノート(MTN)、債権流動化に伴う支払債務などで構成されております。今後も様々な調達手段を活用しながら、安定的な資金調達を行ってまいります。
また、当期に実施した主な設備投資はオペレーティング・リース資産の取得214,207百万円、及びその他の有形固定資産(太陽光及び風力発電事業に係る資産)の取得12,949百万円であります。
5.企業結合等の状況
2019年10月28日付で、オランダのARS Traffic & Transport Technology B.V.との間で、同社の子会社であるMobility Mixx B.V.の発行済み株式の49%を譲受ける株式譲渡契約を締結し、同日その株式を取得しました。
また、2019年10月29日付で、当社の子会社であるHitachi Capital Mobility Holding Netherlands B.V.が、ベルギーのMobilease Belgium NVの株主との間で同社の全株式を譲受ける株式譲渡契約を締結し、同日その株式を取得しました。なお、同社は、2020年3月28日付でHitachi Capital Mobility Netherlands B.V.が吸収合併しました。
また、2019年12月10日付で、当社の子会社である日立キャピタルコミュニティ株式会社が、インドネシアにおいてPT Daiwa Manunggal Logistik Properti と共同でPT HCD Properti Indonesia を新たに設立し、 2020年3月20日付で同社株式の63.4%を引き受けました。
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6.当社グループの財産及び損益の状況
当社グループ≪国際財務報告基準(IFRS)≫
区 分
2016年度
(第60期)
2017年度
(第61期)
2018年度
(第62期)
2019年度
(第63期)
売上収益 370,860 百万円 404,124 百万円 453,253 百万円 464,020 百万円
税引前当期利益 46,033 百万円 44,295 百万円 32,706 百万円 42,526 百万円
親会社の所有者に帰属する当期利益
32,926 百万円 32,057 百万円 19,363 百万円 30,693 百万円
1株当たり当期利益 281.69 円 274.26 円 165.69 円 262.67 円
総資産 3,245,029 百万円 3,468,756 百万円 3,772,784 百万円 3,719,474 百万円
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事業報告
当社≪日本基準≫
区 | 分 | 2016年度 (第60期) | 2017年度 (第61期) | 2018年度 (第62期) | 2019年度 (第63期) |
営業収益 | 45,735 百万円 | 40,793 百万円 | 46,095 百万円 | 37,362 百万円 | |
営業利益 | 12,934 百万円 | 9,329 百万円 | 18,697 百万円 | 10,084 百万円 | |
経常利益 | 12,914 百万円 | 9,297 百万円 | 18,612 百万円 | 10,312 百万円 | |
当期純利益 | 10,721 百万円 | 7,056 百万円 | 15,339 百万円 | 8,902 百万円 | |
1株当たり当期純利益 | 91.73 円 | 60.37 円 | 131.26 円 | 76.18 円 | |
総資産 | 1,544,616 百万円 | 1,559,201 百万円 | 1,606,631 百万円 | 1,661,749 百万円 |
11
7.当社グループの対処すべき課題
(1)当社グループの対処すべき課題
2019年度は、2021中計のスタートの年であり、重点事業(環境・エネルギー、モビリティ、ライフ、販売金融)への注力や付加価値の向上など、当社が掲げる社会価値創造の実現に向けた取り組みを着実に実行してまいりました。
また、当社子会社である日立商業保理(中国)有限公司にて2019年3月期に発生したファクタリング取引における不正常取引を受けて、2020年3月期を「基盤強化の年」と位置付け、グローバル事業の総点検を行い、その抜本的な見直しを実施いたしました。そして、再発防止を徹底するため、より強固なグローバルにおける与信関連規定の整備や運用、海外グループ会社と本社部門のより密接な連携、さらには、従業員に対する新たな与信関連規定の教育などを実行し、オペレーショナルリスク管理態勢と詐欺行為に対するリスクマネジメントの一層の強化に努めてまいりました。
2019年度の事業環境は、米中貿易摩擦の継続や英国のEU離脱、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な急拡大など、厳しい環境となりました。
2020年度の当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、主要国において緊急事態宣言が発せられ、外出や営業の規制が広がるなど、経済活動が大きく制限され、また、第2波 (ならびに第3波)の到来も懸念されることから、その先行きはさらに不透明であると想定しております。
今般、WHOより「新型コロナウイルスはパンデミックである」との認識が示されたことにより、すでに株式市場の暴落、各国間の入国禁止、各種イベントの中止・延期、企業の倒産などの影響が生じております。さらに、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期による日本国内の不況の早期到来にとどまらず、世界同時不況が発生し得る状況にあるといえます。
当社グループにおいては、社員を含むステークホルダーの安全と健康を最優先に、テレワークや時差出勤の活用による感染リスクの低減を図っております。しかしながら、非常事態宣言、外出禁止令など、ヒト・モノの移動が大きく制限され、事業活動においてさまざまな制約が発生しております。そうした経済活動の制約が続くなかで成長鈍化や業績の下振れなど、先行きはさらに不透明な見通しです。
このような状況において、当社グループが2021中計で定めた目標、さらにはより長期での目標を達成するためには、各地域・事業における施策の実効性を高めていく必要があります。
①日本事業
2019年度において、第2四半期までの経済情勢は、内需が底堅く、緩やかな回復基調で推移したものの、第3
12
事業報告
四半期は2019年10月に実施された消費増税の影響により減速基調となりました。第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症が拡大し、入国制限や地方自治体による外出自粛要請などが実施された影響等により、経済対策、金融緩和策などはあったものの、急速に景況感が悪化いたしました。
環境・エネルギー事業では、メガソーラーの運転開始やIT導入による運転管理業務の効率化推進により、包括的なエネルギーサービス事業者に進化し、増大するエネルギーニーズに応えるとともに、脱FITに向けた取組みなどを推進いたしました。
モビリティ事業では、CASE(Connected Autonomous Shared Electric)がもたらす変革期に対応した新ビジネス開発とソリューション提供をめざしております。
ライフ事業(インフラ・まちづくり、ヘルスケア、食農・生活)事業では、資産ポートフォリオの質的向上、持続可能な街づくりの実現に向けて、新たな実証実験などを実施いたしました。
販売金融事業では、収益性改善のため、バックヤード事務の効率化をはじめとしたローコストオペレーションの継続による安定収益基盤の確立などに取り組んでおります。
②欧州事業
2019年度において、第3四半期までの英国の経済情勢は、個人消費は堅調だったものの、EU離脱交渉の先行き不透明感による企業投資の縮小等により、減速基調で推移いたしました。第4四半期に入り、英国では2020年 1月末にEU離脱が現実のものとなり、不透明感は薄まったものの、3月には新型コロナウイルス感染症が急拡大し、入国制限や外出禁止令等が発せられ、経済対策、政策金利の引き下げ等は実施されたものの、急速に景況感が悪化いたしました。
英国事業の主体であるコンシューマファイナンス事業は、安定成長を継続しているものの、銀行の再参入やフィンテック企業の台頭などがみられるため、デジタルトランスフォーメーションの推進による事業強化、さらには、今後の経済成長鈍化に備えた与信基準の見直しなどにより、良質資産の維持、徹底を図ってまいります。
③米州事業
2019年度において、第3四半期までの経済情勢は、良好な雇用・所得環境を背景とした堅調な個人消費に加え、政策金利の引き下げ等の経済政策もあり、概ね堅調に推移いたしました。第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症が急拡大したことで、国家非常事態宣言が発せられ、入国制限や行動制限、外出禁止令等が徹底されたことから、経済対策、追加の政策金利の引き下げ等は実施されたものの、急速に景況感が悪化いたしました。
当社では大口ファクタリング事業を収束し、パートナー連携によるサブスクリプション型の省エネ事業に参入するなどの取組みを推進しております。
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④中国事業
2019年度において、第3四半期までの経済情勢は、政策金利の引き下げや減税等の政策が実施されたものの、米中貿易摩擦による米国への輸出減少等により、減速基調で推移いたしました。第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症が急拡大し、湖北省武漢市の都市封鎖や外出禁止令等が実施された影響により、経済対策、追加の政策金利の引き下げ等は実施されたものの、急速に景況感が悪化いたしました。
なお、日立商業保理(中国)有限公司にて2019年3月期に発生したファクタリング取引における不正常取引に対して、外部専門家の協力を得て再発防止策を策定し、その内容が確実に実行されていることを確認済みです。
⑤ASEAN事業
2019年度において、第3四半期までの経済情勢は、世界経済の減速にともない、輸出が減少したこと等により、減速基調で推移いたしました。第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症が拡大し、シンガポールやマレーシアをはじめとする各国で入国制限等が実施された影響により、さらに景況感が悪化いたしました。
当社においては、トップライン(売上総利益)の拡大に加え、経営基盤強化を推進してきたものの、さらなる成長のため、地域展開や新事業の拡大が必要となっております。
(2)当社グループの方向性
2020年度は、このような状況下ではありますが、2021中計達成に向けた重要な一年であり、「本格始動の年」と位置付けております。このため、4つの重点事業の成長に邁進するべく、当社グループの経営リソースのシフトを図る一方、成功モデルや先進的な取組みなどの情報共有を図り、地域ごとの社会課題、お客様のニーズに合致したソリューションにさらに深化させていきます。
①日本事業
2020年度は、トップラインの構造改革の遂行を日本事業の事業方針として取組んでまいります。
環境・エネルギー事業においては、ポストFITを見据え、エネルギーサービス事業者へと進化し、エネルギーニーズを適確にとらえ、クリーンなエネルギーを提供することを事業戦略として掲げております。
モビリティ事業では、CASEに対応した新しいビジネスの開発とソリューションの提供を推進いたします。 ライフ事業では、ポートフォリオの見直しと回転型ビジネスによる収益性の向上、都市空間の整備を通じた持
続可能な街づくりの実現に取り組んでまいります。
販売金融事業では、ローコストオペレーションによる安定収益基盤の確立や優良資産の積み上げによる収益の確保に注力いたします。
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事業報告
②欧州事業
2020年度は、英国事業において、モビリティ事業にてEV関連事業の実証実験等を継続・推進し、本事業の経営基盤構築面での優位性を高めることに注力いたします。一方、デジタルトランスフォーメーションの推進などにより、効率性を引き上げ、コンシューマファイナンス事業の安定成長を図ってまいります。
欧州大陸事業においては、展開地域の拡大やMaaS(Mobility as a Service)の事業強化をめざします。
③米州事業
2020年度は、日立グループ連携の強化や新たな主力ビジネスの構築を推進いたします。新たなビジネスとしては、省エネ事業における事業機会の加速やモビリティ事業の開始、パートナーとの連携加速を図ります。
④中国事業
2020年度は、日立グループや三菱UFJフィナンシャル・グループなどとの連携による小口分散モデルに向けた取組みを強化するとともに、環境・エネルギー事業やモビリティ事業などでパートナー連携を加速してまいります。
⑤ASEAN事業
2020年度は、現在、事業を展開しているシンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアに加え、フィリピンへの参入など展開地域の拡大を推進いたします。
また、環境・エネルギー事業やモビリティ事業などの新事業への本格着手にも取り組んでまいります。
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8.当社グループの主要な事業所の状況 (2020年3月31日現在)
(1)当社
事業所 所在地
本 社 東京都港区
営業統括本部 東京都港区
経営基盤強化統括本部 東京都港区
(2)当社グループ
当社グループ会社及びその所在地は、「10.重要な親会社及び子会社の状況 (2)重要な子会社の状況」に記載のとおりです。
9.当社グループの従業員の状況 (2020年3月31日現在) (1)当社グループ | ||
区 分 | 従業員数 | 前期末比増減 |
国 内 | 2,476 名 | △16 名 |
海 外 | 3,167 名 | 101 名 |
合 計 | 5,643 名 | 85 名 |
(注)従業員数は、就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、契約社員を含んでおります。
(2)当社
区 分
従業員数
前期末比増減
男 性 618 名 △46 名
女 性 293 名 5 名
合 計 911 名 △41 名
(注)従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、契約社員を含んでおります。
16
事業報告
10.重要な親会社及び子会社の状況
(1)親会社との関係
該当はありません。
(2)重要な子会社の状況(2020年3月31日現在)
会社名 所在地 資本金 議決権比率 主要な事業の内容
1 日立キャピタル債権 東京都港区 | 500百万円 | 100.00% | 債権管理回収業 |
2 日立キャピタルサー 東京都港区 | 130百万円 | 100.00% | 中古商品の仕入販売業 |
3 日立キャピタルオー 東京都港区 | 300百万円 | 51.00% | 自動車リース業 |
4 日立トリプルウィン 東京都港区 50百万円 | 100.00% | アウトソーシング事業、食品・飲料及び農業に関する事業 | |
5 積水リース株式会社 大阪府 100百万円 | 90.00% | リース業及び金融業 | |
6 日立キャピタル損害 東京都 6,200百万円 | 79.36% | 損害保険業 | |
7 日立キャピタルコミ 東京都港区 80百万円 | 100.00% | 不動産開発・運営・賃貸業 | |
8 PT HCD Properti インドネシア | 580,000 百万インドネシアルピア | 63.45% (63.45%) | 不動産の賃貸事業 |
9 日立キャピタル信託 東京都港区 | 1,000百万円 | 100.00% | 信託業 |
10 日立キャピタルNBL 東京都港区 | 10,000百万円 | 100.00% | リース業 |
11 日立グリーンエナジ 東京都港区 | 3百万円 | 100.00% | 発電事業 |
12 日立ウィンドパワー 東京都港区 | 50百万円 | 85.10% | 発電事業 |
13 日立サステナブルエ 茨城県日立市 | 50百万円 | 85.10% | 発電事業 |
回収株式会社ビス株式会社
トリース株式会社株式会社
保険株式会社
大阪市中央区千代田区
ュニティ株式会社
Indonesia ジャカルタ
株式会社 株式会社 ー株式会社株式会社
ナジー株式会社
17
会社名 所在地 資本金 議決権比率 主要な事業の内容
14
Hitachi Capital (UK) PLC
15
Hitachi Capital Polska Sp. z o.o.
