４．受注者は、業務完了時において、契約金額が 100 万円以上の業務について、業務完了後速やかに公共建築設計者情報システム（PUBDIS）に基づき「業務カルテ 」を作成し、監督員の確認を受けた後に、（一社）公共建築協会発行の「業務カルテ受領書」の写しを監督員に提出しなければならない。

建築関係設計業務委託共通仕様書（令和６年４月１日）

第１章 総 則

１．１ 適用

１．本共通仕様書（以下「共通仕様書」という。）は、福島県土木部が所掌する建築関係設計業務（建築意匠、建築構造、電気設備、機械設備の設計業務及び積算業務をいうものとし、以下「設計業務」という。）の委託に適用する。

２．設計仕様書は、相互に補完し合うものとし、そのいずれかによって定められている事項は、契約の履行を規定するものとする。

ただし、設計仕様書の間に相違がある場合、設計仕様書の優先順位は、次の（１）から（５）の順序のとおりとする。

（１）質問回答書

（２）現場説明書

（３）別冊の図面

（４）特記仕様書

（５）共通仕様書

３．受注者は、前項の規定により難い場合又は設計仕様書に明示のない場合若しくは疑義を生じた場合には、監督員と協議するものとする。

１．２ 用語の定義

共通仕様書に使用する用語の定義は、次の各項に定めるところによる。

１．「監督員」とは、契約図書に定められた範囲内において受注者又は管理技術者に対する指示、承諾又は協議の職務等を行う者で、契約書第１４条に定める者をいう。

２．「検査職員」とは、設計業務の完了の確認、部分払の請求に係る既履行部分の確認及び部分引渡しの指定部分に係る業務の完了の確認を行う者で、契約書第３４条の規定に基づき、検査を行う者をいう。

３．「管理技術者」とは、契約の履行に関し、業務の管理及び統轄等を行う者で、契約書第

１５条の規定に基づき、受注者が定めた者をいう。

４．「契約図書」とは、契約書及び設計仕様書をいう。

５．「契約書」とは、建築設計業務委託契約書をいう。

６．「設計仕様書」とは、質問回答書、現場説明書、別冊の図面、特記仕様書及び共通仕様書をいう。

７．「質問回答書」とは、別冊の図面、特記仕様書、共通仕様書及び現場説明書並びに現場説明に関する入札参加者からの質問書に対して、発注者が回答した書面をいう。

８．「現場説明書」とは、設計業務の入札等に参加する者に対して、発注者が当該設計業務の契約条件を説明するための書面をいう。

９．「別冊の図面」とは、契約に際して発注者が交付した図面及び発注者から変更又は追加された図面のもととなる計算書等をいう。

10．「特記仕様書」とは、当該設計業務の実施に関する明細又は特別な事項を定める図書をいう。

11．「特記」とは、１.１の２．の（１）から（４）に指定された事項をいう。

12．「共通仕様書」とは、各設計業務に共通する事項を定める図書をいう。

13．「仕様書」とは、共通仕様書及び特記仕様書（特記仕様書において定める資料及び基準等を含む。）を総称していう。

14．「指示」とは、監督員が受注者に対し、設計業務の遂行上必要な事項について書面をもって示し、実施させることをいう。

15．「請求」とは、発注者又は受注者が相手方に対し、契約内容の履行若しくは変更に関して書面をもって行為若しくは同意を求めることをいう。

16．「通知」とは、設計業務に関する事項について、書面をもって知らせることをいう。

17．「報告」とは、受注者が発注者又は監督員に対し、設計業務の遂行に当たって調査及び検討した事項について、書面をもって知らせることをいう。

18．「承諾」とは、受注者が発注者又は監督員に対し、書面で申し出た設計業務の遂行上必要な事項について、発注者又は監督員が書面により同意することをいう。

19．「協議」とは、書面により業務を遂行する上で必要な事項について、発注者と受注者が対等の立場で合議することをいう。

20．「提出」とは、受注者が発注者又は監督員に対し、設計業務に係る書面又はその他の資料を説明し、差し出すことをいう。

21．「書面」とは、発行年月日及び氏名が記載された文書をいう。

22．「検査」とは、検査職員が契約図書に基づき、設計業務の完了の確認、部分払の請求に係る既履行部分の確認及び部分引渡しの指定部分に係る業務の完了の確認をすることをいう。

