Contract
第1節 総則
1-1-1 適用
1.適用工事
第1編 共通編
第1章 総則
土木工事共通仕様書(以下「共通仕様書」という。)は、香川県土木部が発注する河川工事、海岸工事、砂防工事、ダム工事、道路工事、公園緑地工事、下水道工事、港湾工事、港湾海岸工事、その他これらに類する工事(以下「工事」という。)に係る、香川県工事請負契約約款(頭書を含み以下「約款」という。)及び設計図書の内容について、統一的な解釈及び運用を図るとともに、その他必要な事項を定め、もって契約の適正な履行の確保を図るためのものである。
2.共通仕様書の適用
受注者は、共通仕様書の適用にあたっては、「香川県請負工事監督事務処理要領(以下「事務処理要領」という。)」に従った監督・検査体制のもとで、建設業法第 18 条に定める建設工事の請負契約の原則に基づく施工管理体制を遵守しなければならない。また、受注者はこれら監督、検査(完成検査、既済部分検査)にあたっては、地方自治法
(昭和 22 年法律第 67 号)第 234 条の2第1項及び同施工令(昭和 22 年政令第 16 号)
第 167 条の 15 第1項及び第2項に基づくものであることを認識しなければならない。
3.優先事項
契約書に添付されている図面、特記仕様書及び工事数量総括表に記載された事項は、この共通仕様書に優先する。
4.設計図書間の不整合
特記仕様書、図面、工事数量総括表の間に相違がある場合、又は図面からの読み取りと図面に書かれた数字が相違する場合、受注者は工事監督員に確認して指示を受けなければならない。
5.SI単位
設計図書は、SI単位を使用するものとする。SI単位については、SI単位と非S I単位が併記されている場合は( )内を非SI単位とする。
1-1-2 用語の定義
1.工事監督員
工事監督員とは、総括監督員、xx監督員、監督員を総称していう。受注者には主としてxx監督員及び監督員が対応する。
2.総括監督員
総括監督員とは、「事務処理要領」に定める監督総括業務を担当し、主に、受注者に対する指示、承諾又は協議及び関連工事の調整のうち重要なものの処理、及び設計図書の変更、一時中止又は打切りの必要があると認める場合における契約担当者等(香川県会計規則(昭和 39 年香川県規則第 19 号)に規定する契約担当者をいう。)に対する報告等を行うとともに、xx監督員及び監督員の指揮監督並びに監督業務の掌理を行う者をいう。
3.xx監督員
xx監督員とは、「事務処理要領」に定める現場監督総括業務を担当し、主に、受注者に対する指示、承諾又は協議(重要なもの及び軽易なものを除く)の処理、工事実施のための詳細図等(軽易なものを除く)の作成及び交付又は受注者が作成した図面の承諾を行い、また、契約図書に基づく工程の管理、立会、段階確認、工事材料の試験又は検査の実施(他のものに実施させ当該実施を確認することを含む)で重要なものの処理、関連工事の調整(重要なものを除く)、設計図書の変更(重要なものを除く)、一時中止又は打切りの必要があると認める場合における総括監督員への報告を行うとともに、監
督員の指揮監督並びに現場監督総括業務及び一般監督業務の掌理を行う者をいう。
4.監督員
監督員とは、「事務処理要領」に定める一般監督業務を担当し、主に受注者に対する指示、承諾又は協議で軽易なものの処理、工事実施のための詳細図等で軽易なものの作成及び交付又は受注者が作成した図面のうち軽易なものの承諾を行い、また、契約図書に基づく工程の管理、立会、工事材料試験の実施(重要なものは除く。)を行い設計図書の変更、一時中止又は打切りの必要があると認める場合におけるxx監督員への報告を行うとともに、一般監督業務の掌理を行う者をいう。
5.契約図書
契約図書とは、約款及び設計図書をいう。
6.設計図書
設計図書とは、仕様書、図面、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。
7.仕様書
仕様書とは、各工事に共通する共通仕様書と各工事ごとに規定される特記仕様書を総称していう。
8.共通仕様書
共通仕様書とは、各建設作業の順序、使用材料の品質、数量、仕上げの程度、施工方法等工事を施工するうえで必要な技術的要求、工事内容を説明したもののうち、あらかじめ定型的な内容を盛り込み作成したものをいう。
9.特記仕様書
特記仕様書とは、共通仕様書を補足し、工事の施工に関する明細又は工事に固有の技術的要求を定める図書をいう。
なお、設計図書に基づき工事監督員が受注者に指示した書面及び受注者が提出し工事監督員が承諾した書面は、特記仕様書に含まれる。
10.現場説明書
現場説明書とは、工事の入札に参加するものに対して発注者が当該工事の契約条件等を説明するための書類をいう。
11.質問回答書
質問回答書とは、質問受付時に入札参加者が提出した契約条件等に関する質問に対して発注者が回答する書面をいう。
12.図面
図面とは、入札に際して発注者が示した設計図、発注者から変更又は追加された設計図、工事完成図等をいう。なお、設計図書に基づき工事監督員が受注者に指示した図面及び受注者が提出し、工事監督員が書面により承諾した図面を含むものとする。
13.指示
指示とは、契約図書の定めに基づき、工事監督員が受注者に対し、工事の施工上必要な事項について書面により示し、実施させることをいう。
14.承諾
承諾とは、契約図書で明示した事項について、発注者若しくは工事監督員又は受注者が書面により同意することをいう。
15.協議
協議とは、書面により契約図書の協議事項について、発注者又は工事監督員と受注者が対等の立場で合議し、結論を得ることをいう。
16.提出
提出とは、工事監督員が受注者に対し、又は受注者が工事監督員に対し工事に係わる書面又はその他の資料を説明し、差し出すことをいう。
17.提示
提示とは、工事監督員が受注者に対し、又は受注者が工事監督員に対し工事に係わる
書面又はその他の資料を示し、説明することをいう。
18.報告
報告とは、受注者が工事監督員に対し、工事の状況又は結果について書面により知らせることをいう。
19.通知
通知とは、発注者又は工事監督員と受注者又は現場代理人の間で、工事監督員が受注者に対し、又は受注者が工事監督員に対し、工事の施工に関する事項について、書面により互いに知らせることをいう。
20.連絡
連絡とは、工事監督員と受注者又は現場代理人の間で、工事監督員が受注者に対し、又は受注者が工事監督員に対し、約款第 18 条に該当しない事項又は緊急で伝達すべき事項について、口頭、ファクシミリ、電子メールなどの署名又は押印が不要な手段により互いに知らせることをいう。なお、後日書面による連絡内容の伝達は不要とする。
21.納品
納品とは、受注者が工事監督員に工事完成時に成果品を納めることをいう。
22.電子納品
電子納品とは、電子成果品を納品することをいう。
23.情報共有システム
情報共有システムとは、工事監督員及び受注者の間の情報を電子的に交換・共有することにより業務効率化を実現するシステムのことをいう。
24.書面
書面とは、手書き、印刷物等による工事打合せ簿等の工事帳票をいい、発行年月日を記載し、署名又は押印したものを有効とする。ただし、情報共有システムを用いて作成及び提出等を行った工事帳票については、署名又は押印がなくても有効とする。
25.工事写真
工事写真とは、工事着手前及び工事完成、また、施工管理の手段として各工事の施工段階及び工事完成後目視できない箇所の施工状況、出来形寸法、品質管理状況、工事中の災害写真等を写真管理基準に基づき撮影したものをいう。
26.工事帳票
工事帳票とは、施工計画書、工事打合せ簿、品質管理資料、出来形管理資料等の定型様式の資料、及び工事打合せ簿等に添付して提出される非定型の資料をいう。
27.工事書類
工事書類とは、工事写真及び工事帳票をいう。
28.契約関係書類
契約関係書類とは、約款第9条第5項の定めにより工事監督員を経由して受注者から発注者へ、又は受注者へ提出される書類をいう。
29.工事完成図書
工事完成図書とは、工事完成時に納品する成果品をいう。
30.電子成果品
電子成果品とは、電子的手段によって発注者に納品する成果品となる電子データをいう。
31.工事関係書類
工事関係書類とは、契約図書、契約関係書類、工事書類、及び工事完成図書をいう。
32.確認
確認とは、契約図書に示された事項について、工事監督員又は受注者が臨場もしくは関係資料により、その内容について契約図書との適合を確かめることをいう。
33.立会
立会とは、契約図書に示された項目について、工事監督員が臨場により、その内容
について契約図書との適合を確かめることをいう。
34.工事検査
工事検査とは、工事検査員が約款第 31 条、第 32 条、第 38 条、第 39 条に基づく検査を行うことをいう。
35.工事検査員
工事検査員とは、香川県建設工事執行規則(昭和 39 年香川県規則第 54 号)の規定に基づき、工事検査を行うために発注者が定めた者をいう。
36.竣工検査
竣工検査とは、香川県建設工事検査要領(香川県土木部長通達、平成 17 年 4 月 1 日)に基づき行うものをいう。
37.同等以上の品質
同等以上の品質とは、品質について、設計図書で指定する品質又は設計図書に指定がない場合には、工事監督員が承諾する試験機関の品質確認を得た品質、若しくは、工事監督員の承諾した品質をいう。なお、試験機関において品質を確かめるために必要となる費用は、受注者の負担とする。
38.工期
工期とは、契約図書に明示した工事を実施するために要する準備及び後片付け期間を含めた始期日から終期日までの期間をいう。
39.工事開始日
工事開始日とは、工期の始期日又は設計図書において規定する始期日をいう。
40.工事着手日
工事着手日とは、工事開始日以降の実際の工事のための準備工事(現場事務所等の建設又は測量を開始することをいい、詳細設計を含む工事にあってはそれを含む)の初日をいう。
41.工事
工事とは、本体工事及び仮設工事、又はそれらの一部をいう。
42.本体工事
本体工事とは、設計図書に従って、工事目的物を施工するための工事をいう。
43.仮設工事
仮設工事とは、各種の仮工事であって、工事の施工及び完成に必要とされるものをいう。
44.工事区域
工事区域とは、工事用地、その他設計図書で定める土地又は水面の区域をいう。
45.現場
現場とは、工事を施工する場所及び工事の施工に必要な場所及び設計図書で明確に指定される場所をいう。
46.SI
SIとは、国際単位系をいう。
47.現場発生品
現場発生品とは、工事の施工により現場において副次的に生じたもので、その所有権は発注者に帰属する。
48.JIS規格
JIS規格とは、日本工業規格をいう。
1-1-3 設計図書の照査等
1.図面原図の貸与
受注者からの要求があり、工事監督員が必要と認めた場合、受注者に図面の原図を貸与することができる。ただし、共通仕様書等市販・公開されているものについては、受注者が備えなければならない。
2.設計図書の照査
受注者は、施工前及び施工途中において、自らの負担により約款第18条第1項第1号から第5号に係る設計図書の照査を行い、該当する事実がある場合は、工事監督員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。なお、確認できる資料とは、現地地形図、設計図との対比図、取合い図、施工図等を含むものとする。また、受注者は、工事監督員から更に詳細な説明又は書面の追加の要求があった場合は従わなければならない。
3.契約図書等の使用制限
受注者は、契約の目的のために必要とする以外は、契約図書、及びその他の図書を工事監督員の承諾なくして第三者に使用させ、又は伝達してはならない。
1-1-4 工程表
受注者は、約款第 3 条に規定する工程表を所定の様式に基づき作成し、工事監督員を経由して発注者に提出しなければならない。
1-1-5 施工計画書
1.一般事項
受注者は、工事請負代金額が 500 万円以上の工事にあっては、工事着手前に工事目的物を完成するために必要な手順や工法等についての施工計画書を工事監督員に提出しなければならない。
なお、上記以外の工事については、工事監督員の指示があった場合には、施工計画書を作成し、工事監督員に提出しなければならない。
受注者は、施工計画書を遵守し工事の施工に当たらなければならない。
この場合、受注者は、施工計画書に次の事項について記載しなければならない。また、工事監督員がその他の項目について補足を求めた場合には、追記するものとする。ただし、受注者は維持工事等簡易な工事においては工事監督員の承諾を得て記載内容の一部を省略することができる。
(1)工事概要
(2)計画工程表
(3)現場組織表
(4)指定機械
(5)主要船舶・機械
(6)主要資材
(7)施工方法(主要機械、仮設備計画、工事用地等を含む)
(8)施工管理計画
(9)安全管理
(10)緊急時の体制及び対応
(11)交通管理
(12)環境対策
(13)現場作業環境の整備
(14)再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法
(15)その他
2.変更施工計画書
受注者は、施工計画書の内容に重要な変更が生じた場合には、その都度当該工事に着手する前に変更に関する事項について、変更施工計画書を工事監督員に提出しなければならない。
3.詳細施工計画書
受注者は、施工計画書を提出した際、工事監督員が指示した事項について、さらに詳細な施工計画書を提出しなければならない。
1-1-6 CORINS への登録
受注者は、受注時又は変更時において工事請負代金額が 500 万円以上の工事につい
て、工事実績情報サービス(CORINS)に基づき、受注・変更・完成・訂正時に工事実績情報として「登録のための確認のお願い」を作成し工事監督員の確認を受けたうえ、受注時は契約後、土曜日、日曜日、祝日等を除き 10 日以内に、登録内容の変更時は変
更があった日から土曜日、日曜日、祝日等を除き 10 日以内に、完成時は工事完成後、
土曜日、日曜日、祝日等を除き 10 日以内に、訂正時は適宜登録機関に登録申請をしなければならない。
登録対象は、工事請負代金額 500 万円以上(単価契約の場合は契約総額)の全ての工事とし、受注・変更・完成・訂正時にそれぞれ登録するものとする。なお、変更登録時は、工期、技術者に変更が生じた場合に行うものとし、工事請負代金のみ変更の場合は、原則として登録を必要としない。
また、登録機関発行の「登録内容確認書」が受注者に届いた際には、速やかに工事監督員に提示しなければならない。なお、変更時と工事完成時の間が 10 日間に満たない場合は、変更時の提示を省略できる。
1-1-7 工事監督員
1.工事監督員の権限
当該工事における工事監督員の権限は、約款第9条第2項に規定した事項である。
2.工事監督員の権限の行使
工事監督員がその権限を行使する時は、書面により行うものとする。ただし、緊急を要する場合は工事監督員が、受注者に対し口頭による指示等を行えるものとする。口頭による指示等が行われた場合には、後日書面により工事監督員と受注者の両者が指示内容等を確認するものとする。
1-1-8 現場技術員
受注者は、設計図書で建設コンサルタント等に委託した現場技術員の配置が明示された場合には、次の各号によらなければならない。
(1)受注者は、現場技術員が監督職員に代わり現場に臨場し、立会等を行う場合には、その業務に協力しなければならない。また、書類(計画書、報告書、データ、図面等)の提出に際し、説明を求められた場合はこれに応じなければならない。
(2)現場技術員は、約款第9条に規定する監督職員ではなく、指示、承諾、協議及び確認の適否等を行う権限は有しないものである。ただし、監督職員から受注者に対する指示または、通知等を現場技術員を通じて行うことがある。また、受注者が監督職員に対して行う報告または通知は、現場技術員を通じて行うことができる。
1-1-9 工事用地等の使用
1.維持・管理
受注者は、発注者から使用承認あるいは提供を受けた工事用地等は、善良なる管理者の注意をもって維持・管理するものとする。
2.用地の確保
設計図書において受注者が確保するものとされる用地及び工事の施工上受注者が必要とする用地については、自ら準備し、確保するものとする。この場合において、工事の施工上受注者が必要とする用地とは、営繕用地(受注者の現場事務所、宿舎、駐車場)及び型枠又は鉄筋作業場等専ら受注者が使用する用地並びに構造物掘削等に伴う借地等をいう。
3.第三者からの調達用地
受注者は、工事の施工上必要な土地等を第三者から借用したときは、その土地等の所有者との間の契約を遵守し、その土地等の使用による苦情又は紛争が生じないように努めなければならない。
4.用地の返還
受注者は、第1項に規定した工事用地等の使用終了後は、設計図書の定め又は工事監督員の指示に従い復旧の上、速やかに発注者に返還しなければならない。工事の完成前に発注者が返還を要求した場合も速やかに発注者に返還しなければならない。
5.復旧費用の負担
発注者は、第1項に規定した工事用地等について受注者が復旧の義務を履行しないときは受注者の費用負担において自ら復旧することができるものとし、その費用は受注者に支払うべき請負代金額から控除するものとする。この場合において、受注者は、復旧に要した費用に関して発注者に異議を申し立てることができない。
6.用地の使用制限
受注者は、提供を受けた用地を工事用仮設物等の用地以外の目的に使用してはならない。
1-1-10 工事の着手
受注者は、特記仕様書に定めのある場合を除き、特別の事情がない限り、約款に定める工事始期日以降 30 日以内に工事に着手しなければならない。
1-1-11 工事の下請負
受注者は、下請負に付する場合には、次の各号に掲げる要件をすべて満たさなければならない。
(1)受注者が、工事の施工につき総合的に企画、指導及び調整するものであること。
(2)下受注者が、国土交通省の工事指名競争参加資格者である場合には、営業停止、指名停止期間中でないこと。
(3)下受注者は、当該下請負工事の施工能力を有すること。
1-1-12 施工体制台帳
1.一般事項
受注者は、工事を施工するために締結した下請負契約の請負代金額(当該下請負契約が2以上ある場合は、それらの請負代金の総額)が 3,000 万円以上になる場合、国土交通省令に従って記載した施工体制台帳を作成し、工事現場に備えるとともに、その写しを工事監督員に提出しなければならない。
2.施工体系図
第1項の受注者は、国土交通省令に従って、各下受注者の施工の分担関係を表示した施工体系図を作成し、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に従って、工事関係者が見やすい場所及び公衆が見やすい場所に掲げるとともにその写しを工事監督員に提出しなければならない。
3.施工体制台帳等変更時の処置
第1項の受注者は、施工体制台帳及び施工体系図に変更が生じた場合は、その都度速やかに工事監督員に提出しなければならない。
1-1-13 受注者相互の協力
受注者は、約款第2条の規定に基づき隣接工事又は関連工事の請負業者と相互に協力し、施工しなければならない。
また、他事業者が施工する関連工事が同時に施工される場合にも、これら関係者と相互に協力しなければならない。
1-1-14 調査・試験に対する協力
1.一般事項
受注者は、発注者が自ら又は発注者が指定する第三者が行う調査及び試験に対して、工事監督員の指示によりこれに協力しなければならない。この場合、発注者は、具体的な内容等を事前に受注者に通知するものとする。
2.公共事業労務費調査
受注者は、当該工事が発注者の実施する公共事業労務費調査の対象工事となった場合には、次の各号に掲げる協力をしなければならない。また、工期経過後においても同様とする。
(1)調査票等に必要事項を正確に記入し、発注者に提出する等必要な協力をしなければならない。
(2)調査票等を提出した事業所を発注者が、事後に訪問して行う調査・指導の対象に
なった場合には、その実施に協力しなければならない。
(3)正確な調査票等の提出が行えるよう、労働基準法等に従い就業規則を作成すると共に賃金台帳を調製・保存する等、日頃より使用している現場労働者の賃金時間管理を適切に行なわなければならない。
(4)対象工事の一部について下請契約を締結する場合には、当該下請負工事の受注者
(当該下請工事の一部に係る二次以降の下請負人を含む。)が前号と同様の義務を負う旨を定めなければならない。
3.諸経費動向調査
受注者は、当該工事が発注者の実施する諸経費動向調査の対象工事となった場合には、調査等の必要な協力をしなければならない。また、工期経過後においても同様とする。
4.施工合理化調査
受注者は、当該工事が発注者の実施する施工合理化調査の対象工事となった場合には、調査等の必要な協力をしなければならない。また、工期経過後においても同様とする。
5.低入札価格調査対象工事
受注者は、当該工事が「低入札価格調査制度」の調査対象工事となった場合は、次に掲げる事項に応じなければならない。
(1)受注者は、工事監督員の求めに応じて施工体制台帳を提出しなければならない。また、書類の提出に際して、その内容についてヒアリングを求められたときは、受注者はこれに応じなければならない。
(2)第1編1-1-5に基づく施工計画書の提出に際して、その内容についてヒアリングを求められたときは、受注者はこれに応じなければならない。
(3)受注者は、工事監督員と協議を行い、段階確認予定表を作成し、施工中の各段階において工事監督員立会いの下に段階確認を受けなければならない。
(4)受注者は、契約担当者が工事施工中において、中間検査の必要を認めた場合は、すみやかに工事監督員の指示に従い検査を受けなければならない。なお、検査は約款第 31 条に準じて行うものとする。
(5)受注者は、工事の進捗状況を記載した工事履行報告書を、特段の指示がある場合を除き毎月始めに工事監督員に提出するものとする。
6.独自の調査・試験を行う場合の処置
受注者は、工事現場において独自の調査・試験等を行う場合、具体的な内容を事前に工事監督員に説明し、承諾を得なければならない。
また、受注者は、調査・試験等の成果を公表する場合、事前に発注者に説明し、承諾を得なければならない。
1-1-15 工事の一時中止
1.一般事項
発注者は、約款第 20 条の規定に基づき次の各号に該当する場合においては、あらかじめ受注者に対して通知した上で、必要とする期間、工事の全部又は一部の施工について一時中止をさせることができる。なお、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他自然的又は人為的な事象による工事の中断については、
1-1-48 臨機の措置により、受注者は、適切に対応しなければならない。
(1)埋蔵文化財の調査、発掘の遅延及び埋蔵文化財が新たに発見され、工事の続行が不適当又は不可能となった場合
(2)関連する他の工事の進捗が遅れたため工事の続行を不適当と認めた場合
(3)工事着手後、環境問題等の発生により工事の続行が不適当又は不可能となった場合
2.発注者の中止権
発注者は、受注者が契約図書に違反し又は工事監督員の指示に従わない場合等、監督職員が必要と認めた場合には、工事の中止内容を受注者に通知し、工事の全部または一部の施工について一時中止させることができる。
3.基本計画書の作成
前1項及び2項の場合において、受注者は施工を一時中止する場合は、中止期間中の維持・管理に関する基本計画書を工事監督員を通じて発注者に提出し、承諾を得るものとする。また、受注者は工事の再開に備え工事現場を保全しなければならない。
1-1-16 設計図書の変更
設計図書の変更とは、入札に際して発注者が示した設計図書を、発注者が指示した内容及び設計変更の対象となることを認めた協議内容に基づき、発注者が修正することをいう。
1-1-17 工期変更
1.一般事項
約款第 15 条第7項、第 17 条第1項、第 18 条第5項、第 19 条、第 20 条第3項、
第 21 条及び第 43 条第2項の規定に基づく工期の変更について、約款第 23 条の工期変更協議の対象であるか否かを工事監督員と受注者との間で確認する(本条において以下
「事前協議」という。)ものとし、工事監督員はその結果を受注者に通知するものとする。
2.設計図書の変更等
受注者は、約款第 18 条第5項及び第 19 条に基づき設計図書の変更又は訂正が行われた場合、第1項に示す事前協議において工期変更協議の対象であると確認された事項について、必要とする変更日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付の上、約款第 23 条第2項に定める協議開始の日までに工期変更に関して工事監督員と協議しなければならない。
3.工事の一時中止
受注者は、約款第 20 条に基づく工事の全部もしくは一部の施工が一時中止となった場合、第1項に示す事前協議において工期変更協議の対象であると確認された事項について、必要とする変更日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付の上、約款第 23 条第2項に定める協議開始の日までに工期変更に関して工事監督員と協議しなければならない。
4.工期の延長
受注者は、約款第 21 条に基づき工期の延長を求める場合、第1項に示す事前協議において工期変更協議の対象であると確認された事項について、必要とする延長日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付の上、約款第 23 条第2項に定める協議開始の日までに工期変更に関して工事監督員と協議しなければならない。
5.工期の短縮
受注者は、約款第 22 条第1項に基づき工期の短縮を求められた場合、可能な短縮日
数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付し、約款第 23 条第2項に定める協議開始の日までに工期変更に関して工事監督員と協議しなければならない。
1-1-18 支給材料及び貸与物件
1.一般事項
受注者は、支給材料及び貸与物件を約款第 15 条第8項の規定に基づき善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
2.受払状況の記録
受注者は、支給材料及び貸与物件の受払状況を記録した帳簿を備え付け、常にその残高を明らかにしておかなければならない。
3.支給品精算書、支給材料精算書
受注者は、工事完成時(完成前に工事工程上、支給材料の精算が可能な場合は、その時点。)に、支給品精算書を工事監督員を通じて発注者に提出しなければならない。
4.要求書
受注者は、約款第 15 条第 1 項の規定に基づき、支給材料及び貸与品の支給を受ける
場合、品名、数量、品質、規格又は性能を記した要求書をその使用予定日の 14 日前ま
でに工事監督員に提出しなければならない。
5.引渡場所
約款第 15 条第1項に規定する「引渡場所」は、設計図書又は工事監督員の指示によるものとする。
6.返還
受注者は、約款第 15 条第9項「不用となった支給材料又は貸与物件の返還」の規定に基づき返還する場合、工事監督員の指示に従うものとする。なお、受注者は、返還が完了するまで材料の損失に対する責任を免れることはできないものとする。
7.修理等
受注者は、支給材料及び貸与物件の修理等を行う場合、事前に工事監督員の承諾を得なければならない。
8.流用の禁止
受注者は、支給材料及び貸与物件を他の工事に流用してはならない。
9.所有権
支給材料及び貸与物件の所有権は、受注者が管理する場合でも発注者に属するものとする。
1-1-19 工事現場発生品
1.一般事項
受注者は、設計図書に定められた現場発生品について、設計図書又は工事監督員の指示する場所で工事監督員に引き渡すとともに、あわせて現場発生品調書を作成し、工事監督員を通じて発注者に提出しなければならない。
2.設計図書以外の現場発生品の処置
受注者は、第1項以外のものが発生した場合、工事監督員に連絡し、工事監督員が引き渡しを指示したものについては、工事監督員の指示する場所で工事監督員に引き渡すとともに、あわせて現場発生品調書を作成し、工事監督員を通じて発注者に提出しなければならない。
1-1-20 建設副産物
1.一般事項
受注者は、掘削により発生した石、砂利、砂その他の材料を工事に用いる場合、設計図書によるものとするが、設計図書に明示がない場合には、本体工事又は設計図書に指定された仮設工事にあっては、工事監督員と協議するものとし、設計図書に明示がない任意の仮設工事にあたっては、工事監督員の承諾を得なければならない。
2.マニフェスト
受注者は、産業廃棄物が搬出される工事にあたっては、産業廃棄物管理票(紙マニフェスト)又は電子マニフェストにより、適正に処理されていることを確かめるとともに工事監督員に提示しなければならない。
3.法令遵守
受注者は、建設副産物適正処理推進要綱(国土交通事務次官通達、平成 14 年5月 30
日)、再生資源の利用の促進について(建設大臣官房技術審議官通達、平成3年 10 月 25
日)(航空局飛行場部建設課長通達、平成4年1月 24 日)、建設汚泥の再生利用に関す
るガイドライン(国土交通事務次官通達、平成 18 年6月 12 日)を遵守して、建設副産物の適正な処理及び再生資源の活用を図らなければならない。
4.再生資源利用計画
受注者は、土砂、砕石又は加熱アスファルト混合物を工事現場に搬入する場合には、再生資源利用計画を作成し、施工計画書に含め工事監督員に提出しなければならない。
5.再生資源利用促進計画
受注者は、建設発生土、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材、建設汚泥又は建設混合廃棄物を工事現場から搬出する場合には、再生資源利用
促進計画を作成し、施工計画書に含め工事監督員に提出しなければならない。
6.実施書の提出
受注者は、再生資源利用計画及び再生資源利用促進計画を作成した場合には、工事完了後速やかに実施状況を記録した「再生資源利用実施書」及び「再生資源利用促進実施書」を発注者に提出しなければならない。
1-1-21 工事監督員による確認(確認を含む)及び立会等
1.立会願の提出
受注者は設計図書に従って工事監督員の立会が必要な場合は、あらかじめ立会願を所定の様式により工事監督員に提出しなければならない。
2.工事監督員の立会
工事監督員は、必要に応じ、工事現場又は製作工場において立会し、又は資料の提出を請求できるものとし、受注者はこれに協力しなければならない。
3.検査、立会の準備等
受注者は、工事監督員による確認及び立会に必要な準備、人員及び資機材等の提供並びに写真その他資料の整備をするものとする。なお、工事監督員が製作工場において確認を行なう場合、受注者は監督業務に必要な設備等の備わった執務室を提供しなければならない。