Hitachi Capital
イギリスサリー
ポーランドワルシャワ
オランダ
110,668
千英ポンド
15,000
千ポーランドズロチ
950
100.00% リース業及び金融業
100.00% 自動車リース業
16 Mobility Holding Netherlands B.V.
フローニンゲン
千ユーロ 98.61% 金融持株会社
Hitachi Capital
オランダ
45 100.00%
17 Mobility
Netherlands B.V.
18
Maske Fleet GmbH
フローニンゲン
ドイツ
ニーダーザクセン
千ユーロ (100.00%) 自動車リース業
千ユーロ
5,000 100.00% 自動車リース・レンタル業
Maske
オーストリア
235 100.00%
19 Langzeit-Vermietung GmbH
ウィーン
千ユーロ (100.00%) 自動車リース・レンタル業
20
Hitachi Capital America Corp.
アメリカ
ネチカット
180,000
千米ドル
100.00% リース業及び金融業
21 Hitachi Capital
カナダ
61,000 100.00%
リース業及び金融業
Canada Corp.
オンタリオ
千カナダドル (100.00%)
22 CLE Capital Inc. カナダ
10,126
100.00%
リース業及び金融業
Hitachi Capital
23 Management (China) Ltd.
ケベック
中国香港
千カナダドル (100.00%)
千香港ドル
2,165,479 100.00% 金融持株会社
24 Hitachi Capital 中国
310,000
100.00%
リース業及び金融業
(Hong Kong) Ltd. 香港 千香港ドル (100.00%)
25
日立租賃(中国) 中国有限公司 北京
170,000
千米ドル
94.12% (94.12%)
リース業及び金融業
18
事業報告
会社名 所在地 資本金 議決権比率 主要な事業の内容
26
日立商業保理 中国
(中国)有限公司 上海
Hitachi Capital
306,570
千人民元
126,400
100.00% (100.00%)
ファクタリング業
27 Asia Pacific Pte. Ltd.
シンガポール
千シンガポールドル 100.00% リース業及び金融業
28
Hitachi Capital (Thailand) Co., Ltd.
29 Hitachi Capital
タイ
バンク
マレーシア
1,100,000
千タイバーツ
65,000
100.00% (100.00%)
100.00%
リース業及び金融業
Malaysia Sdn. Bhd.
クアラルンプール
千マレーシアリンギット
(100.00%) リース業及び金融業
30
PT. Arthaasia Finance
PT. Hitachi
インドネシアジャカルタ
インドネシア
150,000
百万インドネシアルピア
134,000
85.00% (85.00%)
73.81%
リース業及び金融業
31 Capital Finance Indonesia
ジャカルタ
百万インドネシアルピア
(73.81%) リース業及び金融業
(注)( )内は間接所有による議決権比率の内数を表しております。
(3)特定完全子会社の状況(2020年3月31日現在)
該当はありません。
19
11.主な借入先及び借入金の状況(2020年3月31日現在)
当社グループの当期末における主な借入先は、次のとおりであります。
借入先 | 借入金残高 | |
株式会社三菱UFJ銀行 | 249,407 百万円 | |
株式会社みずほ銀行 | 212,614 | |
株式会社三井住友銀行 | 155,524 | |
三井住友信託銀行株式会社 | 120,560 | |
農林中央金庫 | 41,961 |
(注)借入金残高には、各借入先の海外現地子会社からの借入を含んでおります。
12.その他当社グループの現況に関する重要な事項
該当はありません。
20
事業報告
Ⅱ
会社の現況
1.株式に関する事項(2020年3月31日現在)
(1)発行可能株式総数 270,000,000株
(2)発行済株式の総数 124,826,552株
(3)株主数 8,913名
(4)大株主(上位10名)
氏名または名称 | 持株数(株) | 持株比率(%) |
株式会社日立製作所 | 39,031,800 | 33.39 |
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ | 26,884,484 | 23.00 |
三菱UFJリース株式会社 | 4,909,340 | 4.20 |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 3,760,200 | 3.22 |
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) | 3,575,100 | 3.06 |
GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL | 2,180,116 | 1.87 |
BNY GCM CLIENTACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC) | 1,637,164 | 1.40 |
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 | 1,190,147 | 1.02 |
JP MORGAN CHASE BANK 380684 | 1,152,500 | 0.99 |
CREDIT SUISSE SECURITIES (USA) LLC SPCL. FOR EXCL. BEN | 1,098,469 | 0.94 |
(注)1.当社は自己株式7,940,875株を保有していますが、上記大株主からは除いております。 2.持株比率は、自己株式を控除して計算しております。
2.新株予約権等に関する事項
(1)当社役員が保有している職務執行の対価として交付された新株予約権の状況(2020年3月31日現在)
該当はありません。
(2)当期中に職務執行の対価として使用人等に対し交付した新株予約権の状況
該当はありません。
21
3.会社役員に関する事項
指名委員 |
監査委員 |
報酬委員 |
指名委員長 |
監査委員 |
報酬委員 |
指名委員 |
監査委員長 |
報酬委員 |
(1)取締役(2020年3月31日現在)
役 位 氏 名 担当(委員会) 重要な兼職の状況
取 | 締 | 役 | 平岩 | 孝一郎 | 株式会社ドリームエステート東京 代表取締役 | |
取 | 締 | 役 | 末吉 | 亙 | KTS法律事務所 パートナー | |
取 | 締 | 役 | 中村 | 隆 | ― | |
取 | 締 | 役 | 佐々木 | 百合 | 明治学院大学 経済学部教授 一般社団法人全銀協TIBOR運営機関 理事 | |
取 | 締 | 役 | 津田 | 義孝 | ― | 株式会社日立製作所 代表執行役 執行役専務 |
取 | 締 | 役 | 小林 | 真 | ― | 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 常務執行役員株式会社三菱UFJ銀行 常務執行役員 三菱UFJ証券ホールディングス株式会社 常務執行役員 |
取 | 締 | 役 | 川部 | 誠治 | ― | ― |
監査委員
指名委員 |
監査委員 |
報酬委員長 |
取 締 役 小島 喜代志 ―
22
事業報告
(注)1.取締役 平岩孝一郎、末吉亙、中村隆、佐々木百合、津田義孝、小林真の各氏は、会社法第2条第15号に定める社外取締役であります。なお、取締役 平岩孝一郎、末吉亙、中村隆、佐々木百合の各氏を株式会社東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定し、同取引所に届け出ております。
2.監査委員長である中村隆氏は、上場会社において長年にわたる財務及び会計に関する実務経験ならびに要職の経験を有しており、また、監査委員である平岩孝一郎氏は、本邦の中央銀行における長年の経験を有していることから、両氏は財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
3. 取締役 津田義孝氏は、2020年3月31日をもって株式会社日立製作所 代表執行役 執行役専務を退任しました。
4.取締役 小林真氏は、2020年4月1日をもって株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 常務執行役員、及び株式会社三菱UFJ銀行 常務執行役員を退任しました。
5.当社は株式会社日立製作所との間で、主としてリース物件となる業務用機械等を494億94百万円購入するとともに、製造機器・産業機器のリース等を行っており、その取引額は135億78百万円です。また、同社は当社の筆頭株主です。
6. 当社は株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループとの間で、資本業務提携に係る契約を締結しています。同社は当社の第二順位の大株主です。
7.当社は株式会社三菱UFJ銀行から「Ⅰ 当社グループの現況に関する事項 11.主な借入先及び借入金の状況」記載のとおり、事業用資金等の借入を受けています。
8.上記のほか、社外取締役の重要な兼職先と当社との間に特別の利害関係はありません。
<社外取締役に関する事項>
① 重要な兼職先と当社との関係
上記(1)注5~8記載のとおりです。
② 当事業年度における主な活動状況
区 分
氏 名
取締役会への出席状況
(出席率)
取締役会・委員会の発言状況
平岩 孝一郎
社外取締役 21回中21回
(100%)
末吉 亙
社外取締役 21回中21回
(100%)
中村 隆
社外取締役 21回中21回
(100%)
佐々木 百合
社外取締役 21回中21回
(100%)
津田 義孝
社外取締役 21回中21回
(100%)
小林 真
社外取締役 21回中21回
(100%)
経営全般及び財務・会計に関し、有益な発言を行っております。
弁護士としての知識・経験に基づき、当社グループのガバナンス・ ンプライアンスを中心に有益な発言を行っております。
経営全般及び財務・会計に関し、有益な発言を行っております。
金融分野全般に関し、有益な発言を行っております。
経営全般及び日立グループとの連携に係る事項につき、有益な発言を行っております。
経営全般、金融分野全般及び資本業務提携に関し、有益な発言を行っております。
23
区 分 氏 名 指名委員会への出席状況 | 監査委員会への出席状況 (出席率) | 報酬委員会への出席状況 (出席率) |
社外取締役 平岩 孝一郎 13回中13回 | 24回中24回 | 13回中13回 |
(100%) | (100%) | (100%) |
社外取締役 末吉 亙 13回中13回 | 24回中24回 | 13回中13回 |
(100%) | (100%) | (100%) |
社外取締役 中村 隆 13回中13回 | 24回中24回 | 13回中13回 |
(100%) | (100%) | (100%) |
社外取締役 佐々木 百合 13回中13回 | 24回中24回 | 13回中13回 |
(100%) | (100%) | (100%) |
委員会の委員である取締役の各委員会への出席率は、次のとおりです。
(出席率)
小島 喜代志
―
取 締 役 ― 24回中24回
(100%)
(2)責任限定契約の内容の概要
取締役 平岩孝一郎、末吉亙、中村隆、佐々木百合、津田義孝、小林真、小島喜代志の各氏との間で、会社法第427条及び当社定款第22条の規定に基づき、取締役の職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項に従い決定される額を賠償責任の限度額とする責任限定契約を締結しております。
(3)常勤の監査委員の選定の有無及びその理由
① 小島喜代志氏を常勤の監査委員に選定しております。
② 常勤の監査委員に対しては、監査の環境の整備及び社内の情報の収集ならびに業務の適正を確保するための体制等の整備及び運用の状況を日常的に監視し検証することを期待し、これを置くこととしております。
24
事業報告
(4)執行役 (2020年3月31日現在)
役 位 氏 名 担 当 重要な兼職の状況
代表執行役執行役社長
川部 誠治 統括 ―
代表執行役執行役副社長
木住野 誠一郎
―
パートナー連携推進室長経営基盤強化統括本部長
執行役専務 | 白井 | 千尋 営業統括本部長 ― 企画本部、モビリティソリューション事業本部 | ||
執行役専務 | 菅原 | 明彦 営業統括本部米州地域担当 ― Hitachi Capital America Corp. Chairman & CEO | ||
執行役常務 | 大橋 | 芳和 経営基盤強化統括本部人財本部長 ―営業統括本部欧州地域担当 | ||
執行役常務 | 安栄 | 香純 | 営業統括本部副本部長、日本地域担当 | ― |
執行役常務 | 竹本 | 雅雄 | 営業統括本部日立グループ事業本部長 | ― |
執行役常務 | 井上 | 悟志 | 経営基盤強化統括本部財務本部長 | ― |
執行役常務 | 竹田 | 真史 | 経営戦略本部長 | ― |
環境・エネルギー事業本部
執行役 西田 政夫
営業統括本部ASEAN地域担当
Hitachi Capital Asia Pacific Pte. Ltd. CEO & Managing ― Director
執行役 佐藤 剛
―
経営戦略本部副本部長新事業研究・開発部長
