業績等の概要. 業績〕 (金融経済環境) 当連結会計年度の金融経済環境でありますが、海外では、BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)を中心とした新興国や資源国が力強い成長を遂げました。一方、欧米先進国では、財政赤字の拡大や失業率の高止まりといった構造問題の深刻化がみられましたが、年度後半には輸出の拡大や金融・財政政策の追加などを受けて、米国経済を中心に回復感が強まりました。わが国経済は、平成22年度に入って以降、減速傾向を辿り、エコカー補助金の終了なども加わった秋口からは景気の踊り場局面となりました。年明け後、海外景気の回復に伴う輸出と生産の持ち直しで再回復に向けた動きが拡がりつつありましたが、3月に発生した東日本大震災により不透明感が高まっております。 金融情勢に目を転じますと、政策金利は、景気好調の新興国や資源国で引き上げが相次ぐ一方、米国や欧州では低金利政策が維持されました。わが国では、日本銀行が、平成21年度に導入した固定金利オペを拡充し、5月には成長基盤強化支援に向けた資金供給を、10月にはリスク資産の買入や無担保コールレート翌日物の誘導目標について、0.1%前後から0~0.1%程度への変更を決定するなど、非伝統的な金融政策の領域に一段と踏み込みました。こうしたなか、短期市場金利は低下傾向を辿りましたが、長期市場金利は年度後半以降、低水準ながらも上下に振れる展開となりました。一方、円の対ドル相場は、リスク回避の円買いなどを受けて円高圧力がかかりやすい状況が続き、震災発生後には史上最高値を更新しました。株価は、年度前半に低下した後、世界的な株式市場の反発にあわせて上昇に転じましたが、震災発生後に大幅な落ち込みを示しました。 (経営方針) 当社および当社グループ各社は、当社が採択したMUFGグループが共有する「グループ経営理念」、および当社の全役職員が共有すべき基本的・普遍的な価値観(姿勢)を表すものとして制定した 「経営ビジョン」に基づき、経営に当たっております。 <グループ経営理念> 1. お客さまの信頼と信用を旨とし、国内はもとよりグローバルにお客さまの多様なニーズに対し、的確かつ迅速にお応えする。 2. 新分野の開拓と新技術の開発に積極的に取組み、革新的かつ高品質な金融サービスを提供する。 3. 法令やルールを厳格に遵守し、公明正大で透明性の高い経営を行い、広く社会からの信頼と信用を得る。 4. たゆまぬ事業の発展と適切なリスク管理により、企業価値の向上を実現すると共に、適時・適切な企業情報の開示を行い、株主の信頼に応える。 5. 地域の発展に寄与すると共に、環境に配慮した企業活動を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する。 6. グループ社員が専門性を更に高め、 その能力を発揮することができる、機会と職場を提供していく。 <経営ビジョン> 信託業務の新たな発展に貢献し、 信託銀行として最高のサービスを提供する。 当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核として、専門性を一層発揮し、より質の高い、競争力のある商品やサービスの開発ならびに新たな市場やチャネルの開拓によるお客さまへの商品提供機会の拡大に注力していく所存であります。 (当連結会計年度の業績) 当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりとなりました。 資産の部につきましては、債券を中心に有価証券が増加したこと等により当連結会計年度中2兆 5,728億円増加して、25兆2,800億円となりました。負債の部につきましては、譲渡性預金の増加等により2兆6,087億円増加して、23兆8,665億円となりました。純資産の部につきましては、株価の下落等によるその他有価証券評価差額金の減少を主因として358億円減少して、1兆4,134億円となりました。 また、信託財産総額につきましては、投資信託や金銭債権の信託の受託残高の増加等により2兆 7,717億円増加して、131兆3,056億円となりました。 損益の状況につきましては、当社の本業の期間損益を示す連結実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、前連結会計年度比421億円増加して1,567億円となりました。これは、金利収入・手数料収入が増加となったことに加え、債券関係損益が大幅に改善したことが主因であります。 セグメント別では、リテール部門が68億円(前連結会計年度比+3億円)、法人部門が587億円(同△30億円)、受託財産部門が313億円(同△11億円)、不動産部門が73億円(同+9億円)、証券代行部門が183億円(同△11億円)、市場国際部門が564億円(同+190億円)となりました。 また、株式等関係損益は、株価下落に伴う株式等償却の発生を主因として244億円の損失となり、与信関係費用は、85億円となりました。 以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,092億円となり、これに法人税等合計・少数株主損益を加味した当期純利益は99億円増加の762億円となりました。 国際統一基準による連結自己資本比率は、株価下落に伴い有価証券の含み損益が悪化したことを主因に自己資本額が減少し、前連結会計年度末比0.08ポイント低下して、15.93%となりました。 〔キャッシュ・フロー〕 当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動においては前連結会計年度比収入が 1兆1,771億円増加して2兆3,257億円の収入となる一方、投資活動においては支出が2,620億円増加して1兆5,920億円の支出となりました。また、財務活動におけるキャッシュ・フローは支出が1,637億円増加して956億円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比6,184億円増加して1兆1,953億円となりました。 (1) 国内・海外別収支 国内
