品目名 該当工事材料 鋼材類 鉄筋、形鋼、矢板、鋼管(杭)、ダクタイル鋳鉄管、ボルトナット、鉄線、鉄網等鉄製品 燃料油 ガソリン、軽油、重油、混合油 その他金属類 ステンレス製品、アルミニウム製品、銅製品等非鉄金属製品 その他石油製品 合成ゴム等石油製品、瀝青系資材等 コンクリート類 生コンクリート、セメントモルタル、セメント アスファルト類 加熱アスファルト混合物、アスファルト乳剤等 コンクリート製品類 U字溝、L形側溝、ボックスカルバート、コンクリート擁壁、その他PC製品等 石材類...
建設工事請負契約書第25条第5項
(単品スライド条項)運用マニュアル(案)
令和4年9月
三重県
目 次
1-1 標準請負契約約款第26条(スライド条項)の考え方 1
1-1-3 全体スライド条項、インフレスライド条項と単品スライド条項の関係 2
1-1-4 昭和55年の特約条項と平成20年の運用方針の違い 2
1-1-5 三重県の単品スライド条項運用マニュアルの制定概要 3
1-5-2 出来高部分払いを行った場合の対象数量について 9
1-6 全体スライド条項及びインフレスライド条項併用時の特例 10
(参考)全体スライド、単品スライド及びインフレスライドの違い 37
別紙-2 単品スライド額算定の考え方(実際の購入金額の確認フロー) 39
(注)本資料の取り扱いについて
本マニュアルは、単品スライド条項の運用について発注者の認識の共有化を図るため、三重県の建設工事における一般的な考え方を令和4年9月段階で整理したものである。このため、これによりがたい場合について、独自の手法によることを妨げるものではない。
また、必要に応じ、今後、本内容についても適宜追加・修正を行うことがある。
1-1 標準請負契約約款第26条(スライド条項)の考え方
・本マニュアル中の「標準請負契約約款」は、建設業法により国土交通省に設置された中央建設業審議会が作成したものをいう。
・なお、三重県では、「三重県建設工事執行規則の施行に関し必要な書類の様式を定める要綱」により「建設工事請負契約書の条項」を定めており、建設工事請負契約書第
25条がスライド条項に該当する。
1-1-1 スライド条項及び単品スライド条項の導入経緯
・昭和24年の建設業法の制定に伴い、昭和25年の標準請負契約約款の策定当初から、第25条(現在の第26条)に物価の変動等による請負代金額の変更(いわゆるスライド条項)が規定された。
・現在の第26条第5項の単品スライド条項は、昭和56年に標準請負契約約款に追加されたものである。
・昭和24年の建設業法の制定により建設工事における請負契約関係の片務性の排除と不明確性の是正が明文化されたことに伴い、昭和25年の建設工事標準請負契約約款(昭和47年改正により公共工事標準請負契約約款に改称)制定時より、物価の変動等による請負代金額の変更(いわゆるスライド条項)が規定された。
・その後、規定の明確化や変更が行われ、昭和47年以降は、いわゆる「全体スライド条項」と「インフレスライド条項」が規定されていた。しかし、昭和54、55年にかけて、第二次オイルショックが発生した際、賃金や物価の水準は全体としてはさほどの上昇もなく落ち着いて推移したものの、一部の石油関連資材価格の高騰により建設工事の円滑な実施が危ぶまれる状態に見舞われた。このような物価状況は当時の約款では必ずしも想定されていなかったことから、昭和55年に、このような状況に対応するための暫定措置として工事毎に「特約条項」を設けて対応した。
・現在の第26条第5項(いわゆる「単品スライド条項」)は、昭和56年にこの「特約条項」が一般化され、公共工事標準請負契約約款に規定されたものである。なお、平成7年までは、特別な要因、主要な工事材料及び請負代金額の算定方法について、設計図書で具体的に指定する旨が規定されていたが、あらかじめ設計図書で指定することは不可能であるとして、現在はその規定は削除されている。
1-1-2 スライド条項の趣旨
・受注者と発注者とは対等との考えのもと、片務性を解消するため、受注者のみに合理的な範囲を超える価格の変動を負担させないことが基本的な考え方である。
・建設工事は、工期が長期にわたるため、その間の事情の変更に左右されることもあるが、通常合理的な範囲内の価格の変動は契約当初から予見可能なものであるとして請負代金額を変更する必要はないというのが基本的な考え方である。しかし、通常合理的な範囲を超える価格の変動については、契約当事者の一方のみにその負担を負
わせることは適当でなく、発注者と受注者で負担を分担すべきものであるとの考え方の下、標準請負契約約款第26条が規定されているものである。
1-1-3 全体スライド条項、インフレスライド条項と単品スライド条項の関係
・全体スライド条項は、請負契約後1年を経過した後に賃金水準や物価水準が変動した場合、インフレスライド条項は、日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションといった短期的で急激な変動が生じた場合の中間修正的な変更であるのに対し、単品スライド条項は特定の主要な工事材料の価格が著しく変動した場合の精算的な変更である。
・全体スライド条項は、請負契約後1年を経過した後に賃金水準や物価水準が変動した場合、インフレスライド条項は、日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションといった短期的で急激な変動が生じた場合の中間修正的な変更であり、直接工事費の変更に連動して諸経費等の変更を含むものである。
・一方、単品スライド条項は、特定の主要な工事材料の価格が著しく変動した場合の精算的な変更である。すなわち、対象となる材料価格の変動のみが請負代金額変更の要素となるものであり、材料費の変動に連動して共通仮設費、現場管理費及び一般管理費等の変更を行うものではない。
・また、単品スライド条項は企業の規模を問わずあらゆる工事を対象とするものであることから、受注者の負担割合は標準請負契約約款の第30条の「天災不可抗力条項」に準拠し、建設業者の経営上最小限度必要な利益までは損なわれることがないよう定められた「請負代金額の1%」を採用したものである。
なお、全体スライド条項は、1年以上の長期間にわたる工事を対象とする規定であり、比較的大きい建設業者が受注していることが前提になっていることから、受注者の負担すべき割合を「請負代金額における残工事費の1.5%」としている。また、インフレスライド条項は、単品スライド条項と同様に、受注者の負担割合は標準請負契約約款の第30条の「天災不可抗力条項」に準拠し、建設業者の経営上最小限度必要な利益までは損なわれることがないように定められた「請負代金額における残工事費の
1%」を採用したものである。
1-1-4 昭和55年の特約条項と平成20年の運用方針の違い
・平成20年の運用は、条項制定時の議論、当時の社会状況や公共事業を取り巻く状況を踏まえ、改めて対象材料や受注者負担を決定したものである。
・昭和55年当時は、工事請負契約書の規定がなかったため、対象材料の価格変動の大小を問わず、工事で使用する主要な材料の多くを対象とし、これらの変動分の総額が工事の規模に応じて定められる一定額(概ね工事費の1%)を超過したときは、変動額の3/4を発注者が負担することとして、請負代金額の変更を行うこととしたものである。
・平成20年の運用に当たっては、中央建設業審議会の議論を経て定められた標準請負契約約款の規定の趣旨や、その当時の社会状況や公共事業を取り巻く状況を適切に踏まえ、見直しを行った。対象材料については価格変動の大きい鋼材類と燃料油のうち、請負代金額の1%以上変動している品目に限定しているものであり、変動額の大小にかかわらず多くの材料を対象とした昭和55年の特約条項とは自ずと考え方が異なるものである。
・また、受注者負担について、昭和55年の特約条項は変動額の1/4としていたが、標準請負契約約款第29条(天災不可抗力条項)(現在の第30条)における考え方との整合性を図るため、一般的な建設業者が負担する割合として請負代金額の1%を定めたものである。
1-1-5 三重県の単品スライド条項運用マニュアルの制定概要
・現在の社会状況を踏まえ、急激な価格高騰等に対応した運用基準を新たに追加したことを受け、改めて単品スライドマニュアルとして制定するものである。
・現在の社会状況を踏まえ、単品スライド条項の適用にあたり、以下のような課題がある。
①急激な価格高騰のタイミングにおいては、積算価格(実勢価格)に価格上昇が反映されるのにタイムラグが生じる可能性がある。
②鋼橋xxx等では、資材調達に際して購入価格等を漏洩しない旨が取り引き時の契約で規定されており、購入価格が提示できない場合がある。
1-2 対象工事
・残工期が2ヶ月以上ある全ての工事を対象とする。
・単品スライド条項の請求は、当該請求の際に残工期(部分引渡しに係る工事部分の残工期を含む)が2ヶ月以上ある場合に限り、行うことができる。
1-3 対象品目
1-3-1 対象品目の選定の考え方
・対象品目は、鋼材類、燃料油、その他の主要な工事材料とする。
・各品目の対象材料については、受注者から請求があった材料の中から受発注者間で協議の上決定とする。
・各品目の詳細は、下表によるものとし、この分類にない品目等については、受発注者間の協議により決定するものとする。本マニュアルにおける『その他の主要な工事材料』は下表の鋼材類及び燃料油以外の品目とする。
・建設工事請負契約書第25条第5項に、「主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、請負代金額が不適当となったとき」とされていることから、公共工事において使用している頻度の高い主要な材料を対象とする。
・これは、通常合理的な範囲を超える価格の変動分を、受注者のみの負担とするのは適切ではないという考え方のもと、単品スライド条項の趣旨を適切に踏まえたことによるものであり、価格変動がある材料全てが単品スライド条項の適用対象とはならない点に留意が必要である。
その他の主要な工事材料
・なお、対象となる材料については、受注者から請求があった材料の中から受発注者間で協議の上決定するものであり、請求のない材料まで対象とする趣旨ではないことにも留意が必要である。
品目名 | 該当工事材料 |
鋼材類 | 鉄筋、形鋼、xx、鋼管(杭)、ダクタイル鋳鉄管、 ボルトナット、鉄線、鉄網等鉄製品 |
燃料油 | ガソリン、軽油、重油、混合油 |
その他金属類 | ステンレス製品、アルミニウム製品、 銅製品等非鉄金属製品 |
その他石油製品 | 合成ゴム等石油製品、瀝青系資材等 |
コンクリート類 | 生コンクリート、セメントモルタル、セメント |
アスファルト類 | 加熱アスファルト混合物、アスファルト乳剤等 |
コンクリート製品類 | U字溝、L形側溝、ボックスカルバート、 コンクリート擁壁、その他PC製品等 |
石材類 | 砕石・砂(再生材を含む)、捨石、栗石、張り石、 山土など |
木材類 | 角材、木杭、横xxなど木製品 |
合成樹脂類 | 硬質塩化ビニル管、 一般用ポリエチレンxx合成樹脂製品 |
タイル類 | 内外装タイル、床タイルなど |
ガラス類 | フロートガラス、強化ガラスなど |
内装ボード類 | 石こうボード、岩綿吸音板、けい酸カルシウム板 |