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なお、2020年4月1日をもって執行役の変更及び職制改正を行い、新たな執行体制は次のとおりとなりました。
役 位 氏 | 名 | 担 当 | 重要な兼職の状況 | |
代表執行役 川部 | 誠治 | 統括 | ― |
執行役社長
木住野 誠一郎
代表執行役執行役副社長
執行役専務 白井 千尋
執行役専務 安栄 香純
社長補佐
(パートナー連携推進室、中国地域、リスクマネジメント本 ―部、デジタルトランスフォーメーション本部 管掌)
社長補佐
(経営戦略本部、ASEAN地域、モビリティソリューション事 ―業本部 管掌)
事業強化本部長
―
(企画本部、法人事業本部(日立キャピタル ミュニティ含む)、日立グループ事業本部、アカウント事業本部、環境・エネルギー事業本部、欧州地域、米州地域 管掌)
執行役専務 | (人財本部 管掌) | ― | ||
執行役常務 | 竹本 | 雅雄 | 日立グループ事業本部長 | ― |
執行役常務 | 大橋 | 芳和 | 人財本部長 | ― |
執行役常務 | 竹田 | 真史 | 経営戦略本部長 | ― |
執行役常務 執行役 | 佐藤 西田 | 剛 政夫 | パートナー連携推進室長、新事業研究・開発部長 ASEAN地域担当、Hitachi Capital Asia Pacific Pte.Ltd. | ― ― |
執行役 | 浜﨑 | 一紀 | 中国地域責任者、Hitachi Capital Management (China)Ltd. Director Chairman、Hitachi Capital | ― |
執行役 | 田中 | 紳司 | リスクマネジメント本部長 | ― |
井上 悟志 財務本部長
CEO & Managing Director
(HongKong) Ltd. Director Chairman
(注)1.執行役常務 安栄香純氏及び井上悟志氏は、2020年4月1日をもって執行役専務に就任しました。
2.執行役 佐藤剛氏は、2020年4月1日をもって執行役常務に就任しました。
3.浜﨑一紀氏及び田中紳司氏は、2020年4月1日をもって新たに執行役に就任しました。
26
事業報告
(5)取締役及び執行役の報酬等の総額
区 分
人 数
月額報酬
報酬等
期末手当または業績連動報酬
業績連動型株式等報酬
合 計
取 締 役
10 名 104 百万円 17 百万円 ― 百万円 121 百万円
(うち社外取締役)
(8)
(68)
(8)
(77)
執 行 役 12 333 114 69 517
合 計 22 437 132 69 639
(注)1.取締役の人数には、執行役を兼任する取締役1名を含んでおりません。
2.取締役の報酬の額には、2019年6月26日開催の第62回定時株主総会終結の時をもって退任した3名に対し4月から退任時までに支給した月額報酬及び期末手当を含みます。
3.執行役の月額報酬および業績連動報酬の額には、2019年8月5日をもって退任した1名に対し4月から退任時までに支給した額を含みます。
4. 業績連動型株式等報酬制度は執行役在任期間中に一定のポイントを付与し、中期経営計画終了後に累積ポイントに応じた当社株式(但し、国内非居住者にはこれに相当する金銭)を信託を通じて交付する制度です。上記の業績連動型株式等報酬は、当期分として付与されるポイントの見込み数に応じた将来の当社株式交付等の報酬見込額を算定し、当期において費用計上した額を記載しております。
4.取締役及び執行役の報酬等の額の決定に関する方針
(1)報酬方針の決定の方法
当社は、指名委員会等設置会社に関する会社法の規定により、報酬委員会が取締役及び執行役の個人別の報酬等の額の決定に関する方針(以下、「報酬方針」という)を定めています。なお、役職ごとの方針は定めておりません。
(2)報酬方針の概要
① 基本方針
取締役に対しては適正にその期待する能力を発揮させ、執行役に対しては短期のみならず中長期的視点で経営方針を決定し、中期経営計画及び年度事業予算を立案し実行することにより、当社の企業価値向上を実現させ、株主等ステークホルダーの利益に資する経営を行わせるため、以下の内容で報酬を支払います。
② 取締役・執行役に共通する事項
取締役・執行役の報酬は、同業他社を含む市場水準を勘案の上、当社役員に求められる能力及び責任に見合った報酬の水準を設定します。
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③ 取締役の報酬
取締役の報酬は、月額報酬及び期末手当からなります。
・月額報酬は、常勤・非常勤の別、所属する委員会及び役割を考慮して決定します。
・期末手当は、月額報酬の1.5か月分を基準として支払うものとしますが、会社の業績により減額することがあります。
なお、執行役を兼任する取締役には、取締役としての報酬は支給しません。
④ 執行役の報酬
執行役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬及び業績連動型株式等報酬からなります。
・基本報酬は、原則として役位ごとの役割と職責を考慮した役位別金額とします。
・業績連動報酬は、年収の概ね4割となる水準で基準額を定め、会社業績達成度及び改善度ならびに各執行役が担当する部門の業績、個人目標の成果を反映して一定の範囲内で決定します。
・業績連動型株式等報酬は、2018年度より導入し、中長期的な業績の向上・企業価値の増大への貢献意識を高め、かつ株主の皆様と利害を共有することで、中長期的視点から業績や企業価値を意識した経営を促進することを目的としています。全社業績目標達成度により付与する株式交付ポイントに基づき、原則として中期経営計画終了後に累積のポイントに応じて当社株式を給付します。
なお、国内非居住者には株式給付の代替として業績連動型株式報酬に相当する金銭を給付します。
(3)報酬方針の決定権限を有する者の名称、その権限の内容、裁量の範囲
当社は会社法に定める指名委員会等設置会社であり、法定の報酬委員会が法定の権限・裁量の範囲内で報酬方針を決定しています。報酬委員は4名全員を独立社外取締役とすることで報酬決定の独立性及び客観性を確保しています。
(4)報酬方針の決定に関与する委員会の手続の概要
法定の報酬委員会の決議をもって報酬方針を決定しています。
(5)当期の役員の報酬等の額の決定過程における、報酬委員会の活動内容
法定の報酬委員会の決議をもって取締役・執行役の個人別の報酬等の額を決定しています。具体的な報酬等の額は、報酬方針に基づく算定基準に準拠して算定しています。当期は報酬委員会を13回開催し、報酬制度の在り方について継続的に検討するほか、報酬方針・報酬の構成比率と評価指標の検証や、具体額の検証等を行いました。
28
事業報告
(6)業績連動報酬とそれ以外の報酬等の支払割合の決定方針の内容・業績連動報酬に係る指標
① 報酬の構成比率
報酬方針において、業績連動報酬は年収の概ね4割となる水準で基準額を定めることとしています。具体的な報酬の構成比率の標準・評価指標については年度毎に報酬委員会で見直すこととしており、当期は下表の通りといたしました。なお、具体的な報酬の額の算定にあたっては、報酬制度のインセンティブ性を高めるために業績連動報酬および業績連動型株式等報酬に変動幅を持たせており、報酬委員会が所定の基準に基づき、執行役毎に個別に変動係数及び具体的な額を決します。
報酬区分 | 構成比率 | 評価指標 | ||
1 | 基本報酬 | 60% | ― | |
2 | 業績連動報酬 | 25% | 定量部分 (80%) | ①税引前当期利益 (50%/100%) |
②ROA(営業資産残高税引前利益率) (30%/100%) | ||||
③OHR(販管 分配率) (20%/100%) | ||||
定性部分 (20%) | 執行役毎に3項目以上の 定性目標達成度 | |||
3 | 業績連動型株式等報酬 | 15% | 税引前当期利益(中期経営計画目標値) |
② 業績連動型株式等報酬
業績連動型株式等報酬制度は執行役在任期間中に一定のポイントを付与し、中期経営計画終了後に累積ポイントに応じた当社株式(但し、国内非居住者にはこれに相当する金銭)を信託を通じて交付する制度です。
業績連動型株式等報酬ポイントは、以下の方法により算出します。
(対象事業年度における役位別の月額基本報酬×対象事業年度における役位別の在任月数)×対象者別係数
×1/3÷制度基準株価×対象事業年度に対して適用される業績連動係数
※1 対象者別係数は、当社執行役は75%とします。
※2 制度基準株価は、延長後の制度開始日の属する月の前月の東京証券取引所における当社株式の終値の平均値とします。
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※3 業績連動係数は、中期経営計画等で掲げる単年度の業績目標の達成度等に応じて0~150%の範囲で変動します。業績目標の達成度等を評価する指標は、2019年10月9日に発表した中期経営計画の経営目標である税引前当期利益を主として用い、CO2の削減比率等の非財務指標も加味するものとします。次期対象期間以降については、中期経営計画の経営目標等を踏まえて改めて設定する予定です。また、対象事業年度の途中で退任(自己都合による退任等を除く。以下同じ)、又は死亡した制度対象者には、上記算定式において対象事業年度に対して適用される業績連動係数を100%として算定式により算定したポイントを速やかに付与します。
(7)評価指標の選択理由
業績連動報酬(業績連動報酬及び業績連動型株式等報酬)の定量評価指標として、税引前当期利益、ROA、 OHRを用いています。これは、当社経営管理上特に重要視している指標と報酬を連動させることで、当該指標の改善に対しインセンティブを与え、動機付けすることを目的としています。
また、定性評価指標として、各執行役が自ら設定する3項目以上の定性目標の達成度を用いています。これは、管掌分野ごとの特殊事情や課題を取り込んだ具体性のある報酬制度とすることを図るとともに、管掌分野の責任者としてその成長・発展に ミットさせることを目的としています。なお、目標の設定にあたっては、報酬委員会がその妥当性につき検証しています。
(8)業績連動報酬の額の決定方法
(6)①及び②記載の方法により、(9)記載の指標の実績値を基に法定の報酬委員会が個人別の報酬等の額を決定しています。
(9)業績連動報酬に係る指標の目標
当期における業績連動報酬に係る指標の目標値及び実績値は下表のとおりです。
指標 | 目標値 | 実績値 |
税引前当期利益 | 450億円 | 425億円 |
ROA | 1.3% | 1.3% |
OHR | 63.4% | 61.9% |
30
事業報告
5.会計監査人に関する事項
(1)名称 EY新日本有限責任監査法人
(2)報酬等の額
項 目 支払額
当社が支払うべき当事業年度に係る会計監査人の報酬等の額 146百万円当社及び子会社が会計監査人に支払うべき金銭その他の財産上の利益の合計額 215百万円
(注)1.監査委員会は、会計監査人が提出した監査計画の内容及び監査時間等を勘案した結果、当事業年度の報酬等の額は相当であると判断し、これに同意しております。
2.当社と会計監査人との間の監査契約において、会社法に基づく監査と金融商品取引法に基づく監査の監査報酬等の額を明確に区分しておらず、実質的にも区分できませんので、当事業年度にかかわる報酬等の額にはこれらの合計額を記載しております。
3.当社の国内子会社のうち会計監査人設置会社につきましても、EY新日本有限責任監査法人が会計監査人となっております。
4.当社の海外子会社は、EY新日本有限責任監査法人以外の監査法人による計算関係書類の監査を受けております。
(3)非監査業務の内容
当社は、会計監査人に対して、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務(非監査業務)である ンフォートレター作成業務等を委託し、対価を支払っております。
(4)会計監査人の解任又は不再任の決定の方針
監査委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める事由に該当すると認められる場合には会計監査人の解任を検討し、速やかに解任する必要があると判断した場合には、監査委員の全員の同意によって会計監査人を解任します。この場合、監査委員会が選定した監査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及びその理由を報告します。
上記の場合のほか、会計監査人が職務を適切に遂行することが困難と認められるなど、会計監査人を変更すべきと判断される場合には、監査委員会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。
(5)責任限定契約の内容の概要
該当はありません。
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6.業務の適正を確保するための体制等の整備についての取締役会の決議の概要
監査委員会の職務の執行のため、次の体制を整備します。
① 各委員会の職務を補助するために取締役会室を置き、取締役会室に監査委員会の職務を補助する使用人を置きます。
② 監査委員会の職務を補助する使用人は執行役の指揮命令に服さず、人事異動・懲戒・評価・報酬等については事前に監査委員会の同意を得ることとします。
③ 当社の執行役及び使用人ならびに子会社の取締役、監査役及び使用人は、監査委員会の要求がある場合または特に重要な事項がある場合、監査委員会に報告しなければならないこととし、当該報告を行なった者に対し、当該報告を理由として不利益な取扱をすることを禁止します。また、監査委員会の選定する監査委員及び監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人は、重要な会議に出席することができます。