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業績等の概要. 業績〕 (金融経済環境) 当連結会計年度の金融経済環境でありますが、海外では、BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)を中心とした新興国や資源国が力強い成長を遂げました。一方、欧米先進国では、財政赤字の拡大や失業率の高止まりといった構造問題の深刻化がみられましたが、年度後半には輸出の拡大や金融・財政政策の追加などを受けて、米国経済を中心に回復感が強まりました。わが国経済は、平成22年度に入って以降、減速傾向を辿り、エコカー補助金の終了なども加わった秋口からは景気の踊り場局面となりました。年明け後、海外景気の回復に伴う輸出と生産の持ち直しで再回復に向けた動きが拡がりつつありましたが、3月に発生した東日本大震災により不透明感が高まっております当連結会計年度の金融経済環境でありますが、昨年半ばから秋頃までは世界的に停滞感の強い展開となっていたものの、その後は徐々に明るさが増してきました。海外では、米国において昨年後半から住宅市場や雇用の改善が目立つようになり、アジアでも夏場過ぎを底に景気が上向きとなりました。一方で、欧州においては、金融市場の緊張が一頃よりも緩和しましたが、実体経済は悪化を続けました。こうしたなか、わが国経済は平成24年度初から海外経済の一段の減速などによる下押し圧力が強まって回復基調が崩れ、一時は景気後退か、それに近い状態に陥りましたが、昨年末の新政権発足後、緊急経済対策・補正予算や金融緩和の強化などの政策が次々と打ち出されたことにより、円安と株高が進行し、家計や企業の景況感も急速に改善してきております。 金融情勢に目を転じますと、政策金利は、景気好調の新興国や資源国で引き上げが相次ぐ一方、米国や欧州では低金利政策が維持されました。わが国では、日本銀行が、平成21年度に導入した固定金利オペを拡充し、5月には成長基盤強化支援に向けた資金供給を、10月にはリスク資産の買入や無担保コールレート翌日物の誘導目標について、0.1%前後から0~0.1%程度への変更を決定するなど、非伝統的な金融政策の領域に一段と踏み込みました。こうしたなか、短期市場金利は低下傾向を辿りましたが、長期市場金利は年度後半以降、低水準ながらも上下に振れる展開となりました。一方、円の対ドル相場は、リスク回避の円買いなどを受けて円高圧力がかかりやすい状況が続き、震災発生後には史上最高値を更新しました。株価は、年度前半に低下した後、世界的な株式市場の反発にあわせて上昇に転じましたが、震災発生後に大幅な落ち込みを示しました金融情勢に目を転じますと、政策金利は米国や英国で過去最低の水準が維持され、ユーロ圏では7月に追加利下げが実施されました。新興国などでも利下げが多く実施されております。一方、わが国においては、日本銀行が実質ゼロ金利政策を維持した上で、平成24年度中複数回にわたって資産買入等基金の増額を決定し、さらに1月には、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率で2%とすることや平成26年初からの「期限を定めない資産買入れ方式」の導入も決定しております。こうしたなか、市場金利は短期・長期共に一段の低下となりました。また、為替市場では昨年秋頃から、新政権による経済政策への期待などを背景として急速に円安が進み、それに歩調を合わせて株価も急ピッチで上昇しました。 (経営方針) 当社および当社グループ各社は、当社が採択したMUFGグループが共有する「グループ経営理念」、および当社の全役職員が共有すべき基本的・普遍的な価値観(姿勢)を表すものとして制定した 「経営ビジョン」に基づき、経営に当たっております当社および当社グループ各社は、当社が採択したMUFGグループが共有する「MUFGグループ経営ビジョン」、および当社の全役職員が共有すべき基本的・普遍的な価値観(姿勢)を表すものとして制定した「経営ビジョン」に基づき、経営に当たっております。 <グループ経営理念><MUFGグループ経営ビジョン>私たちの使命 ・いかなる時代にあっても決して揺らぐことなく、常に世界から信頼される存在であること。 ・時代の潮流をとらえ、真摯にお客さまと向き合い、その期待を超えるクオリティで応え続けること。 ・長期的な視点で、お客さまと末永い関係を築き、共に持続的な成長を実現すること。 ・そして、日本と世界の健全な発展を支える責任を胸に、社会の確かな礎となること。それが、私たちの使命です。 中長期的に目指す姿 世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ -Be the world's most trusted financial group-
1. お客さまの信頼と信用を旨とし、国内はもとよりグローバルにお客さまの多様なニーズに対し、的確かつ迅速にお応えする。お客さまの期待を超えるクオリティを、グループ全員の力で
2. 新分野の開拓と新技術の開発に積極的に取組み、革新的かつ高品質な金融サービスを提供する。お客さま・社会を支え続ける、揺るぎない存在に
3. 法令やルールを厳格に遵守し、公明正大で透明性の高い経営を行い、広く社会からの信頼と信用を得る。世界に選ばれる、アジアを代表する金融グループへ 共有すべき価値観
4. たゆまぬ事業の発展と適切なリスク管理により、企業価値の向上を実現すると共に、適時・適切な企業情報の開示を行い、株主の信頼に応える。1. 信頼・信用」(Integrity and Responsibility)
5. 地域の発展に寄与すると共に、環境に配慮した企業活動を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する。2. プロフェッショナリズムとチームワーク」(Professionalism and Teamwork)
6. グループ社員が専門性を更に高め、 その能力を発揮することができる、機会と職場を提供していく。 3. 成長と挑戦」(Challenge Ourselves to Grow) <経営ビジョン> 信託業務の新たな発展に貢献し、 信託銀行として最高のサービスを提供する。 当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核として、専門性を一層発揮し、より質の高い、競争力のある商品やサービスの開発ならびに新たな市場やチャネルの開拓によるお客さまへの商品提供機会の拡大に注力していく所存であります当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核企業の一つとして、専門性を一層発揮し、より質の高い、競争力のある商品やサービスの開発ならびに新たな市場やチャネルの開拓によるお客さまへの商品提供機会の拡大に注力していく所存であります。 (当連結会計年度の業績) 当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりとなりました。 資産の部につきましては、債券を中心に有価証券が増加したこと等により当連結会計年度中2兆 5,728億円増加して、25兆2,800億円となりました。負債の部につきましては、譲渡性預金の増加等により2兆6,087億円増加して、23兆8,665億円となりました。純資産の部につきましては、株価の下落等によるその他有価証券評価差額金の減少を主因として358億円減少して、1兆4,134億円となりました資産の部につきましては、債券を中心とした有価証券及び貸出金の増加等により前連結会計年度比2兆6,922億円増加して、29兆5,897億円となりました。