事案の概要 のサンプル条項

事案の概要. 売主X(原告)は、平成24年7月頃、廃棄物取引業者Aに対し、所有している土地(本件土地)上に建っていた樹脂工場及び事務所の解体並びにプラスチック廃材等の除去等を注文し、Aは解体、除去工事を行った。 媒介業者Y(被告:宅建業者)は、平成27年1月頃、Xに対し、本件土地を売却する意思があるかどうかを確認し、Xは売却意思があると回答した。 Xは、不動産売買の媒介契約を締結したYを介し、本件土地の購入希望を示していた買主Bとの間で交渉を行った。 Xは、平成27年12月頃、Yから郵送された物件状況確認書について、同書面の「⑪土壌汚染の可能性」欄の、「敷地の住宅以外(店舗・工場等)の用途での使用履歴」との不動文字の下の、「知っている」のチェックボックスにチェックを入れ、その右横の「用途」の欄に「樹脂成型工場」と記載した。 また、同書面の「⑬敷地内残存物(旧建物 基礎・浄化槽・井戸等)」欄には何も記載しなかった。 Xは、物件状況確認書をYに返送し、Yは Bに同書面をファックスした。 Xは、Bとの間で、平成28年1月、本件土地を売買代金940万円で売却する旨の売買契約(本契約)を締結し、Yに対し、媒介手数料36万円余を支払った。 Bは、平成28年5月、本件土地に大量のプラスチック廃材等が埋設されているのを発見した。 そこで、Bは、C地方裁判所に対し、Xを被告として、訴訟を提起し、上記プラスチック廃材等が本件土地の「隠れた瑕疵」に該当し、瑕疵担保責任に基づき本件売買契約を解除したとして、原状回復として売買代金940万円の返還を求めるとともに、Xが上記埋設物に関する説明義務を怠ったことが不法行為を構成するなどとして、不法行為又は瑕疵担保責任に基づき、損害賠償を請求した。 C地方裁判所は、平成30年1月、Bによる解除を認めるとともに、損害賠償請求について一部認容し、Xに合計1119万円余の支払を命じる旨の判決をした。 Xは控訴し、平成30年8月、本件売買契約が有効に存続し、本件土地の所有権がBに帰属していることを確認するとともに、XがBに対し和解金として500万円を支払う旨の裁判上の和解が成立したため、Xは、Bに対し、 500万円を支払った。 その後、Xは、和解金の支払は、Yが、同 土地にプラスチック廃材等が埋設されている可能性について、Xに確認し、又は同土地の廃棄物処理を行ったAに確認する義務を怠り、若しくはBにプラスチック廃材等が埋設されている可能性を伝える義務を怠ったからであると主張して、Yに対し、媒介契約の債務不履行に基づく損害賠償として、和解金として支払った500万円、Yに対して支払った媒介手数料36万円余及び弁護士費用80万円を求めて本訴を提起した。 これに対し、Yは、媒介を行う宅地建物取引業者は、埋設物の有無などの地下の状況に関し、売主への確認、現地確認により得た結果を買主に説明すれば足り、同確認の結果、何らかの異常や問題があったり、買主から特段の要請があったりする場合でない限り、それ以上の調査、補足説明等を行う義務はないなどと主張した。
事案の概要. 平成24年10月1日、媒介業者Y(被告)よりAが所有する本件不動産の紹介を受けた買主B(個人)は、売買代金を2億5000万円、売主の承諾が得られ次第売買契約を締結するとした不動産取纏依頼書をYに提出した。 同月4日、A側の交渉窓口となっていた媒介業者Cの代表取締約Dは、Yに対し、今回の取引は、Aの譲渡所得税対策のため、Aと Bの直接の売買ではなく、Dが代表取締役を務めるX(原告・宅建業者)を間に入れ、AからXへの売買(第一契約)と、XからBへの売買(第二契約)という2段階売買にしたいと伝えた。XがAから購入する代金額は2億1500万円、とし、Cが媒介業者になるものとされた。 同月10日、CはYに対し、本件不動産の隣地境界承諾書の一部が、前所有者と隣地所有者との不仲により揃わないため、境界明示を同年1月作成の実測求積図で代替(本件代替案)できれば、Aは第一契約を締結するので、 Bの意向を確認してほしいと依頼した。 同月11日、Yは本件代替案をBに説明した。同月12日には、Yは「境界承諾書が取得できない場合もあり、そのような場合には実測求測図で境界を明らかにして売買契約を締結することがある。」と説明をしたところ、Bは、 「そういうものなんですか。」と回答した。Yは、Bの対応から本件代替案が了承されたと理解して、Cに対し、Bの了解が得られたと報告し、同月15日までに第一契約の契約書を確認したいと伝えた。 