④ 監査委員の職務に関する 用等の処理は取締役会室が担当し、取締役会室は、当該 用等が当該監査委員の職務の執行に必要でないと明らかに認められる場合を除き、速やかにこれを処理します。
⑤ 監査委員会は、執行役及び重要な使用人からの定期的な事業の状況に関する聴取、執行役社長及び会計監査人との報告・意見交換会、顧問弁護士及び会計監査人からの意見聴取、子会社を含めた事業所等の往査等を行います。
⑥ 監査委員会は、会計監査人より監査計画を事前に受領し、定期的に監査実施報告を受領するほか、必要に応じて監査実施状況の聴取を行います。また、会計監査人との監査契約は、監査委員会の事前承認を必要とします。
当社グループの業務の適正を確保するため、次の体制を整備します。
① 当社は、次に記載の経営管理システムを用いて、当社グループの業務が法令及び定款に適合することを確保しています。
ア 当社グループ共通の「 ンプライアンス方針」を制定し、これに基づく規則を運用します。
イ 当社グループにおける違法または不適切な行為を当社 ンプライアンス統括部署または社外弁護士へ通報できる内部通報制度を設けるとともに、通報者に対し、当該通報を理由として不利益な取扱をしません。
ウ 反社会的勢力との関係を一切遮断し排除するため、規則・体制等の整備と外部専門機関との連携を強化するなど管理・監視体制を構築します。
エ 社内規則をシステムに掲示し、周知徹底します。
オ 個人情報管理、輸出管理等、法令遵守活動を行う各種の組織を設置します。
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事業報告
カ 業法、消 者保護関連法令で定める一定の有資格者として適切な人材を確保・育成し、職能に応じ適正な人員配置を行います。
キ 定期及び随時の内部監査を実施します。子会社に対しては、当社監査室が直接これを実施します。
② 執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理について、社内規則に定めます。
③ 重要事項につき多面的検討を行うため執行役会を設置します。また、執行役及び使用人が共有する長期的、中期的な目標、年度計画、予算を定め、この達成に向けて、執行役は、具体的な目標及び権限分配を含めた効率的な達成の方法を定め、その達成状況を取締役会に定期的に報告します。
④ 当社グループの事業推進に伴うリスクを管理するため、当社グループは、当社取締役会で決議した「リスクマネジメント方針」に従い、規則等の制定、研修の実施、マニュアルの配布等を行います。また、リスクを統合的に管理するため、当社にリスク統括部署を設置するとともに、リスク管理に係る活動状況及び全社的なリスクへの対応については、執行役会において横断的に検討し、必要に応じて取締役会へ報告します。また、新たなリスクへの対応が必要な場合は、速やかに対応責任者となる執行役を定めます。
⑤ 子会社各社は、業績その他の職務執行につき定期的または随時に当社に報告します。
⑥ 当社役職員を子会社各社の取締役及び監査役として派遣します。
⑦ 当社グループは、COSOフレームワークに基づく内部統制システムの整備運用等により、財務報告の信頼性及び業務の適正を確保します。
⑧ 関係会社との取引は、事業上の制約を受けることなく、他の取引先と同様の基本契約、市場価格により行い、適正取引を確保します。
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7.業務の適正を確保するための体制等の運用状況の概要
① ンプライアンスに関する事項
当社グループは、「 ンプライアンス方針」に基づき、毎年度 ンプライアンスに関する具体的方針・施策である「リスクマネジメント・ ンプライアンス・プログラム」を策定のうえ、実施しています。
当期における施策のうち、指導・教育については、役員を対象とする ンプライアンス研修を2 実施し、使用人に対して、総合的な ンプライアンス教育を行ったほか、各種業法等、業務に関連する事項に関する社内研修プログラムを継続的に実施しました。
内部通報については、社内規程に則った運用がなされました。
反社会的取引防止への対応については、社内規程に則り、契約書に適切な反社会的勢力排除条項の記載、取引先に対する必要な調査等、継続的な対応を行いました。
② 損失の危険の管理に関する事項
リスクマネジメント関連事項に関する統合的な審議・調査機関として、「ERM (Enterprise Risk Management)委員会」を設置し、定期的に開催のうえ、報告・議論・対応策の立案等を行いました。また、営業取引の審査に関しては、社内規程に則り、金額等を考慮した基準に従い、審査部門及びその他の機関において審査承認しています。
尚、一定基準を超える営業取引は、関係執行役等で構成される信用リスク審議会にて審査を行う事としており、2019年度は本会議を33 開催しました。
③ 執行役の職務の執行の効率性確保に関する事項
当期においては、執行役会を24 開催し、重要事項について検討を行いました。また、執行役と使用人が目標を共有し、その達成を促進するために、中期経営計画、予算方針等について、執行役が使用人と直接議論する場である「 ミュニケーションロードショー」を4ヶ国において34 開催しました。
④ 監査委員会の職務の執行の実効性確保に関する事項
監査委員は、当社及び子会社の役員及び重要な使用人等から随時情報収集するとともに、重要な会議に出席しています。当期においては、監査委員会は24 開催され、監査委員は、子会社等12ヶ所を往査しました。また、当社監査委員と子会社の監査役の情報共有・連携を目的とした「グループ監査役協議会」を定期的に実施し、当期においては4 実施しました。
34
事業報告
8.会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の概要
金融サービスを事業の中核とする当社にとって、信用力と資金調達の多様化は最も重要なことであり、なかんずく資本市場からの評価と調達はその基本というべきものと考えております。
従って、当社は株式の上場を通じて投資家・株式市場から将来の成長のための資本の提供をいただくとともに日々評価されることを通じて、より緊張感のある経営を実践することが、当社の企業価値増大のために極めて重要であると認識しております。
一方、「社会価値創造企業」を標榜する当社は、筆頭株主である株式会社日立製作所及び同社グループ会社が有する経営資源を相互に活用することが、社会の発展と人々の豊かな暮らしの実現に資する新しい価値を創造するための事業活動を行うにあたり極めて重要であると考えており、同時に、大株主である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループは、かかる事業活動を推進する上での極めて強力なパートナーであると考えております。
ついては、株式の上場を維持し、同時に両社との間に一定の資本関係を確保することは、当社の事業活動を積極的に推進しつつ、かつその適正性・公正性を担保するために必須の両輪であると認識しております。
当社は、これらの認識を踏まえた ーポレート・ガバナンスの体制整備や経営計画の策定に取り組み、全ての株主の利益の確保に努めてまいります。
9.剰余金の配当等の決定に関する方針
(1)剰余金の配当
当社は、企業価値の向上と持続的な成長のため、健全な財務体質維持と環境変化に対応した戦略的投資を積極的に実施する上で必要な内部留保資金の確保を図るとともに、剰余金の配当については、株主の皆様に対する経営上の重要な施策の一つと位置づけ、継続的かつ安定的に行ってまいります。
(2)自己株式の取得
自己株式の取得については、配当を補完する株主の皆様への利益還元策として、財務体質の維持・事業計画に基づく資金需要・市場の環境等を総合的に判断し、配当政策と整合的な範囲において実施いたします。
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(注)本事業報告中の記載金額は、表示単位未満の端数を切捨表示しております。
35
連結計算書類
連結財政状態計算書(2020年3月31日現在)
(単位:百万円)
( 資 産 の | 部 ) | ( 負 債 の | 部 ) |
現 金 及 び 現 金 同 等 物 | 265,463 | 買 掛 金 及 び そ の 他 の 営 業 債 務借 入 金 及 び 社 債 等 未 払 金 そ の 他 の 金 融 負 債 未 払 法 人 所 得 税 退 職 給 付 に 係 る 負 債 繰 延 税 金 負 債 そ の 他 の 負 債 負 債 合 計 ( 資 本 の親会社の所有者に帰属する持分 資 本 金 資 本 剰 余 金利 益 剰 余 金そ の 他 の 包 括 利 益 累 計 額自 己 株 式 親会社の所有者に帰属する持 分 合 計 非 支 配 持 分資 本 合 計 負 債 ・ 資 本 合 計 | 87,675 3,081,051 12,638 50,610 3,435 7,440 5,915 74,692 3,323,460 部 ) 9,983 45,029 359,572 △19,231 △14,626 380,728 15,285 396,013 3,719,474 |
売 掛 金 及 び そ の 他 の 営 業 債 権 | 1,279,496 | ||
フ ァ イ ナ ン ス ・ リ ー ス 債 権 | 1,256,013 | ||
そ の 他 の 金 融 資 産 | 103,494 | ||
オペレーティング・ リース資産 | 544,434 | ||
持分法で会計処理されている投資 | 37,623 | ||
そ の 他 の 有 形 固 定 資 産 | 122,071 | ||
そ の 他 の 無 形 資 産 | 41,306 | ||
繰 延 税 金 資 産 | 14,292 | ||
そ の 他 の 資 産 | 55,279 | ||
資 産 合 計 | 3,719,474 |
36
連結計算書類
連結損益計算書 ( )
自 2019年4月 1日至 2020年3月31日
(単位:百万円)
売売
売
上
収
販 売
上 総 利
上
原
益価益
そ の 他 の 収 益
及 び 一 般 管 理
そ の 他 の
持 分 法 に よ る 投 資 利 益税 引 前 当 期 利 益
用
法 人 所 得 税
当
期
利
当
用益
属
464,020
327,703
136,316
96,442
2,078
856
1,430
42,526
10,541
31,985
非 支 配 持 分
1 株 当 た り 当 期 利 益親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益(基本的・希薄化後)
親 会 社 の 所 有
期 利 益 の 帰
者
30,693
1,292
262.67円
37
連結持分変動計算書 ( )
自 2019年4月 1日至 2020年3月31日
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分 | 親会社の所有者に帰属する持分合計 | 非支配持分 | 資本合計 | ||||||
資本金 | 資本剰余金 | 利益剰余金 | その他の包括利益累計額 | 自己株式 | |||||
当期♛残高 | 9,983 | 45,313 | 339,655 | △2,968 | △14,425 | 377,557 | 12,861 | 390,418 | |
会計方針の変更による累積的影響額 | △193 | △193 | △1 | △194 | |||||
会計方針の変更を 反映した当期♛残高 | 9,983 | 45,313 | 339,462 | △2,968 | △14,425 | 377,364 | 12,859 | 390,224 | |
当期変動額 | |||||||||
当期包括利益当期利益 その他の包括利益 | 30,693 30,693 | △16,044 △16,044 | 14,649 30,693 △16,044 | 880 1,292 △411 | 15,529 31,985 △16,456 | ||||
親会社の所有者に対する配当金 | △10,750 | △10,750 | △10,750 | ||||||
非支配持分に対する配当金 | △242 | △242 | |||||||
自己株式の取得 | △200 | △200 | △200 | ||||||
利益剰余金への振替 | 168 | △168 | ― | ― | |||||
非支配持分との資本取引 | △291 | △50 | △341 | 134 | △207 | ||||
非支配持分の取得 | 1,653 | 1,653 | |||||||
株式報酬取引 | 7 | 7 | 7 | ||||||
当期変動額合計 | ― | △283 | 20,110 | △16,262 | △200 | 3,363 | 2,425 | 5,789 | |
当期末残高 | 9,983 | 45,029 | 359,572 | △19,231 | △14,626 | 380,728 | 15,285 | 396,013 |
38
連結計算書類
連結注記表
〔連結計算書類作成のための基本となる重要な事項等に関する注記〕
1.連結計算書類の作成基準
日立キャピタル㈱(以下、当社)及び当社の子会社からなる企業集団(以下、当社と合わせて、当社グループ)の連結計算書類は、会社計算規則第120条第1項の規定により、国際財務報告基準(以下、IFRS)に準拠して作成しております。ただし、同項後段の規定に準拠して、 IFRSにより要請される記載及び注記の一部を省略しております。
2.連結の範囲に関する事項連結子会社の数: 51社
主要な連結子会社名:日立キャピタルオートリース㈱、日立キャピタルNBL㈱、 Hitachi Capital (UK) PLC、Hitachi Capital America Corp.