1-3-2 スライド額の算定の対象とする品目
・各工事においてスライド額の算定の対象となるのは、品目毎の変動額(増額分又は減額分)が請負代金額の1%を超える品目とする。
・個々の工事において、工事の総額に及ぼす影響が現に大きいことが必要条件とな
り、品目毎の変動額が請負代金額の1%を超える場合について、その品目をスライド額の適用対象とする。
・つまり、鋼材類、燃料油、その他の主要な工事材料の変動額の合計額が請負代金額の1%を超えるものを適用対象とするのではなく、鋼材類を例にとれば、その変動額だけで請負代金額の1%を超えている場合には鋼材類が適用対象材料になるという趣旨である。
・なお、「品目毎」とは、鋼材類、燃料油、その他の主要な工事材料で区分し、その他の主要な工事材料の区分は「第4章その他の主要な工事材料」によるものとする。
1-4 請負代金額の考え方
・請負代金の部分払をした工事における「請負代金額」は、当該工事の請負代金額から当該部分払の対象となった出来高部分又は工事現場に搬入済みの工事材料若しくは製造工場等にある工場製品(以下「出来高部分等」という。)に相応する請負代金相当額を控除した額とする。
・出来高として既に部分払いを行った部分については、特段の条件がない限り、発注者と受注者との間で数量及び金額について合意を完了しているものであることから、単品スライド条項の請求対象となる工事においても、その部分まで遡って単品スライド条項を適用できないことに変わりはない。
・ただし、通常は、対象材料の価格の変動により請負代金額が不適当となることが判明する時点、すなわち、工事がかなり進捗した時点で単品スライド条項の適用請求を行うこととなるのが一般的であるため、単品スライド条項の適用請求までの間に部分払いが行われることもあり得る。このような場合に対処するため、今後部分払いを行う際には、発注者又は受注者の請求に基づき、部分払いを行う部分についても今後の単品スライド条項の請求対象とすることができる旨を通知することとしている。
・また、部分引き渡しを行う部分についてはその部分に係る精算を完了させる必要があることから、その部分のみを一つの工事として扱い単品スライド条項を適用することとなる。その際の請負代金額は部分引き渡しを行う部分に係る請負代金額となるが、部分払いを既に行っている出来高部分(特段の規定を設けたものを除く)が請求対象外となるのは、通常の工事と同様である。
・このような考え方は、請負代金額だけでなく、スライド額の算定の対象とする数量についても適用される。
1-5 スライド額算定
1-5-1 スライド額算定の方法について
・「スライド額」とは、材料価格の変動に伴う変動額のうち、請負代金額の1%を超える額とする。
・それぞれの品目毎の変動後の金額は、実勢価格に基づき算出した額と実際の購入金額とのどちらか低い方とする。ただし、受注者が実際の購入金額が適当な購入金額であることを証明する書類を示し、実際の購入金額が適当な購入金額であると認められる場合にあっては、実際の購入金額が実勢価格に基づき算出した額よりも高い場合でも、実際の購入金額とする。
①スライド額算定式(実勢価格)
・1-3により対象となった鋼材類、燃料油、その他の主要な工事材料のそれぞれの品目毎の請負代金の変更額(以下「スライド額」という。)の算定は、主要な工事材料に該当する各材料(以下「対象材料」という。)の単価等に基づき、次式により行う。
S = S’× (1+消費税及び地方消費税の税率/100)
【増額スライドの場合】
S’= (M変更(品目1) - M当初(品目1))+(M変更(品目2) - M当初(品目2))+……+(M変更(品目m) - M
当初(品目m))- P×1/100/(1+消費税及び地方消費税の税率/100)
【減額スライドの場合】
S’= (M変更(品目1) - M当初(品目1))+(M変更(品目2) - M当初(品目2))+……+(M変更(品目m) - M
当初(品目m))+ P×1/100/(1+消費税及び地方消費税の税率/100)
M当初(各品目)={ p1×D1 + p2×D2+……+ pm×Dm }×k M変更(各品目)={ p'1×D1 + p'2×D2+……+ p'm×Dm }×k
S :スライド額(税込)
S’:スライド額(税抜)(千円未満切り捨て)
M当初(各品目):価格変動前の各品目の金額(税抜) M変更(各品目):価格変動後の各品目の金額(税抜)
p:2-4、3-4、4-4の規定に基づき算定した設計時点における各品目に該当する各材料の単価
p':2-4、3-4、4-4の規定に基づき算定した価格変動後における各品目に該当する各材料の単価
D:2-2、3-2,4-2の規定に基づき各品目に該当する各材料について算定した対象数量
k:落札率
P:請負代金額(税込)
(増額変更の場合の計算例)
計算例1 | 請負代金額: 220,000,000 | 1%相当額: 2,200,000 | |||
各品目 | 各材料 | 価格変動前の金額 | 価格変動後の金額 | 変動額 | 対象の判定 |
燃料油 | 軽油 | 1,000,000 | 1,200,000 | 200,000 | × |
ガソリン | 500,000 | 600,000 | 100,000 | ||
合計 | 1,500,000 | 1,800,000 | 300,000 | ||
鋼材類 | 異形棒鋼 | 5,000,000 | 7,500,000 | 2,500,000 | ○ |
H形鋼 | 1,000,000 | 1,400,000 | 400,000 | ||
合計 | 6,000,000 | 8,900,000 | 2,900,000 | ||
スライド額 S=2,900,000-2,200,000=700,000 |
注)価格は税込み
計算例2 | 請負代金額: 110,000,000 | 1%相当額: 1,100,000 | |||
各品目 | 各材料 | 価格変動前の金額 | 価格変動後の金額 | 変動額 | 対象の判定 |
燃料油 | 軽油 | 5,000,000 | 6,500,000 | 1,500,000 | ○ |
ガソリン | 500,000 | 600,000 | 100,000 | ||
合計 | 5,500,000 | 7,100,000 | 1,600,000 | ||
鋼材類 | 異形棒鋼 | 5,000,000 | 7,000,000 | 2,000,000 | ○ |
H形鋼 | 1,000,000 | 1,400,000 | 400,000 | ||
合計 | 6,000,000 | 8,400,000 | 2,400,000 | ||
スライド額 S=1,600,000+2,400,000-1,100,000=2,900,000 |
注)価格は税込み
※対象となる品目の考え方は1-3-2スライド額の算定の対象とする品目による。
②実際の購入金額がM変更(各品目)を下回る場合について
・受注者が、2-5、4-5の規定に基づき、各品目を実際に購入した際の代金額を品目毎に合計した金額(消費税等相当額を除く。)を算定し、これら実際の購入金額がM変更
(各品目)を下回る場合にあっては、上記①のスライド額算定式の規定にかかわらず、M変更(各品目)に代えて受注者の各品目の実際の購入金額を用いて、上記①のスライド額算
定式によりスライド額を算定する。
③実際の購入金額がM変更(各品目)を上回る場合について
・受注者が各品目について、実際の購入金額が適当な購入金額であることを証明する書類を示し、実際の購入金額が適当な購入金額であると認められる場合にあっては、実際の購入金額がM変更(各品目)を上回る場合であっても、上記①のスライド額算定式の規定にかかわらず、M変更(各品目)に代えて受注者の各品目の実際の購入金額を用いて、上記①のスライド額算定式によりスライド額を算定する。
・この場合におけるスライド額算定の手順は以下のとおりとする。
(参考フローは別紙-1、2参照)
1)受注者からの申し出
・受注者は実際の購入金額により価格変動後の金額を算定することを希望する場合は、対象品目及び対象材料を発注者に申し出るものとする。その際、受注者は対象材料
毎に実際の購入金額の単価が実勢価格の単価(落札率考慮)を上回ることを確認するものとする。
・受注者から申し出があった場合、発注者は対象材料の当該地域における価格上昇の状況やその原因等について受注者から情報提供を求めるものとする。
2)実際の購入金額が適当な購入金額であることを証明する書類
・実際の購入金額が適当な購入金額であることを証明する書類は、購入実績を証明する書類に加え、原則として、当該地域での市場取引価格が確認できる2社以上の見積りとする。その際、実際の購入先の見積りは含まないものとする。
<見積りの留意事項>
・見積りの提出は、工期内の代表的な月(1ヶ月以上)とし、工事全期間の提出は要しない。
・見積りの有効期間は、実際の購入金額の単価と比較するため、実際に「現場に搬入された月もしくは購入した月」を含むものとする。
・地域条件や工事材料の性質等で購入先以外から見積りを徴することができない場合や、購入先を含まない見積りが1社となる場合は、メタサーチサイト等※により、当該材料の取扱業者等の所在地により近隣で対応可能な業者が限られることを確認したうえで、実際の購入先への注文時の見積りも含めるものとする。
※ インターネット上で提供されている複数の検索エンジンを用いてキーワードを横断的に検索すること等とする。
(「近隣」については、生コンクリートを例にすると、日平均気温が25度以上の場合は運搬時間が1時間半以内の地域とする等、工事材料の性質に応じて設定する。)
3)価格変動後の金額の算定
<第1段階>
・受注者から提出された見積りから地域の材料価格の傾向と実際の購入金額での検討を行うことの妥当性を確認する。
・具体的には、対象材料毎に実際の購入金額の単価と2社以上の見積り単価を比較し、実際の購入金額が最も安価であることを確認する。
・確認にあたっては、材料が現場に搬入された月もしくは材料を購入した月のうち、代表的な月(1ヶ月以上)の単価で確認する。
・第1段階において、実際の購入金額が最も安価であることを確認した材料は第2段階に移行する。実際の購入金額が最も安価とならない材料については、実勢価格にて価格変動後の金額を算定するものとする。
<第2段階>
・材料毎に工事全体期間を対象に実際の購入金額の単価と実勢価格の単価(落札率考慮)を比較して実際の購入金額の妥当性を確認する。
・妥当性の目安は、実勢価格の単価(落札率考慮)+30%とする。
(確認時の留意事項)
・複数の月に現場へ搬入・購入した場合の実勢価格の単価(落札率考慮)は、各搬入月の単価を搬入・購入月毎の搬入数量で加重平均した単価とする。実際の購入金額の単価についても同様に購入単価を搬入・購入月毎の搬入数量で加重平均した単価とする。
・実勢価格の単価は以下のとおりとする。
▶鋼材類:「現場に搬入された月」の実勢価格(落札率考慮)
▶その他の主要な工事材料:鋼材類に準じるものとするが、契約と購入がほとんど同時期に行われたことが証明された材料については「購入した月の翌月」の実勢価格とする。
・実際の購入金額の単価が、実勢価格の単価(落札率考慮)+30%以内である場合は、実際の購入金額の単価は概ね材料価格の上昇傾向と合致していると判断し、実際の購入金額にて価格変動後の金額を算定するものとする。