負債の部につきましては、譲渡性預金及び借用金の増加等により2兆4,136億円増加して、27兆7,153億円となりました。純資産の部につきましては、純利益の積み上げ及び株式に係るその他有価証券評価差額金の増加等により2,786億円増加して、1兆 8,744億円となりました。 また、信託財産総額につきましては、投資信託や金銭債権の信託の受託残高の増加等により2兆 7,717億円増加して、131兆3,056億円となりましたまた、信託財産総額につきましては、投資信託等の受託残高の増加や株価上昇に伴う資産価値の上昇により10兆2,193億円増加して、146兆617億円となりました。 損益の状況につきましては、当社の本業の期間損益を示す連結実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、前連結会計年度比421億円増加して1,567億円となりました。これは、金利収入・手数料収入が増加となったことに加え、債券関係損益が大幅に改善したことが主因であります損益の状況につきましては、当社の本業の期間損益を示す連結実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、前連結会計年度比133億円増加して1,773億円となりました。 セグメント別では、リテール部門が68億円(前連結会計年度比+3億円)、法人部門が587億円(同セグメント別では、リテール部門が113億円(前連結会計年度比+44億円)、法人部門が531億円(同 △30億円)、受託財産部門が313億円(同△11億円)、不動産部門が73億円(同+9億円)、証券代行部門が183億円(同△11億円)、市場国際部門が564億円(同+190億円)となりました46億円)、受託財産部門が401億円(同+12億円)、不動産部門が116億円(同+28億円)、証券代行部門が185億円(同+1億円)、市場国際部門が697億円(同+141億円)となりました。 また、株式等関係損益は、株価下落に伴う株式等償却の発生を主因として244億円の損失となり、与信関係費用は、85億円となりましたまた、株式等関係損益は、株価上昇に伴う株式等売却益の増加を主因として18億円の利益となり、与信関係費用総額は、91億円となりました。特別利益には厚生年金基金代行返上益506億円が含まれております。 以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,092億円となり、これに法人税等合計・少数株主損益を加味した当期純利益は99億円増加の762億円となりました以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,909億円となり、これに法人税等合計・少数株主損益を加味した当期純利益は465億円増加の1,270億円となりました。 国際統一基準による連結自己資本比率は、株価下落に伴い有価証券の含み損益が悪化したことを主因に自己資本額が減少し、前連結会計年度末比0.08ポイント低下して、15.93%となりました当連結会計年度末の連結自己資本比率(バーゼルⅢ:国際統一基準)は、連結普通株式等Tier1比率 13.12%、連結Tier1比率13.77%、連結総自己資本比率17.79%となりました。 〔キャッシュ・フロー〕 当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動においては前連結会計年度比収入が 1兆1,771億円増加して2兆3,257億円の収入となる一方、投資活動においては支出が2,620億円増加して1兆5,920億円の支出となりました。また、財務活動におけるキャッシュ・フローは支出が1,637億円増加して956億円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比6,184億円増加して1兆1,953億円となりました当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金が増加する一方、譲渡性預金及び借用金(劣後特約付借入金を除く)の増加等もあり、1兆1,756億円の収入(前連結会計年度比収入が1,681億円減少)となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは、国内外への債券投資等により、1兆2,445億円の支出(同支出が2,251億円減少)となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、劣後特約付社債の発行による収入もありましたが、劣後特約付社債の償還及び配当金の支払等により、669億円の支出(同支出が922億円増加)となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比1,149億円減少して9,761億円となりました。
(1) 国内・海外別収支 国内種類 信託報酬 資金運用収支 うち資金運用収益 うち資金調達費用 役務取引等収支 うち役務取引等収益 うち役務取引等費用 特定取引収支 うち特定取引収益 うち特定取引費用 その他業務収支 うちその他業務収益 うちその他業務費用 信託報酬は、前連結会計年度比19億円減少して850億円となりました。資金運用収支は、国内では145億円減少して1,305億円、海外では115億円増加して276億円となり、相殺消去を控除した結果、合計で 79億円減少の1,463億円となりました。また、役務取引等収支は、国内では84億円増加して1,280億円、海外では19億円増加して112億円となり、相殺消去を控除した結果、合計で103億円増加の1,440億円となりました。