4.検査及び立会の時間
工事監督員による確認及び立会の時間は、工事監督員の勤務時間内とする。ただし、やむを得ない理由があると工事監督員が認めた場合はこの限りではない。
5.遵守義務
受注者は、約款第9条第2項第3号、第 13 条第2項又は第 14 条第1項もしくは同条第2項の規定に基づき、工事監督員の立会を受け、材料の確認を受けた場合にあっても、約款第 17 条及び第 31 条に規定する義務を免れないものとする。
6.段階確認
段階確認は、次に掲げる各号に基づいて行うものとする。
(1)受注者は、表1-1段階確認一覧表に示す確認時期において、段階確認を受けなければならない。
(2)受注者は、事前に段階確認に係わる報告(種別、細別、施工予定時期等)を監督職員に提出しなければならない。また、工事監督員から段階確認の実施について通知があった場合には、受注者は、段階確認を受けなければならない。
(3)受注者は、段階確認に臨場するものとし、工事監督員の確認を受けた書面を、工事
完成時までに工事監督員へ提出しなければならない。
(4)受注者は、工事監督員に完成時不可視になる施工箇所の調査ができるよう十分な機会を提供するものとする。
7.段階確認の臨場
工事監督員は、設計図書に定められた段階確認において臨場を机上とすることができる。この場合において、受注者は、工事監督員に施工管理記録、写真等の資料を提示し確認を受けなければならない。
表1-1 段階確認一覧表
種 別 | 細 別 | 確 認 時 期 |
指定仮設工 | 設置完了時 | |
河川・海岸・砂防土工(掘削工)道路土工(掘削工) | 土(岩)質の変化した時 | |
道路土工(路床盛土工)舗装工(下層路盤) | プルーフローリング実施時 | |
表層安定処理工 | 表層混合処理・路床安定処理 | 処理完了時 |
置換 | 掘削完了時 | |
サンドマット | 処理完了時 | |
バーチカルドレーン工 | サンドドレーン 袋詰式サンドドレーンペーパドレーン | 施工時 施工完了時 |
締固め改良工 | サンドコンパクションパイル | 施工時 施工完了時 |
固結工 | 粉体噴射攪拌高圧噴射攪拌 セメントミルク攪拌 生石灰パイル | 施工時 施工完了時 |
薬液注入 | 施工時 | |
xxx (任意仮設を除く) | 鋼xx 鋼管xx | 打込時 打込完了時 |
既製杭工 | 既製コンクリート杭鋼管杭 H鋼杭 | 打込時 打込完了時(打込杭)掘削完了時(xx杭)施工完了時(xx杭) 杭頭処理完了時 |
場所打杭工 | リバース杭 オールケーシング杭アースドリル杭 大口径杭 | 掘削開始前掘削完了時 鉄筋組立て完了時施工完了時 杭頭処理完了x |
x礎工 | 土(岩)質の変化した時掘削完了時 鉄筋組立て完了時施工完了時 グラウト注入時 | |
オープンケーソン基礎工 ニューマチックケーソン基礎工 | 鉄杳据え付け完了時 本体設置前 (オープンケーソン)掘削完了時(ニューマチックケーソン) 土(岩)質の変化した時 鉄筋組立て完了時 | |
鋼管xx基礎工 | 打込時 打込完了時 杭頭処理完了時 |
種 別 | 細 別 | 確 認 時 期 |
置換工(重要構造物) | 掘削完了時 | |
築堤・護岸工 | 法線設置完了時 | |
砂防ダム | 法線設置完了時 | |
護岸工 | 法覆工(覆土施工がある場合) | 覆土前 |
基礎工・根固工 | 設置完了時 | |
重要構造物 函渠工(樋門・樋管含む)躯体工(橋台) RC躯体工(橋脚)橋脚フーチング工 RC擁壁 砂防ダム堰本体工 排水機場本体工xxx 共同溝本体工 | 土(岩)質の変化した時床掘掘削完了時 鉄筋組立て完了時埋戻し前 | |
躯体工 RC躯体工 | 杳座の位置決定時 | |
床版工 | 鉄筋組立て完了時 | |
鋼橋 | 仮組立て完了時(仮組立てが省略となる場合を除く) | |
ポストテンションT(I)桁製作工プレビーム桁製作工 プレキャストブロック桁組立工 PCホロースラブ製作工 PC版桁製作工 PC箱桁製作工 PC片持箱桁製作工 PC押出し箱桁製作工床版・横組工 | プレストレスト導入完了時 横締め作業完了時プレストレスト導入完了時 縦締め作業完了時 PC鋼線・鉄筋組立完了時 (工場製作除く) | |
トンネル掘削工 | 土(岩)質の変化した時 | |
トンネル支保工 | 支保工完了時 (支保工変化毎) | |
トンネル覆工 | コンクリート打設前 | |
コンクリート打設後 | ||
トンネルインバート工 | 鉄筋組立て完了時 | |
鋼板巻立て工 | フーチング定着アンカー穿孔工 | フーチング定着アンカー穿孔完了時 |
鋼板取付け工、固定アンカー工 | 鋼板建込み固定アンカー完了時 | |
現場溶接工 | 溶接前 | |
溶接完了時 | ||
現場塗装工 | 塗装前 | |
塗装完了時 | ||
ダム工 | 各工事ごと別途定める |
1-1-22 数量の算出及び完成図
1.一般事項
受注者は、出来形数量を算出するために出来形測量を実施しなければならない。
2.出来形数量の提出
受注者は、出来形測量の結果を基に、土木工事数量算出要領(案)及び設計図書に従って、出来形数量を算出し、その結果を工事監督員からの請求があった場合は速やかに提示するとともに、工事完成時までに工事監督員に提出しなければならない。出来形測量の結果が、設計図書の寸法に対し、土木工事施工管理基準及び規格値を満たしていれば、出来形数量は設計数量とする。
なお、設計数量とは、設計図書に示された数量及びそれを基に算出された数量をいう。
3.完成図の提出
受注者は、出来形測量の結果及び設計図書に従って完成図を作成し、工事監督員に提出しなければならない。
1-1-23 品質証明
受注者は、設計図書で品質証明の対象工事と明示された場合には、次の各号によるものとする。
(1)品質証明に従事する者(以下「品質証明員」という。)が工事施工途中において必要と認める時期及び検査(完成、既済部分、中間技術検査をいう。以下同じ。)の事前に品質確認を行い、受注者はその結果を所定の様式により、検査時までに工事監督員へ提出しなければならない。
(2)品質証明員は、当該工事に従事していない社内の者とする。また、原則として品質証明員は検査に立会わなければならない。
(3)品質証明は、契約図書及び関係図書に基づき、出来形、品質及び写真管理はもとより、工事全般にわたり行うものとする。
(4)品質証明員の資格は 10 年以上の現場経験を有し、技術士もしくは1級土木施工管理技士の資格を有するものとする。ただし、工事監督員の承諾を得た場合はこの限りでない。
(5)品質証明員を定めた場合、受注者は書面により氏名、資格(資格証書の写しを添付)、経験及び経歴書を工事監督員に提出しなければならない。なお、品質証明員を変更した場合も同様とする。
1-1-24 工事完成図書
1.一般事項
受注者は、工事完成図書として以下の書類を提出しなければならない。
① 工事打合せ簿(出来形、品質管理資料等を含む)
② 施工計画書
③ 完成図面
④ 工事写真
⑤ 工事履行報告
⑥ 段階確認書
⑦ 材料確認書
2.電子納品への対応
受注者は、「工事完成図書の電子納品要領(案)」に基づいて作成した電子データを、電子媒体で提出しなければならない。電子納品にあたっては、「電子納品情報共有運用ガイドライン(案)」、「CAD製図基準(案)」等を参考にし、工事監督員と協議の上電子化の範囲等を決定しなければならない。
3.電子媒体の提出
受注者は、電子納品に際して、「電子納品チェックシステム」によるチェックを行い、
エラーがないことを確認した後、ウィルス対策を実施した上で電子媒体を提出しなければならない。
1-1-25 竣工検査
1.竣工通知書の提出
受注者は、約款第 32 条の規定に基づき、竣工通知書を工事監督員に提出しなければならない。
2.竣工検査の要件
受注者は、竣工通知書を工事監督員に提出する際には、次の各号に掲げる要件をすべて満たさなくてはならない。
(1)設計図書(追加、変更指示も含む。)に示されるすべての工事が完成していること。
(2)約款第 17 条第1項の規定に基づき、工事監督員の請求した改造が完了していること。
(3)設計図書により義務付けられた工事記録写真、出来形管理資料、工事関係図等の資料の整備がすべて完了していること。
(4)契約変更を行う必要が生じた工事においては、最終変更契約を発注者と締結していること。
3.検査日の通知
発注者は、工事完成検査に先立って、工事監督員を通じて受注者に対して検査日を通知するものとする。
4.検査内容
工事検査員は、工事監督員及び受注者の臨場の上、工事目的物を対象として契約図書と対比し、次の各号に掲げる検査を行うものとする。
(1)工事の出来形について、形状、寸法、精度、数量、品質及び出来ばえ
(2)工事管理状況に関する書類、記録及び写真等
5.修補の指示
工事検査員は、修補の必要があると認めた場合には、受注者に対して、期限を定めて修補の指示を行うことができる。
6.修補期間
修補の完了が確認された場合は、その指示の日から補修完了の確認の日までの期間は、約款第 32 条第2項に規定する期間に含めないものとする。
7.適用規定
受注者は、当該工事完成検査については、1-1-21 第3項の規定を準用する。
1-1-26 出来形部分検査
1.一般事項
受注者は、約款第 38 条第2項の部分払の確認の請求を行った場合、又は、約款第 39条第1項の工事の完成の通知を行った場合は、既済部分に係わる検査を受けなければならない。
2.部分払いの請求
受注者は、約款第 38 条に基づく部分払いの請求を行うときは、前項の検査を受ける前に工事の出来高に関する資料を作成し、工事監督員に提出しなければならない。
3.検査内容
工事検査員は、工事監督員及び受注者の臨場の上、工事目的物を対象として工事の出来高に関する資料と対比し、次の各号に掲げる検査を行うものとする。
(1)工事の出来形について、形状、寸法、精度、数量、品質及び出来ばえの検査を行う。
(2)工事管理状況について、書類、記録及び写真等を参考にして検査を行う。
4.修補
受注者は、工事検査員の指示による修補については、前条の第5項の規定に従うものとする。
5.適用規定
受注者は、当該出来形部分検査については、1-1-21 第3項の規定を準用する。
6.検査日の通知
発注者は、出来形部分検査に先立って、工事監督員を通じて受注者に対して検査日を通知するものとする。
7.中間前払金の請求
受注者は、中間前払金の請求を行うときは、認定を受ける前に履行報告書を作成し、工事監督員に提出しなければならない。
1-1-27 中間検査
1.一般事項
受注者は、中間検査実施基準に基づく中間検査を受けなければならない。
2.対象工事
中間検査は、設計図書において対象工事と定められた工事について実施するものとする。
3.中間検査の時期
中間検査は、設計図書において定められた段階において行うものとする。
4.検査日の通知
中間検査の時期選定は、工事監督員が行うものとし、発注者は受注者に対して中間検査を実施する旨及び検査日を工事監督員を通じて事前に通知するものとする。
5.検査内容
工事検査員は、工事監督員及び受注者の臨場の上、工事目的物を対象として設計図書と対比し、次の各号に掲げる検査を行うものとする。
(1)工事の出来形について、形状、寸法、精度、数量、品質及び出来ばえの検査を行う。
(2)工事管理状況について、書類、記録及び写真等を参考にして検査を行う。
6.適用規定
受注者は、当該中間検査については、1-1-21 第3項の規定を準用する。
1-1-28 部分使用
1.一般事項
発注者は、受注者の同意を得て部分使用できる。
2.工事監督員による検査
受注者は、発注者が約款第 34 条の規定に基づく当該工事に係わる部分使用を行う場合には、中間検査又は工事監督員による品質及び出来形等の検査(確認を含む)を受けるものとする。
1-1-29 施工管理
1.一般事項
受注者は、工事の施工にあたっては、施工計画書に示される作業手順に従い施工し、品質及び出来形が設計図書に適合するよう、十分な施工管理をしなければならない。
2.施工管理頻度、密度の変更
工事監督員は、以下に掲げる場合、設計図書に示す品質管理の測定頻度及び出来形管理の測定密度を変更することができる。この場合、受注者は、工事監督員の指示に従うものとする。これに伴う費用は、受注者の負担とするものとする。
(1)工事の初期で作業が定常的になっていない場合
(2)管理試験結果が限界値に異常接近した場合
(3)試験の結果、品質及び出来形に均一性を欠いた場合
(4)前各号に掲げるもののほか、工事監督員が必要と判断した場合
3.標示板の設置
受注者は、施工に先立ち工事現場又はその周辺の一般通行人等が見易い場所に工事名、工期、発注者名及び受注者名を記載した標示板を設置し、工事完成後は速やかに標示板 を撤去しなければならない。ただし、標示板の設置が困難な場合は、監督職員の承諾を 得て省略することができる。
4.整理整頓
受注者は、工事期間中現場内及び周辺の整理整頓に努めなければならない。
5.周辺への影響防止
受注者は、施工に際し施工現場周辺並びに他の構造物及び施設などへ影響を及ぼさないよう施工しなければならない。また、影響が生じた場合には直ちに工事監督員へ連絡し、その対応方法等に関して工事監督員と速やかに協議しなければならない。また、損傷が受注者の過失によるものと認められる場合、受注者自らの負担で原形に復元しなければならない。
6.良好な作業環境の確保
受注者は、作業員が健全な身体と精神を保持できるよう作業場所、現場事務所及び作業員宿舎等における良好な作業環境の確保に努めなければならない。
7.発見・拾得物の処置
受注者は、工事中に物件を発見又は拾得した場合、直ちに関係機関へ通報するとともに、工事監督員へ連絡しその対応について指示を受けるものとする。
8.記録及び関係書類
受注者は、出来形管理基準及び品質管理基準により施工管理を行い、その記録及び関係書類を作成、保管し、工事完成時に工事監督員へ提出しなければならない。ただし、それ以外で工事監督員からの請求があった場合は提示しなければならない。
なお、出来形管理基準及び品質管理基準が定められていない工種については、工事監督員と協議の上、施工管理を行うものとする。
1-1-30 履行報告
受注者は、約款第 11 条の規定に基づき、工事履行報告書を工事監督員に提出しなければならない。
1-1-31 工事関係者に対する措置請求
1.現場代理人に対する措置
発注者は、現場代理人が工事目的物の品質・出来形の確保及び工期の遵守に関して、著しく不適当と認められるものがあるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
2.技術者に対する措置
発注者又は工事監督員は、xx技術者(監理技術者)、専門技術者(これらの者と現場代理人を兼務する者を除く。)が工事目的物の品質・出来形の確保及び工期の遵守に関して、著しく不適当と認められるものがあるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
1-1-32 工事中の安全確保
1.安全指針等の遵守
受注者は、土木工事安全施工技術指針(国土交通大臣官房技術審議官通達、平成 21
年3月 31 日)、建設機械施工安全技術指針(国土交通省大臣官房技術調査課長、国土交
通省総合政策局建設施工企画課長通達、平成 17 年3月 31 日)、「港湾工事安全施工指針
(社)日本埋立浚渫協会」、「潜水作業安全施工指針(社)日本潜水協会」および「作業船団安全運行指針(社)日本海上起重技術協会」、JIS A 8972(斜面・法面工事用仮設
設備)を参考にして、常に工事の安全に留意し現場管理を行い災害の防止を図らなければならない。ただし、これらの指針は当該工事の契約条項を超えて受注者を拘束するものではない。
2.支障行為等の防止
受注者は、工事施工中、工事監督員及び管理者の許可なくして、流水及び水陸交通の支障となるような行為、又は公衆に支障を及ぼすなどの施工をしてはならない。
3.災害の防止
受注者は、建設工事公衆災害防止対策要綱(建設事務次官通達、平成5年1月 12 日)を遵守して災害の防止を図らなければならない。
4.使用機械
受注者は、土木工事に使用する建設機械の選定、使用等について、設計図書により建 設機械が指定されている場合には、これに適合した建設機械を使用しなければならない。ただし、より条件に合った機械がある場合には、工事監督員の承諾を得て、それを使用 することができる。
5.周辺への支障防止
受注者は、工事箇所及びその周辺にある地上地下の既設構造物に対して支障を及ぼさないよう必要な措置を施さなければならない。
6.防災体制
受注者は、豪雨、出水、土石流、その他天災に対しては、天気予報などに注意を払い、常に災害を最小限に食い止めるため防災体制を確立しておかなくてはならない。
7.第三者の立入り禁止措置
受注者は、工事現場付近における事故防止のため一般の立入りを禁止する場合、その区域に、柵、門扉、立入禁止の標示板等を設けなければならない。なお、空港工事にあっては、工事監督員の承諾を得るものとする。
8.安全巡視
受注者は、工事期間中、安全巡視を行い、工事区域及びその周辺の監視あるいは連絡を行い安全を確保しなければならない。
9.イメージアップ
受注者は、工事現場のイメージアップを図るため、現場事務所、作業員宿舎、休憩所又は作業環境等の改善を行い、快適な職場を形成するとともに、地域との積極的なコミュニケーション及び現場周辺の美装化に努めるものとする。
10.定期安全研修・訓練等
受注者は、工事着手後、作業員全員の参加により月当たり、半日以上の時間を割当て、次の各号から実施する内容を選択し、定期的に安全に関する研修・訓練等を実施しなければならない。
(1)安全活動のビデオ等視覚資料による安全教育
(2)当該工事内容等の周知徹底
(3)工事安全に関する法令、通達、指針等の周知徹底
(4)当該工事における災害対策訓練
(5)当該工事現場で予想される事故対策
(6)その他、安全・訓練等として必要な事項
11.施工計画書
受注者は、工事の内容に応じた安全教育及び安全訓練等の具体的な計画を作成し、施工計画書に記載しなければならない。
12.安全教育・訓練等の記録
受注者は、安全教育及び安全訓練等の実施状況について、ビデオ等又は工事報告等に記録した資料を整備及び保管し、工事監督員の請求があった場合は直ちに提示するものとする。
13.関係機関との連絡
受注者は、所轄警察署、所管海上保安部、道路管理者、鉄道事業者、河川管理者、港湾管理者、空港管理者、海岸管理者、漁港管理者、海上保安部、労働基準監督署等の関係者及び関係機関と緊密な連絡を取り、工事中の安全を確保しなければならない。
14.工事関係者の連絡会議
受注者は、工事現場が隣接し又は同一場所において別途工事がある場合は、請負業者間の安全施工に関する緊密な情報交換を行うとともに、非常時における臨機の措置を定める等の連絡調整を行うため、関係者による工事関係者連絡会議を組織するものとする。
15.安全衛生協議会の設置
工事監督員が、労働安全衛生法(平成 18 年6月2日改定法律第 50 号)第 30 条第1項に規定する措置を講じるものとして、同条第2項の規定に基づき、受注者を指名した場合には、受注者はこれに従うものとする。
16.安全優先
受注者は、工事中における安全の確保をすべてに優先させ、労働安全衛生法(平成 18 年6月改定法律第 50 号)等関連法令に基づく措置を常に講じておくものとする。特に重機械の運転、電気設備等については、関係法令に基づいて適切な措置を講じておかなければならない。
17.災害発生時の応急処置
災害発生時においては、第三者及び作業員等の人命の安全確保をすべてに優先させるものとし、応急処置を講じるとともに、直ちに関係機関に通報及び工事監督員に連絡しなければならない。
18.地下埋設物等の調査
受注者は、工事施工箇所に地下埋設物件等が予想される場合には、当該物件の位置、深さ等を調査し工事監督員に報告しなければならない。
19.不明の地下埋設物等の処置
受注者は施工中、管理者不明の地下埋設物等を発見した場合は、工事監督員に連絡し、その処置については占用者全体の現地確認を求め、管理者を明確にしなければならない。
20.地下埋設物件等損害時の措置
受注者は、地下埋設物件等に損害を与えた場合は、直ちに関係機関に通報及び監督職員に連絡し、応急措置をとり補修しなければならない。
1-1-33 爆発及び火災の防止
1.火薬類の使用
受注者は、火薬類の使用については、以下の規定による。
(1)受注者は、発破作業に使用する火薬類等の危険物を備蓄し、使用する必要がある場合、火薬類取締法等関係法令を遵守しなければならない。また、関係官公庁の指導に従い、爆発等の防止の措置を講じるものとする。
なお、工事監督員の請求があった場合には、直ちに従事する火薬類取扱保安責任者の火薬類保安手帳及び従事者手帳を提示しなければならない。
(2)現地に火薬庫等を設置する場合は、火薬類の盗難防止のための立入防止柵、警報装置等を設置し保管管理に万全の措置を講ずるとともに、夜間においても、周辺の監視等を行い安全を確保しなければならない。
2.火気の使用
受注者は、火気の使用については、以下の規定による。
(1)受注者は、火気の使用を行う場合は、工事中の火災予防のため、その火気の使用場所及び日時、消火設備等を施工計画書に記載しなければならない。
(2)受注者は、喫煙等の場所を指定し、指定場所以外での火気の使用を禁止しなければならない。
(3)受注者は、ガソリン、塗料等の可燃物の周辺に火気の使用を禁止する旨の表示を行い、周辺の整理に努めなければならない。
(4)受注者は、伐開除根、掘削等により発生した雑木、草等を野焼きしてはならない。
1-1-34 後片付け
受注者は、工事の全部又は一部の完成に際して、一切の受注者の機器、余剰資材、残骸及び各種の仮設物を片付けかつ撤去し、現場及び工事にかかる部分を清掃し、かつ整然とした状態にするものとする。
ただし、設計図書において存置するとしたものを除く。また、工事検査に必要な足場、はしご等は、工事監督員の指示に従って存置し、検査終了後撤去するものとする。
1-1-35 事故報告書
受注者は、工事の施工中に事故が発生した場合には、直ちに工事監督員に連絡するとともに、指示する期日までに、工事事故報告書を提出しなければならない。
1-1-36 環境対策
1.環境保全
受注者は、建設工事に伴う騒音振動対策技術指針(建設大臣官房技術参事官通達、昭和 62 年3月 30 日改正)、関連法令並びに仕様書の規定を遵守の上、騒音、振動、大気汚染、水質汚濁等の問題については、施工計画及び工事の実施の各段階において十分に検討し、周辺地域の環境保全に努めなければならない。
2.苦情対応
受注者は、環境への影響が予知され又は発生した場合は、直ちに応急措置を講じ工事監督員に連絡しなければならない。また、第三者からの環境問題に関する苦情に対しては、誠意をもってその対応にあたり、その交渉等の内容は、後日紛争とならないよう文書で取り交わす等明確にしておくとともに、状況を随時工事監督員に報告しなければならない。
3.注意義務
受注者は、工事の施工に伴い地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者への損害が生じた場合には、受注者が善良な管理者の注意義務を果たし、その損害が避け得なかったか否かの判断をするための資料を工事監督員に提出しなければならない。
4.廃油等の適切な措置
受注者は、工事に使用する作業船等から発生した廃油等を「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」に基づき、適切な措置をとらなければならない。
5.水中への落下防止措置
受注者は、水中に工事用資材等が落下しないよう措置を講じるものとする。また、工事の廃材、残材等を海中に投棄してはならない。落下物が生じた場合は、受注者は自らの負担で撤去し、処理しなければならない。
6.排出ガス対策型建設機械
受注者は、工事の施工にあたり表1-2に示す一般工事用建設機械を使用する場合、及びトンネル坑内作業にあたり表1-3に示すトンネル工事用建設機械を使用する場合は、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(平成 17 年法律第 51 号)」に基
づく技術基準に適合する機械、又は、「排出ガス対策型建設機械指定要領(平成3年 10
月8日付け建設省経機発第249 号、最終改正平成22 年3月18 日付け国総施第291 号)」、
「排出ガス対策型建設機械の普及促進に関する規程(平成 18 年3月 17 日付け国土交通
省告示第 348 号)」もしくは「第3次排出ガス対策型建設機械指定要領(平成 18 年3月
17 日付け国総施第 215 号)」に基づき指定された排出ガス対策型建設機械を使用しなければならない。
ただし、平成7年度建設技術評価制度公募課題「建設機械の排出ガス浄化装置の開発」、又はこれと同等の開発目標で実施された民間開発建設技術の技術審査・証明事業もしくは建設技術審査照明事業により評価された排出ガス浄化装置を装着した建設機
械についても、排出ガス対策型建設機械と同等と見なすことができる。ただし、これにより難い場合、工事監督員と協議するするものとする。
表1-2
機 種 | 備 考 |
一般工事用建設機械 ・バックホウ・トラクタショベル(車輪式)・ブルドーザ・発動発電機(可搬式)・空気圧縮機(可搬式)・油圧ユニット(以下に示す基礎工事用機械のうち、ベースマシーンとは別に、独立したディーゼルエンジン駆動の油圧ユニットを搭載しているもの;油圧ハンマ、バイブロハンマ、油圧式鋼管圧入・引抜機、油圧式杭圧入・引抜機、アースオーガ、オールケーシング掘削機、リバースサーキュレーションドリル、アースドリル、地下連続壁施工機、全回転型オールケーシング掘削機)・ロードローラ、タイヤローラ、振動ロ ーラ・ホイールクレーン | ディーゼルエンジン(エンジン出力 7.5kw以上 260kw 以下)を搭載した建設機械に限る。 |
表1-3
機 種 | 備 考 |
トンネル工事用建設機械 ・バックホウ ・トラクタショベル ・大型ブレーカ ・コンクリート吹付機 ・ドリルジャンボ ・ダンプトラック ・トラックミキサ | ディーゼルエンジン(エンジン出力 30kw ~260kw)を搭載した建設機械に限る。 ただし、道路運送車輌の保安基準に排出ガス基準が定められている自動車の種別で、有効な自動車検査証の交付を受けているものは除く。 |
7.特定特殊自動車の燃料
受注者は、軽油を燃料とする特定特殊自動車の使用にあたって、燃料を購入して使用するときは、当該特定特殊自動車の製作等に関する事業者又は団体が推奨する軽油(ガソリンスタンド等で販売されている軽油をいう。)を選択しなければならない。また、工事監督員から特定特殊自動車に使用した燃料の購入伝票を求められた場合、提示しなければならない。なお、軽油を燃料とする特定特殊自動車の使用にあたっては、下受注者等に関係法令等を遵守させるものとする。
8.低騒音型・低振動型建設機械
受注者は、建設工事に伴う騒音振動対策技術指針(建設大臣官房技術参事官通達、昭和 62 年3月 30 日改正)によって低騒音型・低振動型建設機械を設計図書で使用を義務付けている場合には、低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規定(国土交通省告示、平成 13 年4月9日改正)に基づき指定された建設機械を使用しなければならない。ただし、施工時期・現場条件等により一部機種の調達が不可能な場合は、認定機種と同程度と認められる機種又は対策をもって協議することができる。
9.特定調達品目
受注者は、資材、工法、建設機械又は目的物の使用にあたっては、事業ごとの特性を踏まえ、必要とされる強度や耐久性、機能の確保、コスト等に留意しつつ、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成 15 年7月改正法律第 119 号。「グリー
ン購入法」という。)」第 10 条の規定に基づく「香川県グリーン購入推進ガイドライン」で定める特定調達品目の使用を積極的に推進するものとする。
1-1-37 文化財の保護
1.一般事項
受注者は、工事の施工に当たって文化財の保護に十分注意し、使用人等に文化財の重要性を十分認識させ、工事中に文化財を発見したときは直ちに工事を中止し、設計図書に関して工事監督員に協議しなければならない。
2.文化財等発見時の処置
受注者が、工事の施工に当たり、文化財その他の埋蔵物を発見した場合は、発注者との契約に係る工事に起因するものとみなし、発注者が、当該埋蔵物の発見者としての権利を保有するものである。
1-1-38 交通安全管理
1.一般事項
受注者は、工事用運搬路として、公衆に供する道路を使用する時は、積載物の落下等により、路面を損傷し、あるいは汚損することのないようにするとともに、特に第三者に工事公害による損害を与えないようにしなければならない。なお、第三者に工事公害による損害を及ぼした場合は、約款第 28 条によって処置するものとする。
2.輸送災害の防止
受注者は、工事用車両による土砂、工事用資材及び機械などの輸送を伴う工事については、関係機関と打合せを行い、交通安全に関する担当者、輸送経路、輸送期間、輸送方法、輸送担当業者、交通誘導員の配置、標識安全施設等の設置場所、その他安全輸送上の事項について計画をたて、災害の防止を図らなければならない。
3.交通安全等輸送計画
受注者は、ダンプトラック等の大型輸送機械で大量の土砂、工事用資材等の輸送をともなう工事は、事前に関係機関と打合せのうえ、交通安全等輸送に関する必要な事項の計画を立て、施工計画書に記載しなければならない。なお、受注者は、ダンプトラックを使用する場合、「直轄工事におけるダンプトラック過積載防止対策要領」、「港湾関係直轄工事におけるダンプトラック過積載防止対策要領」あるいは「空港関係直轄工事におけるダンプトラック過積載防止対策要領」に従うものとする。
4.交通安全法令の遵守
受注者は、供用中の公共道路に係る工事の施工にあたっては、交通の安全について、工事監督員、道路管理者及び所轄警察署と打合せを行うとともに、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(平成 22 年 12 月 17 日総理府・国土交通省令第3号)、道路
工事現場における標示施設等の設置基準(建設省道路局長通知、昭和 37 年8月 30 日)、
道路工事現場における標示施設等の設置基準の一部改正について(局長通知平成 18 年
3 月 31 日国道利 37 号・国道国防第 205 号)、道路工事現場における工事情報板及び工