・なお、実勢価格の単価(落札率考慮)の+30%は発注者として妥当性を確認するためのものであり、+30%を超えても妥当性が確認されれば採用可能とし、受注者から提出された証明書類の金額が実勢価格に対し大幅に乖離している場合は、発注者は特別に考慮すべき価格変動要因がないかを確認する。
(大幅に乖離している場合の確認時の留意事項)
・発注者による見積りの徴収、近隣工事における材料の調達状況の確認、また、特別調査により単価設定している場合は特別調査を行った調査機関への問い合わせ等により、発注者が入手できる情報・資料から証明書類の金額の妥当性を確認するものとする。
・発注者による確認の結果、証明書類の金額の妥当性を確認できない場合は、実勢価格によりスライド変動額を算定するものとする。
4)減額変更の場合
・発注者が減額変更を請求した場合で発注者が算定したスライド額に対し受注者が異議を申し立てた際には、受注者が実際の購入金額を証明する書類を示した場合にあっては、実際の購入金額が実勢価格よりも高い場合でも、実際の購入金額とする。
1-5-2 出来高部分払いを行った場合の対象数量について
・既済部分について出来高部分払いを行っている場合は、当該既済部分払いの対象となった出来高部分に係る数量を除いた数量を設計数量とする。
・出来高部分に係る数量の算出方法は、次のいずれかとする。
①出来高部分について再積算を実施して出来高に該当する金額を算出した資料より、出来高部分に該当する数量を算出。
②部分払い対象となった請負代金額相当額と請負代金額との割合に、対象数量を乗じることで概算的に数量を算出。※
※部分払い時の支払い額は、出来高に該当する請負代金額相当額の9割以下とされており、「部分払い時の支払額=部分払い対象となった請負代金額相当額」ではないので注意すること。
1-6 全体スライド条項及びインフレスライド条項併用時の特例
・全体スライド条項及びインフレスライド条項のみによるスライド額を算定の上で、その対象とはならない価格上昇を単品スライド条項で反映することは可能。
・全体スライド条項及びインフレスライド条項と単品スライド条項とを併用した期間においては、単品スライド条項の変動前の単価は全体スライド条項及びインフレスライド条項の適用日の単価を用いるものとし、単品スライド条項に係る受注者負担は求めない。
・単品スライド条項の発動の可否を判断するために1%を乗じる請負代金額には、全体スライド条項及びインフレスライド条項のスライド額を含む。
・全体スライド条項及びインフレスライド条項は、材料価格を含む物価や賃金等の変動に伴う価格水準全般の変動について対応するものであることから、単品スライド条項の適用となっている材料を含めて、まず全体スライド条項及びインフレスライド条項によるスライド額を算出することが基本となる。その上で、全体スライド条項及びインフレスライド条項との重複を防止するため、全体スライド条項及びインフレスライド条項の対象とした数量については、変動前の単価を全体スライド条項及びインフレスライド条項の適用日の単価として単品スライド条項のスライド額を算出することとなる。
・また、全体スライド条項及びインフレスライド条項と単品スライド条項とをそれぞれ単独で考えれば、前者においては請負代金額における残工事費の1.5%もしくは1%、後者においては請負代金額の1%、それぞれで受注者の負担が生じることとなる。両スライドのルールをそのままそれぞれ適用した場合には、受注者にリスクを重複して負担させることになり、結果的にリスク負担が過大なものとなる。
・このような過大なリスク負担を回避するため、単品スライド条項のみが適用される期間においては当該期間の工事費の1%を受注者の負担とするが、全体スライド条項及びインフレスライド条項と単品スライド条項が併用されている期間においては、全体スライド条項及びインフレスライド条項の適用により受注者が負担する請負代金額における残工事費の1.5%もしくは1%をもって既に単品スライド条項に係るリスク負担がなされているとの考え方に基づき、単品スライド条項に係る1%分の負担を求めないこととした。(全体スライド時には1.5%の受注者負担、インフレスライド時には1%の受注者負担を適用し、単品スライドでは受注者負担を考慮しない)
・ただし、1-4で述べたように、単品スライド条項に係る請負代金額は基本的には最終的な請負代金額であるため、単品スライドの適用可否を判断するために1%を乗じる請負代金額は、全体スライド条項及びインフレスライド条項に係るスライド額を含む変更後の総価とする。
1-7 その他
・情報公開の取り扱いについて
・単品スライドの証明資料について開示請求があった場合には、社内書類も開示する方針である。
全体・インフレスライドと単品スライドの併用(請負代金額・受注者負担の例)
(全体イメージ)
スライド額a1
受注者負担あり
スライド額a2
受注者負担なし
受注者負担額
(A2×1%)
全体・インフレスライド額(B1)
請負代⾦額
a1
単品スライド適⽤期間のみの⼯事額(A2)
出来⾼(部分払い済)A1
出来⾼(条件付)A2
(全体・インフレスライド適⽤期間の⼯事額︓A3)
残 ⼯ 事
受注者負担額全体︓A3×1.5% インフレ︓A3×1.0%
12ヶ⽉以上
(全体スライドの場合)
全体・インフレスライド基準⽇
残⼯期2ヶ⽉以上
⼯期末
受注者負担1% 全体・インフレスライドとの併⽤期間の受注者負担
全体スライド︓1.5%、インフレスライド︓1.0%
a2
契約⽇
注)1-4のとおり、単品スライド条項の請負代金額は、最終的な全体工事費から、部分払いを行った出来高部分や部分引き渡しを行った部分を除いたもの。
(補足:単品スライド額の対象イメージ)
当初の請負代⾦額
出来⾼(部分払い済)
既済部分のため 単品スライド対象外
受注
額
イド
スラ
)
フレ
(B1
イン
全体・
当初積算基準⽇ R2.4.1
既済検査⽇ R3.10.1
全体・インフレスライド基準⽇
R4.4.1
(全体・インフレスライド基準⽇以降)
⼯期末 R5.3.31
価格 既済部分のため 単品スライド対象外
単品スライドはR2.4.1からの変動額を求める。
単品スライドはR4.4.1からの変動額を求める。
全体・インフレスライド
基準⽇ R4.4.1
単品スライド額
(a1)
者負担(単品)1.0%
単品スライド額(a2)
受注者負担(全体︓1.5% or インフレ︓1.0%)
当初積算基準⽇
R2.4.1
⼯期
全体・インフレスライド基準⽇
注)全体もしくはインフレスライドと併用する場合は、全体もしくはインフレスライドに基づく設計変更契約を先に行う。また、変動額算定に用いる当初設計時点の実勢価格は、全体もしくはインフレスライドの基準日の単価を用いる。
2-1 対象材料
2-1-1 対象材料の考え方
・H形鋼、異形棒鋼、厚板、鋼xx、鋼管杭、鉄鋼二次製品、ガードレール、スクラップ等、鋼材を主材料として構成されている材料を対象とする。
・ただし、コンクリート二次製品等に含まれる鋼材類は対象としない。
・鉄鉱石や石炭等の原材料の高騰を要因として、鋼材の価格が短期間で急激に変動することがあり得ることから、鋼材を主材料として構成されている材料を対象としたものであり、具体的には、いわゆる鋼材類(H形鋼、異形棒鋼、厚板、鋼xx、鋼管杭等)の他、鉄鋼二次製品(ロックボルト等)、鋼材から加工された道路用資材や橋梁用資材の一部(ガードレールやPCより線等)、スクラップ等を対象とする。
・しかしながら、鋼材類を一部に含むコンクリート二次製品等については、その中に含まれる鋼材類に係る部分のみを分離して価格を算出することが困難であることから、対象材料とはしない。(しかしながら、設計図面に配筋図等が明記されているなど、その必要数量が明らかになっており、かつ、単価・購入価格、購入先及び搬入時期が証明されること等により変動額の妥当性が客観的に評価できれば、対象材料となる可能性が排除されるものではない。)
・なお、非鉄金属(アルミニウム、鉛、金、銀、銅、ニッケル等)は価格変動の要因が鋼材のそれとは異なることもあり、単品スライドの対象とする場合は鋼材類には含まず、「その他の主要な工事材料」として整理するものとする。
対象材料一覧(例)
材料 | 資材名称(例) | 規格(例) | 単位 |
鋼板 | 鋼板(販売) | 厚板無規格12≦t≦25 | t |
鋼管杭 | 鋼管杭 | SKK400 | t |
鋼製xx | 鋼xx | SY295 | t |
棒鋼 | 鉄筋コンクリート用棒鋼 | SD345D16~25 | t |
形鋼 | H形鋼 | 広幅SS400150×150 | t |
PC鋼線 | PC鋼より線 | SWPR7A7本より線A種 | kg |
防護柵 | 転落防止柵 | H=1100根入長=200(CO建込) | m |
ライナープレート | ライナープレート(円形) | メッキ仕上げ3,000mmt=4.0mm | m |
鉄鋼二次製品 | 摩擦接合用高力ボルト(xx) | F10TM22×100 | 組 |
2-1-2 その他市場単価・土木工事標準単価の扱い等
①市場単価・土木工事標準単価
・鋼材類を使用し、市場単価・土木工事標準単価(以下、「市場単価等」という。)を用いて積算している工種において、鋼材に係る材料費が分離できる場合には対象とすることができる。
・ただし材料費が分離できない市場単価等でも、設計図書に数量が記載されている場合は対象とすることができる。
・工種毎の単価が示されている市場単価等において、鋼材類の材料費が分離できる構成となっている場合は、その材料費の変動に伴う工事価格の変動を把握することが可能であることから、対象とすることができる。
・具体的には、別表1(市場単価・土木工事標準単価の扱い)の市場単価等のうち、黄色網掛けのもの(①)は市場単価等の構成上、材料費が分離されているため対象とすることができる。
・なお、市場単価等が材料費を分離できない構成となっているもの(②)は、材料費のみを別途算出することは不可能であるが、設計図書に鋼材類が明示されている場合は、その数量については対象とすることができる。この場合、市場単価等に代えてその材料の実勢価格または実際の購入価格を変動前、変動後の価格として変動額を算出するものとする。また、購入価格、購入先及び購入時期が証明されることが必要であるのは、市場単価等以外の場合と同様である。
②賃料・損料(リース料金)等の取り扱い
・鋼材類の賃料・損料についても対象とすることができる。
・リース契約の鋼材類についても、同一要因による鋼材の価格上昇に伴って、リース料や不足弁償金の上昇があり得ることから、購入する場合と同様に対象とすることとする。なお、一度リース契約を結んだものは契約途中でその価格が変更されることはないため、当該材料のリースを始めた月の価格とする。また、複数の月でリースを開始している場合は、他の材料と同様にその数量に応じて加重平均することにより算出した単価に設計数量を乗じることなど、当初及び変更後の価格の設定については注意が必要である。
2-2 対象数量
・鋼材類については、原則、発注者の設計図書の数量を対象とするが、発注者の設計数量の範囲内で、加工によるロス等の数量についても加味することができる。なお、このロス分を対象数量とする場合は、ロス分についてスクラップ等で売却する金額についても適切に処理する。