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業績等の概要. 業績〕 (金融経済環境) 当連結会計年度の金融経済環境でありますが、海外では、BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)を中心とした新興国や資源国が力強い成長を遂げました。一方、欧米先進国では、財政赤字の拡大や失業率の高止まりといった構造問題の深刻化がみられましたが、年度後半には輸出の拡大や金融・財政政策の追加などを受けて、米国経済を中心に回復感が強まりました。わが国経済は、平成22年度に入って以降、減速傾向を辿り、エコカー補助金の終了なども加わった秋口からは景気の踊り場局面となりました。年明け後、海外景気の回復に伴う輸出と生産の持ち直しで再回復に向けた動きが拡がりつつありましたが、3月に発生した東日本大震災により不透明感が高まっております当連結会計年度の金融経済環境でありますが、海外先進国では、欧州債務問題の深刻化に伴ってユーロ圏景気が大きく落ち込み、米国経済においても構造調整圧力が残る中で、年度後半からみられ始めた景気の持ち直しは緩やかなペースに止まりました。また、アジアなどの新興国では、欧州景気の失速により牽引役の一つであった輸出が鈍り、経済全体に減速感が強まりました。一方、わが国経済は、東日本大震災の影響でマイナス成長からのスタートとなりましたが、夏場には震災で毀損した資本ストックの復旧やサプライチェーンの修復などを受けて一旦回復を示しました。その後、海外経済の減速や円高の影響が表面化し、年末にかけて再びマイナス成長に陥りましたが、足元では被災地域を中心に復旧・復興需要の顕在化、それにあわせた景気全般の再回復が窺われるようになっております。 金融情勢に目を転じますと、政策金利は、景気好調の新興国や資源国で引き上げが相次ぐ一方、米国や欧州では低金利政策が維持されました。わが国では、日本銀行が、平成21年度に導入した固定金利オペを拡充し、5月には成長基盤強化支援に向けた資金供給を、10月にはリスク資産の買入や無担保コールレート翌日物の誘導目標について、0.1%前後から0~0.1%程度への変更を決定するなど、非伝統的な金融政策の領域に一段と踏み込みました。こうしたなか、短期市場金利は低下傾向を辿りましたが、長期市場金利は年度後半以降、低水準ながらも上下に振れる展開となりました。一方、円の対ドル相場は、リスク回避の円買いなどを受けて円高圧力がかかりやすい状況が続き、震災発生後には史上最高値を更新しました。株価は、年度前半に低下した後、世界的な株式市場の反発にあわせて上昇に転じましたが、震災発生後に大幅な落ち込みを示しました金融情勢に目を転じますと、政策金利は、米国や英国で低く据え置かれ、ユーロ圏では年度前半に小幅引き上げられた後、年度後半には利下げと大規模な資金供給が実施されました。また、新興国でも利下げに転じるところが多くみられました。わが国では、日本銀行が、実質ゼロ金利政策を維持しながら、平成23年度中3度にわたって資産買入等基金の増額を実施し、2月には「中長期的な物価安定の目途」を導入して当面は消費者物価の前年比上昇率でプラス1%を目指して金融政策運営を行うことを明らかにしました。こうしたなか、短期市場金利は低水準のまま推移し、長期市場金利も一時的な上昇はありましたが、全般的には低位安定基調となりました。円相場は、欧州債務問題の深刻化や海外景気の失速懸念などを背景として円高基調が続きましたが、年度末にかけてはやや円安方向に揺り戻しました。株価についても、多くのマイナス材料が重なって低迷状態にありましたが、円高修正の動きなどと歩調を合わせ、年度末にかけて持ち直しました。 (経営方針) 当社および当社グループ各社は、当社が採択したMUFGグループが共有する「グループ経営理念」、および当社の全役職員が共有すべき基本的・普遍的な価値観(姿勢)を表すものとして制定した 「経営ビジョン」に基づき、経営に当たっております当社および当社グループ各社は、当社が採択したMUFGグループが共有する「MUFGグループ経営ビジョン」、および当社の全役職員が共有すべき基本的・普遍的な価値観(姿勢)を表すものとして制定した「経営ビジョン」に基づき、経営に当たっております。 <グループ経営理念><MUFGグループ経営ビジョン>私たちの使命 ・いかなる時代にあっても決して揺らぐことなく、常に世界から信頼される存在であること。 ・時代の潮流をとらえ、真摯にお客さまと向き合い、その期待を超えるクオリティで応え続けること。 ・長期的な視点で、お客さまと末永い関係を築き、共に持続的な成長を実現すること。 ・そして、日本と世界の健全な発展を支える責任を胸に、社会の確かな礎となること。それが、私たちの使命です。 中長期的に目指す姿 世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ -Be the world's most trusted financial group-
1. お客さまの信頼と信用を旨とし、国内はもとよりグローバルにお客さまの多様なニーズに対し、的確かつ迅速にお応えする。お客さまの期待を超えるクオリティを、グループ全員の力で
2. 新分野の開拓と新技術の開発に積極的に取組み、革新的かつ高品質な金融サービスを提供する。お客さま・社会を支え続ける、揺るぎない存在に
3. 法令やルールを厳格に遵守し、公明正大で透明性の高い経営を行い、広く社会からの信頼と信用を得る。世界に選ばれる、アジアを代表する金融グループへ 共有すべき価値観
4. たゆまぬ事業の発展と適切なリスク管理により、企業価値の向上を実現すると共に、適時・適切な企業情報の開示を行い、株主の信頼に応える。1. 信頼・信用」(Integrity and Responsibility)
5. 地域の発展に寄与すると共に、環境に配慮した企業活動を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する。2. プロフェッショナリズムとチームワーク」(Professionalism and Teamwork)
6. グループ社員が専門性を更に高め、 その能力を発揮することができる、機会と職場を提供していく。 3. 成長と挑戦」(Challenge Ourselves to Grow) <経営ビジョン> 信託業務の新たな発展に貢献し、 信託銀行として最高のサービスを提供する。 当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核として、専門性を一層発揮し、より質の高い、競争力のある商品やサービスの開発ならびに新たな市場やチャネルの開拓によるお客さまへの商品提供機会の拡大に注力していく所存であります当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核企業の一つとして、専門性を一層発揮し、より質の高い、競争力のある商品やサービスの開発ならびに新たな市場やチャネルの開拓によるお客さまへの商品提供機会の拡大に注力していく所存であります。 (当連結会計年度の業績) 当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりとなりました。 資産の部につきましては、債券を中心に有価証券が増加したこと等により当連結会計年度中2兆 5,728億円増加して、25兆2,800億円となりました。負債の部につきましては、譲渡性預金の増加等により2兆6,087億円増加して、23兆8,665億円となりました。純資産の部につきましては、株価の下落等によるその他有価証券評価差額金の減少を主因として358億円減少して、1兆4,134億円となりました資産の部につきましては、債券を中心に有価証券が増加したこと等により当連結会計年度中1兆 6,174億円増加して、26兆8,975億円となりました。