3.持分法の適用に関する事項持分法適用会社数: 15社
主要な持分法適用会社名:住友三井オートサービス㈱
ジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブ㈱
㈱日立オートサービス
4.会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
① 金融商品の評価基準及び評価方法 (ⅰ)非デリバティブ金融資産
当社グループは、売掛金及びその他の営業債権、その他の金融資産に含まれる有価証券投資以外の非デリバティブ金融資産を、これらの発生日に当初認識しております。有価証券投資は、当社グループが当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しております。
39
非デリバティブ金融資産の分類及び測定モデルの概要は、以下のとおりであります。
償却原価で測定される金融資産
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合に、償却原価で事後測定しております。
・当社グループのビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを 収することを目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高にかかる利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引 用を含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については、実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除しております。
償却原価で測定される金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産に関する予想信用損失に係る貸倒引当金について、信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かに応じて減損の有無を、継続して四半期毎に評価しております。
信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、金融資産の予想残存期間の全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、期末日後12か月以内に生じる予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。ただし、営業債権及びリース債権については、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。
信用リスクの著しい増大の有無は、債務不履行発生のリスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行とは、債務者による契約上のキャッシュ・フローの支払いに重大な問題が生じ、金融資産の全体又は一部分を 収するという合理的な予想を有していない状態と定義しております。債務不履行発生のリスクに変化があるかどうかの判断においては、主に外部信用格付け及び期日経過の情報等を考慮しております。
予想信用損失は、金融資産に関して契約上支払われるキャッシュ・フロー総額と、受取りが見込まれる将来キャッシュ・フロー総額との差額の割引現在価値を発生確率により加重平均して測定しております。過去の貸倒実績、支払遅延の存在、そのような状況でなければ実施しなかったであろう条件で行った債権の 収期限の延長、外部信用調査
40
連結計算書類
機関による否定的評価、債務超過、悪化した財政状況や経営成績の評価を含む、一つまたは複数の事象が発生している場合には、信用減損が生じた金融資産として個別的評価を行い、主に過去の貸倒実績率や将来の 収可能額等に基づき予想信用損失を測定しております。信用減損が生じていない金融資産については、当該金融資産に係る信用リスクの特性等を評価した上で、主に過去の貸倒実績に必要に応じて現在及び将来の経済状況等を踏まえて調整した引当率等に基づく集合的評価により予想信用損失を測定しております。
減損損失を認識する場合は、当該資産の帳簿価額を直接、又は貸倒引当金を通じて減額することにより、純損益に計上しており、連結損益計算書の販売 及び一般管理 に含まれております。債権については、全ての 収手段がなくなり、 収可能性がほぼ尽きたと考えられた時点で直接償却しており、通常は、債務者が破産や清算手続きを開始した時点で、 収手段が尽きたとみなしております。減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額(貸倒引当金の減少額)を純損益で戻し入れております。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の、減損損失の戻し入れを行った時点での償却原価を超えない金額を上限として戻し入れております。
公正価値で測定しその変動を純損益で認識(以下、FVTPL)する金融資産
当社グループは、当初認識時においてFVTOCIの金融資産として指定しない資本性金融資産、及び償却原価で測定される金融資産に分類されない負債性金融資産を、FVTPLの金融資産に分類しております。当初認識後、公正価値で測定し、その事後的な変動は純損益として認識しております。
公正価値で測定しその変動をその他の包括利益で認識(以下、FVTOCI)する金融資産当社グループは、投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的とし て保有している資本性金融資産について、当初認識時にFVTOCIの金融資産に取消不能な指定を行います。FVTOCIの金融資産として指定される資本性金融資産は当初認識後、公正価値で測定され、公正価値の変動はその他の包括利益として認識され、その累計額はその他の包括利益累計額に認識されます。FVTOCIの金融資産の認識を中止した場合、その他の包括利益累計額を利益剰余金に直接振り替えており、純損益で認識しておりません。なお、FVTOCIの金融資産に指定される資本性金融資産からの配当につい
ては、明らかに投資の払い戻しの場合を除き、純損益として認識しております。
41
金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利が移転し、当該金融資産の所有に係るリスク及び便益を実質的にすべて移転する取引において、当該金融資産の認識を中止しております。移転した金融資産に関して当社グループが創出した、又は当社グループが引き続き保有する持分については、別個の資産・負債として認識しております。
なお、金融資産を譲渡した際に、譲渡資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転したわけでも、保持している状態でもなく、当該資産に対する支配を保持している場合には、継続的関与の範囲において当該譲渡資産の認識を継続しており、その場合には、関連する負債も認識しております。
(ⅱ)非デリバティブ金融負債
当社グループは、買掛金及びその他の営業債務、借入金及び社債等、その他の金融負債に含まれる非デリバティブ金融負債を有しており、公正価値(直接帰属する取引 用を控除後)で当初認識しております。また当初認識後、実効金利法を用いた償却原価により測定しております。
当社グループは、発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。その他の金融負債は全て、当社グループが当該金融商品の契約の当事者となった取引日に認識しております。
当社グループは、金融負債が消滅した場合、つまり契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった場合に、認識を中止しております。
42
連結計算書類
(ⅲ)デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、デリバティブ取引に関しては、取引の実行と認可をそれぞれ別の担当部署で行うことにより、内部牽制を図るとともに、リスク管理規定に従い、管理・運営を行っております。
同規定に定められているデリバティブを利用する目的、その戦略を含むリスク管理方針を文書化しており、それに加えて、そのデリバティブがヘッジ対象の公正価値又は将来キャッシュ・フローの変動の影響を高度に相殺しているかどうかについて、ヘッジの開始時及び開始後も引き続き、一定期間毎に評価を行っております。
ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブ
当社グループは、金利変動による公正価値変動リスク、金利変動リスク及び為替変動リスクをヘッジするため、デリバティブを利用しております。これらに用いられるデリバティブは、主に金利スワップ、通貨スワップ、及び為替予約であります。ヘッジ手段であるデリバティブは公正価値で当初認識し、関連する取引 用は発生時に純損益として認識しております。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定し、その変動は以下のように会計処理しております。
・公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で再測定する利得又は損失は、純損益で認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係る利得又は損失は、純損益で認識するとともにヘッジ対象の帳簿価額を修正しております。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債又は予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益として会計処理しております。キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を及ぼす期間と同一期間において、連結包括利益計算書においてその他の包括利益から控除し、ヘッジ対象と同一の項目で純損益に振り替えております。デリバティブの公正価値変動のうちヘッジ非有効部分は、即時に純損益で認識しております。
43
ヘッジ会計を中止した場合、当社グループは、すでにその他の包括利益で認識したキャッシュ・フロー・ヘッジの残高を、ヘッジされた将来キャッシュ・フローが純損益に影響を与えるまで引き続き計上しております。ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生が予想されなくなった場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、即時に純損益で認識されます。
なお、公正価値ヘッジ、キャッシュ・フロー・ヘッジとも、ヘッジ取引がヘッジ会計の要件を満たさない場合、ヘッジ手段が失効、売却、終了又は行使された場合、あるいはヘッジ指定が取り消された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。
ヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブ
当社グループには、ヘッジ目的で保有しているデリバティブのうちヘッジ会計の要件を満たしていないものがあります。これらのデリバティブの公正価値の変動は全て即時に純損益で認識しております。
(ⅳ)金融保証
当社グループが締結した金融保証契約は、特定の債務者が負債性金融商品の条件に基づく支払期日が到来しても支払いを履行せず保証契約保有者が損失を被った場合に、当該損失を補償する支払の履行請求がなされる契約であります。金融保証契約は、公正価値に保証の発行に直接帰属する取引 用を調整した額で当初認識されます。当該負債は、当初認識後、当初測定額から償却累計額を控除した金額と、予想信用損失の金額とのいずれか高い方の金額で測定されます。
44
連結計算書類
(ⅴ)金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ、純額ベースで決済するかもしくは資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺され、連結財政状態計算書において純額で報告されます。
② リース
(会計方針の変更)
当社グループは、従来IAS第17号「リース」を適用しておりましたが、当連結会計年度の期♛よりIFRS第16号「リース」を適用しております。
本基準を適用したことにより、単一の借手会計処理モデルに基づいてリースの会計処理を行っております。本モデルでは、借手はリースの開始日において原資産をリース期間にわたり使用する権利を表す使用権資産と貸手にリース料を支払う義務を表すリース負債を認識しております。使用権資産とリース負債の認識後は、使用権資産の減価償却 及びリース負債に係る金利 用が計上されます。リース開始日においてリース期間が12か月以内である短期リースのリース料は、リース期間にわたって定額法により純損益として認識しております。また、サブリースの分類において中間の貸手は、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照してファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類しております。
(借手) 使用権資産
使用権資産の測定においては原価モデルを採用し、リース開始日における取得原価から減価償却累計額又は償却累計額、及び減損損失累計額を控除した金額で「その他の有形固定資産」及び「その他の無形資産」に含めて表示しております。取得原価には、リース負債の当初測定の金額、借手に発生した当初直接 スト等が含まれております。使用権資産は、リース開始日から使用権資産の見積耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたって、定額法で減価償却を行っております。
なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
45
リース負債
リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率又は借手の追加借入利子率を用いて割引いた現在価値で測定しており、「借入金及び社債等」に含めて表示しております。リース期間中の各期間におけるリース負債に係る金利 用は、リース負債の残高に対して毎期一定の率に基づき算出した額をリース期間にわたり純損益として認識しております。
本基準の適用については、経過措置に準拠して遡及適用し、適用開始の累積的影響額を利益剰余金の期♛残高の修正として認識しております。
本基準の適用による当社グループの連結計算書類の当連結会計年度の期♛に影響を与えている額は、使用権資産を認識したことによる「その他の有形固定資産」16,180百万円の増加、「ファイナンス・リース債権」67,254百万円の増加、リース負債を認識したことによる「借入金及び社債等」83,627百万円の増加、「利益剰余金」193百万円の減少であります。
当社グループは、本基準の適用開始日において、従来IAS第17号のもとでオペレーティング・リースに分類していたリースに本基準を適用する際に、適用開始日から12か月以内にリース期間が終了するリースについて実務上の便法を適用し、短期リースと同じ方法で会計処理をしております。
また、延長オプション又は解約オプションが含まれている契約のリース期間を算定する際に事後的判断を使用する実務上の便法を適用しております。
当社グループの連結財政状態計算書の当連結会計年度の期♛に認識されているリース負債に適用している借手の追加借入利子率の加重平均は1.36%です。
また、IAS第17号における従来の2019年3月31日現在の解約不能オペレーティング・リースに基づく将来の最低リース料支払予定額と当連結会計年度期♛に認識されたリース負債との差額は68,889百万円であります。この差額の主な要因は、リース期間に含めた延長オプション及び解約オプションの対象期間の見直し等によるものであります。
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連結計算書類
(貸手)
ファイナンス・リース
ファイナンス・リース債権には、情報関連機器をはじめ、事務用機器、産業機器など様々な物件の取引が含まれております。
ファイナンス・リース債権は、貸手の未収最低リース料と未収無保証残存価値の合計額をリースの計算利子率で割引いた正味リース投資未 収総額で、リース起算日において当初認識しております。無保証残存価値は、契約時に見積もったリース期間終了時の物件の処分等により 収が見込まれる金額であり、中古物件の市場価値、陳腐化する時期及び程度についての見積り、及び類似する物件におけるこれまでの 収実績に基づいて決定しております。リースの計算利子率は、正味リース投資未 収総額を、リース資産の公正価値と貸手の初期直接原価の合計額と等しくする割引率を使用しております。
オペレーティング・リース
オペレーティング・リース資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しております。オペレーティング・リース資産には、輸送用機器、情報関連機器の他、ソフトウェア等が含まれますが、耐用年数の確定できない無形資産は含まれておりません。オペレーティング・リース資産の残存価額は、中古物件の市場価値、陳腐化する時期及び程度についての見積り、及び類似する物件におけるこれまでの 収実績に基づいて決定しております。
収益認識