・任意仮設等、数量総括表に一式で計上されている工種は、発注者の設計数量を対象数量とすることを基本とする。
①基本事項
・鋼材類については、原則、数量総括表や図面等、設計図書に明示されている数量を対象数量とする。この数量について受注者が購入価格、購入先及び購入時期について証明できない場合は、当該材料はスライドの対象としない。
・また、実際の工場現場では鋼材を加工するためにロスが生じることから、実際に購入した数量のうち、発注者の設計数量(設計図書で明示されている数量×(1+ロス率))までは、対象数量とすることができる。ロス率については、発注に際して三重県が使用する積算基準等によることとする。
・なお、発注者の設計数量は、三重県公共工事設計積算システムを使用している場合は、使用材料一覧(機労材集計リスト)として材料毎に集計した結果が出力されている。
証明された数量と対象数量の考え方
証明数量<設計図書の数量 → 当該材料は対象材料とならない設計図書の数量≦証明数量≦設計数量 → 対象材料。対象数量は証明数量設計数量<証明数量 → 対象材料。対象数量は設計数量
注)設計図書の数量:設計図書(数量総括表や図面等)に記載されている数量設計数量:設計図書の数量にロスを加えた数量(積算上の数量)
証明数量:受注者から証明された数量
・このようなロス分(異形棒鋼は除く)については、積算上スクラップとして売却することとなっており、ロス分を計上する場合は、スクラップも対象材料として売却金額の上昇分を計算に含めることにより、変動額を適切に設定することが必要である。このため、ロス分を対象数量とするよう請求があった場合は、発注者は受注者に対してスクラップについても対象材料とするよう申し入れるものする。協議が成立しない場合は、対象数量の設定方法の見直し(例えば、ロス率が見込まれる対象数量を設計数量ではなく設計図書の数量とする等)や、スクラップを対象材料として単価の適切な設定(スクラップの単価は、実勢価格の工期の平均値と、受注者が当該工事に該当するとして一部提出したスクラップの売却単価の最大値との高い方の値)などの措置を講じることが必要である。
②任意仮設等、数量総括表に一式で計上されている工種の取り扱い
・任意仮設等、数量総括表に一式で計上されている工種については、受注者が必ずしも発注者が想定した工法で実施せず、使用する鋼材類の種類や数量が発注者の想定と
異なっていることが通常あり得る。このような工種について受注者からの請求があった場合は、発注者の設計数量を対象数量とすることを基本とする。
③減額変更する場合の取り扱い
・減額変更する場合において、発注者が有する情報に基づき変動後の価格を算定する場合は、発注者の設計数量を対象数量とする。
・発注者が算定したスライド額に対し受注者が異議を申し立てたときの数量の取り扱いは上記①、②に準じるものとするが、証明数量が設計図書の数量を下回る場合(証明数量<設計図書の数量)は、発注者の設計数量を対象数量とする。
④その他
・既済部分払いを行っている場合は、当該既済部分払いの対象となった出来高部分に係る数量を除いたものを設計数量とする。
・設計数量に含まれる鋼材スクラップの売却益(マイナス控除額)については、対象品目に合わせて単品スライドの対象として取り扱うものとする。なお、鋼材スクラップの売却益については検収が困難であることから、実勢価格での算定を基本とし、実際の売却額とはしない。
2-3 受注者への確認事項
・鋼材類は、材料の取引形態に照らし対象数量全量の搬入等の時期、購入先、
単価・購入価格を確認することが可能であるため、それが証明できる納品書、請求書、領収書の提出を受注者に求めること。
・増額変更において、必要な書類が提出されないなど具体的な証明がなされない場合は、その材料は単品スライド条項の対象材料としない。
・減額変更において、異議申し立てがない場合や、異議申し立てがあり必要な書類が提出されない場合は、発注者が算定したスライド額を請負代金額の変更額とする。
・ただし、鋼材類を実際に購入した際の単価及び購入先を証明する書類を受注者が提出し難い事情があると認められる場合においては、当該対象材料の搬入等の月及び数量を証明する書類の提出を求めるものとする。
①基本事項
・単品スライド条項は、対象とする材料が当初の想定と比べ、実際に購入した時期に著しく価格が変動したために請負代金額の変更をしようとするものであるため、この条項に基づくスライド額の算定に当たっては、実際の購入時期や購入価格が受注者に証明されることが前提となる。
・このため、材料の取引形態に照らし数量、価格等の入手実態が明確な鋼材類については、対象数量全量の搬入等の時期、購入先及び購入価格を証明する書類として、納品書、請求書、領収書の全てを提出してもらい、購入実態を的確に把握することが必要である。(ミルシートは鋼材類の品質を証明する書類であり、当該工事で購入した材料の数量等を証明できない場合があるが、当該工事の数量、納品時期が証明できる場合は、納品書に替えることができる。)
・下請企業等が購入している場合は、その企業の書類(納品書、請求書、領収書)で問題ないが、施工体制台帳等で当該企業がその工事に従事していることを別途確認すること。
・必要な証明書類が提出されない場合や提出された書類の信憑性がない場合など、現場への搬入時期等を確認できない材料は単品スライド条項の対象材料としない。これは、品目毎に実勢価格を用いて算出した変動後の価格と実際の購入価格のどちらか安い方の金額を採用することとしているが(1-5-1参照)、鋼材については購入価格と数量を証明することが可能であるため、実際の購入価格が安い場合でも書類の提出を義務づけることによって、スライド額が実際よりも高いものとなることを回避する意味がある。ここでいう材料とは規格毎の材料という意味であり、搬入時期等を確認できない材料があったとしても規格が異なる他の材料まで単品スライド条項の対象材料としないという趣旨ではない。
・ただし、例えばメーカー等から鋼材類を購入する際に購入先との基本契約で購入価格を漏洩しない旨を契約条項として設定している場合など、実際に購入した際の単価及び購入先を証明する書類を受注者が提出し難い事情があると認められる場合においては、購入先や単価等の証明書類を省略し、当該対象材料の搬入等の月及び数量を証明する書類の提出を求めるものとする。この場合、実際に購入した際の単価は、搬
入等した月の実勢価格(対象材料を複数の月に現場へ搬入等した場合にあっては、搬入した月毎の実勢価格を搬入した月毎の搬入数量で加重平均した価格)を用いてスライド額を算定することができる。
②任意仮設等、数量総括表に一式で計上されている工種の取り扱い
・任意仮設等、数量総括表に一式で計上されている工種に対する請求があり、かつ、受注者の実際の施工が発注者の想定と異なる場合は、受注者の施工に必要となった材料の搬入時期を証明する書類をもって証明できることとする。
③鋼材類の「搬入」の取り扱い
・鋼材類の「搬入」とは、工事現場に直接搬入される場合のみならず、鋼橋製作などのように工場に直接搬入される場合もあるが、その場合の搬入時期は工場に搬入される時期とする。
④減額変更する場合の取り扱い
・減額変更する場合においては、施工計画書に定められている計画工程xxの発注者が有する情報に基づき変動後の価格を算定することとするため、受注者に対し、受注者が対象材料を実際に購入した際の数量、単価及び購入先並びに当該対象材料の搬入等の月を証明する書類の提出は求めないものとする。
・ただし、発注者が算定したスライド額に対し受注者が異議を申し立てたときは、発注者は受注者に対し、受注者が対象材料を実際に購入した際の数量、単価及び購入先並びに当該対象材料の搬入等の月を証明する書類の提出を求めるものとする。
(納品書の例)
(請求書の例)
2-4 単価(実勢価格の算定)
2-4-1 変動前の価格の決定方法
・変動前の価格を算出するための単価は、設計時点における単価とする。
・設計時点における単価は、予定価格を算出する際に用いた単価とする。設計変更を実施した場合も同様に変更金額を算出するために用いた単価とし、新規工種については発注者の指示時点の単価とする。
・一般的に受注者は、自らが当初想定した金額を根拠に単品スライド条項を請求するものと考えられるが、受注者の想定した金額の妥当性を客観的に証明することは実態上困難であることから、変動前の価格は発注者の想定した金額とするものである。
2-4-2 変動後の実勢価格の決定方法
・価格変動後の価格の算定に用いる実勢単価は、対象材料が現場に搬入された月の「三重県設計単価表」によるものとし、記載のないものについては「物価資料」掲載価格とする。
・特別調査や見積りによる場合は、当初積算時の類似単価の物価変動率により算定することができる。ただし、当該材料等の工事費全体に占める割合が大きい場合は、別途考慮する。
①三重県設計単価表及び物価資料により実勢価格を設定する場合
・鋼材類の販売形態は、「ひも付き」といわゆる「店売り」に区分され、それぞれ毎に物価資料等に掲載されている。
・ひも付きの鋼材類の場合、一般的に鉄鋼メーカーから現場や工場に納入される2ヶ月前におおむね購入契約が行われていることから、その結果は現場に搬入された月と同月の物価資料等に実勢価格として掲載されている。
・一方、店売りの場合は、納入の概ね1ヶ月以上前に購入契約は完了しており、その結果は現場に搬入された月と同月の物価資料等に実勢価格として掲載されている。
時期 資材調達
(ひも付き)
資材調達
(店売り)価格調査 の流れ
6月
7月
8月
契約(価格決定)
現場搬入
契約(価格決定)
現場搬入
調査期間
8月号
②特別調査や見積りによる場合
・当初積算が特別調査や見積りによる材料など、既存の物価資料に価格が掲載されていない場合は、過去の価格に遡って特別調査や見積りを実施することが困難であることから、当初積算時の類似資材の物価変動率により算定することができる。ただし、当
該材料等の工事費全体に占める割合が大きい場合は、発注者による見積りの徴収、近隣工事における資材の調達状況の確認、また、特別調査により単価設定している場合は特別調査を行った調査機関への問い合わせを行う等により、別途考慮する。
鋼材類の価格決定
価格 採用順 | 設計時点での価格決定方法 | スライド単価の決定方法 |
1 | 三重県設計単価表による場合 | 当該月の設定単価により単価を設定する。 |
2 | 物価資料に掲載がある場合 | 当該月の物価資料により単価を設定する。 |
当初積算時の類似資材の物価変動率により算定することが | ||
3 | 特別調査による場合 | できる。ただし、当該材料等の工事費全体に占める割合が 大きい場合は、発注者による見積りの徴収、近隣工事にお |
ける資材の調達状況の確認、また、特別調査により単価設 | ||
4 | 見積りによる場合 | 定している場合は特別調査を行った調査機関への問い合わ |
せを行う等により、別途考慮する。 |
③減額変更する場合の取り扱いについて
・減額変更する場合において、発注者が有する情報に基づき変動後の価格を算定する場合は、施工計画書に定められている計画工程xxの情報に基づき当該対象材料の搬入等の月及び月毎の搬入数量を設定する。
2-4-3 変動後の実勢価格の算出方法
(増額スライドの場合)