負債の部につきましては、譲渡性預金の増加等により1兆4,351億円増加して、25兆3,017億円となりました。純資産の部につきましては、純利益の積み上げ及び金利低下等によるその他有価証券評価差額金の増加を主因として1,822億円増加して、1兆5,957億円となりました。 また、信託財産総額につきましては、投資信託や金銭債権の信託の受託残高の増加等により2兆 7,717億円増加して、131兆3,056億円となりましたまた、信託財産総額につきましては、有価証券の信託や金銭債権の信託の受託残高の増加等により4兆5,367億円増加して、135兆8,423億円となりました。 損益の状況につきましては、当社の本業の期間損益を示す連結実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、前連結会計年度比421億円増加して1,567億円となりました。これは、金利収入・手数料収入が増加となったことに加え、債券関係損益が大幅に改善したことが主因であります損益の状況につきましては、当社の本業の期間損益を示す連結実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、前連結会計年度比71億円増加して1,639億円となりました。 セグメント別では、リテール部門が68億円(前連結会計年度比+3億円)、法人部門が587億円(同セグメント別では、リテール部門が69億円(前連結会計年度比+0億円)、法人部門が578億円(同△30億円)、受託財産部門が313億円(同8億円)、受託財産部門が389億円(同+75億円)、不動産部門が88億円(同+15億円)、証券代行部門が183億円(同+0億円)、市場国際部門が556億円(同△11億円)、不動産部門が73億円(同+9億円)、証券代行部門が183億円(同△11億円)、市場国際部門が564億円(同+190億円)となりました7億円)となりました。 また、株式等関係損益は、株価下落に伴う株式等償却の発生を主因として244億円の損失となり、与信関係費用は、85億円となりましたまた、株式等関係損益は、株価下落に伴う株式等償却の発生を主因として146億円の損失となり、与信関係費用総額は、97億円となりました。 以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,092億円となり、これに法人税等合計・少数株主損益を加味した当期純利益は99億円増加の762億円となりました以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,328億円となり、これに法人税等合計・少数株主損益を加味した当期純利益は42億円増加の804億円となりました。 国際統一基準による連結自己資本比率は、株価下落に伴い有価証券の含み損益が悪化したことを主因に自己資本額が減少し、前連結会計年度末比0.08ポイント低下して、15.93%となりました国際統一基準による連結自己資本比率は、前連結会計年度末比0.19ポイント低下して、15.74%となりました。 〔キャッシュ・フロー〕 当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動においては前連結会計年度比収入が 1兆1,771億円増加して2兆3,257億円の収入となる一方、投資活動においては支出が2,620億円増加して1兆5,920億円の支出となりました。また、財務活動におけるキャッシュ・フローは支出が1,637億円増加して956億円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比6,184億円増加して1兆1,953億円となりました9,819億円減少して1兆3,438億円の収入となる一方、投資活動においては支出が1,224億円減少して1兆4,696億円の支出となりました。また、財務活動におけるキャッシュ・フローは収入が1,209億円増加して252億円の収入となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比 1,042億円減少して1兆911億円となりました。
(1) 国内・海外別収支 国内
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業績等の概要. 業績〕 (金融経済環境) 当連結会計年度の金融経済環境でありますが、海外では、BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)を中心とした新興国や資源国が力強い成長を遂げました。一方、欧米先進国では、財政赤字の拡大や失業率の高止まりといった構造問題の深刻化がみられましたが、年度後半には輸出の拡大や金融・財政政策の追加などを受けて、米国経済を中心に回復感が強まりました。わが国経済は、平成22年度に入って以降、減速傾向を辿り、エコカー補助金の終了なども加わった秋口からは景気の踊り場局面となりました。年明け後、海外景気の回復に伴う輸出と生産の持ち直しで再回復に向けた動きが拡がりつつありましたが、3月に発生した東日本大震災により不透明感が高まっております当連結会計年度の金融経済環境でありますが、海外先進国では、欧州債務問題の深刻化に伴ってユーロ圏景気が大きく落ち込み、米国経済においても構造調整圧力が残る中で、年度後半からみられ始めた景気の持ち直しは緩やかなペースに止まりました。また、アジアなどの新興国では、欧州景気の失速により牽引役の一つであった輸出が鈍り、経済全体に減速感が強まりました。一方、わが国経済は、東日本大震災の影響でマイナス成長からのスタートとなりましたが、夏場には震災で毀損した資本ストックの復旧やサプライチェーンの修復などを受けて一旦回復を示しました。その後、海外経済の減速や円高の影響が表面化し、年末にかけて再びマイナス成長に陥りましたが、足元では被災地域を中心に復旧・復興需要の顕在化、それにあわせた景気全般の再回復が窺われるようになっております。 金融情勢に目を転じますと、政策金利は、景気好調の新興国や資源国で引き上げが相次ぐ一方、米国や欧州では低金利政策が維持されました。わが国では、日本銀行が、平成21年度に導入した固定金利オペを拡充し、5月には成長基盤強化支援に向けた資金供給を、10月にはリスク資産の買入や無担保コールレート翌日物の誘導目標について、0.1%前後から0~0.1%程度への変更を決定するなど、非伝統的な金融政策の領域に一段と踏み込みました。こうしたなか、短期市場金利は低下傾向を辿りましたが、長期市場金利は年度後半以降、低水準ながらも上下に振れる展開となりました。一方、円の対ドル相場は、リスク回避の円買いなどを受けて円高圧力がかかりやすい状況が続き、震災発生後には史上最高値を更新しました。