同月15日、XはAとの間で代金を2億1500万円とする第一契約を締結し、これを媒介したCは、Yに同契約書の写しを送付した。 同月16日、BはYに対し、境界承諾書のない隣地とのトラブル懸念が払拭できないとして、第二契約の話は白紙にしたいと伝えた。 Yは境界確認に関する新たな提案等を行い、再考を促したが、結局、第二契約は締結に至らなかった。 をしていたYには、媒介契約に基づく善管注意義務、または、宅建業者としての業務上の一般的注意義務があり、売買契約締結についてのBの最終意思を確認する注意義務違反があるとして、転売利益1000万円、Aに支払った違約金等1500万円、慰謝料500万円ほか、計3393万円余の損害賠償を求め、本件訴訟を提起した。
事案の概要. Xらは、Yに契約期間を2か月と記載してある臨時従業員としての労働契約書を取り交わした上で基幹臨時工として雇い入れられた者であるが、当該契約が5回ないし 23 回にわたって更新された後、YはXに雇止めの意思表示をした。 Yにおける基幹臨時工は、採用基準、給与体系、労働時間、適用される就業規則等において本工と異なる取扱いをされ、本工労働組合に加入し得ず、労働協約の適用もないが、その従事する仕事の種類、内容の点において本工と差異はない。基幹臨時工が2か月の期間満了によって雇止めされた事例はなく、自ら希望して退職するもののほか、そのほとんどが長期間にわたって継続雇用されている。Yの臨時従業員就業規則(臨就規)の年次有給休暇の規定は1年以上の雇用を予定しており、1年以上継続して雇用された臨時工は、試験を経て本工に登用することとなっているが、右試験で不合格となった者でも、相当数の者が引き続き雇用されている。 Xらの採用に際しては、Y側に長期継続雇用、本工への登用を期待させるような言動があり、 Xらも期間の定めにかかわらず継続雇用されるものと信じて契約書を取り交わしたのであり、本工に登用されることを強く希望していたという事情があった。また、Xらとの契約更新に当たっては、必ずしも契約期間満了の都度直ちに新契約締結の手続がとられていたわけではなかった。
事案の概要. 陸上自衛隊員Aは、自衛隊内の車両整備工場で車両整備中、後退してきたトラックにひかれて死亡した。これに対し、Aの両親Xらは、国Yに対し、Yは使用者として、自衛隊員の服務につき、その生命に危険が生じないように注意し、人的物的環境を整備し、隊員の安全管理に万全を期すべき義務を負うにもかかわらず、これを怠ったとして、債務不履行に基づく損害賠償を求めて訴えをおこした。
事案の概要. Xは、Y公社帯広電報電話局に勤務し、電話交換の作業に従事する職員であった。X は、昭和 49 年7月、頸肩腕症候群と診断され、公社の健康管理規程に定める指導区分のうち、最も病状の重い「療養」にあたることとされた。その後、指導区分の変遷を繰り返 し、Xは、本来の職務である電話交換の作業には従事せず、電話番号簿の訂正等の事務に従事していた。Yは、昭和 53 年 10 月、Xに対し、頸肩腕症候群の精密検診を受診するよう、二度にわたって業務命令を発したが、Xはこれを拒否した。労働組合は、この検診が労使確認事項であるとしながらも、Xが受診拒否の意向を示しており、業務命令発出という形にまで発展したことを重視し、非公開で団交を行った。この際、Xは、会議室に立ち 入り、組合役員の退去指示にも従わなかった。この間、Xは、約 10 分間にわたり、職場を離脱した。 Yは、Xに対し、受診拒否が就業規則 59 条3号(上長の命令に服さないとき)の懲戒事 由に該当し、また、職場離脱は、同 59 条 18 号(第5条の規定に違反したとき)所定の懲戒事由に該当するとして、懲戒処分をした。
事案の概要. Xは、Y社の設計部門であるエンジニアリングセンターにおいて、設計業務に従事して いた。 Y社は、昭和 61 年8月1日、労働者代表の同意を得た上で、同日から実施する就業規則 (以下「旧就業規則」という。)を作成し、同年 10 月 30 日、A労働基準監督署長に届け出た。旧就業規則は、懲戒解雇事由を定め、所定の事由があった場合に懲戒解雇をすることができる旨を定めていた。 Y社は、平成6年4月1日から旧就業規則を変更した就業規則(以下「新就業規則」という。)を実施することとし、同年6月2日、労働者代表の同意を得た上で、同月8日、A労働基準監督署長に届け出た。新就業規則は、懲戒解雇事由を定め、所定の事由があった場合に懲戒解雇をすることができる旨を定めている。 Y社は、同月 15 日、新就業規則の懲戒解雇に関する規定を適用して、その従業員Xを懲戒解雇(以下「本件懲戒解雇」という。)した。その理由は、Xが、同5年9月から同6年 5月 30 日までの間、得意先の担当者らの要望に十分応じず、トラブルを発生させたり、上司の指示に対して反抗的態度をとり、上司に対して暴言を吐くなどして職場の秩序を乱したりしたなどというものであった。 Xは、本件懲戒解雇以前に、Yの取締役Bに対し、センターに勤務する労働者に適用される就業規則について質問したが、この際には、旧就業規則はセンターに備え付けられていなかった。