・月毎の搬入数量に応じて加重平均して算出した価格に、対象数量を乗じて算出する。
(減額額スライドの場合)
・各搬入月の実勢価格に、各搬入月の設計数量を乗じた価格とする。各搬入月の設計数量は、対象材料を搬入した月数で平均した数量とし、設計数量に対して端数が生じた場合は、最終月で調整を行う。
・価格変動後の価格を算定する場合には、各月毎の数量が必要となるが、購入時期までを拘束していない設計書の性格上、発注者は対象数量の月毎の内訳を想定することが困難である。このため、増額スライドの場合は、受注者が実際に材料を購入した状況に応じ、複数の月に現場に対象材料が搬入された場合については、加重平均により平均的な単価を決定し、対象数量を乗じて、変動後の価格を算出することとする。
・このような手法を採用するのは、対象数量と購入数量が同じであればどちらの数量を用いても結果に変わりはないが、対象数量と購入数量が異なる場合でも的確に変動後の価格を算出できるようにするためである。
・ただし、減額スライドの場合は、各搬入月の実勢価格に、各搬入月の設計数量を乗じた価格とする。各搬入月の設計数量は、対象材料を搬入した月数で平均した数量とし、設計数量に対して端数が生じた場合は、最終月で調整を行う。
2-5 購入価格の評価方法
・対象材料における購入数量が対象数量と同数の場合は、実際の購入金額とする。
・購入数量が対象数量より多い場合は、「実際の購入金額×対象数量÷購入数量」で算出する。
・鋼材類においては、対象材料となる場合は、対象数量より多い数量の搬入時期等が証明された場合である。対象数量と購入数量が同数の場合の購入金額は受注者が実際に購入した金額とする。しかし、購入数量が対象数量より多い場合は、実際の購入金額のうち、スライド額の算定の対象にできる対象数量にかかる部分のみを購入したと考えた場合の金額である。
2-6 変動額の算定
・1-5の算定式に基づき、変動額を算出する。
2-7 計算例
(落札率95%の工事の場合)
設計単価(円) | 70,000 |
設計図書の数量(t) | 100 |
令和●年4月 | 令和●年5月 | 令和●年6月 | |
各月の実勢価格(円) | 74,000 | 78,000 | 83,000 |
購入時の価格(円) | 71,000 | 75,000 | 78,000 |
搬入時の数量(t) | 20 | 30 | 50 |
○価格変動前の金額:M当初
=設計時点の実勢価格×対象数量×落札率
=70,000×100×0.95=6,650,000
○価格変動後の金額:M変更
=搬入月の実勢価格(加重平均)×対象数量×落札率
(74,000×20+78,000×30+83,000×50)÷(20+30+50)×100×0.95
=7,571,500
○実購入額:M変更
71,000×20+75,000×30+78,000×50=7,570,000
※この場合は、価格変動後の金額M変更は、実購入額を採用
○変動額=(M変更-M当初)×(1+消費税率)
=(7,570,000-6,650,000)×1.1=1,012,000(税込)
3-1 対象材料
・ガソリン、軽油、混合油、重油とする。
・該当する材料は、ガソリン、軽油、混合油、重油とする。
3-2 対象数量
3-2-1 対象数量の考え方
・発注者の設計数量(現場場内建設機械(場外への運搬ダンプ等を含む)が稼働する際に必要な燃料油類)を基本とする。
・燃料油については設計図書に明示していないが、発注者の積算において、現場場内の建設機械や場外への運搬のためのダンプ等が稼働する際に必要な燃料油等として計上されている設計数量を基本とする。
・設計数量は、三重県公共工事設計積算システムを使用している場合は、使用材料一覧(機労材集計リスト)として材料毎に集計した結果が出力されている。
・燃料油類については、増額、減額ともに発注者の設計数量を対象数量とする。
3-2-2 その他
・既済部分払いを行っている場合は、当該既済部分払いの対象となった出来高部分に係る数量を除いた数量を対象数量とする。
3-3 受注者への確認事項
・受注者は、燃料油については、請求しようとするスライド対象材料毎に、購入数量・購入価格等を確認できる書類の提出は不要とする。
・発注者が算定したスライド額を請負代金額の変更額とする。
3-4 単価(実勢価格の算定)
3-4-1 変動前の価格の決定方法
・変動前の価格を算出するための単価は、設計時点における単価とする。
・設計時点における単価は、予定価格を算出する際に用いた単価とする。設計変更を実施した場合も同様に変更金額を算出するために用いた単価とし、新規工種については発注者の指示時点の単価とする。設計変更を行った場合、特に燃料油は、同じ材料でも複数の時点の単価が設定されている場合が多いので注意が必要である。
3-4-2 変動後の実勢価格の決定方法
・工期の始期が属する月から工期末が属する月の前月までの間において、「三重県設計単価表」をもとに、対象材料の単価が適用される日数を加重平均して算定した単価とする。
・増額スライド及び減額スライドする場合も同様に取り扱う。
3-5 変動額の算定
・1-5の算定式に基づき、変動額を算出する。(鋼材類と同様)
4-1 対象材料
4-1-1 対象材料の考え方
・鋼材類、燃料油以外の主要な工事材料を対象とする。
①基本事項
・石油や石炭等の原材料の高騰等により、アスファルト類、コンクリート類等の価格も短期間で急激に上昇しうることから、鋼材類、燃料油以外の主要な工事材料も対象としたものである。
・スライド額の算定の対象とする品目の整理にあたっては、1-3-1の表によるものとし、それ以外の主要な工事材料については、受発注者間の協議により決定するものとする。
②アスファルト類
・アスファルト類の対象工事材料としては、アスファルト混合物、アスファルト乳剤、ストレートアスファルト、改質アスファルト等が想定されるが、対象材料については工事毎に受発注者間の協議により決定するものとする。
③コンクリート類
・コンクリート類の対象工事材料としては、レディーミクストコンクリート(生コン)、セメント、モルタル、コンクリート混和材、コンクリート用骨材、コンクリート二次製品等が想定されるが、対象材料については工事毎に受発注者間の協議により決定するものとする。
4-1-2 その他市場単価・土木工事標準単価の扱い等
①市場単価・土木工事標準単価
・アスファルト類、コンクリート類等の「鋼材類以外の主要な工事材料」を使用し、市場単価・土木工事標準単価(以下、「市場単価等」という。)を用いて積算している工種において、材料費が分離できる場合には対象とすることができる。
・ただし材料費が分離できない市場単価でも、設計図書に数量が記載されている場合は対象とすることができる。
・工種毎の単価が示されている市場単価等において、材料費が分離できる構成となっている場合は、その材料費の変動に伴う工事価格の変動を把握することが可能であることから、対象とすることができる。
・運用については鋼材類と同様の取り扱いとする。
4-2 対象数量
・鋼材類以外の主要な工事材料についても、原則、発注者の設計図書の数量を対象とするが、発注者の設計数量の範囲内で、施工によるロス等の数量についても加味することができる。なお、このロス分を対象数量とする場合は、ロス分についてスクラップ等で売却する金額についても適切に処理する。
・任意仮設等、数量総括表に一式で計上されている工種は、発注者の設計数量を対象数量とすることを基本とする。
①基本事項
・鋼材類以外の主要な工事材料についても、原則、数量総括表や図面等、設計図書に明示されている数量を対象数量とする。この数量について受注者が購入価格、購入先及び購入時期について証明できない場合は、当該材料はスライドの対象としない。
・また、実際の工事現場では施工にあたってロスが生じることから、実際に購入した数量のうち、発注者の設計数量(設計図書で明示されている数量×(1+ロス率))までは、対象数量とすることができる。ロス率については、発注に際して三重県が使用する積算基準等によることとする。
・なお、発注者の設計数量は、三重県公共工事設計積算システムを使用している場合は、使用材料一覧(機労材集計リスト)として材料毎に集計した結果が出力されている。
証明された数量と対象数量の考え方
証明数量<設計図書の数量→当該材料は対象材料とならない
設計図書の数量≦証明数量≦設計数量→対象材料。対象数量は証明数量設計数量<証明数量→対象材料。対象数量は設計数量
注)設計図書の数量:設計図書(数量総括表や図面等)に記載されている数量設計数量:設計図書の数量にロスを加えた数量(積算上の数量)
証明数量:請負者から証明された数量
・ロス分を対象数量とするよう請求があった場合において、スクラップを売却可能な材料については、発注者は受注者に対してスクラップについても対象材料とするよう申し入れるものする。協議が成立しない場合は、対象数量の設定方法の見直し(例えば、ロス率が見込まれる対象数量を設計数量ではなく設計図書の数量とする等)や、スクラップを対象材料として単価の適切な設定(スクラップの単価は、実勢価格の工期の平均値と、受注者が当該工事に該当するとして一部提出したスクラップの売却単価の最大値との高い方の値)などの措置を講じることが必要である。
②任意仮設等、数量総括表に一式で計上されている工種の取り扱い
・任意仮設等、数量総括表に一式で計上されている工種については、受注者が必ずしも発注者が想定した工法で実施せず、使用する材料の種類や数量が発注者の想定と異なっていることが通常あり得る。このような工種について受注者からの請求があった場合は、発注者の設計数量を対象数量とすることを基本とする。
③アスファルト類の取り扱い
・アスファルト類については、設計図書に舗装面積等としては示されてはいるが、舗装材の数量(重量)が示されていない場合が一般的である。積算上は、舗装材の数量は下記式により計算されている。
(アスファルト混合物の重量)
面積×厚さ×締め固め後密度※×(1+ロス率※)
(アスファルト乳剤の散布量)
面積×散布量※
※締め固め後密度及びロス率、アスファルト乳剤散布量は設計で用いた数値を採用する。
・舗装工事は性能規定で発注されている場合もあり、必ずしも発注者が設計時点で想定したものと、実際に施工したものが一致しているとは限らない。この場合、任意仮設と同様に、対象数量は発注者が想定した舗装材についてその設計数量を対象数量とする。
④コンクリート類の取り扱い
・施工パッケージ型積算基準を使用している場合の設計数量(設計図書の数量にロスを加えた数量)の算出例については、次のとおり。
設計図書の数量×(標準単価×コンクリート構成比率/東京地区コンクリート単価)
・なお、発注者の設計数量は、三重県公共工事設計積算システムを使用している場合は、使用材料一覧(機労材集計リスト)として材料毎に集計した結果が出力されている。
⑤減額変更する場合の取り扱い
・減額変更する場合において、発注者が有する情報に基づき変動後の価格を算定する場合は、発注者の設計数量を対象数量とする。
・発注者が算定したスライド額に対し受注者が異議を申し立てたときの数量の取り扱いは上記①~④に準じるものとするが、証明数量が設計図書の数量を下回る場合(証明数量<設計図書の数量)は、発注者の設計数量を対象数量とする。
⑥その他
・既済部分払いを行っている場合は、当該既済部分払いの対象となった出来高部分に係る数量を除いたものを設計数量とする。