株価は、年度前半に低下した後、世界的な株式市場の反発にあわせて上昇に転じましたが、震災発生後に大幅な落ち込みを示しました金融情勢に目を転じますと、政策金利は、米国や英国で低く据え置かれ、ユーロ圏では年度前半に小幅引き上げられた後、年度後半には利下げと大規模な資金供給が実施されました。また、新興国でも利下げに転じるところが多くみられました。わが国では、日本銀行が、実質ゼロ金利政策を維持しながら、平成23年度中3度にわたって資産買入等基金の増額を実施し、2月には「中長期的な物価安定の目途」を導入して当面は消費者物価の前年比上昇率でプラス1%を目指して金融政策運営を行うことを明らかにしました。こうしたなか、短期市場金利は低水準のまま推移し、長期市場金利も一時的な上昇はありましたが、全般的には低位安定基調となりました。円相場は、欧州債務問題の深刻化や海外景気の失速懸念などを背景として円高基調が続きましたが、年度末にかけてはやや円安方向に揺り戻しました。株価についても、多くのマイナス材料が重なって低迷状態にありましたが、円高修正の動きなどと歩調を合わせ、年度末にかけて持ち直しました。 (経営方針) 当社および当社グループ各社は、当社が採択したMUFGグループが共有する「グループ経営理念」、および当社の全役職員が共有すべき基本的・普遍的な価値観(姿勢)を表すものとして制定した 「経営ビジョン」に基づき、経営に当たっております当社および当社グループ各社は、当社が採択したMUFGグループが共有する「MUFGグループ経営ビジョン」、および当社の全役職員が共有すべき基本的・普遍的な価値観(姿勢)を表すものとして制定した「経営ビジョン」に基づき、経営に当たっております。 <グループ経営理念><MUFGグループ経営ビジョン>私たちの使命 ・いかなる時代にあっても決して揺らぐことなく、常に世界から信頼される存在であること。 ・時代の潮流をとらえ、真摯にお客さまと向き合い、その期待を超えるクオリティで応え続けること。 ・長期的な視点で、お客さまと末永い関係を築き、共に持続的な成長を実現すること。 ・そして、日本と世界の健全な発展を支える責任を胸に、社会の確かな礎となること。それが、私たちの使命です。 中長期的に目指す姿 世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ -Be the world's most trusted financial group-
1. お客さまの信頼と信用を旨とし、国内はもとよりグローバルにお客さまの多様なニーズに対し、的確かつ迅速にお応えする。お客さまの期待を超えるクオリティを、グループ全員の力で
2. 新分野の開拓と新技術の開発に積極的に取組み、革新的かつ高品質な金融サービスを提供する。
3. 法令やルールを厳格に遵守し、公明正大で透明性の高い経営を行い、広く社会からの信頼と信用を得る。
4. たゆまぬ事業の発展と適切なリスク管理により、企業価値の向上を実現すると共に、適時・適切な企業情報の開示を行い、株主の信頼に応える。
5. 地域の発展に寄与すると共に、環境に配慮した企業活動を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する。
6. グループ社員が専門性を更に高め、 その能力を発揮することができる、機会と職場を提供していく。 <経営ビジョン> 信託業務の新たな発展に貢献し、 信託銀行として最高のサービスを提供する。 当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核として、専門性を一層発揮し、より質の高い、競争力のある商品やサービスの開発ならびに新たな市場やチャネルの開拓によるお客さまへの商品提供機会の拡大に注力していく所存であります。 (当連結会計年度の業績) 当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりとなりました。 資産の部につきましては、債券を中心に有価証券が増加したこと等により当連結会計年度中2兆 5,728億円増加して、25兆2,800億円となりました。負債の部につきましては、譲渡性預金の増加等により2兆6,087億円増加して、23兆8,665億円となりました。純資産の部につきましては、株価の下落等によるその他有価証券評価差額金の減少を主因として358億円減少して、1兆4,134億円となりました。 また、信託財産総額につきましては、投資信託や金銭債権の信託の受託残高の増加等により2兆 7,717億円増加して、131兆3,056億円となりました。 損益の状況につきましては、当社の本業の期間損益を示す連結実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、前連結会計年度比421億円増加して1,567億円となりました。これは、金利収入・手数料収入が増加となったことに加え、債券関係損益が大幅に改善したことが主因であります。 セグメント別では、リテール部門が68億円(前連結会計年度比+3億円)、法人部門が587億円(同△30億円)、受託財産部門が313億円(同△11億円)、不動産部門が73億円(同+9億円)、証券代行部門が183億円(同△11億円)、市場国際部門が564億円(同+190億円)となりました。 また、株式等関係損益は、株価下落に伴う株式等償却の発生を主因として244億円の損失となり、与信関係費用は、85億円となりました。 以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,092億円となり、これに法人税等合計・少数株主損益を加味した当期純利益は99億円増加の762億円となりました。 国際統一基準による連結自己資本比率は、株価下落に伴い有価証券の含み損益が悪化したことを主因に自己資本額が減少し、前連結会計年度末比0.08ポイント低下して、15.93%となりました。 〔キャッシュ・フロー〕 当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動においては前連結会計年度比収入が 1兆1,771億円増加して2兆3,257億円の収入となる一方、投資活動においては支出が2,620億円増加して1兆5,920億円の支出となりました。また、財務活動におけるキャッシュ・フローは支出が1,637億円増加して956億円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比6,184億円増加して1兆1,953億円となりました。
(1) 国内・海外別収支 国内お客さま・社会を支え続ける、揺るぎない存在に
