事案の概要 のサンプル条項
事案の概要. Xらは、Yに契約期間を2か月と記載してある臨時従業員としての労働契約書を取り交わした上で基幹臨時工として雇い入れられた者であるが、当該契約が5回ないし 23 回にわたって更新された後、YはXに雇止めの意思表示をした。 Yにおける基幹臨時工は、採用基準、給与体系、労働時間、適用される就業規則等において本工と異なる取扱いをされ、本工労働組合に加入し得ず、労働協約の適用もないが、その従事する仕事の種類、内容の点において本工と差異はない。基幹臨時工が2か月の期間満了によって雇止めされた事例はなく、自ら希望して退職するもののほか、そのほとんどが長期間にわたって継続雇用されている。Yの臨時従業員就業規則(臨就規)の年次有給休暇の規定は1年以上の雇用を予定しており、1年以上継続して雇用された臨時工は、試験を経て本工に登用することとなっているが、右試験で不合格となった者でも、相当数の者が引き続き雇用されている。 Xらの採用に際しては、Y側に長期継続雇用、本工への登用を期待させるような言動があり、 Xらも期間の定めにかかわらず継続雇用されるものと信じて契約書を取り交わしたのであり、本工に登用されることを強く希望していたという事情があった。また、Xらとの契約更新に当たっては、必ずしも契約期間満了の都度直ちに新契約締結の手続がとられていたわけではなかった。
事案の概要. 昭和8年、本件訴訟原告Xの父・甲は、本件土地(202.97㎡)について訴外Aとの間で賃貸借契約を締結し、Aは本件土地上に建物を建築した。なお、契約には増改築禁止特約が定められていた。 昭和26年、Aは建物を訴外Bに売渡し、昭和36年(4月3日)にBは建物を本件訴訟被告Yの父・乙に売渡し、同日、甲と乙は本件土地の賃貸借契約(以下「本件契約」という。)を締結した。その後、甲は死亡し、Xが本件土地及び本件契約の賃貸人の地位を相続した。 昭和49年頃、乙は建物を改築した。Xは、乙に対し、改築を承諾していないとして改築中止と本件土地を原状に戻すことを求めるとともに本件契約を解除する旨通知したが、乙は、改築は賃貸人からの承諾があった旨通知した。 Xは、賃料の受領を拒絶し、乙は賃料を供 託するようになった。乙は、借地条件協定請求調停を申し立てたが、調停は昭和50年に乙の取下げにより終了した。 平成5年、Xは、乙に対し、月額賃料を増額する旨通知し、乙は、供託額を増額した。 (注)通知額39,604円、供託額28,200円 平成11年、乙は、建物を改築した。Xは、乙に対し、原状回復と原状回復しない場合には本件契約を解除する旨通知した。 平成14年、乙が死亡し、建物及び本件契約上の賃借人の地位を相続した乙の配偶者乙2が賃料の供託を継続した。 平成17年、Xは、乙2に対し、月額賃料を増額する旨通知し、乙2は、供託額を増額した。(注)通知額48,744円、供託額33,000円 平成22年、乙2が死亡し、建物及び本件契約上の賃借人の地位を乙2の子のYが相続し、賃料の供託を継続した。 平成23年3月1日、Xは、Yに対し、本件契約の更新を拒絶する旨通知し、同年4月2日の賃貸期間が満了するので、速やかに建物を収去して本件土地の明け渡しを求めるよう通知をした。(注)平成23年は、昭和36年より満50年目となる。 同年8月、Xは、Yに対して、建物の収去と本件土地の明渡しを求める訴訟を提起し、予備的には、3,150万円又は裁判所認定の金員の支払と引き換えによる建物を収去と本件土地の明渡しを求める請求を行った。 なお、Xは、本件土地の隣地に保有する自宅に居住し、Yは居住している本件建物以外 に不動産は所有していない。
事案の概要. 不動産会社X(原告)の従業員Z(補助参考人)は、Ⅹが平成18年に7950万円で購入した共同住宅(aマンション)及び2億1000万円で購入した共同住宅(bアパート)の管理業務を担当していたが、Xの元従業員Y2(被告)やZの元上司で前任の管理業務を担当していた元従業員Y3(被告)から、同不動産を処分する場合、手伝うとの申出を受けていた。 平成24年8月29日、Xは、Y2が役員である不動産会社Y1(被告)と、aマンション、 bアパートの販売営業等を委託する旨の契約を締結した。 同年9月11日、Y2はZに、aマンションを価格5000万円、買主を法人として中間省略登記の方法により最終的な所有者が医者となるとの条件での購入希望者がいることを伝え、価格5000万円での売却を承認する旨の決裁を取りつけてほしいとのメールをし、Zは、 aマンションを5000万円で売却する決裁を起案し、X代表者は了承した。 なお、この過程で、Zはaマンションの売却価格や土地の評価額について資料に基づいた説明を受けたことはなかった。 同年9月28日、Xは、aマンションを5000万円で売却した。なお同日、買主は売買代金 7800万円で、aマンションの転売契約を締結した。