事案の概要. Y会社と組合との間には、新機械の導入に関し意見の対立がみられたが、この間Xは、一 部職場の女子従業員に対し職場離脱をなさしめたほか、無届集会をしたこと、更に夏期一時金要求に伴う闘争に関し会社役員の入門を阻止した等の事案が会社の職場規律を害するものとして使用者により懲戒解雇された。なお、この時、組合委員長ほか他の組合員も、出勤停止、減給、けん責などの処分を受けている。組合は地労委に不当労働行為を申立て処分撤回の和解が成立したが、この和解には和解の成立の日をもってXが退職する旨の規定が含まれていた。しかし、Xに退職する意思は見受けられなかったところ、組合は、和解案の受諾に Xのみの退職を承認したのは闘争において同人の行き過ぎの行動があったこと、受諾の趣旨はこれにより会社と組合との闘争を終止せしめ、労使間の秩序の改善を意図したものであることなどを背景に、Xが退職に応じないときは組合から離脱せしめることも止むを得ないと考えて同人を離籍(除名)処分に付した。Y会社と組合との間には、「会社は組合を脱退 し、または除名された者を解雇する。」旨のユニオン・ショップ協定が結ばれており、Y会社は、この協定に基づきXを解雇した。そこで、Xは、雇用関係の存在確認の請求を行った。
事案の概要. Xは、昭和 45 年 12 月1日から同月 20 日までの期間を定めてYのP工場に臨時員として 雇用され、同月 21 日以降、期間2ヶ月の労働契約が5回更新されてきたが、Yは不況に伴
事案の概要. Xら6名(少数組合の組合員でいずれも当時55歳以上の管理職・監督職階にあった)は、60 歳定年制を採用していた東北地方の中位行Yの銀行員であった。Yは賃金制度の2度わたる見直しを行う際に、労組(従業員の 73%が加入)の同意は得たが、少数組合の同意を得ないまま実施した。この変更に基づいて、専任職発令がXらに出され、Xらは管理職の肩書きを失うとともに賃金が減額した。Xらは、本件就業規則の変更は、同意をしていないXらには効力が及ばないとして、専任職への辞令及び専任職としての給与辞令の各発令の無効確認、従前の賃金支払を受ける労働契約上の地位にあることの確認並びに差額賃金の支払を請求する訴えを起こした。
事案の概要. 平成24年9月、ビル及びアパートの賃貸・売買等を営む法人Y1(被告)と同社代表取締役であるY2(被告)は、Y1所有の土地について、建設、不動産事業等を営む法人X (原告)と売買代金3億6038万円余で売買契約を締結した。 売買契約書には、①中高層共同住宅建設のため、X側の土壌汚染調査実施をY1らが承諾すること、②土壌汚染調査の結果、環境省の環境基準及び自治体の指導基準を上回る土壌汚染があった場合、Y1らが本件土地の引渡日までに土壌改良又は除去により同基準値以下としてその引渡しを行い、その費用が 5000万円を超える場合には当事者間で協議し、協議が整わない場合は、本件売買契約が解除できること、③隠れた瑕疵があったとき又は第三者から故障の申出があったときは、 Y1らが全責任を負ってこれを引き受け処理する旨等が記載されていた。 XとY1らは、同年12月に変更契約を締結し、瑕疵担保責任について、Y1らが責任を 負う期間を引渡しの時から2年間に限り、隠れた瑕疵のうち、土壌汚染についてY1らの負担上限額を5000万円とする旨を定めた。 売買し、Zへの所有権移転登記手続がされた。 Xは、平成25年8月にZから本件土地の土 壌汚染調査の結果、砒素が発見された旨の連絡を受け、Y1らとその対策を協議したが、 Y1らは土壌汚染対策の必要はないと主張した。 Xは、Zから、土壌汚染対策費用2971万円余の支払いを求められたため、平成26年3月にY1らに対し同額の支払いを請求したが、 Y1らは請求に応じられない旨回答したため、Xは、Y1らに対し、賠償金2971万円余とこれに対する瑕疵担保責任の履行を請求した日の後から支払済までの商事法定利率年6 %の割合による遅延損害金の支払いを求め提訴した。