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業績等の概要. 業績〕 (金融経済環境) 当連結会計年度の金融経済環境でありますが、海外では、BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)を中心とした新興国や資源国が力強い成長を遂げました。一方、欧米先進国では、財政赤字の拡大や失業率の高止まりといった構造問題の深刻化がみられましたが、年度後半には輸出の拡大や金融・財政政策の追加などを受けて、米国経済を中心に回復感が強まりました。わが国経済は、平成22年度に入って以降、減速傾向を辿り、エコカー補助金の終了なども加わった秋口からは景気の踊り場局面となりました。年明け後、海外景気の回復に伴う輸出と生産の持ち直しで再回復に向けた動きが拡がりつつありましたが、3月に発生した東日本大震災により不透明感が高まっております当連結会計年度の金融経済環境でありますが、欧米などの先進国を中心に持ち直し基調で推移しました。海外では、米国において住宅市場の正常化など構造調整の進展を背景に内需が底堅く推移し、欧州においてもさまざまな構造的問題を抱えつつも、外需の回復などを受けて実質経済成長率が第2四半期以降プラスに転じました。また、アジアにおいても成長のペースこそ全般に以前より緩慢となりましたが、ASEANを中心に底堅い成長を続けました。こうしたなか、わが国経済は、平成24年12月の安倍政権発足以降、回復基調を続けています。金融緩和の強化や大規模な経済対策が家計と企業の景況感や企業業績の改善をもたらし、所得の増加が更なる支出や生産拡大へ繋がるという経済の好循環が回り始めています。また、平成25年度後半には、住宅投資や個人消費に消費税率引上げ前の駆け込み需要もみられました。 金融情勢に目を転じますと、政策金利は、景気好調の新興国や資源国で引き上げが相次ぐ一方、米国や欧州では低金利政策が維持されました。わが国では、日本銀行が、平成21年度に導入した固定金利オペを拡充し、5月には成長基盤強化支援に向けた資金供給を、10月にはリスク資産の買入や無担保コールレート翌日物の誘導目標について、0.1%前後から0~0.1%程度への変更を決定するなど、非伝統的な金融政策の領域に一段と踏み込みました。こうしたなか、短期市場金利は低下傾向を辿りましたが、長期市場金利は年度後半以降、低水準ながらも上下に振れる展開となりました。一方、円の対ドル相場は、リスク回避の円買いなどを受けて円高圧力がかかりやすい状況が続き、震災発生後には史上最高値を更新しました。株価は、年度前半に低下した後、世界的な株式市場の反発にあわせて上昇に転じましたが、震災発生後に大幅な落ち込みを示しました金融情勢に目を転じますと、米国は政策金利を過去最低の水準で維持しつつ、平成26年1月から量的緩和策の縮小を開始しました。ユーロ圏では平成25年5月と11月に追加利下げが実施され、7月には政策金利が長期にわたって低水準に留まるとの見通しも示されましたが、インド・ブラジルなど一部の新興国では、物価上昇圧力などへの対応として、利上げが実施されました。一方、わが国においては、日本銀行が、平成25年4月に、消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定の目標」を2年程度の期間で達成すべく、「量的・質的金融緩和」を導入しました。こうしたなか、市場金利は短期金利が低下し、長期金利は一時的に振れの大きい展開となりましたが、その後は低水準で推移しました。また、為替市場では、日本銀行による量的・質的金融緩和などを背景として円安が進み、株式市場では、株価が景気回復や企業業績の改善を受けて堅調に推移しました。 (経営方針) 当社および当社グループ各社は、当社が採択したMUFGグループが共有する「グループ経営理念」、および当社の全役職員が共有すべき基本的・普遍的な価値観(姿勢)を表すものとして制定した 「経営ビジョン」に基づき、経営に当たっております当社および当社グループ各社は、当社が採択したMUFGグループが共有する「MUFGグループ経営ビジョン」、および当社の全役職員が共有すべき基本的・普遍的な価値観(姿勢)を表すものとして制定した「経営ビジョン」に基づき、当社が経営計画上の基本戦略の柱として掲げる「お客さまからの評価向上・支持拡大」、「新商品・新マーケットへの展開」および「効率的業務運営」の推進により、目指すべき姿である「Best Trust Bank for You」、すなわち「全てのステークホルダーから“Best”であると評価される信託銀行」の実現に全力を挙げて取り組み、経営に当たっております。 <グループ経営理念><MUFGグループ経営ビジョン>私たちの使命 ・いかなる時代にあっても決して揺らぐことなく、常に世界から信頼される存在であること。 ・時代の潮流をとらえ、真摯にお客さまと向き合い、その期待を超えるクオリティで応え続けること。 ・長期的な視点で、お客さまと末永い関係を築き、共に持続的な成長を実現すること。 ・そして、日本と世界の健全な発展を支える責任を胸に、社会の確かな礎となること。それが、私たちの使命です。 中長期的に目指す姿 世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ -Be the world's most trusted financial group-
1. お客さまの信頼と信用を旨とし、国内はもとよりグローバルにお客さまの多様なニーズに対し、的確かつ迅速にお応えする。お客さまの期待を超えるクオリティを、グループ全員の力で
2. 新分野の開拓と新技術の開発に積極的に取組み、革新的かつ高品質な金融サービスを提供する。お客さま・社会を支え続ける、揺るぎない存在に
3. 法令やルールを厳格に遵守し、公明正大で透明性の高い経営を行い、広く社会からの信頼と信用を得る。世界に選ばれる、アジアを代表する金融グループへ 共有すべき価値観
4. たゆまぬ事業の発展と適切なリスク管理により、企業価値の向上を実現すると共に、適時・適切な企業情報の開示を行い、株主の信頼に応える。1. 信頼・信用」(Integrity and Responsibility)
5. 地域の発展に寄与すると共に、環境に配慮した企業活動を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する。2. プロフェッショナリズムとチームワーク」(Professionalism and Teamwork)