23．「打合せ」とは、設計業務を適正かつ円滑に実施するために管理技術者等と監督員が面談等により、業務の方針、条件等の疑義を正すことをいう。

24．「修補」とは、発注者が受注者の負担に帰すべき理由による不良箇所を発見した場合に受注者が行うべき訂正、補足その他の措置をいう。

25．「再委託者」とは、受注者が設計業務の遂行に当たって、その業務の一部を再委託する者をいう。

26．「設計者」とは、その者の責任において、建築士法第２条第６項に基づく設計図書を作成する者をいう。

１．３ 委託業務の留意事項

受注者は、次の各号に留意し、発注者の意図及び目的を十分理解して、必要とされる最高の技術と創造性を持って委託業務を行うものとする。

（１）要求された公共性及び文化性

（２）安全性、機能性、快適性及び地域性（景観を含む）

（３）自然環境への適合、環境共生及び省エネルギー

（４）ライフサイクルコストの低減等を含めた総合的なコスト縮減及び維持管理の容易性

（５）衛生及び耐久性

（６）ユニバーサルデザインへの対応

（７）関連する他工事との調整及び整合性

（８）その他発注者が必要とする事項

第２章 設計業務の範囲

２．１ 設計業務の範囲

設計業務は、一般業務及び追加業務とし、内容及び範囲は次による。

１．一般業務の内容は、平成 31 年国土交通省告示第 98 号（以下「告示」という。）別添一第１項に掲げるものとし、範囲は特記による。

２．追加業務の内容及び範囲は特記による。

第３章 業務の実施

３．１ 業務の着手

受注者は、設計仕様書に定めがある場合を除き、契約締結後１４日以内に設計業務に着手しなければならない。この場合において、着手とは、管理技術者が設計業務の実施のため監督員との打合せを開始することをいう。

３．２ 設計方針の策定等

１．受注者は、業務を実施するに当たり、設計仕様書及び監督員の指示を基に設計方針の策定（告示別添一第１項第一号イに掲げる基本設計方針の策定及び第二号イに掲げる実施設計方針の策定をいう。）を行なわなければならない。

２．受注者は、設計図書に、計算に使用した理論、公式の引用、文献等並びにその計算過程を明記するものとする。

また、電子計算機によって設計計算を行う場合は、プログラムと使用機種について事前に監督員と協議し、その承諾を得なければならない。

３．受注者は、「ふくしま公共施設等ユニバーサルデザイン指針」に基づき設計するものとし、進捗に合わせて「ＵＤチェックリスト」により確認し、完成後に監督員へ提出する。

３．３ 適用基準等

１．受注者は、業務の実施に当たっては、次の各号の基準及び特記仕様書に定める基準等

（以下「適用基準等」という。）に基づき行うものとする。

（１）建築関係工事共通仕様書

（２）建築関係工事積算基準

（３）福島県建築・設備工事設計要領

（４）建築関係工事特記仕様書

（５）福島県環境共生建築計画・設計指針

（６）ふくしま公共施設等ユニバーサルデザイン指針

（７）福島県公共事業景観形成指針

２．受注者は、適用基準等により難い特殊な工法、材料、製品等を採用しようとする場合には、あらかじめ監督員と協議し、その承諾を得なければならない。

３．適用基準等で市販されているものについては、受注者の負担において備えるものとする。

３．４ 提出書類

１．受注者は、発注者が指定した様式により、契約締結後に、関係書類を監督員を経て、速やかに発注者に提出しなければならない。

ただし、業務委託料（以下「委託料」という。）に係る請求書、請求代金代理受領承諾書、遅延利息請求書、監督員に関する措置請求に係る書類及びその他現場説明の際指定した書類を除くものとする。

２．共通仕様書において書面により行わなければならないこととされている指示、請求、通知、報告、承諾、協議及び提出については、電子メール等の情報通信の技術を利用する方法を用いて行うことができる。

３．受注者が発注者に提出する書類で様式及び部数が定められていないものは、受注者において様式を定め、提出するものとする。ただし、発注者又は監督員がその様式を指示した場合は、これに従わなければならない。

４．受注者は、業務完了時において、契約金額が 100 万円以上の業務について、業務完了後速やかに公共建築設計者情報システム（PUBDIS）に基づき「業務カルテ」を作成し、監督員の確認を受けた後に、（一社）公共建築協会発行の「業務カルテ受領書」の写しを監督員に提出しなければならない。

３．５ 調査等

１．管理技術者は、業務を円滑に遂行するため建設（計画）予定地となる敷地（既設の建築物及び工作物等がある場合これを含む。）又は業務の対象となる建築物等の外部及び内部について、調査を行うものとし、その結果について監督員に速やかに報告する。