ファイナンス・リース取引から生じる収益については、リース投資未 収総額から正味リース投資未 収総額を差し引いた金額である未稼得金融収益を、リース期間にわたって計算利子率を反映する方法により配分して収益を認識しております。また、無保証残存価値の時の経過に基づく増加分をリース期間にわたって計算利子率を反映する方法により収益を認識しております。
オペレーティング・リースは、他の規則的な方法がリース資産からの使用便益の減少の時間的パターンをより適切に示す場合を除き、リース期間にわたり定額法で収益を認識しております。
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③ その他の有形固定資産
その他の有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しております。取得原価には資産の取得に直接関連する 用、資産の解体、除去及び原状 復 用の当初見積額が含まれております。
④ その他の無形資産
・のれん
のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した金額で表示しております。
・その他の無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、耐用年数を確定できるものについては、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しております。
⑤ 非金融資産の減損
各資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が 収不可能であるような兆候がある場合、減損テストを実施しております。耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、主に第4四半期において、その資産の属する資金生成単位ごとに 収可能価額を見積もり、減損テストを実施しております。減損テストを実施する際には、個々の資産は、そのキャッシュ・フローが相互に独立して識別可能な最小単位でグループ分けしております。
収可能価額は、処分 用控除後の公正価値又は使用価値のいずれか高い方で算定しております。使用価値は当該資産の使用及び最終処分価値から期待される見積将来キャッシュ・フローに基づくインカム・アプローチ(現在価値技法)により算定しております。資金生成単位に割り当てられた資産の帳簿価額が 収可能価額を超える場合には、その資金生成単位に属する資産について減損損失を認識しております。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、その 収可能価額の算定に使用した前提事項に重要な変更が生じ、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が認められる場合において、当該資産又は資金生成単位を対象に 収可能価額の見積りを行い、算定した 収可能価額が資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却又は償却控除後の帳簿価額を上限として、減損損失の戻し入れを行っております。
48
連結計算書類
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
① オペレーティング・リース資産
オペレーティング・リース資産は見積耐用年数をリース期間(主として3年~7年)とした定額法により減価償却を行っております。オペレーティング・リース資産の減価償却
は売上原価に含まれております。
② その他の有形固定資産
その他の有形固定資産は、社用資産、使用権資産、及び建設仮勘定から構成されており、社用資産の減価償却 は償却可能価額をもとに算定しております。償却可能価額は、資産の取得原価から残存価額を差し引いて算出しております。減価償却は、社用資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいて純損益として認識しております。
社用資産の主なものは機械装置であり、当連結会計年度末における主な見積耐用年数は 20年であります。
なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
③ その他の無形資産(のれん以外)
償却 は資産の取得原価から残存価額を差し引いた額に基づいております。耐用年数が確定できるものは、定額法に基づいて純損益として認識しております。
その他の無形資産の主なものは自社利用ソフトウェアであり、当連結会計年度末における主な見積耐用年数は5年であります。
なお、見積耐用年数及び償却方法等は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
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(3) 重要な引当金の計上基準
当社グループは、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を負担しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、当該債務の金額の合理的な見積りが可能である場合に現在の債務を決済するために要する支出の最善の見積額を引当金として認識しております。
なお、債務の決済までの期間が長期となると想定され、貨幣の時間価値が重要な場合には、決済時に予測される支出額の現在価値により引当金を測定しております。現在価値の算出には、貨幣の時間価値及び当該債務に関連する固有のリスクを反映した税引前の割引率を利用しております。
(4) 退職後給付
確定給付債務の現在価値及び退職給付 用は予測単位積増方式により算定しております。確定給付債務の現在価値及び制度資産の公正価値は、毎連結会計年度末に再測定し、数理 計算上の差異及び制度資産の利息収益を除く公正価値の変動額はその他の包括利益で全額認識し、その後利益剰余金に組替えておりません。また、制度改定時に生じる過去勤務 用は
発生時に全額純損益として認識しております。
連結財政状態計算書上、確定給付債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額を退職給付に係る負債又は資産として負債又は資産に表示しております。
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連結計算書類
(5) 収益認識基準
当社グループは、IFRS第4号「保険契約」に基づく保険収入、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及びIFRS第16号「リース」に基づく収益等を除き、以下の5ステップアプローチに基づき収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
割賦販売に係る収益
顧客に対する物品の引き渡しが完了した時点で履行義務を充足したと判断しております。約束された対価に重大な金融要素を含んでいる契約については、受取利息相当額を売上収益として各期に実効金利法により収益認識しております。実効金利は、契約の予想残存期間を通じての、将来の現金受取額の見積額を、当該割賦契約に係る債権の正味帳簿価額まで割引く利率として算定されます。
リース物件の売却収益
物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が顧客に移転し、物品に対する継続的な関与及び実質的な支配がない場合で、収益の額及び当該取引に関連する原価を信頼性をもって測定でき、当該取引の対価である経済的便益が当社グループに流入する可能性が高い場合に収益を認識しており、通常は顧客に対する引き渡しが完了し、履行義務を充足した時点で収益を認識しております。
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(6) 外貨換算
当社グループの連結計算書類は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより当社の機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。
② 海外子会社の財務諸表の換算
海外子会社の資産・負債は決算日の為替相場により、収益及び 用項目は期中平均為替相場により円換算しております。
この海外子会社の財務諸表の換算により発生する換算差額は、その他の包括利益に計上しております。
(7) その他連結計算書類の作成のための重要な事項
① 消 税等の会計処理
顧客から預かり、税務当局に納付される消 税は、連結損益計算書上で売上収益、売上原価及び 用から除外しております。
② 連結納税制度の適用
当社及び一部の子会社は、連結納税制度を適用しております。
③ 計算関係書類に係る事項の金額
記載金額は百万円未満切り捨てにより表示しております。
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連結計算書類
〔連結財政状態計算書に関する注記〕
1.担保に供している資産
担 | 保 | に | 供 | し て い る 資 産 | 担 | 保 | 設 | 定 | の | 原 | 因 と な っ て い る 債 務 | |
種 | 類 | 期 末 帳 簿 価 額 | 内 | 容 | 期 末 残 高 | |||||||
現金及び現金同等物 | 4,803百万円 | 借 | 入 | 金 | 12,363百万円 | |||||||
売 | 掛 | 金 | 274百万円 | |||||||||
ファイナンス・リース債権 | 471百万円 | |||||||||||
オペレーティング・リース資産 | 6,994百万円 | |||||||||||
その他の有形固定資産 | 1,687百万円 | |||||||||||
合 | 計 | 14,230百万円 | 合 | 計 | 12,363百万円 |
2.資産から直接控除した引当金 40,932百万円
新型 ロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、当該事象がもたらす将来の経済状況の悪化を見込み、マクロ経済予測や各国・各社の支払猶予状況、影響が大きいと想定される業種等を踏まえて、IFRS第9号に基づく予想信用損失を見積り、追加で貸倒引当金を計上しております。
現時点において、新型 ロナウイルス感染症の終息時期の予測は困難であるものの、 2020年6月までは大きく影響を及ぼし、その後、2021年3月までに緩やかに 復するという仮定のもと、貸倒引当金については、期末日から概ね6カ月程度の影響として見積りをしております。
なお、当該貸倒引当金の計上により連結損益計算書の販売 及び一般管理 が2,600百万円増加しております。
3.有形固定資産の減価償却累計額 799,061百万円
なお、減価償却累計額には、減損損失累計額が含まれております。
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4. ミットメント及び偶発事象
(1) 債務保証契約
当社グループは、提携ローン販売等に係る顧客の債務に対して保証(最長期限2042年度)を行っております。ローン保証債務残高は、下記のとおりであります。
ローン保証債務 | 33,145百万円 |
当社グループは、特定の債務者が負債性金融商品の条件に基づく支払期日が到来しても支払いを履行せず保証契約保有者が損失を被った場合に、当該損失を補償する義務を負っております。
一部の保証債務については、担保を受入れております。
なお、これら保証債務を引き受けたことにより発生した負債の残高は、下記のとおりであります。
金融保証債務 | 1,176百万円 |
(2) 貸出 ミットメント
当社は、取引先及び関連会社に対する貸出 ミットメントを行っております。貸出 ミットメントに係る貸出未実行残高は、下記のとおりであります。
貸出 ミットメントの総額 | 41,600百万円 |
貸出実行残高 | 6,292百万円 |
差引額 | 35,307百万円 |
なお、貸出 ミットメント契約においては、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも全額が貸出実行されるものではありません。
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連結計算書類
〔連結損益計算書に関する注記〕
その他の収益
受取損害賠償金 | 545百万円 |
負ののれん発生益 | 535百万円 |
条件付対価に係る公正価値変動 | 447百万円 |
その他 | 550百万円 |
その他の収益合計 | 2,078百万円 |
その他の用
減損損失 | 488百万円 |
その他 | 367百万円 |
その他の 用合計 | 856百万円 |
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〔連結持分変動計算書に関する注記〕
1.発行済株式の種類及び総数に関する事項
株式の種類 | 当連結会計年度期♛株式数 | 当連結会計年度増加株式数 | 当連結会計年度減少株式数 | 当連結会計年度末株式数 |
普通株式 | 124,826,552株 | ―株 | ―株 | 124,826,552株 |
2.自己株式の種類及び株式数に関する事項
株式の種類 | 当連結会計年度期♛株式数 | 当連結会計年度増加株式数 | 当連結会計年度減少株式数 | 当連結会計年度末株式数 |
普通株式 | 7,969,770株 | 77,105株 | ―株 | 8,046,875株 |
(注) 当連結会計年度末における自己株式数のうち、業績連動型株式等報酬制度に係る信託として保有する当社株式は106,000株です。
3.剰余金の配当に関する事項
(1) 配当金支払額等
①2019年8月29日開催の取締役会決議による配当に関する事項
・配当金の総額 4,675百万円
・1株当たり配当額 40.00円
・基準日 2019年8月14日
・効力発生日 2019年10月15日
②2019年11月6日開催の取締役会決議による配当に関する事項
・配当金の総額 6,078百万円
・1株当たり配当額 52.00円
・基準日 2019年9月30日
・効力発生日 2019年12月5日
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度になるもの
2020年6月3日開催予定の取締役会決議において次のとおりに付議いたします。
・配当金の総額 6,779百万円
・配当の原資 利益剰余金
・1株当たり配当額 58.00円
・基準日 2020年3月31日
・効力発生日 2020年6月26日
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連結計算書類
〔金融商品に関する注記〕
1.金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループは、㈱日立製作所をはじめとするパートナーとの連携により、消 者及び企業等に対し、それぞれの地域において、リースのほか、ローン、売掛金の 収及び買掛金の決済といった顧客ニーズに応じた幅広い金融サービス事業を行っております。これら事業を行うために、市場の環境や直接・間接調達のバランスを考慮しながら、債権流動化、社債、ミディアム・ターム・ノート及び マーシャル・ペーパーの発行による直接調達のほか、銀行借入による間接調達によって資金調達を行っております。
当社グループでは、金利変動による収益への影響を抑えるため、主に、固定金利である資産に対して、債権流動化、社債、ミディアム・ターム・ノート及び銀行借入等による固定金利調達を行うことにより、ALMを行っております。また、その一環として、デリバティブ取引を行っておりますが、投機目的の取引は行わない方針であります。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク
当社グループが保有する金融資産は、主として企業及び消 者向け債権であり、これらは、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスク及び金利変動に伴う価格変動リスクに晒されております。一部の外貨建債権については、為替の変動リスクに晒されておりますが、同一通貨建ての外貨建債務を持つこと、為替予約取引等を行うことにより、当該リスクを 避しております。
その他の金融資産は、主に信託受益権及び政策目的で保有している株式等であります。また、損害保険子会社では、資産運用目的で債券を中心に保有しております。これらその他の金融資産は、それぞれ発行体の信用リスク及び金利変動に伴う価格変動リスクに晒されております。
一方、金融負債である借入金、社債、ミディアム・ターム・ノート、 マーシャル・ペーパー、証券化目的の仕組事業体連結による借入負債、及び債権流動化に伴う借入負債は、 ALM方針に従い主として固定金利にて調達を行っており、変動金利での借入についても、一部は金利スワップ取引による金利の固定化を行っております。
一部の海外子会社では、外貨建調達の為替変動リスクを通貨スワップ取引等によりヘッジしており、また、変動金利調達の金利の固定化を目的として金利スワップ取引を行っておりますが、ヘッジ会計の要件を満たさない場合は、純損益に影響を及ぼすおそれがあります。
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借入金、社債、ミディアム・ターム・ノート、 マーシャル・ペーパー、証券化目的の仕組事業体連結による借入負債、及び債権流動化に伴う借入負債は、一定の環境下で、調達、発行が困難になる場合など、支払期日に支払いを実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスク(取引先の契約不履行等に係るリスク)の管理