4-3 受注者への確認事項
・鋼材類以外の主要な材料も、基本的に材料の取引形態に照らし対象数量全量の搬入等の時期、購入先、単価・購入価格を確認することが可能であるため、それが証明できる納品書、請求書、領収書の提出を受注者に求めること。
・増額変更において、必要な書類が提出されないなど具体的な証明がなされない場合は、その材料は単品スライド条項の対象材料としない。
・減額変更において、異議申し立てがない場合や、異議申し立てがあり必要な書類が提出されないなど具体的な証明がなされない場合は、発注者が算定したスライド額を請負代金額の変更額とする。
①基本事項
・単品スライド条項は、対象とする材料が当初の想定と比べ、実際に購入した時期に著しく価格が変動したために請負代金額の変更をしようとするものであるため、この条項に基づくスライド額の算定に当たっては、実際の購入時期や購入価格が受注者に証明されることが前提となる。
・このため、材料の取引形態に照らし数量、価格等の入手実態が明確な材料については、対象数量全量の搬入等の時期、購入先及び購入価格を証明する書類として、納品書、請求書、領収書の全てを提出してもらい、購入実態を的確に把握することが必要である。
・下請企業等が購入している場合は、その企業の書類(納品書、請求書、領収書)で問題ないが、施工体制台帳等で当該企業がその工事に従事していることを別途確認すること。
・必要な証明書類が提出されない場合や提出された書類の信憑性がない場合など、現場への搬入時期等を確認できない材料は単品スライド条項の対象材料としない。これは、品目毎に実勢価格を用いて算出した変動後の価格と実際の購入価格のどちらか安い方の金額を採用することとしているが(1-5-1参照)、基本的に購入価格と数量を証明することが可能であるため、実際の購入価格が安い場合でも書類の提出を義務づけることによって、スライド額が実際よりも高いものとなることを回避する意味がある。ここでいう材料とは規格毎の材料という意味であり、搬入時期等を確認できない材料があったとしても規格が異なる他の材料まで単品スライド条項の対象材料としないという趣旨ではない。
・なお、鋼材類については、独自の商慣行に基づき、やむを得ない場合は一部証明書類の提出の省略を規定しているが、その他の主要な工事材料について、同等の事情があると認められる場合は、同規定を準用することができる。
②任意仮設等、数量総括表に一式で計上されている工種の取り扱い
・任意仮設等、数量総括表に一式で計上されている工種に対する請求があり、かつ、受注者の実際の施工が発注者の想定と異なる場合は、受注者の施工に必要となった材料の搬入時期を証明する書類をもって証明できることとする。
③材料の「搬入」の取り扱い
・材料の「搬入」とは、工事現場に直接搬入される場合のみならず、非鉄金属などのように工場に直接搬入される場合もあるが、その場合の搬入時期は工場に搬入される時期とする。
④アスファルト類の取り扱い
・自社内での取引であったため、納品書、請求書、領収書等が存在しない場合は、それに代わる社内書類で購入価格の証明を求めるものとする。
・また、受注者からの証明金額が工場渡しである場合は、運搬費に要した金額をあわせて証明を求めるものとする。
・ただし、運搬費用の証明が困難な場合には、発注に際して三重県が使用する積算基準等により算出するものとする。その際、実勢価格(現着単価)と比較して安価な単価をスライド算定に用いるものとする。
⑤減額変更する場合の取り扱い
・減額変更する場合においては、施工計画書に定められている計画工程xxの発注者が有する情報に基づき変動後の価格を算定することとするため、受注者に対し、受注者が対象材料を実際に購入した際の数量、単価及び購入先並びに当該対象材料の搬入等の月を証明する書類の提出は求めないものとする。
・ただし、発注者が算定したスライド額に対し受注者が異議を申し立てたときは、発注者は受注者に対し、受注者が対象材料を実際に購入した際の数量、単価及び購入先並びに当該対象材料の搬入等の月を証明する書類の提出を求めるものとする。
4-4 単価(実勢価格の算定)
4-4-1 変動前の価格の決定方法
・変動前の価格を算出するための単価は、設計時点における単価とする。
・設計時点における単価は、予定価格を算出する際に用いた単価とする。設計変更を実施した場合も同様に変更金額を算出するために用いた単価とし、新規工種については発注者の指示時点の単価とする。
・なお、一般的に受注者は、自らが当初想定した金額を根拠に単品スライド条項を請求するものと考えられるが、受注者の想定した金額の妥当性を客観的に証明することは実態上困難であることから、変動前の価格は発注者の想定した金額とする。
4-4-2 変動後の実勢価格の決定方法
・アスファルト類やコンクリート類等、契約と現場搬入の時期に差がある材料の価格変動後の価格の算定に用いる実勢単価は、鋼材類の変動後の実勢価格の決定・算出方法(2-4-2,2-4-3)に準じて対象材料が現場に搬入された月の物価資料の価格とする。
・これ以外の主要な工事材料においても、鋼材類に準じるものとするが、契約と購入がほとんど同時期に行われたことが証明された材料については、対象材料を購入した翌月の実勢価格とする。
・契約と購入がほとんど同時期に行われる材料については、鋼材類とは異なり、現場で購入した翌月の物価資料等に実勢価格として掲載されている。
時期 | 6月 | 7月 | 8月 | ||
資材調達 | 購入( |
価格決定)現場搬入 | |||
価格調査の流れ | |||||
8月号 | |||||
調査期間 | |||||
4-5 購入価格の評価方法
・対象材料における購入数量が対象数量と同数の場合は、実際の購入金額とする。
・購入数量が対象数量より多い場合は、「実際の購入金額×対象数量÷購入数量」で算出する。
・対象材料となる場合は、対象数量より多い数量の搬入時期等が証明された場合である。対象数量と購入数量が同数の場合の購入金額は受注者が実際に購入した金額そのものとする。しかし、購入数量が対象数量より多い場合は、実際の購入金額のうち、スライド額の算定の対象にできる対象数量にかかる部分のみを購入したと考えた場合の金額である。
4-6 変動額の算定
・1-5の算定式に基づき、変動額を算出する。(鋼材類と同様)
5-1 請求時期
・工期末の2ヶ月前までに請求を行う。
・なお、上記の請求を行った場合は、請求日に関わらず、工事開始日以降に調達した品目についてスライドの対象となる。
・単品スライド条項の請求は、工期内で必要な協議期間及び契約変更手続きに要する期間が確保できるよう、工期末の2ヶ月前までを原則とする
・協議開始から協議終了までの期間として14日間を確保することが一般的であるが、工期末の直近で請求があった場合など十分な協議期間が確保できないことも考えられることから、協議期間については、受発注者協議の上、適切に措置する必要がある。
<単品スライド請求のスケジュール(イメージ)>
5-2 協議の手続き
・単品スライド額の算定にあたって、「請負代金額・対象数量」は、「最終的な全体工事費・契約数量」をもって行うことが原則であることから、協議開始日までに、単品スライド分を除く精算変更(全体スライド及びインフレスライドを含む)をすること。(原則)
・その後、受発注者協議の上で単品スライド額を確定し、契約により最終請負代金額を確定させる。
<単品スライドと通常の設計変更の関係(イメージ)>
<単品スライドと全体スライド又はインフレスライドの関係(イメージ)>
・しかしながら、最終的な数量の確定までに期間を要する場合などこれによりがたい場合も想定されるが、その場合は、受注者と十分調整の上実施すること。
5-3 部分払時の取扱
・建設工事請負契約書第37条に基づき、請負代金の部分払を行うに当たり、対象材料の価格変動に伴って、当該工事の請負代金額が不適当となるおそれがあると認めるときは、発注者又は受注者の求めに応じ、別途定める様式により、発注者又は受注者は部分払の対象となった出来高部分等についても単品スライド条項の協議の対象とすることができる旨を通知するものとする。
5-4 部分引き渡しにかかる指定部分の取り扱い
・部分引き渡しを行う「指定部分」は、指定部分の工期の2ヶ月前までに請求。
・部分引き渡しを行う指定部分については、その部分のみを対象に単品スライド条項が適用されるため、指定部分の工期2ヶ月前までに単品スライド請求を行う。
別表1
市場単価・土木工事標準単価の扱い<市場単価>
工種 | 名称 | 規格 | 単位 | ※ 取扱い | 備考 |
鉄筋工(太径鉄筋含む) | 鉄筋工 | 鉄筋加工・組立 | t | ① | 鋼材類 |
鉄筋工(ガス圧接工) | ガス圧接工 | ガス圧接工手動(半自動)・自動 | 箇所 | ② | 材料分離不可 |
インターロッキングブロック工 | インターロッキングブロック工 | 設置 | m2 | ② | 材料分離不可(※②) |
防護柵設置工(ガードレール) | ガードレール設置工 | 標準型(土xx込) | m | ② | 材料分離不可(※②) |
標準型(コンクリート建込) | m | ② | 材料分離不可(※②) | ||
耐雪型(土xx込) | m | ② | 材料分離不可(※②) | ||
耐雪型(コンクリート建込) | m | ② | 材料分離不可(※②) | ||
部材設置(レール設置)(耐雪型含む) | m | ① | 鋼材類 | ||
防護柵設置工(ガードパイプ) | ガードパイプ設置工 | 標準型(土xx込) | m | ② | 材料分離不可(※②) |
標準型(コンクリート建込) | m | ② | 材料分離不可(※②) | ||
部材設置(パイプ設置) | m | ① | 鋼材類 | ||
防護柵設置工(横断・転落防止柵) | 横断・転落防止柵設置工 | 土xx込 | m | ① | 鋼材類 |
プレキャストコンクリートブロック建込 | m | ① | 鋼材類 | ||
コンクリート建込 | m | ① | 鋼材類 | ||
アンカーボルト固定 | m | ① | 鋼材類 | ||
部材設置(ビームまたはパネルの設置) | m | ① | 鋼材類 | ||
根巻きコンクリート設置 | m | ② | 材料分離不可 | ||
防護柵設置工(落石防護柵) | 落石防護柵設置工 | 中間支柱設置x | x | ② | 材料分離不可 |
端末支柱設置x | x | ② | 材料分離不可 | ||
ロープ・金網設置工(間隔保持材付き) | m | ② | 材料分離不可 | ||
ロープ・金網設置工(上弦材付き) | m | ② | 材料分離不可 | ||
ステーロープ設置x | x | ② | 材料分離不可 | ||
防護柵設置工(落石防止網) | 落石防止網設置工 | 金網・ロープ設置 | m2 | ② | 材料分離不可 |
アンカー設置 | 箇所 | ② | 材料分離不可 | ||
ポケット式支柱(アンカー固定式) | 箇所 | ② | 材料分離不可 | ||
法面工 | 法面工 | モルタル吹付工 | m2 | ② | 材料分離不可 |
コンクリート吹付工 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