２．受注者は、前項の調査に当たり、国有地、公有地、私有地及び建築物等に立ち入る場合は、関係者との協調を保つよう努めなければならない。

３．受注者は、業務を行う上で必要な土地、建築物等への立ち入りが不可能となった場合は、直ちに監督員に報告し、指示を受けるものとする。

３．６ 着手届及び業務工程表

受注者は、着手届と業務工程表を契約締結後１４日以内に、監督員を経由して発注者に提出しなければならない。

３．７ 業務計画書

１．受注者は、契約締結後１４日以内に業務計画書を作成し、監督員に提出しなければならない。

２．業務計画書の内容は、特記による。

３．受注者は、業務計画書の内容を変更する場合は、理由を明確にしたうえ、その都度、速やかに監督員に変更業務計画書を提出しなければならない。業務実施工程表の所要日数を変更する場合も同様とする。

４．監督員が指示した事項については、受注者は更に詳細な業務計画に係る資料を提出しなければならない。

３．８ 管理技術者等の資格等要件

１．管理技術者及び担当技術者の資格等要件は、特記仕様書による。

２．再委託者の担当技術者の資格等要件は、特記仕様書による。

３．９ 守秘義務

受注者は、契約書第６条の規定により、業務の実施過程で知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。

３．１０ 再委託等

１．契約書第１２条第１項に定める「指定した主たる部分」とは、設計業務等における総合的な企画及び判断並びに業務遂行管理をいい、受注者は、これを再委託することはできない。

２．コピー、ワープロ、印刷、製本、計算処理（構造計算、設備計算及び積算を除く）、トレース、資料整理、模型製作、透視図作成等の簡易な業務は契約書第１２条第２項に定める「軽微な部分」に該当するものとし、受注者が、この部分を第三者に再委託する場合は、発注者の承諾を必要としない。

３．受注者は、第１項及び第２項に規定する業務以外の再委託に当たっては、発注者の承諾を得なければならない。

４．受注者は、設計業務の一部を再委託する場合においては、当該再委託内容を記した書面により行い、再委託者との関係を明確にしなければならない。

なお、再委託者は、福島県建設工事等請負有資格業者名簿に登録された有資格業者である場合は、入札参加資格制限の期間中であってはならない。

５．受注者は、再委託及び再委託者が再々委託を行うなど複数の段階で再委託が行われる ときは当該複数の段階の再委託の相手方の住所、氏名及び当該複数の段階の再委託の相 手方がそれぞれ行う業務の範囲を記載した書面を更に詳細な業務計画に係る資料をして、監督員に提出しなければならない。

６．受注者は、再委託者に対して、設計業務の実施について適切な指導及び管理を行わなければならない。また、複数の段階で再委託が行われる場合についても必要な措置を講じなければならない。

７．前各項の規定は、業務の一部を再委託によらず、第三者に補助させる場合に準用する。

３.１１ 特許権等の使用

受注者は、契約書第１３条に規定する特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利の対象である履行方法を発注者が指定した場合は、その履行方法の使用について発注者と協議しなければならない。

３．１２ 監督員

１．発注者は、契約書の規定に基づき監督員を定め、受注者に通知するのもとする。

２．監督員は、契約図書に定められた範囲内において、指示、承諾、協議等の職務を行うものとする。

３．監督員の権限は、契約書第１４条第２項に定める事項とする。

４．監督員がその権限を行使するときは、書面により行うものとする。ただし、緊急を要する場合 、監督員が受注者に対し口頭による指示等を行った場合には、受注者はその指示等に従うものとする。

５．監督員は、口頭による指示等を行った場合は、７日以内に書面により受注者にその内容を通知するものとする。

３．１３ 管理技術者

１．受注者は、契約書の規定に基づき設計業務における管理技術者を定め、発注者に通知するものとする。

なお、管理技術者は、日本語に堪能でなければならない。

２．管理技術者の資格要件は、特記仕様書による。

３．管理技術者は契約図書等に基づき、業務の技術上の管理を行うものとする。

４．管理技術者に委任できる権限は、契約書第１５条第２項に定める事項とする。ただし、受注者が管理技術者に委任できる権限を制限する場合は、発注者に書面をもってその対応を含め報告しない限り、管理技術者は受注者の一切の権限（契約書第１５条第２項の規定により行使できないとされた権限を除く。）を有するものとされ、発注者及び監督員は、管理技術者に対して指示等を行えば足りるものとする。