当社グループは、主として企業及び消 者向け債権を保有しており、これらは、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されております。ただし、信用リスク計量化等の手法により、信用リスクを適宜把握するよう努めていること、及び当社グループの取引相手並びに取引地域は広範囲にわたっていることから、概ね重要な信用リスクの集中は発生しておりません。
当社グループは、リース、ローン等の与信を伴う各種事業を営んでおり、信用リスク管理規則等に従い、与信管理に関する体制を整備し運営しております。与信管理は主に、個別案件ごとの与信審査、与信限度額の管理、信用情報管理、内部格付の設定、保証や担保の設定、問題債権への対応、定期的なモニタリングによる財務状況等の確認を実施しております。
これらの与信管理は、営業部署のほか審査部署により行われ、また、大口案件については、その金額に応じて執行役により審議されております。
その他の金融資産の発行体の信用リスクに関しては、取得提案部署及び財務担当部署において信用情報や公正価値の把握を定期的に行うことで管理しております。また、デリバティブ取引のカウンターパーティーリスクに関しては、財務担当部署において、格付等を把握し管理を行い、定期的に財務管掌執行役に報告しております。
営業債権の 収を担保することが適切な場合には、信用補完手続を実施しております。なお、担保として保有している重要な資産はありません。
また、担保及びその他の信用補完を考慮に入れない場合の当社グループの信用リスク
(信用保証を除く)に係る最大エクスポージャーは、連結計算書類に表示されている帳簿価額となります。信用保証については、連結財政状態計算書に関する注記「4. ミットメント及び偶発事象」をご参照ください。
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連結計算書類
② 市場リスク(為替や金利等の変動リスク)の管理 (ⅰ)金利リスクの管理
当社は、毎期代表執行役の承認を受けたALM方針に従って、資産・負債のデュレーションを把握し、金利変動リスクを管理しております。当社は、その進捗及び状況については、月次で代表執行役及び財務管掌執行役に報告しております。一部の連結子会社についても各社のALM方針に従い、定期的に金利変動による損益影響等の確認を行い運営しております。
なお、一部の海外子会社では、変動金利調達の金利の固定化を目的として金利スワップ取引を行っておりますが、ヘッジ会計の要件を満たさない場合は、純損益に影響を及ぼすおそれがあります。
(ⅱ)為替リスクの管理
当社グループは為替の変動リスクに関して、個別案件毎に管理しております。
対応する債権がない場合には、外貨建調達に関しては全てヘッジ目的で通貨スワップ取引等を行っております。
(ⅲ)価格変動リスクの管理
当社は、有価証券を含む投資商品については、主に、政策目的で保有しているものであり、定期的に市場環境や取引先の財務状況等をモニタリングしております。これらの情報は、定期的に財務管掌執行役に報告しております。
また、損害保険子会社では、債券を中心に保有しており、これらは、リスクリミットを設けてリスク許容度の管理を行っております。さらに、原則として半年毎に資産運用リスク管理主管部署により、資産運用リスクのモニタリングと分析を行っております。これらの内容については、定期的にERM委員会に報告しております。
(ⅳ)デリバティブ取引
デリバティブ取引に関しては、取引の実行と認可をそれぞれ別の担当部署で行うことにより、内部牽制を図るとともに、リスク管理規定に従い、管理・運営を行っております。
(ⅴ)市場リスクに係る定量的情報
当社グループにおける、金利リスクの影響を受ける主たる金融商品は、「売掛金及びその他の営業債権」、「ファイナンス・リース債権」、「その他の金融資産」の公債・社債及び貸付金、「借入金及び社債等」、「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」のうちの金利スワップ取引であります。
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③ 資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)の管理 当社は、市場環境を考慮した手元流動性管理を行うほか、金融資産の到来期限を考慮
した返済期限の管理、さらには、資金調達手段及び調達先金融機関の多様化により、流動性リスク発生による影響を抑えるべく管理を行っております。また、複数の金融機関と当座貸越契約及び ミットメントライン契約(総額318,084百万円)を締結しており、流動性リスク対策の強化を行っております。当連結会計年度末における利用可能となっている金額(未使用額)は291,832百万円となります。
なお、金融保証契約については、特定の債務者が負債性金融商品の条件に基づく支払期日が到来しても支払いを履行せず保証契約保有者が損失を被った場合に、当該損失を補償する支払の履行請求がなされる契約であります。その最大リスクの金額は、連結財政状態計算書に関する注記「4. ミットメント及び偶発事象」に記載のローン保証債務残高となります。
(4) 金融商品の公正価値に関する事項についての補足説明
金融商品の公正価値には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。
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連結計算書類
2.金融商品の公正価値に関する事項
当社グループが保有する金融資産の内訳及び公正価値は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
帳簿価額 | 公正価値 | |
金融資産 ファイナンス・リース債権 償却原価で測定される金融資産現金及び現金同等物 受取手形 売掛金 | 1,256,013 | 1,321,557 |
265,463 | 265,463 | |
1,453 | 1,453 | |
1,278,042 | 1,304,208 | |
売掛金及びその他の営業債権 公債・社債 預入期間が3ヵ月を超える定期預金 未収入金 その他投資貸付金 その他金融資産 | 1,279,496 | 1,305,661 |
6,232 | 6,221 | |
4,814 | 4,814 | |
25,677 | 25,677 | |
4,760 | 4,760 | |
5,920 | 6,000 | |
454 | 454 | |
その他の金融資産 FVTPLの金融資産 株式 その他投資 | 47,860 | 47,928 |
3,320 | 3,320 | |
12,641 | 12,641 | |
その他の金融資産 FVTOCIの金融資産 株式 その他投資 | 15,962 | 15,962 |
20,305 | 20,305 | |
0 | 0 | |
その他の金融資産 デリバティブ金融資産 金利スワップ | 20,305 430 | 20,305 430 |
通貨スワップ | 18,935 | 18,935 |
その他の金融資産 | 19,366 | 19,366 |
金融資産 合計 | 2,904,467 | 2,996,245 |
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① ファイナンス・リース債権
ファイナンス・リース取引により認識したファイナンス・リース債権のうち、将来のリース料を収受する権利に係る部分については、主に、債権の種類、個々の 収実績に応じた債権区分(内部格付等)及び期間に基づく区分毎に、早期完済、解約及び貸倒見積高を考慮した元利金の合計額をリスクフリー・レートで割引いて公正価値を算定しております。また、信用減損が生じた債権については、保険、担保及び物件売却による 収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、公正価値は帳簿価額から現在の貸倒見積高を控除した金額に近似しており、当該価額をもって公正価値としております。
② 償却原価で測定される金融資産 (ⅰ)売掛金
売掛金は大部分が固定金利によるものであり、ファイナンス・リース債権と同様の方法に
より公正価値を算定しております。
(ⅱ)受取手形、未収入金及び預入期間が3ヵ月を超える定期預金
受取手形、未収入金及び預入期間が3ヵ月を超える定期預金は、満期までの期間が短いため、公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
(ⅲ)公債・社債及びその他投資
損害保険子会社では、資産運用目的で債券を中心に保有しております。市場価格で公正価値を測定できる公債・社債及びその他投資は、当該市場価格等に基づき公正価値を算定しております。
(ⅳ)貸付金
貸付金は主に関連会社へのものであり、ファイナンス・リース債権と同様の方法により公正価値を算定しております。
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連結計算書類
③ FVTPLの金融資産株式
当社グループは、投資 的で非上場株式を保有しております。
なお、当社グループでは、売買 的で保有する株式はありません。
その他投資
その他投資の内訳は、信託受益権、投資事業組合出資及び匿名組合出資等であり、 FVTPLの金融資産の公正価値は市場価格、重要性に応じて取引先金融機関等から提示された価格、投資先の割引将来キャッシュ・フロー、収益、利益性及び純資産に基づく評価モデル、類似業種比較法及び同一の残存期間で同条件の取引をした場合の金利を用いて、将来キャッシュ・フローを割引く方法によって算定しております。
④ FVTOCIの金融資産株式
当社グループは、政策 的で上場株式及び非上場株式を保有しており、FVTPLの金融資産
と同様の方法により公正価値を算定しております。
⑤ デリバティブ金融資産
デリバティブ金融資産の内訳は、金利スワップ及び通貨スワップであり、デリバティブ取引の公正価値は、取引先金融機関等から提示された価格等に基づき算定しております。
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当社グループが保有する金融負債の内訳及び公正価値は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
帳簿価額 | 公正価値 | |
金融負債 リース負債 | 101,421 | 104,863 |
借入金及び社債等 償却原価で測定される金融負債支払手形 買掛金 | 101,421 | 104,863 |
1,879 | 1,879 | |
85,795 | 85,795 | |
買掛金及びその他の営業債務 | 87,675 | 87,675 |
短期借入金 | 582,432 | 582,432 |
社債 | 930,165 | 936,712 |
長期借入金 | 1,467,031 | 1,473,008 |
借入金及び社債等 | 2,979,629 | 2,992,152 |
未払金 | 12,638 | 12,638 |
未払利息 | 3,653 | 3,653 |
預り金 | 7,487 | 7,487 |
金融保証契約 | 1,176 | 1,176 |
契約保証金 | 29,926 | 29,773 |
その他 | 1,383 | 1,383 |
その他の金融負債 | 43,626 | 43,474 |
デリバティブ金融負債 | ||
金利スワップ | 4,443 | 4,443 |
通貨スワップ | 2,540 | 2,540 |
その他の金融負債 | 6,984 | 6,984 |
金融負債 合計 | 3,231,976 | 3,247,789 |
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連結計算書類
① リース負債
リース負債は、未経過リース料の合計額を新規に同様のリース取引を行った場合に想定される利率で割引いて現在価値を算定しております。
② 償却原価で測定される金融負債
(ⅰ)支払手形、買掛金、短期借入金、未払金、未払利息及び預り金
これらは、主に1年以内の短期で決済されるため、公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
(ⅱ)社債、長期借入金
社債の公正価値は、市場価格のあるものは市場価格に基づき、市場価格のないものは、元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割引いた現在価値により算定しております。
長期借入金のうち変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、当社グループの信用状態は実行後、大きく異なっていないことから、公正価値は当該帳簿価額によっております。
長期借入金のうち固定金利によるものは、一定の期間ごとに区分した当該調達の元利金の合計額を同様の調達において想定される利率で割引いて公正価値を算定しております。 (ⅲ)金融保証契約
金融保証契約の帳簿価額は、当初測定額から償却累計額を控除した金額と、予想信用損失の金額とのいずれか高い方の金額で測定しており、その帳簿価額は公正価値と近似していることから、金融保証契約の公正価値は当該帳簿価額によっております。
(ⅳ)契約保証金
契約保証金とはファイナンス・リース債権、売掛金及びその他の営業債権に対する信用補完として、一部の顧客等から受け入れている金銭債務であり、通常は原債権の完済後に返還するものであります。
契約保証金のうち、返還時期が1年を超えると見込まれるものは、返還予定額を原債権と同様にリスクフリー・レートで割引いて公正価値を算定しております。
契約保証金のうち、返還時期が1年以内と見込まれるものは、1年以内の短期で返還されるため、公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
③ デリバティブ金融負債
デリバティブ金融負債の内訳は、金利スワップ及び通貨スワップであり、デリバティブ取引の公正価値は、取引先金融機関等から提示された価格等に基づき算定しております。
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〔1株当たり情報に関する注記〕
(1) 1株当たり親会社所有者帰属持分 3,260円23銭
(2) 親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益(基本的・希薄化後)
262円67銭
〔その他の注記〕
該当事項はありません。
〔重要な後発事象に関する注記〕
該当事項はありません。
66
計算書類
〔個別〕貸借対照表(2020年3月31日現在)
(単位:百万円)
流 現 受売リリ営 有 前前関そ貸 固 有 賃 建機工土 無 賃 ソそ 投 投 関そ従関長前 繰そ 繰 社 資 | ( 資 産 の動 資 金 及 び 預 取 手 掛 ー ス 債 ー ス 投 資 資 業 貸 付 価 証 渡 払 係 会 社 短 期 貸 付の 倒 引 当 定 資 形 固 定 資 貸 資 械 及 び 装 具、 器 具 及 び 備 形 固 定 資 貸 資 フ ト ウ ェの 資 そ の 他 の 資資 有 価 証係 会 社 株 の 他 の 関 係 会 社 有 価 証業 員 に 対 す る 長 期 貸 付係 会 社 長 期 貸 付 期 前 払 払 年 金 延 税 の 金 資 延 資 債 発 行 産 合 | 産金形 金権産金 券 金用金他金 産産産物 置品地 産産ア 他産券式券金金 用用産他産 計 | 部 ) 1,069,655 183,293 1,453 103,091 27,214 480,342 42,880 10,106 13,032 820 200,896 7,600 △1,077 591,014 158,123 157,702 251 0 168 1 70,848 66,581 4,255 11 362,043 33,555 143,078 823 2 158,615 9,688 5,408 4,852 6,017 1,079 1,079 1,661,749 | ( 負 債 の 流 動 負 債 支 払 手 形 買 掛 金短 期 借 入 金 1 年内返済予定の長期借入金マ ー シ ャ ル ・ ペ ー パ ー 1 年 内 償 還 予 定 の 社 債 1年内支払予定の債権流動化に伴 う 長 期 支 払 債 務リ ー ス 債 務未 払 金 未 払 用 未 払 法 人 税 等前 受 金 預 り 金ロ ー ン 保 証 引 当 金賞 与 引 当 金資 産 除 去 債 務そ の 他 固 定 負 債 社 債 長 期 借 入 金債権流動化に伴う長期支払債務リ ー ス 債 務退 職 給 付 引 当 金役 員 退 職 慰 労 引 当 金株 式 報 酬 引 当 金資 産 除 去 債 務そ の 他 負 債 合 計 ( 純 資 産 の 株 主 資 本 資 本 金資 本 剰 余 金資 本 準 備 金 そ の 他 資 本 剰 余 金利 益 剰 余 金利 益 準 備 金 そ の 他 利 益 剰 余 金別 途 積 立 金繰 越 利 益 剰 余 金 自 己 株 式評 価 ・ 換 算 差 額 等そ の 他 有 価 証 券 評 価 差 額 金 繰 延 ヘ ッ ジ 損 益 純 資 産 合 計 負 債 純 資 産 合 計 | 部 ) 531,803 1,879 54,262 28,764 126,237 166,000 85,000 41,266 339 6,838 1,347 1,565 3,653 12,837 25 1,278 502 3 889,184 415,000 385,084 57,543 6,577 3,163 17 69 6,460 15,267 1,420,987 部 ) 239,712 9,983 44,535 44,535 0 199,819 2,389 197,429 184,065 13,364 △14,626 1,050 1,067 △17 240,762 1,661,749 |