事説明看板の設置について(国土交通省道路xxx課長、国道・防災課長通知平成 18
年 3 月 31 日国道利 38 号・国道国防第 206 号)及び道路工事保安施設設置基準(案)(建
設省道路局国道第一課通知昭和 47 年2月)に基づき、安全対策を講じなければならない。
5.工事用道路の維持補修
受注者は、設計図書において指定された工事用道路を使用する場合は、設計図書の定めに従い、工事用道路の維持管理及び補修を行うものとする。
6.工事用道路使用計画の作成
受注者は、指定された工事用道路の使用開始前に当該道路の維持管理、補修及び使用方法等の計画書を工事監督員に提出しなければならない。この場合において、受注者は、関係機関に所要の手続をとるものとし、発注者が特に指示する場合を除き、標識の設置その他の必要な措置を行なわなければならない。
7.工事用道路使用の責任
発注者が工事用道路に指定するもの以外の工事用道路は、受注者の責任において使用するものとする。
8.工事用道路共用時の処置
受注者は、特記仕様書に他の受注者と工事用道路を共用する定めがある場合においては、その定めに従うとともに、関連する受注者と緊密に打合せ、相互の責任区分を明らかにして使用するものとする。
9.公衆交通の確保
公衆の交通が自由かつ安全に通行するのに支障となる場所に材料又は設備を保管してはならない。受注者は、毎日の作業終了時及び何らかの理由により建設作業を中断する時には、交通管理者協議で許可された常設作業帯内を除き一般の交通に使用される路面からすべての設備その他の障害物を撤去しなくてはならない。
10.xx輸送
工事の性質上、受注者が、xx輸送によることを必要とする場合には本条の「道路」は、水門、又は水路に関するその他の構造物と読み替え「車両」は船舶と読み替えるものとする。
11.作業区域の標示等
受注者は、工事の施工にあたっては、作業区域の標示及び関係者への周知など、必要な安全対策を講じなければならない。また、作業船等が船舶の輻輳している区域を航行又はえい航する場合、見張りを強化する等、事故の防止に努めなければならない。
12.水中落下支障物の処置
受注者は、船舶の航行又は漁業の操業に支障をきたす恐おそれのある物体を水中に落とした場合、直ちに、その物体を取り除かなければならない。なお、直ちに取り除けない場合は、標識を設置して危険個所を明示し、関係機関に通報及び工事監督員へ連絡しなければならない。
13.作業船舶機械故障時の処理
受注者は、作業船舶機械が故障した場合、安全の確保に必要な措置を講じなければならない。なお、故障により二次災害を招く恐おそれがある場合は、直ちに応急の措置を講じ、関係機関に通報及び工事監督員へ連絡しなければならない。
14.通行許可
受注者は、建設機械、資材等の運搬にあたり、車両制限令(平成 16 年 12 月8日改
正政令第 387 号)第3条における一般的制限値を超える車両を通行させるときは、道路
法第 47 条の2に基づく通行許可を得ていることを確認しなければならない。
表1-4 一般的制限値
車両の諸元 | 一般的制限値 |
幅 長さ高さ 重量総重量 軸 重 隣接軸重の合 計 輪荷重最小回転半径 | 2.5m 12.0m 3.8m 20.0t(但し、高速自動車国道・指定道路については、軸距・長さに応じ最大 25.0t) 10.0t 隣り合う車軸に係る軸距 1.8m未満の場合は 18t (隣り合う車軸に係る軸距が 1.3m以上で、かつ、当該隣り合う車軸に係る軸重が 9.5t以下の場合は 19t)、 1.8m以上の場合は 20t 5.0t 12.0m |
ここでいう車両とは、人が乗車し、又は貨物が積載されている場合にはその状態におけるものをいい、他の車両をけん引している場合にはこのけん引されている車両を含む。
1-1-39 施設管理
受注者は、工事現場における公物(各種公益企業施設を含む。)又は部分使用施設(約款第 33 条の適用部分)について、施工管理上、契約図書における規定の履行を以っても不都合が生ずるおそれがある場合には、その処置について工事監督員と協議できる。なお、当該協議事項は、約款第9条の規定に基づき処理されるものとする。
1-1-40 諸法令の遵守
1.諸法令の遵守
受注者は、当該工事に関する諸法令を遵守し、工事の円滑な進捗を図るとともに、諸法令の適用運用は受注者の責任において行わなければならない。なお、主な法令は以下に示す通りである。
(1)会計法 (平成 18 年6月改正法律第 53 号)
(2)建設業法 (平成 20 年5月改正法律第 28 号)
(3)下請代金支払遅延等防止法 (平成 21 年6月改正法律第 51 号)
(4)労働基準法 (平成 20 年6月改正法律第 89 号)
(5)労働安全衛生法 (平成 18 年6月改正法律第 50 号)
(6)作業環境測定法 (平成 18 年6月改正法律第 50 号)
(7)じん肺法 (平成 16 年 12 月改正法律第 150 号)
(8)雇用保険法 (平成 22 年3月改正法律第 15 号)
(9)労働者災害補償保険法 (平成 22 年3月改正法律第 15 号)
(10)健康保険法 (平成 22 年5月改正法律第 35 号)
(11)中小企業退職金共済法 (平成 18 年6月改正法律第 66 号)
(12)建設労働者の雇用の改善等に関する法律(平成 21 年7月改正法律第 79 号)
(13)出入国管理及び難民認定法 (平成 21 年7月改正法律第 79 号)
(14)道路法 (平成 22 年3月改正法律第 20 号)
(15)道路交通法 (平成 21 年7月改正法律第 79 号)
(16)道路運送法 (平成 21 年6月改正法律第 64 号)
(17)道路運送車両法 (平成 20 年4月改正法律第 21 号)
(18)砂防法 (平成 22 年3月改正法律第 20 号)
(19)地すべり等防止法 (平成 19 年3月改正法律第 23 号)
(20)xxx (平成 22 年3月改正法律第 20 号)
(21)海岸法 (平成 22 年6月改正法律第 41 号)
(22)港湾法 (平成 22 年6月改正法律第 41 号)
(23)xx法 (平成 21 年7月改正法律第 69 号)
(24)漁港法 (平成 12 年5月改正法律第 78 号)
(25)下水道法 (平成 17 年6月改正法律第 70 号)
(26)航空法 (平成 21 年6月改正法律第 51 号)
(27)公有水面埋立法 (平成 16 年6月改正法律第 84 号)
(28)軌道法 (平成 18 年3月改正法律第 19 号)
(29)xxx (平成 18 年6月改正法律第 50 号)
(30)環境基本法 (平成 20 年6月改正法律第 83 号)
(31)火薬類取締法 (平成 21 年7月改正法律第 85 号)
(32)大気汚染防止法 (平成 22 年5月改正法律第 31 号)
(33)騒音規制法 (平成 17 年4月改正法律第 33 号)
(34)水質汚濁防止法 (平成 22 年5月改正法律第 31 号)
(35)湖沼水質保全特別措置法 (平成 22 年5月改正法律第 31 号)
(36)振動規制法 (平成 16 年6月改正法律第 94 号)
(37)廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (平成 22 年5月改正法律第 34 号)
(38)文化財保護法 (平成 19 年3月改正法律第7号)
(39)砂利採取法 (平成 12 年5月改正法律第 91 号)
(40)電気事業法 (平成 18 年6月改正法律第 50 号)
(41)消防法 (平成 21 年5月改正法律第 34 号)
(42)測量法 (平成 19 年5月改正法律第 55 号)
(43)建築基準法 (平成 20 年5月改正法律第 40 号)
(44)都市公園法 (平成 16 年6月改正法律第 109 号)
(45)建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
(平成 16 年 12 月改正法律第 147 号)
(46)土壌汚染対策法 (平成 21 年4月改正法律第 23 号)
(47)駐車場法 (平成 18 年5月改正法律第 46 号)
(48)海上交通安全法 (平成 21 年7月改正法律第 69 号)
(49)海上衝突予防法 (平成 15 年6月改正法律第 63 号)
(50)海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律
(平成 22 年5月改正法律第 37 号)
(51)船員法 (平成 20 年6月改正法律第 53 号)
(52)船舶職員及び小型船舶操縦者法 (平成 20 年5月改正法律第 26 号)
(53)船舶安全法 (平成 18 年6月改正法律第 50 号)
(54)自然環境保全法 (平成 21 年6月改正法律第 47 号)
(55)自然公園法 (平成 21 年6月改正法律第 47 号)
(56)公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律
(平成 21 年6月改正法律第 51 号)
(57)国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律
(平成 15 年7月改正法律第 119 号)
(58)河川法施行法 (平成 11 年 12 月改正法律第 160 号)
(59)技術士法 (平成 18 年6月改正法律第 50 号)
(60)漁業法 (平成 19 年6月改正法律第 77 号)
(61)漁港漁場整備法 (平成 19 年5月改正法律第 61 号)
(62)空港法 (平成 20 年6月改正法律第 75 号)
(63)計量法 (平成 18 年3月改正法律第 10 号)
(64)厚生年金保険法 (平成 22 年4月改正法律第 27 号)
(65)航路標識法 (平成 16 年6月改正法律第 84 号)
(66)資源の有効な利用の促進に関する法律 (平成 14 年2月改正法律第1号)
(67)最低賃金法 (平成 20 年5月改正法律第 26 号)
(68)職業安定法 (平成 21 年7月改正法律第 79 号)
(69)所得税法 (平成 22 年3月改正法律第6号)
(70)水産資源保護法 (平成 22 年6月改正法律第 41 号)
(71)船員保険法 (平成 22 年5月改正法律第 35 号)
(72)著作xx (平成 21 年7月改正法律第 73 号)
(73)電波法 (平成 21 年4月改正法律第 22 号)
(74)土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法
(平成 19 年6月改正法律第 90 号)
(75)労働保険の保険料の徴収等に関する法律 (平成 22 年3月改正法律第 15 号)
(76)農薬取締法 (平成 19 年3月改正法律第8号)
(77)毒物及び劇物取締法 (平成 13 年6月改正法律第 87 号)
(78)特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(平成 17 年5月改正法律第 51 号)
(79)公共工事の品質確保の促進に関する法律 (平成 17 年3月改正法律第 18 号)
(80)警備業法 (平成 17 年7月改正法律第 87 号)
(81)行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律
(平成 17 年 10 月改正法律第 102 号)
(82)高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律
(平成 19 年3月改正法律第 19 号)
(83)農地法 (平成 23 年 12 月改正法律第 122 号)
2.法令違反の処置
受注者は、諸法令を遵守し、これに違反した場合発生するであろう責務が、発注者に及ばないようにしなければならない。
3.不適当な契約図書の処置
受注者は、当該工事の計画、図面、仕様書及び契約そのものが第1項の諸法令に照らし不適当であったり矛盾していることが判明した場合には直ちに工事監督員と協議しなければならない。
1-1-41 官公庁等への手続等
1.一般事項
受注者は、工事期間中、関係官公庁及びその他の関係機関との連絡を保たなければならない。
2.関係機関への届出
受注者は、工事施工にあたり受注者の行うべき関係官公庁及びその他の関係機関への届出等を、法令、条例又は設計図書の定めにより実施しなければならない。
3.諸手続きの提示、提出
受注者は、諸手続きにおいて許可、承諾等を得たときは、その書面を工事監督員に提示しなければならない。なお、工事監督員から請求があった場合は、写しを提出しなければならない。
4.許可承諾条件の遵守
受注者は、手続きに許可承諾条件がある場合これを遵守しなければならない。なお、受注者は、許可承諾内容が設計図書に定める事項と異なる場合、工事監督員と協議しなければならない。
5.コミュニケーション
受注者は、工事の施工に当たり、地域住民との間に紛争が生じないように努めなければならない。
6.苦情対応
受注者は、地元関係者等から工事の施工に関して苦情があり、受注者が対応すべき場合は誠意をもってその解決に当たらなければならない。
7.交渉時の注意
受注者は、地方公共団体、地域住民等と工事の施工上必要な交渉を、自らの責任において行わなければならない。受注者は、交渉に先立ち、工事監督員に連絡の上、これらの交渉に当たっては誠意をもって対応しなければならない。
8.交渉内容明確化
受注者は、前項までの交渉等の内容は、後日紛争とならないよう文書で取り交わす等明確にしておくとともに、状況を随時工事監督員に報告し、指示があればそれに従うものとする。
1-1-42 施工時期及び施工時間の変更
1.施工時間の変更
受注者は、設計図書に施工時間が定められている場合でその時間を変更する必要がある場合は、あらかじめ工事監督員と協議するものとする。
2.休日又は夜間の作業連絡
受注者は、設計図書に施工時間が定められていない場合で、官公庁の休日又は夜間に、作業を行うにあたっては、事前にその理由を工事監督員に連絡しなければならない。ただし、現xxの工事については書面により提出しなければならない。
1-1-43 工事測量
1.一般事項
受注者は、工事着手後直ちに測量を実施し、測量標(仮BM)、工事用多角点の設置及び用地境界、中心線、縦断、横断等を確認しなければならない。測量結果が設計図書に示されている数値と差異を生じた場合は工事監督員に測量結果を速やかに提出し指示を受けなければならない。なお、測量標(仮BM)及び多角点を設置するための基準となる点の選定は、工事監督員の指示を受けなければならない。また受注者は、測量結果を工事監督員に提出しなければならない。
2.引照点等の設置
受注者は、工事施工に必要な仮水準点、多角点、基線、法線、境界線の引照点等を設置し、施工期間中適宜これらを確認し、変動や損傷のないよう努めければならない。変動や損傷が生じた場合、工事監督員に連絡し、速やかに水準測量、多角測量等を実施し、仮の水準点、多角点、引照点等を復元しなければならない。
3.工事用測量標の取扱い
受注者は、用地幅杭、測量標(仮BM)、工事用多角点及び重要な工事用測量標を移設してはならない。ただし、これを存置することが困難な場合は、工事監督員の承諾を得て移設することができる。また、用地幅杭が現存しない場合は、工事監督員と協議しなければならない。なお、移設する場合は、隣接土地所有者との間に紛争等が生じないようにしなければならない。
4.既存杭の保全
受注者は、工事の施工に当たり、損傷を受けるおそれのある杭又は障害となる杭の設置換え、移設及び復元を含めて、発注者の設置した既存杭の保全に対して責任を負わなければならない。
5.水準測量・水深測量
水準測量及び水深測量は、設計図書に定められている基準高あるいは工事用基準面を基準として行うものとする。
6.仮設標識の設置
受注者は、丁張、その他工事施工の基準となる仮設標識を、設置しなければならない。
1-1-44 提出書類
1.書類の様式
請負者は、提出書類を工事請負契約関係の書式集等に基づいて、工事監督員に提出しなければならない。これに定めのないものは、工事監督員の指示する様式によらなけれ
ばならない。
2.工事監督員を経由しない書類
約款第9条第5項に規定する「設計図書に定めるもの」とは請負代金額に係わる請求書、代金代理受領諾申請書、遅延利息請求書、工事監督員に関する措置請求に係わる書類及びその他現場説明の際指定した書類をいう。
1-1-45 不可抗力による損害
1.工事災害の報告
受注者は、災害発生後直ちに被害の詳細な状況を把握し、当該被害が約款第 29 条の規定の適用を受けると思われる場合には、直ちに工事災害通知書を工事監督員を通じて発注者に通知しなければならない。
2.設計図書で定めた基準
約款第 29 条第1項に規定する「設計図書で定めた基準」とは、次の各号に掲げるものをいう。
(1)波浪、高潮に起因する場合
波浪、高潮が想定している設計条件以上又は周辺状況から判断してそれと同等以上と認められる場合
(2)降雨に起因する場合次のいずれかに該当する場合とする。
①24 時間雨量(任意の連続 24 時間における雨量をいう。)が 80mm 以上
②1時間雨量(任意の 60 分における雨量をいう。)が 20mm 以上
③連続雨量(任意の 72 時間における雨量をいう。)が 150mm 以上
④その他設計図書で定めた基準
(3)強風に起因する場合
最大風速(10 分間の平均風速で最大のものをいう。)が 15m/秒以上あった場合
(4)河川沿いの施設にあたっては、河川の警戒水位以上、又はそれに準ずるxxにより発生した場合
(5)地震、津波、豪雪に起因する場合周囲の状況により判断し、相当の範囲にわたって他の一般物件にも被害を及ぼしたと認められる場合
3.その他
約款第 29 条第2項に規定する「乙が善良な管理者の注意義務を怠ったことに基づく
もの」とは、設計図書及び約款第 26 条に規定する予防措置を行ったと認められないもの及び災害の一因が施工不良等受注者の責によるとされるものをいう。
1-1-46 特許xx
1.一般事項
受注者は、特許xxを使用する場合、設計図書に特許xxの対象である旨明示が無く、その使用に関した費用負担を約款第8条に基づき発注者に求める場合、権利を有する第三者と使用条件の交渉を行う前に、工事監督員と協議しなければならない。
2.保全措置
受注者は、業務の遂行により発明又は考案したときは、これを保全するために必要な措置を講じ、出願及び権利の帰属等については、発注者と協議しなければならない。
3.著作xxに規定される著作物
発注者が、引渡しを受けた契約の目的物が著作xx(平成 22 年 12 月3日改正法律
第 65 号第2条第1項第1号)に規定される著作物に該当する場合は、当該著作物の著作権は発注者に帰属するものとする。
なお、前項の規定により出願及び権利等が発注者に帰属する著作物については、発注者はこれを自由に加除又は編集して利用することができる。
1-1-47 保険のxx及び事故の補償
1.一般事項
受注者は、残存爆発物があると予測される区域で工事に従事する作業船及びその乗組員並びに陸上建設機械等及びその作業員に設計図書に定める水雷保険、傷害保険及び
動産総合保険をxxしなければならない。
2.回航保険
受注者は、作業船、ケーソン等を回航する場合、回航保険をxxしなければならない。
3.保険加入の義務
受注者は、雇用保険法、労働者災害補償保険法、健康保険法及び中小企業退職金共済法の規定により、雇用者等の雇用形態に応じ、雇用者等を被保険者とするこれらの保険に加入しなければならない。
4.補償
受注者は、雇用者等の業務に関して生じた負傷、疾病、死亡及びその他の事故に対して責任をもって適正な補償をしなければならない。
5.掛金収納書の提出
受注者は、建設業退職金共済制度に該当する場合は同組合に加入し、その掛金収納書
(発注者用)を工事請負契約締結後原則1ヵ月以内に、発注者に提出しなければならない。
1-1-48 臨機の措置
1.一般事項
受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。また、受注者は、措置をとった場合には、その内容を直ちに工事監督員に通知しなければならない。
2.天災等
工事監督員は、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、津波、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他自然的又は人為的事象(以下「天災等」という。)に伴ない、工事目的物の品質・出来形の確保及び工期の遵守に重大な影響があると認められるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
1-1-49 創意工夫
受注者は、自ら立案実施した創意工夫や地域社会への貢献として評価できる項目について、工事完成時までに所定の様式により、工事監督員に提出する事ができる。
第2章 土工
第1節 適用
1.適用工種
本章は、河川土工、海岸土工、砂防土工、道路土工、港湾土工、空港土工その他これらに類する工種について適用する。
2.適用規定
本章に特に定めのない事項については、第2編材料編の規定による。
第2節 適用すべき諸基準
受注者は、設計図書において特に定めのない事項については、下記の基準類による。これにより難い場合は、工事監督員の承諾を得なければならない。なお、基準類と設計書に相違がある場合は、原則として設計図書の規定に従うものとし、疑義がある場合は工事監督員と協議しなければならない。
日本道路協会道路土工-施工指針 (昭和 61 年 11 月)
日本道路協会道路土工要綱 (平成 21 年6月)日本道路協会道路土工-軟弱地盤対策工指針 (昭和 61 年 11 月)日本道路協会道路土工-盛土工指針 (平成 22 年4月)日本道路協会道路土工-切土工・斜面安定工指針 (平成 21 年6月)日本道路協会道路土工-土質調査指針 (昭和 61 年 11 月)
土木研究センター建設発生土利用技術マニュアル (平成 16 年9月)国土交通省建設副産物適正処理推進要綱 (平成 14 年5月)建設省堤防余盛基準について (昭和 44 年1月)
土木研究センタージオテキスタイルを用いた補強土の設計施工マニュアル
(平成 12 年2月)土木研究センター多数アンカー式補強土壁工法設計・施工マニュアル
(平成 14 年 10 月)土木研究センター補強土(テールアルメ)壁工法設計・施工マニュアル
(平成 11 年 12 月)国土技術研究センター河川土工マニュアル (平成 21 年4月)国土交通省建設汚泥処理土利用技術基準 (平成 18 年6月)
国土交通省発生土利用基準 (平成 18 年8月)
第3節 河川土工・海岸土工・砂防土工
2-3-1 一般事項
1.適用工種
本節は、河川土工・海岸土工・砂防土工として掘削工、盛土工、盛土補強工、法面整形工、堤防天xx、残土処理工その他これらに類する工種について定める。
2.地山の土及び岩の分類
地山の土及び岩の分類は、表2-1によるものとする。
受注者は、設計図書に示された現地の土及び岩の分類の境界を確められた時点で、工事監督員の確認を受けなければならない。
また、受注者は、設計図書に示された土及び岩の分類の境界が現地の状況と一致しない場合は、約款第 18 条第1項の規定により工事監督員の指示を受けなければならない。なお、確認のための資料を整備及び保管し、工事監督員の請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
表2-1 土及び岩の分類表
名 称 | 説 明 | 摘 要 | |||
A | B | C | |||
土 | 礫質 土 | 礫まじり土 | 礫の混入があって掘削時の能率が低下するもの。 | 礫の多い砂、礫の多い砂質土、礫の多い粘性土 | 礫(G) 礫質土(GF) |
砂質土及び 砂 | 砂 | バケット等に山盛り形状になりにくいもの。 | 海岸砂丘の砂xx土 | 砂(S) | |
砂質土 (普通土) | 掘削が容易で、バケット等に山盛り形状にし易く空げきの少ないもの。 | 砂質土、xx土 粒度分布の良い砂条件の良いローム | 砂(S) 砂質土(SF)シルト(M) | ||
粘性土 | 粘性土 | バケット等に付着し易く空げきの多い状態になり易いもの、トラフィカビリティが問題となり易いもの。 | ローム粘性土 | シルト(M) 粘性土(C) | |
高含水比粘性土 | バケットなどに付着し易く特にトラフィカビリティが悪いもの | 条件の悪いローム条件の悪い粘性土火山灰質粘性土 | シルト(M) 粘性土(C) 火山灰質粘性土 (V) 有機質土(O) | ||
岩又は石 | 岩塊玉 石 | 岩塊玉石 | 岩塊、玉石が混入して掘削しにくく、バケット等に空げきのでき易いもの。 岩塊、玉石は粒径 7.5 ㎝以上とし、xxxのあるのを 玉石とする。 | 玉石まじり土岩塊起砕された岩、 ごろごろした河床 | |
軟岩 | 軟岩 | Ⅰ | 第xxの岩石で固結の程度が弱いもの。 風化がはなはだしくきわめてもろいもの。 指先で離しうる程度のものでき裂の間隔は1~5㎝くらいのもの及び第xxの岩石で固結の程度が良好なもの。 風化が相当進み多少変色を伴い軽い打撃で容易に割れるもの、離れ易いもので、き裂間隔は5~10 ㎝程度 のもの。 | 地山弾性波速度 700~2800m/sec | |
Ⅱ | 凝灰質で堅く固結しているもの。 風化が目にそって相当進んでいるもの。 き裂間隔が10~0 ㎝程度で軽い打撃により離しうる程度、異質の硬い互層をなすもので層面を楽に離しうるもの。 | ||||
硬x | x硬岩 | 石灰岩、多孔質安山岩のように、特にち密でなくても相当の固さを有するもの。 風化の程度があまり進んでいないもの。 硬い岩石で間隔 30~50 ㎝程度のき裂を有するもの。 | 地山弾性波速度 2000~4000m/sec | ||
硬岩 | Ⅰ | 花崗岩、結晶xxxで全く変化していないもの。き裂間隔が1m内外で相当密着しているもの。 硬い良好な石材を取り得るようなもの。 | 地山弾性波速度 3000m/sec 以上 | ||
Ⅱ | けい岩、xxなどの石英質に富む岩質で最も硬いもの。 風化していない新鮮な状態のもの。 き裂が少なく、よく密着しているもの。 |
3.排水処理
受注者は、工事施工中については、滞水を生じないような排水状態に維持しなければならない。
4.適用規定
受注者は、建設発生土については、第1編1-1-20 建設副産物の規定により適切に処理しなければならない。
5.発生土受入れ地等
受注者は、建設発生土受入れ地及び建設廃棄物処理地の位置、及び建設発生土の内容等については、設計図書及び工事監督員の指示に従わなければならない。
なお、受注者は、施工上やむを得ず指定された場所以外に建設発生土又は、建設廃棄 物を処分する場合には、事前に設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
6.施工計画書
受注者は、建設発生土処理にあたり第1編1-1-5施工計画書第1項の施工計画書の記載内容に加えて設計図書に基づき以下の事項を施工計画書に記載しなければならない。
(1)処理方法(場所・形状等)
(2)排水計画
(3)場内維持等
7.建設発生土受入れ地の実測
受注者は、建設発生土の受入れ地への搬入に先立ち、指定された建設発生土の受入れ地について地形を実測し、資料を工事監督員に提出しなければならない。ただし、受注者は、実測困難な場合等には、これに代わる資料により、工事監督員の承諾を得なければならない。
8.建設発生土受入れ地の条件
建設発生土受入れ地については、受注者は、建設発生土受入地ごとの特定条件に応じて施工しなければならない。
9.伐開発生物の処理方法
受注者は、伐開除根作業における伐開発生物の処理方法については、設計図書によるものとするが、設計図書に示されていない場合には、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
10.伐開除根作業範囲
受注者は、伐開除根作業範囲が設計図書に示されていない場合には、表2-2に従い施工しなければならない。
表2-2 伐開除根作業
区 分 | 種 別 | |||
雑草・ささ類 | 倒木 | 古根株 | xx | |
盛土箇所全部 | 根からすきとる | 除去 | 抜根除去 | 同左 |
2-3-2 掘削工
1.一般事項
受注者は、xxxの上流側での掘削工を行うにあたり、流下する土砂その他によって河川管理施設、許可工作物等、他の施設の機能に支障を与えてはならない。受注者は、特に指定されたものを除き水の流れに対して影響を与える場合には、掘削順序、方向又は高さ等についてあらかじめ設計図書に関して工事監督員の承諾を得なければならない。水中掘削を行う場合も同様とするものとする。
2.浮石等の処理
受注者は、軟岩掘削及び硬岩掘削において、規定断面に仕上げた後、浮石等が残らないようにしなければならない。
3.異常時の処置
受注者は、掘削工の施工中に、自然に崩壊、地すべり等が生じた場合、あるいはそれらを生ずるおそれがあるときは、工事を中止し、工事監督員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には、応急措置をとった後、直ちににその措置内容を工事監督員に通知しなければならない。
4.地山の挙動監視
受注者は、掘削工の施工中の地山の挙動を監視しなければならない。
5.掘削方向
受注者は、砂防土工における斜面対策としての掘削工(排土)を行うにあたり、設計図書で特に定めのある場合を除き、原則として掘削を斜面上部より下部に向かって行わなければならない。
6.残土運搬時の注意
受注者は、掘削工により発生する残土を受入れ地へ運搬する場合には、沿道住民に迷惑がかからないようにつとめなければならない。
2-3-3 盛土工
1.一般事項
受注者は、盛土工の開始にあたって、地盤の表面を本条3項に示す盛土層厚の1/2の厚さまで掻き起こしてほぐし、盛土材料とともに締固め、地盤と盛土の一体性を確保しなければならない。
2.盛土の滑動防止
受注者は、1:4より急な勾配を有する地盤上に盛土を行う場合には、特に指示する場合を除き、段切を行い、盛土と現地盤の密着を図り、滑動を防止しなければならない。
図2-1 盛土基礎地盤の段切
3.一層の仕上り厚
受注者は、築堤の盛土工の施工において、一層の仕上り厚を 30 ㎝以下とし、平坦に締固めなければならない。
4.狭隘箇所等の締固め
受注者は、構造物の隣接箇所や狭い箇所の盛土工について、タンパ・振動ローラ等の小型締固め機械により締固めなければならない。
また、樋xxの構造物がある場合には、過重な偏土圧のかからないように盛土し、締固めなければならない。
5.石が混入する盛土材料の処置