6. グループ社員が専門性を更に高め、 その能力を発揮することができる、機会と職場を提供していく。 3. 成長と挑戦」(Challenge Ourselves to Grow) <経営ビジョン> 信託業務の新たな発展に貢献し、 信託銀行として最高のサービスを提供する。 当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核として、専門性を一層発揮し、より質の高い、競争力のある商品やサービスの開発ならびに新たな市場やチャネルの開拓によるお客さまへの商品提供機会の拡大に注力していく所存であります当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核企業の一つとして、専門性を一層発揮し、より質の高い、競争力のある商品やサービスの開発ならびに新たな市場やチャネルの開拓によるお客さまへの商品提供機会の拡大に注力していく所存であります。 (当連結会計年度の業績) 当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりとなりました。 資産の部につきましては、債券を中心に有価証券が増加したこと等により当連結会計年度中2兆 5,728億円増加して、25兆2,800億円となりました。負債の部につきましては、譲渡性預金の増加等により2兆6,087億円増加して、23兆8,665億円となりました。純資産の部につきましては、株価の下落等によるその他有価証券評価差額金の減少を主因として358億円減少して、1兆4,134億円となりました資産の部につきましては、外国債券を中心とした有価証券及び貸出金の増加等により前連結会計年度比1兆8,332億円増加して、31兆4,230億円となりました。負債の部につきましては、借用金が減少する一方、売現先勘定、債券貸借取引受入担保金及び預金の増加等により1兆6,785億円増加して、29兆3,938億円となりました。純資産の部につきましては、純利益の積み上げ等により1,546億円増加して、2兆291億円となりました。 また、信託財産総額につきましては、投資信託や金銭債権の信託の受託残高の増加等により2兆 7,717億円増加して、131兆3,056億円となりましたまた、信託財産総額につきましては、投資信託等の受託残高の増加や株価上昇に伴う資産価値の上昇により20兆 4,867億円増加して、166兆5,484億円となりました。 損益の状況につきましては、当社の本業の期間損益を示す連結実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、前連結会計年度比421億円増加して1,567億円となりました。これは、金利収入・手数料収入が増加となったことに加え、債券関係損益が大幅に改善したことが主因であります損益の状況につきましては、当社の本業の期間損益を示す連結実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、前連結会計年度比84億円増加して1,857億円となりました。 セグメント別では、リテール部門が68億円(前連結会計年度比+3億円)、法人部門が587億円(同セグメント別では、リテール部門が77億円(前連結会計年度比△30億円)、受託財産部門が313億円(同35億円)、法人部門が598億円(同+66億円)、受託財産部門が541億円(同+140億円)、不動産部門が152億円(同+35億円)、証券代行部門が193億円(同+7億円)、市場国際部門が573億円(同△11億円)、不動産部門が73億円(同+9億円)、証券代行部門が183億円(同△11億円)、市場国際部門が564億円(同+190億円)となりました123億円)となりました。 また、株式等関係損益は、株価下落に伴う株式等償却の発生を主因として244億円の損失となり、与信関係費用は、85億円となりましたまた、株式等関係損益は、222億円の利益となり、与信関係費用総額は、181億円の利益となりました。 以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,092億円となり、これに法人税等合計・少数株主損益を加味した当期純利益は99億円増加の762億円となりました以上の結果、税金等調整前当期純利益は2,130億円となり、これに法人税等合計・少数株主損益を加味した当期純利益は188億円増加の1,458億円となりました。 国際統一基準による連結自己資本比率は、株価下落に伴い有価証券の含み損益が悪化したことを主因に自己資本額が減少し、前連結会計年度末比0.08ポイント低下して、15.93%となりました当連結会計年度末の連結自己資本比率(バーゼルⅢ:国際統一基準)は、連結普通株式等Tier1比率14.21%、連結 Tier1比率14.76%、連結総自己資本比率18.38%となりました。 〔キャッシュ・フロー〕 当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動においては前連結会計年度比収入が 1兆1,771億円増加して2兆3,257億円の収入となる一方、投資活動においては支出が2,620億円増加して1兆5,920億円の支出となりました。また、財務活動におけるキャッシュ・フローは支出が1,637億円増加して956億円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比6,184億円増加して1兆1,953億円となりました当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金(劣後特約付借入金を除く)の減少及び貸出金の増加に伴い支出が増加する一方、コールマネー等、債券貸借取引受入担保金及び預金の増加等もあり、7,951億円の収入(前連結会計年度比収入が3,804億円減少)となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは、国内外の債券投資等により、1,709億円の支出(同支出が1兆735億円減少)となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、劣後特約付社債の償還及び配当金の支払等により、1,023億円の支出(同支出が354億円増加)となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比 5,519億円増加して1兆5,281億円となりました。
(1) 国内・海外別収支 国内種類 信託報酬 資金運用収支 うち資金運用収益 うち資金調達費用 役務取引等収支 うち役務取引等収益 うち役務取引等費用 特定取引収支 うち特定取引収益 うち特定取引費用 その他業務収支 うちその他業務収益 うちその他業務費用 信託報酬は、前連結会計年度比89億円増加して940億円となりました。資金運用収支は、国内では17億円増加して 1,322億円、海外では52億円増加して329億円となり、相殺消去を控除した結果、合計で46億円増加の1,510億円となりました。また、役務取引等収支は、国内では93億円増加して1,373億円、海外では65億円増加して178億円となり、相殺消去を控除した結果、合計で148億円増加の1,589億円となりました。
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