67
〔個別〕損益計算書 ( )
自 2019年4月 1日至 2020年3月31日
(単位:百万円)
営 事 | 業 業 | 収 収 | 益 益 | 27,585 | |||||||
営 | 業 | 貸 | 付 | 収 | 益 | 719 | |||||
金 | 融 | 収 | 益 | 7,832 | |||||||
関 | 係 | 会 | 社 | 貸 | 付 | 収 | 益 | 1,224 | 37,362 | ||
営 販 | 売 | 業 及 | び | 一 | 般 管 | 理 | 用 | 22,527 | |||
金 | 融 | 用 | 4,749 | 27,277 | |||||||
営 営 | 業 業 | 外 | 利 収 | 益 益 | 10,084 | ||||||
投 | 資 | 有 | 価 | 証 | 券 売 | 却 | 益 | 242 | 242 | ||
営 関 | 係 | 業 会 | 外 社 | 清 | 算 | 損 | 用 失 | 10 | |||
固 | 定 | 資 | 産 | 除 | 却 | 損 | 1 | ||||
そ | の | 他 | 3 | 14 | |||||||
経 | 常 | 利 | 益 | 10,312 | |||||||
税 法 | 引 前 人 税、 | 住 | 当 期 純 民 税 及 び | 利 事 業 | 益 税 | 761 | 10,312 | ||||
法 | 人 | 税 | 等 調 | 整 | 額 | 648 | 1,409 | ||||
当 | 期 | 純 利 | 益 | 8,902 |
68
計算書類
至 2020年3月31日
〔個別〕株主資本等変動計算書 (自 2019年4月 1日)
(単位:百万円)
株 | 主 | 資 | 本 | |||||||||||||||
資 本 金 | 資 | 本 | 剰 | 余 | 金 | 利 | 益 | 剰 | 余 | 金 | ||||||||
資備 | 本 | 準金 | そ資剰 | の 余 | 他本金 | 資 本 剰 余金合計 | 利備 | 益 | 準金 | その他利益剰余金 | 利 益 剰 余金合計 | |||||||
別 途積 立 金 | 繰越利益剰 余 金 | |||||||||||||||||
2019 年 4 月 1 日 残 | 高 | 9,983 | 44,535 | 0 | 44,535 | 2,389 | 184,065 | 15,215 | 201,670 | |||||||||
事 業 年 度 中 の 変 動 | 額 | |||||||||||||||||
剰 | 余 | 金 | の | 配 | 当 | △10,753 | △10,753 | |||||||||||
当 | 期 | 純 | 利 | 益 | 8,902 | 8,902 | ||||||||||||
自 | 己 | 株 | 式 | の | 取 | 得 | ||||||||||||
株 主 資 本 以 外 の 項 の事業年度中の変動額( 純額) | ||||||||||||||||||
事 業 年 度 中 の 変 動 額 合 | 計 | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | △1,851 | △1,851 | |||||||||
2020 年 3 月 31 日 残 | 高 | 9,983 | 44,535 | 0 | 44,535 | 2,389 | 184,065 | 13,364 | 199,819 |
株 主 | 資 本 | 評 価 | ・ 換 算 差 | 額 等 | 純 資 産合 計 | ||
自己株式 | 株主資本合 計 | その他 有価証券 評価差額金 | 繰延ヘッジ損益 | 評価・換算差額等合計 | |||
2019 年 4 月 1 日 残 | 高 | △14,425 | 241,763 | 2,880 | ─ | 2,880 | 244,644 |
事 業 年 度 中 の 変 動 | 額 | ||||||
剰 余 金 の 配 | 当 | △10,753 | △10,753 | ||||
当 期 純 利 | 益 | 8,902 | 8,902 | ||||
自 己 株 式 の 取 | 得 | △200 | △200 | △200 | |||
株 主 資 本 以 外 の 項 の事業年度中の変動額( 純額) | △1,812 | △17 | △1,830 | △1,830 | |||
事 業 年 度 中 の 変 動 額 合 | 計 | △200 | △2,051 | △1,812 | △17 | △1,830 | △3,881 |
2020 年 3 月 31 日 残 | 高 | △14,626 | 239,712 | 1,067 | △17 | 1,050 | 240,762 |
69
個別注記表
〔重要な会計方針〕
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
満期保有 的の債券…償却原価法
子会社株式、関連会社株式及び関係会社有価証券…移動平均法による原価法その他有価証券
時価のあるもの…決算日の市場価格等に基づく時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
時価のないもの…移動平均法による原価法
(2) デリバティブ………時価法
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 賃貸資産
リース期間を償却年数とする定額法によっております。
(2) リース資産
リース期間を償却年数とし残存価額を零とする定額法によっております。
(3) 賃貸資産及びリース資産以外の有形固定資産定額法によっております。
(4) 賃貸資産以外の無形固定資産定額法によっております。
なお、ソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によっております。
70
計算書類
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
営業債権を個々の 収実績に応じて、正常先債権、要注意先債権、破綻懸念先債権、実質破綻先債権、破綻先債権の5区分に分類し、それぞれ次のとおり 収不能見込額を計上しております。
① 正常先債権及び要注意先債権は、各債権の 収期間や債務者の特性等に応じた過去の貸倒実績率を適用して 収不能見込額を計上しております。
② 破綻懸念先債権は、各債権の状況に応じて、過去の 収実績等により 収が可能と認められる額を債権額から減算して 収不能見込額を計上しております。
③ 実質破綻先債権及び破綻先債権については、その全額を貸倒損失として 用処理しておりますので、貸倒引当金としての計上額はありません。
(2) ローン保証引当金
ローン保証債務に対して、貸倒引当金と同等の基準で 収不能見込額を計上しております。
(3) 賞与引当金
賞与の支払に備えるため、支給見込額に基づき計上しております。
(4) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。なお、当事業年度末において認識すべき年金資産が、退職給付債務から数理計算上の差異等を控除した額を超過する場合には、前払年金 用として投資その他の資産に計上しております。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
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② 数理計算上の差異及び過去勤務 用の 用処理方法
過去勤務 用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により 用処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(13年~15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から 用処理することとしております。
(5) 役員退職慰労引当金
2008年3月31日をもって退職慰労金を廃止いたしました。
なお、当事業年度末の引当金残高については、適用役員が退任し、退職慰労金支給額が確定した時点で取崩しを行います。
(6) 株式報酬引当金
業績連動型株式等報酬制度に係る信託による当社株式及び金銭の交付に備えるため、内規に基づき、当社執行役に割り当てられたポイントに応じた株式及び金銭の支給見込額に基づき計上しております。
4.収益の計上基準
(1) ファイナンス・リース:受取利息相当額を事業収益として各期に、主として利息法により
配分する方法によっております。
なお、リース取引開始日が会計基準適用初年度開始前の所有権移転外ファイナンス・リース取引については利息相当額の総額をリース期間中の各期に定額で配分しております。
(2) オペレーティング・リース:リース契約期間に基づく均等額をリース期間経過に応じて収益計
上しております。
(3) 提 携 ロ ー ン 販 売:顧客取扱保証料については、契約時に一括収益計上する販売基準
によっております。また、 収受託保証料については、利息法によっております。
(4) 割 賦 債 権 買 取:受取利息相当額を事業収益として各期に利息法により配分する方
法によっております。
(5) 割 賦 販 売:受取利息相当額を事業収益として各期に利息法により配分する方
法によっております。
72
計算書類
5.繰延資産の処理方法
社債発行……社債の償還までの期間にわたり利息法により償却しております。
6.ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。
なお、特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理を、振当処理の要件を満たす為替予約取引については振当処理を採用しております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段……金利スワップ、通貨スワップ及び為替予約ヘッジ対象……債権、債務及び予定取引
(3) ヘッジ方針
財務活動に係る金利リスク及び為替リスクをヘッジする 的でデリバティブ取引を行っております。
なお、デリバティブ取引の相手先は、格付けの高い金融機関に限定しております。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ対象の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計とを比較し、両者の変動額の比率分析で判定しております。
また、為替予約については将来の取引予定に基づくものであり、実行の可能性が極めて高いため有効性の判定を省略しております。
7.その他計算書類作成のための重要な事項
(1) 消 税等の会計処理
税抜方式によっております。
(2) 連結納税制度の適用
連結納税制度を適用しております。
73
(3)連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用
当社は、「所得税法等の一部を改正する法律」(令和2年法律第8号)において創設されたグループ通算制度への移行及びグループ通算制度への移行にあわせて単体納税制度の見直しが行われた項 については、「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い」(実務対応報告第39号 2020年3月31日)第3項の取扱いにより、「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)第44項の定めを適用せず、繰延税金資産及び繰延税金負債の額について、改正前の税法の規定に基づいております。
〔貸借対照表に関する注記〕
1.担保に供している資産
定期預金 4,803百万円 子会社の借入
合計 4,803百万円
2.有形固定資産の減価償却累計額 517,491百万円
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計算書類
3.保証債務及び保証予約
被 保 証 | 先 | 金 額 | 内 容 | |
顧 | 客 | 39,788百万円 | 提携ローン販売等に係る顧客に対する保証債務 | |
Hitachi Capital (UK) PLC | 359,037百万円 | 発行社債に対する保証債務 (外貨建 2,693,050千英ポンド) | ||
42,686百万円 | マーシャル・ペーパーに対する保証債務 (外貨建 320,182千英ポンド) | |||
Hitachi Capital America Corp. | 39,242百万円 | 発行社債に対する保証債務 (外貨建 360,581千米ドル) | ||
13,059百万円 | マーシャル・ペーパーに対する保証債務 (外貨建 120,000千米ドル) | |||
日立租賃(中国)有限公司 | 6,491百万円 | 借入金に対する保証債務 (外貨建 424,000千人民元) | ||
Hitachi Capital Management (China) Ltd. | 10,883百万円 | 発行社債に対する保証債務 (外貨建 100,000千米ドル) | ||
PT. | Arthaasia | Finance | 3,216百万円 | 借入金に対する保証債務 (外貨建 480,000,000 千インドネシア・ルピア) |
Hitachi Capital Asia Pacific Pte.Ltd. | 15百万円 | 顧客に貸出しているリース物件の満了時買取保証 | ||
合 | 計 | 514,419百万円 |
上記以外の保証債務及び保証類似行為
(1) 日立キャピタル損害保険㈱の保険金支払に対して、債務保証をしております。
(2) 金融機関と締結しているグローバル・ ミットメントライン契約(マルチカレンシー、マルチボロワー型)に基づき、子会社が個別借入を実行した場合、子会社の借入に対する保証債務が発生いたします。
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4.関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
短期金銭債権 70,338百万円
長期金銭債権 54百万円
短期金銭債務 31,218百万円
長期金銭債務 2,413百万円
〔損益計算書に関する注記〕
関係会社との取引高
リース料等の収入高 16,331百万円
リース資産の購入高等 49,534百万円
金融収益 6,623百万円
関係会社貸付収益 1,222百万円
業務委託料等 3,256百万円
金融用 5百万円
〔株主資本等変動計算書に関する注記〕
自己株式の種類及び株式数に関する事項
株式の種類 | 当事業年度期♛株式数 | 当 事 業 年 度増 加 株 式 数 | 当 事 業 年 度減 少 株 式 数 | 当事業年度末株式数 |
普通株式 | 7,969,770株 | 77,105株 | ─株 | 8,046,875株 |
(注) 当事業年度末における自己株式数のうち、業績連動型株式等報酬制度に係る信託として保有する当社株式は106,000株です。
76
計算書類
〔税効果会計に関する注記〕
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
当事業年度
(2020年3月31日現在)
繰延税金資産
リース契約等に係る売上加算額 3,173百万円
資産除去債務 2,132百万円
減価償却 損金算入限度超過額 1,792百万円
退職給付引当金 968百万円
有価証券評価損否認額 779百万円
賞与引当金 352百万円
貸倒引当金損金算入限度超過額 274百万円
未払 用否認額 132百万円
未払事業税否認額 80百万円
貸倒償却否認額 61百万円
ローン保証引当金損金算入限度超過額 7百万円
その他 786百万円
繰延税金資産小計 10,542百万円
評価性引当金 △2,026百万円 繰延税金資産合計 8,516百万円
繰延税金負債
前払年金用 | △1,656百万円 |
資産除去 用の資産計上額 | △1,392百万円 |
その他有価証券評価差額金 | △471百万円 |
リース料債権売買損益 | △93百万円 |
社債発行 繰延償却 | △50百万円 |
繰延税金負債合計 | △3,663百万円 |
繰延税金資産の純額 | 4,852百万円 |
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〔関連当事者との取引に関する注記〕
1.当社のその他の関係会社(会社等の場合に限る。)等
(単位:百万円)
種類 | 会社等の名称又は氏名 | 資本金又は 出資金 | 事業の 内容又は職業 | 議決権等の所有 (被所有) 割合(%) | 関連当事者との関係 | 取引内容 | 取引金額 | 科 | 期末残高 | |
役員の兼任等 | 事業上の関係 | |||||||||
その他の関係会社 | ㈱日立製作所 | 459,862 | 電子電気機械器具等の製造・販売 | (被所有)直接 33.40 | 有 | 製造設備・産業機器等のリース、割賦取引等 | 製造設備・産業機器等のリース、割賦取引等 | 13,578 | 売掛金 | 2,580 |
リース 投資資産 | 7,688 | |||||||||
同社の製 造する業 務用機器 等のリー ス及び割賦販売 | 業務用機器等の購入 | 49,494 | 買掛金 | 19,760 |
(注) 1.取引金額には消 税等は含まれておりません。
2.取引条件ないし取引条件の決定方針等
(1) 製造設備・産業機器等のリース、割賦取引等については、市場価格を勘案した一般的取引条件をもって決定しております。
(2) 業務用機器等の購入については、当該機器等のリース及び割賦販売先の顧客と同社との間で決定された価格によっております。
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