機械藩種施工による植生工(植生基材吹付工) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
機械藩種施工による植生工(客土吹付工、種子散布工) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
人力施工による植生工(植生マット工、植生シート工) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
人力施工による植生工(植生筋工、筋xx) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
人力施工による植生工(張芝工) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
ネットxx(繊維ネット工) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
吹付枠工 | 吹付枠工 | モルタル・コンクリート | m | ② | 材料分離不可 |
ラスxx | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
道路植栽工 | 道路植栽工 | 植樹x | x | ① | その他材料 |
支柱設置 | 本(m) | ② | 材料分離不可 | ||
地被類植付工 | 鉢 | ① | その他材料 | ||
植樹管理(せん定) | 本(m2) | - | 材料費含まず | ||
植樹管理(施肥) | 本(m2) | ① | その他材料 | ||
植樹管理(除草・芝刈・灌水) | m2 | - | 材料費含まず | ||
植樹管理(防除) | 本(m2) | ① | その他材料 | ||
移植工(掘取工) | 本 | ② | 材料分離不可 | ||
橋梁用伸縮継手装置設置工 | 橋梁用伸縮継手装置設置工 | m | ① | 鋼材類 | |
橋梁用埋設型伸縮継手装置設置工 | 橋梁用埋設型伸縮継手装置設置工 | m | ① | 鋼材類・その他材料 | |
薄層カラー舗装工 | 薄層カラー舗装工 | 樹脂モルタル舗装工 | m2 | ② | 材料分離不可 |
景観透水性舗装工 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
樹脂系すべり止め舗装工 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
道路標識設置工 | 道路標識設置工 | 標識柱・基礎設置(路側式) | 基 | ② | 材料分離不可 |
標識柱設置(片持式) | 基 | ① | 鋼材類 | ||
標識柱設置(門型式) | 基 | ① | 鋼材類 | ||
標識基礎設置(片持式・門型式) | m3 | ② | 材料分離不可 | ||
標識板設置(案内標識) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
標識板設置(警戒・規制・指示・路線) | m2 | ① | 鋼材類 | ||
添架式標識板取付金具設置(信号アーム部) | 基 | ② | 材料分離不可 | ||
添架式標識板取付金具設置(照明柱・既設標識柱) | 基 | ② | 材料分離不可 | ||
添架式標識板取付金具設置(歩道橋) | 基 | ① | 鋼材類 |
取扱い欄①:市場単価等に材料費が含まれており分離が可能な工種
②:市場単価等に材料費が含まれているが市場単価等の構成上、分離ができない工種
(備考欄「※②」について、設計図書に材料が明示されている場合は、その数量について単品スライド対象とすることができる。)
別表1
市場単価・土木工事標準単価の扱い<市場単価>
工種 | 名称 | 規格 | 単位 | ※ 取扱い | 備考 |
道路付属物設置工 | 道路付属物設置工 | 視線誘導標設置・土xx込用 | 本 | ② | 材料分離不可(※②) |
視線誘導標設置・コンクリート建込用(穿孔含む) | 本 | ② | 材料分離不可(※②) | ||
視線誘導標設置・コンクリート建込用(穿孔含まない) | 本 | ② | 材料分離不可(※②) | ||
視線誘導標設置・防護柵取付用 | 本 | ② | 材料分離不可(※②) | ||
視線誘導標設置・構造物取付用 | 本 | ② | 材料分離不可(※②) | ||
視線誘導標設置(スノーポール併用型) | 本 | ② | 材料分離不可(※②) | ||
境界杭設置 | 本 | ① | その他材料 | ||
道路鋲設置(穿孔式) | 個 | ② | 材料分離不可(※②) | ||
道路鋲設置(貼付式) | 個 | ② | 材料分離不可(※②) | ||
車線分離標設置(可変式・着脱式)(穿孔式) | 本 | ② | 材料分離不可(※②) | ||
車線分離標設置(固定式)(貼付式) | 本 | ② | 材料分離不可(※②) | ||
境界鋲設置金属製 | 本 | ① | その他材料 | ||
公園植栽工 | 公園植栽工 | 植樹x | x | ① | その他材料 |
支柱設置 | 本(m) | ② | 材料分離不可 | ||
地被類植付工 | 鉢 | ① | その他材料 | ||
軟弱地盤処理工 | 軟弱地盤処理工 | サンドドレーン工 | m | ① | その他材料 |
サンドコンパクションパイル工 | m | ① | その他材料 | ||
橋面防水工 | 橋面防水工 | シート系防水 | m2 | ② | 材料分離不可 |
塗膜系防水 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
グルービング工 | グルービング工 | m2 | - | 材料費含まず | |
鉄筋挿入工(ロックボルト工) | 鉄筋挿入工 | 鉄筋挿入工 | m | ① | 鋼材類・コンクリート類 |
仮設足場の設置・撤去 | 空m3 | ② | 材料分離不可 | ||
コンクリート表面処理工(ウォータージェット工) | コンクリート表面処理工 | m2 | ② | 材料分離不可 |
市場単価・土木工事標準単価の扱い<土木工事標準単価>
工種 | 名称 | 規格 | 単位 | ※ 取扱い | 備考 |
区画線工 | 区画線工 | 溶融式(手動) | m | ① | 燃料油・その他材料 |
ペイント式(車載式) | m | ① | 燃料油・その他材料 | ||
区画線消去(削取り式) | m | ① | 燃料油・その他材料 | ||
区画線消去(ウオータージェット式) | m | - | 材料費含まず | ||
区画線工(北海道特殊規格) | 溶融式(車載式) | m | ① | 燃料油・その他材料 | |
ペイント式(車載式) | m | ① | 燃料油・その他材料 | ||
ペイント式(手動) | m | ① | 燃料油・その他材料 | ||
高視認性区画線工 | 高視認性区画線工 | リブ式・溶融式 | m | ① | 燃料油・その他材料 |
非リブ式・溶融式 | m | ① | 燃料油・その他材料 | ||
区画線消去(削取り式) | m | ① | 燃料油 | ||
橋梁塗装工 | 橋梁塗装工 | 新橋現場塗装・新橋継手部現場塗装素地調整 | m2 | ② | 材料分離不可 |
新橋現場塗装・新橋継手部現場塗装研磨材及びケレンかす回収・積込工 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
新橋現場塗装・新橋継手部現場塗装ミストコート | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
新橋現場塗装・新橋継手部現場塗装下塗り塗装 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
新橋現場塗装・新橋継手部現場塗装中塗り塗装 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
新橋現場塗装・新橋継手部現場塗装上塗り塗装 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗替塗装清掃・水洗い | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗替塗装素地調整 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗替塗装研磨剤及びケレンかす回収・積込工 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗替塗装下塗り塗装 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗替塗装中塗り塗装 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗替塗装上塗り塗装 | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
構造物とりこわし工 | 構造物とりこわし工 | 無筋構造物 | m3 | - | 材料費含まず |
鉄筋構造物 | m3 | - | 材料費含まず | ||
コンクリートブロック積工 | コンクリートブロック積工 | ブロック積工(練積・xx) | m3 | ① | コンクリート類 |
排水構造物工 | 排水構造物工 | U字側溝 | m | ① | コンクリート類 |
自由勾配側溝 | m | ① | コンクリート類 | ||
蓋版 | 枚 | ① | 鋼材類・コンクリート類 | ||
鋼製排水溝設置工 | 鋼製排水溝設置工 | 鋼製排水溝設置 | m | ① | 鋼材類 |
取扱い欄①:市場単価等に材料費が含まれており分離が可能な工種
②:市場単価等に材料費が含まれているが市場単価等の構成上、分離ができない工種
(備考欄「※②」について、設計図書に材料が明示されている場合は、その数量について単品スライド対象とすることができる。)
別表1
市場単価・土木工事標準単価の扱い<土木工事標準単価>
工種 | 名称 | 規格 | 単位 | ※ 取扱い | 備考 |
表面被覆工(コンクリート保護塗装) | 表面被覆工(コンクリート保護塗装) | 下地処理 | m2 | - | 材料費含まず |
プライマー塗布(CC-A塗装、CC-B塗装) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
下地調整(CC-A塗装、CC-B塗装) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗装(中塗り)(CC-A塗装) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗装(中塗り)(CC-B塗装) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗装(上塗り)(CC-A塗装) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗装(上塗り)(CC-B塗装) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