受注者は、盛土材料に石が混入する場合には、その施工にあたって石が一ヶ所に集まらないようにしなければならない。
6.作業終了時等の排水処理
受注者は、盛土工の作業終了時又は作業を中断する場合は、表面に4%程度の横断勾配を設けるとともに、平坦に締固め、排水が良好に行われるようにしなければならな
い。
7.適切な含水比の確保
受注者は、締固め作業の実施にあたり、適切な含水比の状態で施工しなければならない。
8.異常時の処置
受注者は、盛土工の施工中、予期できなかった沈下等の有害な現象のがあった場合には、工事を中止し、工事監督員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には、応急処置をとった後、直ちに工事監督員に通知しなければならない。
9.採取場の実測
受注者は、土の採取に先立ち、指定された採取場について地形を実測し、資料を監督職員に提出しなければならない。ただし、受注者は、実測困難な場合等には、これに代わる資料により、工事監督員の承諾を得なければならない。
10.採取場の維持及び修復
受注者は、土の採取にあたり、採取場の維持及び修復について採取場ごとの条件に応じて施工するとともに、土の採取中、土質に著しい変化があった場合には、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
11.採取土及び購入土運搬時の注意
受注者は、採取土盛土及び購入土盛土の施工にあたって、採取土及び購入土を運搬する場合には沿道住民に迷惑がかからないようにつとめなければならない。流用土盛土及び発生土盛土の施工にあたっても、一般道を運搬に利用する場合も同様とするものとする。
12.軟弱地盤上の盛土の施工
受注者は、軟弱地盤上の盛土の施工にあたり、沈下のおそれのある場所の盛土の丁張を、常時点検しなければならない。
13.沈下量確認方法
受注者は、軟弱地盤上の盛土工施工時の沈下量確認方法については、設計図書によらなければならない。
14.盛土敷の排水乾燥
受注者は、軟弱地盤及び地下水位の高い地盤上に盛土工を行う場合には、速やかに排水施設を設け、盛土敷の乾燥を図らなければならない。
15.一段階の盛土高さ
軟弱地盤上の盛土工の施工の一段階の盛土高さは設計図書によるものとし、受注者は、その沈下や周囲の地盤の水平変位等を監視しながら盛土を施工し、工事監督員の承諾を 得た後、次の盛土に着手しなければならない。
16.異常時の処置
受注者は、軟弱地盤上の盛土工の施工中、予期できなかった沈下又は滑動等が生ずるおそれがあると予測された場合には、工事を中止し、工事監督員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には、応急処置をとった後、直ちにその措置内容を工事監督員に通知しなければならない。
17.押え盛土の施工計画
受注者は、砂防土工における斜面対策としての盛土工(押え盛土)を行うに当たり、盛土量、盛土の位置ならびに盛土基礎地盤の特性等について現状の状況等を照査した上で、それらを施工計画に反映しなければならない。
2-3-4 盛土補強工
1.一般事項
盛土補強工とは、面状あるいは帯状等の補強材を土中に敷設し、盛土体の安定を図ることをいうものとする。
2.盛土材の確認
盛土材については設計図書によるものとする。受注者は、盛土材のまきだしに先立ち、予定している盛土材料の確認を行い、設計図書に関して工事監督員の承諾を得なければならない。
3.基盤面の排水処理
受注者は、第1層の補強材の敷設に先立ち、現地盤の伐開除根及び不陸の整地を行なうとともに、設計図書に関して工事監督員と協議のうえ、基盤面に排水処理工を行なわなければならない。
4.補強材の敷設
受注者は、設計図書に示された規格及び敷設長を有する補強材を、所定の位置に敷設しなければならない。補強材は水平に、かつたるみや極端な凹凸がないように敷設し、ピンや土盛りなどにより適宜固定するものとする。
5.盛土横断方向の面状補強材
受注者は、面状補強材の引張り強さを考慮する盛土横断方向については、設計図書で特に定めのある場合を除き、面状補強材に継ぎ目を設けてはならない。ただし、やむを得ない事情がある場合は設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
6.盛土縦断方向の面状補強材
受注者は、面状補強材の引張り強さを考慮しない盛土縦断方向については、設計図書で特に定めのある場合を除き、面状補強材に5cm 程度の重ね合せ幅を確保するものとする。
7.敷設困難な場合の処置
受注者は、現場の状況や曲線、隅角などの折れ部により設計図書に示された方法で補強材を敷設することが困難な場合は、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。なお、やむを得ず隣り合う面状補強材との間に隙間が生じる場合においても、盛土の高さ方向に隙間が連続しないように敷設しなければならない。
8.盛土材のまき出し及び締固め
受注者は、盛土材のまき出し及び締固めについては、第1編2-3-3盛土工の規定により一層ごとに適切に施工しなければならない。まき出し及び締固めは、壁面工側からxx奥へ行なうとともに、重機械の急停止や急旋回等を避け、補強材にずれや損傷を与えないように注意しなければならない。
9.壁面工の段数
受注者は、盛土に先行して組立てられる壁面工の段数は、2段までとしなければならない。なお、これにより難い場合は、設計図書に関して工事監督員の承諾を得なければならない。
10.壁面工付近等の締固め
受注者は、設計図書に明示した場合を除き、壁面工付近や隅角部の締固めにおいては、各補強土工法のマニュアルに基づくとともに、壁面から 1.0~1.5m程度の範囲では、振動コンパクタや小型振動ローラなどを用いて人力によって入念に行わなければならない。これにより難い場合は、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
11.補強材取扱い上の注意
受注者は、補強材を壁面工と連結する場合や、面状補強材の盛土のり面や接合部での巻込みに際しては、局部的な折れ曲がりやゆるみを生じないようにしなければならない。
12.壁面変位の観測
受注者は、壁面工の設置に先立ち、壁面の直線性や変形について確認しながら施工しなければならない。許容値を超える壁面変位が観測された場合は、直ちに作業を中止し、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
13.壁面材の損傷及び劣化の防止
受注者は、壁面材の搬入、仮置きや吊上げに際しては、損傷あるいは劣化をきたさな
いようにしなければならない。
14.補強材の管理
補強材は、搬入から敷設後の締固め完了までの施工期間中、劣化や破断によって強度が低下することがないように管理しなければならない。面状補強材の保管にあたっては直射日光を避け、紫外線による劣化を防がなければならない。
2-3-5 法面整形工
1.一般事項
受注者は、掘削(切土)部法面整形の施工にあたり、ゆるんだ転石、岩塊等は、整形法面の安定のために取り除かなければならない。なお、浮石が大きく取り除くことが困難な場合には、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
2.盛土の法面崩壊の防止
受注者は、盛土部法面整形の施工にあたり、法面の崩壊が起こらないように締固めを行わなければならない。
3.平場仕上げの排水処理
受注者は、平場仕上げの施工にあたり、平坦に締固め、排水が良好に行うようにしなければならない。
4.表土の活用
受注者は、砂防土工における斜面の掘削部法面整形の施工にあたり、掘削法面は、肥沃な表土を残すようにしなければならない。
5.崩壊のおそれのある箇所等の処置
受注者は、砂防土工における斜面の掘削部法面整形の施工にあたり、崩壊のおそれのある箇所、あるいは湧水、軟弱地盤等の不良個所の法面整形は、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
2-3-6 堤防天xx
受注者は、堤防天端に砕石を敷設する場合は、平坦に均さなければならない。
2-3-7 残土処理工
1.一般事項
残土処理工とは作業土工で生じた残土の工区外への運搬及び受入れ地の整形処理までの一連作業をいう。
2.残土運搬時の注意
残土を受入れ地へ運搬する場合には、沿道住民に迷惑がかからないようつとめなければならない。
第4節 道路土工
2-4-1 一般事項
1.適用工種
本節は、道路土工として掘削工、路体盛土工、路床盛土工、法面整形工、残土処理工その他これらに類する工種について定める。
2.路床、路体
路床とは盛土部においては、盛土仕上り面下、掘削(切土)部においては掘削仕上り面下1m以内の部分をいう。
路体とは盛土における路床以外の部分をいう。
3.地山の土及び岩の分類
地山の土及び岩の分類は、表2-1によるものとする。
受注者は、設計図書に示された現地の土及び岩の分類の境界を確かめられた時点で、工事監督員の確認を受けなければならない。なお、確認のための資料を整備及び保管し、工事監督員又は工事検査員の請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
4.雨水による侵食等の防止
受注者は、盛土及び地山法面の雨水による侵食や土砂崩れを発生させないよう施工しなければならない。
5.湧水処理
受注者は、工事箇所に工事目的物に影響をおよぼすおそれがあるような予期できなかった湧水が発生した場合には、工事を中止し、工事監督員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を工事監督員に通知しなければならない。
6.排水処理
受注者は、工事施工中については、雨水等の滞水を生じないような排水状態を維持しなければならない。
7.適用規定
受注者は、建設発生土については、第1編1-1-20 建設副産物の規定により、適切に処理しなければならない。
8.建設発生土受入れ地等
受注者は、建設発生土受入れ地及び建設廃棄物処分地の位置、建設発生土の内容等については、設計図書及び工事監督員の指示に従わなければならない。
なお、受注者は、施工上やむを得ず指定された場所以外に建設発生土又は、建設廃棄 物を処分する場合には、事前に設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
9.施工計画書
受注者は、建設発生土処理にあたり第1編1-1-5施工計画書第1項の施工計画書の記載内容に加えて設計図書に基づき以下の事項を施工計画書に記載しなければならない。
(1)処理方法(場所・形状等)
(2)排水計画
(3)場内維持等
10.建設発生土の受入れ地の実測
受注者は、建設発生土の受入れ地への搬入に先立ち、指定された建設発生土の受入れ地について地形を実測し、資料を工事監督員に提出しなければならない。ただし、受注者は、実測困難な場合等には、これに代わる資料により、工事監督員の承諾を得なければならない。
11.建設発生土受入れ地
建設発生土受入れ地については、受注者は、建設発生土受入れ地ごとの特定条件に応じて施工しなければならない。
12.伐開発生物の処理方法
受注者は、伐開除根作業における伐開発生物の処理方法については、設計図書によるものとするが、処理方法が示されていない場合には、設計図書に関して工事監督員と協議するものとする。
13.伐開除根作業範囲
受注者は、伐開除根作業範囲が設計図書に示されない場合には、表2-3に従い施工しなければならない。
表2-3伐開除根作業
区分 | 種別 | |||
雑草・ささ類 | 倒木 | 古根株 | xx | |
盛土高1mを越え る場合 | 地面で刈りとる | 除去 | xxで切りとる | 同左 |
盛土高1m以下の 場合 | 根からすきとる | 〃 | 抜根除去 | 〃 |
14.軟弱地盤上の盛土の施工
受注者は、軟弱地盤上の盛土の施工にあたり、沈下のおそれのある場所の盛土の丁張を、常時点検しなければならない。
15.沈下量確認方法
受注者は、軟弱地盤上の盛土工施工時の沈下量確認方法については、設計図書によらなければならない。
16.盛土敷の排水乾燥
受注者は、軟弱地盤及び地下水位の高い地盤上に盛土工を行う場合には、速やかに排水施設を設け、盛土敷の乾燥を図らなければならない。
17.一段階の盛土高さ
軟弱地盤上の盛土工の施工の一段階の高さは設計図書によるものとし、受注者は、その沈下や周囲の地盤の水平変化等を監視しながら盛土を施工し、工事監督員の承諾を得た後、次の盛土に着手しなければならない。
18.異常時の処置
受注者は、軟弱地盤上の盛土の施工中、予期できなかった沈下又は滑動等が生ずるおそれがあると予測された場合には、工事を中止し、工事監督員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を工事監督員に通知しなければならない。
2-4-2 掘削工
1.一般事項
受注者は、掘削の施工にあたり、掘削中の土質に著しい変化が認められた場合、または埋設物を発見した場合は、工事を中止し、工事監督員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を工事監督員に通知しなければならない。
2.掘削機械の選定
受注者は、掘削の施工にあたり、現場の地形、掘削高さ、掘削量、地層の状態(岩の有無)、掘削土の運搬方法などから、使用機械を設定しなければならない。
3.自然崩壊等異常時の処理
受注者は、掘削工の施工中に自然に崩壊、地すべり等が生じた場合、あるいはそれらを生ずるおそれがあるときは、工事を中止し、工事監督員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を工事監督員に通知しなければならない。
4.路床面の支持力
受注者は、路床面において、設計図書に示す支持力が得られない場合、又は均等性に疑義がある場合には、工事監督員と協議しなければならない。
5.地山の監視
受注者は、掘削工の施工中の地山の挙動を監視しなければならない。
6.硬岩掘削時の注意
受注者は、硬岩掘削における法の仕上り面近くでは過度な発破をさけるものとし、浮石等が残らないようにしなければならない。万一誤って仕上げ面を超えて発破を行った場合には、受注者は工事監督員の承諾を得た工法で修復しなければならない。
7.残土運搬時の注意
受注者は、掘削工により発生する残土を受入れ地に運搬する場合には、沿道住民に迷惑をかけないようにしなければならない。
2-4-3 路体盛土工
1.一般事項
受注者は、路体盛土工を施工する地盤で盛土の締固め基準を確保できないような予測しない軟弱地盤・有機質土・ヘドロ等の不良地盤が現れた場合には、敷設材工法等の処
置工法について、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
2.水中路体盛土の材料
受注者は、水中で路体盛土工を行う場合の材料については、設計図書によるものとする。
3.管渠等周辺の締固め
受注者は、路体盛土工箇所に管渠等がある場合には、盛土を両側から行ない偏圧のかからないよう締固めなければならない。
4.作業終了時等の排水処理
受注者は、路体盛土工の作業終了時又は作業を中断する場合には、表面に4%程度の横断勾配を設けるとともに、平坦に締固め、排水が良好に行われるようにしなければならない。
5.運搬路使用時の注意
受注者は、路体盛土部分を運搬路に使用する場合、常に良好な状態に維持するものとし、路体盛土に悪影響を及ぼさないようにしなければならない。
6.一層の仕上り厚
受注者は、路体盛土工の施工においては、一層の仕上り厚を 30 ㎝以下とし、各層ごとに締固めなければならない。
7.岩塊、玉石の路体盛土
受注者は、路体盛土工の主材料が岩塊、玉石である場合は、空隙を細かい材料で充てんしなければならない。止むを得ず 30 ㎝程度のものを使用する場合は、路体の最下層に使用しなければならない。
8.段切
受注者は、1:4より急な勾配を有する地盤上に路体盛土工を行う場合には、特に指示する場合を除き段切を行い、盛土と現地盤との密着を図り、滑動を防止しなければならない。
9.狭隘箇所等の締固め
図2-2 盛土基礎地盤の段切
受注者は、構造物の隣接箇所や狭い箇所の路体盛土工の施工については、タンパ、振動ローラ等の小型締固め機械により締固めなければならない。
なお、現場発生土等を用いる場合は、その中で良質な材料を用いて施工しなければならない。
10.適切な含水比確保
受注者は、路体盛土工の締固め作業の実施にあたり、適切な含水比の状態で施工しなければならない。
11.異常時の処置
受注者は、路体盛土工作業中、予期できなかった沈下等の有害な現象のあった場合に、工事を中止し、工事監督員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には
応急処置をとった後、直ちにその措置内容を工事監督員に通知しなければならない。
12.採取場の実測
受注者は、土の採取に先立ち、指定された採取場について地形を実測し、資料を監督職員に提出しなければならない。ただし、受注者は、実測困難な場合等には、これに代わる資料により、工事監督員の承諾を得なければならない。
13.採取場の維持及び修復
受注者は、土の採取にあたり、採取場の維持及び修復について採取場ごとの条件に応じて施工するとともに、土の採取中、土質に著しい変化があった場合には、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
14.採取土及び購入土運搬時の注意
受注者は採取土盛土及び購入土盛土の施工にあたって、採取土及び購入土を運搬する場合には沿道住民に迷惑がかからないようにつとめなければならない。流用土盛土及び発生土盛土の施工にあたっても、一般道路を運搬に利用する場合も同様とするものとする。
2-4-4 路床盛土工
1.一般事項
受注者は、路床盛土工を施工する地盤で盛土の締固め基準を確保できないような予測しない軟弱地盤・有機質土・ヘドロ等の不良地盤が現れた場合には、敷設材工法などの処理方法について工事監督員と協議しなければならない。
2.管渠等周辺の締固め
受注者は、路床盛土工箇所に管渠等がある場合には、盛土を両側から行ない偏圧のかからないよう締固めなければならない。
3.作業終了時等の排水処理
受注者は、路床盛土工の作業終了時又は作業を中断する場合には、表面に4%程度の横断勾配を設けるとともに、平坦に締固め、排水が良好に行われるようにしなければならない。
4.運搬路使用時の注意
受注者は、路床盛土部分を運搬路に使用する場合、常に良好な状態に維持するものとし、路床盛土に悪影響を及ぼさないようにしなければならない。
5.1層の仕上り厚
受注者は、路床盛土の施工においては一層の仕上り厚を 20 ㎝以下とし、各層ごとに締固めなければならない。
6.盛土材料の最大寸法
路床の盛土材料の最大寸法は 10 ㎝程度とするものとする。
7.狭隘箇所等の締固め
受注者は、構造物の隣接箇所や狭い箇所の路床盛土の施工については、タンパ、振動ローラ等の小型締固め機械により締固めなければならない。
8.適切な含水比の確保
受注者は、路床盛土工の締固め作業の実施にあたり、適切な含水比の状態で施工しなければならない。
9.異常時の処置
受注者は、路床盛土工の作業中、予期できなかった沈下等の有害な現象のあった場合に工事を中止し、工事監督員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を工事監督員に通知しなければならない。
10.路床盛土の締固め度
路床盛土の締固め度については、第1編1-1-29 施工管理第8項の規定による。
11.接続部の緩和区間
受注者は、特に指示する場合を除き、片切り、片盛りの接続部には1:4程度の勾配
をもって緩和区間を設けるものとする。また、掘削(切土)部、盛土部の縦断方向の接続部には岩の場合1:5以上、土砂の場合1:10 程度のすり付け区間を設けて路床支持力の不連続をさけなければならない。
(a)掘削部路床に置き換えのないとき
(b)掘削部路床に置き換えのあるとき
(c)現地盤がすりつけ区間を長く取ることが不経済となる場合
図2-3 掘削(切土)部、盛土部接続部のすり付け
12.歩道・路肩部分等の締固め
受注者は、歩道・路肩部分等の大型機械での施工が困難な箇所の締固めについては、タンパ、振動ローラ等の小型締固め機械等を用いて、一層の仕上り厚を 20 ㎝以内で行わなければならない。
13.滞水の処理
受注者は、路床盛土工の施工中に降雨や湧水によって路床面に水が滞水する場合は、路肩部分などに仮排水路を設け、道路外へ速やかに排水できるようにしておかなければならない。
14.土の採取
受注者は、土の採取の搬入に先立ち、指定された採取場、建設発生土の受入れ地について地形を実測し、資料を工事監督員に提出しなければならない。ただし、受注者は、実測困難な場合等には、これに代わる資料により、工事監督員の承諾を得なければならない。
15.採取場の維持及び修復
受注者は、土の採取にあたり、採取場の維持及び修復について採取場ごとの条件に応じて施工するとともに、土の採取中、土質に著しい変化があった場合には、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
16.採取土及び購入土を運搬の注意
受注者は、採取土盛土及び購入土盛土の施工にあたって、採取土及び購入土を運搬する場合には沿道住民に迷惑がかからないようにつとめなければならない。流用土盛土及び発生土盛土の施工にあたっても、一般道路を運搬に利用する場合も同様とするものとする。
2-4-5 法面整形工
1.一般事項
受注者は、掘削(切土)部法面整形の施工にあたり、ゆるんだ転石、岩塊等は、整形した法面の安定のために取り除かなければならない。なお、浮石が大きく取り除くことが困難な場合には、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
2.法面の崩壊防止
受注者は、盛土部法面整形の施工にあたり、法面の崩壊が起こらないように締固めを行わなければならない。
2-4-6 残土処理工
残土処理工については、第1編2-3-7残土処理工の規定による。
第3章 無筋・鉄筋コンクリート
第1節 適用
1.適用事項
本章は、無筋・鉄筋コンクリート構造物、プレストレストコンクリート構造物に使用するコンクリート、鉄筋、型枠等の施工その他これらに類する事項について適用する。
2.適用規定(1)
本章に特に定めのない事項については、第2編材料編の規定による。
3.適用規定(2)
受注者は、コンクリートの施工にあたり、設計図書に定めのない事項については、「コンクリート標準示方書(施工編)」(土木学会、平成 20 年3月)のコンクリートの品質の規定による。これ以外による場合は、施工前に、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
4.アルカリ骨材反応抑制対策
受注者は、コンクリートの使用にあたって「アルカリ骨材反応抑制対策について」(国土交通省大臣官房技術審議官、国土交通省大臣官房技術参事官、国土交通省航空局飛行場部長通達、平成 14 年7月 31 日)及び「アルカリ骨材反応抑制対策について」の運用について(国土交通省大臣官房技術調査課長、国土交通省港湾局環境・技術課長、国土交通省航空局飛行場部建設課長通達、平成 14 年7月 31 日)を遵守し、アルカリ骨材反応抑制対策の適合を確かめなければならない。
第2節 適用すべき諸基準
1.適用規定
受注者は、設計図書において特に定めのない事項については、下記の基準類による。これにより難い場合は、工事監督員の承諾を得なければならない。なお、基準類と設計図書に相違がある場合は、原則として設計図書の規定に従うものとし、疑義がある場合は工事監督員と協議しなければならない。
土木学会コンクリート標準示方書(施工編)(平成 20 年3月)
土木学会コンクリート標準示方書(設計編)(平成 20 年3月)
土木学会コンクリートのポンプ施工指針(平成 12 年2月)
国土交通省アルカリ骨材反応抑制対策について(平成 14 年7月 31 日)国土交通省「アルカリ骨材反応抑制対策について」の運用について
(平成 14 年7月 31 日)
土木学会鉄筋定着・継手指針(平成 20 年8月)
(社)日本圧接協会鉄筋のガス圧接工事標準仕様書(平成 17 年4月)
2.許容塩化物量
受注者は、コンクリートの使用にあたって、以下に示す許容塩化物量以下のコンクリートを使用しなければならない。
(1)鉄筋コンクリート部材、ポストテンション方式のプレストレストコンクリート材
(シース内のグラウトを除く)及び用心鉄筋を有する無筋コンクリート部材における許容塩化物量(Cl-)は、0.30 ㎏/m3 以下とする。
(2)プレテンション方式のプレストレストコンクリート部材及びオートクレープ養生を行う製品における許容塩化物量(Cl-)は 0.30 ㎏/m3 以下とする。また、グラウトに含まれる塩化物イオン総量は、セメント質量の 0.08%以下としなければならない。
(3)アルミナセメントを用いる場合、電食のおそれがある場合等は、試験結果等から適宜定めるものとし、特に資料がない場合の許容塩化物量(Cl-)は 0.30 ㎏/m3 以下とする。
3.塩分の浸透防止
受注者は、海水又は潮風の影響を著しく受ける海岸付近及び外部から浸透する塩化物の影響を受ける箇所において、アルカリ骨材反応による損傷が構造物の品質・性能に重大な影響を及ぼすと考えられる場合には、塩分の浸透を防止するための塗装等の措置方法について、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
第3節 レディーミクストコンクリート
3-3-1 一般事項
本節は、レディーミクストコンクリートの製造に関する一般的事項を取り扱うものとする。なお、本節に規定していない製造に関する事項は、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)を適用する。
3-3-2 工場の選定
1.一般事項
受注者は、レディーミクストコンクリートを用いる場合の工場選定は以下による。
(1)JIS マーク表示認証製品を製造している工場(工業標準化法の一部を改正する法律(平成 16 年6月9日公布)に基づき国に登録された民間の第三者機関(登録認証機関)により製品に JIS マーク表示する認証を受けた製品を製造している工場)で、かつ、コンクリートの製造、施工、試験、検査及び管理などの技術的業務を実施する能力のある技術者(コンクリートxx技士等)が常駐しており、配合設計及び品質管理等を適切に実施できる工場(全国品質管理監査会議の策定した統一監査基準に基づく監査に合格した工場等)から選定し、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)に適合するものを用いなければならない。
(2)JIS マーク表示認証製品を製造している工場が工事現場近くに見当たらない場合は、使用する工場について、設計図書に指定したコンクリートの品質が得られることを確かめたうえ、その資料により工事監督員の確認を得なければならない。なお、コンクリートの製造、施工、試験、検査及び管理などの技術的業務を実施する能力のある技術者(コンクリートxx技士等)が常駐しており、配合設計及び品質管理等を適切に実施できる工場から選定しなければならない。
2.JISのレディーミクストコンクリート
受注者は、第1編3-3-2第1項(1)により選定した工場が製造したJISマーク表示されたレディーミクストコンクリートを用いる場合は、工場が発行するレディーミクストコンクリート配合計画書及びレディーミクストコンクリート納入書を整備及び保管し、工事監督員又は工事検査員からの請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
なお、第1編3-3-2第1項(1)により選定した工場が製造する JIS マーク表示のされないレディーミクストコンクリートを用いる場合は、受注者は配合試験に臨場し品質を確認するとともにレディーミクストコンクリート配合計画書及び基礎資料、レディーミクストコンクリート納入書又はバッチごとの計量記録を整備及び保管し、工事監督員又は工事検査員からの請求があった場合は速やかに提示するものとする。
3.JIS以外のレディーミクストコンクリート
受注者は、第1編3-3-2第1項(2)に該当する工場が製造するレディーミクストコンクリートを用いる場合は、設計図書及び第1編3-5-4材料の計量及び練混ぜの規定によるものとし、配合試験に臨場するとともにレディーミクストコンクリート配合計画書及び基礎資料を確認のうえ、使用するまでに工事監督員へ提出しなければならない。また、バッチごとの計量記録やレディーミクストコンクリート納入書などの品質を確認、証明できる資料を整備及び保管し、工事監督員又は工事検査員からの請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
4.レディーミクストコンクリートの品質検査
受注者は、レディーミクストコンクリートの品質を確かめるための検査を JIS A5308
(レディーミクストコンクリート)により実施しなければならない。なお、生産者等に 検査のため試験を代行させる場合は受注者がその試験に臨場しなければならない。また、現場練りコンクリートについても、これに準ずるものとする。
ただし、圧縮強度試験については原則として、JIS Q1011(分野別認証指針 レディーミクストコンクリート)に規定された外部試験機関で行うものとし、やむを得ず生産者等に代行させる場合は、受注者が臨場するものとする。
3-3-3 配合
1.一般事項
受注者は、コンクリートの配合において、設計図書の規定のほか、構造物の目的必要な強度、耐久性、ひび割れ抵抗性、鋼材を保護する性能、水密性及び作業に適するワーカビリティーをもつ範囲内で単位水量を少なくするように定めなければならない。
2.配合試験
受注者は、施工に先立ち、あらかじめ配合試験を行い、表3-1の示方配合表を作成し工事監督員の確認を得なければならない。ただし、すでに他工事(公共工事に限る)において使用実績があり、品質管理データがある場合は、配合試験を行わず他工事(公共工事に限る)の配合表に代えることができる。また、JISマーク表示されたレディーミクストコンクリートを使用する場合は配合試験を省略できる。
3.水セメント比
受注者は、土木コンクリート構造物の耐久性を向上させるため、一般の環境条件の場合のコンクリート構造物に使用するコンクリートの水セメント比は、鉄筋コンクリートについては 55%以下、無筋コンクリートについては 60%以下とするものとする。