５．管理技術者は、監督員が指示するところにより、関連する他の設計業務の受注者と十分に協議のうえ、相互に協力しつつ、委託業務方針及び業務実施工程表に基づき適切に業務を実施しなければならない。

３．１４ 貸与品等

１．業務の実施に当たり、貸与又は支給する図面、適用基準及びその他必要な物品等（以下「貸与品等」という。）は、特記による。

２．受注者は、貸与品等の必要がなくなった場合は、速やかに監督員に返却しなければならない。

３．受注者は、貸与品等を善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならない。万一、損傷した場合は、受注者の責任と費用負担において修復するものとする。

４．受注者は、設計仕様書に定める守秘義務が求められるものについては、これを他人に閲覧させ、複写させ、又は譲渡してはならない。

３．１５ 関連する法令、条例等の遵守

受注者は、設計業務の実施に当たっては、関連する法令、条例等を遵守しなければならない。

３．１６ 関係官公庁への手続き等

１．受注者は、設計業務の実施に当たっては、発注者が行う関係官公庁等への手続きの際に協力しなければならない。

２．受注者は、設計業務を実施するため、関係官公庁等に対する諸手続きが必要な場合は、速やかに行うものとし、その内容を監督員に報告しなければならない。

３．受注者が、関係官公庁等から交渉を受けたときは、速やかにその内容を監督員に報告し、必要な協議を行うものとする。

３．１７ 計画通知申請（構造計算適合判定を含む）の手続き

１．受注者は、建築基準法第１８条第２項の規定による計画通知（構造計算適合判定を含む）の手続きが特記により指定された場合は、委託期間内に、発注者が同条第３項の確認済証の交付を得られるよう、業務を行う。

２．前項の計画通知申請図書（構造計算適合判定を含む。）等が、建築基準法等関係規定に適合しないことが認められた場合は、受注者は自らの負担により責任をもってこれら関係規定に適合するようにしなければならない。

３．受注者は、前項の場合においてはその内容を監督員に直ちに報告し、協議するものとする。

３．１８ 打合せ及び記録

１．設計業務を適正かつ円滑に実施するため、管理技術者と監督員は常に密接な連絡を取り、業務の方針、条件等の疑義を正すものとし、その内容については、その都度受注者が書面（打合せ記録簿）に記録し、相互に確認しなければならない。

２．設計業務着手時及び特記仕様書に定める時期において、管理技術者と監督員は打合せを行うものとし、その結果について、管理技術者が書面（打合せ記録簿）に記録し、相互に確認しなければならない。

３．監督員は受注者等からの業務の方針、条件等の質疑等について速やかに回答するものとし、受注者又は管理技術者は、前２項の書面（打合せ記録簿）をその場において記録し、原則として直ちに監督員に提出するものとする。

４．受注者又は管理技術者は、監督員から業務に係る報告を求められた場合は、速やかに報告を行うものとする。

３．１９ 条件変更等

１．契約書第２２条第１項第５号に定める「予期することのできない特別な状態」とは、発注者と受注者が協議し当該規定に適合すると判断した場合とする。

２．監督員が、受注者に対して契約書第２２条、第２３条及び第２５条に定める設計仕様書の変更又は訂正の指示を行う場合は、書面によるものとする。

３．２０ 一時中止

１．契約書第２４条第１項の規定により、次の各号に該当する場合において、発注者は、受注者に通知し、必要と認める期間、設計業務の全部又は一部を一時中止させるものとする。

（１）関連する他の設計業務の進捗が遅れたため、設計業務の履行を不適当と認めた場合

（２）環境問題等の発生により設計業務の続行が不適当又は不可能となった場合

（３）天災等の受注者の責に帰すことができない事由により、設計業務の対象箇所の状態や受注者の業務環境が著しく変動したことにより、設計業務の続行が不適当又は不可能となった場合

２．発注者は、受注者が契約図書に違反し、又は監督員の指示に従わなかった場合等、監督員が必要と認めた場合には、設計業務の全部又は一部を中止させることができるものとする。