b アパートについても、Y2は売却先を募集していたところ、1億5000万円での購入希望があった。 Y1は、売却価格を1億3000万円とし、購入希望額1億5000万円との差額2000万円のうち1000万円を領収書なしで交付してもらいたい旨を購入希望者に申し入れたところ、同希望者からは、領収書なしの交付は応じられないものの、領収書の作成を前提とする物件調査に関する業務委託料名目での1000万円の交付であれば応じられるとの返答を得て、この形態での契約を受け入れることとした。 同年11月22日、Y2はZに、bアパートの売却につき、売却価格1億3000万円となった旨を連絡し、Zは、bアパートを1億3000万円で売却する決裁を起案し、X代表者はこれを了承した。 なお、Zが、bアパートの売買価格1億 3000万円の設定基準を質問したところ、Y2は、銀行評価と利回りを考えての価格である旨の回答をしたが、その評価額について資料に基づいた説明をしたことはなかった。 同年12月6日、bアパートについて代金1億3000万円で売買契約が締結された。 決済日である12月20日、Y1は、買主から、業務委託契約書に基づく報酬として1000万円を受領したが、同委託契約は何ら実態のない契約であった。
事案の概要. 平成19年12月頃、売主業者Xは、当初、本件土地を更地のまま買主法人Yに売却する予定であったが、Yが本件土地上に集合住宅を建築する意向であり、そのためのプラン等の作成依頼等の作業をXサイドで行って欲しい旨の希望が出され、Xは、A企画に建物プランの作成等を依頼し、Yの希望条件を聴取して打合せを行い、その上で、Yは、本件土地につき最終的な購入意思を示した。 Ж このようにして、本件土地上に本件建物を建築することとなり、Yは全額融資になることから、ローン解除条項付きの本件土地売買契約を要請した。 € そこで、平成20年3月29日、XとYとの間で、本件土地についての売買契約が締結された(以下これを「当初契約」という。)。こ の契約は、売買代金1億500万円、中間金 1000万円を同年4月10日までに支払う、そして、本件ローン解除条項が記載されていた。 当初契約が締結された平成20年3月頃、 Yは、複数の金融機関と融資交渉を行っていたが、担保評価の点で折り合わず、結果待ちという状況であった。 以上のような融資交渉の中、Yは当初契約において約していた1000万円の中間金支払ができず、平成20年5月9日、協議が行われ、 Yは、本件土地を購入したい旨の意向を述べたが、Xは、契約を白紙撤回するよう求めた。これに対し、Yは、あと少しすれば融資が確実におりる状況なので、本件土地の購入希望を維持したいという意向を示したことから、予め用意していた売買契約書等をYに提示した。この契約書には、本件ローン解除条項は Yの指示により削除されること、売買代金が当初契約の1億500万円からいわゆるキックバック分1000万円を除いた9500万円となること、売買代金の支払方法は、同年5月12日に手付金400万円、同月30日に手付金600万円、残金を同年7月31日にそれぞれ支払うことが記載されており、Yは、この契約書及び当初契約の解約合意書に社印を捺印した。 その後の平成20年6月20日、Yは、期待 していた銀行からも担保不足を指摘され、融資を拒絶された。 Xは、Yが売買代金を支払わなかったとして、同契約の解除に基づく損害賠償等を求め、提訴した。一方、Yは、当初契約に付されていたローン解除条項の削除に合意しておらず、あるいはかかる合意が錯誤により無効であると主張し、争いになった事案である。
事案の概要. 陸上自衛隊員Aは、自衛隊内の車両整備工場で車両整備中、後退してきたトラックにひかれて死亡した。これに対し、Aの両親Xらは、国Yに対し、Yは使用者として、自衛隊員の服務につき、その生命に危険が生じないように注意し、人的物的環境を整備し、隊員の安全管理に万全を期すべき義務を負うにもかかわらず、これを怠ったとして、債務不履行に基づく損害賠償を求めて訴えをおこした。
事案の概要. Xは、昭和 45 年 12 月1日から同月 20 日までの期間を定めてYのP工場に臨時員として 雇用され、同月 21 日以降、期間2ヶ月の労働契約が5回更新されてきたが、Yは不況に伴