表3-1 示方配合表
4.現場配合
受注者は、示方配合を現場配合に直す場合には、骨材の含水状態、5mm ふるいに留まる細骨材の量、5mm ふるいを通る粗骨材の量、及び混和剤の希釈水量等を考慮しなければならない。
5.材料変更等
受注者は、使用する材料を変更したり、示方配合の修正が必要と認められる場合には、本条2項の規定に従って示方配合表を作成し、事前に工事監督員に協議しなければならない。
6.セメント混和材料
受注者は、セメント混和材料を使用する場合には、材料の品質に関する資料により使用前に工事監督員の確認を得なければならない。
第4節 コンクリートミキサー船
3-4-1 一般事項
本節は、コンクリートミキサー船によりコンクリートを製造することに関する一般的事項を取り扱うものとする。なお、本節に規定していない製造に関する事項は、JIS A5308(レディーミクストコンクリート)を準用する。
3-4-2 コンクリートミキサー船の選定
受注者は、施工に先立ちコンクリート製造能力、製造設備、品質管理状態等を考慮してコンクリートミキサー船を選定し、工事監督員の承諾を得なければならない。
第5節 現場練りコンクリート
3-5-1 一般事項
本節は、現場練りコンクリートの製造に関する一般的事項を取り扱うものとする。
3-5-2 材料の貯蔵
1.セメントの貯蔵
受注者は、防湿性のあるサイロに、セメントを貯蔵しなければならない。また、貯蔵中にわずかでも固まったセメントは使用してはならない。
2.混和材料の貯蔵
受注者は、ごみ、その他不純物が混入しない構造の容器又は防湿性のあるサイロ等に、混和材料を分離、変質しないように貯蔵しなければならない。また、貯蔵中に分離、変質した混和材料を使用してはならない。
3.骨材の貯蔵
受注者は、ゴミ、泥、その他の異物が混入しないよう、かつ、大小粒が分離しないように、排水設備の整った貯蔵施設に骨材を貯蔵しなければならない。
3-5-3 配合
受注者は、コンクリートの配合については、第1編3-3-3配合の規定による。
3-5-4 材料の計量及び練混ぜ
1.計量装置
(1)各材料の計量方法及び計量装置は、工事に適し、かつ、各材料を規定の計量誤差内で計量できるものとする。なお、受注者は、各材料の計量方法及び計量装置について、施工計画書へ記載しなければならない。
(2)受注者は、材料の計量設備の計量精度の定期的な点検を行わなければならない。なお、点検結果の資料を整備及び保管し、工事監督員又は工事検査員の請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
2.材料の計量
(1)計量は、現場配合によって行わなければならない。また、骨材の表面水率の試験は、JIS A 1111(細骨材の表面水率試験方法)若しくは JIS A 1125(骨材の含水率試験方法及び含水率に基づく表面水率の試験方法)又は工事監督員の承諾を得た方法によらなければならない。なお、骨材が乾燥している場合の有効吸水率の値は、骨材を適切な時間吸水させて求めなければならない。
(2)受注者は、第1編3-3-3配合で定めた示方配合を現場配合に修正した内容をその都度、工事監督員に協議しなければならない。
(3)計量誤差は、1回計量分に対し、「表3-2計量の許容誤差」の値以下とする。
(4)連続ミキサを使用する場合、各材料は容積計量してよいものとする。その計量誤差は、ミキサの容量によって定められる規定の時間当たりの計量分を質量に換算して、「表3-2計量の許容誤差」の値以下とする。なお、受注者は、ミキサの種類、練混ぜ時間などに基づき、規定の時間当たりの計量分を適切に定めなければならない。
(5)材料の計量値は、自動記録装置により記録しなければならない。
表3-2 計量の許容誤差
材料の種類 | 最大値(%) |
水 | 1 |
セメント | 1 |
骨材 | 3 |
混和材 | 2※ |
混和剤 | 3 |
※高炉スラグ微粉末の場合は、1(%)以内
(6)受注者は、各材料を、一練り分ずつ重量で計量しなければならない。ただし、水及び混和剤溶液は容積で計量してもよいものとする。なお、一練りの量は、工事の種類、コンクリートの打込み量、練りまぜ設備、運搬方法等を考慮して定めなければならない。
(7)受注者は、混和剤を溶かすのに用いた水又は混和剤をうすめるのに用いた水は、練り混ぜ水の一部としなければならない。
3.練混ぜ
(1)受注者は、コンクリートの練混ぜに際し、可傾式又は強制練りバッチミキサおよび連続ミキサを使用するものとする。
(2)受注者は、ミキサの練混ぜ試験を、JIS A 1119(ミキサで練り混ぜたコンクリート中のモルタルの差及び粗骨材量の差の試験方法)及び土木学会規準「連続ミキサの練混ぜ性能試験方法」により行わなければならない。
(3)受注者は、JIS A 8603(コンクリートミキサ-第1部:用語及び仕様項目)、JIS A 8603(コンクリートミキサ-第2部:練混ぜ性能試験方法)に適合するか、又は同等以上の性能を有するミキサを使用しなければならない。ただし、機械練りが不可能でかつ簡易な構造物の場合で、手練りで行う場合には、受注者は、設計図書に関して工事監督員に協議するものとする。
(4)受注者は、練混ぜ時間を試験練りによって定めなければならない。やむを得ず、練り混ぜ時間の試験を行わない場合は、その最小時間を可傾式バッチミキサを用いる場合1分 30 秒、強制練りバッチミキサを用いる場合1分とするものとする。
(5)練混ぜは、あらかじめ定めた練混ぜ時間の3倍以内で、行わなければならない。
(6)受注者は、ミキサ内のコンクリートを排出し終わった後でなければ、ミキサ内に新たに材料を投入してはならない。
(7)受注者は、使用の前後にミキサを清掃しなければならない。
(8)ミキサは、練上げコンクリートを排出する時に材料の分離を起こさない構造でなければならない。
(9)受注者は、連続ミキサを用いる場合、練混ぜ開始後、最初に排出されるコンクリートを用いてはならない。なお、この場合の廃棄するコンクリート量は、ミキサ部の容積以上とする。
(10)受注者は、コンクリートを手練りにより練り混ぜる場合は、水密性が確保された練り台の上で行わなければならない。
(11)受注者は、練上りコンクリートが均等質となるまでコンクリート材料を練り混ぜなければならない。
第6節 運搬・打設
3-6-1 一般事項
本節は、コンクリートの運搬及び打設に関する一般的事項を取り扱うものとする。
3-6-2 準備
1.一般事項
受注者は、レディーミクストコンクリートの運搬に先立ち、搬入間隔、経路、荷下し場所等の状況を把握しておかなければならない。
2.潮待ち作業時の注意
受注者は、コンクリート打設が潮待ち作業となる場合、打設に要する時間と潮位の関係を十分に把握し、施工しなければならない。
3.打設前の確認
受注者は、コンクリートの打込み前に型わく、鉄筋等が設計図書に従って配置されていることを確かめなければならない。
4.打設前の注意
受注者は、打設に先立ち、打設場所を清掃し、鉄筋を正しい位置に固定しなければならない。また、コンクリートと接して吸水のおそれのあるところは、あらかじめ湿らせておかなければならない。
3-6-3 運搬
1.一般事項
受注者は、コンクリート練混ぜ後、速やかに運搬しなければならない。
2.品質の保持
受注者は、材料の分離その他コンクリートの品質を損なうことのないように、コンクリートを運搬しなければならない。
3.トラックアジテータ
受注者は、運搬車の使用にあたって、練りまぜたコンクリートを均一に保持し、材料の分離を起こさずに、容易に完全に排出できるトラックアジテータを使用しなければならない。これにより難い場合は、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
3-6-4 打設
1.一般事項
受注者は、コンクリートを速やかに運搬し、直ちに打込み、十分に締固めなければならない。練混ぜてから打ち終わるまでの時間は、原則として外気温が 25℃を超える場合で 1.5 時間、25℃以下の場合で2時間を超えないものとする。これ以外で施工する可能性がある場合は、工事監督員と協議しなければならない。なお、この時間中、コンクリートを日光、風雨等に対し保護しなければならない。
2.適用気温
受注者は、コンクリートの打込みを、日平均気温が4℃を超え 25℃以下の範囲に予 想されるときに実施しなければならない。日平均気温の予想がこの範囲にない場合には、第1編第3章9節暑中コンクリート、10 節寒中コンクリートの規定による。
3.施工計画書
受注者は、1回の打設で完了するような小規模構造物を除いて1回(1日)のコンクリート打設高さを施工計画書に記載しなければならない。また、受注者は、これを変更する場合には、施工前に施工計画書の記載内容を変更しなければならない。
4.コンクリート打設中の注意
受注者は、コンクリートの打設作業中、型枠のずれ、浮上り、目地材の離れ及び鉄筋の配置を乱さないように注意しなければならない。
5.コンクリートポンプ使用時の注意
受注者はコンクリートポンプを用いる場合は、「コンクリートのポンプ施工指針(案)
5章圧送」(土木学会、平成 12 年2月)の規定による。これにより難い場合は、工事監督員の承諾を得なければならない。また、受注者はコンクリートプレーサ、ベルトコンベア、その他を用いる場合も、材料の分離を防ぐようこれらを配置しなければならない。
6.ベルトコンベヤ使用時の注意
受注者は、ベルトコンベヤを使用する場合、適切な速度で十分容量のある機種を選定し、終端にはバッフルプレート及びシュートを設け、材料が分離しない構造のものとしなければならない。なお、配置にあたっては、コンクリートの横移動ができるだけ少なくなるようにしなければならない。
7.バケット及びスキップ使用時の注意
受注者は、バケット及びスキップを使用する場合、コンクリートに振動を与えないよう適切な処置を講じなければならない。また、排出口は、排出時に材料が分離しない構造のものとしなければならない。
8.シュート使用時の注意
受注者は、打設にシュートを使用する場合には縦シュートを用いるものとし、漏斗管、フレキシブルなホース等により、自由に曲がる構造のものを選定しなければならない。なお、これにより難い場合は、事前に工事監督員の承諾を得なければならない。
9.打設コンクリートの横移動禁止
受注者は、打設したコンクリートを型枠内で横移動させてはならない。
10.連続打設
受注者は、一区画内のコンクリートの一層を打設が完了するまで連続して打設しなければならない。
11.水平打設
受注者は、コンクリートの打上り面が一区画内でほぼ水平となるように打設しなければならない。なお、締固め能力等を考慮して、コンクリート打設の1層の高さを定めなければならない。
12.打設計画書
受注者は、コンクリートの打設作業に際しては、あらかじめ打設計画書を作成し、適切な高さに設定してこれに基づき、打設作業を行わなければならない。また、受注者は、型枠の高さが高い場合には、型枠にコンクリートが付着して硬化するのを防ぐため、型枠に投入口を設けるか、縦シュートあるいはポンプ配管の吐出口を打込み面近くまで下げてコンクリートを打ち込まなければならない。この場合、シュート、ポンプ配管、バケット、ホッパー等の吐出口と打込み面までの高さは 1.5m以下とするものとする。
13.材料分離防止
受注者は、著しい材料分離が生じないように打込まなければならない。
14.上層下層一体の締固め
受注者は、コンクリートを2層以上に分けて打込む場合、上層のコンクリートの打込みは、下層のコンクリートが固まり始める前に行い、上層と下層が一体になるように施工しなければならない。
15.ブリージング水の除去
受注者は、コンクリートの打込み中、表面にブリーディング水がある場合には、これを取り除いてからコンクリートを打たなければならない。
16.不要となったスペーサの除去
受注者は、コンクリートの打上りに伴い、不要となったスペーサを可能なかぎり取除かなければならない。
17.壁又は柱の連続打設時の注意
受注者は、壁又は柱のような幅に比べて高さが大きいコンクリートを連続して打込む場合には、打込み及び締固めの際、ブリーディングの悪影響を少なくするように、コンクリートの1回の打込みxxx打上り速度を調整しなければならない。
18.アーチ形式のコンクリート端部
受注者は、アーチ形式のコンクリートの打込みにあたって、その端面がなるべくアーチと直角になるように打込みを進めなければならない。
19.アーチ形式のコンクリート打設
受注者は、アーチ形式のコンクリートの打込みにあたって、アーチの中心に対し、左右対称に同時に打たなければならない。
20.アーチ形式のコンクリート打継目
受注者は、アーチ形式のコンクリートの打継目を設ける場合は、アーチ軸に直角となるように設けなければならない。また、打込み幅が広いときはアーチ軸に平行な方向の鉛直打継目を設けてもよいものとする。
3-6-5 締固め
1.一般事項
受注者は、コンクリートの締固めに際し、バイブレーターを用いなければならない。なお、薄い壁等バイブレーターの使用が困難な場所には、型枠振動機を使用しなければならない。
2.締固め方法
受注者は、コンクリートが鉄筋の周囲及び型枠のすみずみに行き渡るように打設し、速やかにコンクリートを十分締め固めなければならない。
3.上層下層一体の締固め
受注者は、コンクリートを2層以上に分けて打設する場合、バイブレーターを下層のコンクリート中に 10 ㎝程度挿入し、上層と下層が一体となるように入念に締め固めなければならない。
3-6-6 沈下ひびわれに対する処置
1.沈下ひび割れ対策
受注者は、スラブ又は梁のコンクリートが壁又は柱のコンクリートと連続している構造の場合、沈下、ひび割れを防止するため、壁又は柱のコンクリートの沈下がほぼ終了してからスラブ又は梁のコンクリートを打設しなければならない。また、張出し部分を持つ構造物の場合も、前記と同様にして施工しなければならない。
2.沈下、ひびわれの防止
受注者は、沈下ひびわれが発生した場合、直ちにタンピングや再振動を行い、これを消さなければならない。
3-6-7 打継目
1.一般事項
打継目の位置及び構造は、図面の定めによるものとする。ただし、受注者は、やむを得ず図面で定められていない場所に打継目を設ける場合、構造物の強度、耐久性、水密性及び外観を害しないように、その位置、方向及び施工方法を定め、工事監督員と協議しなければならない。
2.打継目を設ける位置
受注者は、打継目を設ける場合には、せん断力の小さい位置に設け打継面を部材の圧縮力の作用する方向と直角になるよう施工しなければならない。
3.打継目を設ける場合の注意
受注者は、やむを得ずせん断力の大きい位置に打継目を設ける場合には、打継目に、ほぞ、又は溝を造るか、鋼材を配置して、これを補強しなければならない。
4.新コンクリートの打継時の注意
受注者は、硬化したコンクリートに、新コンクリートを打継ぐ場合には、その打込み前に、型枠をしめ直し、硬化したコンクリートの表面のレイタンス、緩んだ骨材粒、品質の悪いコンクリート、雑物などを取り除き吸水させなければならない。また受注者は、構造物の品質を確保するために必要と判断した場合には、旧コンクリートの打継面を、ワイヤブラシで表面を削るか、チッピング等により粗にして十分吸水させ、セメントペースト、モルタルあるいは湿潤面用エポキシ樹脂などを塗った後、新コンクリートを打継がなければならない。
5.床と一体になった柱又は壁の打継目
受注者は、床組みと一体になった柱又は壁の打継目を設ける場合には、床組みとの境の付近に設けなければならない。スラブと一体となるハンチは、床組みと連続してコンクリートを打つものとする。張出し部分を持つ構造物の場合も、同様にして施工するものとする。
6.床組みの打継目
受注者は、床組みにおける打継目を設ける場合には、スラブ又は、はりのスパンの中
央付近に設けなければならない。ただし、受注者は、はりがそのスパンの中央で小ばりと交わる場合には、小ばりの幅の約2倍の距離を隔てて、はりの打継目を設け、打継目を通る斜めの引張鉄筋を配置して、せん断力に対して補強しなければならない。
7.目地
目地の施工は、設計図書の定めによるものとする。
8.伸縮継目
受注者は、伸縮継目の目地の材質、厚、間隔については設計図書によるものとするが、特に定めのない場合は瀝青系目地材料厚は1㎝、施工間隔 10m程度とする。
9.ひび割れ誘発目地
受注者は、温度変化や乾燥収縮などにより生じるひび割れを集中させる目的で、必要 に応じてひび割れ誘発目地を設ける場合は工事監督員と協議の上、設置するものとする。ひび割れ誘発目地は、構造物の強度及び機能を害さないように、その構造および位置を 定めなければならない。
3-6-8 表面仕上げ
1.一般事項
受注者は、せき板に接して露出面となるコンクリートの仕上げにあたっては、平らなモルタルの表面が得られるように打込み、締固めをしなければならない。
2.せき板に接しない面の仕上げ
受注者は、せき板に接しない面の仕上げにあたっては、締固めを終り、ならしたコンクリートの上面に、しみ出た水がなくなるか又は上面の水を処理した後でなければ仕上げ作業にかかってはならない。
3.不完全な部分の仕上げ
受注者は、コンクリート表面にできた突起、すじ等はこれらを除いて平らにし、豆板、欠けた箇所等は、その不完全な部分を取り除いて水で濡らした後、本体コンクリートと同等の品質を有するコンクリート、又はモルタルのパッチングを施し平らな表面が得られるように仕上げなければならない。
3-6-9養生
1.一般事項
受注者はコンクリートの打込み後の一定期間を、硬化に必要な温度及び湿度条件を保ち、有害な作用の影響を受けないように、養生しなければならない。
2.湿潤状態の保持
受注者は、コンクリートの露出面を養生用マット、ぬらした布等で、これを覆うか、又は散水、湛水を行い、少なくとも表3-3の期間、常に湿潤状態を保たなければならない。
表3-3 コンクリートの養生期間
日平均気温 | 普通ポルトランド セメント | 混合セメントB 種 | 早強ポルトランドセ メント |
15℃以上 | 5日 | 7日 | 3日 |
10℃以上 | 7日 | 9日 | 4日 |
5℃以上 | 9日 | 12 日 | 5日 |
〔注〕寒中コンクリートの場合は、第1編第3章第 10 節寒中コンクリートの規定による。
養生期間とは、湿潤状態を保つ期間のことである。
3.温度制御養生
受注者は、温度制御養生を行う場合には、温度制御方法及び養生日数についてコンクリートの種類及び構造物の形状寸法を考慮して、養生方法を施工計画書に記載しなければならない。
4.蒸気養生等
受注者は、蒸気養生、その他の促進養生を行う場合には、コンクリートに悪影響を及ぼさないよう養生を開始する時期、温度の上昇速度、冷却速度、養生温度及び養生時間などの養生方法を施工計画書に記載しなければならない。なお、膜養生を行う場合には、設計図書に関して工事監督員と協議しなければならない。
第7節 鉄筋工
3-7-1 一般事項
1.適用事項
本節は、鉄筋の加工、鉄筋の組立て、鉄筋の継手、ガス圧接その他これらに類する事項について定める。
2.照査
受注者は、施工前に、配筋図、鉄筋組立図、及びかぶり詳細図により組立可能か、また配力鉄筋及び組立筋を考慮したかぶりとなっているかを照査し、不備を発見したときは工事監督員に協議しなければならない。
3.亜鉛メッキ鉄筋の加工
受注者は、亜鉛メッキ鉄筋の加工を行う場合、その特性に応じた適切な方法でこれを行わなければならない。
4.エポキシ系樹脂塗装鉄筋の加工・組立
受注者は、エポキシ系樹脂塗装鉄筋の加工・組立を行う場合、塗装並びに鉄筋の材質を害さないよう、衝撃・こすれによる損傷のないことを作業完了時に確かめなければならない。
5.エポキシ系樹脂塗装鉄筋の切断・溶接
エポキシ系樹脂塗装鉄筋の切断・溶接による塗膜欠落や、加工・組立にともなう有害な損傷部を発見した場合、受注者は、十分清掃した上、コンクリートの打込み前に適切な方法で補修しなければならない。
3-7-2 貯蔵
受注者は、鉄筋を直接地表に置くことを避け、倉庫内に貯蔵しなければならない。また、屋外に貯蔵する場合は、雨水等の侵入を防ぐためシート等で適切な覆いをしなければならない。
3-7-3 加工
1.一般事項
受注者は、鉄筋の材質を害しない方法で加工しなければならない。
2.鉄筋加工時の温度
受注者は、鉄筋を常温で加工しなければならない。ただし、鉄筋をやむを得ず熱して加工する時には、既往の実績を調査し、現地において試験施工を行い、悪影響を及ぼさないことを確かめた上で施工方法を定め、施工しなければならない。なお、調査・試験及び確認資料を整備及び保管し、工事監督員又は工事検査員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
3.鉄筋の曲げ半径
受注者は、鉄筋の曲げ形状の施工にあたり、設計図書に鉄筋の曲げ半径が示されていない場合は、「コンクリート標準示方書(設計編)第 13 章鉄筋に関する構造細目」(土
木学会、平成 20 年3月)の規定による。これにより難い場合は、工事監督員の承諾を得なければならない。
4.曲げ戻しの禁止
受注者は、原則として曲げ加工した鉄筋を曲げ戻してはならない。
図3-1 鉄筋のかぶり
5.かぶり
受注者は、設計図書に示されていない鋼材(組立用鉄筋など)を配置する場合は、その鋼材についても所定のかぶりを確保し、かつその鋼材と他の鉄筋とのあきを粗骨材の最大寸法の4/3以上としなければならない。
3-7-4 組立て
1.一般事項
受注者は、鉄筋を組立てる前にこれを清掃し浮きさびや鉄筋の表面についたどろ、油、ペンキ、その他鉄筋とコンクリートの付着を害するおそれのあるものは、これを除かなければならない。
2.配筋・組立
受注者は、図面に定めた位置に、鉄筋を配置し、コンクリート打設中に動かないよう十分堅固に組み立てなければならない。なお、必要に応じて図面に示されたもの以外の組立用鉄筋等を使用するものとする。受注者は、鉄筋の交点の要所を、直径 0.8mm以上のなまし鉄線、又はクリップで緊結し、鉄筋が移動しないようにしなければならない。また、設計図書に特別な組立用架台等が指定されている場合は、それに従うものとする。
3.鉄筋かぶりの確保
受注者は、設計図書に特に定めのない限り、鉄筋のかぶりを保つよう、スペーサーを設置するものとし、構造物の側面については1m2 あたり2個以上、構造物の底面については、1m2 あたり4個以上設置しなければならない。鉄筋のかぶりとはコンクリート表面から鉄筋までの最短距離をいい、設計上のコンクリート表面から主鉄筋の中心までの距離とは異なる。また、受注者は、型枠に接するスペーサーについてはコンクリート製あるいはモルタル製で本体コンクリートと同等以上の品質を有するものを使用しなければならない。なお、これ以外のスペーサーを使用する場合は工事監督員と協議しなければならない。
4.コンクリート打設前の点検、清掃
受注者は、鉄筋を組立ててからコンクリートを打ち込むまでに鉄筋の位置がずれたり、どろ、油等の付着がないかについて点検し、清掃してからコンクリートを打たなければ ならない。
5.上層部の鉄筋の組立て時の注意
受注者は、上層部の鉄筋の組立てを下層部のコンクリート打設後 24 時間以上経過した後に行わなければならない。
3-7-5 継手
1.一般事項
受注者は、設計図書に示されていない鉄筋の継手を設けるときには、継手の位置及び方法について、施工前に設計図書に関して工事監督員の承諾を得なければならない。
2.重ね継手
受注者は、鉄筋の重ね継手を行う場合は、設計図書に示す長さを重ね合わせて、直径
0.8mm 以上のなまし鉄線で数箇所緊結しなければならない。
3.継手位置の相互ずらし
受注者は、設計図書に明示した場合を除き、継手を同一断面に集めてはならない。また、受注者は、継手を同一断面に集めないため、継手位置を軸方向に相互にずらす距離は、継手の長さに鉄筋直径の 25 倍を加えた長さ以上としなければならない。
4.継手構造の選定
受注者は、鉄筋の継手に圧接継手、溶接継手又は機械式継手を用いる場合には、鉄筋の種類、直径及び施工箇所に応じた施工方法を選び、その品質を証明する資料を整備及び保管し、工事監督員又は工事検査員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
5.継ぎたし鉄筋の保護
受注者は、将来の継ぎたxxために構造物から鉄筋を露出しておく場合には、損傷、腐食等をうけないようにこれを保護しなければならない。
6.引張断面での継手の禁止
受注者は、鉄筋の継手位置として、引張応力の大きい断面を避けなければならない。
7.鉄筋間の寸法
受注者は、継手部と隣接する鉄筋とのあき、又は継手部相互のあきを粗骨材の最大寸法以上としなければならない。
3-7-6 ガス圧接
1.圧接工の資格
圧接工は、JIS Z 3881(鉄筋のガス圧接技術検定における試験方法及び判定基準)に定められた試験の種類のうち、その作業に該当する試験の技量を有する技術者でなければならない。また、自動ガス圧接装置を取り扱う者は、JIS G 3112 (鉄筋コンクリート用棒鋼)に規定する棒鋼を酸素・アセチレン炎により圧接する技量を有する技術者でなければならない。
なお、ガス圧接の施工方法は、熱間押し抜き法とする場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得るものとする。また、圧接工の技量の確認に関して、工事監督員又は工
事検査員から請求があった場合は、資格証明書等を速やかに提示しなければならない。
2.施工できない場合の処置
受注者は、鉄筋のガス圧接箇所が設計図書どおりに施工できない場合は、その処置方法について施工前に工事監督員と協議しなければならない。
3.圧接の禁止
受注者は、規格又は形状の著しく異なる場合及び径の差が7mm を超える場合は圧接してはならない。ただし、D41 とD51 の場合はこの限りではない。
4.圧接面の清掃
受注者は、圧接面を圧接作業前にグラインダー等でその端面が直角で平滑となるように仕上げるとともに、さび、油、塗料、セメントペースト、その他の有害な付着物を完全に除去しなければならない。
5.圧接面のすき間
突合わせた圧接面は、なるべく平面とし周辺のすき間は以下のとおりとする。
(1)SD490 以外の鉄筋を圧接する場合:すき間3mm 以下
(2)SD490 の鉄筋を圧接する場合:すき間2mm 以下
但し、SD490 以外の鉄筋を自動ガス圧接する場合は、すき間は2mm 以下とする。
6.悪天候時の作業禁止
受注者は、降雪雨又は、強風等の時は作業をしてはならない。ただし、作業が可能なように、遮へいした場合は作業を行うことができる。
第8節 型枠・支保
3-8-1 一般事項
本節は、型枠・支保として構造、組立て、取外しその他これらに類する事項について定めるものとする。
3-8-2 構造
1.一般事項
受注者は、型枠・支保をコンクリート構造物の位置及び形状寸法を正確に保つために十分な強度と安定性を持つ構造としなければならない。
2.面取り
受注者は、特に定めのない場合はコンクリートのかどに面取りができる型枠を使用しなければならない。
3.型枠の構造
受注者は、型枠を容易に組立て及び取りはずすことができ、せき板又はパネルの継目はなるべく部材軸に直角又は平行とし、モルタルのもれない構造にしなければならない。
4.支保形式
受注者は、支保の施工にあたり、荷重に耐えうる強度を持った支保を使用するとともに、受ける荷重を適切な方法で確実に基礎に伝えられるように適切な形式を選定しなければならない。
5.支保基礎の注意
受注者は、支保の基礎に過度の沈下や不等沈下などが生じないようにしなければならない。
3-8-3 組立て
1.一般事項
受注者は、型枠を締付けるにあたって、ボルト又は棒鋼を用いなければならない。また、外周をバンド等で締め付ける場合、その構造、施工手順等を施工計画書に記載しなければならない。なお、受注者は、これらの締付け材を型枠取り外し後、コンクリート表面に残しておいてはならない。
2.はく離剤
受注者は、型枠の内面に、はく離剤を均一に塗布するとともに、はく離剤が、鉄筋に付着しないようにしなければならない。
3.コンクリート出来形の確保
受注者は、型枠・支保の施工にあたり、コンクリート部材の位置、形状及び寸法が確保され工事目的物の品質・性能が確保できる性能を有するコンクリートが得られるように施工しなければならない。
3-8-4 取外し
1.一般事項
受注者は、型枠・支保の取外しの時期及び順序について、設計図書に定められていない場合には、構造物と同じような状態で養生した供試体の圧縮強度をもとに、セメントの性質、コンクリートの配合、構造物の種類とその重要性、部材の種類及び大きさ、部材の受ける荷重、気温、天候、風通し等を考慮して、取外しの時期及び順序の計画を、施工計画書に記載しなければならない。
2.取外し時期
受注者は、コンクリートがその自重及び施工中に加わる荷重を受けるのに必要な強度に達するまで、型枠・支保を取外してはならない。
3.型枠穴の補修
受注者は、型枠の組立に使用した締付け材の穴及び壁つなぎの穴を、本体コンクリートと同等以上の品質を有するモルタル等で補修しなければならない。
第9節 暑中コンクリート
3-9-1 一般事項
1.一般事項
本節は、暑中コンクリートの施工に関する一般的事項を取り扱うものとする。なお、本節に定めのない事項は、第1編第3章第3節レディーミクストコンクリート、第4節コンクリートミキサー船、第5節現場練りコンクリート及び第6節運搬・打設の規定による。
2.適用気温
受注者は、日平均気温が 25℃を超えることが予想されるときは、暑中コンクリートとしての施工を行わなければならない。
3.材料の温度
受注者は、コンクリートの材料の温度を、品質が確保できる範囲内で使用しなければならない。
3-9-2 施工
1.施工計画書
受注者は、暑中コンクリートにおいて、減水剤、AE減水剤、流動化剤等を使用る場合は JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)の規格に適合する遅延形のものを使用しなければならない。なお、遅延剤を使用する場合には使用したコンクリートの品質を確かめ、その使用方法添加量等について施工計画書に記載しなければならない。
2.打設前の注意
受注者は、コンクリートの打設前に、地盤、型枠等のコンクリートから吸水する恐れのある部分は十分吸水させなければならない。また、型枠及び鉄筋等が直射日光を受けて高温になるおそれのある場合は、散水及び覆い等の適切な処置を講じなければならない。
3.打設時のコンクリート温度
打設時のコンクリート温度は、35℃以下とする。
4.運搬時の注意
受注者は、コンクリートの運搬時にコンクリートが乾燥したり、熱せられたりすることの少ない装置及び方法により運搬しなければならない。