表面含浸工 | 表面含浸工 | 簡易清掃 | m2 | - | 材料費含まず |
下地処理 | m2 | - | 材料費含まず | ||
含浸材塗布 | m2 | ① | その他材料 | ||
連続繊維シート補強工 | 連続繊維シート補強工 | 下地処理 | m2 | - | 材料費含まず |
プライマー塗布 | m2 | ① | その他材料 | ||
不陸修正 | m2 | ① | その他材料 | ||
連続繊維シート本体貼付(一層当たり) | m2 | ① | その他材料 | ||
仕上げ塗装(中塗り+上塗り) | m2 | ① | その他材料 | ||
仕上げモルタル・塗装(モリタル+モルタル用上塗り) | m2 | ① | その他材料 | ||
剥落防止工(アラミドメッシュ) | 剥落防止工(アラミドメッシュ) | アラミドメッシュ本体貼付 | m2 | ① | その他材料 |
漏水対策材設置工 | 漏水対策材設置工 | 漏水対策材設置 | m | ① | その他材料 |
防草シート設置工 | 防草シート設置工 | 防草シート設置(覆土) | m2 | ① | その他材料 |
防草シート設置(露出) | m2 | ① | その他材料 | ||
紫外線硬化型FRPシート設置工(ポリエステル樹脂) | 紫外線硬化型FRPシート設置工(ポリエステル樹脂) | 紫外線硬化型FRPシート設置(紫外線照射なし) | m2 | ② | 材料分離不可 |
紫外線硬化型FRPシート設置(紫外線照射あり) | m2 | ② | 材料分離不可 | ||
塗膜除去工 | 塗膜除去工 | 塗膜剥離剤塗布・塗膜除去 | m2 | ① | その他材料 |
バキュームブラスト工 | バキュームブラスト工 | バキュームブラスト | m2 | ② | 材料分離不可 |
道路反射鏡設置工 | 道路反射鏡設置工 | 支柱・基礎設置 | 基 | ② | 材料分離不可 |
鏡体設置 | 基 | ② | 材料分離不可 | ||
鏡体撤去 | 基 | - | 材料費含まず | ||
支柱・基礎撤去 | 基 | - | 材料費含まず | ||
仮設防護柵設置工(仮設ガードレール) | 仮設防護柵設置工(仮設ガードレール) | 仮設防護柵設置H鋼基礎 | m | ① | 鋼材類 |
仮設防護柵設置独立基礎ブロック | m | ① | 鋼材類・コンクリート類 | ||
仮設防護柵設置連続基礎ブロック | m | ① | 鋼材類・コンクリート類 | ||
仮設防護柵撤去H鋼基礎 | m | - | 材料費含まず | ||
仮設防護柵撤去独立基礎ブロック | m | - | 材料費含まず | ||
仮設防護柵撤去連続基礎ブロック | m | - | 材料費含まず | ||
機械式継手工 | 機械式継手工 | 継手方式(1) | 箇所 | ① | 鋼材類 |
継手方式(2) | 箇所 | ① | 鋼材類 | ||
抵抗板付鋼製杭基礎工 | 抵抗板付鋼製杭基礎工 | 打込または引抜施工条件Ⅰ | 回 | ① | 鋼材類 |
打込または引抜施工条件Ⅱ | 式 | ① | 鋼材類 | ||
打込または引抜施工条件Ⅲ | 式 | ① | 鋼材類 | ||
ノンコーキング式コンクリートひび割れ誘発目地設置工 | ノンコーキング式コンクリートひび割れ誘発目地設置工 | m | ② | 材料分離不可 | |
FRP製格子状パネル設置工 | FRP製格子状パネル設置工 | 枚 | ② | 材料分離不可 | |
侵食防止用植生マット工(養生マット工) | 侵食防止用植生マット工(養生マット工) | m2 | ① | その他材料 | |
支承金属溶接工 | 支承金属溶接工 | 支承金属溶射ブラスト法(潤滑性防錆剤注入なし) | 基 | ② | 材料分離不可 |
支承金属溶射ブラスト法(潤滑性防錆剤注入あり) | 基 | ② | 材料分離不可 | ||
支承金属溶射粗面形成法 | 基 | ② | 材料分離不可 | ||
仕上げ塗装(1層) | 層 | ② | 材料分離不可 | ||
耐圧ポリエチレンリブ管(ハウエル管)設置工 | 耐圧ポリエチレンリブ管(ハウエル管)設置工 | 耐圧ポリエチレンリブ管(ハウエル管)設置 | m | ① | その他材料 |
取扱い欄①:市場単価等に材料費が含まれており分離が可能な工種
②:市場単価等に材料費が含まれているが市場単価等の構成上、分離ができない工種
(備考欄「※②」について、設計図書に材料が明示されている場合は、その数量について単品スライド対象とすることができる。)
(参考)全体スライド、単品スライド及びインフレスライドの違い
項 目 | 全体スライド (第1~4項) | 単品スライド (第5項) | インフレスライド (第6項) | |
適用対象工事 | 工期が12ヶ月を超える工事 但し、残工期が2ヶ月以上ある工事 (比較的大規模な長期工事) | すべての工事 但し、残工期が2ヶ月以上ある工事 | すべての工事 但し、残工期が2ヶ月以上ある工事 | |
条項の趣旨 | 比較的緩やかな価格水準の変動に対応する措置 | 特定の資材価格の急激な変動に対応する措置 | 急激な価格水準の変動に対応する措置 | |
対 象 | 請負契約締結の日から12ヶ月経過 | 部分払いを行った出来高部分を除 | 基準日以降の残工事量に対する資 | |
後の残工事量に対する資材、労務 | く | 材、労務単価等 | ||
単価等 | 特定の資材(鋼材類、燃料油類 | |||
等) | ||||
残工事費の1.5% | 対象工事費の1.0% | 残工事費の1.0% | ||
請負額変更 | 受注者 | (但し、全体スライド又はインフ レスライドと併用の場合、全体ス | (30条「天災不可抗力条項」に準 拠し、建設業者の経営上最小限度 | |
の方法 | の負担 | ライド又はインフレスライド適用 期間における負担はなし) | 必要な利益まで損なわないよう定 められた「1%」を採用。単品ス | |
ライドと同様の考え) | ||||
再スライド | 可能 | なし | 可能 | |
(全体スライド又はインフレスラ イド適用後、12ヶ月経過後に適用 | (部分払いを行った出来高部分を 除いた工期内全ての特定資材が対 | |||
可能) | 象のため、再スライドの必要がな | |||
い) |
別紙-1 単品スライド額算定の考え方(概略フロー)
品目名 | 該当工事材料 |
鋼材類 | 鉄筋、形鋼、xx、鋼管(杭)、ダクタイル鋳鉄管、ボルト ナット、鉄線、鉄網等鉄製品 |
燃料油 | ガソリン、軽油、重油、混合油 |
その他金属類 | ステンレス製品、アルミニウム製品、銅製品等非鉄金属製品 |
その他石油製品 | 合成ゴム等石油製品、瀝青系資材等 |
コンクリート類 | 生コンクリート、セメントモルタル、セメント |
アスファルト類 | 加熱アスファルト混合物、アスファルト乳剤等 |
コンクリート製品類 | U 字溝、L 形側溝、ボックスカルバート、コンクリート擁壁、 その他 PC 製品等 |
石材類 | 砕石・砂(再生材を含む)、捨石、栗石、張り石、山土など |
木材類 | 角材、木杭、横xxなど木製品 |
合成樹脂類 | 硬質塩化ビニル管、一般用ポリエチレンxx合成樹脂製品 |
タイル類 | 内外装タイル、床タイルなど |
ガラス類 | フロートガラス、強化ガラスなど |
内装ボード類 | 石こうボード、岩綿吸音板、けい酸カルシウム板 |
増額変更の場合の例 (参考)対象品目及び材料
受注者
❑ 単品スライドの請求
(必要な情報、資料等)
・対象品目、対象材料
・変更請求概算額
・材料毎に対象数量、搬入・購入等の時期、購入先、単価・購入価格及び、それが
証明できる納品書、請求書、領収書
発注者
❑ ①と②を比較して安い方を採用する。
①実勢価格に基づく変動後の金額※ 実勢価格は落札率を考慮
②実際の購入金額※
※品目毎の合計金額で比較する(材料毎の比較は行わない)
発注者
❑ 品目毎の変動額が請負代金額※の
1%を超えるかを確認
発注者
❑ 品目毎の変動額が請負代金額※の
1%を超えるかを確認
品目の一部の材料について実際の購入金額を用いて確認することも可
「①実勢価格に基づく変動後の金額」が安価となる 品目
「②実際の購入金額」が安価となる品目
変動額が請負代金額※の1%を超える品目
変動額が請負代金額※の1%を超える品目
発注者
❑ 実勢価格にて
スライド額を算定
変動額が請負代金額※の1%を超えない品目は単品スライドの対象外
発注者
❑ 実際の購入金額にて
スライド額を算定
変動額が請負代金額※の1%を超えない品目は単品スライドの対象外
※部分払いをした工事における「請負代金額」は出来高部分に相応する請負代金額を控除した額
受注者から実際の購入金額でスライド額を算出す ることを希望する旨の申し出があった場合
❑ 申し出のあった材料毎にスライド額を
「実際の購入金額」にて算出するか、
「実勢価格」にて算出するかを確認
具体的なフローは次ページ参照
38
受注者
❑ 実際の購入金額でのスライド額算定を希望
・対象品目及び対象材料を申出※
・実購入先を含まない2社以上の見積り提出※
「実際の購入金額の単価」が「実勢価格(落札率考慮)」以上となることを受注者にて確認
別紙-2 単品スライド額算定の考え方(実際の購入金額の確認フロー)
(補足)見積りについて
❏工期内の代表的な月(1ヶ月以上)とする
※単品スライドの請求時にあわせて提出
第1段階
発注者
❑ 受注者から提出された見積りから「地域の材料価格の傾向」と「実際の購入金額での検討」を行うことの妥当性を確認
<チェック項目>
❑ 対象材料ごとに以下を確認
・「現場に搬入された月もしくは購入した月」のうち、代表的な月(1ヶ月以上)の単価で確認
「実際の購入金額の単価」と2社以上の「見積り単価」を比較し、「実際の購入金額の単価」が最も安価となる
実際の購入金額の単価」が 最も安価とならない材料
実勢価格にて算出
❑ 実購入先の当該材料の価格変動は社会(もしくは地域)全体としてのものではない。
実際の購入金額の単価」が最も安価となる材料
第2段階
発注者
❑ 「実際の購入金額」の「実勢価格」からの乖離の程度を確認
<チェック項目>
❑ ①が②以内であるかを確認
①「実際の購入金額の単価」
(複数月に渡って搬入している場合は、購入単価の加重平均)
②「実勢価格の単価(落札率考慮)+30%」
(複数月に渡って搬入している場合は、
実勢価格の単価(落札率考慮)の加重平均+30%)
❑ ①が②を上回る場合、特別に考慮すべき価格変動要因がないかを確認
<確認方法> 各発注者の判断による
1)発注者による見積り徴収
2)近隣工事における材料調達状況
3)特別調査で設定した単価の場合、調査機関へのヒアリング等
実際の購入金額の
妥当性が確認できない
実勢価格にて算出
実勢価格の単価(落札率)の+
30%は発注者として妥当性を確認するためのものであり、+
30%を超えても妥当性が確認されれば採用可能
実際の購入金額の妥当性が確認できる
実際の購入金額にて算出
❑ ①が②以内の場合、実際の購入金額の単価は概ね材料価格の上昇傾向と合致しているため、妥当と判断
❑ ①が②を上回る場合、実際の購入金額の単価が妥当であることが発注者が入手できる情報・資料から確認できる
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