事案の概要. Xら6名(少数組合の組合員でいずれも当時55歳以上の管理職・監督職階にあった)は、60 歳定年制を採用していた東北地方の中位行Yの銀行員であった。Yは賃金制度の2度わたる見直しを行う際に、労組(従業員の 73%が加入)の同意は得たが、少数組合の同意を得ないまま実施した。この変更に基づいて、専任職発令がXらに出され、Xらは管理職の肩書きを失うとともに賃金が減額した。Xらは、本件就業規則の変更は、同意をしていないXらには効力が及ばないとして、専任職への辞令及び専任職としての給与辞令の各発令の無効確認、従前の賃金支払を受ける労働契約上の地位にあることの確認並びに差額賃金の支払を請求する訴えを起こした。
事案の概要. Xは、Y公社帯広電報電話局に勤務し、電話交換の作業に従事する職員であった。Xは、昭和 49 年7月、頸肩腕症候群と診断され、公社の健康管理規程に定める 指導区分のうち、最も病状の重い「療養」にあたることとされた。その後、指導区分の変遷を繰り返し、Xは、本来の職務である電話交換の作業には従事せず、電話番号簿の訂正等の事務に従事していた。Yは、昭和 53 年 10 月、Xに対し、頸肩腕症候群の精密検診を受診するよう、二度にわたって業務命令を発したが、Xはこれを拒否した。労働組合は、この検診が労使確認事項であるとしながらも、Xが受診拒否の意向を示しており、業務命令発出という形にまで発展したことを重視し、非公開で団交を行った。この際、Xは、会議室に立ち入り、組合役員の退去指示にも従わなかった。この間、Xは、約 10 分間にわたり、職場を離脱した。 Yは、Xに対し、受診拒否が就業規則 59 条3号(上長の命令に服さないとき)の懲戒事由に該当し、また、職場離脱は、同 59 条 18 号(第5条の規定に違反したとき)所定の懲戒事由に該当するとして、懲戒処分をした。
事案の概要. Xは、Y社の設計部門であるエンジニアリングセンターにおいて、設計業務に従事して いた。 Y社は、昭和 61 年8月1日、労働者代表の同意を得た上で、同日から実施する就業規則 (以下「旧就業規則」という。)を作成し、同年 10 月 30 日、A労働基準監督署長に届け出た。旧就業規則は、懲戒解雇事由を定め、所定の事由があった場合に懲戒解雇をすることができる旨を定めていた。 Y社は、平成6年4月1日から旧就業規則を変更した就業規則(以下「新就業規則」という。)を実施することとし、同年6月2日、労働者代表の同意を得た上で、同月8日、A労働基準監督署長に届け出た。新就業規則は、懲戒解雇事由を定め、所定の事由があった場合に懲戒解雇をすることができる旨を定めている。 Y社は、同月 15 日、新就業規則の懲戒解雇に関する規定を適用して、その従業員Xを懲戒解雇(以下「本件懲戒解雇」という。)した。その理由は、Xが、同5年9月から同6年 5月 30 日までの間、得意先の担当者らの要望に十分応じず、トラブルを発生させたり、上司の指示に対して反抗的態度をとり、上司に対して暴言を吐くなどして職場の秩序を乱したりしたなどというものであった。 Xは、本件懲戒解雇以前に、Yの取締役Bに対し、センターに勤務する労働者に適用される就業規則について質問したが、この際には、旧就業規則はセンターに備え付けられていなかった。
事案の概要. Y会社と組合との間には、新機械の導入に関し意見の対立がみられたが、この間Xは、一部 職場の女子従業員に対し職場離脱をなさしめたほか、無届集会をしたこと、更に夏期一時金要 求に伴う闘争に関し会社役員の入門を阻止した等の事案が会社の職場規律を害するものとし て使用者により懲戒解雇された。なお、この時、組合委員長ほか他の組合員も、出勤停止、減 給、けん責などの処分を受けている。組合は地労委に不当労働行為を申立て処分撤回の和解が 成立したが、この和解には和解の成立の日をもってXが退職する旨の規定が含まれていた。し かし、Xに退職する意思は見受けられなかったところ、組合は、和解案の受諾にXのみの退職 を承認したのは闘争において同人の行き過ぎの行動があったこと、受諾の趣旨はこれにより会 社と組合との闘争を終止せしめ、労使間の秩序の改善を意図したものであることなどを背景に、 Xが退職に応じないときは組合から離脱せしめることも止むを得ないと考えて同人を離籍(除 名)処分に付した。Y会社と組合との間には、「会社は組合を脱退し、または除名された者を 解雇する。」旨のユニオン・ショップ協定が結ばれており、Y会社は、この協定に基づきXを 解雇した。そこで、Xは、雇用関係の存在確認の請求を行った。