5.所用時間
コンクリートを練混ぜてから打設終了までの時間は、1.5 時間を超えてはならないものとする。
6.コールドジョイント
受注者は、コンクリートの打設をコールドジョイントが生じないよう行わなければならない。
3-9-3 養生
受注者は、コンクリートの打設を終了後、速やかに養生を開始し、コンクリートの表面を乾燥から保護しなければならない。また、特に気温が高く湿度が低い場合には、打込み直後の急激な乾燥によってひび割れが生じることがあるので、直射日光、風等を防ぐために必要な処置を施さなければならない。
第 10 節 寒中コンクリート
3-10-1 一般事項
1.一般事項
本節は、寒中コンクリートの施工に関する一般的事項を取り扱うものとする。なお、本節に定めのない事項は、第1編第3章第3節レディーミクストコンクリート、第4節コンクリートミキサー船、第5節現場練りコンクリート及び第6節運搬・打設の規定による。
2.適用気温
受注者は、日平均気温が4℃以下になることが予想されるときは、寒中コンクリートとしての施工を行わなければならない。
3.寒中コンクリートの施工
受注者は、寒中コンクリートの施工にあたり、材料、配合、練りまぜ、運搬、打込み、養生、型枠・支保についてコンクリートが凍結しないように、また、寒冷下においても設計図書に示す品質が得られるようにしなければならない。
3-10-2 施工
1.一般事項
受注者は、寒中コンクリートにおいて以下によらなければならない。
(1)受注者は、凍結しているか、又は氷雪の混入している骨材をそのまま用いてはならない。
(2)受注者は、材料を加熱する場合、水又は骨材を加熱することとし、セメントはどんな場合でも直接これを熱してはならない。骨材の加熱は、温度が均等で、かつ過度に乾燥しない方法によるものとする。
(3)受注者は、AEコンクリートを用いなければならない。これ以外を用いる場合は、工事監督員と協議しなければならない。
2.熱量損失の低減
受注者は、熱量の損失を少なくするようにコンクリートの練りまぜ、運搬及び打込みを行わなければならない。
3.打設時のコンクリート温度
受注者は、打込み時のコンクリートの温度を、構造物の断面最小寸法、気象条件等を考慮して、5~20℃の範囲に保たなければならない。
4.材料投入順序の設定
受注者は、セメントが急結を起こさないように、加熱した材料をミキサに投入する順序を設定しなければならない。
5.氷雪の付着防止
受注者は、鉄筋、型枠等に氷雪が付着した状態でコンクリートを打設してはならない。また、地盤が凍結している場合、これを溶かし、水分を十分に除去した後に打設しなければならない。
6.凍結融解害コンクリートの除去
受注者は、凍結融解によって害をうけたコンクリートを除かなければならない。
3-10-3 養生
1.養生計画
受注者は、養生方法及び養生期間について、外気温、配合、構造物の種類及び大きさ、その他養生に影響を与えると考えられる要因を考慮して計画しなければならない。
2.初期養生
受注者は、コンクリートの打込み終了後ただちにシートその他材料で表面を覆い、養生を始めるまでの間のコンクリートの表面の温度の急冷を防がなければならない。
3.凍結の保護
受注者は、コンクリートが打込み後の初期に凍結しないように保護し、特に風を防がなければならない。
4.コンクリートに給熱
受注者は、コンクリートに給熱する場合、コンクリートが局部的に乾燥又は熱せられることのないようにしなければならない。また、保温養生終了後、コンクリート温度を急速に低下させてはならない。
5.養生中のコンクリート温度
受注者は、養生中のコンクリートの温度を5℃以上に保たなければならない。また、養生期間については、表3-4の値以上とするのを標準とする。
なお、表3-4の養生期間の後、さらに2日間はコンクリート温度を0℃以上に保たなければならない。また、湿潤養生に保つ養生日数として表3-3に示す期間も満足する必要がある。
表3-4 寒中コンクリートの養生期間
第 11 節 マスコンクリート
3-11-1 一般事項
本節は、マスコンクリートの施工に関する一般的事項を取り扱うものとする。
3-11-2 施工
1.一般事項
受注者は、マスコンクリートの施工にあたって、事前にセメントの水和熱による温度応力及び温度ひび割れに対する十分な検討を行わなければならない。
2.マスコンクリート打設計画
受注者は、温度ひび割れに関する検討結果に基づき、打込み区画の大きさ、リフト高さ、継目の位置及び構造、打込み時間間隔を設定しなければならない。
3.マスコンクリート打設温度
受注者は、あらかじめ計画した温度を超えて打ち込みを行ってはならない。
4.マスコンクリート温度制御
受注者は、養生にあたって、温度ひび割れ制御が計画どおりに行えるようコンクリート温度を制御しなければならない。
5.型枠による対策
受注者は、温度ひび割れに制御が適切に行えるよう、型枠の材料及び構造を選定するとともに、型枠を適切な期間存置しなければならない。
第 12 節 水中コンクリート
3-12-1 一般事項
本節は、水中コンクリートの施工に関する一般的事項を取り扱うものとする。
なお、本節に定めのない事項は、第1編第3章第3節レディーミクストコンクリート、第4節コンクリートミキサー船、第5節現場練りコンクリート、第6節運搬・打設及び第8節型枠・支保の規定による。
3-12-2 施工
1.一般事項
受注者は、コンクリートを静水中に打設しなければならない。これ以外の場合であっても、流速は 0.05m/s 以下でなければ打設してはならない。
2.水中落下の防止
受注者は、コンクリートを水中落下させないようにし、かつ、打設開始時のコンクリートは水と直接接しないような工夫をしなければならない。
3.水中コンクリート打設時の注意
受注者は、コンクリート打設中、その面を水平に保ちながら、規定の高さに達するまで連続して打設しなければならない。なお、やむを得ず打設を中止した場合は、そのコンクリートのレイタンスを完全に除かなければ次のコンクリートを打設してはならない。
4.レイタンス発生の防止
受注者は、レイタンスの発生を少なくするため、打設中のコンクリートをかxxださないようにしなければならない。
5.水の流動防止
受注者は、コンクリートが硬化するまで、水の流動を防がなければならない。なお、設計図書に特別の処置が指定されている場合は、それに従わなければならない。
6.水中コンクリート型枠
受注者は、水中コンクリートに使用する型枠について、仕上げの計画天xxが、水面より上にある場合は、海水面の高さ以上のところに、型枠の各面に水抜き穴を設けなければならない。
7.水中コンクリートの打設方法
コンクリートは、ケーシング(コンクリートポンプとケーシングの併用方式)、トレミー又はコンクリートポンプを使用して打設しなければならない。これにより難い場合は、代替工法について工事監督員と協議のうえ施工しなければならない。
8.ケーシング打設(コンクリートポンプとケーシングの併用方式)
(1)受注者は、打込み開始にあたって、ケーシングの先端にプランジャーや鋼製蓋を装着し、その筒先を地盤に着地させ、ケーシングの安定や水密性を確かめてから輸送管を通してコンクリートを打ち込まなければならない。
(2)受注者は、コンクリート打込み中、輸送管を起重機船等で吊り上げている場合は、できるだけ船体の動揺を少なくしなければならない。
(3)打込み時において、輸送管及びケーシングの先端は、常にコンクリート中に挿入しなければならない。
(4)受注者は、打込み時のケーシング引き上げにあたって、既に打ち込まれたコンクリートをかき乱さないように垂直に引き上げなければならない。
(5)受注者は、1本のケーシングで打ち込む面積について、コンクリートの水中流動距離を考慮して過大であってはならない。
(6)受注者は、コンクリートの打継目をやむを得ず水中に設ける場合、旧コンクリート表層の材料分離を起こしているコンクリートを完全に除去してから新コンクリートを打ち込まなければならない。
(7)受注者は、打込みが終り、ほぼ所定の高さに均したコンクリートの上面が、しみ出た水がなくなるか、又は上面の水を処理した後でなければ、これを仕上げてはならない。
9.トレミー打設
(1)トレミーは、水密でコンクリートが自由落下できる大きxxx、打設中は常にコンクリートで満たさなければならない。また、トレミーは、打設中水平移動してはならない。
(2)受注者は、1本のトレミーで打ち込む面積について、コンクリートの水中流動距離を考慮して過大であってはならない。
(3)受注者は、トレミーの取扱いの各段階における状態をあらかじめ詳しく検討し、打込み中のコンクリートに対して好ましくない状態が起こらないよう、予防措置を講じなければならない。
(4)受注者は、特殊なトレミーを使用する場合には、その適合性を確かめ、使用方法を十分検討しなければならない。
10.コンクリートポンプ打設
(1)コンクリートポンプの配管は、水密でなければならない。
(2)打込みの方法は、トレミーの場合に準じなければならない。
11.底開き箱及び底開き袋による打設
受注者は、底開き箱及び底開き袋を使用してコンクリートを打設する場合、底開き箱及び底開き袋の底が打設面上に達した際、容易にコンクリートを吐き出しできる構造のものを用いるものとする。また、打設にあたっては、底開き箱及び底開き袋を静かに水中に降ろし、コンクリートを吐き出した後は、コンクリートから相当離れるまで徐々に引き上げるものとする。ただし、底開き箱又は底開き袋を使用する場合は、事前に工事監督員の承諾を得なければならない。
3-12-3 海水の作用を受けるコンクリート
1.一般事項
受注者は、海水の作用をうけるコンクリートの施工にあたり、品質が確保できるように、打込み、締固め、養生などを行わなければならない。
2.水平打継目の設置位置
受注者は、設計図書に示す最高潮位から上 60 ㎝及び最低潮位から下 60 ㎝の間のコ
ンクリートに水平打継目を設けてはならない。干満差が大きく一回の打上がり高さが非常に高くなる場合や、その他やむを得ない事情で打継目を設ける必要がある場合には、設計図書に関して工事監督員の承諾を得なければならない。
3.海水からの保護期間
受注者は、普通ポルトランドセメントを用いた場合材令5日以上、高炉セメント、フライアッシュセメントを用いた場合、B種については、材令7日以上とし、さらに、日平均気温が 10℃以下となる場合には、9日以上になるまで海水にあらわれないよう保護しなければならない。
第 13 節 水中不分離性コンクリート
3-13-1 一般事項
本節は、水中コンクリート構造物に用いる水中不分離性コンクリートの施工に関する一般的事項を取り扱うものとする。なお、本節に定めのない事項は、第1編第3章第
3節レディーミクストコンクリート、第4節コンクリートミキサー船、第5節現場練りコンクリート、第7節鉄筋工及び第8節型枠・支保の規定による。
3-13-2 材料の貯蔵
材料の貯蔵は、第1編3-5-2材料の貯蔵の規定による。
3-13-3 コンクリートの製造
1.一般事項
受注者は、所要の品質の水中不分離性コンクリートを製造するため、コンクリートの各材料を正確に計量し、十分に練り混ぜるものとする。
2.計量装置
計量装置は、第1編3-5-4材料の計量及び練混ぜの規定による。
3.材料の計量
(1)受注者は、各材料を1バッチ分ずつ質量計量しなければならない。ただし、水及び混和剤溶液は容積計量してもよいものとする。
(2)計量誤差は、1バッチ計量分に対し、「表3-5計量の許容誤差(水中不分離性コンクリート)」の値以下とするものとする。
表3-5 計量の許容誤差(水中不分離性コンクリート)
材料の種類 | 最大値(%) |
水 | 1 |
セメント | 1 |
骨材 | 3 |
混和材 | 2※ |
水中不分離性混和剤 | 3 |
混和剤 | 3 |
※高炉スラグ微粉末の場合は、1(%)以内
4.練混ぜ
(1)受注者は、レディーミクストコンクリートを用いる場合、本節によるほか、JISA 5308(レディーミクストコンクリート)に準じるものとする。
(2)受注者は、強制練りバッチミキサを用いてコンクリートを練り混ぜるものとする。
(3)受注者は、コンクリート製造設備の整ったプラントで練り混ぜなければならない。なお、やむを得ず現場で水中不分離性混和剤及び高性能減水剤を添加する場合は、事前に次の項目を検討し工事監督員と協議しなければならない。
①混和剤の添加方法・時期
②アジテータトラック1車輌の運搬量
③コンクリート品質の試験確認
(4)受注者は、練混ぜ時間を試験によって定めなければならない。
(5)受注者は、練混ぜ開始にあたって、あらかじめミキサにモルタルを付着させなければならない。
5.ミキサ、運搬機器の洗浄及び洗浄排水の処理
(1)受注者は、ミキサ及び運搬機器を使用の前後に十分洗浄しなければならない。
(2)受注者は、洗浄排水の処理方法をあらかじめ定めなければならない。
3-13-4 運搬打設
1.準備
(1)受注者は、フレッシュコンクリートの粘性を考慮して、運搬及び打設の方法を適切に設定しなければならない。
(2)受注者は、打設されたコンクリートが均質となるように、打設用具の配置間隔及び1回の打上り高さを定めなければならない。
2.運搬
受注者は、コンクリートの運搬中に骨材の沈降を防止し、かつ、荷下しが容易なアジテータトラック等で運搬しなければならない。
3.打設
(1)受注者は、打設に先立ち、鉄筋、型枠、打込設備等が計画どおりに配置されていることを確かめなければならない。
(2)受注者は、コンクリートをコンクリートポンプ又はトレミーを用いて打ち込まなければならない。
(3)受注者は、コンクリートポンプを使用する場合、コンクリートの品質低下を生じさせないように行わなければならない。
(4)受注者は、トレミーを使用する場合、コンクリートが円滑に流下する断面寸法を持ち、トレミーの継手は水密なものを使用しなければならない。
(5)受注者は、コンクリートの品質低下を生じさせないように、コンクリートの打込みを連続的に行わなければならない。
(6)受注者は、コンクリートを静水中で水中落下高さ 50cm 以下で打ち込まなければならない。
(7)受注者は、水中流動距離を5m以下としなければならない。
(8)受注者は、波浪の影響を受ける場所では、打設前に、気象・海象等がコンクリートの施工や品質に悪影響を与えないことを確かめなければならない。
4.打継ぎ
(1)受注者は、せん断力の小さい位置に打継目を設け、新旧コンリートが十分に密着するように処置しなければならない。
(2)受注者は、打継面を高圧ジェット、水中清掃機械等を用い清掃し、必要に応じて補強鉄筋等により補強しなければならない。
5.コンクリート表面の保護
受注者は、流水、波等の影響により、セメント分の流失又はコンクリートが洗掘されるおそれがある場合、表面をシートで覆う等の適切な処置をしなければならない。
第 14 節 プレパックドコンクリート
3-14-1 一般事項
本節は、プレパックドコンクリートの施工に関する一般的事項を取り扱うものとする。なお、本節に定めのない事項は、第1編第3章第3節レディーミクストコンクリート、第4節コンクリートミキサー船、第5節現場練りコンクリート、第6節運搬・打設、第
7節鉄筋工及び第8節型枠・支保の規定による。
3-14-2 施工機器
1.施工機械
(1)受注者は、5分以内に規定の品質の注入モルタルを練り混ぜることのできるモルタルミキサを使用しなければならない。
(2)受注者は、注入モルタルを緩やかに攪拌でき、モルタルの注入が完了するまで規定の品質を保てるアジテータを使用しなければならない。
(3)受注者は、十分な圧送能力を有し、注入モルタルを連続的に、かつ、空気を混入させないで注入できるモルタルポンプを使用しなければならない。
2.輸送管
受注者は、注入モルタルを円滑に輸送できる輸送管を使用しなければならない。
3.注入管
受注者は、確実に、かつ、円滑に注入作業ができる注入管を使用しなければならない。なお、注入管の内径寸法は、輸送管の内径寸法以下とする。
3-14-3 施工
1.型枠
(1)受注者は、型枠をプレパックドコンクリートの側圧及びその他施工時の外力に十分耐える構造に組み立てなければならない。
(2)受注者は、事前に型枠の取外し時期について、工事監督員の承諾を得なければならない。
2.モルタルの漏出防止
受注者は、基礎と型枠との間や型枠の継目などの隙間から、注入モルタルが漏れないように処置しなければならない。
3.粗骨材の投入
(1)受注者は、粗骨材の投入に先立ち、鉄筋、注入管、検査xxを規定の位置に配置しなければならない。
(2)受注者は、粗骨材を大小粒が均等に分布するように、また、破砕しないように投入しなければならない。
(3)受注者は、粗骨材を泥やごみ、藻貝類など付着しないよう良好な状態に管理しなければならない。
4.注入管の配置
(1)受注者は、鉛直注入管を水平間隔2m以下に配置しなければならない。なお、水平間隔が2mを超える場合は、事前に工事監督員の承諾を得なければならない。
(2)受注者は、水平注入管の水平間隔を2m程度、鉛直間隔を 1.5m程度に配置しなければならない。また、水平注入管には、逆流防止装置を備えなければならない。
5.練混ぜ
(1)受注者は、練混ぜをモルタルミキサで行うものとし、均一なモルタルが得られるまで練り混ぜなければならない。
(2)受注者は、練混ぜ作業には、細骨材の粒度及び表面水量を確かめ、規定の流動性等の品質が得られるように、粒度の調整、配合の修正、水量の補正等の適切な処置をしなければならない。
(3)受注者は、モルタルミキサ1バッチの練混ぜを、ミキサの定められた練混ぜ容量に適した量で練り混ぜなければならない。
6.注入
(1)受注者は、管の建込み終了後、異常がないことを確かめた後、モルタルを注入しなければならない。
(2)受注者は、規定の高さまで継続して、モルタル注入を行わなければならない。なお、やむを得ず注入を中断し、打継目を設ける場合には、事前に設計図書に関して工事監督員の承諾を得なければならない。
(3)受注者は、最下部から上方へモルタル注入するものとし、注入モルタル上面の上昇速度は 0.3~2.0m/h としなければならない。
(4)受注者は、鉛直注入管を引き抜きながら注入するものとし、注入管の先端を、0.5
~2.0mモルタル中に埋込まれた状態に保たなければならない。
(5)受注者は、注入が完了するまで、モルタルの攪拌を続けなければならない。
7.注入モルタルの上昇状況の確認
受注者は、注入モルタルの上昇状況を確かめるため、注入モルタルの上面の位置を測定できるようにしておかなければならない。
8.寒中における施工
受注者は、寒中における施工の場合、粗骨材及び注入モルタルの凍結を防ぐ処置をしなければならない。また、注入モルタルの膨張の遅延が起こるのを防ぐため、必要に応じて、適切な保温給熱を行わなければならない。
9.暑中における施工
受注者は、暑中における施工の場合、注入モルタルの温度上昇、注入モルタルの過早な膨張及び流動性の低下等が起こらないよう施工しなければならない。
第 15 節 袋詰コンクリート
3-15-1 一般事項
本節は、袋詰コンクリートの施工に関する一般的事項を取り扱うものとする。なお、本節に定めのない事項は、第1編第3章 12 節水中コンクリートの規定による。
3-15-2 施工
1.袋詰
受注者は、袋の容量の2/3程度にコンクリートを詰め、袋の口を確実に縛らなければならない。
2.袋詰コンクリート積みの方法
受注者は、袋を長手及びxxの層に交互に、1袋づつ丁寧に積まなければならない。また、水中に投げ込んではならない。
第1節 適用
第2編 材料編
第1章 一般事項
工事に使用する材料は、設計図書に品質規格を特に明示した場合を除き、この共通仕様書に示す規格に適合したもの、又はこれと同等以上の品質を有するものとする。ただし、工事監督員が承諾した材料及び設計図書に明示されていない仮設材料については除くものとする。
第2節 工事材料の品質
1.一般事項
受注者は、工事に使用した材料の品質を証明する、試験成績表、性能試験結果、ミルシート等の品質規格証明書を受注者の責任において整備、保管し、工事監督員又は工事検査員の請求があった場合は速やかに提示しなければならない。ただし、設計図書で提出を定められているものについては、工事監督員へ提出しなければならない。なお、J IS規格品のうちJISマーク表示が認証されJISマーク表示がされている材料・製品等(以下、「JISマーク表示品」という)については、JISマーク表示状態を示す写真等確認資料の提示に替えることができる。
2.中等の品質
約款第 13 条第1項に規定する「中等の品質」とは、JIS規格に適合したものまたは、これと同等以上の品質を有するものをいう。
3.試験を行う工事材料
受注者は、設計図書において試験を行うこととしている工事材料について、JIS又は設計図書で指示する方法により、試験を実施しその結果を工事監督員に提出しなければならない。なお、JISマーク表示品については試験を省略できる。
4.見本・品質証明資料
受注者は、設計図書において指定された工事材料について、見本又は品質を証明する資料を工事材料を使用するまでに工事監督員に提出しなければならない。なお、JISマーク表示品については、JISマーク表示状態の確認とし見本または品質を証明する資料の提出は省略できる。
5.材料の保管
受注者は、工事材料を使用するまでにその材質に変質が生じないよう、これを保管しなければならない。なお、材質の変質により工事材料の使用が、不適当と工事監督員から指示された場合には、これを取り替えるとともに、新たに搬入する材料については、再度確認を受けなければならない。
6.海外の建設資材の品質証明
受注者は、第1節でいう同等以上の品質を有するものとして、海外の建設資材を用いる場合は、海外建設資材品質審査・証明事業実施機関が発行する海外建設資材品質審査証明書(以下「海外建設資材品質審査証明書」という。)を材料の品質を証明する資料とすることができる。
なお、JIS規格が定まっている建設資材のうち、海外の JIS マーク表示認証工場以外で生産された建設資材を使用する場合は、海外建設資材品質審査証明書を監督職員に提出するものとする。また、JIS認証外の製品として生産・納入されている建設資材については、海外建設資材品質審査証明書あるいは、日本国内の公的機関で実施した試験結果資料を工事監督員に提出しなければならない。
第2章 土木工事材料
第1節 土
2-1-1 一般事項
工事に使用する土は、設計図書における各工種の施工に適合するものとする。
第2節 石
2-2-1 石材
天然産の石材については、以下の規格に適合するものとする。
JIS A 5003(石材)
2-2-2 割ぐりx
xぐり石は、以下の規格に適合するものとする。
JIS A 5006(割ぐり石)
2-2-3 雑xx
雑xxの形状は、おおむねくさび形とし、うすっぺらなもの及び細長いものであってはならない。前面はおおむね四辺形であって二稜辺の平均の長さが控長の2/3程度のものとする。
2-2-4 雑石(粗石)
雑石は、天然石又は破砕石ものとし、うすっぺらなもの及び細長いものであってはならない。
2-2-5 玉石
玉石は、天然に産し、丸みをもつ石で通常おおむね 15 ㎝~25 ㎝のものとし、形状は概ね卵体とし、表面が粗雑なもの、うすっぺらなもの及び細長いものであってはならない。
2-2-6 ぐり石
ぐり石は、玉石又は割ぐり石で 20 ㎝以下の小さいものとし、主に基礎・裏込ぐり石に用いるものであり、うすっぺらなもの及び細長いものであってはならない。
2-2-7 その他の砂利、砕石、砂
1.砂利、砕石
砂利、砕石の粒度、形状及び有機物含有量は、この仕様書における関係条項の規定に適合するものとする。
2.砂
砂の粒度及びごみ・どろ・有機不純物等の含有量は、この仕様書における関係条項の規定に適合するものとする。
第3節 骨材
2-3-1 一般事項
1.適合規格
道路用砕石、コンクリート用砕石及びコンクリート用スラグ粗(細)骨材は、以下の規格に適合するものとする。
JIS A 5001(道路用砕石)
JIS A 5005(コンクリート用砕石及び砕砂)
JIS A 5011-1(コンクリート用スラグ骨材-第1部:高炉スラグ骨材)
JIS A 5011-2(コンクリート用スラグ骨材-第2部:フェロニッケルスラグ骨材) JIS A 5011-3(コンクリート用スラグ骨材-第3部:銅スラグ骨材)
JIS A 5011-4(コンクリート用スラグ骨材-第4部:電気炉酸化スラグ骨材) JIS A 5015(道路用鉄鋼スラグ)
JIS A 5021(コンクリート用再生骨材H)
2.骨材の貯蔵
受注者は、骨材を寸法別及び種類別に貯蔵しなければならない。
3.有害物の混入防止
受注者は、骨材に有害物が混入しないように貯蔵しなければならない。
4.粒度調整路盤材等の貯蔵
受注者は、粒度調整路盤材等を貯蔵する場合には、貯蔵場所を平坦にして清掃し、できるだけ骨材の分離を生じないようにし、貯蔵敷地面全面の排水を図るようにしなければならない。
5.水硬性粒度調整鉄鋼スラグ等の貯蔵
受注者は、水硬性粒度調整鉄鋼スラグ、細骨材、又は細粒分を多く含む骨材を貯蔵する場合に、防水シートなどで覆い、雨水がかからないようにしなければならない。
6.石粉、石灰等の貯蔵
受注者は、石粉、石灰、セメント、回収ダスト、フライアッシュを貯蔵する場合に、防湿的な構造を有するサイロ又は倉庫等を使用しなければならない。
7.海砂使用の場合の注意
細骨材として海砂を使用する場合は、細骨材貯蔵設備の排水不良に起因して濃縮された塩分が滞留することのないように施工しなければならない。
8.海砂の塩分の許容限度
プレストレストコンクリート部材に細骨材として海砂を使用する場合には、シース内のグラウト及びプレテンション方式の部材の細骨材に含まれる塩分の許容限度は、原則として細骨材の絶乾質量に対し NaCl に換算して 0.03%以下としなければならない。
2-3-2 セメントコンクリート用骨材
1.細骨材及び粗骨材の粒度
細骨材及び粗骨材の粒度は、表2-1、表2-2の規格に適合するものとする。
表2-1 無筋・鉄筋コンクリート、舗装コンクリート、プレパックドコンクリートの細骨材の粒度の範囲
(1)無筋・鉄筋コンクリート、舗装コンクリート
ふるいの呼び寸法(mm) | ふるいを通るものの重量百分率(%) |
10 | 100 |
5 | 90~100 |
25 | 80~100 |
1.2 | 50~90 |
0.6 | 25~65 |
0.3 | 10~35 |
0.15 | 2~10[注 1] |
[注 1]砕砂あるいはスラグ細骨材を単独に用いる場合には、2~15%にしてよい。混合使用する場合で、0.15mm 通過分の大半が砕砂あるいはスラグ細骨材である場合には 15%としてよい。
[注 2]連続した2つのふるいの間の量は 45%を超えないのが望ましい。
[注 3]空気量が3%以上で単位セメント量が 250kg/m3 以上のコンクリートの場合、良質の鉱物質微粉末を用いて細粒の不足分を補う場合等に 0.3mm ふるい及び 0.15mm ふるいを通るものの質量百分率の最小値をそれぞれ5及び0に減らしてよい。
(2)プレパックドコンクリート
ふるいの呼び寸法(mm) | ふるいを通るものの重量百分率(%) |
2.5 | 100 |
1.2 | 90~100 |
0.6 | 60~80 |
0.3 | 20~50 |
0.15 | 5~30 |
表2-2 無筋・鉄筋コンクリート、舗装コンクリート、プレパックドコンクリートの粗骨材の粒度の範囲
(1)無筋・鉄筋コンクリート、舗装コンクリート
[注]※の粗骨材は、骨材の分離を防ぐために、粒の大きさ別に分けて計量する場合に用いるものであって、単独に用いるものではない。
(2)プレパックドコンクリート
最小寸法 | 15mm 以上。 |
最大寸法 | 部材最小寸法の 1/4 以下かつ鉄筋コンクリートの場合は、鉄筋のあき の 1/2 以下。 |
2.細骨材及び粗骨材の使用規定
硫酸ナトリウムによる安定性の試験で、損失質量が品質管理基準の規格値を超えた細骨材及び粗骨材は、これを用いた同程度のコンクリートが、予期される気象作用に対して満足な耐凍害性を示した実例がある場合には、これを用いてよいものとする。また、これを用いた実例がない場合でも、これを用いてつくったコンクリートの凍結融解試験結果から満足なものであると認められた場合には、これを用いてよいものとする。
3.使用規定の例外
気象作用をうけない構造物に用いる細骨材は、本条2項を適用しなくてもよいものとする。
4.使用不可の細骨材及び粗骨材
化学的あるいは物理的に不安定な細骨材及び粗骨材は、これを用いてはならない。ただし、その使用実績、使用条件、化学的あるいは物理的安定性に関する試験結果等から、有害な影響をもたらさないものであると認められた場合には、これを用いてもよいものとする。
5.すりへり減量の限度
すりへり試験を行った場合のすりへり減量の限度は、舗装コンクリートの場合は 35%以下とする。なお、積雪寒冷地においては、すりへり減量が 25%以下のものを使用するものとする。
2-3-3 アスファルト舗装用骨材
1.砕石・再生砕石及び鉄鋼スラグの粒度
砕石・再生砕石及び鉄鋼スラグの粒度は、表2-3、表2-4、表2-5の規格に適合するものとする。
表2-3 砕石の粒度
[注 1]呼び名別粒度の規定に適合しない粒度の砕石であっても、他の砕石、砂、石粉等と合成したときの粒度が、所要の混合物の骨材粒度に適合すれば使用することができる。
[注 2]花崗岩や頁岩などの砕石で、加熱によってすりへり減量が特に大きくなったり破壊したりするものは表層に用いてはならない。
表2-4 再生砕石の粒度
粒度範囲 (呼び名) ふるい目の開き | 40~0 (RC-40) | 30~0 (RC-30) | 20~0 (RC-20) | |
通過質量百分率(%) | 53mm | 100 | ||
37.5mm | 95~100 | 100 | ||
31.5mm | - | 95~100 | ||
26.5mm | - | - | 100 | |
19mm | 50~80 | 55~85 | 95~100 | |
13.2mm | - | - | 60~90 | |
4.75mm | 15~40 | 15~45 | 20~50 | |
2.36mm | 5~25 | 5~30 | 10~35 |
[注]再生骨材の粒度は、モルタル粒などを含んだ破砕されたままの見かけの骨材粒度を使用する。
表2-5 再生粒度調整砕石の粒度
粒度範囲 (呼び名) ふるい目の開き | 40~0 (RM-40 ) | 30~0 (RM-30) | 25~0 (RM-20) | |
通過質量百分率(%) | 53mm | 100 | ||
37.5mm | 95~100 | 100 | ||
31.5mm | - | 95~100 | 100 | |