３．２１ 発注者の賠償責任

発注者は、次の各号に該当する場合においては、損害の賠償を行わなければならない。

（１）契約書第３１条に定める一般的損害、契約書第３２条に定める第三者に及ぼした損害について、発注者の責に帰すべきものとされた場合

（２）発注者が契約に違反し、その違反により契約の履行が不可能となった場合

３．２２ 受注者の賠償責任

受注者は、次の各号に該当する場合においては、損害の賠償を行わなければならない。

（１）契約書第３１条に定める一般的損害、契約書第３２条に定める第三者に及ぼした損害について、受注者の責に帰すべきものとされた場合

（２）契約書第４３条に定める契約不適合責任が生じた場合

３．２３ 契約内容の変更

１．発注者は、次の各号に掲げる場合において、設計業務委託契約の変更を行うものとする。

（１）業務委託料の変更を行う場合

（２）履行期間の変更を行う場合

（３）監督員と受注者が協議し、設計業務履行上必要があると認められる場合

（４）契約書第３３条の規定に基づき業務委託料の変更に代える設計仕様書の変更を行う場合

２．発注者は、前項の場合において、変更する契約図書を次の各号に基づき作成するものとする。

（１）３．２５の規定に基づき監督員が受注者に指示した事項

（２）設計仕様書の一時中止に伴う増加費用及び履行期間の変更等決定済の事項

（３）その他発注者又は監督員と受注者との協議で決定された事項

３．２４ 履行期間の変更

１．発注者は、受注者に対して設計仕様書の変更の指示を行う場合においては、履行期間の変更を行うか否かを合わせて事前に通知しなければならない。

２．受注者は、契約書第２７条の規定に基づき、履行期間の延長が必要と判断した場合には、履行期間の延長理由、必要とする延長日数の算定根拠、修正した業務実施工程表その他必要な資料を発注者に提出しなければならない。

３．契約書第２８条の規定に基づき、発注者の請求により履行期間を短縮した場合には、受注者は、速やかに、業務実施工程表を修正し提出しなければならない。

３．２５ 修補

１．受注者は、発注者から修補を求められた場合には、速やかに修補をしなければならない。

２．受注者は、検査に適合しなかった場合は、直ちに修補しなければならない。

３．修補の期間及び修補完了の検査については、発注者の指示に従うものとする。

４．発注者は、指示した期間内に修補が完了しなかった場合には、契約書第３４条第２項の規定に基づき検査の結果を受注者に通知するものとする。

３．２６ 社内審査

１．受注者は、業務終了後、設計業務の成果物について、社内審査を行い、その結果を添え、速やかに監督員に提出しなければならない。

２．受注者は、再委託者が行った業務については、再委託者に自ら社内審査を行わせてその結果の報告を得てから、前項の社内審査を行わなければならない。この場合には、再委託者が行った審査の結果の報告を、前項の結果に添えるものとする。

３．２７ 設計業務の成果物

１．受注者は、設計業務が完了したときは、設計仕様書に示す成果物を業務完了届に成果物目録を添えて提出し、検査を受けるものとする。

２．契約図書に規定する成果物には、特定の製品名、製造所名又はこれらが推定されるような記載をしてはならない。ただし、これにより難い場合は、あらかじめ監督員と協議し、承諾を得なければならない。

３．国際単位系（SI 単位）の適用に際し疑義が生じた場合は、監督員と協議を行うものとする。

４．受注者は、設計仕様書に規定がある場合又は監督員が指示し、これに同意した場合は、履行期間途中においても、成果物の部分引渡しを行わなくてはならない。

５．受注者は、特記仕様書に基づき「建築設計業務委託契約書」の条文選択（Ａ条文、Ｂ条文区分）を成果物に明記する。

３．２８ 基本設計説明書

受注者は、基本設計説明書の作成について、監督員の指示に従わなければならない。

３．２９ 実施設計の設計図面

１．受注者は、工事関係者が正確に読み取り、的確に施工できるよう「福島県建築・設備設計要領」に基づき設計図面を作成しなければならない。

２．受注者は、設計図面の作成について監督員の指示に従わなければならない。

３．３０ 検査

１．受注者は、設計業務が完了したとき、部分払を請求しようとするとき及び部分引渡しの指定部分に係る業務が完了した時は、検査を受けなければならない。

２．受注者は、契約書第３４条第１項の規定に基づいて、発注者に対して業務の完了を業務完了届により通知する時までに、契約図書により義務づけられた書類の整備を完了し、監督員に提出しておかなければならない。

３．発注者は、設計業務の検査に当たっては、あらかじめ、受注者に対して書面をもって検査日を通知するものとする。その通知があった場合、受注者は、検査に必要な書類、成果物等を整備しなければならない。

４．受注者は、契約書の規定に基づく部分払の請求に係る既履行部分の確認の検査を受ける場合は、当該請求に係る既履行部分の算出方法について監督員の指示を受けるものとし、当該請求部分に係る業務は、次の（１）及び（２）の要件を満たすものとする。

