Common use of はじめに Clause in Contracts

はじめに. 発注者と受注者との間の契約は建設生産システムのスタートとして位置付けられ るものです。両者の間の契約の適正化を図ることは、元請下請間の契約を含め建設業における契約全体について当事者が対等な立場に立ってそれぞれの責任と役割の分 担を明確化することを促進するとともに、適正な施工の確保にも資するものであり、ひいては発注者等の最終消費者の利益にもつながるものです。また、建設業は現在、若年入職者の減少や就業者の高齢化が進行するなどの構造的な問題に直面しており、処遇改善等を通じて、建設業への若年層の入職を促進させることが必要であり、そのためには、職人の処遇改善、社会保険の加入確認などの現場の生産性向上を図る建設キャリアアップシステムを普及させていくことが必要です。 建設業法(昭和24年法律第100号)においては、契約当事者は、各々対等な立場における合意に基づいて、契約締結及びその履行を図るべきものとし、不当に低い請負代金の禁止、不当な使用資材等の購入強制の禁止など契約適正化のために契約当事者が遵守すべき最低限の義務等を定めていますが、これらの規定の趣旨が十分に認識されていない場合等においては、法令遵守が徹底されず、建設業の健全な発展と建設工事の適正な施工を妨げるおそれがあります。法令遵守は、受発注者双方が徹底を図らなければならないものです。 こうした観点から、公共工事、民間工事にかかわらず、発注者と受注者との間で行われる請負契約の締結やその履行に関し、法律の不知等による法令違反行為を防ぎ、発注者と受注者との対等な関係の構築及び公正・透明な取引の実現を図るための対策として、受発注者間の建設業法令遵守ガイドラインの早期策定及びその活用の必要性が指摘され、平成23年6月に建設産業戦略会議がとりまとめた「建設産業の再生と発展のための方策2011」においてもその旨が盛り込まれたことを受け、発注者と受注者との間の取引において、必ずしも十分に徹底されていない法条を中心に、建設業法に照らし、受発注者はどのような対応をとるべきか、また、どのような行為が不適切であるかを明示した「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」を平成23年8月に策定し、必要に応じて、適宜改訂を行うこととしています。 本ガイドラインの活用により、発注者と受注者との間の契約の適正化がより一層促 進されるとともに、元請下請間の契約の適正化を図るために平成19年6月に策定し、今般、併せて改訂した「建設業法令遵守ガイドライン」も併せて活用することにより、 建設業における契約全体の適正化が促進されることが期待されます。

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Samples: 建設業法, 建設業法

はじめに. 発注者と受注者との間の契約は建設生産システムのスタートとして位置付けられ るものです。両者の間の契約の適正化を図ることは、元請下請間の契約を含め建設業における契約全体について当事者が対等な立場に立ってそれぞれの責任と役割の分 担を明確化することを促進するとともに、適正な施工の確保にも資するものであり、ひいては発注者等の最終消費者の利益にもつながるものです。また、建設業は現在、若年入職者の減少や就業者の高齢化が進行するなどの構造的な問題に直面しており、処遇改善等を通じて、建設業への若年層の入職を促進させることが必要であり、そのためには、職人の処遇改善、社会保険の加入確認などの現場の生産性向上を図る建設キャリアアップシステムを普及させていくことが必要です業務実施契約』は、発注者(国際協力機構(以下、「JICA」という。)契約担当役理事)と受注者(受注者の代表取締役等)との間で締結されるものです。しかしながら、契約の履行に当たって、業務工程や業務内容の確認又は軽微な変更等に至るまで発注者と受注者の間で契約管理することは、実務上合理的ではありません。このため、発注者から授権された「監督職員」(通常、案件担当課長)と受注者から授権さ れた「業務主任者」との間で、授権された範囲内で契約管理が行えるよう契約約款に規定されています建設業法(昭和24年法律第100号)においては、契約当事者は、各々対等な立場における合意に基づいて、契約締結及びその履行を図るべきものとし、不当に低い請負代金の禁止、不当な使用資材等の購入強制の禁止など契約適正化のために契約当事者が遵守すべき最低限の義務等を定めていますが、これらの規定の趣旨が十分に認識されていない場合等においては、法令遵守が徹底されず、建設業の健全な発展と建設工事の適正な施工を妨げるおそれがあります。法令遵守は、受発注者双方が徹底を図らなければならないものですまた、成果品の検査(契約履行の確認)は、JICAの検査職員(通常、案件担当部長)が、成果品提出日翌日から10営業日以内に実施すると規定されていますが、長期に亘り実施される業務の内容と提出される報告書等の内容を検査職員がこの短期間で検査するためには、契約履行過程において、監督職員が適切に業務の履行状況を監督し、 業務の完了に当たってはその監督結果を検査職員に報告し、検査職員はその監督結果の報告に基づき検査ができることが前提となりますこうした観点から、公共工事、民間工事にかかわらず、発注者と受注者との間で行われる請負契約の締結やその履行に関し、法律の不知等による法令違反行為を防ぎ、発注者と受注者との対等な関係の構築及び公正・透明な取引の実現を図るための対策として、受発注者間の建設業法令遵守ガイドラインの早期策定及びその活用の必要性が指摘され、平成23年6月に建設産業戦略会議がとりまとめた「建設産業の再生と発展のための方策2011」においてもその旨が盛り込まれたことを受け、発注者と受注者との間の取引において、必ずしも十分に徹底されていない法条を中心に、建設業法に照らし、受発注者はどのような対応をとるべきか、また、どのような行為が不適切であるかを明示した「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」を平成23年8月に策定し、必要に応じて、適宜改訂を行うこととしています更に重要な視点として、『業務実施契約』では、案件の進捗状況に合わせ柔軟に業務内容の修正を行うことが想定されており、状況の変化に合わせて契約を適切に変更 しながら、案件の当初目的を達成すべく、発注者と受注者が『共同作業』を行うという性格を持っています。「契約の履行管理」について、発注者、受注者がともに正確な知識を持つことが、円滑な『共同作業』の前提となることは、『業務実施契約』に携わる者が一致して認識しておくべき事項だと考えます本ガイドラインの活用により、発注者と受注者との間の契約の適正化がより一層促 進されるとともに、元請下請間の契約の適正化を図るために平成19年6月に策定し、今般、併せて改訂した「建設業法令遵守ガイドライン」も併せて活用することにより、 建設業における契約全体の適正化が促進されることが期待されます本ガイドラインは、適切な契約の履行とその検査に最低限必要となる、監督職員と業務主任者が共同して実施する契約の履行管理について、解説を行うことを目的としています。 本ガイドラインが、契約履行に当たっての監督職員と業務主任者双方の責任を理解する一助になるとともに、円滑な契約履行を確保し、結果的に履行される業務の質の向上をもたらすことを期待しています