26.5mm | - | - | 95~100 | |
19mm | 60~90 | 60~90 | - | |
13.2mm | - | - | 55~85 | |
4.75mm | 30~65 | 30~65 | 30~65 | |
2.36mm | 20~50 | 20~50 | 20~50 | |
425μm | 10~30 | 10~30 | 10~30 | |
75μm | 2~10 | 2~10 | 2~10 |
[注]再生骨材の粒度は、モルタル粒などを含んだ破砕されたままの見かけの骨材粒度を使用する。
2.砕石の材質
砕石の材質については、表2-6によるものとする。
表2-6 安定性試験の限度
用途 | 表層・基層 | 上層路盤 |
損失量% | 12 以下 | 20 以下 |
[注]試験方法は、「舗装調査・試験法便覧〔第2分冊〕」の「A004 硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験方法」よる
3.砕石の品質
砕石の品質は、表2-7の規格に適合するものとする。
表2-7 砕石の品質
用途 項目 | 表層・基層 | 上層路盤 |
表 乾 比 重吸 水 率 %すり減り減量% | 2.45 以上 3.0 以下 30 以下 注) | - - 50 以下 |
[注 1]表層、基層用砕石のすり減り減量試験は、粒径 13.2~4.75mm のものについて実施する。
[注 2]上層路盤用砕石については主として使用する粒径について行えばよい。
4.鉄鋼スラグ
鉄鋼スラグは、硫黄分による黄濁水が流出せず、かつ、細長いあるいは偏平なもの、ごみ、泥、有機物などを有害量含まないものとする。その種類と用途は表2-8によるものとする。また、単粒度製鋼スラグ、クラッシャラン製鋼スラグ及び水硬性粒度調整鉄鋼スラグの粒度規格はJIS A 5015(道路用鉄鋼スラグ)によるものとし、その他は砕石の粒度に準ずるものとする。
表2-8 鉄鋼スラグの種類と主な用途
名 称 | 呼び名 | 用 途 |
単粒度製鋼スラグ | SS | 加熱アスファルト混合物用 |
クラッシャラン製鋼スラグ | CSS | 瀝青安定処理(加熱混合)用 |
粒度調整鉄鋼スラグ | MS | 上層路盤材 |
水硬性粒度調整鉄鋼スラグ | HMS | 上層路盤材 |
クラッシャラン鉄鋼スラグ | CS | 下層路盤材 |
5.鉄鋼スラグの規格
鉄鋼スラグの規格は、表2-9の規格に適合するものとする。
表2-9 鉄鋼スラグの規格
呼び名 | 修正 C B R % | 一軸圧縮強さ MPa | 単位容積質量 kg/l | 呈色 判定試験 | 水浸膨張比 % | エージング期間 |
MS HMS CS | 80 以上 80 以上 30 以上 | - 1.2 以上 - | 1.5 以上 1.5 以上 - | 呈色なし呈色なし呈色なし | 1.5 以下 1.5 以下 1.5 以下 | 6ヵ月以上 6ヵ月以上 6ヵ月以上 |
[注 1]呈色判定は、高炉除令スラグを用いた鉄鋼スラグに適用する。
[注 2]水浸膨張比は、製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグに適用する。
6.製鋼スラグの規格
製鋼スラグの規格は、表2-10 の規格に適合するものとする。
表2-10 製鋼スラグの規格
呼び名 | 表乾密度 (g/㎝ 3) | 吸水率 (%) | すりへり 減量(%) | 水浸膨張比 (%) | エージング 期間 |
CSS SS | - 2.45 以上 | - 3.0 以下 | 50 以下 30 以下 | 2.0 以下 2.0 以下 | 3ヵ月以上 3ヵ月以上 |
[注 1]試験方法は、「舗装調査・試験法便覧」を参照する。
[注 2]エージングとは高炉スラグの黄濁水の発生防止や、製鋼スラグの中に残った膨張性反応物質(遊離石灰)を反応させるため、鉄鋼スラグを屋外に野積みし、安定化させる処理をいう。エージング期間の規定は、製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグにのみ適用する。
[注 3]水浸膨張比の規定は、製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグにのみ適用する。
7.砂
砂は、天然砂、人工砂、スクリーニングス(砕石ダスト)などを用い、粒度は混合物に適合するものとする。
8.スクリーニングス粒度の規格
スクリーニングス(砕石ダスト)の粒度は、表2-11 の規格に適合するものとする。
表2-11 スクリーニングスの粒度範囲
2-3-4 アスファルト用再生骨材
再生加熱アスファルト混合物に用いるアスファルトコンクリート再生骨材の品質は表2-12 の規格に適合するものとする。
表2-12 アスファルトコンクリート再生骨材の品質
旧アスファルトの含有量 | % | 3.8 以上 | |
旧アスファルトの性状 | 針入度 | l/10mm | 20 以上 |
圧裂係数 | MPa/mm | 1.70 以下 | |
骨材の微粒分量 | % | 5 以下 |
[注 1]各項目は 13~0mm の粒度区分のものに適用する。
[注 2]アスファルトコンクリート再生骨材の旧アスファルト含有量及び骨材の微粒分量試験で 75μm を通過する量は、アスファルトコンクリート再生骨材の乾燥質量に対する百分率で表したものである。
[注 3]骨材の微粒分量試験は JIS A 1103(骨材の微粒分量試験方法)により、試料のアスファルトコンクリート再生骨材の水洗い前の 75μm ふるいにとどまるものと、水洗い後の 75μm ふるいにとどまるものを乾燥もしくは 60℃以下の乾燥炉で乾燥し、その質量差を求めたものである(旧アスファルトはアスファルトコンクリート再生骨材の質量に含まれるが、75μmふるい通過分に含まれる旧アスファルトは微量なので、骨材の微粒分量試験で失われる量の一部として扱う)。
[注 4]旧アスファルトの性状は、針入度又は、圧裂係数のどちらかが基準を満足すればよい。
2-3-5 フィラー
1.フィラー
フィラーは、石灰岩やその他の岩石を粉砕した石粉、消石灰、セメント、回収ダスト及びフライアッシュなどを用いる。石灰岩を粉砕した石粉の水分量は 1.0%以下のものを使用する。
2.石灰岩の石粉等の粒度範囲
石灰岩を粉砕した石粉、回収ダスト及びフライアッシュの粒度範囲は表2-13 の規格に適合するものとする。
表2-13 石粉、回収ダスト及びフライアッシュの粒度範囲
ふるい目(μm) | ふるいを通るものの質量百分率(%) |
600 | 100 |
150 | 90~100 |
75 | 70~100 |
3.石灰岩以外の石粉の規定
フライアッシュ、石灰岩以外の岩石を粉砕した石粉をフィラーとして用いる場合は表
2-14 に適合するものとする。
表2-14 フライアッシュ、石灰岩以外の岩石を粉砕した石粉をフィラーとして使用する場合の規定
項 目 | 規 定 |
塑性指数(PI)フロー試験 %吸水膨張 % 剥 離 試 験 | 4 以下 50 以下 3 以下 1/4 以下 |
4.消石灰の品質規格
消石灰をはく離防止のためにフィラーとして使用する場合の品質は、JIS R 9001(工業用石灰)に規定されている生石灰(特号及び1号)、消石灰(特号及び1号)の規格に適合するものとする。
5.セメントの品質規格
セメントをはく離防止のためにフィラーとして使用する場合の品質は、JIS R5210
(ポルトランドセメント)、及び JIS R 5211(高炉セメント)の規格に適合するものとする。
2-3-6 安定材
1.瀝青材料の品質
瀝青安定処理に使用する瀝青材料の品質は、表2-15 に示す舗装用石油アスファルトの規格及び表2-16 に示す石油アスファルト乳剤の規格に適合するものとする。
表2-15 舗装用石油アスファルトの規格
種類 項目 | 40~60 | 60~80 | 80~100 | 100~120 |
針入度(25℃)1/10mm | 40 を超え 60 以下 | 60 を超え 80 以下 | 80 を超え 100 以下 | 100 を超え 120 以下 |
軟化点℃ | 47.0~55.0 | 44.0~52.0 | 42.0~50.0 | 40.0~50.0 |
伸度(15℃)cm | 10 以上 | 100 以上 | 100 以上 | 100 以上 |
トルエン可溶分% | 99.0 以上 | 99.0 以上 | 99.0 以上 | 99.0 以上 |
引火点℃ | 260 以上 | 260 以上 | 260 以上 | 260 以上 |
薄膜加熱質量変化率% | 0.6 以下 | 0.6 以下 | 0.6 以下 | 0.6 以下 |
薄膜加熱針入度残留率% | 58 以上 | 55 以上 | 50 以上 | 50 以上 |
蒸発後の針入度比% | 110 以下 | 110 以下 | 110 以下 | 110 以下 |
密度(15℃)g/cm3 | 1.000 以上 | 1.000 以上 | 1.000 以上 | 1.000 以上 |
[注]各種類とも 120℃、150℃、180℃のそれぞれにおける動粘度を試験表に付記しなければならない。
表2-16 石油アスファルト乳剤の規格
[注 1]種類記号の説明P:浸透用乳剤、M:混合用乳剤、K:カチオン乳剤、 N:ノニオン乳剤。
[注 2]エングラー度が 15 以下の乳剤については JIS K 2208:2000 6.3 エンブラー度試
験方法によって求め、15 を超える乳剤についてはJIS K 2208 :2000 6.4 セイボルトクロール秒試験方法によって粘度を求め、エングラー度に換算する。
2.セメント安定処理に使用するセメント
セメント安定処理に使用するセメントは、JIS に規定されている JIS R 5210(ポルトランドセメント)、及び JIS R 5211(高炉セメント)の規格に適合するものとする。
3.石灰安定処理に使用する石灰
石灰安定処理に使用する石灰は、JIS R 9001(工業用石灰)に規定にされる生石灰
(特号及び1号)、消石灰(特号及び1号)、又はそれらを主成分とする石灰系安定材に適合するものとする。
第4節 木材
2-4-1 一般事項
1.一般事項
工事に使用する木材は、有害な腐れ、割れ等の欠陥のないものとする。
2.寸法表示
設計図書に示す寸法の表示は、製材においては仕上がり寸法とし、素材については特に明示する場合を除き末口寸法とするものとする。
第5節 鋼材
2-5-1 一般事項
1.一般事項
工事に使用する鋼材は、さび、くされ等変質のないものとする。
2.鋼材取扱いの注意
受注者は鋼材をじんあいや油類等で汚損しないようにするとともに、防蝕しなければならない。
2-5-2 構造用圧延鋼材
構造用圧延鋼材は、以下の規格に適合するものとする。
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材) JIS G 3106(溶接構造用圧延鋼材) JIS G 3112(鉄筋コンクリート用棒鋼)
JIS G 3114(溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材)
2-5-3 軽量形鋼
軽量形鋼は、以下の規格に適合するものとする。
JIS G 3350(一般構造用軽量形鋼)
2-5-4 鋼管
鋼管は、以下の規格に適合するものとする。 JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管) JIS G 3452(配管用炭素鋼鋼管)
JIS G 3457(配管用アーク溶接炭素鋼鋼管) JIS G 3466(一般構造用角形鋼管)
JIS G 5526(ダクタイル鋳鉄管) JIS G 5527(ダクタイル鋳鉄異形管)
2-5-5 鋳鉄品、鋳鋼品及び鍛鋼品
鋳鉄品、鋳鋼品及び鍛鋼品は、以下の規格に適合するものとする。
JIS G 5501(ねずみ鋳鉄品) JIS G 5101(炭素鋼鋳鋼品) JIS G 3201(炭素鋼鍛鋼品) JIS G 5102(溶接構造用鋳鋼品)
JIS G 5111(構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼品) JIS G 4051(機械構造用炭素鋼鋼材)
JIS G 5502(球状黒鉛鋳鉄品)
2-5-6 ボルト用鋼材
ボルト用鋼材は、以下の規格に適合するものとする。
JIS B 1180(xxボルト) JIS B 1181(xxナット)
JIS B 1186(摩擦接合用高力xxボルト・xxナット・平座金のセット) JIS B 1256(平座金)
JIS B 1198(頭付きスタッド)
JIS M 2506(ロックボルト及びその構成部品)
トルシア形高力ボルト・xxナット・平座金のセット(日本道路協会)
支圧接合用打込み式高力ボルト・xxナット・平座金暫定規格(日本道路協会)
(1971)
2-5-7 溶接材料
溶接材料は、以下の規格に適合するものとする。
JIS Z 3211(軟鋼、高張力鋼及び低温用鋼用被覆アーク溶接棒) JIS Z 3214(耐候性鋼用被覆アーク溶接棒)
JIS Z 3312(軟鋼、高張力鋼及び低温用鋼用のマグ溶接及びミグ溶接ソリッドワイヤ)
JIS Z 3313(軟鋼、高張力鋼及び低温用鋼用アーク溶接フラックス入りワイヤ) JIS Z 3315(耐候性鋼用炭酸ガスアーク溶接ソリッドワイヤ)
JIS Z 3320(耐候性鋼用炭酸ガスアーク溶接フラックス入りワイヤ)
JIS Z 3351(炭素鋼及び低合金鋼用サブマージアーク溶接ソリッドワイヤ) JIS Z 3352(サブマージアーク溶接用フラックス)
2-5-8 鉄線
鉄線は、以下の規格に適合するものとする。
JIS G 3532(鉄線)
2-5-9 ワイヤロープ
ワイヤロープは、以下の規格に適合するものとする。
JIS G 3525(ワイヤロープ)
2-5-10 プレストレストコンクリート用鋼材
プレストレストコンクリート用鋼材は、以下の規格に適合するものとする。
JIS G 3536(PC鋼線及びPC鋼より線) JIS G 3109(PC鋼棒)
JIS G 3137(細径異形PC鋼棒) JIS G 3502(ピアノ線材)
JIS G 3506(硬鋼線材)
2-5-11 鉄網
鉄網は、以下の規格に適合するものとする。 JIS G 3551(溶接金網及び鉄筋格子) JIS G 3552(ひし形金網)
2-5-12 鋼製ぐい及び鋼xx
鋼製ぐい及び鋼xxは、以下の規格に適合するものとする。
JIS A 5523(溶接用熱間圧延鋼xx) JIS A 5525(鋼管ぐい)
JIS A 5526(H形鋼ぐい) JIS A 5528(熱間圧延鋼xx) JIS A 5530(鋼管xx)
2-5-13 鋼製支保工
鋼製支保工は、以下の規格に適合するものとする。
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材) JIS B 1180(xxボルト)
JIS B 1181(xxナット)
JIS B 1186(摩擦接合用高力xxボルト・xxナット・平座金のセット)
2-5-14 鉄線じゃかご
鉄線じゃかごはの規格及び品質は以下の規格に準ずるものとする。亜鉛アルミニウム合金めっき鉄線を使用する場合は、アルミニウム含有率 10%、めっき付着量 300g/m2以上のめっき鉄線を使用するものとする。
JIS A 5513(じゃかご)
2-5-15 コルゲートパイプ
コルゲートパイプは、以下の規格に適合するものとする。
JIS G 3471(コルゲートパイプ及びコルゲートセクション)
2-5-16 ガードレール(路側用、分離帯用)
ガードレール(路側用、分離帯用)は、以下の規格に適合するものとする。
(1)ビーム(袖ビーム含む)
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材) JIS G 3454(圧力配管用炭素鋼鋼管)
(2)支柱
JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管) JIS G 3466(一般構造用角形鋼管)
(3)ブラケット
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
(4)ボルトナット
JIS B 1180(xxボルト) JIS B 1181(xxナット)
ブラケット取付け用ボルト(ねじの呼びM20)は 4.6 とし、ビーム継手用及び取付け
用ボルト(ねじの呼びM16)は 6.8 とするものとする。
2-5-17 ガードケーブル(路側用、分離帯用)
ガードケーブル(路側用、分離帯用)は、以下の規格に適合するものとする。
(1)ケーブル
JIS G 3525(ワイヤロープ)
ケーブルの径は 18mm、構造は3×7G/o とする。なお、ケーブル一本当りの破断強度は 160kN 以上の強さを持つものとする。
(2)支柱
JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
(3)ブラケット
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
(4)索端金具
ソケットはケーブルと調整ねじを取付けた状態において、ケーブルの一本当りの破断強度以上の強さを持つものとする。
(5)調整ねじ
強度は、ケーブルの破断強度以上の強さを持つものとする。
(6)ボルトナット
JIS B 1180(xxボルト) JIS B 1181(xxナット)
ブラケット取付け用ボルト(ねじの呼びM12)及びケーブル取付け用ボルト(ねじの呼びM10)はともに 4.6 とするものとする。
2-5-18 ガードパイプ(歩道用、路側用)
ガードパイプ(歩道用、路側用)は、以下の規格に適合するものとする。
(1)パイプ
JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
(2)支柱
JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
(3)ブラケット
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
(4)継手
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材) JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
(5)ボルトナット
JIS B 1180(xxボルト) JIS B 1181(xxナット)
ブラケット取付け用ボルト(ねじの呼びM16)は 4.6 とし、継手用ボルト(ねじ
の呼びM16〔種別Ap〕M14〔種別Bp及びCp〕)は 6.8 とする。
2-5-19 ボックスビーム(分離帯用)
ボックスビーム(分離帯用)は、以下の規格に適合するものとする。
(1)ビーム
JIS G 3466(一般構造用角形鋼管)
(2)支柱
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
(3)パドル及び継手
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
(4)ボルトナット
JIS B 1180(xxボルト) JIS B 1181(xxナット)
パドル取付け用ボルト(ねじの呼びM16)及び継手用ボルト(ねじの呼びM20)はともに 6.8 とする。
第6節 セメント及び混和材料
2-6-1 一般事項
1.工事用セメント
工事に使用するセメントは、普通ポルトランドセメントを使用するものとし、他のセメント及び混和材料を使用する場合は、設計図書によらなければならない。
2.セメントの貯蔵
受注者は、セメントを防湿的な構造を有するサイロ又は倉庫に、品種別に区分て貯蔵しなければならない。
3.サイロの構造
セメントを貯蔵するサイロは、底にたまって出ない部分ができないような構造とするものとする。
4.異常なセメント使用時の注意
受注者は、貯蔵中に塊状になったセメント、又は湿気をうけた疑いのあるセメント、その他異常を認めたセメントの使用にあたっては、これを用いる前に試験を行い、その品質を確かめなければならない。
5.セメント貯蔵の温度、湿度
受注者は、セメントの貯蔵にあたって温度、湿度が過度に高くならないようにしなければならない。
6.混和剤の貯蔵
受注者は、混和剤に、ごみ、その他の不純物が混入しないよう、液状の混和剤は分離したり変質したり凍結しないよう、また、粉末状の混和剤は吸湿したり固結したりしな
いように、これを貯蔵しなければならない。
7.異常な混和剤使用時の注意
受注者は、貯蔵中に前項に示す分離・変質等が生じた混和剤やその他異常を認めた混和剤について、これらを用いる前に試験を行い、性能が低下していないことを確かめなければならない。
8.混和材の使用順序
受注者は、混和材を防湿的なサイロ又は、倉庫等に品種別に区分して貯蔵し、入荷の順にこれを用いなければならない。
9.異常な混和材使用時の注意
受注者は、貯蔵中に吸湿により固結した混和材、その他異常を認めた混和材の使用にあたって、これを用いる前に試験を行い、その品質を確かめなければならない。
2-6-2 セメント
1.適用規格
セメントは表2-17 の規格に適合するものとする。
表2-17 セメントの種類
JIS 番号 | 名 称 | 区 分 | 摘 要 |
R 5210 | ポルトランドセメント | (1)普通ポルトランド (2)早強ポルトランド (3)中庸熱ポルトランド (4)超早強ポルトランド (5)低熱ポルトランド (6)耐硫酸塩ポルトランド | 低アルカリ形については付属書による 〃 〃 〃 〃 〃 |
R 5211 | 高炉セメント | 1)A種高炉 (2)B種高炉 (3)C種高炉 | 高炉スラグの分量(質量%) 5を超え30 以下 30 を超え60 以下 60 を超え70 以下 |
R 5212 | シリカセメント | (1)A種シリカ (2)B種シリカ (3)C種シリカ | シリカ質混合材の分量(質量%) 5を超え10 以下 10 を超え20 以下 20 を超え30 以下 |
R 5213 | フライアッシュセメント | (1)A種フライアッシュ (2)B種フライアッシュ (3)C種フライアッシュ | フライアッシュ分量(質量%) 5を超え10 以下 10 を超え20 以下 20 を超え30 以下 |
R 5214 | エコセメント | (1)普通エコセメント (2)速硬エコセメント | 塩化物イオン量(質量%) 0.1 以下 0.5 以上1.5 以下 |
2.普通ポルトランドセメントの規定
コンクリート構造物に使用する普通ポルトランドセメントは、次項以降の規定に適合するものとする。
なお、小規模工種で、1工種当たりの総使用量が 10m3 未満の場合は、この項の適用を除外することができる。
3.普通ポルトランドセメントの品質
普通ポルトランドセメントの品質は、表2-18 の規格に適合するものとする。
表2-18 普通ポルトランドセメントの品質
品 質 | 規 格 | |
比表面積 cm2/g | 2,500 以上 | |
凝結 h | 始発 | 1 以上 |
終結 | 10 以下 | |
安定性 | パット法 | 良 |
ルシャチリエ法 mm | 10 以下 | |
圧縮強さ N/mm2 | 3d | 12.5 以上 |
7d | 22.5 以上 | |
28d | 42.5 以上 | |
水和熱 J/g | 7d | 350 以下 |
28d | 400 以下 | |
酸化マグネシウム % | 5.0 以下 | |
三酸化硫黄 % | 3.0 以下 | |
強熱減量 % | 3.0 以下 | |
全アルカリ(Na o eq) % | 0.75 以下 | |
塩化物イオン % | 0.035 以下 |
[注]全アルカリ(Na o eq) の算出は、JIS R 5210(ポルトランドセメント)付属書ポルトランドセメント(低アルカリ形)による。
4.原材料、製造方法、検査等の規定
原材料、製造方法、検査、包装及び表示は、JIS R 5210(ポルトランドセメント)の規定によるものとする。
2-6-3 混和材料
1.適用規格
混和材として用いるフライアッシュは、JIS A 6201(コンクリート用フライアッシュ)の規格に適合するものとする。
2.コンクリート用膨張材
混和材として用いるコンクリート用膨張材は、JIS A 6202(コンクリート用膨張材)の規格に適合するものとする。
3.高炉スラグ微粉末
混和材として用いる高炉スラグ微粉末は、JIS A 6206(コンクリート用高炉スラグ微粉末)の規格に適合するものとする。
4.混和剤の適合規格
混和剤として用いる AE 剤、減水剤、AE 減水剤、高性能 AE 減水剤、高性能減水剤、流動化剤及び硬化促進剤は、JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)の規格に適合するものとする。
5.急結剤
急結剤は、JSCE-D 102 に適合するものとする。
2-6-4 コンクリート用水
1.練混ぜ水
コンクリートに使用する練混ぜ水は、上水道又は JIS A 5308:2009(レディーミクストコンクリート)付属書3に適合したものでなければならない。また養生水は、油、酸、塩類等コンクリートの表面を侵す物質を有害量含んではならない。
2.海水の使用禁止
受注者は、鉄筋コンクリートには、海水を練混ぜ水として使用してはならない。ただし、用心鉄筋を配置しない無筋コンクリートには海水を用いても良い。
第7節 セメントコンクリート製品
2-7-1 一般事項
1.一般事項
セメントコンクリート製品は有害なひび割れ等損傷のないものでなければならない。
2.塩化物含有量
セメントコンクリート中の塩化物含有量は、コンクリート中に含まれる塩化物イオン
(Cl-)の総量で表すものとし、練混ぜ時の全塩化物イオンは 0.30 ㎏/m3 以下とする。なお、これを超えるものを使用する場合は、設計図書に関して工事監督員の承諾を得なければならない。
3.アルカリ骨材反応抑制対策
受注者は、セメントコンクリート製品の使用にあたって「アルカリ骨材反応抑制対策について」(国土交通大臣官房技術審議官通達、平成 14 年7月 31 日)及び「アルカリ骨材反応抑制対策について」の運用について(国土交通省大臣官房技術調査課長通達、平成 14 年7月 31 日)を遵守し、アルカリ骨材反応抑制対策の適合を確認した資料を工事監督員に提出しなければならない。
2-7-2 セメントコンクリート製品
セメントコンクリート製品は次の規格に適合するものとする。
JIS A 5361(プレキャストコンクリート製品-種類、製品の呼び方及び表示の通則) JIS A 5364(プレキャストコンクリート製品-材料及び製造方法の通則)
JIS A 5365(プレキャストコンクリート製品-検査方法通則) JIS A 5371(プレキャスト無筋コンクリート製品)
JIS A 5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)
JIS A 5373(プレキャストプレストレストコンクリート製品) JIS A 5406(建築用コンクリートブロック)
JIS A 5506(下水道用マンホールふた)
第8節 瀝青材料
2-8-1 一般瀝青材料
1.適用規格
舗装用石油アスファルトは、第2編2-3-6安定材の表2-15 の規格に適合するものとする。
2.ポリマー改質アスファルト
ポリマー改質アスファルトは表2-19 の性状に適合するものとする。また、受注者は、プラントミックスタイプについては、使用する舗装用石油アスファルトに改質材料を添加し、その性状が表2-19 に示す値に適合していることを確認しなければならない。
表2-19 ポリマー改質アスファルトの標準的性状
[注]付加記号の略字W:耐水性(Water resistance)F:可撓性Flexibility
3.セミブローンアスファルト
セミブローンアスファルトは、表2-20 の規格に適合するものとする。
表2-20 セミブローンアスファルト(AC-100)の規格
項 目 | 規 格 値 |
粘度(60℃) Pa・s | 1,000±200 |
粘度(180℃) mm2/s | 200 以下 |
薄膜加熱質量変化率 % | 0.6 以下 |
針入度(25℃) 1/10mm | 40 以上 |
トルエン可溶分 % | 99.0 以上 |
引火点 ℃ | 260 以上 |
密度(15℃) g/cm3 | 1.000 以上 |
粘度比(60℃、薄膜加熱後/加熱前) | 5.0 以下 |
[注]180 ℃での粘度のほか、140 ℃、160 ℃における動粘度を試験表に付記すること。
4.硬質アスファルトに用いるアスファルト
硬質アスファルトに用いるアスファルトは表2-21 の規格に適合するものとし、硬質アスファルトの性状は表2-22 の規格に適合するものとする。
表2-21 硬質アスファルトに用いるアスファルトの標準的性状
項目 | 種類 | 石油アスファルト 20~40 | トリニダッドレイク アスファルト |
針入度(25℃) | 1/10 ㎜ | 20 を超え 40 以下 | 1~4 |
軟化点 | ℃ | 55.0~65.0 | 93~98 |
伸度(25℃) | ㎝ | 50 以上 | - |
蒸発質量変化率 | % | 0.3 以下 | - |
トルエン可溶分 | % | 99.0 以上 | 52.5~55.5 |
引火点 | ℃ | 60 以上 | 240 以上 |
密度(15℃) | g/㎝ 3 | 1.00 以上 | 1.38~1.42 |
[注]石油アスファルト 20~40 の代わりに、石油アスファルト 40~60 などを使用する場合もある。
表2-22 硬質アスファルトの標準的性状
項目 | 標準値 | |
針入度(25℃) | 1/10 ㎜ | 15~30 |
軟化点 | ℃ | 58~68 |
伸度(25℃) | ㎝ | 10 以上 |
蒸発質量変化率 | % | 0.5 以下 |
トルエン可溶分 | % | 86~91 |
引火点 | ℃ | 240 以上 |
密度(15℃) | g/㎝ 3 | 1.07~1.13 |
5.石油アスファルト乳剤
石油アスファルト乳剤は表2-16、表2-23 の規格に適合するものとする。
表2-23 ゴム入りアスファルト乳剤の標準的性状
項目 | 種類及び記号 | PKR-T | |
エングラー度(25℃) | 1~10 | ||
セイボルトフロール秒(50℃) | s | - | |
ふるい残留分(1.18mm) | % | 0.3 以下 | |
付着度 | 2/3 以上 | ||
粒子の電荷陽 | 陽(+ ) | ||
留出油分(360℃までの) | - | ||
蒸発残留分 | % | 50 以上 | |