（１）監督員の指示を受けた事項がすべて完了していること。

（２）契約図書により義務付けられた資料の整備がすべて完了していること。

５．検査職員は、監督員及び管理技術者の立会のうえ、契約図書に基づき次の各号に掲げる検査を行うものとする。

（１）設計業務成果物の検査

（２）設計業務履行状況の検査（指示、請求、通知、報告、承諾、協議、提出及び打合せに関する書面その他検査に必要な資料により検査する。）

３．３１ 部分使用

１．発注者は、次の各号に掲げる場合において、契約書第３６条の規定に基づき、受注者に対して成果物の一部の使用を請求することができるものとする。

（１）別途設計業務の用に供する必要がある場合

（２）その他特に必要と認められた場合

２．受注者は、成果物の一部の使用に同意した場合には、成果物の一部の使用同意書を発注者に提出するものとする。

３．受注者は、業務が基本設計と実施設計である場合には、３．２７第１項の規定にかかわらず、業務実施工程表に定めた時期に、基本設計書の成果物を発注者に提出するものとする。

４．前項による提出にあたっては、３．２６の規定を準用する。

第４章 その他

４．１ 設計条件

設計及び計画条件は、設計仕様書による。

４．２ 設計、計画図及び工事費算出書に採用する材料、製品等

受注者は、設計、計画及び工事費算出書に採用する材料、製品等は、原則として JIS及び JAS の規格品とし一般市場流通品とする。ただし、これにより難い場合は、あらかじめ監督員と協議し、承諾を受けなければならない。

４．３ 特殊な工法、材料及び製品等

受注者は、設計業務に特殊な技術、工法、材料又は製品等（３．１１に該当するものを除く。）を採用する場合は、あらかじめ監督員と協議し、承諾を受けなければならない。

４．４ 図面等作成に関する一般事項

図面等は、原則として次の各号により作成する。

（１）製図は、JIS A 0150（建築製図通則）及び JIS Z 3802（製図通則）による。

（２）図面の大きさは特記仕様書による。

（３）文字は、楷書で横書きとする。

（４）表示寸法は mm 単位とし、これ以外の単位を使用する場合は、その単位を明示する。

（５）表示記号は、JIS A 0150、JIS C 0303 及び「空気調和衛生工学会空気調和衛生工業規格図式記号」HASS 001 による。

（６）各種計算書の用紙は、原則としてＡ４版を使用する。

（７）構造計算は、建築基準法、日本建築学会基準及び関係する条例、告示、通達等による。

（８）積算は、「建築関係工事積算基準」（福島県土木部）による。

４．５ 構造計算等の説明

受注者は、設計業務の構造計算書、及び電気設備並びに機械設備の負荷等の計算（積算数量算出を除く）について、積算業務に着手するまでに監督員に資料を提示し、説明しなければならない。

４．６ 景観シミュレーション用透視図

景観シミュレーション用透視図作成については「建築物景観シミュレーション用透視図作成特記仕様書」に定めるところによる。

４．７ ウィークリースタンスの推進

受発注者は、ウィークリースタンスの推進に努める。ウィークリースタンスとは、受発注者協力のもと建築関係設計業務共通仕様書と計画的に業務を履行することで、品質確保に努めるとともに、働き方改革を推進することを目的とするものである。

（取組内容）

（１）打合せ時間の配慮

昼休みや午後４時以降の打合せは行わない。

（２）資料作成の配慮

① 休日明け日（月曜日等）を依頼の期限日としない。

② 休日前（金曜日等）に新たな依頼をしない。

③ 定時間際や定時後に依頼をしない。

④ 作業内容に見合った作業期間を確保する。

（３）その他

① 水曜日、金曜日は定時の帰宅を心がける。

② 工程に影響する条件等を、事前に受発注者間で確認・共有する。

③ 受発注者間で全体の業務工程の確認・共有を行い、作業工程の把握に努める。

（４）災害発生時等の緊急的な対応については、取り組みの対象外とし、受発注者双方で作業内容や提出期限等を確認し、合意を図る。

４．８ ワンデーレスポンス

監督員及び受注者は､ 「ワンデーレスポンス」※に努める。

※ワンデーレスポンスとは、問合せ等に対して、１日あるいは適切な期限までに対応することをいう。なお、１日での回答が困難な場合などは、いつまでに対応するかを連絡するなど、速やかに何らかの対応をすることをいう。