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Samples: www.jica.go.jp

はじめに. 発注者と受注者との間の契約は建設生産システムのスタートとして位置付けられ るものです。両者の間の契約の適正化を図ることは、元請下請間の契約を含め建設業における契約全体について当事者が対等な立場に立ってそれぞれの責任と役割の分 担を明確化することを促進するとともに、適正な施工の確保にも資するものであり、ひいては発注者等の最終消費者の利益にもつながるものです。また、建設業は現在、若年入職者の減少や就業者の高齢化が進行するなどの構造的な問題に直面しており、処遇改善等を通じて、建設業への若年層の入職を促進させることが必要であり、そのためには、職人の処遇改善、社会保険の加入確認などの現場の生産性向上を図る建設キャリアアップシステムを普及させていくことが必要です業務実施契約』は、発注者(国際協力機構契約担当役理事)と受注者(受注者の代表取締役等)との間で締結されるものです。しかしながら、契約の履行に当たって、業務工程や業務内容の確認又は軽微な変更等に至るまで発注者と受注者の間で契約管理することは、実務上合理的ではありません。このため、発注者から授権された「監 督職員」と受注者から授権された「業務主任者」の間で、授権された範囲内で契約管理が行えるよう契約約款に規定されています建設業法(昭和24年法律第100号)においては、契約当事者は、各々対等な立場における合意に基づいて、契約締結及びその履行を図るべきものとし、不当に低い請負代金の禁止、不当な使用資材等の購入強制の禁止など契約適正化のために契約当事者が遵守すべき最低限の義務等を定めていますが、これらの規定の趣旨が十分に認識されていない場合等においては、法令遵守が徹底されず、建設業の健全な発展と建設工事の適正な施工を妨げるおそれがあります。法令遵守は、受発注者双方が徹底を図らなければならないものですまた、成果品の検査(契約履行の確認)は、機構の検査職員(通常、担当部長)が、成果品提出日翌日から10営業日以内に実施すると規定されていますが、長期に亘り実施される業務の内容と提出される報告書等の内容を検査職員がこの短期間で検査するためには、契約履行過程において、監督職員が適切に業務の履行状況を監督し、 業務の完了に当たってはその監督結果を検査職員に報告し、検査職員はその監督結果の報告に基づき検査ができることが前提となりますこうした観点から、公共工事、民間工事にかかわらず、発注者と受注者との間で行われる請負契約の締結やその履行に関し、法律の不知等による法令違反行為を防ぎ、発注者と受注者との対等な関係の構築及び公正・透明な取引の実現を図るための対策として、受発注者間の建設業法令遵守ガイドラインの早期策定及びその活用の必要性が指摘され、平成23年6月に建設産業戦略会議がとりまとめた「建設産業の再生と発展のための方策2011」においてもその旨が盛り込まれたことを受け、発注者と受注者との間の取引において、必ずしも十分に徹底されていない法条を中心に、建設業法に照らし、受発注者はどのような対応をとるべきか、また、どのような行為が不適切であるかを明示した「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」を平成23年8月に策定し、必要に応じて、適宜改訂を行うこととしています更に重要な視点として、『業務実施契約』では、案件の進捗状況に合わせ柔軟に業務内容の修正を行うことが想定されており、状況の変化に合わせて契約を適切に変更 しながら、案件の当初目的を達成すべく、発注者と受注者が『共同作業』を行うという性格を持っています。「契約の履行管理」について、発注者、受注者がともに正確な知識を持つことが、円滑な『共同作業』の前提となることは、『業務実施契約』に携わる者が一致して認識しておくべき事項だと考えます本ガイドラインの活用により、発注者と受注者との間の契約の適正化がより一層促 進されるとともに、元請下請間の契約の適正化を図るために平成19年6月に策定し、今般、併せて改訂した「建設業法令遵守ガイドライン」も併せて活用することにより、 建設業における契約全体の適正化が促進されることが期待されます本ガイドラインは、適切な契約の履行とその検査に最低限必要となる、監督職員と業務主任者が共同して実施する契約の履行管理について、解説を行うことを目的としています。 本ガイドラインが、契約履行に当たっての監督職員と業務主任者双方の責任を理解する一助になるとともに、円滑な契約履行が確保でき、結果的に履行される業務の質の向上をもたらすことができれば幸いです

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Samples: 直接人件費