蒸発残留物 | 針入度(25℃)1/10mm | 60 を超え 150 以下 | |
軟化点℃ | 42.0 以上 | ||
タフネス | (25℃)N・m | 3.0 以上 | |
(15℃)N・m | - | ||
テナシティ | (25℃)N・m | 1.5 以上 | |
(15℃)N・m | - | ||
貯蔵安定度(24hr)質量 | % | 1 以下 | |
浸透性 | s | - | |
凍結安定度(-5℃) | - |
6.グースアスファルトに使用するアスファルト
グースアスファルトに使用するアスファルトは、表2-21 に示す硬質アスファルトの規格に適合するものとする。
7.グースアスファルト
グースアスファルトは表2-22 の規格を標準とするものとする。
2-8-2 その他の瀝青材料
その他の瀝青材料は、以下の規格に適合するものとする。
JIS A 6005(アスファルトルーフィングフェルト)
JIS K 2439(クレオソート油、加工タール、タールピッチ)
2-8-3 再生用添加剤
再生用添加剤の品質は、労働安全衛生法施行令に規定されている特定化学物質を含まないものとし、表2-24、表2-25、表2-26 の規格に適合するものとする。
表2-24 再生用添加剤の品質(エマルジョン系)路上表層再生用
路上表層再生用
項 目 | 単位 | 規格値 | 試 験 方 法 | |
粘 度(25℃) | SFS | 15~85 | 舗装調査・試験法便覧参照 | |
蒸 発 残留 分 | % | 60 以上 | 〃 | |
蒸発残留物 | 引 火 点 ( C O C ) | ℃ | 200 以上 | 〃 |
粘 度 ( 6 0 ℃ ) | mm2/S | 50~300 | 〃 | |
薄膜加熱後の粘度比(60℃) | 2 以下 | 〃 | ||
薄膜加熱質量変化率 | % | 6.0 以下 | 〃 |
表2-25 再生用添加剤の品質(オイル系)路上表層再生用
路上表層再生用
項 | 目 | 単位 | 規格値 | 試 | 験 | 方 | 法 |
引 火 点 | ( C O C ) | ℃ | 200 以上 | 舗装調査・試験法便覧参照 | |||
粘 度 | ( 6 0 ℃ ) | mm2/S | 50~300 | 〃 | |||
薄膜加熱後の粘度比(60℃) | 2 以下 | 〃 | |||||
薄 膜 加 熱 質 量 変 化 率 | % | 6.0 以下 | 〃 |
表2-26 再生用添加時の品質プラント再生用
プラント再生用
項 | 目 | 標準的性状 |
動粘度(60℃) | mm2/S | 80~1,000 |
引火点 | ℃ | 250 以上 |
薄膜加熱後の粘度比(60℃) | 2 以下 | |
薄膜加熱質量変化率 | % | -3~+3 |
密度(15℃) | g/cm3 | 報告 |
組成分析 | 報告 |
[注 1]密度は、旧アスファルトとの分離などを防止するため 0.95g/cm3 とすることが望ましい。
第9節 芝及びそだ
2-9-1 芝(姫高麗芝、高麗芝、野芝、人工植生芝)
1.一般事項
芝は成育が良く緊密な根茎を有し、茎葉の萎縮、徒長、むれ、病虫害等のないものとする。
2.芝の取り扱い
受注者は、芝を切取り後、速やかに運搬するものとし、乾燥、むれ、傷み、土くずれ等のないものとする。
2-9-2 そだ
そだに用いる材料は、針葉樹を除く堅固でじん性に富むかん木とするものとする。
第 10 節 目地材料
2-10-1 注入目地材
1.一般事項
注入目地材は、コンクリート版の膨張、収縮に順応し、コンクリートとよく付着し、しかもひびわれが入らないものとする。
2.注入目地材
注入目地材は、水に溶けず、また水密性のものとする。
3.注入目地材の物理的性質
注入目地材は、高温時に流れ出ず、低温時にも衝撃に耐え、土砂等異物の侵入を防げ、かつ、耐久的なものとする。
4.加熱施工式注入目地材
注入目地材で加熱施工式のものは、加熱したときに分離しないものとする。
2-10-2 目地板
目地板は、コンクリートの膨張収縮に順応し、かつ耐久性に優れたものとする。
第 11 節 塗料
2-11-1 一般事項
1.一般事項
受注者は、JISの規格に適合する塗料を使用するものとし、また、希釈剤は塗料と同一製造者の製品を使用するものとする。
2.塗料の調合
受注者は、塗料は工場調合したものを用いなければならない。
3.さび止めに使用する塗料
受注者は、さび止めに使用する塗料は、油性系さび止め塗料とするものとする。
4.道路標識支柱のさび止め塗料等の規格
受注者は、道路標識の支柱のさび止め塗料もしくは、下塗塗料については以下の規格に適合したものとする。
JIS K 5621(一般用さび止めペイント) JIS K 5623(亜酸化鉛さび止めペイント)
JIS K 5625(シアナミド鉛さび止めペイント) JIS K 5674(鉛・クロムフリーさび止めペイント)
5.塗料の保管
受注者は、塗料を、直射日光を受けない場所に保管し、その取扱いは関係諸法令、諸法規を遵守して行わなければならない。
6.塗料の有効期限
塗料の有効期限は、ジンクリッチペイントの亜鉛粉末は、製造後6ケ月以内、その他の塗料は製造後 12 ケ月以内とするものとし、受注者は、有効期限を経過した塗料は使用してはならない。
第 12 節 道路標識及び区画線
2-12-1 道路標識
標識板、支柱、補強材、取付金具、反射シートの品質は、以下の規格に適合するものとする。
(1)標識板
JIS G 3131(熱間圧延軟鋼板及び鋼帯) JIS G 3141(冷間圧延鋼板及び鋼帯) JIS K 6744(ポリ塩化ビニル被覆金属板)
JIS H 4000(アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)
JIS K 6718-1(プラスチック―メタクリル樹脂板―タイプ、寸法及び特性―第部:キャスト板)
JIS K 6718-2(プラスチック―メタクリル樹脂板―タイプ、寸法及び特性―第2部:押出板)
ガラス繊維強化プラスチック板(F.R.P)
(2)支柱
JIS G 3452(配管用炭素鋼管)
JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
JIS G 3192(熱間圧延形鋼の形状、寸法、質量及びその許容差) JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
(3)補強材及び取付金具
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材) JIS G 3131(熱間圧延軟鋼板及び鋼帯) JIS G 3141(冷間圧延鋼板及び鋼帯)
JIS H 4100(アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材)
(4)反射シート
標示板に使用する反射シートは、ガラスビーズをプラスチックの中に封入したレンズ型反射シート又は、空気層の中にガラスビーズをプラスチックで覆ったカプセルレンズ型反射シートとし、その性能は表2-27、表2-28 に示す規格以上のものとする。
また、反射シートは、屋外にさらされても、著しい色の変化、ひびわれ、剥れが生じないものとする。
なお、表2-27、表2-28 に示した品質以外の反射シートを用いる場合に、受注者は工事監督員の確認を得なければならない。
表2-27 反射性能(反射シートの再帰反射係数)
観測 角° | 入射 角° | 白 | 黄 | 赤 | 緑 | 青 | |
封入レンズ型 | 12’ | 5° | 70 | 50 | 15 | 9.0 | 4.0 |
30° | 30 | 22 | 6.0 | 3.5 | 1.7 | ||
20’ | 5° | 50 | 35 | 10 | 7.0 | 2.0 | |
30° | 24 | 16 | 4.0 | 3.0 | 1.0 | ||
2° | 5° | 5.0 | 3.0 | 0.8 | 0.6 | 0.2 | |
30° | 2.5 | 1.5 | 0.4 | 0.3 | 0.1 |
[注]試験及び測定方法は、JIS Z 9117(保安用反射シート及びテープ)による。
表2-28 反射性能(反射シートの再帰反射係数)
観測 角° | 入射 角° | 白 | 黄 | 赤 | 緑 | 青 | |
カプセルレン ズ型 | 12’ | 5° | 250 | 170 | 45 | 45 | 20 |
30° | 150 | 100 | 25 | 25 | 11 | ||
20’ | 5° | 180 | 122 | 25 | 21 | 14 | |
30° | 100 | 67 | 14 | 12 | 8.0 | ||
2° | 5° | 5.0 | 3.0 | 0.8 | 0.6 | 0.3 | |
30° | 2.5 | 1.8 | 0.4 | 0.3 | 0.1 |
[注]試験及び測定方法は、JIS Z9117 (保安用反射シート及びテープ)による。
2-12-2 区画線
区画線の品質は以下の規格に適合するものとする。
JIS K 5665(路面標示用塗料) JIS K 5665(路面標示用塗料)
1種(トラフィックペイント常温)
2種( 〃 加熱)
3種1号( 〃 溶融)
第 13 節 その他
2-13-1 エポキシ系樹脂接着剤
エポキシ系樹脂接着剤は、接着、埋込み、打継ぎ、充てん、ライニング注入等は設計図書によらなければならない。
2-13-2 合成樹脂製品
合成樹脂製品は以下の規格に適合するものとする。
JIS K 6741(硬質ポリ塩化ビニル管)
JIS K 6742(水道用硬質ポリ塩化ビニル管)
JIS K 6745(プラスチック-硬質ポリ塩化ビニル板) JIS K 6761(一般用ポリエチレン管)
JIS K 6762(水道用ポリエチレン二層管) JIS K 6773(ポリ塩化ビニル止水板)
JIS A 6008(合成高分子系ルーフィングシート) JIS C 8430(硬質塩化ビニル電線管)
第1節 適用
第3章 港湾工事材料
工事に使用する材料は、設計図書に品質規格を特に明示した場合を除き、この共通仕様書に示す規格に適合したもの、またはこれと同等以上の品質を有するものとする。なお、請負者が同等以上の品質を有するものとして、海外の建設資材を用いる場合は、海外建設資材品質審査・証明事業実施機関が発行する海外建設資材品質審査証明書(以下
「海外建設資材品質審査証明書」という。)あるいは、外国産資材の品質審査・証明事業を実施する機関が発行する外国産資材品質審査証明書(以下「外国産資材品質審査証明書」という。)を材料の品質を証明する資料とすることができる。ただし、工事監督員が設計図書に関して承諾した材料及び設計図書に明示されていない仮設材料については除くものとする。
また、JIS 規格が定まっている建設資材のうち、海外の JIS マーク表示認定工場または JIS マーク表示認証工場以外で生産された建設資材を使用する場合は、海外建設資材品質審査証明書を提出するものとする。ただし、JIS 認定外の製品として生産・納入されている建設資材については、海外建設資材品質審査証明書あるいは、日本国内の公的機関で実施した試験結果資料を提出するものとする。
第2節 工事材料の品質及び検査(確認を含む)
1. 請負者は、工事に使用する材料の品質を証明する資料を請負者の責任において整備、保管し、工事監督員から請求があった場合は、直ちに提示するとともに、検査時に提出しなければならない。
2. 約款第 13 条第1項に規定する「中等の品質」とは、JIS 規格に適合したもの又は、これと同等以上の品質を有するものをいう。
3. 請負者は、設計図書において試験を行うこととしている工事材料について、JISまたは設計図書で指示する方法により、試験を行わなければならない。
4. 請負者は、設計図書において見本又は、品質を証明する資料を工事監督員に提出しなければならない工事材料については、これを提出しなければならない。
5. 請負者は、工事材料を使用するまでにその材質に変質が生じないよう、これを保管しなければならない。なお、材質の変質により工事材料の使用が、不適当と工事監督員から指示された場合には、これを取り替えるとともに、新たに搬入する材料については、再検査(又は確認)を受けなければならない。
6. 請負者は、表3-1の工事材料を使用する場合には、その外観及び品質規格証明書等を照合して確認した資料を事前に工事監督員に提出し、工事監督員の確認を受けなければならない。
表3-1 指定材料の品質確認一覧
区 分 | 確 認 材 料 名 | 摘 要 |
鋼材 | 構造用圧延鋼材 | |
プレストレストコンクリート用鋼材 (ポストテンション) | ||
鋼製ぐい及び鋼xx | 仮設材は除く | |
セメント及び混和材 | セメント | JIS 製品以外 |
混和材料 | JIS 製品以外 | |
セメント | セメントコンクリート製品一般 | JIS 製品以外 |
コンクリート製品 | コンクリート杭、コンクリートxx | JIS 製品以外 |
塗料 | 塗料一般 | |
その他 | レディーミクストコンクリート | JIS 製品以外 |
アスファルト混合物 | 事前審査制度の認定混 合物を除く | |
場所打ぐい用 レディーミクストコンクリート | JIS 製品以外 | |
薬液注入材 | ||
種子・肥料 | ||
薬剤 | ||
現場発生品 |
第3節 石材等
3-3-1 一般事項
工事に使用する土は、設計図書における各工種の施工に適合するものとする。
3-3-2 石材
天然産の石材については、以下の規格に適合するものとする。
JIS A 5003(石材)
3-3-3 割ぐりx
xぐり石は、以下の規格に適合するものとする。
JIS A 5006(割ぐり石)
3-3-4 雑xx
雑xxの形状は、おおむねくさび形とし、うすっぺらなもの及び細長いものであってはならない。前面はおおむね四辺形であって二稜辺の平均の長さが控長の2/3程度のものとする。
3-3-5 雑石(粗石)
雑石は、天然石または破砕石ものとし、うすっぺらなもの及び細長いものであってはならない。
3-3-6 玉 石
玉石は、天然に産し、丸みをもつ石で通常おおむね 15 ㎝~25 ㎝のものとし、形状は概ね卵体とし、表面が粗雑なもの、うすっぺらなもの及び細長いものであってはならない。
3-3-7 ぐり石
ぐり石は、玉石または割ぐり石で 20 ㎝以下の小さいものとし、主に基礎・裏込ぐり石に用いるものであり、うすっぺらなもの及び細長いものであってはならない。
3-3-8 その他の砂利、砕石、砂
1. 砂利、砕石の粒度、形状及び有機物含有量は、この仕様書における関係条項の規定に適合するものとする。
2. 砂の粒度及びごみ・どろ・有機不純物等の含有量は、この仕様書における関係条項の規定に適合するものとする。
第4節 骨材
3-4-1 一般事項
1. 道路用砕石、コンクリート用砕石及びコンクリート用スラグ粗(細)骨材は、
以下の規格に適合するものとする。
JIS A 5005 (コンクリート用砕石及び砕砂)
JIS A 5011-1(コンクリート用スラグ骨材(高炉スラグ骨材))
JIS A 5011-2(コンクリート用スラグ骨材(フェロニッケルスラグ骨材)) JIS A 5011-3(コンクリート用スラグ骨材(銅スラグ骨材))
JIS A 5015(道路用鉄鋼スラグ)
2. 請負者は、骨材を寸法別及び種類別に貯蔵しなければならない。
3. 請負者は、骨材に有害物が混入しないように貯蔵しなければならない。
4. 請負者は、粒度調整路盤材等を貯蔵する場合には、貯蔵場所を平坦にして清掃し、できるだけ骨材の分離を生じないようにし、貯蔵敷地面全面の排水を図るようにしなければならない。
5. 請負者は、水硬性粒度調整鉄鋼スラグ、細骨材、または細粒分を多く含む骨材を貯蔵する場合に、防水シートなどで覆い、雨水がかからないようにしなければならない。
6. 請負者は、石粉、石灰、セメント、回収ダスト、フライアッシュを貯蔵する場合に、防湿的な構造を有するサイロまたは倉庫等を使用しなければならない。
7. 細骨材として海砂を使用する場合は、細骨材貯蔵設備の排水不良に起因して濃縮された塩分が滞留することのないように施工しなければならない。
8. プレストレストコンクリート部材に細骨材として海砂を使用する場合には、シース内のグラウト及びプレテンション方式の部材の細骨材に含まれる塩分の許容限度は、原則として細骨材の絶乾質量に対し NaCl に換算して 0.03%以下としなければならない。
3-4-2 セメントコンクリート用骨材
1. 細骨材及び粗骨材の粒度は、表3-2、3の規格に適合するものとする。
表3-2 無筋・鉄筋コンクリート、舗装コンクリート、プレパックドコンクリートの細骨材の粒度の範囲
(1)無筋・鉄筋コンクリート、舗装コンクリート
ふるいの呼び寸法(mm) | ふるいを通るものの重量百分率(%) |
10 | 100 |
5 | 90~100 |
2.5 | 80~100 |
1.2 | 50~90 |
0.6 | 25~65 |
0.3 | 10~35 |
0.15 | 2~10[注 1] |
[注 1]砕砂あるいはスラグ細骨材を単独に用いる場合には、2~15%にしてよい。混合使用する場合で、0.15mm 通過分の大半が砕砂あるいはスラグ細骨材である場合には 15%としてよい。
[注 2]連続した2つのふるいの間の量は 45%を超えないのが望ましい。
[注3]空気量が3%以上で単位セメント量が250kg/m3 以上のコンクリートの場合、良質の鉱物質微粉末を用いて細粒の不足分を補う場合等に0.3mm ふるい及び 0.15mm ふるいを通るものの質量百分率の最小値をそれぞれ 5 及び 0 に減らしてよい。
(2)プレパックドコンクリート
ふるいの呼び寸法(mm) | ふるいを通るものの重量百分率(%) |
2.5 | 100 |
1.2 | 90~100 |
0.6 | 60~80 |
0.3 | 20~50 |
0.15 | 5~30 |
表3-3 無筋・鉄筋コンクリート、舗装コンクリート、プレパックドコンクリートの粗骨材の粒度の範囲
(1)無筋・鉄筋コンクリート、舗装コンクリート
ふるいの呼び 寸法(mm) | ふるいを通るものの質量百分率(%) | |||||||||||
粗骨材の 大きさ(mm) | 100 | 80 | 60 | 50 | 40 | 30 | 25 | 20 | 15 | 10 | 5 | 2.5 |
50-5 | - | - | 100 | 95~ 100 | - | - | 35~ 70 | - | 10~ 30 | - | 0~ 5 | - |
40-5 | - | - | - | 100 | 95~ 100 | - | - | 35~ 70 | - | 10~ 30 | 0~ 5 | - |
30-5 | - | - | - | - | 100 | 95~ 100 | - | 40~ 75 | - | 10~ 35 | 0~ 10 | 0~ 5 |
25-5 | - | - | - | - | - | 100 | 95~ 100 | - | 30~ 70 | - | 0~ 10 | 0~ 5 |
20-5 | - | - | - | - | - | - | 100 | 90~ 100 | - | 20~ 55 | 0~ 10 | 0~ 5 |
15-5 | - | - | - | - | - | - | - | 100 | 90~ 100 | 40~ 70 | 0~ 15 | 0~ 5 |
10-5 | - | - | - | - | - | - | - | - | 100 | 90~ 100 | 0~ 40 | 0~ 10 |
50-251) | - | - | 100 | 90~ 100 | 35~ 70 | - | 0~ 15 | - | 0~ 5 | - | - | |
40-201) | - | - | - | 100 | 90~ 100 | - | 20~ 55 | 0~ 15 | - | 0~ 5 | - | |
30-151) | - | - | - | - | 100 | 90~ 100 | - | 20~ 55 | 0~ 5 | 0~ 5 | - |
[注]これらの粗骨材は、骨材の分離を防ぐために、粒の大きさ別に分けて計量する場合に用いるものであって、単独に用いるものではない。
(2)プレパックドコンクリート
最小寸法 | 15mm 以上。また、大規模プレパックドコンクリートの場合は、 40mm 以上。 |
最大寸法 | 部材最小寸法の 1/4 以下かつ鉄筋コンクリートの場合は、鉄筋のあきの 2/3 以下。 |
2. 硫酸ナトリウムによる安定性の試験で、損失質量が品質管理基準の規格値を超えた細骨材及
び粗骨材は、これを用いた同程度のコンクリートが、予期される気象作用に対して満足な耐凍害性を示した実例がある場合には、これを用いてよいものとする。
また、これを用いた実例がない場合でも、これを用いてつくったコンクリートの凍結融解試験結果から満足なものであると認められた場合には、これを用いてよいものとする。
3. 気象作用をうけない構造物に用いる細骨材は、本条2項を適用しなくてもよいものとする。
4. 化学的あるいは物理的に不安定な細骨材及び粗骨材は、これを用いてはならない。ただし、その使用実績、使用条件、化学的あるいは物理的安定性に関する試験結果等から、有害な影響をもたらさないものであると認められた場合には、こ
れを用いてもよいものとする。
5. すりへり試験を行った場合のすりへり減量の限度は、舗装コンクリートの場合 35%以下とする。なお、積雪寒冷地においては、すりへり減量が 25%以下のものを使用するものとする。
3-4-3 アスファルト舗装用骨材
1. 砕石・再生砕石及び鉄鋼スラグの粒度は、表3-4、5、6の規格に適合するものとする。
表3-4 砕石の粒度
ふるい目の開き粒度範囲(mm) 呼び名 | ふるいを通るものの質量百分率(%) | |||||||||||||||
106mm | 75mm | 63mm | 53mm | 37.5mm | 31.5mm | 26.5mm | 19mm | 13.2mm | 4.75mm | 2.36mm | 1.18mm | 425μm | 75μm | |||
単 粒 度 砕 石 | S-80(1 号) | 80~60 | 100 | 85~ 100 | 0~ 15 | |||||||||||
S-60(2 号) | 60~40 | 100 | 85~ 100 | 0~ 15 | ||||||||||||
S-40(3 号) | 40~30 | 100 | 85~ 100 | 0~ 15 | ||||||||||||
S-30(4 号) | 30~20 | 100 | 85~ 100 | - | 0~ 15 | |||||||||||
S-20(5 号) | 20~13 | 100 | 85~ 100 | 0~ 15 | ||||||||||||
S-13(6 号) | 13~5 | 100 | 85~ 100 | 0~ 15 | ||||||||||||
S-5(7 号) | 5~2.5 | 100 | 85~ 100 | 0~ 25 | 0~ 5 | |||||||||||
粒度調整砕石 | M-40 | 40~0 | 100 | 95~ 100 | - | - | 60~ 90 | - | 30~ 65 | 20~ 50 | - | 10~ 30 | 2~ 10 | |||
M-30 | 30~0 | 100 | 95~ 100 | - | 60~ 90 | - | 30~ 65 | 20~ 50 | - | 10~ 30 | 2~ 10 | |||||
M-20 | 20~0 | 100 | 95~ 100 | - | 55~ 85 | 30~ 65 | 20~ 50 | - | 10~ 30 | 2~ 10 | ||||||
クラッシャラン | C-40 | 40~0 | 100 | 95~ 100 | - | - | 50~ 80 | - | 15~ 40 | 5~ 25 | ||||||
C-30 | 30~0 | 100 | 95~ 100 | - | 55~ 85 | - | 15~ 45 | 5~ 30 | ||||||||
C-20 | 20~0 | 100 | 95~ 100 | 60~ 90 | 20~ 50 | 10~ 35 |
〔注1〕 呼び名別粒度の規定に適合しない粒度の砕石であっても、他の砕石、砂、石粉等と合成したときの粒度が、所要の混合物の骨材粒度に適合すれば使用することができる。
〔注2〕 花崗岩や頁岩などの砕石で、加熱によってすりへり減量が特に大きくなったり破壊したりするものは表層に用いてはならない。
表3-5 再生砕石の粒度
粒 度 範 囲 | ||||
(呼び名) | 40~0 | 30~0 | 20~0 | |
ふるい目 | (RC-40) | (RC-30) | (RC-20) | |
の開き | ||||
通 過 質 量 百 分 率(%) | 53mm | 100 | ||
37.5mm | 95~100 | 100 | ||
31.5mm | - | 95~100 | ||
26.5mm | - | - | 100 | |
19mm | 50~80 | 55~85 | 95~100 | |
13.2mm | - | - | 60~90 | |
4.75mm | 15~40 | 15~45 | 20~50 | |
2.36mm | 5~25 | 5~30 | 10~35 |
〔注〕再生骨材の粒度は、モルタル粒などを含んだ解砕されたままの見かけの骨材粒度を使用する。
表3-6 再生粒度調整砕石の粒度
粒 度 範 囲 | ||||
(呼び名) | 40~0 | 30~0 | 20~0 | |
ふるい目 | (RM-40) | (RM-30) | (RM-20) | |
の開き | ||||
通 過 質 量 百 分 率(%) | 53mm | 100 | ||
37.5mm | 95~100 | 100 | ||
31.5mm | - | 95~100 | 100 | |
26.5mm | - | - | 95~100 | |
19mm | 60~90 | 60~90 | - | |
13.2mm | - | - | 55~85 | |
4.75mm | 30~65 | 30~65 | 30~65 | |
2.36mm | 20~50 | 20~50 | 20~50 | |
425μm | 10~30 | 10~30 | 10~30 | |
75μm | 2~10 | 2~10 | 2~10 |
〔注〕再生骨材の粒度は、モルタル粒などを含んだ解砕されたままの見かけの骨材粒度を使用する。
2.砕石の材質については、表3-7によるものとする。
表3-7 安定性試験の限度
用 途 | 表層・基層 | 上層路盤 |
損失量 % | 12 以下 | 20 以下 |
〔注〕試験方法は、「舗装試験法便覧」の硫酸ナトリウムを用いる試験方法による5回繰返しとする。 |
3.砕石の品質は、表3-8の規格に適合するものとする。
表3-8 砕石の品質
用 途 項 目 | 表層・基層 | 上層路盤 |
表 乾 比 重吸 水 率 %すり減り減量 % | 2.45 以上 3.0 以下 30 以下注) | - - 50 以下 |
〔注1〕表層、基層用砕石のすり減り減量試験は、粒径 13.2~4.75 ㎜のものについて実施する。
〔注2〕上層路盤用砕石については主として使用する粒径について行えばよい。
4.鉄鋼スラグは硫黄分による黄濁水が流出せず、かつ細長いあるいは偏平なもの、ごみ、泥、有機物などを有害量含まないものとする。その種類と用途は表3-9によるものとする。また、単粒度製鋼スラグ、クラッシャラン製鋼スラグ及び水硬性粒度調整鉄鋼スラグの粒度規格は JIS A 5015(道路用鉄鋼スラグ)によるものとし、その他は砕石の粒度に準ずるものとする。
表3-9 鉄鋼スラグの種類と主な用途
名 称 | 呼び名 | 用 途 |
単粒度製鋼スラグ | SS | 加熱アスファルト混合物用 |
クラッシャラン製鋼スラグ | CSS | 瀝青安定処理(加熱混合)用 |
粒度調整鉄鋼スラグ | MS | 上層路盤材 |
水硬性粒度調整鉄鋼スラグ | HMS | 上層路盤材 |
クラッシャラン鉄鋼スラグ | CS | 下層路盤材 |
5.鉄鋼スラグの規格は、表3-10 の規格に適合するものとする。
表3-10 鉄鋼スラグの規格
呼び名 | x x C B R % | 一軸圧縮強 さ MPa | 単位容積質 量 kg/l | 呈 色判定試験 | 水浸膨張比 % | エージング期 間 |
MS HMS CS | 80 以上 80 以上 30 以上 | - 1.2 以上 - | 1.5 以上 1.5 以上 - | 呈色なし呈色なし呈色なし | 1.5 以下 1.5 以下 1.5 以下 | 6ヶ月以上 6ヶ月以上 6ヶ月以上 |
[注1]呈色判定は、高炉徐冷スラグを用いた鉄鋼スラグに適用する。
[注2]水浸膨張比は、製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグに適用する。
6.製鋼スラグの規格は、表3-11 の規格に適合するものとする。
表3-11 製鋼スラグの規格
呼び名 | 表乾密度 (g/cm3) | 吸水率 (%) | すりへり減 量 (%) | 水浸膨張率 (%) | エージング期 間 |
CSS SS | - 2.45 以上 | - 3.0 以下 | 50 以下 30 以下 | 2.0 以下 2.0 以下 | 3ヶ月以上 3ヶ月以上 |
[注1]試験方法は、「舗装試験法便覧」を参照する。
[注2]エージングとは高炉スラグの黄濁水の発生防止や、製鋼スラグの中に残った膨張性反応物質(遊離石灰)を反応させるため、鉄鋼スラグを屋外に野積みし、安定化させる処理をいう。エージング期間の規定は、製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグにのみ適用する
[注3]水浸膨張比の規定は、製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグにのみ適用する。
7.砂は、天然砂、人工砂、スクリーニングス(砕石ダスト)などを用い、粒度は混合物に適合するものとする。
8.スクリーニングス(砕石ダスト)の粒度は、表3-12 の規格に適合するものとする。
表3-12 スクリーニングスの粒度範囲
ふるい目の開き呼び名 種類 | ふるいを通るものの質量百分率 % | ||||||
4.75mm | 2.36mm | 600μm | 300μm | 150μm | 75μm | ||
スクリーニ ングス | F.2.5 | 100 | 85~100 | 25~55 | 15~40 | 7~28 | 0~20 |
(JIS A 5001 1995(道路用砕石))